説明

樹脂製盤体を契合する継手

【課題】 本発明は継手がその契合後抜けたり外れたりしない手段の提案にある。
【解決手段】 契合用の孔を有する樹脂製盤体を契合する継手であって、本継手は樹脂製で継手1と継手2との組み合わせからなり、継手1は平板上に突出する環状に配列された複数の柱部1と当該柱部の頂部に設けた舌片1からなり、前記樹脂製盤体の契合用孔に柱部1が挿入され舌片1が樹脂製盤体を抑えることで一次契合とし、継手2は平板上に突出する環状に配列された複数の柱部2と当該柱部の頂部に設けた舌片2からなり、かつ柱部2は柱部1と干渉しない位置に設け、前記一次契合の環状に配列された柱部1の中心に柱部2を挿入され舌片2が樹脂製盤体を反対側から抑えることで二次契合させる樹脂製盤体を契合する継手である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製盤体を契合する継手技術に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、平板状の盤体4個をそれらの隅を突合せて契合させる、あるいは2個をそれらの辺部を突合せて契合するするオスメス継手は、平板の両面あるいは片面に棒状の突状部を設けて盤体部の表面に設けた孔にその棒状部を差し込むことで契合している。特開2009-114736にはメス継手である貫通孔の後方に鞘を設け、挿入された突状部をその鞘で補強する例が開示されている。契合後簡単に外れない強固な契合が得られる継手が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-114736
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オスメス継手はその契合を確実とするためオス継手の上部を笠状にして挿入後開いた笠によって抜けないようにしている。挿入時は閉じ、挿入後開く笠状のため薄くする必要がある。そのためその強度には限界がある。本発明は、継手がその契合後抜けたり外れたりしない手段の提案にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、契合用の孔を有する樹脂製盤体を契合する継手であって、本継手は樹脂製で継手1と継手2との組み合わせからなり、継手1は平板上に突出する環状に配列された複数の柱部1と当該柱部の頂部に設けた舌片1からなり、前記樹脂製盤体の契合用孔に柱部1が挿入され舌片1が樹脂製盤体を抑えることで一次契合とし、継手2は平板上に突出する環状に配列された複数の柱部2と当該柱部の頂部に設けた舌片2からなり、かつ柱部2は柱部1と干渉しない位置に設け、前記一次契合の環状に配列された柱部1の中心に柱部2を挿入され舌片2が樹脂製盤体を反対側から抑えることで二次契合させる樹脂製盤体を契合する継手である。
契合を強固なものとするため、契合を2重とした。
【発明の効果】
【0006】
本願発明は、一次契合と二次契合を合せることにより強固な契合が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】は、継手1を示す概念図である。
【図2】は、継手2を示す概念図である。
【図3】は、一次契合と二次契合を示す平面図である。
【図4】は、一次契合と二次契合を示す断面図である。
【図5】は、契合される盤体の契合孔の位置を示している。
【図6】は、本継手が適用できるブロックの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すように、本発明の継手1は平板に4箇所棒状の突部1が設けられている。突部の頂部には外側に向く舌部1が設けられている。従い、4個の舌部が笠状に設けられることとなる。図1aは、平面図、図1bは断面図である。突部1は、図では4個設けられているが、その設けられる箇所ごとに2個以上環状に設けられる。
【0009】
図2に示すように、本発明の継手2は平板に4箇所棒状の突部2が設けられている。突部2の頂部には外側に向いた舌部2が設けられている。従い、4個の舌部が笠状に設けられることとなる。図2aは、平面図、図2bはA-A’線での断面図である。突部2は、図では4個設けられているが、その設けられる箇所ごとに2個以上環状に設けられる。突部2は契合した時、突部1と干渉しないように45度位置を変えて設けられている。
【0010】
継手1及び継手2は突部の位置関係が異なるだけで同一に表現されているが、一次契合時、二次契合時に互いに干渉しない位置形状であれば突部の形状、舌片の形状、位置は本図に関わりなく適時決めることができる。
【0011】
図3は、本継手の一次契合、二次契合の状態を概念的に示す平面図である。
突部1及び突部2が45度ずれて配置されているため舌片の位置で分るように互いに干渉することなく契合がなされる。
【0012】
図4は、本継手の一次契合、二次契合の状態を概念的に示す断面図である。
図4aは一次契合の状態を示している。樹脂製であるため、盤体に設けた契合孔に突部が挿入される時、舌片が内側に曲がることで挿入され、舌片が契合孔から出ると再び広がることで契合がなされる。図4bは二次契合の状態を示す概念図である。本来45度ずれているが便宜上同じ向きとして表示している。樹脂製であるため、盤体に設けた契合孔に突部が挿入される時、舌片が内側に曲がることで挿入され、舌片が契合孔から出ると再び広がることで契合がなされることは一時契合のときと同じである。
【0013】
図5は、契合すべき盤体に設けた契合孔の例を示す概念図である。図5aは、盤体の片同士を突き合せて契合する例であり、図5bは、端部をつき合わせて4個の盤部を契合する例である。
【0014】
図6は本継手を使用する盤体の例であり、雨水の流出抑制あるいは利用のため使用する、雨水貯留浸透槽用に使用される充填材として使用されるブロックである。
【産業上の利用可能性】
【0015】
雨水貯留浸透施設の充填材であるブロックの契合用に使用できる。
【符号の説明】
【0016】
1 継手1
11 突部1
12 舌部1
2 継手2
21 突部2
22 舌部2
3 盤部
31 盤部に設けた契合孔
4 ブロック


【特許請求の範囲】
【請求項1】
契合用の孔を有する樹脂製盤体を契合する継手であって、本継手は樹脂製で継手1と継手2との組み合わせからなり、継手1は平板上に突出する環状に配列された複数の柱部1と当該柱部の頂部に設けた舌片1からなり、前記樹脂製盤体の契合用孔に柱部1が挿入され舌片1が樹脂製盤体を抑えることで一次契合とし、継手2は平板上に突出する環状に配列された複数の柱部2と当該柱部の頂部に設けた舌片2からなり、かつ柱部2は柱部1と干渉しない位置に設け、前記一次契合の環状に配列された柱部1の中心に柱部2を挿入され舌片2が樹脂製盤体を反対側から抑えることで二次契合させる樹脂製盤体を契合する継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−190580(P2011−190580A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55893(P2010−55893)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(306024805)株式会社 林物産発明研究所 (155)
【Fターム(参考)】