説明

樹脂製キャップの照明装置

【課題】検査処理数量を増やすことができ、かつ対をなす2台の支持台上のキャップのカメラ側の外側面を照明ムラなく均一に照明することができる樹脂製キャップの照明装置を提供する。
【解決手段】対をなす2個の樹脂製キャップ1の上方に水平に配置されたリング型RGB照明21と、リング型RGB照明21の直下に配置されるとともに、リング型RGB照明21の略半分を覆うように撮像装置30から離間した側に配置される第1遮光板22と、リング型RGB照明21の直下に鉛直に配置されるとともに、リング型RGB照明21の外周縁から中心部に向かって樹脂製キャップ1の搬送方向と略直交する方向に延びる第2遮光板23とを備え、リング型RGB照明21は、リング型RGB照明21の中心が対をなす2個のキャップ1の軸心1a,1aを結ぶ線分の中点から撮像装置30側に偏倚するように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製キャップの照明装置に係り、特に、樹脂製キャップを撮像により外観を検査する際に樹脂製キャップを照明するための照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、清涼飲料などを充填するために軽量のプラスチックボトルであるペットボトル(PETボトル)が多用されている。ペットボトルの口部は樹脂製キャップにより密封されている。樹脂製キャップは樹脂成形により製作され、この樹脂製キャップは白色に限らず、青色、赤色等の様々な色が用いられている。またキャップには文字や模様が印刷されている。そのため、樹脂製キャップは、製作後に変形の有無、印刷時等に生じた汚れの有無、異物付着の有無、ウィング部の異常(ショートウィングと呼ばれる)の有無、キャップ側面の一部の欠落(ブリッジ切れと呼ばれる)等の外観検査を行う必要がある。
【0003】
従来から、ペットボトル等の容器を撮像して外観検査を行う容器検査装置が知られている。この容器検査装置においては、メインロータにより容器を保持して所定の円形軌道に沿って公転させつつ容器を自転させ、容器の搬送系路に沿って配置された照明装置と撮像装置によって容器の外観を撮像して検査を行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記容器検査装置と同様のメインロータを用いてキャップの外観検査を実施しようとすると、メインロータはロータリ機構によって連続的に回転(公転)しているため、キャップを停止させて撮像する必要がある一部の検査については行うことができないという問題点がある。
【0005】
すなわち、清涼飲料などに用いられるキャップには開栓されたことが分かる機構が設けられており、キャップはねじのあるキャップの本体とその下側にあるリングで構成されている。キャップ本体とリングはいくつかの細いつなぎ目(ブリッジと呼ばれる)でつながり、キャップを初めて開けたときにこのブリッジが切れ、本体とリングが離れることでキャップが開けられたことが分かる。キャップの製造時に前記ブリッジがつながっていないで切れている場合があるため、外観検査によりこのブリッジ切れを検出する必要がある。ブリッジ切れは、キャップを検査位置で公転を停止させ、かつキャップを自転させつつ撮像することにより検出可能であるため、連続的に回転するロータリ型のメインロータを用いて検査を行うことができない。
【0006】
そのため、本発明者らは、キャップを保持して所定の円形軌道に沿って間欠的に搬送するロータリインデックス搬送方式(回転割出搬送方式)の適用を試みたものである。しかしながら、このロータリインデックス搬送方式(回転割出搬送方式)は、キャップを支持する多数の支持台を円形軌道に沿って間欠的に搬送するため、すなわち多数の支持台を円形軌道に沿って搬送して検査位置で停止させ、検査後に多数の支持台を再び円形軌道に沿って搬送するという発進と停止を繰り返すため、慣性力が大きく、高速搬送ができないため、検査処理数量を増加することができないという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明者らは、ロータリインデックス搬送方式(回転割出搬送方式)を採用するため高速搬送が困難である状況にも拘らず、検査処理数量を増加することができるシステムについて鋭意研究を行った結果、キャップを支持して自転させる支持台の数を2倍にし、かつ2台の支持台を対(ペア)として間欠搬送する方式を見出したものである。ところが、このように支持台の数を2倍にした場合に、対(ペア)をなす2台の支持台を近接した位置に配置しなければならない。この場合、キャップ外側面の汚れや異物付着の有無等を検査するキャップ外側面の外観検査を行う際、キャップ1つに対し1つのリング型照明を設ければ、キャップ外側面を均一に照明することができるが、2つのキャップは接近していてリング型照明を2つ設けることが困難であった。そのため、2つのキャップに対し、1つのリング型照明を設けたが、キャップ外側面に均一に照明することができず、照明ムラが生じるという問題点がある。
