説明

樹脂組成物

【課題】 体組織の細胞増殖と再生を促進し、加工性に優れる生体親和性の再生医療用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)と生体親和性樹脂を含有してなる樹脂組成物であって、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を0.1〜50重量%含むことを特徴とする再生医療用樹脂組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体適合性に優れた樹脂組成物および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外傷や病気により生じた身体欠損部の治療法として、患者自身の身体から採取した組織を用いる自己移植、他人の身体から採取した組織を用いる他家移植、人工組織の補填などが用いられている。これらの治療法は有効であるが、自己移植では身体の健全な部位から組織を採取するため肉体的・精神的な負担が大きく、採取量や回数に制限が生じる。また、他家移植では感染症やドナー不足等の問題がある。人工組織では、金属材料等を用いた場合永久に体内に残ることになり、炎症を起こす可能性がある。そのため、身体への負担が少ない新しい再生医療材料が求められている。
【0003】
このような背景から、医療用足場材の構築が注目されている。医療用足場材は、損傷部への細胞の接着・増殖を補助することで組織の再生を促進する。そのため、早急な病気や怪我の治療が可能となる。足場材料としては、特許文献1に示すようなポリ乳酸とその共重合体であるポリ乳酸系高分子が最も多く研究、使用されてきた。ポリ乳酸は、生体吸収性があり、力学的強度が高く成形が容易で、構成成分である乳酸が体内代謝物であることから安全性に優れている。また、特許文献2に示すポリグリコール酸や特許文献3に示すポリカプロラクトン等の合成樹脂も足場材として用いられてきた。これらの生体吸収性合成樹脂は、早くから生体分解性医療用材料として利用が検討されており、ねじやプレートなどの骨固定材、縫合糸などとして実用化されている。しかし、これらの合成樹脂は細胞接着性等の生体親和性が悪く、硬くて柔軟性に欠けるため軟組織に用いられないといった欠点がある。
【0004】
合成樹脂の欠点改善のため、特許文献4に示すようなコラーゲンやゼラチンなどの天然樹脂も再生医療用材料として用いられる。天然樹脂は、柔軟性があり細胞親和性等の生体親和性が高い利点がある。しかし強度が弱く加工性に劣り、動物由来の天然樹脂では肝炎やHIV、クロイツフェルトヤコブ病などの感染源に汚染される恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−242728号公報
【特許文献2】特開2004−162215号公報
【特許文献3】特開2005−52224号公報
【特許文献4】特開2006−257013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、体組織の細胞増殖と再生を促進し、加工性に優れる生体親和性の再生医療用樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の通りである。
(1) ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)と生体親和性樹脂を含有してなる樹脂組成物であって、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を0.1〜50%含むことを特徴とする再生医療用樹脂組成物。
(2) ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)中の3−ヒドロキシブタン酸ユニットのモル分率が10モル%以下である再生医療用樹脂組成物。
(3) ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)の重量平均分子量が1万以上である再生医療用樹脂組成物。
(4) ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)のガラス転移温度が−20℃以下である再生医療用樹脂組成物。
(5) ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が二重結合を有するモノマユニットを0.1モル%以上含有する再生医療用樹脂組成物。
(6) ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が、微生物により生産されたものである再生医療用樹脂組成物。
(7) ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が、シュードモナス(Psuedomonas)属に属する微生物により生産されたものである再生医療用樹脂組成物。
(8) ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が、シュードモナス プチダ(Psuedomonasputida)かPseudomonas sp. SG4502(受託番号:NITEP−578)から選ばれる少なくとも1種により生産されたものである再生医療用樹脂組成物。
(9) ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が、Pseudomonas sp. SG4502(受託番号:NITE P−578)のポリヒドロキシアルカノエート重合酵素遺伝子を導入した遺伝子組み替え体により生産されたものである再生医療用樹脂組成物。
