橋桁端部の電気防食方法
【課題】十分な作業空間が存在しない橋桁端部の劣化したコンクリートを修復するとともに、電気防食を施す方法を提供する。
【解決手段】劣化した橋桁1,2の端部のコンクリートを、ノズル21から噴射する高圧水噴流で埋設された鉄筋17が露出するまではつり取るとともに鉄筋の錆を除去する。一方、絶縁性材料からなり凹状部26a,27aを有する間隔保持部材26,27を形成しておき、凹状部内にチタンメッシュ23,24を挿入した間隔保持部材を目地材25に予め取り付ける。間隔保持部材が取り付けられた目地材は橋桁間の上方から降下させて橋桁間に配置する。その後、チタンメッシュ及び間隔保持部材を埋め込んで目地材と密着するようにモルタル又はコンクリートを充填し、橋桁のコンクリートをはつり取った部分を復元する。充填したモルタル又はコンクリートの硬化後、陽極部材であるチタンメッシュと鉄筋との間に電源装置から直流電圧を印加する。
【解決手段】劣化した橋桁1,2の端部のコンクリートを、ノズル21から噴射する高圧水噴流で埋設された鉄筋17が露出するまではつり取るとともに鉄筋の錆を除去する。一方、絶縁性材料からなり凹状部26a,27aを有する間隔保持部材26,27を形成しておき、凹状部内にチタンメッシュ23,24を挿入した間隔保持部材を目地材25に予め取り付ける。間隔保持部材が取り付けられた目地材は橋桁間の上方から降下させて橋桁間に配置する。その後、チタンメッシュ及び間隔保持部材を埋め込んで目地材と密着するようにモルタル又はコンクリートを充填し、橋桁のコンクリートをはつり取った部分を復元する。充填したモルタル又はコンクリートの硬化後、陽極部材であるチタンメッシュと鉄筋との間に電源装置から直流電圧を印加する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートが劣化した橋桁端部を補修し、電気防食を施す橋桁端部の電気防食方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多径間のコンクリート橋における橋桁と橋桁との間、又は橋桁と橋台との間には、温度変化、コンクリートのクリープ及び乾燥収縮等により生じる橋桁の伸縮を許容するための空間すなわち桁遊間が形成されている。桁遊間の上部には、この桁遊間を跨ぐように伸縮装置が設けられ、橋面すなわち車輌等の走行面の連続性を維持し、安全に走行できる状態としている。
伸縮装置には、路面を通行する車両によって繰り返し衝撃が作用し、経年劣化が生じることなどから防水性が失われる場合が多い。伸縮装置の防水性が失われると、雨水等が桁遊間に流入して橋桁の端部が湿潤状態となっている時間が長くなり、鉄筋が腐食し易くなる。そして、鉄筋は腐食によって体積膨張を生じ、かぶり部分のコンクリートが劣化する。
【0003】
このような橋桁の端部におけるコンクリートの劣化を防止するために電気防食を施すことが知られている。
例えば、特許文献1には、平行に配置された複数のPC桁の端部に電気防食を施す方法が記載されている。この電気防食方法では、複数のPC桁を連結するように設けられた横桁に、橋桁の支間中央側から電極挿入孔を形成し、電気防食用陽極を挿入して埋設する。そして、陽極とPC桁内の鉄筋との間に直流電圧を印加するものである。この電気防食方法では、横桁の支間中央側の面から陽極を埋設するので、橋桁間に十分な作業空間が存在しなくても橋桁端部に電気防食を施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−179876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような電気防食方法では、橋桁端部や横桁のコンクリートの桁遊間に面する部分が既に劣化している場合には、劣化部分の補修ができず、別途に桁端の補修を行う必要がある。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、十分な作業空間が存在しない桁遊間から橋桁端部の劣化したコンクリートを修復するとともに修復後の橋桁端部に電気防食を施すことができる橋桁端部の電気防食方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 橋桁の端面が他の橋桁の端面と対向する橋桁端部、又は橋桁の端面が橋台と対向する橋桁端部の電気防食方法であって、 橋桁端部のコンクリートを橋桁の端面近くに埋め込まれている鉄筋が露出するまではつり取るとともに、鉄筋の錆を除去する工程と、 橋桁の伸縮を許容する程度に柔軟に変形する目地材と、帯状又は棒状に形成された陽極部材との間に、該陽極部材の長手方向に沿って連続する間隔保持部材を介挿して、前記陽極部材を前記目地材に取り付ける工程と、 端部をはつり取った前記橋桁の端面と対向する位置に、前記陽極部材が前記鉄筋と非接触となるように、前記目地材を支持する工程と、 前記鉄筋と前記陽極部材との間に直流電圧を印加するための導電線を配置する工程と、 前記橋桁の端面と前記目地材との間にモルタル又はコンクリートを充填する工程と、を含むことを特徴とする橋桁端部の電気防食方法を提供する。