【0008】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、ロータリインデックス搬送方式(回転割出搬送方式)を採用するため高速搬送が困難である状況にも拘らず、検査処理数量を増やすことができ、かつ対をなす2台の支持台上のキャップのカメラ側の外側面を照明ムラなく均一に照明することができる樹脂製キャップの照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明の樹脂製キャップの照明装置の第1の態様は、樹脂製キャップを円形軌道に沿って間欠的に搬送し、停止位置にある検査ステーションで樹脂製キャップを側方から撮像する撮像装置により樹脂製キャップを検査する検査機の検査ステーションに設置される照明装置において、対をなす2個の樹脂製キャップの上方に水平に配置されたリング型RGB照明と、前記リング型RGB照明の直下に配置されるとともに、前記リング型RGB照明の略半分を覆うように前記撮像装置から離間した側に配置される第1遮光板と、前記リング型RGB照明の直下に鉛直に配置されるとともに、前記リング型RGB照明の外周縁から中心部に向かって樹脂製キャップの搬送方向と略直交する方向に延びる第2遮光板とを備え、前記リング型RGB照明は、リング型RGB照明の中心が前記対をなす2個のキャップの軸心を結ぶ線分の中点から撮像装置側に偏倚するように配置されていることを特徴とする。
【0010】
本発明は、ロータリインデックス搬送方式(回転割出搬送方式)を採用するため高速搬送が困難である状況にも拘らず、検査処理数量を増加するため、キャップを支持して自転させる支持台の数を2倍にし、かつ2台の支持台を対(ペア)として間欠搬送する方式である。ところが、このように支持台の数を2倍にした場合に、対(ペア)をなす2台の支持台を近接した位置に配置しなければならない。この場合、キャップ外側面の汚れや異物付着の有無等を検査するキャップ外側面の外観検査を行う際、キャップ1つに対し1つのリング型照明を設ければ、キャップ外側面を均一に照明することができるが、2つのキャップは接近していてリング型照明を2つ設けることが困難であった。そこで、本発明の照明装置においては、対をなす2個の支持台上の2個のキャップの上方に、リング型RGB照明を配置している。ところが、2つのキャップに対し、1つのリング型照明を設ける場合、キャップ外側面を均一に照明することができず、照明ムラが生じるという問題点がある。
【0011】
そのため、本発明においては、前記リング型RGB照明は、リング型RGB照明の中心が前記対をなす2個のキャップの軸心を結ぶ線分の中点から撮像装置側に偏倚するように配置されており、円筒状のキャップの外側面のうち最もリング型RGB照明に近接していて光が廻り込み難かった部分に、リング型RGB照明におけるキャップから離間した部分からも光が廻り込むようにし、キャップ外側面の前記照明に近接した部分に当たる光量を増加させ、照明ムラを改善するようにしている。
また、本発明においては、リング型RGB照明は、キャップの撮像装置側の外側面を照明すれば良いので、リング型RGB照明の直下にリング型RGB照明の下面の略半分を覆うように第1遮光板を配置している。
さらに、本発明においては、リング型RGB照明の直下に鉛直に配置されるとともに、リング型RGB照明の外周縁から中心部に向かって樹脂製キャップの搬送方向と略直交する方向に延びる第2遮光板を備えている。この第2遮光板により、リング型RGB照明のうち概略半円状の照明領域を2つに分割することができ、2つのキャップのうち一方のキャップに近い1/4円弧状の照明領域を一方のキャップの照明専用とし、他方のキャップに近い他の1/4円弧状の照明領域を他方のキャップの照明専用とする。これにより、キャップ外側面のうち撮像装置に近い領域には1/4円弧状の照明領域の一方からしか照明されずに、この領域の照明の強度を下げることができ、照明ムラを改善することができる。
【0012】
本発明の好ましい態様は、前記対をなす2個の樹脂製キャップの斜め下方に配置されるとともに、前記撮像装置側に配置され、前記リング型RGB照明から入射した光を前記対をなす2個の樹脂製キャップに向けて反射させる反射板を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、円筒状のキャップの外側面のうち最もリング型RGB照明に近接していて光が廻り込み難かった部分に、反射板によってリング型RGB照明からの光を反射して反射光を入射させ、キャップの外側面のうち最もリング型RGB照明に近接している部分の光量を増加させ、照明ムラを改善するようにしている。
【0013】
本発明の好ましい態様は、前記リング型RGB照明は、赤色LED、緑色LED、青色LEDをリング状に配列した照明からなることを特徴とする。
本発明によれば、赤色LED、緑色LED、青色LEDの点灯・消灯を適宜組合せることによって、樹脂製キャップの色に応じて、欠陥が際立つようにコントラストが強調できるような配色に照明を調光できる。
【0014】
本発明の好ましい態様は、前記反射板は、対をなす2個の樹脂製キャップの斜め下方に水平に配置された略矩形状の板状体からなり、樹脂製キャップに近接した部分の幅は小さく、樹脂製キャップから離間した部分の幅は大きく設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、反射板の幅が小さい部分においてリング型RGB照明からの光を反射して反射光を、反射板に近接したキャップの外側面の下部側に入射させ、反射板の幅が大きい部分においてリング型RGB照明からの光を反射して反射光を、反射板から離間した部分の上下部に入射させる。
【0015】
本発明の樹脂製キャップの外観検査機の第1の態様は、対をなす2個の樹脂製キャップを支持する2台の支持台を支持する複数の支持ユニットを間欠的に搬送する回転割出装置と、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置と、前記2台の支持台上の対をなす2個の樹脂製キャップに対応して設置された撮像装置とを備えたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記撮像装置は、白黒のCCDカメラからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以下に列挙する効果を奏する。
