説明

樹脂製ラベル装着装置、樹脂製ラベル装着方法および樹脂製ラベルが装着された容器

【課題】樹脂製ラベル2の後端部分2aを前端部分に重ね合わせて筒状に成形した際に、末端2aaの糊が塗布されていない部分を加熱して硬化させる。
【解決手段】移送ドラム10に保持されている樹脂製ラベル2の後端部分2aに、糊塗布手段14によって糊を塗布し、マンドレル28に巻き付けて後端部分2aを前端部分に重ね合わせて接着し筒状に成形した後、糊が塗布されていない末端2aaの部分を含む後端部分2aを、ヒータ176によって、後にシュリンクさせる際の加熱温度よりも高い温度で、かつ、樹脂製ラベル2が溶着する時間よりも短い時間加熱する。樹脂製ラベル2の後端部分2aの糊が塗布されていない末端2aaが硬化するので、カールしたり変形することが無く、製品としての見栄えがよくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂製のラベルを容器に装着するラベラに係り、特に、樹脂製ラベルを容器あるいはマンドレル等に巻き付け、その後端部分を前端部分上に重ね合わせて接着し筒状のラベルを成形した後、この筒状ラベルを加熱圧縮する樹脂製ラベル装着装置、樹脂製ラベル装着方法および樹脂製ラベルが装着された容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
帯状のラベルを容器の外周面に巻き付けて装着するラベラがすでに知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたラベラは、回転手段によって回転される移送ドラムの外周面に、ラベルを保持する保持部が形成され、この保持部に保持されて回転移送されるラベルに、ホットメルトコーティングヘッドからホットメルトを塗布し、このラベルを容器に巻き付けて貼り付けるようになっている。この特許文献1に記載されたラベラでは、ホットメルトコーティングヘッドの吐出口を、ラベル保持部に保持されているラベルに接触させてホットメルトを塗布している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−202897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたラベラの構成では、ホットメルト塗布後の糸引きが無く、ホットメルトをラベルに薄く塗布することができ、できあがりの見栄えが非常に優れている。ところが、帯状のラベルを容器の全周に巻き付けた後に、加熱してシュリンクさせる場合に、前記特許文献1に記載された塗布方法を採用すると以下のような問題が発生した。前記塗布方法では、ラベルにホットメルトコーティングヘッドの吐出口を接触させて糊(ホットメルト)を塗布するようにしており、糊を吐出した後に、糊を掻き取るようにしているため、ラベルの端部ぎりぎりまで糊を塗布しようとすると、糊がラベルからはみ出してしまい糸引きなどの原因となってしまう。そのため、図10(a)に示すように、ラベル2の後端部分2aに糊を塗布(図中に符号Pで示した部分が糊塗布領域である)する際に、最も末端部に糊を塗布できない領域2aaが発生する。
【0005】
前記のように容器に巻き付けたラベルの末端に糊が塗布されていない領域2aaがあると、図10(b)に示すように、ラベルの前端部分2b上に浮き上がった状態になっており、このような状態でシュリンクトンネルに送り込んで加熱収縮させると、その部分2aaが反り返って(同図(c)参照)、できあがりの見栄えが悪くなってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、ホットメルトによる接着ではなく、樹脂製ラベルの前端部分上に後端部分を重ね合わせた状態で、ヒータによって加熱することにより後端部分を前端部分に溶着することを試みた。ヒータによる加熱による方法であれば、後端部分の末端まで溶着できるので見栄えがよい。しかしながら、マンドレルに樹脂製ラベルを巻き付けて後端部分と前端部分とを溶着する場合には、前端部分の外側に重なっている後端部分は、マンドレルの吸引孔から直接吸引されていないので浮き上がりやすいという問題がある。このように端部側が浮き上がった状態で加熱溶着しようとすると、後端部分の浮き上がっている端部だけが溶けてしまい上手く溶着できないという問題があった。特に、この問題は高速で運転する場合に発生しやすく、ラベラの高速化が困難であった。
【0007】
また、塗布ローラなど別の塗布手段を用いてラベルの後端部分の末端部まで糊を塗布し、マンドレルを用いてラベルの後端を前端に重ねて筒状に成形した後に容器に装着、もしくは直接容器に巻き付けた後に、加熱してシュリンクさせた場合、糊が塗布された領域において糊の塗布厚みにバラツキがあり、シュリンク後に糊が厚く塗布された場所の跡が目立って見栄えが悪いという問題があった。さらに、シュリンク時にラベルが縮むことによって糊が塗布された部分が引っ張られ、糊の粘着力が引っ張られる力に負けてラベルの後端が前端から離れてしまうという問題もあった。
【0008】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、後端部分に糊を塗布して前端部分上に接着した場合でも、糊が塗布されていない領域である末端部が、カールする等の変形するおそれのない樹脂製ラベル装着装置および樹脂製ラベル装着方法を提供すること、糊の塗布厚みにバラツキが合ってもシュリンク後の見栄えの良く、確実にラベルの後端を前端に接着することが可能な樹脂製ラベル装着装置および樹脂製ラベル装着方法を提供することを目的とするものである。さらに、前記のような樹脂製ラベルが装着された容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、樹脂製ラベルを保持して移送する移送ドラムと、この移送ドラムに保持されている樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する糊塗布手段と、回転体に複数設けられ、前記移送ドラムから樹脂製ラベルを受け取って巻き取り、その樹脂製ラベルの後端部分を前端部分に重ね合わせて接着し筒状に成形して吸着保持するマンドレルと、これらマンドレルをそれぞれ自転させる駆動手段と、マンドレルに対応して配置されて供給された容器を載置する容器台と、マンドレルから樹脂製ラベルを取り外して容器に嵌装する嵌装手段と、容器に嵌装された樹脂製ラベルを加熱して収縮させる加熱収縮手段と、前記マンドレルによって筒状に成形された樹脂製ラベルの後端部分に接触して、接触した箇所を加熱する加熱手段とを備え、前記加熱手段の温度を前記加熱収縮手段の温度よりも高熱に設定するとともに、樹脂製ラベルが溶着する時間よりも短い時間接触させることにより、樹脂製ラベルの後端部分を加熱して硬化させることを特徴とするものである。
【0010】
