説明

樹脂組成物

【構成】 (イ)重量平均分子量1.2万以上のポリスチレンブロック、1,2−ビニル結合量が20〜90%である重量平均分子量5万以上のブタジエン系ブロック、および1,2−ビニル結合量が15%以下である重量平均分子量0.2万以上のポリブタジエンブロックからなるブロック重合体の水素添加物1〜99重量%と、(ロ)ポリフェニレンエーテル樹脂1〜99重量%からなる樹脂組成物。
【効果】 本発明の樹脂組成物は、特定の構造の水素添加ブロック重合体を用いることにより、耐衝撃性、成形加工性、熱安定性のバランスに優れた素材であり、特にインパネコア材、自動車の外装・内装品などの大型成形品の材料として好適である。────────────────────────────────────

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物に関し、さらに詳細には、耐衝撃性、耐熱性、加工性、耐薬品性に優れたポリフェニレンエーテル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル樹脂(以下「PPE」という)は、耐熱性、機械的強度、電気特性などに優れた樹脂であるが、成形加工性、および耐衝撃性において十分でなく、その改良品としてゴム強化ポリスチレン樹脂を配合したものが一般に使用されている。しかし、PPEで使用されるゴム強化ポリスチレンは、その製造プロセス上の制約からゴム含有量を高くすることができず、一般にはゴム含有率は5〜10重量%程度と低い。そのためPPEへ十分な耐衝撃性を付与できない。この欠点を補うため、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック重合体を配合する方法が用いられているが、ブタジエンブロックの熱安定性が乏しく、高温成形時の着色、物性低下の原因となっている。また、近年PPE系組成物の耐熱性向上が精力的に進められており、ゴム強化ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック重合体などの高不飽和ゴム系に代わる飽和型エラストマーの出現が強く望まれている。飽和型エラストマーとして、エチレン−プロピレン共重合ゴム(以下「EPゴム」という)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック重合体の水素添加物(以下「SEBS」という)が検討されているが、EPゴムはPPEと相溶するセグメントを有しないことから、特殊な相溶化手法が必要であること、またSEBSはそれ自体の流動性が極めて乏しく、加工性の劣るPPE組成物を与えるなどの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技術の課題を背景になされたものであり、特定の構造を有する水素添加ブロック重合体を用いることにより、耐熱性、耐衝撃性、成形加工性に優れたPPE組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)(イ)(A)ポリスチレンからなるブロッグセグメント5〜35重量%、(B)ブタジエン50〜100重量%と他の単量体0〜50重量%からなり、かつブタジエン部の1,2−ビニル結合量20〜90%であるブタジエン(共)重合体またはポリイソプレンからなるブロックセグメント30〜94重量%および(C)1,2−ビニル結合量が15%以下であるポリブタジエンからなるブロックセグメント1〜35重量%を有する直鎖あるいは分岐状のブロック重合体の不飽和二重結合を90%以上水素添加した水素添加ブロック重合体1〜99重量%、および(ロ)ポリフェニレンエーテル樹脂99〜1重量%からなる樹脂組成物、ならびに
【0005】(2)水素添加ブロック重合体(イ)1〜99重量%、ポリフェニレンエーテル樹脂99〜1重量%からなる組成物100重量部に対し、(ハ)ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体1〜300重量部を配合してなる樹脂組成物、ならびに
【0006】(3)(イ)成分として水素添加ブロック重合体(イ)100重量部を酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、オキサゾリン基、およびエポキシ基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物0.01〜20重量部で変性した変性水素添加ブロック重合体(イ′)を用いることを特徴とした上記(1)、(2)の樹脂組成物を提供するものである。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。