(1)ロータリインデックス搬送方式(回転割出搬送方式)を採用するため高速搬送が困難である状況にも拘らず、キャップを支持して停止位置でキャップを自転させる支持台の数を2倍にし、かつ2台の支持台を対(ペア)として間欠搬送する方式を採用したため、単位時間あたりのキャップの検査処理数量を飛躍的に増加することができる。
(2)キャップを支持して自転させる支持台の数を2倍にした場合に、対(ペア)をなす2台の支持台を近接した位置に配置しなければならないが、キャップ外側面の汚れや異物付着の有無等を検査するキャップ外側面の外観検査を行うために、対をなす2つのキャップに対して1つのリング型照明を設け、遮光板等を適所に配置することにより、キャップ外側面の照明ムラをなくし、キャップ外側面を均一に照明することができる。
(3)赤色LED、緑色LED、青色LEDをリング状に配列したリング型RGB照明を用い、赤色LED、緑色LED、青色LEDの点灯・消灯を適宜組合せることによって、樹脂製キャップの色に応じて、欠陥が際立つようにコントラストが強調できるような配色に照明を調光でき、様々な色のキャップについて外側面に付着した様々な色の汚れを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、樹脂製キャップの外観検査機の全体構成を示す平面図である。
【図2】図2は回転割出装置の模式的な平面図である。
【図3】図3は回転割出装置の要部斜視図である。
【図4】図4は検査ステーションS1の正面図である。
【図5】図5は検査ステーションS1の平面図である。
【図6】。図6は、リング型RGB照明と対をなす2個のキャップとの配置関係を示す図であり、図6(a)は平面図であり、図6(b)は図6(a)のVI-VI線断面図である。
【図7】図7は、リング型RGB照明の中心Oが2個のキャップの軸心を結ぶ線分の中点からカメラ側(図7において右側)にオフセット(偏倚)するようにリング型RGB照明を配置した構成を示す図であり、図7(a)は平面図であり、図7(b)は図7(a)のVII-VII線断面図である。
【図8】図8は、図7の配置構成に第2の遮光板を追加した配置構成を示す図であり、図8(a)は平面図であり、図8(b)は図8(a)のVIIIA-VIIIA断面図であり、図8(c)は図8(a)のVIIIB-VIIIB線断面図である。
【図9】図9は、図8の配置構成に反射板を追加した配置構成を示す図であり、図9(a)は平面図であり、図9(b)は図9(a)のIX-IX線断面図である。
【図10】図10は、白色のキャップの外側面に付着した茶色の汚れを検出する場合の画像を示す図である。
【図11】図11は、赤色のキャップの外側面に付着した黒色の汚れを検出する場合の画像を示す図である。
【図12】図12は、青色のキャップの外側面に付着した黒色の汚れを検出する場合の画像を示す図である。
【図13】図13は、灰色のキャップの外側面に付着した黒色の汚れを検出する場合の画像を示す図である。
【図14】図14は、黄緑色のキャップの外側面に付着した青色の汚れを検出する場合の画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る樹脂製キャップの照明装置の実施形態について図1乃至図14を参照して説明する。なお、図1乃至図14において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、樹脂製キャップの外観検査機の全体構成を示す平面図である。図1に示すように、樹脂製キャップの外観検査機は、樹脂製キャップ1を搬入するシュート2と、シュート2からキャップ1を受け取って隣接するキャップ1の間に定間隔を形成する定間隔形成用スターホイール3と、定間隔形成用スターホイール3からキャップ1を受け取ってキャップ1を所定に検査部に搬入する検査用スターホイール4と、検査用スターホイール4からキャップ1を受け取ってキャップ1を円形軌道に沿って間欠的に搬送する回転割出装置(ロータリインデックスシステム)5を備えている。さらに、樹脂製キャップの外観検査機は、回転割出装置(ロータリインデックスシステム)5からキャップ1を受け取ってキャップ1を所定の検査部に搬入する検査用スターホイール6と、検査用スターホイール6からキャップ1を受け取って検査後のキャップ1を良品と不良品とに分けて排出するための排出用スターホイール7を備えている。排出用スターホイール7に隣接してコンベア8が設置されるとともに不良品用貯留部9が設置されている。
【0019】
図1に示すように構成された樹脂製キャップの外観検査機において、キャップ1はシュート2によって連続的に定間隔形成用スターホイール3に供給され、ここで定間隔が形成された後、検査用スターホイール4に受け渡されるようになっている。検査用スターホイール4においてショートタブ検査や印刷検査が行われた後、キャップ1は回転割出装置(ロータリインデックスシステム)5に受け渡される。回転割出装置(ロータリインデックスシステム)5において、キャップの各種検査(後述する)が行われた後、キャップ1は検査用スターホイール6に受け渡される。検査用スターホイール6においてフレアーフラッシュ検査や内面検査が行われた後、キャップ1は排出用スターホイール7に受け渡される。そして、排出用スターホイール7によって良品はコンベア8に移送されコンベア8によって次工程に送られ、不良品は不良品用貯留部9に送られストックされるようになっている。