また、第2の発明は、樹脂製ラベルを保持して移送する移送ドラムと、この移送ドラムに保持されている樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する糊塗布手段と、回転体に複数設けられ、前記移送ドラムから樹脂製ラベルを受け取って巻き取り、その樹脂製ラベルの後端部分を前端部分に重ね合わせて接着し筒状に成形して吸着保持するマンドレルと、これらマンドレルをそれぞれ自転させる駆動手段と、マンドレルに対応して配置されて供給された容器を載置する容器台と、マンドレルから樹脂製ラベルを取り出して容器に嵌装する嵌装手段と、容器に嵌装された樹脂製ラベルを加熱して収縮させる加熱収縮手段と、前記マンドレルによって筒状に成形された樹脂製ラベルの後端部分に接触して、接触した箇所を加熱溶着する加熱手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
さらに、第3の発明は、樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する工程と、マンドレルの外周に樹脂製ラベルを巻き付けて、樹脂製ラベルの後端部分を前端部分に重ねた筒状に成形する工程と、樹脂製ラベルの後端部分を加熱する工程と、筒状の樹脂製ラベルをマンドレルから取り外して容器に嵌装する工程と、樹脂製ラベルを加熱収縮する工程とを有し、樹脂製ラベルの後端部分を加熱する温度を、樹脂製ラベルを加熱収縮する温度よりも高温に設定するとともに、樹脂製ラベルが溶着する時間よりも短い時間加熱することにより、樹脂製ラベルの後端部分を加熱して硬化させることを特徴とするものである。
【0012】
また、第4の発明は、樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する工程と、マンドレルの外周に樹脂製ラベルを巻き付けて、樹脂製ラベルの後端部分を前端部分に重ねた筒状に成形する工程と、樹脂製ラベルの後端部分を加熱溶着する工程と、筒状の樹脂製ラベルをマンドレルから取り外して容器に嵌装する工程と、樹脂製ラベルを加熱収縮する工程とを有することを特徴とするものである。
【0013】
第5の発明は、樹脂製ラベルを保持して移送する移送ドラムと、この移送ドラムに保持されている樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する糊塗布手段と、供給された容器を載置する容器台と、容器台を回転させる回転手段と、容器に嵌装された樹脂製ラベルを加熱して収縮させる加熱収縮手段とを備え、容器の外周に樹脂製ラベルを巻き付け、樹脂製ラベルの後端部分を前端部分に重ね合わせて接着した後、樹脂製ラベルを加熱収縮させて容器に装着する樹脂製ラベル装着装置において、筒状に成形された樹脂製ラベルの後端部分に接触して、接触した箇所を加熱する加熱手段を設け、前記加熱手段の温度を前記加熱収縮手段の温度よりも高熱に設定するとともに、樹脂製ラベルが溶着する時間よりも短い時間接触させることにより、樹脂製ラベルの後端部分を加熱して硬化させることを特徴とするものである。
【0014】
第6の発明は、樹脂製ラベルを保持して移送する移送ドラムと、この移送ドラムに保持されている樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する糊塗布手段と、供給された容器を載置する容器台と、容器台を回転させる回転手段と、容器に嵌装された樹脂製ラベルを加熱して収縮させる加熱収縮手段とを備え、容器の外周に樹脂製ラベルを巻き付け、樹脂製ラベルの後端部分を前端部分に重ね合わせて接着した後、樹脂製ラベルを加熱収縮させて容器に装着する樹脂製ラベル装着装置において、筒状に成形された樹脂製ラベルの後端部分に接触して、接触した箇所を加熱溶着する加熱手段を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
第7の発明は、樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する工程と、容器の外周に樹脂製ラベルを巻き付けて、後端部分を前端部分に重ね合わせた筒状に成形する工程と、樹脂製ラベルの後端部分を加熱する工程と、樹脂製ラベルを加熱収縮する工程とを有し、ラベル後端部分を加熱する温度を、ラベルを加熱収縮する温度よりも高温に設定するとともに、樹脂製ラベルが溶着する時間よりも短い時間加熱することにより、樹脂製ラベルの後端部分を加熱して硬化させることを特徴とするものである。
【0016】
第8の発明は、樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する工程と、容器の外周に樹脂製ラベルを巻き付けて、後端部分を前端部分に重ね合わせた筒状に成形する工程と、樹脂製ラベルの後端部分を加熱溶着する工程と、樹脂製ラベルを加熱収縮する工程とを有することを特徴とするものである。
【0017】
第9の発明に係る容器は、樹脂製ラベルの後端部分に塗布された糊を、樹脂製ラベルの前端部分に重ね合わせて接着した筒状の樹脂製ラベルにおける、後端部分を加熱して硬化させた後に、硬化させた加熱温度よりも低温で加熱収縮された樹脂製ラベルが装着されたものである。
【0018】
第10の発明に係る容器は、樹脂製ラベルの後端部分に塗布された糊を、樹脂製ラベルの前端部分に重ね合わせて接着した筒状の樹脂製ラベルにおける、後端部分を加熱して溶着させた後に、加熱収縮された樹脂製ラベルが装着されたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の樹脂製ラベル装着装置および樹脂製ラベル装着方法は、樹脂製ラベルの後端部分に、加熱溶着手段の加熱温度よりも高い温度で、かつ、樹脂製ラベルが加熱により溶着する時間よりも短い時間加熱手段を接触させることにより、その末端部を硬化させるので、後の工程で容器に装着した樹脂製ラベルを加熱収縮する際に、樹脂製ラベルの前記糊が塗布されていない末端が変形することが無く、製品としての見栄えがよくなるという利点がある。また、塗布されている糊の厚みにバラツキがあってもシュリンク後の糊跡が目立たずに製品としても見栄えが良くなるとともに、糊の粘度にかかわらず確実にラベルの後端を前端に接着できるという利点がある。さらに、加熱収縮された樹脂製ラベルが装着された容器が、樹脂製ラベルの加熱収縮を行った際に変形することを防止して、製品としての見栄えを良くすることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は樹脂製ラベル装着装置の全体の配置を簡略化して示す平面図である。(実施例1)
【図2】図2はラベル移送ドラムおよび糊塗布手段の縦断面図である。
【図3】図3はラベル移送ドラムおよび糊塗布手段の要部を拡大して示す横断面図である。
【図4】図4はホットメルトコーティングヘッドの斜視図である。
