説明

樹脂組成物及びこれで処理された紙又は繊維加工品

【課題】
ダイオキシンやハロゲン化水素を発生する恐れのあるハロゲン系成分を含有せず、紙や繊維加工品に優れた強度や剛軟性及び防炎性、耐熱黄変性を付与することのできる樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
本発明は、リン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体及びカルボキシル基を有する不飽和単量体とを共重合して得られ、且つ固形分中に特定量のリン分を有し、アルキル鎖の炭素数が1〜4の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体及びカルボキシル基を有する不飽和単量体を特定量含有することを特徴とする樹脂組成物に関する。この樹脂組成物で処理された紙又は繊維加工品は、優れた強度や剛軟性及び防炎性、耐熱黄変性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性または防炎性を付与することができる樹脂組成物及びこれで処理された紙又は繊維加工品に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の紙及び繊維加工品は多種多様な用途に使用され、その物性向上剤として合成樹脂が広く用いられている。近年、建築材料や自動車内装材などの用途において、使用される紙及び繊維加工品の難燃化が求められており、これに対応する合成樹脂も開発されている。
【0003】
一般的に合成樹脂を難燃化する方法としては、主に樹脂成分に難燃剤を添加する方法が挙げられる。例えば、赤リンやリン酸塩、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機系難燃剤、ペンタブロモビフェニル、オクタブロモビフェニル、デカブロモビフェニルなどのハロゲン系難燃剤、リン酸グアニジン、トリフェニルホスフェート、スルファミン酸などの非ハロゲン系難燃剤がよく知られている。
【0004】
しかし、これら難燃剤は一般的に合成樹脂との相溶性に問題があり、難燃剤成分が分離したり、沈降したりすることがある。またこれらの難燃性樹脂は加工品に難燃性や防炎性を付与するだけでなく、強度や風合いなど他の諸物性に悪影響を与えないことが必要であるが、難燃性を付与するためには一般的に多量の添加が必要であり、樹脂自身の物性を阻害する原因となっている。
【0005】
特に無機系難燃剤は樹脂の難燃化性能が乏しく、樹脂への多量の添加が必要であり、合成樹脂との比重差から沈降が生じやすい。またこれらを用いた加工品を硬くしてしまい、紙や繊維の本来の風合いを損なうといった問題も生じる。
【0006】
ハロゲン系難燃剤は難燃化性能に優れているため、添加量が少なくて済むことから、合成樹脂の物性に与える影響は少ないが、塩素や臭素といったハロゲン元素を含有しているため、これらを用いた加工品を焼却する場合にダイオキシンやハロゲン化水素といった有害物質を発生する恐れがあり、EU諸国を始めとした世界各国で規制や使用の見直しが行なわれている。
【0007】
非ハロゲン系難燃剤は、ハロゲン系難燃剤と比較して、安全性に優れているため、リン系を始めとした難燃剤が多く検討されている。しかし、リン系難燃剤の難燃化性能はハロゲン系よりも低く、比較的多量に使用しなければならないため、加工品物性を低下させてしまう。例えば、水溶性の難燃剤は潮解性が高く、見かけ上、樹脂を可塑化するため、これらを用いた加工品の強度、風合いを低下させる要因となる。また油溶性のものも樹脂の可塑化や樹脂表面へのブリードにより、強度、風合いを低下させるだけでなく、ベタツキを生じさせる要因となっている。
【0008】
これらを解決する手段として、リン酸基や亜リン酸骨格を有する不飽和単量体と、アクリル酸系不飽和単量体と、酢酸ビニル単量体とを共重合した非ハロゲン系の難燃性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示される難燃性樹脂組成物を用いた加工品は、強度、剛軟性を満足するものではなく、更なる物性向上が望まれていた。
【0010】
また、特許文献1に開示される難燃性樹脂組成物を用いた加工品の問題を解決した非ハロゲン系の樹脂組成物も提案されているが、樹脂単独又はそれを用いた加工品が熱黄変してしまい、その意匠性を著しく低下させると共に、樹脂単独又はそれを用いた加工品が硬く、剛軟性を制御出来ないという問題点があった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平7−18028号公報
【特許文献2】特開2008−169249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明は、ダイオキシンやハロゲン化水素を発生する恐れのあるハロゲン系成分を含有せず、紙や繊維加工品に優れた強度や防炎性及び希望する剛軟性を付与することのできる熱黄変しない難燃性を有する樹脂組成物及びこれで処理された防炎性や自己消火性を有する紙又は繊維加工品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、本発明者らは、上記のような従来の課題を解決すべく鋭意研究、開発を遂行した結果、リン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体及びカルボキシル基を有する不飽和単量体を共重合して得られ、且つ固形分中に特定量のリン分、アルキル鎖の炭素数が1〜4の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体及びカルボキシル基を有する不飽和単量体をそれぞれ特定量含有した樹脂組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
即ち、本発明は、リン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体、アルキル鎖の炭素数が1〜4である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、並びにアクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボキシル基を有する不飽和単量体を共重合して得られ、固形分中のリン含有量が3〜13質量%であり、前記カルボキシル基を有する不飽和単量体を全単量体に対し1〜79質量%使用し、且つアルキル鎖の炭素数が1〜4である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と前記カルボキシル基を有する不飽和単量体とを合計で全単量体に対し40質量%以上使用することを特徴とする樹脂組成物に関する。