【0008】
この橋桁端部の電気防食方法では、橋桁と橋桁との間、又は橋桁と橋台との間の狭い空間に、陽極部材を目地材に支持させた状態で配置することができる。つまり、間隔保持部材を陽極部材と目地材との間に介挿した状態で陽極部材を予め目地材に取り付けておき、この目地材を橋桁端部に配置するので、狭い桁遊間内で効率よく正確な位置に陽極部材を配置することが可能となる。そして、目地材と端部がはつり取られた橋桁との間にモルタル又はコンクリートを充填することにより、陽極部材は鉄筋との間にモルタル又はコンクリートを介挿して保持されるとともに、橋桁の端部を所定の寸法に復元し、鉄筋を埋め込むことができる。また、陽極部材も目地材との境界面に露出することなくモルタル又はコンクリート中に埋め込まれる。上記陽極部材と鉄筋との間に直流電圧を印加することにより、陽極部材と鉄筋との間に防食電流が生じ、鉄筋の腐食が抑制される。
一方、橋桁は、温度変化等が生じたときに目地材が変形して伸縮が許容される。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の橋桁端部の電気防食方法において、 前記間隔保持部材は、絶縁性を有する材料で形成され、断面形状が凹状部を有する溝型となった部材であり、 前記陽極部材を前記目地材に取り付ける工程は、前記凹状部内に前記陽極部材が収容され、前記鉄筋と対向する側に前記凹状部が開放された状態となるように前記間隔保持部材を前記目地材に取り付けるものとする。
【0010】
この橋桁端部の電気防食方法では、陽極部材が目地材との境界面に露出するのを防止するとともに、絶縁性を有する間隔保時部材で目地材側を囲い込むので目地材側への電流の漏洩が抑制される。そして、陽極部材の鉄筋側が開放されているので、鉄筋側に防食電流が効率的に供給される。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の橋桁端部の電気防食方法において、 前記間隔保持部材の前記凹状部にモルタルを充填して前記陽極部材を埋め込み、前記モルタルの硬化後に該間隔保持部材を前記目地材に取り付けるものとする。
【0012】
この橋桁端部の電気防食方法では、間隔保持部材の凹状部にモルタルを充填して陽極部材を埋め込むので、陽極部材は間隔保持部材と一体となる。これにより、間隔保持部材を介して陽極部材を容易に目地材に取り付けることができる。また、陽極部材は凹状部内で固定支持されるので、目地材を橋桁端部と対向するように配置したときに、鉄筋との間隔を確実に保持することができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の橋桁端部の電気防食方法において、 前記間隔保持部材は、帯状又は棒状となった前記陽極部材の全周を軸線方向に連続して被覆するモルタルであり、 前記陽極部材は、前記モルタルを前記目地材に当接して取り付けるものとする。
【0014】
この橋桁端部の電気防食方法では、陽極部材の全周を被覆するモルタルを目地材に当接して取り付けることにより、モルタルが陽極部材と目地材及び陽極部材と鉄筋との間に介挿されることになる。したがって、陽極部材を鉄筋及び目地材とのそれぞれに所定間隔を設けて容易に配置することができる。
また、陽極部材を被覆するモルタルの厚さにより、陽極部材と鉄筋又は陽極部材と目地材との間隔を決めることができ、正確な位置に陽極部材を配置することができる。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の橋桁端部の電気防食方法において、 前記目地材は、板状に形成され、 前記間隔保持部材を該目地材の一方の面に当接して前記陽極部材を取り付けるとともに、他の目地材の一方の面にも前記間隔保持材を当接して前記陽極部材を取り付けておき、 これら2枚の前記目地材の他方の面を互いに対向させて重ね合わせ、 該目地材を前記橋桁の端面と他の橋桁の端面との間に配置するものとする。
【0016】
