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樹脂組成物、コーティング剤
説明

樹脂組成物、コーティング剤

【課題】 無機微粒子の添加や、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物の高分子量化を行なわなくても、硬化収縮が小さくカールしにくい硬化塗膜を形成することが可能なウレタン(メタ)アクリレートを含有する樹脂組成物、及びそれを用いたコーティング剤の提供すること。
【解決手段】 水酸基価が130mgKOH/g以上であるペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)中の水酸基と、多価イソシアネート系化合物(B)のイソシアネート基とを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレートを含有してなることを特徴とする樹脂組成物

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する樹脂組成物及びコーティング剤に関し、更に詳しくは、硬化収縮が小さくカールしにくい硬化塗膜を形成するためのウレタン(メタ)アクリレートを含有する樹脂組成物、及びそれを用いてなるコーティング剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ごく短時間の放射線や紫外線等の活性エネルギー線の照射により硬化が完了するため、各種基材へのコーティング剤や接着剤、又はアンカーコート剤等として幅広く用いられており、その中の硬化成分としては、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物や多官能モノマーが使用されている。ところが、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、特にコーティング剤として用いる際に、塗膜の硬化収縮が起こり硬化塗膜がカールし易いという問題点があった。
【0003】
そこで、かかる硬化収縮を抑えるために、硬化性樹脂に無機微粒子を添加した硬化性樹脂組成物(特許文献1参照。)や、硬化成分として高分子量化されたウレタン(メタ)アクリレートを含有させた硬化性樹脂組成物(特許文献2参照。)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−77292号公報
【特許文献2】特開2010−180319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、無機微粒子と硬化性樹脂との相溶性を考慮すると使用できる有機溶剤が限られたり、塗膜の表面異常が起こる可能性が高くなるという問題があったり、更に一般的に無機微粒子は高価なため、それを配合した樹脂や塗料も高価となり、現実的には硬化性樹脂の使用用途が特殊な用途に限られてしまうものであった。
また、上記特許文献2の開示技術では、硬化成分として使用するウレタン(メタ)アクリレートを高分子量化させるための製造法が多段反応となるため反応に時間がかかったり、塗膜の耐擦傷性が低下してしまうものであった。
【0006】
そこで、本発明は、このような背景下において、無機微粒子の添加や、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物の高分子量化を行なわなくても、硬化収縮が小さくカールしにくい硬化塗膜を形成することが可能なウレタン(メタ)アクリレートを含有する樹脂組成物、及びそれを用いたコーティング剤の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
しかるに本発明者は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、硬化成分としてペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物と多価イソシアネート系化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートを含有するものであり、更に、ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物の水酸基価が通常よりも高い付加物を用いることにより硬化収縮が小さくカールしにくい硬化塗膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明の要旨は、水酸基価が130mgKOH/g以上であるペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)中の水酸基と、多価イソシアネート系化合物(B)のイソシアネート基とを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレートを含有してなることを特徴とする樹脂組成物に関するものである。
また、本発明においては、前記樹脂組成物を含有してなるコーティング剤も提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の樹脂組成物は、硬化収縮が小さくカールしにくい硬化塗膜を形成することが可能であり、更には、硬化塗膜とした際の耐擦傷性、基材密着性にも優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
【0011】
本発明の樹脂組成物は、水酸基価が130mgKOH/g以上であるペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)中の水酸基と、多価イソシアネート系化合物(B)のイソシアネート基とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートを少なくとも含むものである。
【0012】
かかるウレタン(メタ)アクリレートは、水酸基価が130mgKOH/g以上であるペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)中の水酸基と、多価イソシアネート系化合物(B)のイソシアネート基を反応させることにより、ウレタン結合が形成されたものである。
【0013】