(10) ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が、Pseudomonas sp. SG4502(受託番号:NITE P−578)由来のポリヒドロキシアルカノエート重合酵素を用いて生産されたものである再生医療用樹脂組成物。
(11) 生体親和性樹脂がポリ乳酸である再生医療用樹脂組成物。
(12) 上記いずれかに記載の再生医療用樹脂組成物を用いて形成される再生医療用多孔体。
(13) 気孔率が20から99%であり、気孔径の範囲が1nmから1mmである上記いずれかに記載の再生医療用多孔体。
(14) 上記いずれかに記載の再生医療用樹脂組成物を用いて形成される再生医療用フィルム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を用いるため、天然樹脂のメリットである生体親和性を持ちながら、微生物由来樹脂であるため人獣共通感染症の心配がない。さらには、細胞増殖を促進する作用を持つため医療用足場材料として好ましい性質を持つ。
【0009】
本発明によれば、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を含有した再生医療用樹脂組成物を提供でき、細胞増殖性を促進させることによって病気や怪我を早急に治療できる再生医療用樹脂組成物を提供することが可能となる。
【0010】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)と生体親和性樹脂を含有する樹脂組成物を多孔体とすることで、表面積が増えて細胞が接着しやすくなる。また栄養と酸素の供給がしやすくなる。この効果により、骨や歯でより高い治療効果を発揮する再生医療用樹脂組成物を提供できる。
【0011】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)と生体親和性樹脂を含有する樹脂組成物をフィルムとすることで、傷表面を覆ったり傷を塞いだりすることができる。この効果により、傷治療や角膜再生の際により高い治療効果を発揮する再生医療用樹脂組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の再生医療用樹脂組成物は、微生物が合成可能であり生体適合性に優れるポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を含有したものである。
【0013】
前記ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)は、どのような方法で得られたものでも使用できるものであるが、特に、微生物により生産されたポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)であることが好ましく、微生物としては、シュードモナス(Psuedomonas)属に属する微生物であることが好ましく、さらに、シュードモナス プチダ(Psuedomonas putida)か、あるいはPseudomonas sp. SG4502(受託番号:NITE P−578)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、本発明のポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)は、Pseudomonas sp. SG4502(受託番号:NITE P−578)のポリヒドロキシアルカノエート重合酵素遺伝子を導入した遺伝子組み替え体により生産されたものであってもよく、また、Pseudomonas sp. SG4502(受託番号:NITE P−578)由来のポリヒドロキシアルカノエート重合酵素を用いて生産されたものであってもよい。
【0014】
本発明で使用するポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)は生体親和性樹脂に柔軟性を付与するため、柔軟性を有することが好ましい。そのため、高い結晶性を発現する3−ヒドロキシブタン酸ユニットを含む場合、そのポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)中のモル分率は10モル%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、2%以下が特に好ましい。3−ヒドロキシブタン酸モノマユニット量が多すぎると、結晶性が増大し柔軟性が得にくくなるからである。
【0015】
本発明で使用するポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)の重量平均分子量は10,000以上が好ましく、50,000以上がより好ましく、100,000以上が特に好ましい。上限は特に制限されないが、通常100万以下とされる。分子量が低すぎると、再生医療用多孔体や再生医療用フィルムを成形する際に強度が弱すぎるといった問題がある。また、分子量が大きすぎると溶媒への溶解性が低下するとともに溶液粘度が大きくなり取り扱いが困難になるので好ましくない。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて算出することができる。
【0016】