[1]本発明の(イ)成分の水素添加ブロック重合体の説明本発明の(イ)成分は、(A)ポリスチレンからなるブロックセグメント1〜35重量%、(B)ブタジエン50〜100重量%と他の単量体0〜50重量%からなり、かつブタジエン部の1,2−ビニル結合量20〜90%であるブタジエン(共)重合体、またはポリイソプレンからなるブロックセグメント30〜98重量%、(C)1,2−ビニル結合量が15%以下であるポリブタジエンからなるブロックセグメント1〜35重量%からなり、(A)、(B)、(C)の各々を少なくとも1個有する直鎖あるいは分岐状のブロック重合体の不飽和二重結合を90%以上水素添加した水素添加ブロック重合体である。具体的には、A−B−C型トリブロック重合体、C−B−A−(A−B−C)n(ただしn≧1)型の直鎖または分岐状ブロック重合体である。
【0008】(A)成分はポリスチレンからなるブロックセグメントであり、PPEとの相溶性を決定する部分であり、ある程度以上の大きさを持つことが必要である。通常、(イ)成分中で5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%、特に好ましくは15〜25重量%の範囲内にあることが望ましい。(A)成分が5重量%未満ではPPEとの相溶性が不足し、十分な改良効果がない。また、35重量%を超えた場合には(イ)成分のエラストマーとしての性能が低下し、改良効果が低下するため好ましくない。(イ)成分中の(A)成分は、通常、上記範囲内で良好な特性を示すが、組成比率による定義ではブロック(A)の分子量は(イ)成分の分子量に依存し、PPEと相溶するための絶対的分子量を明確にできない。発明者らは、さらに詳細な検討を進めることによって、PPEと相溶するために必要なブロック(A)の分子量を明確にした。(A)成分の重量平均分子量は、通常1.2万以上、好ましくは1.3〜5万、さらに好ましくは1.5〜4万の範囲内にコントロールし、かつ組成比としては、上記範囲にあることによって最もバランスの良い(イ)成分を得ることができる。1.2万未満ではPPEとの相溶性が乏しく、耐衝撃性改良効果は不十分である。(A)成分の分子量の上限は特に制限しないが、通常は5万以下であることが好ましい。5万を超えた場合、成形加工性の低下の傾向を示すので注意が必要である。
【0009】ここで水素添加ブロック重合体(イ)が、A−B−C型トリブロック重合体をカップリングしたC−B−A−(A−B−C)n(ただしn≧1)型の直鎖または分岐状のブロック重合体の場合には、ブロック重合体中のブロック(A)(ポリスチレンブロック)の分子量は、カップリングする前のA−B−C型トリブロック重合体のブロック(A)の分子量に整数nを乗じた値となる。従って、カップリングした水素添加ブロック重合体の場合には、カップリング後のブロック(A)の分子量が上記範囲にあることが必要である。
【0010】(B)成分は、(イ)成分中のエラストマー成分となるブロックセグメントであり、耐衝撃性改良の程度に直接影響する部分である。近年のPPE組成物では、室温での耐衝撃性だけでなく、低温下(−30℃程度)での耐衝撃性も強く要求されている。そのため、(B)成分はできるだけ低いガラス転移温度を有することが必要である。本発明の(B)成分は、(B1 )ブダジエン50〜100重量%、他の単量体0〜50重量%からなり、かつブタジエン部の1,2−ビニル結合量20〜90%であるブタジエン(共)重合体、または(B2 )ポリイソプレンからなるブロックセグメントである。
【0011】(B1 )中のブタジエン成分の1,2−ビニル結合は水素添加後ブテン構造となるため、その含量は水素添加後の(B)成分のガラス転移温度に直接影響する。1,2−ビニル結合量は、通常20〜80%、好ましくは30〜60%、さらに好ましくは35〜50%である。1,2−ビニル結合量が20%未満、あるいは80%を超えた場合には、水素添加後、それぞれポリエチレン連鎖、ポリブテン連鎖に由来する結晶構造の出現によって、(B)成分の低温特性が極端に低下するため好ましくない。また、(B1 )においてブタジエンと共重合し得る他の単量体としては、芳香族ビニル化合物、ジエン系化合物、アクリル系単量体などが挙げられ、スチレン、イソプレン、アクリル酸ブチルなどが好ましいものの例である。共重合量は単量体の性状にも依存するが、通常1〜50%、好ましくは1〜40%、さらに好ましくは1〜30%である。1%未満での共重合では共重合による改良効果が認められない。スチレンなどの剛直な単独重合体を与える単量体を使用する場合、50%を超えて使用すると水素添加後のB2 成分のガラス転移温度が上昇し、低温特性が悪化するため好ましくない。(B)成分のガラス転移温度としては、通常−35℃以下、好ましくは−40℃以下、さらに好ましくは−45℃以下である。ガラス転移温度が−35℃より高い場合には、組成物の低温特性が悪い。