【図5】図5は容器搬送装置および加熱手段の縦断面図である。
【図6】図6はピッカの平面図である。
【図7】図7(a)は加熱手段の平面図、(b)は縦断面図である。
【図8】図8は樹脂製ラベル装着装置の作動を順次説明する図である。
【図9】図9(a)は加熱手段によって樹脂製ラベルの後端部分を加熱している状態を示す説明図、(b)は樹脂製ラベルの、加熱手段によって加熱した後の状態を示す説明図である。
【図10】図10(a)は樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布した状態を示す平面図、(b)は後端部分を前端部分上に重ね合わせて接着した状態を示す説明図、(c)は加熱収縮工程を行った後の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ラベル移送ドラムの外周面に複数のラベル保持部が等間隔で形成され、カッタで所定の長さに切断された樹脂製ラベルが各ラベル保持部に引き渡されて吸着保持される。ラベル保持部に保持された樹脂製ラベルの後端部分に、糊塗布手段によって糊が塗布されるが、後端部分の末端には糊が塗布されない領域が残っている。糊が塗布された樹脂製ラベルが、容器搬送手段の位置に到達すると、この容器搬送手段の回転体の、下部側に設けられている容器台に容器が供給されるとともに、その容器の上方にそれぞれ配置されているマンドレルに前記樹脂製ラベルが受け渡される。樹脂製ラベルは、先ず、前端部分がマンドレルに吸着保持され、移送ドラムおよび容器搬送装置の回転体の回転(公転)とマンドレルの自転によってマンドレルに巻き取られ、樹脂製ラベルの前端部分上に後端部分を重ね合わせた状態で、前記糊により接着される。樹脂製ラベルをマンドレルに巻き付けて筒状に成形した後、マンドレルを回転(自転)させる回転手段によって回転を停止させ、樹脂製ラベルの後端部分と前端部分とが重なり合った部分を、容器搬送手段の回転体の半径方向外側に向ける。樹脂製ラベルの後端部分のうち、糊が塗布されていない領域(末端)は前端部分に接着されず浮いた状態になっている。回転体によるマンドレルの搬送経路に沿ってヒータが配置されており、前記樹脂製ラベルの重ね合わせた部分を、後のシュリンク工程で加熱収縮させる温度よりも高い温度で、しかも、樹脂製ラベルを溶着させる時間よりも短い時間だけ加熱する。このヒータによる加熱によって樹脂製ラベルの後端部分の糊が塗布されなかった末端が硬化する。筒状のラベルが装着された容器を、その後の工程でシュリンクトンネルに導入して加熱収縮する際に、前記末端がカールしたりその他の変形をすることがないので、製品としての見栄えをよくするという目的を達成する。
【実施例1】
【0022】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。先ず、図1によって樹脂製ラベル装着装置全体の構成について簡単に説明する。所定の幅を有する帯状のラベル2がロール状に巻かれて図示しないロールスタンドに支持されており、このロールスタンドから帯状ラベル2が引き出され、複数のローラ4を介して一対の回転部材6A、6Bからなるカッタ6に送られて切断される。カッタ6によって所定の長さに切断された樹脂製ラベル2は、ラベル受け渡し位置Tで、受け渡しドラム8を介してラベル移送ドラム10に引き渡される。
【0023】
ラベル移送ドラム10には、その外周面に円周方向等間隔で複数(この実施例では4箇所)のラベル保持部12が設けられており、各ラベル保持部12がそれぞれ1枚ずつラベル2を保持して回転移送する。この移送ドラム10の、受け渡しドラム8からのラベル受け渡し位置Tよりも下流側の、ラベル搬送経路の外側に糊塗布手段14が設置されている。この糊塗布手段14では、後に説明する吐出口から吐出された糊が、前記移送ドラム10のラベル保持部12に保持されているラベル2の所定位置に塗布される。糊が塗布されたラベル2は、ラベル受け渡し位置Sにおいて、容器搬送装置16によって回転移動してきたマンドレル28(図1および後に説明する図5参照)の外周面に巻き付けられ、前端部分と後端部分とが接着されて筒状に成形される。
【0024】
一方、前記筒状の樹脂製ラベル2が装着される容器18は、供給コンベヤ20によって搬送され、インフィードスクリュー22によって所定の間隔に切り離されて供給スターホイール24に引き渡される。供給スターホイール24は受け取った容器18を回転搬送して、ロータリ式の容器搬送装置16に供給する。この容器搬送装置16は、回転体26の下部側で、前記入口スターホイール24から供給された容器18を回転搬送し、回転体26の上部側では、前記移送ドラム10から樹脂製ラベル2を受け取ったマンドレル28がこれを巻き取り、筒状のラベル2を成形するようになっており、この成形された筒状のラベル2をマンドレル28から取り外して前記容器18に装着する。筒状の樹脂製ラベル2が装着された容器18は、容器搬送装置16によって回転搬送されて排出スターホイール30に引き渡され、排出コンベヤ32上に排出される。この容器18は、排出コンベヤ32によって搬送されて次のシュリンクトンネル34に搬入され、所定の温度で所定時間加熱される。加熱されることにより前記筒状のラベル2が収縮して容器18の外面に密着する。
【0025】
次に、前記ラベル移送ドラム10の構成について、図2により説明する。移送ドラム10は、ベースプレート36上に回転自在に設置されている。ベースプレート36上に支持筒38が固定され、この支持筒38内に保持された上下のボールベアリング40、42を介して直立した回転軸44が回転自在に支持されている。この回転軸44の、前記支持筒38の上方に延びている上部の外周面に円筒部材46が嵌合している。この円筒部材46は、回転軸44の外面にキー等の連結手段によって連結されており、回転軸44と一体的に回転するとともに、相対的に上下動して高さを調節できるようになっている。さらに、この円筒部材46の外周に筒状のカバー48が固定され、さらにその上端にキャップ50が固定されており、回転軸44および円筒部材46と一体的に回転する。
【0026】
前記円筒部材46の下端部とほぼ同じ高さに、図示しない支柱等を介して水平に固定された円形プレート52(以下、固定プレートと呼ぶ)が配置されている。前記円筒部材46の下端部外周と固定プレート52の内周面との間にボールベアリング54が配置されており、回転軸44とともに回転する円筒部材46と固定プレート52とを接続している。固定プレート52の外周部の上面には、環状の摺動部材56が固定されている。固定プレート52とこの環状の摺動部材56には、後に説明する固定側のバキューム通路が形成されている。
【0027】
