説明

樹脂部材及びその製造方法、成形型、フランジ継手、車椅子、ガレージ

【課題】所定の製品を成形するための成形型において、全体として所定の剛性を確保し、成形面に適度な弾性を与える。
【解決手段】例えば、住宅用の壁材といったコンクリート製品を成形するための成形型において、支持材2と表層3とを備える。支持材2は、FRP等の強化エポキシ樹脂から構成される。表層3は、ウレアウレタン樹脂から構成され、上記コンクリート製品を成形するための成形面3aを形成する。また、支持材2と表層3とは、一体成形されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、所定の強化樹脂を支持材とする樹脂部材と、その樹脂部材を利用した成形型、フランジ継手、車椅子及びガレージとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図8は従来のコンクリート製品の成形方法を示す図である。
従来では、住宅用の壁材等のコンクリート製品を成形する際に、図8(a)に示すような成形型19が用いられていた。
【0003】
成形型19は、例えば、鉄枠20に弾性樹脂21が接着固定されたものによって構成される。成形型19に必要な剛性は、鉄枠20によって付与されている。弾性樹脂21には、その表面(成形面21a)に、製品の表面に転写させるための模様等が形成されている。弾性樹脂21は、例えば、ポリウレタンやシリコン、ゴムを注型で成形したものから構成される。住宅用の壁材等、深絞り形状を呈する製品を成形する場合、5cm程度、或いはそれ以上の厚みを有する弾性樹脂21が鉄枠20に接着固定される。
【0004】
成形型19を用いてコンクリート製品の成形を行う場合、先ず、弾性樹脂21の成形面21aに離型剤22を塗布して離型処理を施す。次に、成形型19の内部に鉄筋23をセットして、成形型19内にコンクリート24を充填する。そして、コンクリート24が硬化すると、硬化したコンクリート24(製品)を吊り上げて成形型19から外し、必要に応じて仕上げ処理を行う。
【0005】
成形面21aを弾性樹脂21で形成するのは、製品の型離れ(脱型性)を良くするためである。しかし、従来の成形型19では、弾性樹脂21に、少なくとも、製品表面の模様や形状分の厚みが必要になるため、弾性樹脂21が肉厚になってその効果が半減するといった問題があった。特に、住宅用の壁材等のコンクリート製品は、その硬化時に膨張する特性があるため、膨張したコンクリート24が弾性樹脂21に食い込んでしまい、脱型性が大幅に悪化することがあった。
【0006】
また、成形型19では、弾性樹脂21が肉厚なために、コンクリート硬化時の膨張によって製品の寸法精度が悪化するといった問題もあった。更に、肉厚な弾性樹脂21はコンクリートの硬化熱の影響も受け易く、可塑剤が配合された弾性樹脂21が上記硬化熱によって収縮し、高精度な製品を安定して供給することが困難になるといった問題もあった。
【0007】
成形型19では、鉄枠20を使用することによる問題も発生していた。例えば、住宅用の壁材を成形する成形型19は、一辺が数mの大きさになるものがある。このため、鉄枠20のために成形型19全体の重量が増加し、成形型19の取り扱いが困難になることがあった。また、成形型19が使用できなくなった場合は、鉄枠20と弾性樹脂21とを分離して廃棄(或いは、リサイクル)しなければならない。鉄枠20と肉厚な弾性樹脂21との双方を備えた成形型19は、裁断機による破砕が困難であり、廃棄(或いは、リサイクル)のためにも多大な労力と費用とが必要になってしまう。
【0008】
一方、上記問題を解決すべく、繊維強化樹脂(FRP:Fiber Reinforced Plastic)を用いた成形型も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−70809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
繊維強化樹脂は、表面硬度及び剛性が極めて高い。このため、繊維強化樹脂を利用すれば、鉄枠(或いは、鉄板等)を用いることなく成形型を製作することができる。しかし、繊維強化樹脂によって成形型の成形面を形成すると、製品の型離れが極めて悪くなり、製品表面を損傷させてしまう恐れがあった。また、成形面を繊維強化樹脂で形成した場合は、成形面にエフロエッセンスが付着し、その除去が必要になるといった問題もあった。
