説明

樹脂製容器

【課題】液体を収容させる樹脂製容器であって、排出されずに残存する液体量を低減できる樹脂製容器を提供する。
【解決手段】樹脂製容器1は、底板20、底板の外周から立ち上がった円筒状の胴部30、及び、胴部の上端を閉塞する天板40が一体成形された容器本体10と、天板に開口する注出口45を介して容器本体内に挿入されたパイプ71とを具備し、容器本体は、底板に凹状に形成された、注出口の中心から容器高さ方向に延ばした仮想軸線X上に中心が位置しない凹部50と、底板に形成された、凹部に至る樋状の溝部60とを備え、パイプは、上端から下端に向かって湾曲しており、下端が、凹部の内周面52における注出口側とは反対側の内周面と、凹部の底面51との境界55に押し当てられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を収容させる樹脂製容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブロー成形によりドラム缶状に一体成形された樹脂製容器に、工業用薬品などの液体を収容させて保存や運搬を行う場合、液体の排出に際してパイプを使用することがある。従来では、図5(a)に示すように、樹脂製容器100の天板120に設けられた注出口125に一端が取り付けられたパイプ150を、底板110に向かって真っ直ぐ下ろして液体を排出していた。液体の排出の方法は、ポンプをパイプに接続して液体を吸引する方法(以下、「吸引式」と称する)と、容器内に気体を送入することにより液体を加圧し、パイプを介して液体を押し出す方法(以下、「圧送式」と称する)に大別される。
【0003】
一体成形された樹脂製容器の底板には、凹凸が形成されているのが一般的である。そのため、従来の樹脂製容器では、凸部によりパイプの下端位置と隔てられた凹面に存在する液体は、排出されずに残ってしまうという問題があった。一般的な樹脂製容器における底板の凹凸の高さは、さほど大きなものではないが、容器が大容量となるほど底板の面積が大きくなるため、残液の体積も大きなものとなる。例えば、容量200リットルの従来の樹脂製容器では、吸引式で液体を排出した場合の残液量は1.5リットル以上に達する。
【0004】
また、圧送式で液体を排出する場合は、図5(b)に示すように、樹脂製容器100の内部の圧力の上昇によって底板120が外側に膨らむため、パイプ150の下端が底板110から離れてしまう。加えて、天板120も外側に膨らんで注出口125が傾き、これに伴ってパイプ150が傾斜するため、パイプ150の下端は底板110からより大きく離れてしまう。そのため、圧送式の場合は、液体の排出に伴い液面の高さがパイプ150の下端より低くなった時点で、液体を排出することができなくなってしまい、残液量が多い。例えば、容量200リットルの従来の樹脂製容器では、圧送式で液体を排出した場合の残液量は、約5リットルに達する。
【0005】
樹脂製容器から排出されずに残った液体は、廃棄の対象となるため資源として無駄となる。また、工業用薬品には非常に高価な液体も多いため、コスト削減の点からも、残液量を低減する技術に対する要請があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、排出されずに残存する液体量を低減できる樹脂製容器の提供を、課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明にかかる樹脂製容器は、
「底板、該底板の外周から立ち上がった円筒状の胴部、及び、該胴部の上端を閉塞する天板が一体成形された容器本体と、
前記天板に開口する注出口を介して前記容器本体内に挿入されたパイプとを具備し、
前記容器本体は、
前記底板に凹状に形成された、前記注出口の中心から容器高さ方向に延ばした仮想軸線上に中心が位置しない凹部と、
前記底板に形成された、前記凹部に至る樋状の溝部とを備え、
前記パイプは、
上端から下端に向かって湾曲しており、
下端が、前記凹部の内周面における前記注出口側とは反対側の内周面と、前記凹部の底面との境界に押し当てられている」
ものである。
【0008】
凹部の中心は、注出口の中心から容器高さ方向に延ばした仮想軸線上に位置しないことから、凹部は注出口の直下には位置しない。そして、パイプは、注出口から凹部に向かって湾曲させるために、樹脂製容器の高さ(内寸)に比べて十分長いものが使用される。
