説明

樹脂表面の改質方法

【課題】多量の表面改質剤を使用することなく、硬化後の樹脂表面のへの塗布による適用が可能であって、しかも、改質性能の耐久性が良好であって、洗剤洗浄によっても改質性能が簡単に失われることはなく、樹脂表面の風合いを損うことなく平滑表面への適用もでき、耐溶剤性も良好な、簡便な手段としての樹脂表面の改質方法を提供する。
【解決手段】樹脂硬化物に対し浸透性のある溶剤に、改質剤を溶解もしくは分散させた溶液を、樹脂硬化物に含浸させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、洗面ユニットカウンター用人造大理石等の樹脂表面の撥水性、防湿性、撥油性、耐溶媒性、防汚性等の向上のための改質方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗面ユニットやキッチンユニットのカウンター用人造大理石等の樹脂表面に対して、撥水性、撥油性、防湿性、耐溶剤性、防汚性等を向上させることを目的として、樹脂の表面性能を改質するための方法や、そのための改質剤について、従来より様々な検討が行われてきている。
【0003】
たとえば、樹脂中に改質剤を添加する方法がある。パーフルオロアルキル基等のフッ素含有ポリオルガノシロキサン化合物を改質剤として樹脂中に内添する方法(特許文献1)やコロイダルシリカ等の分散溶液を用いる方法等である。
【0004】
だが、この方法は、硬化前の樹脂中に改質剤を分散させるため、表面性能を変化させるには多量の改質剤の添加が必要になり、コスト面において不利である。また、樹脂中への内添によって表面改質の特性を発現することは必ずしも容易ではない。たとえば上記のようなフッ素含有改質剤の場合には、凝集や偏析が生じやすく、取扱いが難しいという問題がある。また、コロイダルシリカ等を溶剤に分散させて用いる改質剤の場合には、樹脂中に添加分散した後に溶剤を除去することが必要であって、実際には非常に難しいという問題があった。
【0005】
一方、別の方法としては、硬化後の樹脂表面に塗布するという方法がある。この方法においては、樹脂表面にのみ改質剤を存在させるため、上記の樹脂中への内添方法に比べて簡便であって、コスト的にも有利である。
【0006】
しかしながら、ワックスやオイル等の表面改質剤や、上記のフッ素含有ポリオルガノシロキサン化合物、あるいはフッ素樹脂微粒子を用いた処理剤、そして各種の表面改質剤とアルコキシシラン、コロイダルシリカとの反応物や混合物(特許文献2)等の改質剤は、樹脂表面に付着しているか、表面の凹凸や傷という空隙部への入り込みにより保持させているだけであるので、改質性能の耐久性に乏しく、洗剤洗浄によってこの性能が失われやすく、高度な平滑表面には適用できず、さらには耐溶剤性にも問題があった。
【0007】
フッ素樹脂を表面にコーティングすることも考えられているが、このようなコーティングの場合には、プライマー等の使用によって被処理樹脂表面への密着性を向上させることが必要であって、しかも、コーティングによって樹脂表面の風合いを損ねる場合があるという問題があった。
【特許文献1】特開平7−233257号公報
【特許文献2】特開平11−293013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明は、上記のとおりの背景から、多量の表面改質剤を使用することなく、硬化後の樹脂表面への塗布による適用が可能であって、しかも、改質性能の耐久性が良好であって、洗剤洗浄によっても改質性能が簡単に失われることはなく、樹脂表面の風合いを損うことなく平滑表面への適用もでき、耐溶剤性も良好な、簡便な手段としての新しい樹脂表面の改質方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の樹脂表面の改質方法は以下のことを特徴としている。
【0010】
第1:樹脂硬化物に対し浸透性のある溶剤に、改質剤を溶解もしくは分散させた溶液を、樹脂硬化物に含浸させる。