回転軸44の上部外周に固定されている筒状カバー48の下端にフランジ48aが形成され、このフランジ48aの下面に円形の回転プレート58が固定されている。この回転プレート58は、回転する際には、前記環状の摺動部材56の上面を摺動する。回転プレート58の外周部上に、ラベル2を保持して回転移送する移送ドラム10が取り付けられており、回転軸44の回転によって回転プレート58が回転すると、移送ドラム10がこの回転プレート58と一体的に回転する。回転軸44は、ベースプレート36の下方で図示しない回転手段に連結されて回転駆動される。
【0028】
この移送ドラム10は、環状の底面10aとこの底面10aの外周部上に立ち上げられた円筒状の壁面(以下、円筒部と呼ぶ)10bとを有している。移送ドラム10の円筒部10bの外面に、複数のラベル保持部12が形成されている。この実施例では円筒部10bの外周面に円周方向等間隔で4箇所のラベル保持部12が形成されている(図1参照)。各ラベル保持部12は、ラベル2の後端部分2a(図3および図10(a)参照)を保持するための突出部12aを有している。ラベル保持部12の後方寄りに設けられた突出部12aは、上方から見た形状が、上面12aa側が底面12ab側よりも長く、回転方向前方側の側面12acは傾斜しているが、後方側の側面12adはほぼ直線状(半径方向の直線)になっている。また、上面12aaは底面12abの円弧(移送ドラム10の外周面と一致している)と同芯の円弧状をしている。
【0029】
前記固定プレート52の上面の、摺動部材56が固定されている部分に、円弧状の溝52aが形成され、下面側に連結された配管60を介してバキュームが導入されるようになっている。固定プレート52上に、前記円弧状溝52aを覆う状態で固定されている環状の摺動部材56には、上下に貫通する孔56aが、前記固定プレート52の円弧状溝52aとオーバーラップする範囲に多数形成されている。これら円弧状溝52aと貫通孔56aは、移送ドラム10が受け渡しドラム8からラベル2を受け取る受け渡し位置T(図1参照)のやや上流側の位置から、ラベル保持部12が保持しているラベル2をマンドレル28に貼り付ける受け渡し位置Sまでの間に渡って形成されている。
【0030】
一方、前記移送ドラム10の直立した円筒部10bにおいて、前記ラベル保持部12の後方側に設けられた突出部12a以外の壁面には、外面に開口する複数の吸引口10e(図2参照、なお、図3では図示を省略)が形成されている。これら吸引口10eは、移送ドラム10の円筒部10b内に形成された縦方向通路10c、底部10a内に形成された半径方向通路10dおよびこの半径方向通路10dに接続された回転プレート58内の通路58a等を介して、回転プレート58の下面に開口するバキューム導入口58bに接続されている。なお、前記突出部12aにも吸引口10eを形成しているが、この実施例では、ホットメルトを塗布する領域以外に開口するように吸引口10eを形成している。
【0031】
回転軸44の回転に伴って移送ドラム10が回転すると、円筒部10bの各吸引口10eに連通する回転プレート58のバキューム導入口58bが、固定側の摺動部材56に形成されている貫通孔56aとオーバーラップしている部分では、吸引口10eにバキュームが作用してラベル2を吸着することができる。また、バキューム導入口56bが回転移動して、ラベル受け渡し位置Sに達すると、摺動部材56の貫通孔56aおよび固定プレート52の円弧状溝52aから外れてバキュームが遮断され、保持していたラベル2を離すようになっている。なお、この実施例では、吸引口10eのバキュームが遮断された直後に、この吸引口10eから短時間エアを吹き出すようにして、ラベル2を確実にマンドレル28に引き渡すようにしている。ラベル2は、ラベル保持部12の突出部12aに後端部分2aが保持され、この後端部分2aよりも前方側は移送ドラム10の外面に直接保持される。
【0032】
また、移送ドラム10の円筒部10bの外方側に、この移送ドラム10と向かい合うように糊塗布手段14が設けられている。この糊塗布手段14は、移送ドラム10のラベル保持部12からマンドレル28にラベルを受け渡すラベル受け渡し位置Sよりも上流側に配置されている。糊塗布手段14は、ラベル2Aの前記突出部12aに保持されている後端部分2aの、設定された糊が塗布される領域に糊を塗布するようになっている。この糊塗布手段14は、図2に示すように、取付台62上にエアシリンダ64を介して取り付けられており、このエアシリンダ64の作動によって、移送ドラム10の方向に向けて進退動できるようになっている。
【0033】
糊塗布手段14は、移送ドラム10と向かい合う側に、糊(ホットメルト)を吐出する吐出口66aが形成されたホットメルトコーティングヘッド66を備えている(図3および図4参照)。このホットメルトコーティングヘッド66は、ラベル2の幅(移送ドラム10のラベル保持部12に保持されているときの上下の長さ)よりも僅かに短い縦長の吐出口66aを有している。この吐出口66aは、ホットメルトコーティングヘッド66の内部の通路66b(図3参照)を介して、糊塗布手段14の本体部内に設けられた糊貯留部14aに接続されている。さらにこの糊貯留部14aは、制御装置によって制御される糊供給手段68(図示はしないが糊の貯留タンクとポンプから構成されている)に接続されている(図2参照)。なお、この実施例では、糊の吐出口66aが縦長の一本の開口から構成されているが、吐出口66aの形状はこのように限定されるものではなく、多数の小さい開口を等間隔で配置し、あるいは、糊を塗布する必要のある部分だけに開口を形成する等、適宜選択することができる。なお、本実施例では、粘度の強いシュリンク対応の糊を使用しており、シュリンク時にラベルが引っ張られても、ずれることがなく強固に接着することが可能となっている。
【0034】
ホットメルトコーティングヘッド66は、図3および図4に示すように、ラベル移送ドラム10側に最も接近している部分が幅の狭い平坦面66cになっており、この先端側平坦面66cに前記縦長の吐出口66aが形成されている。吐出口66aが形成された平坦面66cの回転方向前側にあたる一方の側部66d(移送ドラム10のラベル保持部12に保持されているラベル2が接近してくる側の側部)が、平坦面66cに連続する円弧状の面になっている。また、回転方向後側にあたる他方の側部は、移送ドラム10の外面から遠ざかる方向に後退した2つの傾斜面66e、66fから形成されている。特に、吐出口66aから続く傾斜面66eの傾斜角度を急にしてこの部分に糊が付着しないようにしている。ホットメルトコーティングヘッド66の前記円弧状の側部66dは、図4に示すように、平坦面66cとの接続部付近はラベル2に接触可能であるが、逆の側部66e、66fは、ラベル2には全く接触しないようになっている。
【0035】
