説明

樹脂被覆キャリアの製造方法

【課題】環境に対する負荷が小さく、より少ない製造エネルギーで高い耐久性を有する樹脂被覆キャリアを製造することのできる樹脂被覆キャリアの製造方法を提供すること。
【解決手段】磁性体粒子の表面が樹脂により被覆されてなる樹脂被覆キャリアの製造方法であって、磁性体粒子を加熱し、当該磁性体粒子に、水系分散媒中に磁性体粒子の表面を被覆する樹脂による樹脂粒子が分散されてなる分散液を噴霧することにより、当該磁性体粒子の表面に前記樹脂粒子が付着されてなる樹脂粒子付着磁性体粒子を調製し、この樹脂粒子付着磁性体粒子に機械的衝撃力を付与することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二成分現像剤を用いた電子写真方式の画像形成方法において用いられる樹脂被覆キャリアの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二成分現像剤を用いた電子写真方式の画像形成方法において、当該二成分現像剤を構成するキャリアとしては、耐久性を確保するため、例えばフェライトなどよりなる磁性体粒子の表面が樹脂により被覆されてなる樹脂被覆キャリアが広く用いられている。
このような樹脂被覆キャリアの製造方法としては、磁性体粒子の表面を被覆する樹脂が有機溶媒に溶解された樹脂溶液を磁性体粒子の表面にスプレーで噴霧塗布した後、有機溶媒を除去するスプレーコート法(例えば特許文献1参照)や、磁性体粒子を、当該磁性体粒子の表面を被覆する樹脂を形成すべきモノマーと重合開始剤との混合液に浸漬した後、モノマーを重合する重合法などが挙げられる。しかしながら、いずれの製造方法においても、多量の有機溶媒やモノマーを取り扱うことから、環境に対する負荷が大きいという問題がある。
【0003】
そこで、環境に対する負荷の小さい樹脂被覆キャリアの製造方法として、磁性体粒子の表面を被覆する樹脂を調製し、その後、この樹脂と磁性体粒子とを乾式で混合することによって磁性体粒子の表面に樹脂を付着させた後、樹脂が付着された磁性体粒子に機械的衝撃力を付与する方法が提案されている(例えば特許文献2および3参照)。この製造方法は、機械的衝撃力と摩擦熱とにより磁性体粒子の表面に樹脂を固着させて樹脂被覆キャリアを得る方法である。
しかしながら、このような製造方法にあっては、樹脂は通常、水系分散媒中に樹脂粒子が分散されてなる分散液として調製されるため、分散液の水分を除去し、樹脂粒子を乾燥させた後、使用しなければならなかった。また、乾燥処理された樹脂粒子は弱い凝集状態にあることから、樹脂粒子と磁性体粒子との均一な混合状態を得るために、予め樹脂粒子を解砕することも必要であった。
以上のことから、機械的衝撃力を付与する工程までに、樹脂粒子を乾燥する工程と樹脂粒子を解砕する工程とが必須であり、全体として、相当に長い製造時間および大きい製造エネルギーを要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−280291号公報
【特許文献2】特許第02825597号公報
【特許文献3】特開2010−250281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、環境に対する負荷が小さく、より少ない製造エネルギーで高い耐久性を有する樹脂被覆キャリアを製造することのできる樹脂被覆キャリアの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の樹脂被覆キャリアの製造方法は、磁性体粒子の表面が樹脂により被覆されてなる樹脂被覆キャリアの製造方法であって、
磁性体粒子を加熱し、当該磁性体粒子に、水系分散媒中に磁性体粒子の表面を被覆する樹脂による樹脂粒子が分散されてなる分散液を噴霧することにより、当該磁性体粒子の表面に前記樹脂粒子が付着されてなる樹脂粒子付着磁性体粒子を調製し、この樹脂粒子付着磁性体粒子に機械的衝撃力を付与することを特徴とする。
【0007】
本発明の樹脂被覆キャリアの製造方法においては、前記磁性体粒子を加熱する温度が、180〜260℃であることが好ましい。
【0008】
本発明の樹脂被覆キャリアの製造方法においては、前記磁性体粒子に前記分散液を噴霧する雰囲気温度が、120〜220℃であることが好ましい。
【0009】