【0020】
図1に示すように、回転割出装置5は略円板状のタレット板10を備え、タレット板10に所定間隔を置いて配置された複数の支持ユニット11が支持されている。複数の支持ユニット11は、タレット板10に設置されたカム機構等(図示せず)によって円形軌道に沿って間欠的に搬送されるようになっている。
【0021】
図2は、回転割出装置5および回転割出装置5の円形軌道に沿って配置された検査ステーションを示す平面図である。図2に示すように、回転割出装置5の円形軌道に沿って7つの検査ステーションS1〜S7が配置されている。7つの検査ステーションS1〜S7のうち、5つの検査ステーションS1,S3,S4,S5,S6には、照明装置および撮像装置(後述する)が設置されており、これらの検査ステーションにおいて外側面検査、プラグ検査、内側面検査、外形検査等の各種検査を行うようになっている。なお、検査ステーションS2,S7は、更に他の検査が必要な場合の予備ステーションになっている。各支持ユニット11は、回転割出装置5により間欠的に搬送されて7つの検査ステーションS1〜S7で停止するようになっている。
【0022】
図3は回転割出装置5の要部斜視図である。図3に示すように、各支持ユニット11には、対(ペア)をなす2台の支持台12が設置されている。各支持台12は真空吸着用の孔12hを有し、この孔12hはロータリジョイント13およびチューブ14等を介して真空源(図示せず)に接続されており、真空吸着によってキャップ1の天面を保持するようになっている。すなわち、キャップ1は、天面を下にし開口部を上にした状態で支持台12により真空吸着によって保持される。なお、図3においては、支持台12に吸着されるキャップは図示を省略している。
図3に示すように、支持台12は下部に溝12aを有し、この溝12aに回転ベルト(図示せず)が嵌合するようになっている。そして、回転ベルトの走行によって支持台12が回転し、支持台12によって支持されたキャップ1が検査ステーションS1〜S7において360°以上自転されるようになっている。
【0023】
上述したように、回転割出装置5の各支持ユニット11には2個の支持台12が設置されている。通常、検査ステーションには、2個の支持台12に保持された2個のキャップ1に対して1台の照明装置および2台の撮像装置(後述する)が設置されている。そのため、各検査ステーションにおいて、同時に2個のキャップ1の検査が可能であり、キャップ1の検査処理数量を飛躍的に増加させることができる。
【0024】
次に、図1乃至図3に示す樹脂製キャップの外観検査機における検査ステーションS1に設置された照明装置および撮像装置の構成について図4および図5を参照して説明する。
図4は検査ステーションS1の正面図であり、図5は検査ステーションS1の平面図である。図4および図5に示すように、2個の支持台12には、それぞれキャップ1が保持されている。各キャップ1は、天面を下にし開口部を上にした状態で支持台12により真空吸着によって保持されている。支持台12上の2個のキャップ1の上方および側方に、2個のキャップ1に共通の1台の照明装置20が設置されている。また、支持台12上の2個のキャップ1の側方に、2個のキャップ1の各々に対応して2台の撮像装置30,30が設置されている。
【0025】
照明装置20は、対をなす2個のキャップ1の上方に水平に配置されたリング型RGB照明21と、リング型RGB照明21の直下に配置されるとともにリング型RGB照明21の下面の略半分を覆うように設置された矩形の板状体からなる第1遮光板22と、リング型RGB照明21の直下から鉛直方向に延びるとともにリング型RGB照明21の外周縁のやや外側からリング型RGB照明21の中心部に向かって延びる矩形の板状体からなる第2遮光板23と、リング型RGB照明21の斜め下方に配置されるとともにリング型RGB照明からの入射光を2個のキャップ1に向けて反射させる概略矩形の板状体からなる反射板24,24とから構成されている。リング型のRGB照明21は、リング型のRGB照明21の中心Oが2個のキャップ1の軸心1a,1aを結ぶ線分の中点から撮像装置30側に距離Lだけオフセット(偏倚)して配置されている。リング型RGB照明21は、水平面に対して所定の傾斜角(θ)で傾斜した円錐面Sに赤色LED、緑色LED、青色LEDをリング状に配列することにより構成されている。例えば、リング型RGB照明21は、赤色LEDを円周上に1列に並べた赤色LED列と、緑色LEDを円周上に1列に並べた緑色LED列と、青色LEDを円周上に1列に並べた青色LED列とを同心円状に円錐面に配列し、この配列を繰り返すことにより構成されている。
【0026】
また、2台の撮像装置30,30は、2個のキャップ1に対応して配置されており、キャップ1の側方からキャップ1の外側面を撮像するようになっている。撮像装置30は白黒のCCDカメラから構成されており、撮像装置30の光軸30xはキャップ1の外側面の中央部に延びている。支持台12は回転・停止を繰り返すことができるようになっており、支持台12の停止中に、撮像装置30はキャップ1の外側面を所定角度分だけ撮影するようになっている。例えば、1枚の画像中に、キャップ1の外側面の略60°を撮影するように設定した場合には、キャップ1が1回転する間に、キャップ1は6回〜7回停止し、この停止中に6枚〜7枚のキャップ1の画像を撮るようになっている。
【0027】