本発明のポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)のガラス転移温度は−20℃以下が好ましく、−30℃以下がより好ましく、−35℃以下が特に好ましい。下限は特にないが通常−100℃以上とされる。ガラス転移温度が高すぎるとガラス状態となり、柔軟性を保持できなくなってしまう問題がある。なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。
【0017】
本発明のポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)はモノマユニットの側鎖に二重結合を導入したものも好ましく使用できる。このようなモノマユニットの側鎖に二重結合が導入されたポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)をそのまま用いても差し支えないが、例えば、分子量不足のため粘着剤の凝集力に問題がある場合に、架橋剤や熱または光重合開始剤の存在下で熱または光を用いて架橋または鎖延長を行っても良く、粘度や強度の改善ができる。用いる架橋剤や開始剤に制限はないが、架橋剤としては、複数のアクリロイル基やメタクリロイル基をもつモノマ、ビスマレイミド等が使用できる。また、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)中の二重結合を有するモノマユニットの含有量は、少なすぎると架橋または鎖延長が困難になるため、最小含有量は0.1モル%以上が好ましく、1%以上が好ましく、5%以上が特に好ましい。また、多すぎると均一な架橋反応物を得がたいため、最大含有量は30モル%以下が好ましく、25モル%以下がより好ましく、20モル%以下が特に好ましいが、このような架橋処理をしないのであれば、二重結合を有するモノマユニットの含有量が30モル%を超えても何ら差し支えない。
【0018】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)は、微生物による合成法、酵素などを用いる生化学的合成法、化学合成法による合成が可能である。化学合成法としては、例えば、(R)−β−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン等の脂肪酸ラクトンを、触媒下で開環重合する方法により合成する方法があげられる。生体適合性に優れる点からは、微生物による合成法や生化学的合成法を用いることが好ましく、以下に微生物による合成法を説明する。
【0019】
微生物によりポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を合成するには、微生物に対し、炭素源を過剰に与え、窒素、リン等をある程度制限した条件下で培養することに行うことができる。培養装置としては温度、pH、溶存酸素量などを制御可能なジャーファーメンターを用いることができる。培養に先立ち、炭素源や他の栄養分を含む培地を予め加熱滅菌することで、目的外の微生物によるコンタミネーションを防ぐことができる。
【0020】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を合成する微生物としては、シュードモナス プチダ(Psuedomonas putida)、シュードモナス オレオボランス(Psuedomonas oleovorans)、シュードモナス チコリ(Psuedomonas chichorii)、シュードモナス レジノボランス(Psuedomonas resinovorans)等のシュードモナス属、アルカリゲネス ラタス(Alcaligenes latus)、アルカリゲネス フェカリス(Alcaligenes faecalis)、アルカリゲネス ユートロフス(Alcaligenes eutorophus)等のアルカリゲネス属の微生物等が知られているが、中でもシュードモナス属の微生物が好ましく、特にシュードモナス プチダ、Pseudomonas sp. SG4502(受託番号:NITE P−578)を好適に使用することができる。
【0021】
培養に際して、使用される炭素源に特に制限はないが、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、アクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、2−ヘプテン酸、2−オクテン酸、2−ノネン酸、2−デセン酸等の有機酸や油脂、グリセリン、アルコール類、グルコース、フルクトース、スクロース、廃糖蜜等の糖類、または、バイオディーゼル燃料副産物(BDFB)やこの中和品が好ましく使用される。なお、このなかでも、バイオディーゼル燃料副産物(BDFB)の中和品は後述するように、得られるポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)に二重結合を有するモノマユニットを導入できる点で好ましいものである。
【0022】
生成されるポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)のモノマユニットとしては、使用する炭素源によって調整し得るが、例えば、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、リンゴ酸、3−ヒドロキシ吉草酸、クエン酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシヘプタン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシノナン酸、3−ヒドロキシデカン酸、3−ヒドロキシウンデカン酸、3−ヒドロキシドデカン酸などのモノマユニットがあげられ、また、その一部のモノマユニットを、3−ヒドロキシヘキセン酸、3−ヒドロキシヘプテン酸、3−ヒドロキシオクテン酸、3−ヒドロキシノネン酸、3−ヒドロキシデセン酸、3−ヒドロキシドデセン酸、3−ヒドロキシウンデセン酸等のような側鎖に炭素−炭素二重結合を有する形となるモノマユニットとすることもできる。得られるポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)は、このようなモノマユニットを1種または2種以上の共重合体となっている。