【0009】
湾曲している分だけ余剰の長さを有するパイプには、注出口と凹部との間で突っ張るような力が作用する。そのため、パイプの下端は、凹部の内周面における注出口側とは反対側の内周面(以下、「反対側内周面」と称することがある)と、凹部の底面との境界に向かって押し付けられる。そして、圧送式で液体を排出する際に天板や底板が膨出しても、パイプは余剰の長さを有するため、凹部の反対側内周面と底面との境界(以下、「反対側境界部」と称することがある)に、パイプの下端が押し当てられた状態が維持される。
【0010】
従って、上記構成の本発明では、天板や底板が膨出したとしても、パイプの下端は、凹部の反対側境界部に常時とどまる。そして、液体を排出する処理の最終的な段階においては、残り少なくなった液体は底板において低い部分である凹部に集まる。
【0011】
加えて、本発明は、凹部に至る溝部が底板に形成されているため、仮に底板が凹凸を有するものであって、凸部によってパイプの下端位置と隔てられた凹面が存在しても、凹面の液体は溝部を介して凹部に流入しやすい。
【0012】
そして、凹部内の液体は、下端を反対側境界部に位置させているパイプを介して、ほぼ全量が排出される。これにより、樹脂製容器内のほぼ全量の液体を排出することが可能となり、従来に比べて残液量を大幅に低減することができる。
【0013】
本発明にかかる樹脂製容器は、上記構成において、「前記凹部は、前記底板の中央に形成されている」ものとすることができる。
【0014】
本発明では、凹部の中心が、注出口の中心から容器高さ方向に延ばした仮想軸線上に位置しない構成を採用しているため、凹部が底板の中央に位置する本構成では、注出口は天板において偏心した位置に設けられる。
【0015】
凹部は、底板において低い部分であり、液体の排出に際して最終段階まで液体が残留する部分である。このような凹部が底板の中央に位置することにより、樹脂製容器のバランスが良く、姿勢が安定する。
【0016】
本発明にかかる樹脂製容器は、上記構成に加え、「前記容器本体は、前記底板の外周から下方に向かって、前記凹部の底面より低い高さまで突設された環状部を」更に具備するものとすることができる。
【0017】
本構成の樹脂製容器は、少なくとも底板が膨出していない状態で、環状部によって接地することとなる。これにより、凹部の底面で接地する場合に比べて、樹脂製容器の姿勢が安定する。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明の効果として、排出されずに残存する液体量を低減できる樹脂製容器を、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態の樹脂製容器の部分断面正面図である。
【図2】図1の樹脂製容器について、内部の圧力が上昇した場合の部分断面正面図である。
【図3】図1の樹脂製容器の平面図である。
【図4】図1の樹脂製容器の底板近傍の斜視図である。
【図5】従来の樹脂製容器における液体の排出を説明する(a)部分断面正面図、及び、(b)内部の圧力が上昇した場合の部分断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態である樹脂製容器1について、図1乃至図4を用いて説明する。樹脂製容器1は、底板20、底板20の外周から立ち上がった円筒状の胴部30、及び、胴部30の上端を閉塞する天板40が一体成形された容器本体10と、天板40に開口する注出口45を介して容器本体10内に挿入されたパイプ71とを具備している。この構成において、容器本体10は、底板20に凹状に形成された、注出口45の中心から容器高さ方向に延ばした仮想軸線X上に中心が位置しない凹部50と、底板20に形成された、凹部50に至る樋状の溝部60とを備えている。また、パイプ71は、上端から下端に向かって湾曲しており、下端が、凹部50の内周面52における注出口45側とは反対側の内周面と、凹部50の底面51との境界(反対側境界部55)に押し当てられている。
【0021】
