樹脂製ホルダー
【課題】既存の構造つまり棚板前面の前面溝部を利用することで、ポップカードの棚板の間口方向への位置調整が容易で、しかも下段の棚板の商品を出し入れする際に障害物とならない樹脂製ホルダーを提供すること。
【解決手段】樹脂製ホルダー100は、棚板200の前面を構成する前面溝部11に着脱可能に嵌入・保持される基部1であって、前面溝部11と係合しながら棚板200の間口方向へスライド可能な基部と、基部1の下端に延設され、ポップカード保持部21の裏面側から下端近傍を通って棚板200の前方向へ突出するL字状のアーム部2と、アーム部2の先端に立設された保持部3であって、ポップカード500を保持する第2の樹脂製ポップカードホルダー600又は陳列商品を保持する商品吊下具700が取外し可能に取付けられる保持部とを備える。
【解決手段】樹脂製ホルダー100は、棚板200の前面を構成する前面溝部11に着脱可能に嵌入・保持される基部1であって、前面溝部11と係合しながら棚板200の間口方向へスライド可能な基部と、基部1の下端に延設され、ポップカード保持部21の裏面側から下端近傍を通って棚板200の前方向へ突出するL字状のアーム部2と、アーム部2の先端に立設された保持部3であって、ポップカード500を保持する第2の樹脂製ポップカードホルダー600又は陳列商品を保持する商品吊下具700が取外し可能に取付けられる保持部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗特にドラッグストアにおいて、商品陳列棚に並べられた陳列商品に関連する情報、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、洗面用具、介護用品等商品の価格、種類(分類)、特徴、用途、用法、効能や、「本日のお買得品」、「おすすめ品」、「超特価品」、「ビックリプライス」、「オープニングセール」など販売促進・サービス提供のための宣伝・広告文などが記載されたポップカードを保持するポップカード保持具又は商品吊下具を保持する樹脂製ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ドラッグストア、スーパーマーケット、ホームセンターなどの店舗、特にドラッグストアにおいては、陳列商品に関連する情報が、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、洗面用具、介護用品等商品の価格、種類(分類)、特徴、用途、用法、効能などと非常に多く、その他にも、陳列商品に関連する情報として、「本日のお買得品」、「おすすめ品」、「超特価品」、「ビックリプライス」、「オープニングセール」など販売促進・サービス提供のための宣伝・広告文などがある。
【0003】
このため、これら多くの情報を商品購入者に正確かつ印象的に伝えるために、陳列商品に関連する情報が記載されたポップカードを陳列商品の周りにいかに効果的に配置するかが重要課題とされる。
【0004】
このような課題の下、従来から、商品陳列用棚板の前面にポップカード保持部が位置するよう、換言すると、商品陳列用棚板の前面をポップカード保持部が被うよう、棚板に樹脂製ポップカードホルダーを取付け、棚板の前面付近において陳列商品に関連する情報を商品購入者に示し(例えば、特許文献1参照)、さらに、別途に図11に示すような磁石式ポップカード保持具800を用意し、この保持具800の磁石51を棚板200の裏面に磁力で取付け、保持具800の先端部でポップカード500を保持することで、ポップカードホルダー300のポップカード保持部21よりも前方で陳列商品400に関連する他の情報を商品購入者に示すようにしたもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【特許文献1】特開2003−304955公報(図5)
【特許文献2】特開平9−297533号公報([0009]、[0010]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、磁石式ポップカード保持具800には、磁石51を棚板200の裏面に取付けた後、ポップカード500を所望の位置まで来させるよう磁石51の取付位置を微調整する際、磁力が強いため磁石51を動かしにくいという問題があった。一方、磁力を弱くして磁石51を移動しやすくすると、商品400を出し入れする際に商品400が触れるとポップカード保持具800が簡単に脱落したり、ポップカード500の向きが簡単に変わるという問題がある。また、図11に示すように、棚板200からポップカード保持具800を取外す際、ポップカード保持具800の先端を押下げ磁石51を棚板200の裏面から離す作業を伴うが、この作業のとき、アーム52が下段の棚板200に陳列した商品400に当たって商品400が移動したり倒れたりしやすい。