本発明の樹脂被覆キャリアの製造方法においては、前記分散液に分散された樹脂粒子の粒径が、50〜500nmであることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の樹脂被覆キャリアの製造方法によれば、樹脂粒子が分散される分散媒が水系であることにより、環境に対する負荷が小さく、また、予め加熱された磁性体粒子に樹脂粒子の分散液を噴霧することにより、磁性体粒子に接触した分散液の液滴の水分が蒸発されながら樹脂粒子が磁性体粒子の表面に付着するので、樹脂粒子の磁性体粒子に対する付着効率が向上すると共に高い付着強度が得られ、従って、より少ない製造エネルギーで効率的に高い耐久性を有する樹脂被覆キャリアを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の樹脂被覆キャリアの製造方法において、樹脂粒子付着工程に用いられる装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
【図2】本発明の樹脂被覆キャリアの製造方法において、機械的衝撃力付与工程に用いられる装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
【図3】図2の装置における水平方向回転体の平面図である。
【図4】図2の装置における水平方向回転体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】
〔樹脂被覆キャリアの製造方法〕
本発明の樹脂被覆キャリアの製造方法は、磁性体粒子の表面が樹脂により被覆されてなるキャリア粒子よりなる樹脂被覆キャリアの製造方法であって、磁性体粒子を加熱し、当該磁性体粒子に、水系分散媒中に磁性体粒子の表面を被覆すべき樹脂(以下、「被覆用樹脂」ともいう。)による樹脂粒子が分散されてなる分散液(以下、「樹脂粒子分散液」ともいう。)を噴霧することにより、当該磁性体粒子の表面に樹脂粒子が付着されてなる樹脂粒子付着磁性体粒子を調製し、この樹脂粒子付着磁性体粒子に機械的衝撃力を付与する方法である。
【0014】
本発明の樹脂被覆キャリアの製造方法は、より具体的には、下記工程を有するものである。
(1)水系分散媒中に被覆用樹脂による樹脂粒子が分散されてなる樹脂粒子分散液を調製する樹脂粒子分散液調製工程。
(2)磁性体粒子を加熱し、当該磁性体粒子に樹脂粒子分散液を噴霧することにより、当該磁性体粒子の表面に樹脂粒子が付着されてなる樹脂粒子付着磁性体粒子を調製する樹脂粒子付着工程。
(3)樹脂粒子付着磁性体粒子に機械的衝撃力を付与する機械的衝撃力付与工程。
【0015】
(1)樹脂粒子分散液調製工程
この樹脂粒子分散液調製工程は、水系分散媒中に被覆用樹脂による樹脂粒子が分散されてなる樹脂粒子分散液が得られれば、その手段は特に限定されないが、製造工程の簡略化の観点から、例えば乳化重合法などにより樹脂粒子を形成するために調製された分散液をそのまま用いることが好ましい。
【0016】
樹脂粒子分散液を得るための樹脂粒子の形成方法としては、乳化重合法、ミニエマルション重合法、懸濁重合法、シード重合法などの公知の重合方法を採用することができる。
【0017】
樹脂粒子の形成方法としては、形成される樹脂粒子の粒径制御性の観点から、乳化重合法、ミニエマルション重合法またはシード重合法であることが好ましい。
例えば、乳化重合法では、水系分散媒体と、この水系分散媒体に難溶な被覆用樹脂を形成する重合性単量体と界面活性剤とを混合し、得られる単量体混合液に水系分散媒体に溶解可能な重合開始剤を添加して重合性単量体をラジカル重合させることにより、樹脂粒子が形成される。
【0018】
なお、この樹脂粒子分散液においては、樹脂粒子は、磁性体粒子に対して樹脂被覆が可能であれば、凝集粒子として用いてもよい。
【0019】
本発明において、水系分散媒とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなるものをいう。水溶性有機溶媒の含有量は、水系分散媒中2〜10質量%であることがさらに好ましい。水溶性有機溶媒は、被覆用樹脂への溶解性が小さく、一方水への親和性が高いアルコール系有機溶媒が好ましい。
また、必要に応じて樹脂粒子分散液には界面活性剤が含まれていてもよい。
【0020】
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子の粒径は、磁性体粒子への付着性の観点から、50〜500nmであることが好ましく、より好ましくは、100〜300nmである。
この樹脂粒子の粒径は、「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)を用いて体積基準のメジアン径として測定されるものである。
【0021】
樹脂粒子の固形分濃度は、樹脂粒子分散液中5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜35質量%である。