この橋桁端部の電気防食方法では、目地材のそれぞれに陽極部材を効率よく取り付けることができる。また、2枚の目地材は、橋桁が伸長したときは圧縮変形が生じて橋桁の伸長を許容する。一方、橋桁が収縮したとき、特に橋桁と橋桁との間隔が大きく拡大するような場合には、2枚の目地材の間が離隔されて、2枚の目地材のそれぞれが橋桁端部に保持された状態で橋桁の収縮を許容することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、この橋桁端部の電気防食方法では、十分な作業空間が存在しない橋桁間又は橋桁と橋台との間で、橋桁端部を修復するとともに電気防食を効率的に施すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る橋桁端部の電気防食方法を適用することができる橋桁の一例を示す側面図及び断面図である。
【図2】図1に示す橋桁の端部を示す縦断面図である。
【図3】本発明に係る橋桁端部の電気防食方法の工程を示す概略図である。
【図4】本発明に係る橋桁端部の電気防食方法の工程を示す概略図である。
【図5】間隔保持部材の凹状部にチタンメッシュが収容された状態を示す概略斜視図である。
【図6】図5に示す間隔保持部材を目地材に取り付けた状態を示す概略断面図である。
【図7】図5に示す間隔保持部材が取り付けられ、橋桁と橋桁との間に配置された目地材を示す正面図である。
【図8】凹状部内に充填したモルタルによってチタンメッシュを埋め込んだ間隔保持部材が目地材に取り付けられた状態を示す概略断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態である橋桁端部の電気防食方法において、チタンメッシュを目地材に取り付けた状態を示す概略断面図である。
【図10】モルタルで形成された間隔保持部材の他の例を示す概略断面図である。
【図11】間隔保持部材及びチタンメッシュを取り付ける方法の他の例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る橋桁端部の電気防食方法の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る橋桁端部の電気防食方法を適用することができる橋桁の一例を示す概略側面図及び横断面図である。図2は、図1に示す橋桁の端部を示す縦断面図である。
この橋桁1,2は、図1に示すように、橋脚3と橋脚4との間及び橋脚3,4と橋台5,6との間に架け渡されたものであり、プレストレストコンクリートからなる複数の主桁10をほぼ平行に配列して形成されている。主桁10の断面形状はほぼT型となっており、隣り合う主桁10の上床版部10aの間にコンクリート11が現場打設されて、連続するコンクリート床版が形成されている。この上面に舗装16が施され、路面が形成される。
上記主桁10の端部には、図2に示すように横桁12が設けられ、複数の主桁10が一体となっており、これらが支承13によって橋脚3,4又は橋台5,6の上に支持されている。
【0020】
本実施の形態においては、上記橋桁1,2は単純支持されたものであり、これらの橋桁の一方の端部は該橋桁の軸線方向の移動が固定され、他方の端部は移動が許容されるものである。したがって、同一の橋脚3の上に支持された橋桁の端部は、一方が固定され他方は移動が許容されるものとなっている。これらの橋桁1,2の端面間には、橋桁の伸縮量に応じて桁遊間14が形成されている。そして、桁遊間14の上方には橋桁間を跨ぐように伸縮装置15が設けられるとともに、橋桁1,2上に舗装16が敷設され、連続した路面が形成されている。
なお、同一の橋脚の上に支持される2つの橋桁がいずれも移動を許容するように支持されるものとしてもよいし、双方を固定するものであってもよい。双方を固定するものでも、回転方向の変位を許容するように同様に桁遊間が設けられる。
【0021】
上記のような橋桁1,2の端部は、端面付近に埋め込まれた鉄筋の腐食が生じ易く、コンクリートが劣化しているものがある。このような橋桁の端部を修復し、修復後における鉄筋の電気防食を施す方法について次に説明する。
【0022】
まず、図3(a)に示すように、高圧水噴流(ウォータジェット)をノズル21から橋桁1,2の端部の劣化したコンクリートに向けて噴射し、コンクリート内に配設されている鉄筋17が露出するまでコンクリートをはつり取る。また、ウォータジェットを上記鉄筋17にも噴きつけて健全な部分を露出させ、鉄筋の表面に生じた錆を除去する。
【0023】
その後、図3(b)に示すようにコンクリートをはつり取った部分の底部に型枠22を設ける。この型枠22は、端面が対向する双方の橋桁1,2間に連続するように設ける。そして、予め目地材25に陽極部材であるチタンメッシュ23,24を間隔保持部材26,27を介して取り付けておき、この目地材25を2つの橋桁1,2間に上方から降下させるようにして配置する。
【0024】
上記チタンメッシュ23,24は、チタンを主成分とする帯状に長く形成された網状の部材であり、図5に示すように、上記間隔保持部材26,27に形成された凹状部26a,27a内に収容した状態で目地材25に取り付ける。