【0012】(B)成分は、通常(イ)成分中で30〜94重量%、好ましくは40〜90重量%、さらに好ましくは50〜85重量%を占めることが望ましい。30重量%未満ではエラストマー成分が不足し、耐衝撃性効果が乏しく好ましくない。また、94重量%を超えた場合には、PPEとの相溶性を確保するのが困難となり、やはり耐衝撃改良効果が劣る傾向を示すので好ましくない。(A)成分同様、発明者らの詳細な検討によって耐衝撃性を改良するのに必要な(B)成分の分子量が明確となった。(B)成分の重量平均分子量は、通常5万以上、好ましくは6〜20万、さらに好ましくは8〜15万の範囲内にコントロールし、かつ組成比としては、上記範囲にあることによって最もバランスのよい(イ)成分を得ることができる。5万未満では、耐衝撃性改良効果が不十分であり好ましくない。ブロック(B)の分子量の上限は特に限定しないが、通常20万以下であることが好ましい。20万を超えた場合には、組成物の成形加工性が劣る傾向を示すため注意が必要である。
【0013】(C)成分は、1,2−ビニル結合量が15%以下であるポリブタジエンからなるブロック成分であり、水素添加により結晶融点を示すポリエチレン類似構造となる。水素添加後、ポリエチレン類似構造を示す(C)成分は、本発明の(イ)成分の優れた耐衝撃性改良効果、良好な加工性に大きな寄与を及ぼすものである。例えば、(C)成分を欠く水素添加ブロック重合体(A−Bジブロック型)では耐衝撃性改良効果に乏しい。また、(C)成分の代わりに(A)成分を持つ水素添加ブロック重合体(A−B−Aトリブロック型)では耐衝撃性改良効果は十分であるが、水素添加ブロック重合体そのものの流動性が乏しいため、PPE組成物の成形加工性が劣るものとなる。すなわち本発明は、(C)成分導入による効果を発見することにより可能となったものである。
【0014】(C)成分の1,2−ビニル結合量は、通常15%以下、好ましくは14%以下、さらに好ましくは13%以下である。1,2−ビニル結合量が15%を超える場合には、水素添加後の(C)成分に由来する結晶融点が低下する。(C)成分は(イ)成分内部で結晶構造を形成する。この結晶構造が物理的な架橋点として作用し、(イ)成分はエラストマー弾性を有する。1,2−ビニル結合量が15%を超え、水素添加後の(C)成分の結晶融点が低下することは、(イ)成分内部の物理的架橋点の強度低下につながり、(イ)成分のエラストマー弾性が悪化する。そのためPPE組成物の耐衝撃性改良効果が低下するため好ましくない。(C)成分は、通常(イ)成分中で1〜35重量%、好ましくは3〜30重量%、さらに好ましくは5〜25重量%を占めることが望ましい。1重量%未満では(C)成分が十分な結晶構造を形成することができず、結果として耐衝撃性改良効果が乏しいため好ましくない。また、35重量%を超えた場合には(イ)成分のエラストマーとしての性能が低下し、耐衝撃性改良効果が劣るため好ましくない。
【0015】発明者らは(A)、(B)同様、(C)成分についても詳細な検討を進め、必要な分子量が明確となった。(C)成分の重量平均分子量は、通常0.2万以上、好ましくは0.4〜4万、さらに好ましくは0.5〜2.5万の範囲内にコントロールし、かつ組成比としては、上記範囲にあることによって最もバランスのよい(イ)成分を得ることができる。0.2万未満では、(イ)成分中で(C)成分が十分な結晶構造を形成することができず、結果として耐衝撃性改良効果が乏しいため好ましくない。ブロック(C)の分子量の上限は特に限定しないが、通常4万以下であることが好ましい。4万を超えた場合には、成形加工性が劣る傾向を示すため注意が必要である。また(イ)成分の水素添加率は、通常90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上である。水素添加率が90%未満では、耐熱性、耐候性の低下、および(C)成分の結晶融点低下による耐衝撃性改良効果の低下などを起こす。
【0016】また本発明の(イ)成分は、分子量の異なるものの混合物であってもよい。具体的には、重量平均分子量8万未満の(イ)成分(イ−1)1〜50重量%、重量平均分子量8万以上の(イ)成分(イ−2)99〜50重量%からなる混合物であり、低分子量(イ−1)の配合により成形加工性に優れる。(イ−1)成分としては、全体の重量平均分子量が8万未満、好ましくは4〜8万未満、さらに好ましくは5〜7.5万の(イ)成分である。(イ−1)成分は流動性改良が主たる目的で配合されるものであるため、先に記述した(A)、(B)、(C)成分の必要な分子量の条件のすべてを満たす必要はない。(イ−2)成分としては、全体の重量平均分子量が8万以上、好ましくは8〜60万、さらに好ましくは9〜40万の(イ)成分である。(イ−2)成分は耐衝撃性改良が主たる目的であるため、先に記述した(A)、(B)、(C)成分の条件のすべて満足する必要がある。(イ−1)、(イ−2)の組成比は、通常イ−1/イ−2=1〜50/99〜50、好ましくは5〜45/95〜55、特に好ましくは5〜30/95〜70である。(イ−1)が1重量%未満では、流動性改良効果がない。また、(イ−1)を50重量%を超えて使用した場合には、耐衝撃性改良効果が劣るため好ましくない。