【0022】
(被覆用樹脂)
樹脂粒子分散液における樹脂粒子を構成する被覆用樹脂は、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトンなどのポリビニル系およびポリビニリデン系の樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やスチレン−アクリル酸共重合体などの共重合体樹脂;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成樹脂(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタンなどによる変成樹脂);ポリテトラクロルエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロルトリフルロルエチレンなどのフッ素樹脂;ポリアミド樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリカーボネート樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらの中では、磁性体粒子に対して良好に付着し、機械的衝撃力や熱を加えることにより固着して樹脂被覆が形成されやすいアクリル系樹脂が好ましく用いられる。
【0023】
アクリル系樹脂としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどの鎖式メタクリル酸エステルモノマーの重合体、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル環を有するメタクリル酸シクロプロピル、メタクリル酸シクロブチル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸シクロヘプチルなどの脂環式メタクリル酸エステルモノマーの重合体などが挙げられる。
【0024】
アクリル系樹脂の中では、耐摩耗性と電気抵抗を両立させる観点から、脂環式メタクリル酸エステルモノマーと鎖式メタクリル酸エステルモノマーとの共重合体が好ましい。
鎖式メタクリル酸エステルモノマーとしては、全単量体質量に対して10〜70質量%使用することが好ましい。
なお、以上のアクリル系樹脂と、スチレン、α−メチルスチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン系モノマーを共重合させたものを使用してもよい。
【0025】
被覆用樹脂のガラス転移点は、40〜120℃であることが好ましく、より好ましくは60〜100℃である。
この被覆用樹脂のガラス転移点は、「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて測定されるものである。
測定手順としては、試料(被覆用樹脂)3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、ホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行った。
ガラス転移点は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
【0026】
被覆用樹脂の質量平均分子量は、10万〜90万であることが好ましく、より好ましくは25万〜75万である。
この被覆用樹脂の質量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるものである。
具体的には、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/minで流し、試料を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度50mg/mLになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×102 、2.1×103 、4×103 、1.75×104 、5.1×104 、1.1×105 、3.9×105 、8.6×105 、2×106 、4.48×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成する。また、検出器には屈折率検出器を用いる。
【0027】
(2)樹脂粒子付着工程
この樹脂粒子付着工程においては、磁性体粒子を加熱し、当該磁性体粒子に樹脂粒子分散液を液滴として噴霧することにより、当該磁性体粒子の表面に樹脂粒子が付着されてなる樹脂粒子付着磁性体粒子が調製される。