【0011】
第2:樹脂硬化物に対し浸透性のある溶剤を含浸させ、続いてその溶剤と相溶性のある溶剤に改質剤を溶解もしくは分散させた溶液を含浸させる。
【0012】
第3:上記いずれかの方法において、改質剤の含浸処理後に加熱する。
【0013】
第4:上記いずれかの方法において、改質剤として、フルオロアルキル基を有する低分子化合物もしくは超微粒子を用いて、樹脂表面の撥水撥油性を向上させる。
【0014】
第5:上記いずれかの方法において、樹脂硬化物が、不飽和基を有する主鎖化合物及び重合性モノマーからの樹脂硬化物であることとする。
【発明の効果】
【0015】
上記の本願第1の発明によれば、簡便な方法として、樹脂硬化物の表面には、浸透性のある溶剤の浸透にともなって改質剤が含浸され、従来技術に比べて改質性能の耐久性が良好となり、洗剤洗浄によっても、撥水性、撥油性等の改質性能が簡単に失われることなく維持される。樹脂表面の風合いを損うこともなく、平滑表面への適用も可能である。また、耐溶剤性も良好となる。
【0016】
また、第2の発明によっても、上記と同等の効果が得られ、しかも、樹脂硬化物への浸透性のある溶媒との相溶性のある溶媒の使用によって、改質剤の選択範囲もより広がることになる。
【0017】
第3の発明によれば、加熱によって溶媒の除去が促進され、より効率的に表面改質された樹脂表面が実現されることになる。
【0018】
改質剤としては各種のものが適用可能であるが、なかでも、フルオロアルキル基を有する低分子化合物もしくは超微粒子を用いる第4の発明によって、撥水撥油性という表面改質性能は顕著に向上する。
【0019】
また、本願第5の発明によれば、不飽和ポリエステルやビニルエステル樹脂等の広範囲な用途において有用な樹脂において、上記のとおりの表面改質が顕著に実現されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本願発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、本願発明における表面改質は各種の性能の向上を目的とするものであってよく、その代表的なものとしては、撥水性、防湿性、撥油性、そしてこれらの複合的作用としての防汚性、さらには耐溶剤性の向上が挙げられる。
【0021】
本願発明においては、樹脂硬化物に対して浸透性のある溶剤を介しての改質剤を含浸させるが、この含浸は、少くとも樹脂硬化物の表層部を改質するものであればよい。樹脂硬化物に対して浸透性のある溶剤は、その種類は各種であってよく、単一種もしくは複数種の混合溶剤でもよい。同様に、これら溶剤に相溶性のある溶剤も各種であってよい。ただ、これらの樹脂硬化物浸透性の、そして相溶性の溶剤は、樹脂硬化物の表面を著しく侵食したり、変化、劣化させるものは好ましくない。
【0022】
なお、本願発明においては、樹脂硬化物への浸透性のある溶剤の使用は、樹脂硬化物表面の粗面化(侵食作用)のための処理とは本質的に相違している。本願発明では、浸透性溶剤の使用の前後における表面粗さについては顕著な変化はない。このことは本願発明の本質的な特徴の一つである。
【0023】
改質剤についても各種でよく、改質の目的、期待する効果に応じて選択することができる。たとえば撥水性の向上のための改質剤としては、シリコーンオイル系改質剤やフッ素系改質剤が好適に考慮される。なかでも、メチルフェニルシリコーンオイル改質剤や、フルオロアルキル基を有する低分子化合物、フルオロアルキル基を有する化合物の超微粒子(好ましくは平均粒径1μm以下)が好ましいものとして例示される。これらの改質剤においては、撥油性も向上させ、特に後者のフルオロアルキル基を有する改質剤の場合には、撥水性とともに撥油性も顕著に向上させ、耐溶剤性も良好である。そして、改質剤については適宜に市販品として入手できるものや、調剤として用意したものであってよい。
【0024】