【0015】
リン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体は、アシッド・ホスホオキシポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
【0016】
アルキル鎖の炭素数が1〜4である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を全単量体に対し1〜79質量%使用することが好ましい。
【0017】
また、本発明は前記樹脂組成物を用いて加工された紙に関する。
【0018】
さらに、本発明は前記樹脂組成物を用いて加工された繊維加工品に関する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ダイオキシンやハロゲン化水素を発生する恐れのあるハロゲン系成分を含有せず、紙や繊維加工品に優れた強度や防炎性及び希望する剛軟性を付与することのできる難燃性を有する樹脂組成物及びこれで処理された防炎性や自己消火性を有する紙又は繊維加工品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】
本発明の樹脂組成物は、リン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体、アルキル鎖の炭素数が1〜4である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、並びにアクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボキシル基を有する不飽和単量体を共重合して得られるものである。
【0022】
本発明において用いるリン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体としては、例えば、一般式(1):
【0023】
【化1】

(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素又はアルキル基を表しており、Yは、ヒドロキシル基、アルキル基又はアルキルエステル基を表しており、Zは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基又はアルキルエステル基を表し、nは1〜20の整数である)で示される化合物、この化合物の金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩が挙げられる。
【0024】
上記化合物の具体例としては、アシッド・ホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクロイル・オキシエチルアシッドホスフェート・モノエタノールアミン塩、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びアシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、これらの金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩などを挙げることができる。これらの化合物は、単独で又は二種以上の混合物として使用することができる。中でも、1分子あたりのリン含有量が高い点でアシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレートが好ましい。
【0025】
リン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体は、全単量体に対し20質量%〜87質量%の範囲で使用することが好ましく、26質量%〜40質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。20質量%より少なくなると本樹脂組成物やその加工品の防炎性能が低下し、87質量%より多くなると重合安定性の低下や本樹脂組成物を用いた加工品の強度や耐熱黄変性が低下する傾向にある。
【0026】
また、本発明において用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、アルキル鎖の炭素数が1〜4である。アルキル鎖の炭素数が5以上を多く使用すると、本樹脂組成物やその加工品の難燃性が低下するため、望ましくない。
【0027】
アルキル鎖の炭素数1〜4の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、なかでも難燃性発現の点でメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。これらの化合物は単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、重合安定性や加工品物性に与える影響の観点から、全単量体に対し1質量%〜79質量%の範囲で使用することが好ましく、30質量%〜75質量%の範囲で使用することが更に好ましい。79質量%より多くなると本樹脂組成物やその加工品の防炎性能が低下する傾向にある。
【0028】
また、さらに、他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を用いてもよい。具体例としては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプルピレングリコールモノアクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどが挙げられ、単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0029】
また、本発明ではアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボキシル基を有する不飽和単量体(以下、アクリル酸等という)が必須の単量体成分として用いられ、これらは単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。前記アクリル酸等は、全単量体に対し1質量%〜79質量%の範囲で使用するものであり、5質量%〜50質量%の範囲で使用することが好ましい。79質量%より多いと本樹脂組成物やその加工品の防炎性能が低下する。