【0028】
磁性体粒子の加熱方法としては、特に限定されないが、例えば磁性体粒子をヒーターなどの熱源により熱せられた熱風に暴露する方法などが挙げられる。
磁性体粒子を加熱する温度は、熱源の温度として例えば180〜260℃であることが好ましい。また、磁性体粒子は、例えば180〜260℃に加熱されることが好ましい。
樹脂粒子付着工程において、予め加熱された磁性体粒子を用いることにより、樹脂粒子分散液が噴霧されて液滴が磁性体粒子の表面に接触すると、当該液滴の水分が蒸発されながら樹脂粒子が磁性体粒子の表面に付着すると共に融着するので、樹脂粒子の磁性体粒子に対する付着効率が向上すると共に高い付着強度が得られる。
【0029】
磁性体粒子に対する樹脂粒子分散液の噴霧方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレーノズルと加圧ガスとによるものや超音波霧発生器を用いることにより噴霧することができ、具体的には、「スピラコータSP−25」(岡田精工株式会社製)、「SPF造粒装置」(株式会社パウレック製)などを用いて噴霧することができる。
【0030】
磁性体粒子に樹脂粒子分散液を噴霧する装置内の雰囲気温度は、樹脂粒子分散液の噴霧における雰囲気温度の下限値については、加熱された磁性体粒子に噴霧された樹脂粒子分散液の液滴の水分が蒸発されるように設定されていればよく、雰囲気温度の上限値については、加熱された磁性体粒子の表面上で樹脂粒子が付着して融着されながらも熱分解が生じないように設定されていればよく、例えば120〜220℃とされる。
【0031】
磁性体粒子に対する樹脂粒子分散液の噴霧条件は、液滴の粒径が10〜300μmであることが好ましく、より好ましくは、20〜200μmであり、噴霧速度(送液速度)が5〜30g/minであることが好ましく、より好ましくは、10〜25g/minである。
【0032】
樹脂粒子付着工程において、樹脂粒子の供給量は、磁性体粒子100質量部に対して1〜8質量部であることが好ましい。
【0033】
(磁性体粒子)
本発明において、磁性体粒子とは、キャリア粒子の芯粒子となるものをいい、このような磁性体粒子としては、例えば、鉄粉、マグネタイト、各種フェライトよりなる粒子、またはこれらの微粒子を結着樹脂中に分散させた樹脂分散型の粒子などを挙げることができる。これらの中でも、マグネタイトや各種フェライトよりなる粒子が好ましい。
各種フェライトの中では、銅、亜鉛、ニッケル、マンガンなどの重金属を含有するフェライトや、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含有する軽金属フェライトが好ましい。
また、樹脂分散型の粒子を構成する結着樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
【0034】
各種フェライトとしては、一般式:(MO)x(Fe2 3 )y(但し、yは30〜95mol%)で示されるものがさらに好ましい。ここで、Mは、Fe、Mn、Mg、Sr、Ca、Ti、Cu、Zn、Ni、Li、Al、Si、ZrおよびBiから選ばれる1種または2種以上が好ましく用いられる。
【0035】
「Fe2 3 」が30mol%未満である場合においては、所望の磁化を得ることが難しく、キャリア付着が発生するおそれがある。
特に、特定の金属酸化物を原料としたフェライトは、粒子間の組成ばらつきが少なく、所望の特性を得やすい。また、上述の元素を用いた場合、他の元素に比べて、理由は明確ではないが、樹脂の被覆形成が容易となる。
【0036】
また、近年の廃棄物規制をはじめとする環境負荷低減の流れを考慮すると、磁性体粒子は、上記一般式におけるMが、Cu、Zn、Niの重金属を実質的に含まないものであることが好ましい。
【0037】
磁性体粒子は、飽和磁化が3×10-5〜15×10-5Wb・m/kgであることが好ましい。
この磁性体粒子の飽和磁化は、直流磁化特性自動記録装置「3257−35」(横河電機社製)により測定されるものである。
【0038】
磁性体粒子は、体積平均粒径が15〜80μmのものであることが好ましく、より好ましくは20〜50μmである。
この磁性体粒子の体積平均粒径は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定されるものである。
【0039】
以下、樹脂粒子付着工程の具体的な操作の一例について説明する。