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、既存の構造つまり棚板前面の前面溝部を利用し、この前面溝部に当該樹脂製ホルダーを取付けることで、当該樹脂製ホルダーを棚板の間口方向へ容易に移動させることができ、その結果ポップカードの棚板の間口方向における位置調整を容易に行うことができ、しかも、当該樹脂製ホルダーを棚板から取外す際に当該樹脂製ホルダーが下段の陳列商品と干渉することがなく、さらに、下段の棚板の商品を出し入れする際に当該樹脂製ホルダーが障害物とならないような樹脂製ホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の樹脂製ホルダーは、商品陳列用棚板の前面にポップカード保持部が位置するよう第1の樹脂製ポップカードホルダーが取付けられた前記棚板に対し、取外し可能に取付けられる樹脂製ホルダーであって、前記棚板の前面を構成する前面溝部に着脱可能に嵌入・保持される基部であって、前記前面溝部と係合しながら前記棚板の間口方向へスライド可能な基部と、該基部の下端に延設され、前記ポップカード保持部の裏面側から下端近傍を通って前記棚板の前方向へ突出するL字状のアーム部と、該アーム部の先端に立設された保持部であって、ポップカードを保持する第2の樹脂製ポップカードホルダー又は陳列商品を保持する商品吊下具が取外し可能に取付けられる保持部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の樹脂製ホルダーは、既存の構造つまり棚板前面の前面溝部を利用し、この前面溝部に取付けられ、棚板の間口方向へ容易にスライドすることができる。このため、樹脂製ホルダーが保持するポップカードの棚板の間口方向における位置調整を容易に行うことができるようになる。また、本発明の樹脂製ホルダーの全体形状は棚板の前面から前方へ突出するような形状となるため、樹脂製ホルダーを棚板から取外す際に樹脂製ホルダーが下段の陳列商品と干渉することがなく、さらに、下段の棚板の商品を出し入れする際に樹脂製ホルダーが障害物とならなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂製ホルダーの斜視図、図2〜図5は、それぞれ図1図示の樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図、図6〜図8は、それぞれ図1図示の樹脂製ホルダーの使用態様図、図9は、図1図示の樹脂製ホルダーが使用される商品陳列棚の正面図、図10は、他の実施形態に係る樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図をそれぞれ示す。
【0011】
図1において、樹脂製ホルダー100は、基部1と、この基部1の下端に延設されたL字状のアーム部2と、アーム部2の先端に立設された保持部3とから構成されている。
【0012】
基部1は、上端と下端裏面にそれぞれ係合突部1a,1bを有し、図6、図7又は図8に示すように、上側の係合突部1aは、商品陳列棚の棚板200(図9参照)の前面を構成する前面溝部11の上側係合凹部11aに着脱可能に嵌入・保持され、また、下側の係合突部1bは、棚板200の前面溝部11の下側係合凹部11bに着脱可能に嵌入・保持され、両係合突部1a,1bは、係合凹部11a,11bに保持された状態で棚板200の間口方向へスライド可能とされている。つまり、基部1は、棚板200の既存の前面溝部11に着脱可能に嵌入・保持され、前面溝部11と係合しながら棚板200の間口方向へスライド可能とされている。
【0013】
L字状のアーム部2は、図6、図7又は図8に示すように、棚板200に取付けられた第1の樹脂製ポップカードホルダー300のポップカード保持部21の裏面側から下端近傍を通って棚板200の前方向へ突出している。なお、第1の樹脂製ポップカードホルダー300は、棚板200の上面前縁部に形成された溝12に着脱可能に嵌入・保持される取付部22、棚板200上の陳列商品400の落下を防止するためのストッパー部23、ポップカード500を収容・保持する透明な上記ポップカード保持部21、及び、図示しない商品仕切り板がスライド可能に取付けられるレール部24を備え、ポップカード保持部21は、棚板200の前面溝部11の前方に配置される。また、図6及び図8に示す第1の樹脂製ポップカードホルダー300は軟質部25を有しており、この軟質部25を支点としてポップカード保持部21を持ち上げ、棚板200の前面溝部11を露出させることができるよう構成されている。これに対し、図7に示す第1の樹脂製ポップカードホルダー300は、軟質部25を有していないため、図6及び図8図示の第1の樹脂製ポップカードホルダー300のようにポップカード保持部21を大きく持ち上げることはできないが、ポップカード保持部21は薄肉に形成されているため多少撓むことができ、樹脂製ホルダー100の基部1を棚板200の前面溝部11に取付け、取外す作業に支障は生じない。