本発明の樹脂製キャップの外観検査機は、ロータリインデックス搬送方式(回転割出搬送方式)を採用するため高速搬送が困難である状況にも拘らず、検査処理数量を増加するため、キャップ1を支持して自転させる支持台12の数を2倍にし、かつ2台の支持台12を対(ペア)として間欠搬送する方式である。ところが、このように支持台12の数を2倍にした場合に、対(ペア)をなす2台の支持台12を近接した位置に配置しなければならない。この場合、キャップ外側面の汚れや異物付着の有無等を検査するキャップ外側面の外観検査を行う際、キャップ1つに対し1つのリング型照明を設ければ、キャップ外側面を均一に照明することができるが、2つのキャップは接近していてリング型照明を2つ設けることが困難であった。そこで、本発明の照明装置20においては、対をなす2個の支持台12上の2個のキャップ1の上方に、リング型RGB照明21を配置している。ところが、2つのキャップに対し、1つのリング型照明を設ける場合、キャップ外側面を均一に照明することができず、照明ムラが生じるという問題点がある。
【0028】
本発明は、単一のリング型RGB照明21を用いるにも拘らず、2つのキャップ1の外側面を照明ムラなく均一に照明するため、照明装置に種々の工夫を施したものである。リング型RGB照明21は、内外径、傾斜角、LED数等に応じて選定することが可能な一般的に市販されているものを使用することができる。
【0029】
本発明の創案に至る過程を図6乃至図9を参照して説明する。図6は、リング型RGB照明21と対をなす2個のキャップ1との配置関係を示す図である。図6(a)は平面図であり、図6(b)は図6(a)のVI-VI線断面図である。図6においては、リング型RGB照明21の中心Oは、2個の支持台12上の2個のキャップ1の中間を通るX軸と、2個のキャップ1の軸心1a,1aを通るY軸との交点に位置している。すなわち、リング型RGB照明21の中心Oは、2個のキャップ1の軸心1a,1aを結ぶ線分の中点に位置している。リング型RGB照明21は、キャップ1のカメラ側の外側面を照明すれば良いので、リング型RGB照明21の直下にリング型RGB照明21の下面の略半分を覆うように矩形の板状体からなる第1遮光板22を配置している。
【0030】
図6に示す配置構成において、図6(a)に示す下側のキャップ1に着目すると、リング型RGB照明21により照明することにより、キャップ1の外側面上の領域A1およびその近傍には強い光が当たり、キャップ1の外側面上の領域A2およびその近傍には弱い光が当たる。これは、キャップ1の領域A1およびその近傍には、図6(a)において下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B1からの光ばかりでなく、上側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B2からの光が入射し、さらに隣接するキャップ1からの反射光が入射するのに対し、キャップ1の領域A2およびその近傍には、図6(a)において下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B3からの光のみが入射するためである。
【0031】
上述の点について、図6(b)を参照して更に説明する。なお、リング型RGB照明21の上部からキャップ1に当たる照明を上部照明といい、リング型RGB照明21の下部からキャップ1に当たる照明を下部照明という。キャップ1の領域A1およびその近傍には、上側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B2の照明(山越えの照明(上部照明))+下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B1の照明(下部照明)+隣接キャップの反射光が入射するため、強い照明となり、例えば強度を5段階で表せば最上位の「5」となる。これに対して、キャップ1の領域A2およびその近傍には、下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B3の照明(下部照明)のみが入射するため、弱い照明となり、強度は「1」となる。
【0032】
以上のように、リング型RGB照明21の中心Oが検査対象の2個のキャップの軸心1a,1aを結ぶ線分の中点に位置するようにリング型RGB照明21を配置した場合には、キャップ1の外側面上の領域A2およびその近傍の照明が他の領域に比べてきわめて弱くなり、照明ムラが生じるという問題点がある。
【0033】
図7は、リング型RGB照明21の中心Oが2個のキャップ1の軸心1a,1aを結ぶ線分の中点からカメラ側(図7において右側)にオフセット(偏倚)するようにリング型RGB照明21を配置した構成を示す図である。図7(a)は平面図であり、図7(b)は図7(a)のVII-VII線断面図である。図7においては、リング型RGB照明21の中心Oは、2個のキャップ1の軸心1a,1aを結ぶ線分の中点からカメラ側にオフセット(偏倚)している。リング型RGB照明21は、キャップ1のカメラ側の外側面を照明すれば良いので、リング型RGB照明21の直下にリング型RGB照明21の下面の略半分を覆うように矩形の板状体からなる第1遮光板22を配置した構成は、図6と同様である。
【0034】