前記容器搬送装置16の構成について、図1および図5により説明する。ベース70上に直立した中心軸72が配置され、その外周に上下のベアリング74を介して円筒部材76(以下、回転円筒部材と呼ぶ)が回転自在に支持されている。この回転円筒部材76の上下方向のほぼ中央に、水平な回転円板78が取り付けられており、回転円筒部材76と一体的に回転する。回転体26の下部側を構成する前記回転円板78(以下、下部回転円板と呼ぶ)の外周部に、円周方向等間隔で複数の容器台80が配置されており、前記入口スターホイール24から供給された容器18は、これら容器台80上に順次載せられ、回転体26の回転によって回転搬送される。
【0036】
前記回転円筒部材76の上端には、直立した連結部材82によって上下に連結された2枚の水平な回転円板(上部回転円板84と中間回転円板86)が取り付けられ、回転円筒部材76および前記下部回転円板78と一体的に回転する。前記回転円筒部材76および上中下3枚の回転円板84、86、78等からなる回転体26は、回転円筒部材76の下端外周に固定されたギヤ88を介して、図示しない駆動手段からの駆動を伝達されて回転する。中間回転円板86の外周部の下面側に、円周方向等間隔でマンドレル28が回転自在に支持されている。マンドレル28と前記容器台80とは上下の位置が一致しており、回転体26の回転により、上下の位置を一致させた状態のまま回転(公転)する。これらマンドレル28は、中間回転円板86の上面に設置されたマンドレル回転用のサーボモータ90によって回転される。このマンドレル回転用サーボモータ90は、図示しない制御手段によって制御されており、マンドレル28の回転(自転)、位置決め等の制御が行われる。
【0037】
マンドレル28は、樹脂製ラベル2を供給する移送ドラム10と同じ高さに配置されており、回転体26の回転により移送ドラム10の位置(ラベル受け渡し位置S)に到達したマンドレル28に樹脂製ラベル2が受け渡される。このマンドレル28の外径は、前記容器18の外径より若干大きくしている。マンドレル28には、外面側を向けて多数の吸引孔(図示を省略)が形成されて、図示しないバキューム源に接続されており、これら吸引孔から吸引することにより外周面にラベル2を吸着して保持することができる。
【0038】
各マンドレル28の中心部を貫通して、下端にトップロケータ92が固定された昇降軸94が挿通されている。この昇降軸94の上端部に、連結ブロック96が取り付けられ、さらに、この連結ブロック96の、回転体26の半径方向内方側にスライダ98が固定されている。このスライダ98は、前記上部回転円板84とその下方に連結部材82を介して連結された環状プレート99の外面側に取り付けられている垂直なガイドレール100に係合し、昇降軸94およびトップロケータ92の昇降を案内する。また、前記連結ブロック96の、回転体26の外方側を向いた面にカムフォロア102が取り付けられており、回転体26の外側に固定されている環状カム104のカム溝104aに係合し、このカム溝104aの形状に応じてトップロケータ92および昇降軸94が昇降する。
【0039】
上方のマンドレル28と下方の容器台80に載せられた容器18との間を昇降可能なピッカ106が設けられている。このピッカ106は、下部回転円板78を上下に貫通する昇降ロッド108の上端に、水平な取付板110を介して取り付けられている。この昇降ロッド108の下端には連結ブロック112が固定され、この連結ブロック112の、回転体26の半径方向内方側にスライダ114が取り付けられている。また、半径方向外方側にはカムフォロア116が取り付けられている。このカムフォロア116は、容器搬送装置16の外側の固定台118に取り付けられている環状の板カム120に係合し、この板カム120の形状に応じて昇降し、昇降ロッド108とともにピッカ106を昇降させる。
【0040】
下部回転円板78の下面側には、鉛直方向の連結部材122を介して2枚の水平な環状プレート124、126が固定され、これら環状プレート124、126の外面に垂直なガイドレール128が取り付けられている。前記スライダ114がこのガイドレール128に係合し、昇降ロッド108およびピッカ106の昇降を案内する。さらに、ピッカ106は開閉できるようになっており、閉じたときにマンドレル28に巻き付けられているラベル2を保持する。ピッカ106は、2本のアーム130、130の先端に取り付けた一対の保持部材132、132を備えており(図6参照)、これら両アーム130、130がそれぞれ前記下部回転円板78を貫通する2本のロッド134、134の上端に取り付けられている。両ロッド134、134の外周にギヤ136、136が設けられて互いに噛み合っており、一方のロッド134を回転させると、両ロッド134、134およびアーム130、130が互いに逆方向へ回転し、一対の保持部材132、132が開閉する。一方のロッド134にレバー138が固定され、このレバー138の先端にカムフォロア140が取り付けられている。回転体26の外側の固定台118上にピッカ開閉カム142が設置されており、この開閉カム142によって前記レバー138を揺動させることによりロッド134およびギヤ136が回転し、ピッカ106の両保持部材132、132が開閉する。
【0041】
ピッカ106は、図6に示すように、開放したときにはマンドレル28(または容器18)の外面から離れており、閉じたときにはマンドレル28および容器18の外径より若干大きい内径を有する円形となる。この閉じた状態のピッカ106の中心と、上方のマンドレル28の軸心と、下方の容器台80上に載せられた容器18の軸心が同一軸線上に位置するようになっている。各ピッカ106は、バキュームチューブ144を介して図示しないバキューム源に接続されており、内面側に向けて形成された吸引孔132aによって、マンドレル28に巻き付けられた円筒形の樹脂製ラベル2の外面側を吸着することができる。
【0042】
容器搬送装置16の、前記移送ドラム10からラベル2の受け渡しを受ける位置Sのやや下流側に、加熱手段146が配置されている。マンドレル28に巻き付けられて、前端部分2b上に重なり合った状態になっている樹脂製ラベル2の後端部分2aを、この加熱手段146によって加熱して、糊の付着されていない末端2aaを硬化させる(図9(a)、(b)参照)。この加熱手段146の構造について、図5および図7(a)、(b)により説明する。回転体26の外方に固定台118が設置され、この固定台118の上方に加熱手段146が配置されている。固定台118上に設置され、直立した支柱148によって支持されている水平な下部支持プレート150と上部支持プレート152の間に、垂直な中心軸154が回転自在に支持されている。下部支持プレート150の下面側に加熱手段駆動用のサーボモータ156が取り付けられており、このサーボモータ156の駆動が、プーリ158、ベルト160、プーリ162を介して中間軸164に伝達され、さらに、中間軸164に固定したギヤ166が前記中心軸154の下端に設けたギヤ168に噛み合って、中心軸154に駆動用サーボモータ156の回転が伝達される。
【0043】