【0014】
保持部3には、図2〜図5に示すように、各種第2の樹脂製ポップカードホルダー600及び商品吊下具700が取外し可能に取付けられる。
【0015】
ここで、図2に示す第2の樹脂製ポップカードホルダー600は、保持部3の上部に係合・保持されるフック部材31と、ポップカード500を収容・保持する透明なポップカード保持部材32とからなり、フック部材31のピン部33(図6、図7参照)を支点としてポップカード保持部材32を持ち上げることができるよう構成されている。
【0016】
図3に示す第2の樹脂製ポップカードホルダー600は、保持部3の上部に係合・保持されるフック部材31と、ポップカード500を収容・保持する透明なポップカード保持部材32とからなり、ポップカード保持部材32をその上端部を支点として持ち上げることができるよう構成されている。また、ポップカード保持部材32は、ほぼ直角に折れ曲がった2つのカード収容室33,33を有している。
【0017】
図4に示す第2の樹脂製ポップカードホルダー600は、保持部3の上部に係合・保持されるフック部34と、フック部34から延設されたポップカード保持部35とからなり、ポップカード保持部35によってポップカード500を垂直状態で挟持できるよう構成されている。この第2の樹脂製ポップカードホルダー600が取付けられた樹脂製ホルダー100を上下2つの棚板200,200にそれぞれ取付けた場合、図8に示すように、大きなポップカード500を掲示することができる。この場合、各樹脂製ホルダー100は棚板200の間口方向へ容易にスライド可能なため、ポップカード500を垂直状態に調整する作業をきわめて容易に行うことができる。
【0018】
図5に示す商品吊下具700は、本体部41の貫通穴42と保持部3の貫通穴3aにボルト43を通し、ナット44を締めることによって樹脂製ホルダー100に取付けられる本体部41と、この本体部41の係合突起45に係合穴46を嵌合することで本体部41から吊下げられ、フック部47に商品又は商品の入った容器、包装が吊下げられる吊下部48とから構成されている。
【0019】
図10において、他の実施形態に係る樹脂製ホルダー100は、図1図示の樹脂製ホルダー100と同様に構成された基部1とL字状のアーム部2とを備える。ただし、アーム部2の先端に立設された保持部3は平面視T字状に形成され、保持部3は、取付穴3cが形成された取付板部3bを有する。取付板部3bには、第2の樹脂製ポップカードホルダー600が取付けられる。第2の樹脂製ポップカードホルダー600は、取付板部3bに取付けられる取付部36と、ポップカード保持部35とから構成される。取付部36は、その取付穴36aと取付板部3bの取付穴3cにボルト37を通し、ナット38を締めることで樹脂製ホルダー100に取付けられる。
【0020】
以上説明したように、樹脂製ホルダー100は、商品陳列用棚板200の前面にポップカード保持部21が位置するよう第1の樹脂製ポップカードホルダー300が取付けられた棚板200に対し、取外し可能に取付けられる樹脂製ホルダーであって、棚板200の前面を構成する前面溝部11に着脱可能に嵌入・保持される基部1であって、前面溝部11と係合しながら棚板200の間口方向へスライド可能な基部と、基部1の下端に延設され、ポップカード保持部21の裏面側から下端近傍を通って棚板200の前方向へ突出するL字状のアーム部2と、アーム部2の先端に立設された保持部3であって、ポップカード500を保持する第2の樹脂製ポップカードホルダー600又は陳列商品を保持する商品吊下具700が取外し可能に取付けられる保持部とを備える。
【0021】
この樹脂製ホルダー100は、既存の構造つまり棚板前面の前面溝部11を利用し、この前面溝部11に取付けられ、棚板200の間口方向へ容易にスライドすることができる。このため、樹脂製ホルダー100が保持するポップカード500の棚板200の間口方向における位置調整を容易に行うことができるようになる。また、樹脂製ホルダー100の全体形状は棚板200の前面つまり前面溝部11から前方へ突出するような形状となるため、樹脂製ホルダー100を棚板200から取外す際に樹脂製ホルダー100が下段の陳列商品400と干渉することがなく、さらに、下段の棚板200の商品400を出し入れする際に樹脂製ホルダー100が障害物とならなくなる。また、保持部3には、各種ポップカードホルダー600及び商品吊下具700を選択的に取付けることができるため、ポップカード500の掲示態様の多様化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る樹脂製ホルダーの斜視図である。