図7に示す配置構成において、図7(a)の下側のキャップ1に着目すると、リング型RGB照明21により照明することにより、キャップ1の外側面上の領域A1およびその近傍には依然として強い光が当たるが、図6における場合に比べると光の強度は弱まる。キャップ1の外側面上の領域A2およびその近傍に当たる光は他の領域に比べると依然として弱いが、図6における場合に比べると光の強度は少し強まる。図7(a)において、キャップ1の領域A1およびその近傍には、下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B1からの光と上側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B2からの光とが入射するのに対し、キャップ1の領域A2およびその近傍には、下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B3からの光が入射する。
【0035】
上述の点について、図7(b)を参照して更に説明する。キャップ1の領域A1およびその近傍には、上側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B2の照明(山越えの照明(上部照明))+下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B1の照明(下部照明)が入射するため、依然として強い照明となり、強度を5段階で表せば「4」となる。これに対して、キャップ1の領域A2およびその近傍には、下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B3(下部照明)のみが入射するため、依然として弱い照明であるが、リング型RGB照明21がカメラ側に偏倚しているので、キャップ1の領域A2およびその近傍にリング型RGB照明21の領域B3以外からも光が廻り込むため、キャップ1の領域A2およびその近傍に当たる光量が少し増加し、強度は「2」となる。従って照明ムラの問題点はやや改善されつつも依然として存在する。
【0036】
図8は、図7の配置構成に第2の遮光板23を追加した配置構成を示す図である。図8(a)は平面図であり、図8(b)は図8(a)のVIIIA-VIIIA断面図であり、図8(c)は図8(a)のVIIIB-VIIIB線断面図である。図8に示す配置構成においては、リング型RGB照明21の直下から鉛直方向に延びるとともにリング型RGB照明21の外周縁のやや外側からリング型RGB照明21の中心部に向かって延びる矩形の板状体からなる第2遮光板23が設けられている。リング型RGB照明21の中心Oを2個のキャップ1の軸心1a,1aを結ぶ線分の中点からカメラ側にオフセット(偏倚)させ、リング型RGB照明21の直下にリング型RGB照明21の下面の略半分を覆うように矩形の板状体からなる第1遮光板22を配置した構成は、図7と同様である。
【0037】
図8に示す配置構成において、図8(a)の下側のキャップ1に着目すると、リング型RGB照明21により照明することにより、キャップ1の外側面上の領域A1およびその近傍に当たる光の一部は第2遮光板23によって遮られる。すなわち、リング型RGB照明21の領域B2からの光は、第2遮光板23により遮られるため、キャップ1の領域A1およびその近傍には入射しない。キャップ1の外側面上の領域A2およびその近傍に当たる光は、図7の場合と同一である。図8(a)において、キャップ1の領域A1およびその近傍には、下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B1からの光が入射し、キャップ1の領域A2およびその近傍には、下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B3からの光が入射する。
【0038】
上述の点について、図8(b)及び図8(c)を参照して更に説明する。上側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B2の照明(山越えの照明(上部照明))は第2遮光板23によって遮られ、キャップ1の領域A1およびその近傍には入射しない。キャップ1の領域A1およびその近傍には、下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B1からの光が入射するため、強度を5段階で表せば「3」となる。これに対して、キャップ1の領域A2およびその近傍には、図7における場合と同様に、下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B3(下部照明)からの光のみが入射するため、強度は「2」となる。したがって、照明ムラの問題は、撮影には支障が生じない程度に改善されている。
【0039】
図9は、図8の配置構成に反射板24を追加した配置構成を示す図である。図9(a)は平面図であり、図9(b)は図9(a)のIX-IX線断面図である。図9に示す配置構成においては、対をなす2個のキャップ1の斜め下方に水平に配置された概略矩形の板状体からなる反射板24が設けられている。反射板24は、キャップ1の領域A1に近接した側の幅W1は小さく、キャップ1の領域A2に近接した側の幅W2は大きく設定されている。図9(a)において第2遮光板23を境として、反射板24の手前側は略L字状に形成されており、反射板24の奥側は逆L字状に形成されている。リング型RGB照明21の中心Oを2個のキャップ1の軸心1a,1aを結ぶ線分の中点からカメラ側にオフセット(偏倚)させ、リング型RGB照明21の直下にリング型RGB照明21の下面の略半分を覆うように矩形の板状体からなる第1遮光板22を配置し、リング型RGB照明21の直下から鉛直方向に延びるとともにリング型RGB照明21の外周縁のやや外側からリング型RGB照明21の中心部に向かって延びる矩形の板状体からなる第2遮光板23を配置した構成は、図8と同様である。なお、図9では反射板24は一枚の矩形の板状体としているが、図5に示すように反射板24は2枚に分かれていてもよい。また、一枚の矩形の板状体上に遮光板(図9において黒塗りで示す)を配置して、上記略L字状および逆L字状の2つの部分を形成している。