より詳細に説明すると、容器本体10は、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂のブロー成形により一体成形されている。この容器本体10は、上記構成に加え、底板20の外周から下方に向かって突設された下環状部27と、天板40の外周から上方に向かって突設された上環状部47とを具備している。ここで、樹脂のブロー成形により一体成形された容器本体10において、底板20、胴部30、及び、天板40の境界は必ずしも明確ではない。そのため、「底板20の外周」は「胴部30の下端の外周」と、「天板40の外周」は「胴部30の上端の外周」と捉えることもできる。なお、本実施形態の「下環状部27」が本発明の「環状部」に相当する。
【0022】
凹部50は底板20の中央に設けられており、円形の底面51と、底面51の外周から立ち上がり、上方に向かって僅かに拡径した円筒状の内周面52とを有している。この凹部50の底面51が、底板20における最下面である。また、上述の下環状部27は、凹部50の底面51より低い高さまで突設されている。すなわち、容器本体10内の圧力が上昇していない状態では、凹部50の底面51は接地面より高い位置にあり、下環状部27の下端面で接地する。
【0023】
底板20は、外周に沿った円環状の第一底板面21と、第一底板面21から内側に向かって僅かに盛り上がって凹部50の上端縁に至る第二底板面22を備えている。このように、底板20が外周から少し盛り上がってから凹部50に至る形態は、下環状部27が突出する長さを小さくしても、下環状部27の下端面を凹部50の底面51より低い高さにすることができる利点がある。すなわち、下環状部27の突出長さが小さければ、樹脂製容器1全体の重量を支えるための機械的強度を下環状部27が備え易いものとなり、成形型の形状も複雑化しないためブロー成形が容易である。
【0024】
溝部60は、その底面の高さが第一底板面21とほぼ等しく、第一底板面21と凹部50とをつなぐように、底板20の径方向に形成されている。本実施形態では溝部60は2本形成されており、その2本は凹部50を挟んで、底板20の直径である同一線上に形成されている。また、ブロー成形においては、一対の割り型の接合部に沿って、両側が少し盛り上がった断面V字状の溝線、いわゆる「パーティングライン」が形成される。本実施形態の溝部60は、パーティングライン29に交差する方向に形成されている。
【0025】
注出口45は、容器本体10内に液体を注入し排出するための開口部であり、本実施形態では2つ設けられている。2つの注出口45は、天板40の直径である同一線上に、天板40の中心からそれぞれ等距離はなれて位置している。従って、注出口45の中心から容器高さ方向に延ばした仮想軸線X上に、凹部50の中心(本実施形態では底板20の中心)は位置しない。それぞれの注出口45は、天板40から上方に向かって円筒状に突出しており、内周面にネジ溝が形成されている。
【0026】
パイプ71は、2つの注出口45の内の一方に、口栓プラグ75を介して取り付けられている。口栓プラグ75の外周面にはネジ山が形成されており、このネジ山と注出口45のネジ溝との螺合により注出口45に嵌め込まれる。パイプ71の上端は口栓プラグ75に接続されるが、口栓プラグ75は自身の回転に伴ってパイプ71を回転させない構成となっている。また、口栓プラグ75は、外部のパイプ(図示しない)を着脱自在に接続させて、外部のパイプと容器本体10内部のパイプ71とを連通させられる構成となっている。
【0027】
パイプ71は、樹脂製で可撓性を有している。パイプ71の長さは、上端が口栓プラグ75を介して注出口45に取り付けられると共に、下端が凹部50の底面51に達した状態で、パイプ71が湾曲する長さである。そして、湾曲している分だけ余剰の長さを有するパイプ71には、注出口45と凹部50との間で突っ張るような力が作用するため、パイプ71の下端は反対側境界部55に押し当てられる。
【0028】
上記構成の樹脂製容器1では、凹部50の底面51が底板20における最下面であるため、パイプ71を介した排出により残り少なくなった液体は、凹部50内に流入する。本実施形態では、底板20において第一底板面21と凹部50との間に、第一底板面21より高い第二底板面22が存在するが、第一底板面21と凹部50とをつなぐ溝部60が形成されているため、第一底板面21上に液体が残留することなく、溝部60を介して凹部50に液体が流入する。
【0029】