【図2】図1図示の樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図である。
【図3】同じく図1図示の樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図である。
【図4】同じく図1図示の樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図である。
【図5】同じく図1図示の樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図である。
【図6】図1図示の樹脂製ホルダーの使用態様図である。
【図7】同じく図1図示の樹脂製ホルダーの使用態様図である。
【図8】同じく図1図示の樹脂製ホルダーの使用態様図である。
【図9】図1図示の樹脂製ホルダーが使用される商品陳列棚の正面図である。
【図10】他の実施形態に係る樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図である。
【図11】従来の磁石式ポップカード保持具の使用態様図である。
【符号の説明】
【0023】
100 樹脂製ホルダー
1 基部
2 アーム部
3 保持部
200 棚板
11 前面溝部
300 第1の樹脂製ポップカードホルダー
21 ポップカード保持部
500 ポップカード
600 第2の樹脂製ポップカードホルダー
700 商品吊下具
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗特にドラッグストアにおいて、商品陳列棚に並べられた陳列商品に関連する情報、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、洗面用具、介護用品等商品の価格、種類(分類)、特徴、用途、用法、効能や、「本日のお買得品」、「おすすめ品」、「超特価品」、「ビックリプライス」、「オープニングセール」など販売促進・サービス提供のための宣伝・広告文などが記載されたポップカードを保持するポップカード保持具又は商品吊下具を保持する樹脂製ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ドラッグストア、スーパーマーケット、ホームセンターなどの店舗、特にドラッグストアにおいては、陳列商品に関連する情報が、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、洗面用具、介護用品等商品の価格、種類(分類)、特徴、用途、用法、効能などと非常に多く、その他にも、陳列商品に関連する情報として、「本日のお買得品」、「おすすめ品」、「超特価品」、「ビックリプライス」、「オープニングセール」など販売促進・サービス提供のための宣伝・広告文などがある。
【0003】
このため、これら多くの情報を商品購入者に正確かつ印象的に伝えるために、陳列商品に関連する情報が記載されたポップカードを陳列商品の周りにいかに効果的に配置するかが重要課題とされる。
【0004】
このような課題の下、従来から、商品陳列用棚板の前面にポップカード保持部が位置するよう、換言すると、商品陳列用棚板の前面をポップカード保持部が被うよう、棚板に樹脂製ポップカードホルダーを取付け、棚板の前面付近において陳列商品に関連する情報を商品購入者に示し(例えば、特許文献1参照)、さらに、別途に図11に示すような磁石式ポップカード保持具800を用意し、この保持具800の磁石51を棚板200の裏面に磁力で取付け、保持具800の先端部でポップカード500を保持することで、ポップカードホルダー300のポップカード保持部21よりも前方で陳列商品400に関連する他の情報を商品購入者に示すようにしたもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【特許文献1】特開2003−304955公報(図5)