【0040】
図9に示す配置構成において、図9(a)の下側のキャップ1に着目すると、反射板24は幅W1を有した部分においてリング型RGB照明21からの光を反射して反射光をキャップ1の領域A1およびその近傍の下部側に入射させる。これにより、キャップ1の領域A1およびその近傍における下部側がやや明るくなり、下部側と上部側の照明が略同一の強度となる。また、反射板24は、幅W2を有した部分においてリング型RGB照明21からの光を反射して反射光をキャップ1の領域A2およびその近傍の上下部に入射させる。これにより、キャップ1の領域A2およびその近傍における上下部の照明の強度が向上する。
【0041】
上述の点について、図9(b)を参照して更に説明する。キャップ1の領域A1およびその近傍は、図8の配置構成においては下部側が上部側よりわずかに暗かったが、反射板24を設置することにより、反射板24の幅W1の部分からの反射光によりこの照明ムラが改善される。これに対して、キャップ1の領域A2およびその近傍の上下部には、下側のキャップ1に近接したリング型RGB照明21の領域B3(下部照明)からの光が入射し、さらに反射板24によって反射した光が入射するため、強度は「3」となる。従って、照明ムラの問題は解消される。
【0042】
次に、図5に示すように構成された照明装置20および撮像装置30を用いて種々の色のキャップ1を撮影した画像を図10乃至図14を参照して説明する。
従来、樹脂製キャップは白色が主流であったが、最近では白色に限らず、青色、赤色等の様々な色が用いられている。そのため、従来用いていたハロゲン照明と白黒のCCDカメラとの組合せでは、画像上では欠陥としての特徴が得られない場合がある。そこで、本発明においては、赤色LED、緑色LED、青色LEDをリング状に配列したリング型RGB照明21を用いている。そして、赤色LED、緑色LED、青色LEDの点灯・消灯を適宜組合せることによって、所望の色調に調光することができる。すなわち、樹脂製キャップの色に応じて、欠陥が際立つようにコントラストが強調できるような配色に照明を調光でき、様々な色のキャップについて外側面の検査を行うことが可能である。
【0043】
図10は、白色のキャップの外側面に付着した茶色の汚れを検出する場合の画像を示す図である。図10は、リング型RGB照明21における青色LEDのみを点灯してキャップ1を撮像装置30により撮影した画像を示す図であり、上側の画像は撮像装置30により撮影した画像そのものであり、下側の画像は撮像装置30により撮影した画像に検査領域(図示例では5個の検査領域)を設定し、欠陥部(茶色の汚れ)にロジック信号をのせてオーバレイ表示した検査用画像である。図10に示すように、上下の画像ともに、欠陥部(茶色の汚れ)が明瞭に識別できる画像が得られている。
図4に示すように、撮像装置30は、被写体であるキャップ1に対して、下から見上げるように上に向けて配置されている。すなわち、カメラアングルはローアングルに設定されているため、図10に示すように、撮像装置30により得られた画像の左側部分には点灯しているLEDが撮影されている。図10では、青色LED列のみが点灯している状態が示されている。
【0044】
図11は、赤色のキャップの外側面に付着した黒色の汚れを検出する場合の画像を示す図である。図11は、リング型RGB照明21における赤色LEDと青色LEDを点灯してキャップ1を撮像装置30により撮影した画像を示す図であり、上側の画像は撮像装置30により撮影した画像そのものであり、下側の画像は撮像装置30により撮影した画像に検査領域(図示例では5個の検査領域)を設定し、欠陥部(黒色の汚れ)にロジック信号をのせてオーバレイ表示した検査用画像である。図11に示すように、上下の画像ともに、欠陥部(黒色の汚れ)が明瞭に識別できる画像が得られている。
図11に示すように、撮像装置30により得られた画像の左側部分には点灯しているLEDが撮影されている。図11では、赤色LED列と青色LED列が点灯している状態が示されている。
【0045】
図12は、青色のキャップの外側面に付着した黒色の汚れを検出する場合の画像を示す図である。図12は、リング型RGB照明21における赤色LEDと青色LEDを点灯してキャップ1を撮像装置30により撮影した画像を示す図であり、上側の画像は撮像装置30により撮影した画像そのものであり、下側の画像は撮像装置30により撮影した画像に検査領域(図示例では5個の検査領域)を設定し、欠陥部(黒色の汚れ)にロジック信号をのせてオーバレイ表示した検査用画像である。図12に示すように、上下の画像ともに、欠陥部(黒色の汚れ)が明瞭に識別できる画像が得られている。
図12に示すように、撮像装置30により得られた画像の左側部分には点灯しているLEDが撮影されている。図12では、赤色LED列と青色LED列が点灯している状態が示されている。
【0046】
図13は、灰色のキャップの外側面に付着した黒色の汚れを検出する場合の画像を示す図である。図13は、リング型RGB照明21における赤色LEDと緑色LEDと青色LEDを点灯してキャップ1を撮像装置30により撮影した画像を示す図であり、上側の画像は撮像装置30により撮影した画像そのものであり、下側の画像は撮像装置30により撮影した画像に検査領域(図示例では5個の検査領域)を設定し、欠陥部(黒色の汚れ)にロジック信号をのせてオーバレイ表示した検査用画像である。図13に示すように、上下の画像ともに、欠陥部(黒色の汚れ)が明瞭に識別できる画像が得られている。