図1は、本発明の樹脂被覆キャリアの製造方法において、樹脂粒子付着工程に用いられる装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この装置は、容器10を具え、容器10内の上方位置には、微粉などを濾過する集塵装置20が設けられており、この集塵装置20には、バグフィルター11と、このバグフィルターと一体に容器10内を流動した空気を排気する排気ブロワー19とが設けられている。容器10内の下方位置には、モーター14の駆動により水平面上において回転する回転台12が設けられている。バグフィルター11と回転台12との間には、ポンプ13Bによりタンク13Cから送液された樹脂粒子分散液Lを液滴として噴霧するスプレーノズル13Aがその先端が回転台12の水平面に向くように設けられている。回転台12とスプレーノズル13Aとの間には、回転台12の水平面に対して垂直な面上において、モーター16の駆動により回転するアジテーター15が設けられている。容器10内の底部の側壁には、給気ブロワー17から送気される空気を、ヒーター18を介して容器10内に給気する給気口17Aが設けられている。
【0040】
この装置においては、まず、回転台12上に磁性体粒子Cを供給し、給気ブロワー17から送気される空気がヒーター18により熱せられ、熱せられた空気が容器10内を流動することにより、回転台12上の磁性体粒子Cを加熱する。回転台12の回転とアジテーター15の回転との作用により、加熱された磁性体粒子Cを撹拌させながら、当該磁性体粒子Cにポンプ13Bにより送液された樹脂粒子分散液Lをスプレーノズル13Aにより液滴Dとして噴霧する。ここで、磁性体粒子Cに対する加熱開始時から、当該磁性体粒子Cに対する樹脂粒子分散液Lの噴霧終了時までの間は、給気ブロワー17から送気された空気は容器10内を流動し、その後、排気ブロワー19から排出される。この空気の流動により、磁性体粒子Cは、容器10内を流動する空気の上昇気流に乗って上昇、自重によって下降を繰り返し浮遊循環する。そして、磁性体粒子Cの表面に接触した液滴Dは、その水分が蒸発され、液滴D中の樹脂粒子が磁性体粒子Cの表面に付着し、樹脂粒子付着磁性体粒子が調製される。
【0041】
磁性体粒子Cを加熱する際には、給気ブロワー17から送気される空気の送気条件としては、装置の大きさや磁性体粒子Cの比重により適宜選択することができるが、送気風量が、例えば容器10の容積が0.34m3 である場合、0.2〜0.6m3 /min程度、送気風温度を、例えば180〜260℃に設定することが好ましい。なお、磁性体粒子Cを加熱する際において、この送気風温度を調整することにより、加熱温度を制御することができる。
【0042】
また、磁性体粒子Cを加熱する際には、磁性体粒子Cの撹拌条件としては、装置の大きさや磁性体粒子Cの比重により適宜選択することができるが、回転台12の回転数が、例えば30〜120rpm、アジテーター15の回転数が、例えば50〜300rpmとされる。
【0043】
磁性体粒子Cに樹脂粒子分散液Lを噴霧する際には、樹脂粒子分散液Lの噴霧条件としては、装置の大きさにより適宜選択することができるが、スプレーノズル13Aの口径が、例えば1.0〜3.0mm、ポンプ13Bの噴霧速度(送液速度)が、5〜30g/min、ポンプ13Bの送液圧力が、例えば1〜5kg/cm2 とされる。
【0044】
また、磁性体粒子Cに樹脂粒子分散液Lを噴霧する際には、給気ブロワー17から送気される空気の送気条件としては、装置の大きさや磁性体粒子Cの比重により適宜選択することができるが、送気風量が、例えば容器10の容積が0.34m3 である場合、0.05〜0.5m3 /min程度、送気風温度を、例えば120〜220℃に設定することが好ましい。なお、樹脂粒子分散液Lを噴霧する場合において、この送気風温度を調整することにより、雰囲気温度を制御することができる。
【0045】
さらに、磁性体粒子Cに樹脂粒子分散液Lを噴霧する際には、磁性体粒子Cの撹拌条件としては、装置の大きさや磁性体粒子Cの比重により適宜選択することができるが、回転台12の回転数が、例えば周速50〜200rpm、アジテーター15の回転数が、例えば300〜1200rpmとされる。
【0046】
(3)機械的衝撃力付与工程
この機械的衝撃力付与工程においては、樹脂粒子付着磁性体粒子に機械的衝撃力を付与することにより、磁性体粒子の表面に樹脂粒子が固着されて被覆用樹脂が被覆される。
機械的衝撃力付与工程を経ることにより、磁性体粒子表面に付着した樹脂粒子が強固に固着され、高い耐久性を有する樹脂被覆キャリアを得ることができる。