【特許文献2】特開平9−297533号公報([0009]、[0010]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、磁石式ポップカード保持具800には、磁石51を棚板200の裏面に取付けた後、ポップカード500を所望の位置まで来させるよう磁石51の取付位置を微調整する際、磁力が強いため磁石51を動かしにくいという問題があった。一方、磁力を弱くして磁石51を移動しやすくすると、商品400を出し入れする際に商品400が触れるとポップカード保持具800が簡単に脱落したり、ポップカード500の向きが簡単に変わるという問題がある。また、図11に示すように、棚板200からポップカード保持具800を取外す際、ポップカード保持具800の先端を押下げ磁石51を棚板200の裏面から離す作業を伴うが、この作業のとき、アーム52が下段の棚板200に陳列した商品400に当たって商品400が移動したり倒れたりしやすい。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、既存の構造つまり棚板前面の前面溝部を利用し、この前面溝部に当該樹脂製ホルダーを取付けることで、当該樹脂製ホルダーを棚板の間口方向へ容易に移動させることができ、その結果ポップカードの棚板の間口方向における位置調整を容易に行うことができ、しかも、当該樹脂製ホルダーを棚板から取外す際に当該樹脂製ホルダーが下段の陳列商品と干渉することがなく、さらに、下段の棚板の商品を出し入れする際に当該樹脂製ホルダーが障害物とならないような樹脂製ホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の樹脂製ホルダーは、商品陳列用棚板の前面にポップカード保持部が位置するよう第1の樹脂製ポップカードホルダーが取付けられた前記棚板に対し、取外し可能に取付けられる樹脂製ホルダーであって、前記棚板の前面を構成する前面溝部に着脱可能に嵌入・保持される基部であって、前記前面溝部と係合しながら前記棚板の間口方向へスライド可能な基部と、該基部の下端に延設され、前記ポップカード保持部の裏面側から下端近傍を通って前記棚板の前方向へ突出するL字状のアーム部と、該アーム部の先端に立設された保持部であって、ポップカードを保持する第2の樹脂製ポップカードホルダー又は陳列商品を保持する商品吊下具が取外し可能に取付けられる保持部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の樹脂製ホルダーは、既存の構造つまり棚板前面の前面溝部を利用し、この前面溝部に取付けられ、棚板の間口方向へ容易にスライドすることができる。このため、樹脂製ホルダーが保持するポップカードの棚板の間口方向における位置調整を容易に行うことができるようになる。また、本発明の樹脂製ホルダーの全体形状は棚板の前面から前方へ突出するような形状となるため、樹脂製ホルダーを棚板から取外す際に樹脂製ホルダーが下段の陳列商品と干渉することがなく、さらに、下段の棚板の商品を出し入れする際に樹脂製ホルダーが障害物とならなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂製ホルダーの斜視図、図2〜図5は、それぞれ図1図示の樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図、図6〜図8は、それぞれ図1図示の樹脂製ホルダーの使用態様図、図9は、図1図示の樹脂製ホルダーが使用される商品陳列棚の正面図、図10は、他の実施形態に係る樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図をそれぞれ示す。
【0011】
図1において、樹脂製ホルダー100は、基部1と、この基部1の下端に延設されたL字状のアーム部2と、アーム部2の先端に立設された保持部3とから構成されている。
【0012】
基部1は、上端と下端裏面にそれぞれ係合突部1a,1bを有し、図6、図7又は図8に示すように、上側の係合突部1aは、商品陳列棚の棚板200(図9参照)の前面を構成する前面溝部11の上側係合凹部11aに着脱可能に嵌入・保持され、また、下側の係合突部1bは、棚板200の前面溝部11の下側係合凹部11bに着脱可能に嵌入・保持され、両係合突部1a,1bは、係合凹部11a,11bに保持された状態で棚板200の間口方向へスライド可能とされている。つまり、基部1は、棚板200の既存の前面溝部11に着脱可能に嵌入・保持され、前面溝部11と係合しながら棚板200の間口方向へスライド可能とされている。
【0013】