【0030】
また、さらに、他のカルボキシル基を有する不飽和単量体を用いてもよい。具体例としては、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、2−メチルマレイン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、それらの金属塩、アンモニウム塩などが挙げられ、単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0031】
また、アルキル鎖の炭素数が1〜4である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体及び前記アクリル酸等は、本樹脂組成物やその加工品の防炎性能発現の観点から、その合計で全単量体に対し40質量%以上使用するものであり、50質量%〜80質量%使用することが好ましい。40質量%より少ないと、本樹脂組成物やその加工品の防炎性能が低下する点で望ましくない。
【0032】
また、リン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体の重合割合は、得られる樹脂中に含まれるリン量(樹脂組成物の固形分中のリン含有量)が3〜13質量%となるように適宜決定すればよい。難燃性付与と樹脂の重合安定性、物性発現のバランスを考慮すると、リン含有量が3〜10質量%となるように重合することが好ましい。3質量%未満では樹脂自身の難燃性が低下し、13質量%超では樹脂の重合安定性が低下するため、望ましくない。
【0033】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、リン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体及びカルボキシル基を有する不飽和単量体以外の単量体、例えば、エテン、プロペン、ブテン、イソブテン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、オクテン、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、スチレン誘導体などを単独であるいは二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0034】
本発明の樹脂組成物は、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法などの公知の共重合方法を用いて製造することができる。また、連続式重合法でも回分式重合法でも製造することができる。
【0035】
本発明の樹脂組成物の製造に用いられる溶媒は水や通常用いられている有機溶剤を使用することができる。例えばその具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等の酢酸エステル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、トリエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、メチルエーテル、エチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、オクタン、デカン等の炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらの水、有機溶剤は単独または2種類以上を混合し使用してもよい。
【0036】
ラジカル重合によって樹脂組成物を得る場合、重合は開始剤の存在下にて行われる。この重合反応で使用するラジカル重合開始剤はラジカル重合を開始できるものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている過酸化物やアゾ化合物を使用することができる。例えばその具体例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシル−3,3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミド等を挙げることができ、反応によっては適当な還元剤を使用してもよい。開始剤の使用量は、リン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体及びカルボキシル基を有する不飽和単量体の合計に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.2〜10質量%が更に好ましい。
【0037】
本発明の樹脂組成物を乳化重合法により製造する際には、界面活性剤の存在下で行われる。界面活性剤としては、一般に市販されているアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び共重合性界面活性剤が使用できる。またこれらの界面活性剤は、単独または二種類以上を組み合わせて使用することができる。使用する界面活性剤量はリン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体及びカルボキシル基を有する不飽和単量体の合計に対して0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%が更に好ましい。なお重合安定性の観点から、同様に水溶性(メタ)アクリル酸樹脂、水溶性(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の水溶性高分子を保護コロイドとしたり、界面活性剤と併用することもでき、その使用量は任意でよい。
【0038】
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、充填剤、防腐剤、着色剤、消泡剤、難燃剤、発泡剤、分散剤、乳化剤、連鎖移動剤、流動性調整剤、可塑剤、pH調整剤、各種油剤などの添加剤を配合してもよい。
【0039】
上述した本発明の樹脂組成物は、原液あるいは任意の割合に希釈した状態で各種紙基材や繊維基材に塗布又は含浸させた後、必要に応じて乾燥させることにより加工品を形成することができる。こうして得られる紙又は繊維加工品は、防炎性及び自己消火性に優れ、従来の難燃性樹脂を用いた加工品と比較して、強度、耐水性、風合い(剛軟性)、耐熱黄変性などの諸物性に優れる。