この機械的衝撃力付与工程において、機械的衝撃力を付与するとは、機械的衝撃力を付与することのできる装置を用いることをいい、このような装置としては、撹拌羽根を有する高速撹拌混合装置などが挙げられる。
なお、装置としては、樹脂粒子付着工程と機械的衝撃力付与工程とを連続して行うことのできるものであってもよい。
【0047】
機械的衝撃力を付与する時間は、使用する装置によっても異なるが、通常、15〜60分間とされる。
また、機械的衝撃力の大きさは、通常、周速10〜50m/secであることが好ましく、より好ましくは15〜40m/secである。
【0048】
樹脂粒子付着磁性体粒子に機械的衝撃力を付与する装置内の雰囲気温度は、40〜220℃であることが好ましい。
【0049】
以下、機械的衝撃力付与工程の具体的な操作の一例について説明する。
図2は、本発明の樹脂被覆キャリアの製造方法において、機械的衝撃力の付与に用いられる装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この装置は、撹拌槽30を備え、その上蓋31に、投入弁33が設置された原料投入口32と、フィルター34と、点検口35とが設けられており、撹拌槽30内の底部には、モーター42により駆動される水平方向回転体38が設けられている。
【0050】
この水平方向回転体38は、図3に示されるように、矢印方向に回転される中心部38dと、この中心部38dから半径方向に伸びる、当該中心部38dの周方向に互いに等間隔で設けられた長片体よりなる3つの回転羽根38a,38b,38cとが設けられている。これらの回転羽根38a,38b,38cは、図4に示されるように、各々、上蓋31に向かう斜面が形成されるよう、長片体の一側辺が撹拌槽30の底部30aに近接すると共に、他側辺が撹拌槽30の底部30aから斜め上方に例えば角度120°で立ち上がった位置に設置されている。
【0051】
図2において、37は、例えば原料の撹拌時には加熱手段として機能し、原料の撹拌終了後には冷却手段として機能するジャケットであり、36は、品温計である。
また、39は、必要に応じて設けられる、矢印方向に回転して原料の撹拌を促進し、その凝集を防止するための、2枚の回転翼よりなる垂直方向回転体である。
さらに、40は、排出弁41が設置された製品排出口である。
【0052】
この装置においては、まず、樹脂粒子付着磁性体粒子よりなる原料を原料投入口32から投入し、ジャケット37に温水または蒸気を通して、撹拌羽根38a,38b,38cを10〜50m/secの周速で回転させ、機械的衝撃力を付与して、撹拌槽30内の雰囲気温度を40℃以上として、原料を5〜20分間撹拌し、磁性体粒子の表面が樹脂により被覆されてなるキャリア粒子よりなる樹脂被覆キャリアを形成する。その後、ジャケット37に10〜15℃の冷水を通して、2〜10m/secの周速で撹拌羽根38a,38b,38cを回転させ、撹拌槽30内の雰囲気温度が被覆用樹脂のガラス転移点以下となったら、排出弁41を開き、製品排出口40から形成された樹脂被覆キャリアを取り出す。
【0053】
〔樹脂被覆キャリア〕
本発明の製造方法により得られた樹脂被覆キャリアを構成するキャリア粒子は、体積平均粒径が15〜80μmのものであることが好ましく、より好ましくは20〜50μmである。
この樹脂被覆キャリアの体積平均粒径は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定されるものである。
【0054】
本発明の製造方法により得られた樹脂被覆キャリアは、その樹脂被覆層の厚さが0.2〜4.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜3.0μmである。
【0055】
この樹脂被覆層の厚さは、以下の方法により算出される値である。
すなわち、集束イオンビーム試料作成装置「SMI2050」(エスエスアイナノテクノロジー(株)製)にて樹脂被覆キャリアの中心を通る面で切断することにより測定試料を作製し、この測定試料を透過型電子顕微鏡「JEM−2010F」(日本電子(株)製)にて5000倍の視野で観察し、その視野における最大膜厚となる部分と最小膜厚となる部分の平均値を被覆層の厚さとする。なお、測定数は50個とし、写真1視野で足りない場合には、測定数50になるまで視野数を増加させるものとする。
【0056】
本発明の樹脂被覆キャリアの製造方法によれば、樹脂粒子が分散される分散媒が水系であることにより、環境に対する負荷が小さく、また、予め加熱された磁性体粒子に樹脂粒子の分散液を噴霧することにより、磁性体粒子に接触した分散液の液滴の水分が蒸発されながら樹脂粒子が磁性体粒子の表面に付着するので、樹脂粒子の磁性体粒子に対する付着効率が向上すると共に高い付着強度が得られ、従って、より少ない製造エネルギーで効率的に高い耐久性を有する樹脂被覆キャリアを製造することができる。