L字状のアーム部2は、図6、図7又は図8に示すように、棚板200に取付けられた第1の樹脂製ポップカードホルダー300のポップカード保持部21の裏面側から下端近傍を通って棚板200の前方向へ突出している。なお、第1の樹脂製ポップカードホルダー300は、棚板200の上面前縁部に形成された溝12に着脱可能に嵌入・保持される取付部22、棚板200上の陳列商品400の落下を防止するためのストッパー部23、ポップカード500を収容・保持する透明な上記ポップカード保持部21、及び、図示しない商品仕切り板がスライド可能に取付けられるレール部24を備え、ポップカード保持部21は、棚板200の前面溝部11の前方に配置される。また、図6及び図8に示す第1の樹脂製ポップカードホルダー300は軟質部25を有しており、この軟質部25を支点としてポップカード保持部21を持ち上げ、棚板200の前面溝部11を露出させることができるよう構成されている。これに対し、図7に示す第1の樹脂製ポップカードホルダー300は、軟質部25を有していないため、図6及び図8図示の第1の樹脂製ポップカードホルダー300のようにポップカード保持部21を大きく持ち上げることはできないが、ポップカード保持部21は薄肉に形成されているため多少撓むことができ、樹脂製ホルダー100の基部1を棚板200の前面溝部11に取付け、取外す作業に支障は生じない。
【0014】
保持部3には、図2〜図5に示すように、各種第2の樹脂製ポップカードホルダー600及び商品吊下具700が取外し可能に取付けられる。
【0015】
ここで、図2に示す第2の樹脂製ポップカードホルダー600は、保持部3の上部に係合・保持されるフック部材31と、ポップカード500を収容・保持する透明なポップカード保持部材32とからなり、フック部材31のピン部33(図6、図7参照)を支点としてポップカード保持部材32を持ち上げることができるよう構成されている。
【0016】
図3に示す第2の樹脂製ポップカードホルダー600は、保持部3の上部に係合・保持されるフック部材31と、ポップカード500を収容・保持する透明なポップカード保持部材32とからなり、ポップカード保持部材32をその上端部を支点として持ち上げることができるよう構成されている。また、ポップカード保持部材32は、ほぼ直角に折れ曲がった2つのカード収容室33,33を有している。
【0017】
図4に示す第2の樹脂製ポップカードホルダー600は、保持部3の上部に係合・保持されるフック部34と、フック部34から延設されたポップカード保持部35とからなり、ポップカード保持部35によってポップカード500を垂直状態で挟持できるよう構成されている。この第2の樹脂製ポップカードホルダー600が取付けられた樹脂製ホルダー100を上下2つの棚板200,200にそれぞれ取付けた場合、図8に示すように、大きなポップカード500を掲示することができる。この場合、各樹脂製ホルダー100は棚板200の間口方向へ容易にスライド可能なため、ポップカード500を垂直状態に調整する作業をきわめて容易に行うことができる。
【0018】
図5に示す商品吊下具700は、本体部41の貫通穴42と保持部3の貫通穴3aにボルト43を通し、ナット44を締めることによって樹脂製ホルダー100に取付けられる本体部41と、この本体部41の係合突起45に係合穴46を嵌合することで本体部41から吊下げられ、フック部47に商品又は商品の入った容器、包装が吊下げられる吊下部48とから構成されている。
【0019】
図10において、他の実施形態に係る樹脂製ホルダー100は、図1図示の樹脂製ホルダー100と同様に構成された基部1とL字状のアーム部2とを備える。ただし、アーム部2の先端に立設された保持部3は平面視T字状に形成され、保持部3は、取付穴3cが形成された取付板部3bを有する。取付板部3bには、第2の樹脂製ポップカードホルダー600が取付けられる。第2の樹脂製ポップカードホルダー600は、取付板部3bに取付けられる取付部36と、ポップカード保持部35とから構成される。取付部36は、その取付穴36aと取付板部3bの取付穴3cにボルト37を通し、ナット38を締めることで樹脂製ホルダー100に取付けられる。
【0020】
以上説明したように、樹脂製ホルダー100は、商品陳列用棚板200の前面にポップカード保持部21が位置するよう第1の樹脂製ポップカードホルダー300が取付けられた棚板200に対し、取外し可能に取付けられる樹脂製ホルダーであって、棚板200の前面を構成する前面溝部11に着脱可能に嵌入・保持される基部1であって、前面溝部11と係合しながら棚板200の間口方向へスライド可能な基部と、基部1の下端に延設され、ポップカード保持部21の裏面側から下端近傍を通って棚板200の前方向へ突出するL字状のアーム部2と、アーム部2の先端に立設された保持部3であって、ポップカード500を保持する第2の樹脂製ポップカードホルダー600又は陳列商品を保持する商品吊下具700が取外し可能に取付けられる保持部とを備える。
【0021】