この中心軸154の上下に水平な十字状回転体170A、170Bが取り付けられて一体的に回転する。上下の十字状回転体170A、170Bの各先端部170aが、鉛直方向の連結ピン172によって連結されている。これら各連結ピン172に垂直な板状部材174の一端が回動可能に連結され、さらに、この垂直板状部材174の他端(回動端)にそれぞれヒータ176が固定されている。この実施例では、十字状回転体170A、170Bの4箇所の先端部170aにヒータ176が設けられている。垂直板状部材174の先端(ヒータ176が固定されれている端部)の下端にカムフォロア178が取り付けられている。十字状回転体170A、170Bの下方側に、水平なカムプレート180が配置され、このカムプレート180の上面にカム溝180aが形成されており、前記カムフォロア178がこのカム溝180aに係合している。このカム溝180aの形状により、ヒータ176は、マンドレル28に巻き付けられた樹脂製ラベル2の後端部分2aと前端部分2bとの重ね合わせた部分に所定区間追従して移動することができる。この加熱手段146のヒータ176は前記回転体26に設けられているマンドレル28と同じ高さに配置されるとともに、樹脂製ラベル2の後端部分2aと当接する平坦な面を有している。この実施例装置では、マンドレル28に巻き付けられ両端部2a、2bを接着されて筒状に成形された樹脂製ラベル2が、容器18の周囲に装着された後シュリンクトンネル34に導入されて加熱されることにより、樹脂製ラベル2が収縮して容器18の外面に密着する。このシュリンクトンネル34での加熱温度が例えば90℃であった場合に、ヒータ176は、それよりも高い温度(例えば180℃)で加熱するようになっている。また、樹脂製ラベル2が溶着する時間よりも短い時間接触させるようにしている。
【0044】
以上の構成に係る樹脂製ラベル装着装置の作動について説明する。ラベルスタンド(図示せず)に保持されたロールラベルから繰り出された長尺の樹脂製ラベル2は、複数のローラ4を介して一対の回転部材6A、6Bを備えたカッタ6に送られて、容器18のサイズに応じた所定の長さに切断される。切断されたラベル2は、受け渡し位置Tで受け渡しドラム8を介してラベル移送ドラム10に引き渡される。移送ドラム10には、樹脂製ラベル2の後端部分2aを保持する突起部12aを有するラベル保持部12が設けられており、前記切断された樹脂製ラベル2の前端部分2bが先ず移送ドラム10の外面に吸着され、続いて、前端部分2bに続く中間部分も吸着保持された後、樹脂製ラベル2の後端部分2aが前記突起部12a上に載って、ホットメルトを塗布する領域以外に開口している吸引口10eから吸引されて保持される。
【0045】
移送ドラム10のラベル保持部12に保持された樹脂製ラベル2が、移送ドラム10の回転によって次の糊塗布手段14の位置に移送される。糊塗布手段14は、このラベラを運転していないときには、エアシリンダ64によって後退させてホットメルトコーティングヘッド66の吐出口66aが移送ドラム10側に接触しないようにしておく。そして、運転時には、この糊塗布手段14を移送ドラム10側に向けて前進させて、ホットメルトコーティングヘッド66の吐出口66aが形成されている平坦面66cを、樹脂製ラベル2の、ラベル保持部12の突出部12aに保持された部分に接触させる。
【0046】
樹脂製ラベル2の後端部分2aを保持している突出部12aは、回転方向前方側が傾斜面12acになっているので、回転してきた移送ドラム10の突出部12a上の樹脂製ラベル2とホットメルトコーティングヘッド66の平坦面66cとが干渉することなくスムーズに接触を開始する。
【0047】
前記ホットメルトコーティングヘッド66の平坦面66cが樹脂製ラベル2に接触を開始すると、制御装置からの信号により糊供給手段68から糊塗布手段14へ糊が供給され、ホットメルトコーティングヘッド66の吐出口66aから吐出されて樹脂製ラベル2に塗布される。塗布を開始するタイミングは、移送ドラム10の位置信号(エンコーダのパルス信号)によって決められるようになっており、樹脂製ラベル2の後端部分2aを保持している突出部12aが所定の位置に到達したことが検出されると、糊の吐出を開始し、その後、タイマーによって計測し、所定時間経過後糊の吐出を停止する。樹脂製ラベル2に塗布する幅が大きい場合にはそれに応じて長い時間糊を吐出する。この実施例では、必要とする塗布幅(回転方向の幅)に塗布するだけの時間の糊を吐出せず、その時間よりも僅かに短い時間だけ吐出して停止する。必要とする塗布幅の残りの部分は、吐出口66aに残留している糊を樹脂製ラベル2によって拭き取るようにして塗布が行われる。従って、糊は、樹脂製ラベル2の後端部分2aの末端2aaには塗布されず、糊の付着していない領域が残される(図10(a)参照)。
【0048】
移送ドラム10のラベル保持部12に保持された樹脂製ラベル2が、マンドレル28を介して容器18に装着される工程について、前記各図および図7によって説明する。
【0049】
容器搬送装置16の回転体26には、下部側の回転円板78に円周方向等間隔で容器台80が配置されており、各容器台80に入口スターホイール24から容器18が供給される。この容器18は、供給コンベヤ20によって搬送され、インフィードスクリュー22によって所定の間隔に切り離された後、入口スターホイール24を介して容器搬送装置16の容器台80上に供給される(図8(a1)参照)。容器18が供給された容器台80は、回転体26の回転によって回転搬送される。容器台80上に容器18が供給されると、トップロケータ昇降用カム104によって昇降ロッド94およびトップロケータ92が下降され、トップロケータ92によって容器18の頭部が押さえられ安定して保持される(図8(a2)参照)。その後、容器台80上に載せられた容器18は、上方のマンドレル28が移送ドラム10から樹脂製ラベル2を受け渡す位置Sに到達する(図1および図8の区間Aが容器供給区間である)。容器18が容器台80上に供給される間は、ピッカ106は上昇してマンドレル28の周囲に位置している。また、このピッカ106は開放している。
【0050】
回転体26の回転により、容器18が供給された容器台80が移送ドラム10と対向する位置(ラベル受け渡し位置S)に到達すると、その容器18の上方に位置しているマンドレル28に、移送ドラム10のラベル保持部12に保持されている樹脂製ラベル2が受け渡される。容器搬送装置16と移送ドラム10は同期運転されており、容器搬送装置16のマンドレル28と移送ドラム10のラベル保持部12とがラベルの受け渡し位置Sに到達すると、先ず、ラベル保持部12に保持されている樹脂製ラベル2の前端部分2bが、回転体26の回転によって回転移動(公転)しているマンドレル28の外面に当接する。マンドレル28はサーボモータ90の駆動によって回転(自転)するとともに、外面の吸引孔から吸引しており、その外面に樹脂製ラベル2の前端部分2bが当接すると、先ず前端部分2bが吸着され、移送ドラム10の回転とマンドレル28の公転および自転によって樹脂製ラベル2がマンドレル28に巻き取られる。