【0023】
培養する際の培地としては、完全培地または合成培地、例えばLB培地、M9培地などを用い、pH7〜9、30〜50℃で、好気的に4〜48時間程度培養することによりポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を菌体内に蓄積させる。次いで、このポリヒドロキシアルカン酸を回収する。
【0024】
回収は、まず、培養終了後の培養液を遠心分離機等での固液分離を行い、菌体成分を回収する。微生物内からのポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)の回収方法としては、リゾチーム処理や次亜塩素酸処理による菌体成分の溶解によるポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)の分離や、ソックスレー抽出器を用いたクロロホルムまたは塩化メチレン等の溶媒抽出が使用できる。こうして得られたポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)は再沈処理等によって精製することができる。
【0025】
なお、本発明で用いるポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)は、上記した微生物に産生させる方法以外に、例えば、「Pseudomonas sp. SG4502」から単離した、PHA重合酵素(このPHA重合酵素は、C3〜6程度の短鎖長のヒドロキシアシルCoAに基質特異性を示すPHA重合酵素Iと、C6〜12程度の中鎖長のヒドロキシアシルCoAに基質特異性を示すPHA重合酵素IIとして分類されるものである)の遺伝子を他の微生物に導入した遺伝子組み替え体により、産生させることもでき、また、単離した酵素を用いて生化学的に合成することもできる。生化学的合成は、例えば、上記の単離したPHA重合酵素の存在下、CoA、アシルCoAシンセターゼやヒドラターゼなどとともに基質となる炭素源を反応させることにより得ることができる。なお、PHA重合酵素をコードする遺伝子を単離し、他の微生物への導入などの一連の操作は公知の手段に従い達成できる。
【0026】
本願発明の生体医療用樹脂組成物は、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)に加えて、その他の生体親和性樹脂を含む。その他の生体親和性樹脂としては、以下の例には限定されないが、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、カルシウム欠損型アパタイト、非晶質リン酸カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム 、フッ素化アパタイト、炭酸アパタイト、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、モネタイト、及びコラーゲン、ゼラチン、キチン、キトサン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、フィブリン、アルギン酸、フィブロイン、デンプン、ペクチン、ペクチン酸、アガロース並びにこれらの部分分解物、酸化物、アルキレンオキシド付加物、及びポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸エステル系ポリマ、シリコーン樹脂、ポリグリコール酸、ポリ(ε−カプロラクトン)などが挙げられる。好ましくは、適度な強度を持つポリ乳酸である。
【0027】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)単体では加工性や強度が劣り、疎水性が強すぎて細胞接着性に劣るため、他の生体親和性合成樹脂に混合して使用する。さらに、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)の混合により生体親和性合成樹脂の表面自由エネルギーを変化させることができ、それにより細胞接着および細胞増殖しやすい基材表面にすることができる。混合する際、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が多すぎると強度や細胞接着性の低下が起き、またポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が少なすぎると細胞接着性が向上しない。そのため、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を生体親和性合成樹脂に混合する割合は、0.1〜50重量%であり、0.1〜30重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましい。