樹脂硬化物への浸透性のある溶剤、あるいはこれに相溶性のある溶剤への改質剤の溶解あるいは分散による濃度は、改質の目的、その発現の度合等を考慮して定めることができる。
【0025】
改質剤の含浸処理は、各種手段による樹脂硬化物表面への塗布により実現され、乾燥によってその操作は完了する。この際に、上記の溶剤の種類によっては乾燥に時間を要する場合がある。このような場合には、加熱して乾燥を促進することも有効である。
【0026】
なお、本願発明が対象とする樹脂硬化物についても各種のものであってよいが、なかでも、洗面ユニットやキッチンユニットのカウンター等の水や洗剤、あるいは化粧品等との接触の機会の多い部材、たとえば人造大理石等の樹脂硬化物等に広く用いられている不飽和ポリエステルやビニルエステル樹脂等が代表的なものとして例示される。つまり、このような樹脂に代表される、不飽和基を有する主鎖化合物からの樹脂硬化物や、不飽和基を有する主鎖化合物と重合性モノマーからの樹脂硬化物である。本願発明によって、これらの樹脂硬化物において、優れた表面改質性能が実現されることになる。
【0027】
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく発明の実施の形態について説明する。
【0028】
もちろん、以下の例によって発明が限定されることはない。
【実施例】
【0029】
<実施例1>
不飽和基を有する主鎖化合物不飽和ポリエステルと重合性モノマーのスチレンからの樹脂硬化物として、表層にゲルコート樹脂層を有する、松下電工(株)製洗面ユニット「ジュエル」カウンター用人造大理石を100mm角に切断したものを試験片として用いた。
【0030】
改質剤としてメチルフェニルシリコーンオイル(GE東芝シリコーン(株)製 TSF437)、浸透性溶剤として酢酸ブチルを用いた。
【0031】
メチルフェニルシリコーンオイルの10重量%酢酸ブチル溶液を調整し、改質剤溶液とした。
【0032】
試験片の表面に綿布を用いて改質剤溶液を塗り広げ、常温で1時間乾燥した後、中性洗剤で表面を洗浄した。
<実施例2>
実施例1において、常温で1時間乾燥後、60℃1時間加熱、室温で放冷、その後中性洗剤で表面を洗浄した。
<実施例3>
不飽和基を有する主鎖化合物不飽和ポリエステルと及び重合性モノマーのスチレンからの樹脂硬化物として、表層に不飽和ポリエステル及びスチレンからなるゲルコート樹脂層を有する、松下電工(株)製洗面ユニット「ジュエル」カウンター用、人造大理石を100mm角に切断したものを試験片として用いた。
【0033】
改質剤溶液としてダイキン工業(株)製石材保護剤「エフトーンGM105」(酢酸ブチル溶液)を酢酸ブチルで10倍稀釈したものを用いた。
【0034】
試験片の表面に綿布を用いて改質剤溶液を塗り広げ、常温で1時間乾燥した後、乾拭き、続いて中性洗剤で表面を洗浄した。
<実施例4>
不飽和基を有する主鎖化合物不飽和ポリエステルと重合性モノマーのスチレンからの樹脂硬化物として、表層にゲルコート樹脂層を有する、松下電工(株)製洗面ユニット「ジュエル」カウンター用、人造大理石を100mm角に切断したものを試験片として用いた。
【0035】
改質剤溶液として(株)錦之堂が販売する、スーパーレイン・X「GTハイブリッド」(フッ素系撥水剤アルコール溶液)、浸透性溶剤として酢酸ブチルを用いた。
【0036】
試験片の表面に綿布を用いて浸透性溶剤を塗り広げ、浸透性溶剤が乾燥する前に改質剤溶液を綿布を用いて塗り広げ、常温で16時間乾燥した後、中性洗剤で表面を洗浄した。
<実施例5>
不飽和基を有する主鎖化合物及び重合性モノマーからなる樹脂硬化物として、次の硬化物を試験片として用いた。
【0037】