上記ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)の水酸基価としては、130mgKOH/g以上であることが必要であり、好ましくは130〜500mgKOH/g、特に好ましくは140〜300mgKOH/g、更に好ましくは150〜200mgKOH/g、殊に好ましくは150〜180mgKOH/gである。
かかる水酸基価が少なすぎると、低分子量でエチレン性不飽和基数が多く、イソシアネートと反応しないペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートの含有量が多くなるため、硬化時の硬化収縮が大きくなり、カールしやすくなる。
【0014】
かかるペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)は、ペンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸を公知一般の方法で反応させたものであればよい。
ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)としては、その成分中に、ペンタエリスリトールに対して(メタ)アクリル酸が一つ付加したもの、二つ付加したもの、三つ付加したもの、四つ付加したものが含まれ、全体として上記の水酸基価を満足するものである。
【0015】
上記多価イソシアネート系化合物(B)としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート;水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環式系ポリイソシアネート;或いはこれらポリイソシアネートの3量体化合物又は多量体化合物、アロファネート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート(例えば、日本ポリウレタン工業(株)製の「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」等)、等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
また、上記ポリイソシアネートと、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、(メタ)アクリル系ポリオール等のポリオールとの反応物であってもよい。
【0016】
これらの中でも、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式系ポリイソシアネートであることが、耐候性と強度の点で好ましく、特に好ましくはヘキサメチレンジイソシアネートの3量体、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートである。
【0017】
本発明において、ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)中の水酸基と、多価イソシアネート系化合物(B)のイソシアネート基を反応させる方法としては、公知一般のウレタン化反応の条件に準じて行なえばよい。
【0018】
かかるペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)と多価イソシアネート系化合物(B)との反応比率(モル比)は、(A)の水酸基:(B)のイソシアネート基=1:0.6〜1:1であることが好ましく、特に好ましくは(A)の水酸基:(B)のイソシアネート基=1:0.8〜1:1、更に好ましくは(A)の水酸基:(B)のイソシアネート基=1:0.9〜1:1である。
かかるペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)中の水酸基の割合が多すぎると、低分子量モノマーが多くなり、硬化収縮が大きくなるためカールが大きくなる傾向があり、ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)中の水酸基の割合が少なすぎると、未反応のイソシアネートが残存し、硬化塗膜の安定性や安全性が低下する傾向がある
【0019】
ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)と多価イソシアネート系化合物(B)の反応は、通常、上記ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)、多価イソシアネート系化合物(B)を、反応器に一括又は別々に仕込み反応させればよい。
【0020】
上記反応においては、反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましく、かかる触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫等の有機金属化合物、オクトエ酸亜鉛、オクトエ酸錫、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫等の金属塩、トリエチルアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等の有機ビスマス化合物や、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等のビスマス系触媒等が挙げられ、中でも、ジブチル錫ジラウレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセンが好適である。
【0021】
また、イソシアネート基に対して反応する官能基を有しない有機溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等の有機溶剤を用いることができる。
【0022】
反応温度は、通常30〜90℃、好ましくは40〜80℃であり、反応時間は、通常2〜10時間、好ましくは3〜8時間である。
【0023】
かくしてウレタン(メタ)アクリレートを含有する樹脂組成物が得られるが、かかる樹脂組成物中のウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量としては800〜70,000であることが好ましく、更に好ましくは1,000〜60,000、特に好ましくは1,500〜50,000である。
かかる重量平均分子量が小さすぎると硬化塗膜が脆くなる傾向があり、大きすぎると高粘度となり取り扱いにくくなる傾向がある。
【0024】