【0051】
マンドレル28の吸引によって前端部分2bが保持された樹脂製ラベル2が巻き取られるとともに、移送ドラム10はラベル保持部12の吸引を解除する。樹脂製ラベル2は、マンドレル28の円周よりも長いサイズに切断されており、先に吸着された前端部分2b上に後端部分2aが重ね合わされ、前記糊塗布手段14によって樹脂製ラベル2の後端部分2aに塗布された糊によって、前端部分2b上に接着される(図8(b)参照)。図1および図8の区間Bがラベル巻き付け区間である。樹脂製ラベル2の後端部分2aに塗布された糊は、前述のように、末端2aaには塗布されていないので(図10(a)参照)、後端部分2aの末端2aaが前端部分2bに接着されず浮いた状態になっている(図10(b)参照)。なお、移送ドラム10からマンドレル28へ樹脂製ラベル2を受け渡す時点では、ピッカ106を、図5の左側および図8(b)に示すように、ピッカ昇降用のカム120によってマンドレル28よりも下方へ下降させておく。
【0052】
樹脂製ラベル2の後端部分2aを前端部分2b上に重ね合わせた状態で保持しているマンドレル28は、樹脂製ラベル2の受け渡しを終了すると回転(自転)を停止する。このとき樹脂製ラベル2の重ね合わせた部分を回転体26のほぼ半径方向外方側に向けた状態にして停止する。この状態で樹脂製ラベル2を保持しているマンドレル28が加熱手段146の位置に接近すると、図7(a)に示すカム溝180aの形状により、ヒータ176は、図9(a)に示すように、樹脂製ラベル2の後端部分2a全体(糊によって前端部分2bに接着された部分と糊が塗布されなかったために接着されず浮き上がっている末端部2aa)に、瞬間的に接触する(図8(c)参照)。ヒータ176は後の工程で行われるシュリンクトンネル34の加熱温度よりも高温(例えば、シュリンクトンネル34の加熱温度が90℃の場合に、このヒータ176による加熱温度が180℃)で、しかも、樹脂製ラベル2の両端部を溶着させない時間だけ瞬間的に接触(例えば、0.1sec)させることにより、樹脂製ラベル2の糊が塗布されていない末端2aaを含む後端部分2a全体を硬化させる(図1および図8の区間Cがヒータ176による加熱区間であり、図9(b)は前記末端2aaの硬化後の状態を示す)。
【0053】
マンドレル28に巻き付けた樹脂製ラベル2の後端部分2aを前端部分2bの上に重ね合わせた状態でこれら両端部2a、2bを接着して円筒状のラベル2を成形し、さらに、後端部分2aの接着されていない末端部2aaを硬化させた後、ピッカ106を開放した状態のままマンドレル28の高さまで上昇させる。次いで、マンドレル28の下部外周まで上昇したピッカ106を、ピッカ開閉カム142の作用によって両保持部材132、132を閉じて(図8(d)参照)、マンドレル28の周囲に巻き付けられている円筒状の樹脂製ラベル2の外面に密着させる。この状態でピッカ106の内面の吸引孔132aにバキュームを作用させるとともに、マンドレル28のバキュームを解除して、ピッカ106に樹脂製ラベル2を吸着保持させる(図1および図8の区間Dがピッカ106による樹脂製ラベル2の吸着保持区間である)。
【0054】
その後、ピッカ昇降カム120によって樹脂製ラベル2を保持しているピッカ106を下方の容器18の位置まで下降させる。このピッカ106の下降によってマンドレル28の周囲に嵌合していた円筒状の樹脂製ラベル2を、マンドレル28から抜き取って筒状のまま下方の容器18の周囲に装着する(図8(e)参照)。図1および図8の区間Eが容器18への樹脂製ラベル2の嵌装区間である。
【0055】
ピッカ106が、マンドレル28の周囲に巻き付けられていた円筒状の樹脂製ラベル2を取り外して、下方の容器18の外周面に装着した後、ピッカ106のバキュームを解除するとともに、ピッカ開閉カム142によって両保持部材132開放し、容器18と干渉しない高さまで上昇させる(図8(f)参照)。図1および図8の区間Fがピッカ106の開放および上昇区間である。
【0056】
ピッカ106が開放し、マンドレル28の周囲まで上昇した後、トップロケータ92を上昇させる(図8(g1)参照)。その後、樹脂製ラベル2が装着された容器18は、出口スターホイール30を介して排出コンベヤ32上へ搬出される(図8(g2)参照)。図1および図8の区間Gが、トップロケータ92の上昇および容器排出区間である。
【0057】
排出コンベヤ32によって搬送された容器18は、このコンベヤ32上に設けられているシュリンクトンネル34内に導入される。シュリンクトンネル34内では、前記ヒータ176よりは低い温度(例えば90℃)で、所定の時間(例えば3sec)加熱され、容器18に嵌装されている樹脂製ラベル2を収縮させる。
【0058】
なお、前記実施例では、ヒータ176を、樹脂製ラベル2の糊が塗布されていない領域の末端2aaを含む後端部分2aに極めて短時間接触させて、後端部分2aを硬化させるようにしたが、ヒータ176をやや長い時間接触させて樹脂製ラベル2の糊が塗布されていない末端2aaを前端部分2bに溶着させるようにしてもよい。なお、その場合のヒータ176の加熱温度はシュリンクトンネル34の加熱温度と同等であっても良い。また、糊を塗布する手段もホットメルトコーティングヘッドに限るものではなく、全周に後が付着されたローラを樹脂製ラベル2に接触させる塗布ローラなど別の塗布手段を用いて、樹脂製ラベル2の後端部分2aの末端部まで糊を塗布して、糊が塗布された領域を加熱硬化させても良い。さらに、前記実施例では、一旦マンドレル28に巻き付けて、後端部分2aを前端部分2bに接着して筒状に成形した後、マンドレル28から取り外して容器18に装着するようにしたが、ラベル移送ドラム10から直接容器18に巻き付けるようにしても、本発明を適用することは可能である。なお、この実施例では、加熱手段146を、マンドレル28の移動経路の1箇所に配置して、各マンドレル28に巻き付けられている樹脂製ラベル2の後端部分2aを加熱して硬化させるようにしているが、各マンドレルに対応してヒータを設けるようにすれば、高速運転に対応することも可能である。また、前記実施例では、マンドレル28を容器台80の上方に配置しているが、容器台80の上方に限るものではなく、容器台80の下方に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0059】
2 樹脂製ラベル
2a 樹脂製ラベルの後端部分
2b 樹脂製ラベルの前端部分
10 移送ドラム
14 糊塗布手段
26 回転体
28 マンドレル
34 加熱収縮手段(シュリンクトンネル)
80 容器台
90 駆動手段
106 嵌装手段(ピッカ)