【0028】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、粘着付与剤(タッキファイヤ)、可塑剤、充填剤を配合して使用しても良い。粘着付与剤としてはロジン、ロジン誘導体、クマロン・インデン樹脂、ポリテルペン樹脂、フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂等が使用できる。また、可塑剤としてはミネラルオイル、液状ポリブテン、液状ポリアクリレート、ラノリン、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル等を使用できる。充填剤としては酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレイ等が使用できる。これらの成分を使用する場合は、配合の制限はないが、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)の生体親和性合成樹脂に混合する割合が0.1〜50重量%となる範囲内で配合する。
【0029】
本発明の再生医療用樹脂組成物を、再生医療用多孔体としてもよい。多孔体の気孔率は20〜95%であるのが好ましく、40〜85%がより好ましく、60〜80%が特に好ましい。また、多孔体の気孔径の範囲は1μmから500μmであることが好ましく、10μmから300μmがより好ましく、20μmから200μmが特に好ましい。多孔体が前記範囲の気孔率を有すると、生体材料を例えば骨欠損部又は歯欠損部等に補填した時、気孔内により多量の生体物質が速やかに侵入、定着及び成長しやすく、生体内での代謝及び骨形成がより一層速やかになる。
再生医療用多孔体は、その製造方法としては特に制限はなく、公知の種々の方法が使用できる。例えば、組成物中にあらかじめ物質(例えば、NaCl)を配合して成形した後、物質を溶媒に溶出させて気孔を得る方法がある。組成物中に配合する物質の粒子の大きさが大きくなるほど多孔体の気孔径も大きくなり、1〜500μmとすることで、気孔径の大きさを1〜500μmに制御することができる。また、配合する粒子の量を変化させることで気孔率を20〜95%まで変化させることができる。その他、組成物中にあらかじめ溶媒を混合し、加熱して溶融した後、樹脂が結晶化する温度で冷却して気孔を得る方法等が挙げられる。
【0030】
本発明の再生医療用樹脂組成物は再生医療用フィルムとしてもよい。再生医療用フィルムは、前記再生医療用樹脂組成物から成り、フィルム基材上に形成することにより得ることができる。その製造方法としては特に制限はなく、公知の種々の方法が使用できる。再生医療用フィルムは、多孔体であってもよい。
【0031】
基材としても特に制限はなく、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン―プロピレン共重合体フィルム、エチレン―酢酸ビニル共重合体フィルム等、種々のものを使用することができる。
【実施例】
【0032】
以下、次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)の調製)
まず、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を、培養法により次のようにして調製した。培養に使用するNR培地およびMS培地は次のとおりのものである。
【0033】
(NR培地の組成) 培地1L中
バクトイーストエクストラクト 3g
バクトペプトン 10g
エルリッヒカツオエキス 10g
(MS培地の組成) 培地1L中
リン酸水素二ナトリウム 3.6g
リン酸二水素カリウム 1.5g
塩化アンモニウム 0.5g
硫酸マグネシウム七水和物 0.0104g
トレースエレメント水溶液 0.05mL
「Pseudomonas sp. SG4502」を、NR培地2mLに植菌し、45℃で8時間培養した後、その培養液を新しいNR培地に100mLに植菌し、一晩振盪培養した。この培養液60mLを、MS培地1.2Lを含む三角フラスコ(イワキ製)に添加して、45℃で振盪培養した。培養開始時と12、24、36時間経過時に炭素源を1%(wt/vol)ずつ加えた。炭素源としては、グリセリンを用いた。48時間培養後、4℃、8000×gにて15分間遠心して菌体を回収し、20%エタノール水溶液、100%エタノール水溶液、蒸留水の順に用いてこの菌体を洗浄後、凍結乾燥して乾燥菌体1.500g/Lを得た。
【0034】
上記にて得られた乾燥菌体を、クロロホルムを溶媒としてソックスレー抽出機(柴田製)を用いてポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を抽出した後、エバポレーターにて溶媒を除去し、減圧乾燥させて生成物(ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸))を得た。得られたポリヒドロキシアルカン酸の生成量は0.609g/Lであった。
【0035】
次いで、上記にて得られたポリヒドロキシアルカン酸の分子構造を核磁気共鳴法(NMR)を用いた1H−NMRによって確認した。NMR測定は、MSL400分光器(Bruker製)を用い、1Hに対し周波数400MHzにて25℃で行った。得られたポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)の1H−NMRスペクトルによれば、得られたポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)は、二重結合を有しないモノマユニットと二重結合を有するモノマユニットとで構成されるポリマであることがわかった。二重結合を有するモノマユニットの含有量は、12モル%であった。