【0017】水素添加ブロック重合体(イ)は、ブロックC、ブロックB、ブロックAを上記順序で有機溶媒中でリビングアニオン重合し、さらにこのブロック重合体を水素添加することによって得られる。具体的には、例えばsec−ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物を開始剤として、真空下あるいは高純度窒素気流下、第1段目にベンゼンあるいはシクロヘキサンなどの有機溶媒を重合溶媒として1,3−ブタジエンを重合することにより、ブロックCとなる低ビニルポリブタジエンブロックを重合する。続いて、テトラヒドロフランあるいはジエチルエーテルなどのミクロ構造調整剤、および第2段目用の1,3−ブタジエンを添加し、ブロックBとなる高ビニルポリブタジエンブロックを重合する。第2段目の重合終了後、さらに続いてスチレンを添加し、ブロックAとなるポリスチレンブロックを重合し、C−B−Aの順からなるブロック重合体を得ることができる。重合完結時カップリング剤を添加することにより、C−B−A−(A−B−C)n型の直鎖または分岐状のブロック重合体を得ることができる。
【0018】ここで第1段目終了時に適当量の重合液をサンプリングし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することにより、ブロック(C)の分子量が求められる。同様に、第2段目の終了時のサンプルのGPC測定により得られる分子量値から第1段目の分子量値を差し引くことにより、第2段目のブロックBの分子量が求められる。第3段目のブロックAの分子量は、重合完結したサンプルのGPC測定により得られる分子量値から第1段目、第2段目の分子量値を差し引くことにより求めることができる。本発明の水素添加ブロック重合体は、このようにして得られたブロック重合体を不活性溶媒中に溶解し、20〜150℃、1〜100Kg/cm2 の加圧水素下で水素化触媒の存在下、水素添加することにより得られる。
[2]本発明の(ロ)成分の説明(ロ)成分は、下記一般式(I)で示されるポリフェニレンエーテル樹脂である。
【0019】
【化1】


(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一、または異なるアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水素原子などの残基を示し、nは重合度を示す。)ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロル−6−メチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−イソプロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジ−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロル−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−フェニルフェニレン−1,4−エーテル)、ホリ(2−メチル−6−フェニルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−ブロム−6−フェニルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,4′−メチルフェニルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,3,6−トリメチルフェニレン−1,4−エーテル)など、ならびにこれらの共重合体、およびこれらのスチレン系化合物グラフト共重合体が挙げられる。特に好ましいものとしては、2,6−ジメチルフェノールから得られる重合体、および2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールから得られる共重合体が挙げられる。
【0020】請求項1の組成物(以下、組成物1という)における(イ)および(ロ)成分の使用量は、通常、(イ)/(ロ)=1〜99重量%/99〜1重量%であり、硬貨樹脂から軟貨樹脂まで幅広い範囲で適応できる。本発明の樹脂組成物を硬貨樹脂として用いる場合の(イ)および(ロ)の使用量は、(イ)1〜70重量%、(ロ)99〜30重量%であることが好ましい。さらに好ましくは、(イ)1〜60重量%、(ロ)99〜40重量%の範囲内である。(イ)が1重量%未満では耐衝撃性改良効果が乏しい。(イ)が99重量%を超えた場合、得られる組成物の性能は(イ)単体の性能と同程度であり、組成物とする意味がない。