すなわち、ビニルエステル樹脂「ビスフェノール型ビニルエステル樹脂の60重量%スチレン溶液」(ジャパンコンポジット(株)「KSV−15」製100部に対し、硬化剤「t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの50重量%フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)溶液」を2部添加、混合し、金型内に注入、90℃で60分間加熱硬化させた後、脱型。さらにオーブンにて90℃で30分間加熱し得られる、厚さ8.5mmの樹脂硬化物。
【0038】
改質剤としてメチルフェニルシリコーンオイル(GE東芝シリコーン(株)製 TSF437)、浸透性溶剤として酢酸ブチルを用いた。
【0039】
メチルフェニルシリコーンオイルの10重量%酢酸ブチル溶液を調整し、改質剤溶液とした。
【0040】
試験片の表面に綿布を用いて改質剤溶液を塗り広げ、常温で1時間乾燥した後、中性洗剤で表面洗浄した。
<比較例1>
不飽和基を有する主鎖化合物不飽和ポリエステルと重合性モノマーのスチレンからの樹脂硬化物として、表層にゲルコート樹脂層を有する、松下電工(株)製洗面ユニット「ジュエル」カウンター用、人造大理石を100mm角に切断したものを試験片として用いた。
【0041】
試験片の表面を中性洗剤で洗浄した。(未処理)
<比較例2>
不飽和基を有する主鎖化合物不飽和ポリエステルと重合性モノマーのスチレンからの樹脂硬化物として、表層にゲルコート樹脂層を有する、松下電工(株)製洗面ユニット「ジュエル」カウンター用、人造大理石を100mm角に切断したものを試験片として用いた。
【0042】
改質剤〔メチルフェニルシリコーンオイル(GE東芝シリコーン製TSF437)〕を試験片の表面に綿布を用いて処理液を塗り広げ、常温で1時間放置した後、中性洗剤で表面を洗浄した。
<比較例3>
不飽和基を有する主鎖化合物不飽和ポリエステルと重合性モノマーのスチレンからの樹脂硬化物として、表層にゲルコート樹脂層を有する、松下電工(株)製洗面ユニット「ジュエル」カウンター用、人造大理石を100mm角に切断したものを試験片として用いた。
【0043】
改質剤溶液〔(株)錦之堂が販売する、スーパーレイン・X「GTハイブリッド」(フッ素系撥水剤アルコール溶液)〕を試験片の表面に綿布を用いて処理液を塗り広げ、常温で16時間乾燥した後、中性洗剤で表面を洗浄した。
<比較例4>
不飽和基を有する主鎖化合物及び重合成モノマーからなる樹脂硬化物として、次の硬化物を試験片として用いた。
【0044】
すなわち、ビニルエステル樹脂「ビスフェノール型ビニルエステル樹脂の60重量%スチレン溶液」(ジャパンコンポジット(株)「KSV−15」製100部に対し、硬化剤「t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの50重量%フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)溶液」を2部添加、混合し、金型内に注入、90℃で60分間加熱硬化させた後、脱型。さらにオーブンにて90℃で30分間加熱し得られる、厚さ8.5mmの樹脂硬化物。
【0045】
試験片の表面を中性洗剤で洗浄した。(未処理)
<比較例5>
不飽和基を有する主鎖化合物及び重合成モノマーからなる樹脂硬化物として、次の硬化物を試験片として用いた。
【0046】
すなわち、ビニルエステル樹脂「ビスフェノール型ビニルエステル樹脂の60重量%スチレン溶液」(ジャパンコンポジット(株)「KSV−15」製100部に対し、硬化剤「t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの50重量%フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)溶液」を2部添加、混合し、金型内に注入、90℃で60分間加熱硬化させた後、脱型。さらにオーブンにて90℃で30分間加熱し得られる、厚さ8.5mmの樹脂硬化物。
【0047】
改質剤〔メチルフェニルシリコーンオイル(GE東芝シリコーン製TSF437)〕を試験片の表面に綿布を用いて処理液を塗り広げ、常温で1時間放置した後、中性洗剤で表面を洗浄した。