146 加熱手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製ラベルを保持して移送する移送ドラムと、この移送ドラムに保持されている樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する糊塗布手段と、回転体に複数設けられ、前記移送ドラムから樹脂製ラベルを受け取って巻き取り、その樹脂製ラベルの後端部分を前端部分に重ね合わせて接着し筒状に成形して吸着保持するマンドレルと、これらマンドレルをそれぞれ自転させる駆動手段と、マンドレに対応して配置されて供給された容器を載置する容器台と、マンドレルから樹脂製ラベルを取り外して容器に嵌装する嵌装手段と、容器に嵌装された樹脂製ラベルを加熱して収縮させる加熱収縮手段と、前記マンドレルによって筒状に成形された樹脂製ラベルの後端部分に接触して、接触した箇所を加熱する加熱手段とを備え、
前記加熱手段の温度を前記加熱収縮手段の温度よりも高熱に設定するとともに、樹脂製ラベルが溶着する時間よりも短い時間接触させることにより、樹脂製ラベルの後端部分を加熱して硬化させることを特徴とする樹脂製ラベル装着装置。
【請求項2】
樹脂製ラベルを保持して移送する移送ドラムと、この移送ドラムに保持されている樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する糊塗布手段と、回転体に複数設けられ、前記移送ドラムから樹脂製ラベルを受け取って巻き取り、その樹脂製ラベルの後端部分を前端部分に重ね合わせて接着し筒状に成形して吸着保持するマンドレルと、これらマンドレルをそれぞれ自転させる駆動手段と、マンドレルに対応して配置されて供給された容器を載置する容器台と、マンドレルから樹脂製ラベルを取り出して容器に嵌装する嵌装手段と、容器に嵌装された樹脂製ラベルを加熱して収縮させる加熱収縮手段と、前記マンドレルによって筒状に成形された樹脂製ラベルの後端部分に接触して、接触した箇所を加熱溶着する加熱手段とを備えたことを特徴とする樹脂製ラベル装着装置。
【請求項3】
樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する工程と、マンドレルの外周に樹脂製ラベルを巻き付けて、樹脂製ラベルの後端部分を前端部分に重ねた筒状に成形する工程と、樹脂製ラベルの後端部分を加熱する工程と、筒状の樹脂製ラベルをマンドレルから取り外して容器に嵌装する工程と、樹脂製ラベルを加熱収縮する工程とを有し、
樹脂製ラベルの後端部分を加熱する温度を、樹脂製ラベルを加熱収縮する温度よりも高温に設定するとともに、樹脂製ラベルが溶着する時間よりも短い時間加熱することにより、樹脂製ラベルの後端部分を加熱して硬化させることを特徴とする樹脂製ラベル装着方法。
【請求項4】
樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する工程と、マンドレルの外周に樹脂製ラベルを巻き付けて、樹脂製ラベルの後端部分を前端部分に重ねた筒状に成形する工程と、樹脂製ラベルの後端部分を加熱溶着する工程と、筒状の樹脂製ラベルをマンドレルから取り外して容器に嵌装する工程と、樹脂製ラベルを加熱収縮する工程とを有することを特徴とする樹脂製ラベル装着方法。
【請求項5】
樹脂製ラベルを保持して移送する移送ドラムと、この移送ドラムに保持されている樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する糊塗布手段と、供給された容器を載置する容器台と、容器台を回転させる回転手段と、容器に嵌装された樹脂製ラベルを加熱して収縮させる加熱収縮手段とを備え、容器の外周に樹脂製ラベルを巻き付け、樹脂製ラベルの後端部分を前端部分に重ね合わせて接着した後、樹脂製ラベルを加熱収縮させて容器に装着する樹脂製ラベル装着装置において、
筒状に成形された樹脂製ラベルの後端部分に接触して、接触した箇所を加熱する加熱手段を設け、前記加熱手段の温度を前記加熱収縮手段の温度よりも高熱に設定するとともに、樹脂製ラベルが溶着する時間よりも短い時間接触させることにより、樹脂製ラベルの後端部分を加熱して硬化させることを特徴とする樹脂製ラベル装着装置。
【請求項6】
樹脂製ラベルを保持して移送する移送ドラムと、この移送ドラムに保持されている樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する糊塗布手段と、供給された容器を載置する容器台と、容器台を回転させる回転手段と、容器に嵌装された樹脂製ラベルを加熱して収縮させる加熱収縮手段とを備え、容器の外周に樹脂製ラベルを巻き付け、樹脂製ラベルの後端部分を前端部分に重ね合わせて接着した後、樹脂製ラベルを加熱収縮させて容器に装着する樹脂製ラベル装着装置において、
筒状に成形された樹脂製ラベルの後端部分に接触して、接触した箇所を加熱溶着する加熱手段を備えたことを特徴とする樹脂製ラベル装着装置。
【請求項7】
樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する工程と、容器の外周に樹脂製ラベルを巻き付けて、後端部分を前端部分に重ね合わせた筒状に成形する工程と、樹脂製ラベルの後端部分を加熱する工程と、樹脂製ラベルを加熱収縮する工程とを有し、
ラベル後端部分を加熱する温度を、ラベルを加熱収縮する温度よりも高温に設定するとともに、樹脂製ラベルが溶着する時間よりも短い時間加熱することにより、樹脂製ラベルの後端部分を加熱して硬化させることを特徴とする樹脂製ラベル装着方法。
【請求項8】
樹脂製ラベルの後端部分に糊を塗布する工程と、容器の外周に樹脂製ラベルを巻き付けて、後端部分を前端部分に重ね合わせた筒状に成形する工程と、樹脂製ラベルの後端部分を加熱溶着する工程と、樹脂製ラベルを加熱収縮する工程とを有することを特徴とする樹脂製ラベル装着方法。
【請求項9】
樹脂製ラベルの後端部分に塗布された糊を、樹脂製ラベルの前端部分に重ね合わせて接着した筒状の樹脂製ラベルにおける、後端部分を加熱して硬化させた後に、硬化させた加熱温度よりも低温で加熱収縮された樹脂製ラベルが装着された容器。
【請求項10】
樹脂製ラベルの後端部分に塗布された糊を、樹脂製ラベルの前端部分に重ね合わせて接着した筒状の樹脂製ラベルにおける、後端部分を加熱して溶着させた後に、加熱収縮された樹脂製ラベルが装着された容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−103739(P2013−103739A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248699(P2011−248699)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(393028357)シブヤマシナリー株式会社 (77)
【Fターム(参考)】