【0021】請求項2記載の組成物(以下、組成物2という)は、(イ)、(ロ)成分および(ハ)成分として、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体を用いる多成分系組成物である。(ハ)成分として、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ナイロン6、ナイロン6.6、ナイロン4.6、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどが代表的なものとして挙げられる。(ハ)成分の使用量は、通常、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して1〜300重量部、好ましくは5〜250重量部、さらに好ましくは10〜200重量部である。(ハ)成分の使用量が1重量%未満では、(ハ)成分未添加系と性能上の差がなく無意味である。(ハ)成分を300重量部を超えて使用した場合には、耐衝撃性、剛性などが不足するため好ましくない。(イ)、(ロ)の使用比率は、(ハ)成分を除いた部分に対して、通常、(イ)/(ロ)=1〜99/99〜1(重量%)、好ましくは1〜80/99〜20、さらに好ましくは1〜70/99〜30であり、かつ(イ)、(ロ)、(ハ)の合計100重量部に対して、(イ)成分が1〜40重量%、特に好ましくは1〜30重量%の範囲にあるように選択することが望ましい。(ハ)成分を除いた部分中の(イ)成分が1重量%未満では耐衝撃性に劣る。また、(イ)成分が99重量%を超える場合には組成物中のPPE量が不足し、耐熱性、剛性などが低下し好ましくない。
【0022】また本発明においては、ポリスチレン系樹脂、例えばポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、スチレン−P−メチルスチレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、HIPS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂などを適当量配合してもよい。スチレン系樹脂はPPEとの相溶性に優れ、配合することによってPPE系組成物の加工性を大幅に改良することができる。ポリスチレン系樹脂の使用量は特に限定しないが、ポリスチレン系樹脂配合により組成物のガラス転移温度(Tg)が低下し、耐熱性が低下するため、大量に使用することは避けるべきである。通常は、ポリスチレン系樹脂配合により、組成物のTgが120〜190℃の範囲内にあるように調整して配合することが望ましい。
【0023】次に請求項3記載の組成物(以下、組成物3という)に関して詳細に説明する。組成物3は、(イ)成分として(イ)成分100重量部に対して酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、オキサゾリン基、およびエポキシ基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物0.01〜20重量部がグラフト重合などにより結合された変性水素添加ブロック重合体(イ′)を用いるものである。変性水素添加ブロック重合体(イ′)を得る方法は、官能基を有する不飽和化合物を既知のグラフト化反応、例えばラジカル発生剤、具体的には有機過酸化物もの存在下に、水素添加ブロック重合体と官能基を有する不飽和化合物とを加熱溶融混合する方法によって工業的に簡便に製造することができる。水素添加ブロック重合体(イ)に官能基を付加する単量体としては、以下のものを挙げることができる。例えば酸無水物基含有単量体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの酸無水物化合物を挙げることができる。カルボキシル基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸類などのモノアミド類、下記一般式(II)で表わされるモノアルキルエステルなどが挙げられる。
【0024】
【化2】


(式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数2〜6のアルキレン基、R3 はフェニレン基、シクロヘキシレン基、炭素数2〜6のアルキレン基、または不飽和炭化水素基を示す。)ヒドロキシル基含有単量体としては、下記一般式(III)で表わされるヒドロキシル基含有ビニル化合物を挙げることができる。
【0025】
【化3】