【0040】
各種紙基材や繊維基材に対する樹脂組成物の使用量は、基材自身の難燃性にもよるが、樹脂付着量が10〜200質量%/基材となる量が適当である。また、本発明の樹脂組成物は、他の樹脂エマルジョンや溶液樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の各種樹脂組成物と混合した状態で各種紙基材や繊維基材を処理してもよい。本発明の樹脂組成物と他の各種樹脂組成物との混合割合は任意でよい。
【0041】
紙基材としては、パルプを原料とした障子紙、襖紙、壁紙、板紙などやポリプロピレンなどの合成繊維を原料とした合成紙などが挙げられる。また、繊維基材としては、例えば、木綿、麻、絹、羊毛、コラーゲン繊維、アクリル繊維、レーヨン、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、アラミド、ポリアリレート及びこれらの混紡品からなる織物、不織布、編物などが挙げられる。
【実施例】
【0042】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に説明するが、本発明は実施例及び比較例に限定されるものではない。
【0043】
〔実施例1〕
イオン交換水150gを1Lの五つ口セパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。エチルアクリレート36g、メチルメタクリレート36g、アクリル酸18g、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトエステルP−1M、リン含有量15質量%)60g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル7.5g、イオン交換水190gを均一に乳化した。セパラブルフラスコに過硫酸カリウム0.2gを添加し、単量体乳化物の滴下を開始することで反応を開始した。単量体乳化物は4時間掛けてセパラブルフラスコ内に添加、同時に3%過硫酸カリウム水溶液30gも4時間掛けて添加した。単量体乳化物の添加終了後、80℃で1時間攪拌し、反応を終了した。セパラブルフラスコ内を冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を8g添加し、系内を中和した。得られた水性エマルジョン組成物における樹脂固形分中のリン含有量は6質量%であった。
【0044】
〔実施例2〕
イオン交換水150gを1Lの五つ口セパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。メチルメタクリレート46g、2−エチルヘキシルアクリレート15g、エチルアクリレート11g、アクリル酸18g、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトエステルP−1M)60g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル7.5g、イオン交換水190gを均一に乳化した。セパラブルフラスコに過硫酸カリウム0.2gを添加し、単量体乳化物の滴下を開始することで反応を開始した。単量体乳化物は4時間掛けてセパラブルフラスコ内に添加、同時に3%過硫酸カリウム水溶液30gも4時間掛けて添加した。単量体乳化物の添加終了後、80℃で1時間攪拌し、反応を終了した。セパラブルフラスコ内を冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を8g添加し、系内を中和した。得られた水性エマルジョン組成物における樹脂固形分中のリン含有量は6質量%であった。
【0045】
〔実施例3〕
イオン交換水150gを1Lの五つ口セパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。エチルアクリレート24g、メチルメタクリレート34g、メタクリル酸2g、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトエステルP−1M)90g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル7.5g、イオン交換水190gを均一に乳化した。セパラブルフラスコに過硫酸カリウム0.2gを添加し、単量体乳化物の滴下を開始することで反応を開始した。単量体乳化物は4時間掛けてセパラブルフラスコ内に添加、同時に3%過硫酸カリウム水溶液30gも4時間掛けて添加した。モノマー乳化物の添加終了後、80℃で1時間攪拌し、反応を終了した。セパラブルフラスコ内を冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を8g添加し、系内を中和した。得られた水性エマルジョン組成物における樹脂固形分中のリン含有量は9質量%であった。
【0046】
〔実施例4〕
イオン交換水150gを1Lの五つ口セパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。メチルアクリレート35g、エチルアクリレート35g、ブチルアクリレート35g、メタクリル酸5g、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトエステルP−1M)40g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル7.5g、イオン交換水190gを均一に乳化した。セパラブルフラスコに過硫酸カリウム0.2gを添加し、単量体乳化物の滴下を開始することで反応を開始した。単量体乳化物は4時間掛けてセパラブルフラスコ内に添加、同時に3%過硫酸カリウム水溶液30gも4時間掛けて添加した。モノマー乳化物の添加終了後、80℃で1時間攪拌し、反応を終了した。セパラブルフラスコ内を冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を8g添加し、系内を中和した。得られた水性エマルジョン組成物における樹脂固形分中のリン含有量は4質量%であった。
【0047】
〔実施例5〕