この樹脂製ホルダー100は、既存の構造つまり棚板前面の前面溝部11を利用し、この前面溝部11に取付けられ、棚板200の間口方向へ容易にスライドすることができる。このため、樹脂製ホルダー100が保持するポップカード500の棚板200の間口方向における位置調整を容易に行うことができるようになる。また、樹脂製ホルダー100の全体形状は棚板200の前面つまり前面溝部11から前方へ突出するような形状となるため、樹脂製ホルダー100を棚板200から取外す際に樹脂製ホルダー100が下段の陳列商品400と干渉することがなく、さらに、下段の棚板200の商品400を出し入れする際に樹脂製ホルダー100が障害物とならなくなる。また、保持部3には、各種ポップカードホルダー600及び商品吊下具700を選択的に取付けることができるため、ポップカード500の掲示態様の多様化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る樹脂製ホルダーの斜視図である。
【図2】図1図示の樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図である。
【図3】同じく図1図示の樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図である。
【図4】同じく図1図示の樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図である。
【図5】同じく図1図示の樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図である。
【図6】図1図示の樹脂製ホルダーの使用態様図である。
【図7】同じく図1図示の樹脂製ホルダーの使用態様図である。
【図8】同じく図1図示の樹脂製ホルダーの使用態様図である。
【図9】図1図示の樹脂製ホルダーが使用される商品陳列棚の正面図である。
【図10】他の実施形態に係る樹脂製ホルダーの保持部の使用態様図である。
【図11】従来の磁石式ポップカード保持具の使用態様図である。
【符号の説明】
【0023】
100 樹脂製ホルダー
1 基部
2 アーム部
3 保持部
200 棚板
11 前面溝部
300 第1の樹脂製ポップカードホルダー
21 ポップカード保持部
500 ポップカード
600 第2の樹脂製ポップカードホルダー
700 商品吊下具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品陳列用棚板の前面にポップカード保持部が位置するよう第1の樹脂製ポップカードホルダーが取付けられた前記棚板に対し、取外し可能に取付けられる樹脂製ホルダーであって、
前記棚板の前面を構成する前面溝部に着脱可能に嵌入・保持される基部であって、前記前面溝部と係合しながら前記棚板の間口方向へスライド可能な基部と、該基部の下端に延設され、前記ポップカード保持部の裏面側から下端近傍を通って前記棚板の前方向へ突出するL字状のアーム部と、該アーム部の先端に立設された保持部であって、ポップカードを保持する第2の樹脂製ポップカードホルダー又は陳列商品を保持する商品吊下具が取外し可能に取付けられる保持部とを備える
ことを特徴とする樹脂製ホルダー。
【請求項1】
商品陳列用棚板の前面にポップカード保持部が位置するよう第1の樹脂製ポップカードホルダーが取付けられた前記棚板に対し、取外し可能に取付けられる樹脂製ホルダーであって、
前記棚板の前面を構成する前面溝部に着脱可能に嵌入・保持される基部であって、前記前面溝部と係合しながら前記棚板の間口方向へスライド可能な基部と、該基部の下端に延設され、前記ポップカード保持部の裏面側から下端近傍を通って前記棚板の前方向へ突出するL字状のアーム部と、該アーム部の先端に立設された保持部であって、ポップカードを保持する第2の樹脂製ポップカードホルダー又は陳列商品を保持する商品吊下具が取外し可能に取付けられる保持部とを備える
ことを特徴とする樹脂製ホルダー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−14992(P2006−14992A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196833(P2004−196833)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000213138)中日産業株式会社 (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000213138)中日産業株式会社 (20)
【Fターム(参考)】
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