加えて、底板20には盛り上がったパーティングライン29が存在するため、残り少なくなった液体はパーティングライン29を超えることができず、第一底板面21においてパーティングライン29の両側に液体が残留しやすいおそれがあるところ、本実施形態ではパーティングライン29と交差する方向に溝部60が形成されている。これにより、第一底板面21においてパーティングライン29によって隔てられた両側から、溝部60を介して液体が凹部50に流入する。
【0030】
そして、パイプ71の下端は、凹部50において底面51と内周面52との境界に位置しているため、凹部50に流入した液体のほぼ全量を、パイプ71を介して排出することができる。これにより、容器本体10内に収容された液体のほぼ全量を、パイプ71を介して排出することができる。
【0031】
また、圧送式で液体を排出する場合は、外部から容器本体10内に気体を送入する。気体の送入は、パイプ71が取り付けられていない方の注出口45を介して行うことができる。あるいは、口栓プラグ75が、容器本体10内からパイプ71を介して外部へ液体を排出するための流通路に加えて、外部から容器本体10内に気体を送入するための流通路を備える構成の場合、パイプ71が取り付けられていない方の注出口45を密栓しておき、口栓プラグ75を介して容器本体10内に気体を送入しても良い。
【0032】
容器本体10内への気体の送入により、気体容器本体10内の圧力が上昇すると、これに伴い、図2に示すように、天板40及び底板20が外側に膨らむ。これにより、注出口45と凹部50の底面51との距離が長くなる。加えて、天板40が膨出することにより、注出口45及びこれに嵌め込まれた口栓プラグ75が傾き、口栓プラグ75に接続されたパイプ71の上端近傍が傾斜する。
【0033】
しかしながら、湾曲しているパイプ71は余剰の長さを有するため、天板40や底板20が膨出しても、パイプ71に対して注出口45と凹部50との間で突っ張るような力が作用し続け、パイプ71の下端は凹部50の反対側境界部55に常時とどまる。
【0034】
ここで、容器本体10内部における最大高さ(凹部50の底面51と注出口45の上端との間の軸方向の距離)をLとし、注出口45の中心と凹部50の反対側境界部55との間の軸方向に直交する方向の距離をNとする。天板40及び底板20が膨出していない状態では、パイプ71の長さは(L+N1/2より長いことが必要である。また、その状態でパイプ71の長さは、(L+N)以下であることが望ましい。そして、天板40及び底板20がそれぞれ膨出した状態における反対側境界部55と注出口45との距離より、パイプ71を長く設定することにより、圧送式の液体排出であっても、パイプ71の下端を凹部50の反対側境界部55に位置させることができる。天板40及び底板20が膨出する前後での、反対側境界部55と注出口45との距離の変化を、種々の容量の樹脂製容器で検討した結果を考慮し、パイプ71の長さは、(L+N1/2の103%から(L+N)の範囲とすると好適である。なお、口栓プラグのサイズは種々となり得るため、注出口の上端からパイプの下端までの長さを「パイプの長さ」として定義している。
【0035】
また、検討の結果、パイプ71の下端を反対側境界部55にとどめるには、パイプ71の長さを、パイプ71の凹部50への進入角度θ(パイプ71の下端近傍と凹部50の底面51とのなす角度)を35°±20°に設定することができる長さとすることが有効であった。これは、注出口45と凹部50との間で突っ張ったような状態にあるパイプ71の下端に作用する力における、凹部50の底面51に向かう方向の分力と、凹部50の内周面52に向かう方向の分力とのバランスによるものと考えられた。
【0036】
以上のように、本実施形態の樹脂製容器1によれば、従来の樹脂製容器では残液量の多かった圧送式であっても、凹部50に流入した液体のほぼ全量を、パイプ71を介して排出することができ、ひいては、容器本体10内に収容された液体のほぼ全量を、パイプ71を介して排出することができる。
【0037】
実際に、本実施形態の構成を備える容量200リットルの樹脂製容器に収容された液体を、圧送式で排出したところ、排出されずに残存した液体は50ミリリットル以下であった。これは、同容量の従来の樹脂製容器について圧送式で液体を排出した場合の残液量5リットルと比較すると、100分の1以下であって極めて微量である。