イオン交換水300gを1Lの五つ口セパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。メチルアクリレート35g、ブチルアクリレート20g、アクリル酸55g、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトエステルP−1M)40gを均一に混合した。セパラブルフラスコに過硫酸アンモニウム1.5gを添加し、単量体混合物の滴下を開始することで反応を開始した。単量体混合物は4時間掛けてセパラブルフラスコ内に添加、同時に2%過硫酸アンモニウム水溶液40gも4時間掛けて添加した。単量体混合物の添加終了後、80℃で1時間攪拌し、反応を終了した。セパラブルフラスコ内を冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を8g添加し、系内を中和した。得られた水溶性樹脂組成物における樹脂固形分中のリン含有量は4質量%であった。
【0048】
〔実施例6〕
アルキレングリコールモノアルキルエーテル300gを1Lの五つ口セパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。メチルアクリレート50g、アクリル酸50g、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトエステルP−1M)40gを均一に混合した。セパラブルフラスコにN,N−アゾイソブチルニトリル1.5gを添加し、単量体混合物の滴下を開始することで反応を開始した。単量体混合物は4時間掛けてセパラブルフラスコ内に添加、同時に2%N,N−アゾイソブチルニトリル溶液(アルキレングリコールモノアルキルエーテルに溶解)40gも4時間掛けて添加した。単量体混合物の添加終了後、80℃で1時間攪拌し、反応を終了した。セパラブルフラスコ内を冷却し、モノアルキルアミンを19g添加し、系内を中和した。得られた溶剤系樹脂組成物における樹脂固形分中のリン含有量は4質量%であった。
【0049】
〔比較例1〕
イオン交換水150gを1Lの五つ口セパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。エチルアクリレート36g、メチルメタクリレート54g、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトエステルP−1M)60g、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA205(鹸化度86.5〜89.0%、平均重合度500))15g、イオン交換水190gを均一に乳化した。セパラブルフラスコに過硫酸カリウム0.2gを添加し、単量体乳化物の滴下を開始することで反応を開始した。単量体乳化物は4時間掛けてセパラブルフラスコ内に添加、同時に3%過硫酸カリウム水溶液30gも4時間掛けて添加した。単量体乳化物の添加終了後、80℃で1時間攪拌し、反応を終了した。セパラブルフラスコ内を冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を8g添加し、系内を中和した。得られた水性エマルジョン組成物における樹脂固形分中のリン含有量は6質量%であった。
【0050】
〔比較例2〕
イオン交換水150gを1Lの五つ口セパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。エチルアクリレート55g、メチルメタクリレート83g、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトエステルP−1M)12g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル7.5g、イオン交換水190gを均一に乳化した。セパラブルフラスコに過硫酸カリウム0.2gを添加し、単量体乳化物の滴下を開始することで反応を開始した。単量体乳化物は4時間掛けてセパラブルフラスコ内に添加、同時に3%過硫酸カリウム水溶液30gも4時間掛けて添加した。単量体乳化物の添加終了後、80℃で1時間攪拌し、反応を終了した。セパラブルフラスコ内を冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を8g添加し、系内を中和した。得られた水性エマルジョン組成物における樹脂固形分中のリン含有量は1.2質量%であった。
【0051】
〔比較例3〕
イオン交換水150gを1Lの五つ口セパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。エチルアクリレート20g、2−エチルヘキシルアクリレート54g、アクリル酸16g、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトエステルP−1M)60g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル7.5g、イオン交換水190gを均一に乳化した。セパラブルフラスコに過硫酸カリウム0.2gを添加し、単量体乳化物の滴下を開始することで反応を開始した。単量体乳化物は4時間掛けてセパラブルフラスコ内に添加、同時に3%過硫酸カリウム水溶液30gも4時間掛けて添加した。単量体乳化物の添加終了後、80℃で1時間攪拌し、反応を終了した。セパラブルフラスコ内を冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を8g添加し、系内を中和した。得られた水性エマルジョン組成物における樹脂固形分中のリン含有量は6質量%であった。
【0052】
〔比較例4〕(アクリル樹脂+リン系難燃剤)
イオン交換水150gを1Lの五つ口セパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。エチルアクリレート60g、メチルメタクリレート90g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル7.5g、イオン交換水190gを均一に乳化した。セパラブルフラスコに過硫酸カリウム0.2gを添加し、単量体乳化物の滴下を開始することで反応を開始した。単量体乳化物は4時間掛けてセパラブルフラスコ内に添加、同時に3%過硫酸カリウム水溶液30gも4時間掛けて添加した。単量体乳化物の添加終了後、80℃で1時間攪拌し、反応を終了した(得られた水性エマルジョン組成物における樹脂固形分中のリン含有量は0質量%であった)。得られた水性エマルジョン組成物における樹脂固形分中のリン含有量が9質量%となるように、リン酸グアニジン系難燃剤を水性エマルジョン組成物に添加、均一に混合した。