<評価>
以上の実施例1−5並びに比較例1−5について、樹脂表面の撥水性能を、「水接触角」により、撥油性能を、「オレイン酸接触角」により評価し、また耐溶剤性、さらには表面粗さ等についても評価した。
【0048】
主な評価方法は次のとおりである。
(1)評価方法
水接触角、オレイン酸接触角:協和界面科学(株)製 全自動接触角計CA−W型を用いた。
【0049】
耐溶剤性:試験片表面上に除光液((株)カネボウ化粧品製 ネイルカラーリムーバー)をしみこませた約10mm角のガーゼを置き、その上を時計皿で蓋う。24時間放置後、水洗し、外観を目視で確認した。
【0050】
表面粗さ:(株)ミツトヨ製サーフテスト301を測定機器として評価した。
(2)評価結果
撥水性、撥油性、そして耐溶剤性についての評価結果は表1のとおりであった。
【0051】
1)実施例1,2及び比較例2は、メチルフェニルシリコーンオイルを用いた樹脂の改質により、撥水性の向上を狙ったものである。
【0052】
比較例1は、未処理の樹脂硬化物である。
【0053】
比較例2は改質剤のみを表層に塗布したものであるが、含浸できずに表層に付着しているだけなので、中性洗剤洗浄にて除去されてしまい、撥水効果が出ていない。
【0054】
これに対し、実施例1,2は浸透性溶剤を用いることにより、中性洗剤洗浄後も除去されず、撥水効果を発揮した。従って、浸透性溶剤を用いることにより、樹脂表面を改質することができることが確認された。
【0055】
2)実施例1に対し、実施例2は加熱処理している。
【0056】
実施例1は含浸処理に用いた溶剤が十分に乾燥しておらず、耐溶剤性の若干低いが、実施例2は加熱処理した為、溶剤が十分に乾燥しており、耐溶剤性も良好である。
【0057】
3)実施例3は浸透性溶剤に溶解したフルオロアルキル基を有する改質剤を用いて樹脂表面を改質した事例であり、最も撥水撥油性を向上させることができた。
【0058】
4)実施例4、比較例3は、樹脂に対し非浸透性溶剤に分散されたフルオロアルキル基を有する改質剤を用いた事例である。実施例4のように浸透性溶剤を予め含浸させることにより、樹脂表面を改質することができた。
【0059】
5)実施例5のように、比較例4、5との対比から、ビニルエステル樹脂硬化物を用いても、同様の効果を得ることができた。
【0060】
6)実施例1−5においては、浸透性溶剤、あるいはさらに相溶性溶剤を使用しても、使用しない場合に比べて表面粗さには顕著な変化がないことが確認された。たとえば実施例3の場合のRaは0.1μmであり、比較例1のRaも0.1μmであった。
【0061】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂硬化物に対し浸透性のある溶剤に、改質剤を溶解もしくは分散させた溶液を、樹脂硬化物に含浸させることを特徴とする樹脂表面の改質方法。
【請求項2】
樹脂硬化物に対し浸透性のある溶剤を含浸させ、続いてその溶剤と相溶性のある溶剤に改質剤を溶解もしくは分散させた溶液を含浸させることを特徴とする樹脂表面の改質方法。
【請求項3】
請求項1または2の方法において、改質剤の含浸処理後に加熱することを特徴とする樹脂表面の改質方法。
【請求項4】
改質剤としてフルオロアルキル基を有する低分子化合物もしくは超微粒子を用いて、樹脂表面の撥水撥油性を向上させることを特徴とする請求項1から3のいずれかの樹脂表面の改質方法。
【請求項5】
樹脂硬化物が、不飽和基を有する主鎖化合物及び重合性モノマーからの樹脂硬化物であることを特徴とする請求項1から4のいずれかの樹脂表面の改質方法。

【公開番号】特開2006−152031(P2006−152031A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−341115(P2004−341115)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】