図13に示すように、撮像装置30により得られた画像の左側部分には点灯しているLEDが撮影されている。図13では、赤色LED列と緑色LED列と青色LED列が点灯している状態が示されている。
【0047】
図14は、黄緑色のキャップの外側面に付着した青色の汚れを検出する場合の画像を示す図である。図14は、リング型RGB照明21における緑色LEDと青色LEDを点灯してキャップ1を撮像装置30により撮影した画像を示す図であり、上側の画像は撮像装置30により撮影した画像そのものであり、下側の画像は撮像装置30により撮影した画像に検査領域(図示例では5個の検査領域)を設定し、欠陥部(青色の汚れ)にロジック信号をのせてオーバレイ表示した検査用画像である。図14に示すように、上下の画像ともに、欠陥部(青色の汚れ)が明瞭に識別できる画像が得られている。
図14に示すように、撮像装置30により得られた画像の左側部分には点灯しているLEDが撮影されている。図14では、緑色LED列と青色LED列が点灯している状態が示されている。
【0048】
以上説明したように、本発明においては、赤色LED、緑色LED、青色LEDをリング状に配列したリング型RGB照明21を用い、赤色LED、緑色LED、青色LEDの点灯・消灯を適宜組合せることによって、所望の色調に調光することができる。すなわち、樹脂製キャップの色に応じて、欠陥が際立つようにコントラストが強調できるような配色に照明を調光でき、様々な色のキャップについて外側面に付着した様々な色の汚れを検出することが可能である。
【0049】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0050】
1 樹脂製キャップ
1a 軸心
2 シュート
3 定間隔形成用スターホイール
4 検査用スターホイール
5 回転割出装置(ロータリインデックスシステム)
6 検査用スターホイール
7 排出用スターホイール
8 コンベア
9 不良品用貯留部
10 タレット板
11 支持ユニット
12 支持台
12a 溝
12h 孔
13 ロータリジョイント
14 チューブ
15 回転ベルト
16 プーリ
20 照明装置
21 リング型RGB照明
22 第1遮光板
23 第2遮光板
24 反射板
30 撮像装置
30x 光軸
S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7 検査ステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製キャップを円形軌道に沿って間欠的に搬送し、停止位置にある検査ステーションで樹脂製キャップを側方から撮像する撮像装置により樹脂製キャップを検査する検査機の検査ステーションに設置される照明装置において、
対をなす2個の樹脂製キャップの上方に水平に配置されたリング型RGB照明と、
前記リング型RGB照明の直下に配置されるとともに、前記リング型RGB照明の略半分を覆うように前記撮像装置から離間した側に配置される第1遮光板と、
前記リング型RGB照明の直下に鉛直に配置されるとともに、前記リング型RGB照明の外周縁から中心部に向かって樹脂製キャップの搬送方向と略直交する方向に延びる第2遮光板とを備え、
前記リング型RGB照明は、リング型RGB照明の中心が前記対をなす2個のキャップの軸心を結ぶ線分の中点から撮像装置側に偏倚するように配置されていることを特徴とする樹脂製キャップの照明装置。
【請求項2】
前記対をなす2個の樹脂製キャップの斜め下方に配置されるとともに、前記撮像装置側に配置され、前記リング型RGB照明から入射した光を前記対をなす2個の樹脂製キャップに向けて反射させる反射板を備えたことを特徴とする請求項1記載の樹脂製キャップの照明装置。
【請求項3】
前記リング型RGB照明は、赤色LED、緑色LED、青色LEDをリング状に配列した照明からなることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂製キャップの照明装置。
【請求項4】
前記反射板は、対をなす2個の樹脂製キャップの斜め下方に水平に配置された略矩形状の板状体からなり、樹脂製キャップに近接した部分の幅は小さく、樹脂製キャップから離間した部分の幅は大きく設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂製キャップの照明装置。
【請求項5】
対をなす2個の樹脂製キャップを支持する2台の支持台を支持する複数の支持ユニットを間欠的に搬送する回転割出装置と、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置と、
前記2台の支持台上の対をなす2個の樹脂製キャップに対応して設置された撮像装置とを備えたことを特徴とする樹脂製キャップの外観検査機。
【請求項6】
前記撮像装置は、白黒のCCDカメラからなることを特徴とする請求項5記載の樹脂製キャップの外観検査機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−69771(P2011−69771A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222423(P2009−222423)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(390014661)キリンテクノシステム株式会社 (126)
【Fターム(参考)】