【0011】
特許文献1には、上記課題を解決するために、繊維強化樹脂の表面にポリウレタンシートを貼り付けることが記載されている。しかし、薄いポリウレタンシートを使用すると、成形面に凹凸、模様等がある場合に、貼り付け作業が極めて困難になってしまう。また、凹凸、模様等が形成されたポリウレタンシートを使用する場合は、シート自体が厚くなり、前述の鉄枠20を利用した場合と同様の問題が発生してしまう。
【0012】
これらの問題は、所定の強化樹脂と弾性を有する所定の樹脂とを一体に成形し、上記弾性樹脂によって表層を形成すれば解決することができる。
また、このような樹脂部材を他の製品(例えば、部品、装置、建築部材等)に適用できれば、強化樹脂の剛性と表層樹脂の弾性とを利用して、その製品に、種々の機能を備えさせることができる。例えば、強化樹脂によって製品本体の強度を確保しつつ、表層樹脂によって製品表面に適度なクッション性を持たせることができる。また、表層樹脂を他の部材に強く押し付けた状態で固定すれば、その部材との間に所定のシール性を確保することも可能となる。
【0013】
以上より、この発明は、全体として所定の剛性を有し、表層に適度な弾性を備えた一体成形からなる樹脂部材を提供することを目的とする。
また、この発明は、上記樹脂部材を利用した成形型、フランジ継手、車椅子及びガレージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に係る樹脂部材は、所定の強化エポキシ樹脂からなる支持材と、支持材と一体成形されたウレアウレタン樹脂からなる表層と、を備えたものである。
【0015】
この発明に係る成形型は、所定の製品を成形するための成形型であって、所定の強化エポキシ樹脂からなる支持材と、支持材と一体成形されたウレアウレタン樹脂からなり、製品を成形するための成形面を形成する表層と、を備えたものである。
【0016】
この発明に係るフランジ継手は、所定の連結部材に連結するためのフランジ継手であって、所定の強化エポキシ樹脂からなる支持材と、支持材と一体成形されたウレアウレタン樹脂からなり、連結部材に接触して連結部材との隙間を塞ぐための接触面を形成する表層と、を備えたものである。
【0017】
この発明に係る車椅子は、利用者の荷重を所定の荷重受け部で受ける車椅子であって、荷重受け部は、所定の強化エポキシ樹脂からなる支持材と、支持材と一体成形されたウレアウレタン樹脂からなり、利用者に接触する接触面を形成する表層と、を備えたものである。
【0018】
この発明に係るガレージは、駐車中の車の側方に所定の固定体が配置されるガレージであって、固定体は、所定の強化エポキシ樹脂からなる支持材と、支持材と一体成形されたウレアウレタン樹脂からなり、車が接触し得る接触面を形成する表層と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、一体成形された樹脂部材において、全体として所定の剛性を確保し、表層に適度な弾性を与えることができる。
また、上記樹脂部材を利用した成形型、フランジ継手、車椅子及びガレージを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の実施の形態1における成形型を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1における成形型の製造方法を説明するための図である。
【図3】この発明の実施の形態2におけるフランジ継手を示す斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態3における車椅子を示す斜視図である。
【図5】図4のA−A断面を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態4におけるガレージを示す斜視図である。
【図7】図6のB−B断面を示す図である。
【図8】従来のコンクリート製品の成形方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0022】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における成形型を示す斜視図である。