【実施例】
【0057】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0058】
〔実施例1:樹脂被覆キャリアの製造例1〕
(1)樹脂粒子分散液調製工程
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコにアニオン系界面活性剤C1021(OCH2 CH2 2 OSO4 Na5.76gをイオン交換水2500gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下240rpmの撹拌速度で撹拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム)79.2gをイオン交換水200gに溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、シクロヘキシルメクリレート(CHMA)503.6g、メチルメタクリレート(MMA)296.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合を行い、CHMA/MMA共重合体からなる樹脂粒子の樹脂粒子分散液〔1〕を調製した。なお、この樹脂粒子の粒径は175nm、質量平均分子量は310,000、ガラス転移点は63℃であった。また、樹脂粒子の固形分濃度は22.5質量%であった。
【0059】
(2)樹脂粒子付着工程
体積平均粒径が38μm、飽和磁化が10.2×10-5Wb・m/kgのMn−Mgの磁性体粒子〔1〕500質量部を「スピラコータ」(岡田精工株式会社製、スプレーノズルの口径2.6mm)に投入し、送気風量0.4m3 /min、送気風温度190℃の空気を25分間供給して磁性体粒子〔1〕を170℃に加熱した。加熱された磁性体粒子〔1〕に樹脂粒子分散液〔1〕6.5質量部を、噴霧速度(送液速度)25g/min、送液圧力1.5kg/cm2 、送液時間15分間とし、送気風量0.25m3 /min、送気風温度170℃として噴霧し、樹脂粒子付着磁性体粒子〔1〕を得た。なお、樹脂粒子分散液〔1〕を磁性体粒子〔1〕に噴霧する雰囲気温度は170℃であった。
【0060】
(3)機械的衝撃力付与工程
樹脂粒子付着磁性体粒子〔1〕を図2に示す装置に投入し、ジャケットに温水を通して雰囲気温度を50℃、撹拌羽根の周速を18m/secとして、40分間撹拌し、機械的衝撃力の作用により、磁性体粒子〔1〕の表面が樹脂粒子〔1〕により被覆されてなる樹脂被覆キャリア〔1〕を得た。
【0061】
〔実施例2〜9:樹脂被覆キャリアの製造例2〜9〕
樹脂被覆キャリアの製造例1において、(2)樹脂粒子付着工程の磁性体粒子への加熱条件(送気風温度および磁性体粒子の温度)、樹脂粒子分散液の噴霧条件(送気風温度および雰囲気温度)を表1に示すものに変更したことの他は同様にして樹脂被覆キャリア〔2〕〜〔9〕を得た。
【0062】
〔実施例10:樹脂被覆キャリアの製造例10〕
樹脂被覆キャリアの製造例1において、(1)樹脂粒子分散液調製工程の単量体混合液の組成を、スチレン568g、n−ブチルアクリレート160g、メタクリレート72gに変更することにより、粒径が体積基準のメジアン径で120nm、質量平均分子量が150,000、ガラス転移点が61℃の樹脂粒子分散液〔2〕を得、この樹脂粒子分散液〔2〕を用いたことの他は同様にして樹脂被覆キャリア〔10〕を得た。なお、樹脂粒子分散液〔2〕における樹脂粒子の固形分濃度は24.0質量%であった。
【0063】
【表1】

【0064】
<評価>
市販のトナー「bizhub PRO C6500用トナー」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)と、樹脂被覆キャリア〔1〕〜〔10〕をそれぞれ用い、配合比を樹脂被覆キャリア100質量部に対してトナー8質量部とし、トナーとキャリアをVブレンダーにて、常温常湿(20℃、50%RH)環境下で、回転数20rpm、20分間撹拌した後、125μmの篩分網にて篩分し、現像剤〔1〕〜〔10〕を得た。