(式中、R1 およびR2 は前記に同じ)エポキシ基含有単量体としては、下記一般式(IV)〜(V)で表わされるエポキシ基含有ビニル化合物が挙げられる。
【0026】
【化4】


(式中、R4 は水素原子、メチル基またはグリシジルエステル基で置換された低級アルキルを示す。)
【0027】
【化5】


(式中、R4 は前記に同じ)アミノ基含有単量体としては、例えば次式(VI)で表わされるアミノ基または置換アミノ基を有するビニル系単量体が挙げられる。
【0028】
【化6】


(式中、R5 は水素原子、メチル基またはエチル基を示し、R6 は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数6〜12のフェニル基もしくはシクロアルキル基またはこれらの誘導体を示す。)アミノ基含有単量体の具体例としては、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどのアクリル酸またはメタクリル酸のエステル類、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミンなどのビニルアミン類、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミンなどのアリルアミン類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、P−アミノスチレンなどのアミノスチレン類が挙げられる。また、オキサゾリン基含有単量体としてはビニルオキサゾリンが挙げられる。これらの官能基含有単量体の好ましい例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシエチレンメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、ビニルオキサゾリンなどが挙げられる。また、官能基含有単量体としては、下記一般式(VII)で表わされる置換アリールマレイミド化合物も好ましいものの例である。
【0029】
【化7】


(式中、R7 は−OH、−OCH3 、−Cl、−COOH、−NO2 から選ばれる官能基であり、ベンゼン核のo−、m−、またはp−位に付く。)これの一般式(VII)で表わされる置換アリールマレイミド化合物の好ましい例としては、N−(o−カルボキシルフェニル)マレイミド、N−(p−カルボキシルフェニルマレイミド)、N−(p−クロロフェニル)マレイミド、N−(m−ヒドロキシフェニルマレイミド)、N−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミドなどが挙げられる。
【0030】グラフト重合する官能基を有する不飽和化合物の量は、通常、未変性の水素添加ブロック重合体(イ)100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.02〜15重量部、さらに好ましくは0.05〜10重量部である。0.01重量部未満では、導入される官能基の濃度が低く効果的でない。20重量部を超えた場合には、導入官能基間の化学反応によるゲル化、熱安定性などで問題を起こしやすくなるため好ましくない。変性水素添加ブロック重合体(イ′)の製造は、水素添加ブロック重合体(イ)と官能基を有する不飽和化合物、およびグラフト反応を活性化する助剤を配合した混合物を二軸押出機などで混練、混練中にグラフト化反応を行なう手法が工業的に最も簡便である。用いる活性化助剤としては有機過酸化物が最も好ましい。具体的には1分間半減期温度が150℃以上であるものが製造工程上好ましいものであり、例えば2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−ベンゾイル−パーオキシヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジ−イソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン−3などが好ましいものの例である。有機過酸化物の使用量は、有機過酸化物中の活性酸素濃度が通常、配合した官能基含有不飽和化合物中の不飽和結合量の等モル〜3倍モル量の範囲内であることが望ましい。等モル以下ではグラフト化反応の反応率が低い。3倍モル以上使用した場合には、グラフト化反応以外の副反応、例えば架橋反応が進行し、ゲル化しやすくなるので好ましくない。組成物3の特徴は、官能基導入により、PPE以外の成分、具体的にはポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂との相溶性が向上するという点である。従って組成物3においては、(ハ)成分を用いる系でより優れた性能を示す組成物が得られる。