図1に示す成形型1は、住宅用の壁材等のコンクリート製品を成形するためのものである。成形型1は、所定の強化樹脂からなる支持材2と、支持材2と一体成形された所定の樹脂からなる表層3とを備えている。
【0023】
支持材2は、所定の方法によって強化されたエポキシ樹脂から構成される。支持材2を構成する強化エポキシ樹脂には、アミンが硬化剤として用いられている。強化エポキシ樹脂としては、内部の繊維によって強化されたFRPが好適である。但し、支持材2として繊維強化エポキシ樹脂を採用する必要はなく、例えば、シリカ粉末やカーボンナノチューブを添加して強化させた強化エポキシ樹脂等を採用しても構わない。
【0024】
表層3は、ウレアウレタン樹脂から構成される。表層3を構成するウレアウレタン樹脂には、アミンが硬化剤として用いられている。表層3は、コンクリート製品を成形するための成形面3a全体を形成する。ウレアウレタン樹脂は、上記強化エポキシ樹脂とは異なり所定の弾性を有しているため、成形面3aには適度な柔軟性が備えられる。なお、コンクリート製品を成形する際、成形型1に充填されたコンクリートは、表層3にのみ、即ち、成形面3aにのみ接触した状態で硬化する。
【0025】
以下に、図2も参照し、上記成形型1の製造方法について説明する。
図2はこの発明の実施の形態1における成形型の製造方法を説明するための図である。図2において、4は成形型1を成形するための型である。型4の表面4aは、上記コンクリート製品と同じ模様や形状に形成されている。型4は、例えば、FRP、石膏、アルミニウムといった素材でできている。
【0026】
成形型1を製造する場合、先ず、表面4aを上方に向けて型4を置き、型4の表面4a全体に、上記ウレアウレタン樹脂を塗布する。次いで、エポキシ樹脂を含浸させた繊維材を、上記塗布したウレアウレタン樹脂の上に積層する。そして、かかる状態で、ウレアウレタン樹脂及びエポキシ樹脂の双方が完全に硬化するのを待ち、硬化後に型4から取り外す。
【0027】
図2は型4から取り外す直前の状態を示したものである。図2に示す状態では、硬化したウレアウレタン樹脂により表層3が、硬化したエポキシ樹脂とその内部の繊維材とにより支持材2が形成されている。また、支持材2と表層3とは、化学的に結合した状態で一体化されている。
【0028】
上記構成の成形型1であれば、強化エポキシ樹脂からなる支持材2によって必要な剛性が確保され、成形型1を薄く且つ軽量にすることができる。エポキシ樹脂は、硬化時の収縮率が小さいためにヒケが生じ難く、成形型1を薄くしても寸法精度が悪化することはない。
【0029】
また、成形型1では、ウレアウレタン樹脂からなる表層3によって、成形面3aに適度な弾性(柔軟性)を持たせることができる。このため、成形型1は優れた脱型性を有し、製品を取り外す際に製品表面を損傷させてしまう恐れがない。なお、ウレアウレタン樹脂は、耐摩耗性にも優れるため、上記構成の成形型1であれば、その耐久性も飛躍的に向上させることができる。
【0030】
成形型1では、製品表面の凹凸や模様に関わらず、表層3を薄くすることができる。成形型1では、支持材2と表層3とを一体成形するため、表層3を薄くしても、その接合強度や製造過程において特に問題が生じることはない。また、表層3を薄くできるため、コンクリートの膨張による表層3の変形や、コンクリートの硬化熱による表層3の収縮を極僅かに抑えることができ、寸法精度の高い高品質な製品を安定して供給することが可能となる。
【0031】
成形型1は、全体が樹脂でできているため、廃棄(或いは、リサイクル)も容易になる。なお、表層3が薄いため、裁断機による成形型1の破砕も可能である。
【0032】
このような種々の機能を備えた成形型1は、強化エポキシ樹脂からなる支持材2と、支持材2と一体成形されたウレアウレタン樹脂からなる表層3とを備えることによって実現できたものである。このような構成を有する樹脂部材を他の製品(例えば、部品、装置、建築部材等)に適用できれば、強化樹脂の剛性と表層樹脂の弾性とを利用して、その製品に、種々の機能を付与することができる。そこで、以下の実施の形態では、上記樹脂部材を他の製品に適用した具体例について説明する。
【0033】
実施の形態2.