尚、上記の重量平均分子量とは、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(昭和電工社製、「Shodex GPC system−11型」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定される。
【0025】
また、樹脂組成物の60℃における粘度が500〜200,000mPa・sであることが好ましく、特には500〜100,000mPa・s、更には1,000〜50,000mPa・s、殊に好ましくは2,000〜20,000であることが好ましい。かかる粘度が上記範囲外では塗工性が低下する傾向がある。
尚、粘度の測定法はE型粘度計による。
【0026】
かくして、本発明の樹脂組成物が得られる。
かかる樹脂組成物は、主成分として(好ましくは50重量%以上、特に好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、殊に好ましくは80重量%以上)ウレタン(メタ)アクリレートを含有するものであり、その他成分として、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)トリアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を含有するものである。
【0027】
上記樹脂組成物には、光重合開始剤(C)を含有することが好ましく、本発明の硬化を損なわない範囲で、ウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和モノマー、アクリル樹脂、表面調整剤、レベリング剤、重合禁止剤等を添加することができ、更にはフィラー、染顔料、油、可塑剤、ワックス類、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、ゲル化剤、安定剤、消泡剤、界面活性剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、補強剤、艶消し剤、架橋剤、シリカ、水分散されたシリカ、ジルコニウム化合物、防腐剤油等を配合することも可能である。
【0028】
上記光重合開始剤(C)としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;等があげられる。なお、これら光重合開始剤(C)は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0029】
また、これらの助剤として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。
【0030】
これらの中でも、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイルイソプロピルエーテル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを用いることが好ましい。
【0031】
光重合開始剤(C)の含有量としては、樹脂組成物中に含まれる硬化成分100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜10重量部である。
光重合開始剤(C)の含有量が少なすぎると、硬化不良となり膜形成がなされにくい傾向があり、多すぎると硬化塗膜の黄変の原因となり、着色の問題が起こりやすい傾向がある。
【0032】
表面調整剤としては特に限定されず、例えば、セルロース樹脂やアルキッド樹脂等を挙げることができる。かかる、セルロース樹脂は、塗膜の表面平滑性を向上させる作用が有り、アルキッド樹脂は、塗布時の造膜性を付与する作用を有する。
【0033】
レベリング剤としては、塗液の基材への濡れ性付与作用、表面張力の低下作用を有するものであれば、公知一般のレベリング剤を用いることができ、例えば、シリコーン変性樹脂、フッ素変性樹脂、アルキル変性の樹脂等を用いることができる。
【0034】
重合禁止剤としては、例えば、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、ハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−t−ブチルハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール等を挙げることができる。
【0035】
また、本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、塗工時の粘度を適正なものにするために、希釈のための有機溶剤を使用することも好ましい。かかる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、トルエン、キシレン等の芳香族類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ジアセトンアルコール等が挙げられる。これら上記の有機溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0036】
2種以上を併用する場合は、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類とメチルエチルケトン等のケトン類やメタノール等のアルコール類との組み合わせや、メチルエチルケトン等のケトン類とメタノール等のアルコール類の組み合わせ、メタノール等のアルコール類の中から2種以上を選び併用すること等が、塗膜外観の点で好ましい。
【0037】
本発明の樹脂組成物は、各種基材へのトップコート剤やアンカーコート剤など、塗膜形成用の硬化性樹脂組成物として有効に用いられるものであり、かかる樹脂組成物を基材に塗工した後(有機溶剤で希釈した組成物を塗工した場合には、さらに乾燥させた後)、活性エネルギー線を照射することにより硬化される。
【0038】
上記本発明の樹脂組成物を塗工する対象である基材としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン系樹脂等やそれらの成型品(フィルム、シート、カップ、等)等のプラスチック基材、それらの複合基材、またはガラス繊維や無機物を混合した前記材料の複合基材等、金属(アルミニウム、銅、鉄、SUS,亜鉛、マグネシウム、これらの合金等)やガラス、または、これらの基材上にプライマー層を設けた基材等が挙げられる。
【0039】