【0038】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0039】
例えば、上記の実施形態では、2つの溝部60が底板の直径方向に形成された場合を例示したが、これに限定されず、より多数の溝部を凹部周りに放射状に設けることができる。また、溝部の深さが凹部に向かって徐々に増すように形成してもよい。
【0040】
更に、上記の実施形態では、2つの注出口45を備える場合を例示したが、これに限定されず、注出口は1つであっても良い。注出口が1つの場合も、上述のように、外部から容器本体内に気体を送入するための流通路と、容器本体内からパイプを介して外部へ液体を排出するための流通路とを兼ね備える口栓プラグを使用すれば、圧送式で液体を排出することができる。
【0041】
また、上記の実施形態では、パイプ71が取り付けられる注出口45が天板40において偏心しており、凹部50が底板20の中央に設けられる場合を例示したが、これに限定されず、注出口の中心から容器高さ方向に延ばした仮想軸線上に凹部の中心が位置しなければよい。例えば、注出口が天板において偏心しており、凹部が底板において反対方向に偏心している構成とすることができる。或いは、注出口が天板の中心に位置し、凹部が底板において偏心している構成とすることができる。
【0042】
更に、上記の実施形態では、凹部50の内周面52が上方に向かって僅かに拡径した円筒状である場合を例示したが、これに限定されず、凹部の底面の外周円と同一径の直円筒状であっても良い。内周面が上方に向かって拡径した円筒状である場合は、凹部の成形性に優れる利点がある一方、内周面が直円筒状である場合は、押し当てられたパイプの先端を反対側境界部に保持するストッパ的な作用がより高い利点がある。
【0043】
加えて、上記の実施形態では、凹部50が平面視で円形の場合を例示したが、底面と内周面との境界にパイプの下端を当接させることができれば、形状は特に限定されるものではない。例えば、楕円形や多角形の底面と、その底面の外周から立ち上がった内周面を有する凹部であっても良い。なお、上述のように、樹脂のブロー成形により形成されることから、凹部の「底面と内周面との境界」は、必ずしも明瞭な境界線があらわれない場合を含む概念である。
【符号の説明】
【0044】
1 樹脂製容器
10 容器本体
20 底板
27 下環状部(環状部)
30 胴部
40 天板
45 注出口
50 凹部
55 反対側境界部(凹部の内周面における注出口側とは反対側の内周面と、凹部の底面との境界)
60 溝部
71 パイプ
X 注出口の中心から容器高さ方向に延ばした仮想軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板、該底板の外周から立ち上がった円筒状の胴部、及び、該胴部の上端を閉塞する天板が一体成形された容器本体と、
前記天板に開口する注出口を介して前記容器本体内に挿入されたパイプとを具備し、
前記容器本体は、
前記底板に凹状に形成された、前記注出口の中心から容器高さ方向に延ばした仮想軸線上に中心が位置しない凹部と、
前記底板に形成された、前記凹部に至る樋状の溝部とを備え、
前記パイプは、
上端から下端に向かって湾曲しており、
下端が、前記凹部の内周面における前記注出口側とは反対側の内周面と、前記凹部の底面との境界に押し当てられている
ことを特徴とする樹脂製容器。
【請求項2】
前記凹部は、前記底板の中央に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器。
【請求項3】
前記容器本体は、前記底板の外周から下方に向かって、前記凹部の底面より低い高さまで突設された環状部を更に具備する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−91515(P2013−91515A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235555(P2011−235555)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000105590)コダマ樹脂工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】