【0031】本発明の樹脂組成物は、押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどにより、溶融混練りすることによって得ることができる。本発明の樹脂組成物を製造するに際し、各成分を一括混合してもよく、任意の2種以上の一部あるいは全量を予備混合した後、残りの成分を添加し、混合する分割混合法でもよい。また、本発明の樹脂組成物の使用に際しては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ウォストライト、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、マイカ、チタン酸カリウム、アラミド繊維、二硫化モリブデン、フッ素樹脂などの充填剤を単独あるいは組み合わせで添加することができる。これらの充填剤のうち、ガラス繊維、炭素繊維は、繊維径が6〜60μmで、繊維長が30μm以上のものが好ましい。通常、これらの充填剤は、樹脂組成物100重量部に対して5〜150重量部の範囲で使用される。
【0032】さらに本発明の組成物には、その他の各種配合剤を添加することができる。配合剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート、トリス(ジ−ノニルフェニル)ホスファイトなどの酸化防止剤、p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤、パラフィンワックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、n−ブチルステアレート、ケトンワックス、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドなどの滑剤、酸化アンチモン、水酸化アンモニウム、ホウ酸亜鉛、トリクレジルホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、塩素化パラフィン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノールAなどの難燃剤、ステアロアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムニトレートなどの帯電防止剤、酸化チタン、カーボンブラックなどの着色剤、顔料、滑剤などを挙げることができる。本発明の樹脂組成物は、射出成形、シート成形、真空成形、異形成形、発泡成形、ブロー成形、スタンパブル成形などによって各種成形品に成形することができる。得られた成形品は、その優れた性質を利用して自動車の外装・内装部材および電気・電子関連の各種部品、ハウジングなどに使用することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明する。なお実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。なお、実施例中のポリブタジエンの1,2−ビニル結合量は赤外分析法を用い、モレロ法により算出した。本発明の樹脂組成物の物性評価方法は、下記の方法で行なった。
【0034】
【成形方法】表3、表4に示した配合割合の樹脂組成物をバレル温度280〜300℃の二軸押出機を用いて混練押出しを行ない、ペレット化した。得られたペレットを乾燥後、成形温度280℃の射出成形機を用いて物性測定用テストピースを成形した。
【0035】
【物性評価方法】耐衝撃性:ASTM D−256に従って、厚み1/4″ノッチ付23℃で測定した。
耐溶剤性:試験片(1/8″ULバー)に1%の歪をかけ、灯油に浸し48時間放置した後、破断およびクラックの発生状態の観察を行ない、以下のとおり4段階にわけて評価した。
◎;破断、クラックの発生が全くない。
○;小さなクラックが発生している。
△;大きなクラックが発生している。
×;破 断面衝撃強度:ISO6603−2に準じた手法を用いて−30℃で測定した。
破断面の状態は以下のとおり3段階にわけて評価した。
◎;延性破壊△;延性〜服性破壊×;脆性破壊加工性(MFR):十分乾燥したペレットを用い、280℃、荷重10kgで測定した(単位 g/10分)。
【0036】実施例、比較例中で用いる(イ)、(ロ)、(ハ)成分の説明(イ)成分は、表1、表2に示すH−1〜H−12の水素添加ブロック重合体である。表中H−5、H−6は、それぞれ水素添加ブロック重合体100重量部に無水マレイン酸、アリルグリシジルエーテルを1部グラフトさせた変性水素添加ブロック共重合体(イ′)の例である。また表3、表4中、H−13、H−14は分子量の異なる(イ)成分を配合したものである。H−13は、H−3とブロック(A)30重量%、ブロック(B)55重量%、ブロック(C)15重量%、重量平均分子量5.5万の水素添加ブロック重合体を70/30(wt%)で混合したものである。H−14は、H−4と上述の低分子量水添添加ブロック重合体を65/35(wt%)で混合したものである。