本発明の樹脂組成物の塗工方法としては、例えば、スプレー、シャワー、ディッピング、ロール、スピン、スクリーン印刷等のようなウェットコーティング法が挙げられ、通常は常温の条件化で、基材に塗工すればよい。
【0040】
また、本発明の樹脂組成物は、そのまま塗工してもよいし、有機溶剤で希釈して塗工してもよい。希釈する場合には、上記有機溶剤を用いて、固形分濃度が、通常3〜60重量%(好ましくは5〜40重量%)とすることが好ましい。
【0041】
上記有機溶剤による希釈を行なった際の乾燥条件としては、温度が、通常40〜120℃(好ましくは50〜100℃)で、乾燥時間が、通常1〜20分(好ましくは2〜10分)であればよい。
【0042】
基材上に塗工された樹脂組成物を硬化させる際に使用する活性エネルギー線としては、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。尚、電子線照射を行う場合は、光重合開始剤(C)を用いなくても硬化し得る。
【0043】
紫外線照射により硬化させる際には、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ、LED等を用いて、通常30〜3000mJ/cm(好ましくは100〜1500mJ/cm)の紫外線を照射すればよい。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる
【0044】
塗工膜厚(硬化後の膜厚)としては、通常、紫外線硬化型の塗膜として光重合開始剤が均一に反応するべく光線透過を鑑みると3〜1000μmであればよく、好ましくは5〜500μmであり、特に好ましくは5〜200μmである。
【0045】
上記樹脂組成物は、コーティング剤として用いることが好ましく、特にはハードコート用コーティング剤として用いることが好ましい。
【0046】
また、本発明においては、樹脂組成物を、サイズ10cm×10cmで厚み125μmの易接着ポリエチレンテレフタレートフィルムに、10μmの厚みで塗工し、温度60℃で3分間乾燥させた後、高さ18cmの位置から80Wの高圧水銀灯を用い、5.1m/minの速度で積算照射量が500mJ/cmとなるように紫外線を照射することにより得られる硬化塗膜において、四隅の跳ね上がり高さの平均値が20mm以下である硬化塗膜となるコーティング剤とすることが好ましい。
【0047】
本発明の、水酸基価が130mgKOH/g以上であるペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)中の水酸基と、多価イソシアネート系化合物(B)のイソシアネート基とを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレートを含有してなる樹脂組成物は、硬化収縮が小さくカールしにくい硬化塗膜を形成することが可能であり、コーティング剤としてのみならず、塗料、インク等としても有用なものである。
【実施例】
【0048】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、
重量基準を意味する。
【0049】
樹脂組成物(以下、「樹脂組成物(X)」と記すことがある。)として、以下のものを調整した(表1参照。)。
【0050】
<実施例1:樹脂組成物(X−1)の製造>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(B−1)237g(1.06モル)と2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.8g、ジブチルスズジラウレート0.05gを仕込み、60℃以下で水酸基価165mgKOH/gのペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(A−1)763g(2.23モル)を約1時間で滴下し、60℃で8時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレートを87.5重量%含有する樹脂組成物(X−1)を得た(樹脂分濃度100%)。
得られた樹脂組成物(X−1)中のウレタンアクリレートの重量平均分子量は1,800であった。
【0051】
<実施例2:樹脂組成物(X−2)の製造>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート(B-2)268g(1.02モル)と2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.8g、ジブチルスズジラウレート0.05gを仕込み、60℃以下で水酸基価164mgKOH/gのペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(A−1)732g(2.14モル)を約1時間で滴下し、60℃で8時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレートを87.6重量%含有する樹脂組成物(X−2)を得た(樹脂分濃度100%)。
得られた樹脂組成物(X−2)中のウレタンアクリレートの重量平均分子量は2,500であった。
【0052】
<実施例3:樹脂組成物(X−3)の製造>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(B−3)361g(0.60モル)と2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.8g、ジブチルスズジラウレート0.05gを仕込み、60℃以下で水酸基価164mgKOH/gのペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(A−1)639g(1.87モル)を約1時間で滴下し、60℃で8時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレートを90.0重量%含有する樹脂組成物(X−3)を得た(樹脂分濃度100%)。
得られた樹脂組成物(X−3)中のウレタンアクリレートの重量平均分子量は46、000であった。
【0053】
<比較例1:樹脂組成物(X’−1)の製造>
実施例1で使用したペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(A−1)に代えて、水酸基価118mgKOH/gのペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(A’−1)を使用した以外は同様の方法で、樹脂組成物(X’−1)を製造した。