【0036】
また、得られたポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)について、分子量を測定した。分子量は、ゲルパミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、測定は、TSKgel SuperHZM−Hカラム(6.0nmI.D.×150mm;東ソー製)を2本直列に接続し、移動相としてクロロホルムを用い、40℃、流速0.3mL/分にて測定した。純正のポリスチレンを用いて検量線を作成し、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mn/Mw)を算出した。その結果、Mnは36,000であり、Mwは69,000であった。
【0037】
さらに、上記にて得られたポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を構成するモノマユニットの組成をガスクロマトグラフ法によって分析した。測定方法と条件とは以下に示すとおりである。まず、上記ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を15重量%濃度の硫酸メタノール溶液2mLとクロロホルム2mLとの混合液に溶解し、100℃で140分間処理しアルコリシスした。冷却後、超純水を1mL加えよく混合し静置し2層に分離させ、この下層を回収しフィルター濾過により不溶物を除去した。このうち0.5mLと、0.1vol%カプリル酸メチルを含むクロロホルム溶液0.5mLとを混合し、FIDを備えたキャピラリーガスクロマトグラフGC−2010(島津製作所製製)にて昇温分析し、モノマユニットのメチルエステル化物の同定を行った。カラムは、ヒューズド・シリカ・キャピラリーカラムDB−5(カラム内径0.25mm、液層膜厚0.25μm、カラム長30m;島津製作所製)を使用した。初発温度90℃で5分、昇温速度5℃/分、および最終温度250℃で2分の分析条件にて行った。その結果、3−ヒドロキシブタン酸(C4)0.8モル%、3−ヒドロキシヘキサン酸(C6)5.7モル%、3−ヒドロキシオクタン酸(C8)25.1モル%、3−ヒドロキシデカン酸(C10)59.8モル%、および3−ヒドロキシドデカン酸(C12)8.6モル%であった。
【0038】
また、上記ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)のガラス転移温度を示差走査熱量計(200℃溶融後、昇温速度20℃/minで再スキャン)で測定したところ、−45℃であった。
【0039】
(多孔体の調製)
上記で得られたポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)1gとポリ乳酸(大神薬化株式会社製、REVODE)9gをそれぞれ秤量し、クロロホルム90gに完全に溶解させた。この溶液に粒子径180〜250μmのNaCl粒を加え溶液中に分散した。溶液をφ60mmシリコンディッシュに注ぎ乾燥させた後、蒸留水300mLに浸漬して攪拌しNaCl粒を溶出した。洗浄後乾燥し、多孔体を得た。作製した多孔体は、多孔率60%、気孔径は180〜250μmであった。
【0040】
(多孔体の細胞増殖試験)
作成した多孔体をφ14mmに繰りぬき、細胞培養用マルチプレートのウェルに入れた。エタノール1mLで滅菌し、リン酸緩衝生理食塩水1mLで2回洗浄した後、ウェルにDMEM培地(インビトロジェン社製)1mLを入れた。1時間静置した後、DMEM培地を除去し、ここにDMEM培地に濃度10,000 cells/wellになるように懸濁させた正常ヒト歯周靱帯線維芽細胞HPdLF(タカラバイオ社)を入れ、7日間培養した。培地は2日ごとに交換した。培養後、細胞増殖率はMTTアッセイ(フナコシ社製)にて測定した。その結果、この多孔体における生細胞数は比較例1と比較して225%増加した(表1)。
【0041】
<実施例2>
(多孔体の調製)
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を2.5g、ポリ乳酸を7.5gを秤量し、クロロホルム90gに溶解させた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例1と同じ多孔率及び気孔径を有する多孔体を得た。
【0042】
(多孔体の細胞増殖試験)
上記で得られた多孔体を用い、実施例1と同様の方法で細胞増殖試験を行った。その結果、生細胞数の増加率は比較例1と比較して180%増加した(表1)。
【0043】
<実施例3>
(多孔体の調製)
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を4.5g、ポリ乳酸を5.5gを秤量し、クロロホルム90gに溶解させた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例1と同じ多孔率及び気孔径を有する多孔体を得た。
【0044】
(多孔体の細胞増殖試験)
上記で得られた多孔体を用い、実施例1と同様の方法で細胞増殖試験を行った。その結果、生細胞数の増加率は比較例1と比較して150%増加した(表1)。
【0045】
<実施例4>
(多孔体の調製)
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を0.1g、ポリ乳酸を9.9gを秤量し、クロロホルム90gに溶解させた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例1と同じ多孔率及び気孔径を有する多孔体を得た。