【0037】(ロ)成分のA−1は、2,6−キシレノール、触媒として臭化第2銅およびジ−n−ブチルアミンを用い、トルエン溶液中30℃で酸素を吹き込みながら重合反応を行なって得られたポリフェニレンエーテルである。A−1の[η](クロロホルム、30℃)は0.40であった。A−2は、上記A−1 50重量%とポリスチレン(三井東圧(株)製、トーポレックス500−51)50重量%をブレンドしたものであり、混合後のガラス転移温度が142℃の組成物であり、A−3は、上記A−1 50重量%とゴム変性ポリスチレン(三菱ポリテック(株)製、クフレックスHF−76)50重量%をブレンドしたものであり、混合後のガラス転移温度が145℃の組成物である。
【0038】(ハ)成分は以下のとおりである。
B−1;三菱油化(株)製、ポリプロピレンMH8B−2;日本石油化学(株)製、ポリエチレン スタフレンE791B−3;ポリプラスチックス(株)製、ポリブチレンテレフタレートジュラネックスXD499B−4;日本ユニペット(株)製、ポリエチレンテレフタレートユニペットRT543B−5;東レ(株)製、ナイロン6.6 アミランCM3006
【0039】実施例1〜18(配合処方、評価結果は表3、表4に示す。)は本発明の樹脂組成物であり、特定の構造の水素添加ブロック重合体を配合することにより、耐衝撃性、耐薬品性、成形加工性に優れた組成物が得られている。比較例1〜6は、用いた水素添加ブロック重合体が本発明の範囲外のものである(水素添加ブロック重合体の構造は表1、表2に示す。)。比較例1は、ブロック(A)の分子量および組成比率が本発明の範囲未満の例であり、PPEとの相溶性が不足するため耐衝撃性、面衝撃が劣る。比較例2は、ブロック(C)の分子量および組成比率が本発明の範囲未満の例である。面衝撃強度が劣る。比較例3は、ブロック(B)の分子量および組成比率が本発明の範囲未満の例である。全体に低分子量であるため加工性は優れるが、耐衝撃性、面衝撃が劣る。比較例4は、ブロック(C)を欠く例である。加工性は良いが、耐衝撃性、面衝撃が劣る。比較例5は、ブロック(C)の代わりにブロック(A)が両末端についた例である。耐衝撃性、面衝撃は良好であるが、加工性が劣る。
【0040】
【表1】


【0041】
【表2】


【0042】
【表3】


【0043】
【表4】


【0044】
【発明の効果】従来、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐衝撃性を改良するため、種々のゴム質重合体の配合が検討されているが、耐衝撃性、成形加工性、熱安定性のバランスに優れた組成物を得ることは困難である。本発明は、特定の構造の水素添加ブロック重合体を用いることにより、耐衝撃性、成形加工性、熱安定性のバランスに優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得たものであり、特にインパネコア材、自動車の外装・内装品などの大型成形品の材料として好適であり、工業的価値は大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 (イ)(A)ポリスチレンからなるブロックセグメント5〜35重量%、(B)ブタジエン50〜100重量%と他の単量体0〜50重量%からなり、かつブタジエン部の1,2−ビニル結合量が20〜90%であるブタジエン(共)重合体またはポリイソプレンからなるブロックセグメント30〜94重量%および(C)1,2−ビニル結合量が15%以下であるポリブタジエンからなるブロックセグメント1〜35重量%を有する直鎖あるいは分岐状のブロック重合体の不飽和二重結合を90%以上水素添加した水素添加ブロック重合体1〜99重量%、および(ロ)ポリフェニレンエーテル樹脂99〜1重量%からなる樹脂組成物。
【請求項2】 水素添加ブロック重合体(イ)1〜99重量%、ポリフェニレンエーテル樹脂99〜1重量%からなる組成物100重量部に対し、(ハ)ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体1〜300重量部を配合してなる樹脂組成物。
【請求項3】 (イ)成分として水素添加ブロック重合体(イ)100重量部を酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、オキサゾリン基、およびエポキシ基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物0.01〜20重量部で変性した変性水素添加ブロック重合体(イ′)を用いることを特徴とした請求項1、2記載の樹脂組成物。