本実施の形態では、上記構成の樹脂部材をフランジ継手に適用した場合について説明する。図3はこの発明の実施の形態2におけるフランジ継手を示す斜視図である。
【0034】
フランジ継手5は、所定の連結部材6に連結され、連結部材6との間に所定のシール性を確保するためのものである。フランジ継手5は、強化エポキシ樹脂からなる支持材7とウレアウレタン樹脂からなる表層8とを備えており、全体として、円筒部材の端部に円盤状の端部材が付された形状を呈している。なお、支持材7及び表層8は、上記支持材2及び表層3と同様の構成を有しており、同様の製造方法によって成形されている。即ち、支持材7を構成する強化エポキシ樹脂と表層8を構成するウレアウレタン樹脂とには、アミンが硬化剤として用いられている。また、支持材7と表層8とは一体成形され、化学的に結合した状態で一体化されている。
【0035】
上記構成のフランジ継手5を連結部材6に連結する場合、表層8の表面からなる接触面8aを連結部材6に接触させた状態でボルト(図示せず)を締め上げ、接触面8aを連結部材6に強く押し当てた状態で固定する。ウレアウレタン樹脂は所定の弾性を有するため、表層8は、連結部材6側に押し付けられることによって変形し、接触面8aが連結部材6の表面に密着して連結部材6との隙間を塞ぐことができる。シールする対象部分(本実施の形態では、中央に形成された孔5a)の周囲を囲むように隙間無く(無端状に)接触面8aを形成しておけば、連結部材6との間に十分なシール性を確保することができる。
【0036】
従来のフランジ継手を連結部材6に連結する場合は、連結部材6との間にゴム製のガスケットを挿入して所定のシール性を確保しなければならなかった。フランジ継手5では、表層8が従来のガスケットの機能を備えているため、必要なシール性を確保するために他の部材が必要になることはない。このため、連結作業を容易に行うことができる。
また、上記構成のフランジ継手5であれば、上記成形型1の効果をそのまま奏することができ、優れた耐久性、寸法安定性、廃棄性等が期待できる。
【0037】
実施の形態3.
本実施の形態では、上記構成の樹脂部材を車椅子の一部に適用した場合について説明する。図4はこの発明の実施の形態3における車椅子を示す斜視図、図5は図4のA−A断面を示す図である。
【0038】
車椅子9は、利用者が座った状態で移動するためのものである。車椅子9では、利用者が座る時や座った後、或いは、座った状態で移動する時に、様々な部分(荷重受け部)が利用者から直接荷重を受ける。例えば、利用者が座る座部10a、利用者が座る時に掴んだり、座った後に肘を掛けたりするための肘掛部10b、座った利用者が足を置くための足置部10c、移動する時に回転させる操作部10d、ブレーキを掛けるためのブレーキレバー部10e等が、荷重受け部を構成する。
【0039】
車椅子9では、荷重受け部の全体又はその一部(例えば、肘掛部10b)に、強化エポキシ樹脂からなる支持材11とウレアウレタン樹脂からなる表層12とが備えられている。支持材11及び表層12は、支持材2及び表層3と同様の構成を有しており、同様の製造方法によって成形されている。即ち、支持材11を構成する強化エポキシ樹脂と表層12を構成するウレアウレタン樹脂とには、アミンが硬化剤として用いられている。また、支持材11と表層12とは一体成形され、化学的に結合した状態で一体化されている。
【0040】
従来の車椅子では、例えば、金属製のパイプにクッション材を固定して、肘掛部を構成していた。車椅子9では、表層12が従来のクッション材の機能を備えているため、他の部材を追加することなく、利用者(利用者の衣服、靴等も含む)に接触する接触面12aに十分な柔軟性を持たせることができる。また、支持材11と表層12とが一体成形されているため、利用者の荷重が掛かっても、表層12が支持材11からずれてしまう恐れもない。
また、車椅子9では、上記構成の樹脂部材を備えた荷重受け部において、成形型1の効果をそのまま奏することができ、優れた耐久性、寸法安定性、廃棄性等が期待できる。
【0041】
なお、ウレアウレタン樹脂は優れた耐摩耗性を有するため、例えば、前輪10fや後輪10g等、他のものと接触する或いは接触し得る場所に、上記構成の樹脂部材を適用しても良い。かかる場合、前輪10fや後輪10gのうち、地面と接触する接触面を、ウレアウレタン樹脂からなる表層で構成する。
また、車椅子9全体を、金属パイプを使用せずにFRP等の強化樹脂によって構成し、要部にのみ、上記構成の樹脂部材を適用しても良い。
【0042】
実施の形態4.