【0053】
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた樹脂組成物を用いて、加工品の物性評価を行なった。加工品の作製及び評価は下記の方法に従って行った。結果を表1に示した。
【0054】
(加工品の作製−1)
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた樹脂組成物をイオン交換水で15%に希釈し、加工浴液とした。なお、実施例6の溶剤系樹脂組成物のみ、反応溶媒として使用したアルキレングリコールモノアルキルエーテルで15%に希釈し、加工浴液とした。この加工浴液に、基材であるろ紙(No.2、東洋濾紙株式会社製)を含浸させ、樹脂付着量が約15質量%/基材となるように二本マングルで絞った後、熱風式乾燥機にて110℃で10分間乾燥させた。
【0055】
(加工品の作製−2)
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた樹脂組成物をイオン交換水で15%に希釈し、加工浴液とした。なお、実施例6の溶剤系樹脂組成物のみ、反応溶媒として使用したアルキレングリコールモノアルキルエーテルで15%に希釈し、加工浴液とした。この加工浴液に、基材であるT/Cブロード(#40、株式会社谷頭商店製)を含浸させ、樹脂付着量が約15質量%/基材となるように二本マングルで絞った後、ピンテンターにて110℃で5分間乾燥させた。
【0056】
(加工品の評価)
加工品の燃焼性、常態強度、湿潤強度及び剛軟性、耐熱黄変性について評価した。なお、常態強度及び湿潤強度の評価には(加工品の作製−1)で得られた加工品を用い、燃焼性及び剛軟性、耐熱黄変性については(加工品の作製−2)で得られた加工品を用いた。
【0057】
(1)燃焼性
加工品作製後、23℃、65%RHの条件下に12時間以上静置した試験体をJIS L1091 A−1法(45°ミクロバーナー法)に準拠し、燃焼性試験を行なった。なお、この試験における区分は、1から3になるに従って燃焼性が低いことを意味している。
【0058】
(2)常態強度
加工品作製後、23℃、65%RHの条件下に12時間以上静置した試験体を25×100mmに裁断し、AUTOGRAPH(AG−2000A、株式会社島津製作所製)を用いて、200mm/分の速度で引っ張り強度測定を行なった。この時のチャック間距離は50mmとした。
【0059】
(3)湿潤強度
加工品作製後、23℃、65%RHの条件下に12時間以上静置した試験体を25×100mmに裁断し、イオン交換水に10分間浸漬した後、常態強度と同様の方法で強度測定を行なった。
【0060】
(4)剛軟性
加工品作製後、23℃、65%RHの条件下に12時間以上静置した試験体を150×150mmに裁断し、JIS L 1096 一般織物試験方法に記載される8.19.5 E法(ハンドルオメータ法)に準拠し、測定を行なった。なお、剛軟性(g)は繊維の硬さ、柔らかさを表しており、数値が高いほど加工品の風合いは硬いことを示す。
【0061】
(5)耐熱黄変性
加工品作製後、23℃、65%RHの条件下に12時間以上静置した試験体を100×100mmに裁断し、150℃で10分間加熱した。その後、さらに加工品を23℃、65%RHの条件下に12時間以上静置し、SMカラーコンピューター(SM−5−CH、スガ試験機株式会社製)を用いてΔb値の測定を行った。なお、Δb値は黄変度合を表しており、数値が高いほど加工品の黄変度合が強いことを示す。
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
表1から分かるように、実施例1〜6で得られた樹脂組成物で処理された加工品は、防炎性、常態強度、湿潤強度及び剛軟性、耐熱黄変性に優れていた。これに対し、比較例1〜4で得られた樹脂組成物で基材を処理しても、防炎性、常態強度、湿潤強度及び剛軟性の全てが優れる加工品は得られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体、アルキル鎖の炭素数が1〜4である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、並びにアクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボキシル基を有する不飽和単量体を共重合して得られ、固形分中のリン含有量が3〜13質量%であり、前記カルボキシル基を有する不飽和単量体を全単量体に対し1〜79質量%使用し、且つアルキル鎖の炭素数が1〜4である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と前記カルボキシル基を有する不飽和単量体とを合計で全単量体に対し40質量%以上使用することを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
リン酸基又は亜リン酸基を有する不飽和単量体が、アシッド・ホスホオキシポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートであることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
アルキル鎖の炭素数が1〜4である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を全単量体に対し1〜79質量%使用することを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1、2又は3のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて加工された紙。
【請求項5】
請求項1、2又は3のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて加工された繊維加工品。

【公開番号】特開2010−235830(P2010−235830A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86566(P2009−86566)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000187068)昭和高分子株式会社 (224)
【Fターム(参考)】