デジタルカラー複合機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に現像剤〔1〕〜〔10〕をそれぞれ充填し、室温20℃、湿度50%RHの環境下において、A4判上質紙(64g/m2 )上に画素率1%の画像(文字画像7%、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分の画像)を形成し、これを20万枚行い、下記評価を行った。結果を表2に示す。なお、表2には、樹脂被覆キャリア〔1〕〜〔10〕の各々のキャリア粒子の体積平均粒径と樹脂被覆層の厚さとを上記測定方法により測定した値を示す。
【0065】
(1)カブリ
まず、無印字のA4上質紙(64g/m2 )について、マクベス反射濃度計「RD−918」(グレタグマクベス社製)により20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均値を算出し、これを白紙濃度とした。次に、20万枚印刷後のそれぞれの白ベタ画像についても同様に、20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均値を算出し、この平均値から白紙濃度を差し引きした値をカブリ濃度として下記評価基準により評価した。カブリ濃度が0.006未満であれば実用上問題がない。
−評価基準−
A:カブリ濃度が0.003未満
B:カブリ濃度が0.003以上0.006未満
【0066】
(2)キャリア付着
20万枚印刷後において、ベタ画像の印刷を行い、ベタ画像上に見られたキャリア粒子の個数を、拡大鏡を使用して目視により測定し、下記評価基準により評価を行った。
−評価基準−
A:ベタ画像上にキャリア粒子の付着なし
B:ベタ画像上にキャリア粒子が5個以内で付着している(実用上問題ないレベル)
C:ベタ画像上にキャリア粒子が5個を超えて付着している(実用上問題となるレベル)
【0067】
(3)トナー・キャリア飛散
20万枚印刷後に現像器周辺のトナー飛散とキャリア飛散による機内汚れ状態を目視で観察し、下記評価基準により評価を行った。
−評価基準−
A:トナー・キャリア飛散による機内汚れ全くなし
B:軽微なトナー・キャリア飛散による機内汚れはあるが、メンテナンス時に掃除機による掃除を必要としない程度(実用上問題ないレベル)
C:トナー・キャリア飛散による機内汚れがひどく、メンテナンス時に手が汚れ掃除機による掃除が必要となる程度(実用上問題となるレベル)
【0068】
【表2】

【符号の説明】
【0069】
10 容器
11 バグフィルター
12 回転台
13A スプレーノズル
13B ポンプ
13C タンク
14 モーター
15 アジテーター
16 モーター
17 給気ブロワー
17A 給気口
18 ヒーター
19 排気ブロワー
20 集塵装置
30 撹拌槽
30a 底部
31 上蓋
32 原料投入口
33 投入弁
34 フィルター
35 点検口
36 品温計
37 ジャケット
38 水平方向回転体
38a,38b,38c 回転羽根
38d 中心部
39 垂直方向回転体
40 製品排出口
41 排出弁
42 モーター
C 磁性体粒子
D 液滴
L 樹脂粒子分散液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体粒子の表面が樹脂により被覆されてなる樹脂被覆キャリアの製造方法であって、
磁性体粒子を加熱し、当該磁性体粒子に、水系分散媒中に磁性体粒子の表面を被覆する樹脂による樹脂粒子が分散されてなる分散液を噴霧することにより、当該磁性体粒子の表面に前記樹脂粒子が付着されてなる樹脂粒子付着磁性体粒子を調製し、この樹脂粒子付着磁性体粒子に機械的衝撃力を付与することを特徴とする樹脂被覆キャリアの製造方法。
【請求項2】
前記磁性体粒子を加熱する温度が、180〜260℃であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆キャリアの製造方法。
【請求項3】
前記磁性体粒子に前記分散液を噴霧する雰囲気温度が、120〜220℃であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂被覆キャリアの製造方法。
【請求項4】
前記分散液に分散された樹脂粒子の粒径が、50〜500nmであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の樹脂被覆キャリアの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−24955(P2013−24955A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157471(P2011−157471)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】