【0046】
(多孔体の細胞増殖試験)
上記で得られた多孔体を用い、実施例1と同様の方法で細胞増殖試験を行った。その結果、生細胞数の増加率は比較例1と比較して240%増加した(表1)。
【0047】
<比較例1>
(多孔体の調製)
ポリ乳酸10gを秤量し、クロロホルム90gに溶解させた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例1と同じ多孔率及び気孔径を有する多孔体を得た。
【0048】
(多孔体の細胞増殖試験)
上記で得られた多孔体を用い、実施例1と同様の方法で細胞増殖試験を行った。その結果、生細胞数の増加率は実施例1と比較して低かった(表1)。
【0049】
<比較例2>
(多孔体の調製)
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を7g、ポリ乳酸を3gを秤量し、クロロホルム90gに溶解させた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例1と同じ多孔率及び気孔径を有する多孔体を得た。
【0050】
(多孔体の細胞増殖試験)
上記で作製した多孔体は、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)含有量が過大であったため、強度に劣り多孔体を作製できなかったため、細胞増殖試験は行えなかった(表1)。
【表1】

【0051】
<実施例5>
(フィルムの作成)
実施例1で調製したポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)0.2gとポリ乳酸(大神薬化株式会社製、REVODE)9.8gをそれぞれ秤量した。これらを東洋精機製作所製卓上用試験ロール機に投入し、185℃で10分間溶融混練した。溶融混練物を、大橋製作所製の熱圧着機(OH−105−ATF)を用いて圧力235kPa、温度175℃、30秒間の条件で熱圧着し、フィルム化した。
【0052】
(フィルムの細胞増殖試験)
作成したフィルムをφ14mmに繰りぬき、細胞培養用マルチプレートに入れた。エタノール1mLで滅菌し、リン酸緩衝生理食塩水1mLで2回洗浄した後、DMEM培地(インビトロジェン社製)1mLを入れた。1時間静置した後、DMEM培地を除去し、ここにDMEM培地に濃度10,000 cells/wellになるように懸濁させた正常ヒト歯周靱帯線維芽細胞HPdLF(タカラバイオ社)を入れ、7日間培養した。培地は2日ごとに交換した。培養後、細胞増殖率はMTTアッセイ(フナコシ社製)にて測定した。その結果、生細胞数は比較例3と比較して121%増加した(表2)。
【0053】
(フィルムの接触角測定)
作成したフィルムを用いて純水に対する接触角を測定した。接触角測定には、協和界面化学(株)社製接触角計Drop Master500を用いた。試験液体は純水,滴下量1μLとし,滴下10sec後の接触角を測定した。その結果、水に対する接触角は93°であった(表2)。
【0054】
<実施例6>
(フィルムの作成)
使用する材料を、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)2.5g、ポリ乳酸を7.5gとした以外は、実施例5と同様の方法でフィルムを得た。
【0055】
(フィルムの細胞増殖試験)
上記で得られたフィルムを用い、実施例5と同様の方法で細胞増殖試験を行った。その結果、生細胞数の増加率は比較例3と比較して119%増加した(表2)。
【0056】
(フィルムの接触角測定)
上記で得られたフィルムを用い、実施例5と同様の方法で水に対する接触角を測定した。その結果、水に対する接触角は95°であった(表2)。
【0057】
<実施例7>
(フィルムの作成)
使用する材料を、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)4.5g、ポリ乳酸を5.5gとした以外は、実施例5と同様の方法でフィルムを得た。
【0058】
(フィルムの細胞増殖試験)
上記で得られたフィルムを用い、実施例5と同様の方法で細胞増殖試験を行った。その結果、生細胞数の増加率は比較例3と比較して115%増加した(表2)。
【0059】
(フィルムの接触角測定)
上記で得られたフィルムを用い、実施例5と同様の方法で水に対する接触角を測定した。その結果、水に対する接触角は98°であった(表2)。
【0060】
<比較例3>
(フィルムの作成)
使用する材料をポリ乳酸10gのみとした以外は、実施例5と同様の方法でフィルムを得た。
【0061】
(フィルムの細胞増殖試験)
上記で得られたフィルムを用い、実施例5と同様の方法で細胞増殖試験を行った。その結果、生細胞数の増加率は実施例5と比較して低かった(表2)。
【0062】
(フィルムの接触角測定)
上記で得られたフィルムを用い、実施例5と同様の方法で水に対する接触角を測定した。その結果、水に対する接触角は72°であった(表2)。
【0063】
<比較例4>
(多孔体の調製)
使用する材料を、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)7g、ポリ乳酸3gとした以外は、実施例5と同様の方法でフィルムを得た。
【0064】
(フィルムの細胞増殖試験)
上記で作製したフィルムは、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)含有量が過大であったため、強度に劣りフィルムを作製できなかったため、細胞増殖試験は行えなかった(表2)。