得られた樹脂組成物(X’−1)中のウレタンアクリレートの重量平均分子量は1,500であった。
【0054】
<比較例2:樹脂組成物(X’−2)の製造>
実施例1で使用したペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(A−1)に代えて、水酸基価120mgKOH/gのペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(A’−2)を使用した以外は同様の方法で、樹脂組成物(X’−2)を製造した。
得られた樹脂組成物(X’−2)中のウレタンアクリレートの重量平均分子量は1,400であった。
【0055】
<比較例3:樹脂組成物(X’−3)の製造>
実施例1で使用したペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(A−1)に代えて、水酸基価107mgKOH/gのペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(A’−3)を使用した以外は同様の方法で、樹脂組成物(X’−3)を製造した。
得られた樹脂組成物(X’−3)中のウレタンアクリレートの重量平均分子量は1,400であった。
【0056】
<比較例4:樹脂組成物(X’−4)の製造>
実施例1で使用したペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(A−1)に代えて、水酸基価113mgKOH/gのペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A’−4)を使用した以外は同様の方法で、樹脂組成物(X’−4)を製造した。
得られた樹脂組成物(X’−4)中のウレタンアクリレートの重量平均分子量は1,500であった。
【0057】
上記樹脂組成物(X−1)〜(X−3)、(X’−1)〜(X’−4)について、下記の通り硬化塗膜とした際の塗膜物性(耐カール性、耐擦傷性、硬度、基材密着剤)を評価した。
【0058】
<評価用サンプルの製造方法>
樹脂組成物(X)40部に、酢酸エチル60部と光重合開始剤(C)として、α−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(BASF社製、「イルガキュア184」)を1.6部添加し、PC板(ポリカーボネート板:サイズ7×15(cm)、厚み2mm)または易接着PETフィルム(東洋紡績(株)製、「A4300」、サイズ10×10(cm)、厚み125μm)基板上にバーコーターNo.24を用いて、乾燥後の膜厚が10μmとなるように塗工し、60℃で3分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量500mJ/cm)を行い、硬化塗膜を形成した。
【0059】
[四隅の跳ね上がり高さ(耐カール性)]
易接着PETフィルム上に塗工した上記硬化塗膜について、四角の跳ね上がり高さの平均値(mm)を測定した。
【0060】
[耐擦傷性]
PC板上に塗工した上記硬化塗膜について、スチールウール(日本スチールウール社製、ボンスター#0000)を用い200gの荷重をかけながら硬化塗膜表面を20往復させた後、表面の傷付き度合いを目視により観察した。
(評価)
○・・・傷が見えないか、傷がわずかに見えるもの
△・・・傷つきが目立つもの
×・・・傷が多いもの
【0061】
[硬度]
PC板上に塗工した上記硬化塗膜について、JISK5400に準じて試験を行ない硬度を測定した。
【0062】
[基材密着性]
PC板および易接着PETフィルム上に形成した硬化塗膜について、碁盤目テープ法(JISK5600に準拠)を行ない密着性を測定した。
(評価)
○・・・剥がれのないもの
△・・・一部が剥がれたもの
×・・・全て剥がれたもの
【0063】
【表1】

【0064】
上記評価結果より、実施例1〜3の樹脂組成物から得られる硬化塗膜は、耐カール性に優れ、更に耐擦傷性、基材密着性に優れるものである。
一方、比較例1〜4の樹脂組成物から得られる硬化塗膜は、耐カール性に劣るものであることがわかる。更に、比較例3及び4は、耐擦傷性にも劣るものであることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の樹脂組成物は、硬化塗膜とした際に、硬化収縮が小さくカールしにくい硬化塗膜を形成することが可能であり、更に耐擦傷性、基材密着性に優れるものであり、コーティング剤、とりわけハードコート用コーティング剤として有用であるのみならず、塗料、インク等としても有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水酸基価が130mgKOH/g以上であるペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)中の水酸基と、多価イソシアネート系化合物(B)のイソシアネート基とを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレートを含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量が、800〜70,000であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1または2記載の樹脂組成物を含有してなることを特徴とするコーティング剤。
【請求項4】
ハードコート用コーティング剤として用いることを特徴とする請求項3記載のコーティング剤。
【請求項5】
請求項1または2記載の樹脂組成物を、サイズ10cm×10cmで厚み125μmの易接着ポリエチレンテレフタレートフィルムに、10μmの厚みで塗工し、温度60℃で3分間乾燥させた後、高さ18cmの位置から80Wの高圧水銀灯を用い、5.1m/minの速度で積算照射量が500mJ/cmとなるように紫外線を照射して得られる硬化塗膜における、四隅の跳ね上がり高さの平均値が20mm以下である硬化塗膜となることを特徴とするコーティング剤。

【公開番号】特開2012−229412(P2012−229412A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−90129(P2012−90129)
【出願日】平成24年4月11日(2012.4.11)
【出願人】(000004101)日本合成化学工業株式会社 (572)
【Fターム(参考)】