本実施の形態では、上記構成の樹脂部材をガレージの一部に適用した場合について説明する。図6はこの発明の実施の形態4におけるガレージを示す斜視図、図7は図6のB−B断面を示す図である。
【0043】
ガレージ13は、車14の駐車スペースを形成するためのものである。ガレージ13は、駐車中の車14の上方に配置される天井15と、この天井15を支持する側壁16とにより、その要部が構成される。側壁16は、車14の側方(後方も含む)に配置されるため、車14が発進或いは停車する際に、車14のバンパー等が側壁16の表面16aに接触することがある。
【0044】
ガレージ13では、側壁16の表面16aのうち、少なくとも、車14が接触し得る範囲の面(接触面)をウレアウレタン樹脂で構成している。即ち、ガレージ13では、側壁16の全体又はその一部(例えば、所定の高さの範囲)に、強化エポキシ樹脂からなる支持材17とウレアウレタン樹脂からなる表層18とが備えられている。支持材17及び表層18は、支持材2及び表層3と同様の構成を有しており、同様の製造方法によって成形されている。即ち、支持材17を構成する強化エポキシ樹脂と表層18を構成するウレアウレタン樹脂とには、アミンが硬化剤として用いられている。また、支持材17と表層18とは一体成形され、化学的に結合した状態で一体化されている。
【0045】
従来のガレージでは、天井パネルを金属製の柱によって支えていたため、車14が柱に接触すると、簡単に車14に傷が付いてしまった。ガレージ13では、車14が接触し得る表面16aに十分な柔軟性を持たせることができるため、車14が側壁16に接触しても、車14が大きく傷付いてしまうことはない。また、側壁16(及び、天井15)全体を樹脂で成形すれば、その形や色を任意に変更することができ、意匠的にも優れたガレージ13を提供することが可能となる。
また、ガレージ13では、上記構成の樹脂部材を備えた側壁16において、成形型1の効果をそのまま奏することができ、優れた耐久性、寸法安定性、廃棄性等が期待できる。
【0046】
なお、駐車中の車14の側方に配置される固定体(本実施の形態においては側壁16)が柱状を呈する場合は、この柱の表面をウレアウレタン樹脂で構成すれば良い。上記構成の樹脂部材は、上記固定体の形状に合わせて適宜適用することができる。
【0047】
実施の形態1乃至4では、上記樹脂部材の具体的な適用例について説明を行った。本樹脂部材は、その他にも、表層樹脂のクッション性を利用して、車体やパレット、工業用ロボットアーム等のような製品に適用することも可能である。また、気密性や水密性が必要な他の製品に本樹脂部材を適用しても良い。
【符号の説明】
【0048】
1、19 成形型
2、7、11、17 支持材
3、8、12、18 表層
3a、21a 成形面
4 型
4a、16a 表面
5 フランジ継手
5a 孔
6 連結部材
8a、12a 接触面
9 車椅子
10a 座部
10b 肘掛部
10c 足置部
10d 操作部
10e ブレーキレバー部
10f 前輪
10g 後輪
13 ガレージ
14 車
15 天井
16 側壁
20 鉄枠
21 弾性樹脂
22 離型剤
23 鉄筋
24 コンクリート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の強化エポキシ樹脂からなる支持材と、
前記支持材と一体成形されたウレアウレタン樹脂からなる表層と、
を備えた樹脂部材。
【請求項2】
前記支持材は、アミンを硬化剤に用いた強化エポキシ樹脂からなり、
前記表層は、アミンを硬化剤に用いたウレアウレタン樹脂からなる
請求項1に記載の樹脂部材。
【請求項3】
所定の製品を成形するための成形型であって、
所定の強化エポキシ樹脂からなる支持材と、
前記支持材と一体成形されたウレアウレタン樹脂からなり、前記製品を成形するための成形面を形成する表層と、
を備えた成形型。
【請求項4】
所定の連結部材に連結するためのフランジ継手であって、
所定の強化エポキシ樹脂からなる支持材と、
前記支持材と一体成形されたウレアウレタン樹脂からなり、前記連結部材に接触して前記連結部材との隙間を塞ぐための接触面を形成する表層と、
を備えたフランジ継手。
【請求項5】
利用者の荷重を所定の荷重受け部で受ける車椅子であって、
前記荷重受け部は、
所定の強化エポキシ樹脂からなる支持材と、
前記支持材と一体成形されたウレアウレタン樹脂からなり、利用者に接触する接触面を形成する表層と、
を備えた車椅子。
【請求項6】
駐車中の車の側方に所定の固定体が配置されるガレージであって、
前記固定体は、
所定の強化エポキシ樹脂からなる支持材と、
前記支持材と一体成形されたウレアウレタン樹脂からなり、車が接触し得る接触面を形成する表層と、
を備えたガレージ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−179311(P2011−179311A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15182(P2011−15182)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(599108806)株式会社泉化工 (1)
【Fターム(参考)】