【0065】
(フィルムの接触角測定)
上記で作製したフィルムは、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)含有量が過大であったため、強度に劣りフィルムを作製できなかったため、接触角測定は行えなかった(表2)。
【表2】

【0066】
上記の結果、本発明の生体親和性樹脂であるポリ乳酸に対してポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を添加した多孔体において、生細胞の増加率は150〜240%、またフィルムにおいて生細胞の増加率は115〜121%に向上した。また、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を添加したフィルムにおいて、接触角が21〜26°増加と大きく変化した。基材への細胞接着性に関わる大きな要因の一つとして表面自由エネルギーがある。細胞接着に必須である接着因子タンパク質は、基材表面の水に対する接触角にみられるような表面自由エネルギーの変化によって基材への接着量が異なり、極端な親水性あるいは疎水性では接着量が減少する。そのため、細胞増殖率増加の要因はポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)により表面構造が変化し、細胞接着に最適な表面エネルギーに近づいたためと考えられる。すなわち本発明は、体組織の細胞増殖と再生を促進し、加工性に優れる生体親和性の再生医療用樹脂組成物になりうることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)と生体親和性樹脂を含有してなる樹脂組成物であって、ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を0.1〜50重量%含むことを特徴とする再生医療用樹脂組成物。
【請求項2】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を構成する3−ヒドロキシアルカン酸ユニットにおける3−ヒドロキシブタン酸ユニットのモル分率が10モル%以下である請求項1に記載の再生医療用樹脂組成物。
【請求項3】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)の重量平均分子量が1万以上である請求項1または請求項2に記載の再生医療用樹脂組成物。
【請求項4】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)のガラス転移温度が−20℃以下である請求項1〜3のいずれかに記載の再生医療用樹脂組成物。
【請求項5】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が二重結合を有するモノマユニットを0.1モル%以上含有する請求項1〜4のいずれかに記載の再生医療用樹脂組成物。
【請求項6】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が、微生物により生産されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の再生医療用樹脂組成物。
【請求項7】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が、シュードモナス(Psuedomonas)属に属する微生物により生産されたものである請求項6に記載の再生医療用樹脂組成物。
【請求項8】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が、シュードモナス プチダ(Psuedomonas putida)かPseudomonas sp. SG4502(受託番号:NITE P−578)から選ばれる少なくとも1種により生産されたものである請求項7記載の再生医療用樹脂組成物。
【請求項9】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が、Pseudomonas sp. SG4502(受託番号:NITE P−578)のポリヒドロキシアルカノエート重合酵素遺伝子を導入した遺伝子組み替え体により生産されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の再生医療用樹脂組成物。
【請求項10】
ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)が、Pseudomonas sp. SG4502(受託番号:NITE P−578)由来のポリヒドロキシアルカノエート重合酵素を用いて生産されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の再生医療用樹脂組成物。
【請求項11】
生体親和性樹脂がポリ乳酸である請求項1〜10のいずれかに記載の再生医療用樹脂組成物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の再生医療用樹脂組成物を用いて形成される再生医療用多孔体。
【請求項13】
気孔率が20から95%であり、気孔径の範囲が1μmから500μmである請求項12に記載の再生医療用多孔体。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれかに記載の再生医療用樹脂組成物を用いて形成される再生医療用フィルム。