【0025】
上記間隔保持部材26,27は絶縁性の材料、例えば合成樹脂から形成されており、断面形状が円形、楕円形、矩形、長円形、又はこれらを複合した形状の一部を切り欠いてほぼCの字状となっており、一部が軸線方向に切り欠かれることによって円形、楕円形、長円形等の内側が溝状となり、凹状部26a,27aが形成されている。この凹状部26a,27a内にチタンメッシュ23,24を収容して目地材25に取り付けるものである。
なお、間隔保持部材の開放された領域の幅は、チタンメッシュ23,24の幅よりも狭く形成されており、チタンメッシュ23,24が脱落し難くなっている。
【0026】
上記目地材25は、橋桁1,2の伸縮を許容する程度に柔軟に変形する素材、例えば合成樹脂やゴムを発泡させたもの、又はアスファルトコンパウンドに繊維質材料等を混合したエラスタイト等が用いられ、板状に成形したものである。
この目地材25は2枚を重ね合わせたものであり、それぞれの目地材の一方の表面にチタンメッシュ23,24を収容した間隔保持部材26,27を取り付ける。
【0027】
上記間隔保持部材26,27は、図6に示すように、凹状部26a,27a内にチタンメッシュ23,24を収容し、背面つまり断面が開放されていない部分を目地材25に当接させ、凹状部26a,27aの開放された領域が鉄筋側となるように取り付ける。これにより、凹状部26a,27aの開放された領域を介してチタンメッシュ23,24が鉄筋17と間隔を設けて対向する。一方、チタンメッシュ23,24の目地材側は、間隔保持部材26,27に囲われる。
上記間隔保持部材26,27の目地材25への取り付けは、図6に示すように、目地材25を貫通する結束線32a,32bによって行う。つまり、目地材25a,25bの間隔保持部材26,27が当接される位置付近に結束線32a,32bを貫通させ、間隔保持部材26,27に巻き回して結束する。なお、上記結束線32は、非導電性で錆が生じない材料、例えば合成樹脂からなるもの等を用いるのが望ましい。
【0028】
このように一方の表面にチタンメッシュ23,24を収容した間隔保持部材26,27が取り付けられた2枚の目地材25a,25bを、間隔保持部材が取り付けられていない面を対向させて重ね合わせる。このように重ね合わせた状態で吊り上げ、橋桁1,2間の上方からゆっくりと下降させて型枠22上に支持させ、橋桁1,2間の空間における所定の位置に支持する。これにより、間隔保持部材の凹状部26a,27aに収容されたチタンメッシュ23,24は、間隔を設けて鉄筋17と対向するとともに目地材側が絶縁性の間隔保持部材26,27で囲まれた状態で配置される。
【0029】
なお、本実施の形態では、間隔保持部材26,27の凹状部内にチタンメッシュ23,24を収容しておき、この間隔保持部材26,27を目地材25に取り付けたが、目地材25に間隔保持部材26,27を取り付けた後、凹状部26a,27a内にチタンメッシュ23,24を挿入してもよいし、間隔保持部材26,27が取り付けられた目地材25を橋桁1,2間の所定の位置に支持した後に、間隔保持部材26,27の上方からチタンメッシュ23,24を凹状部内に差し入れてもよい。
【0030】
また、本実施の形態では、図7に示すように、目地材25は橋桁1,2の幅方向(幅員)に配列された6つの部分に分割されており、これらを順次に橋桁1,2間に配置する。これら分割された目地材25のそれぞれに取り付けられているチタンメッシュ23,24は、帯状となったものを橋桁端面の鉛直方向に取り付け、橋桁1,2の幅方向に所定の間隔で配列したが、配置する方向、本数、間隔は鉄筋へ流入させる防食電流の強さ等に基づいて適宜に決定することができる。
さらに、本実施の形態では、目地材25として厚さ約25mmのエラスタイトを2枚背中合わせにして使用したが、厚さは桁遊間の大きさに応じて決定することができ、合成樹脂、合成ゴム等の他の材料を用いることもできる。
【0031】
このように、目地材25を橋桁1,2間の所定の位置に配置すると、図7に示すように橋桁間の側部に型枠28を設けるとともに、チタンメッシュ23と橋桁端部の鉄筋17とにそれぞれ導電線33,34を接続し、これらを型枠28の外側に引き出しておく。そして、図4(a)に示すように、橋桁間の上方よりモルタルを流し込み、端部がはつり取られた橋桁1,2と目地材25との間にモルタルを充填する。
モルタルが硬化すると、底型枠22及び側部の型枠28を撤去し、図4(b)に示すようにチタンメッシュ23,24と鉄筋17に接続した導電線33,34を電源装置35に接続する。また、橋桁1,2間の上部に伸縮装置15を取り付け、舗装16を復元して橋桁端部の修復及び電気防食を施す工事を終了する。
【0032】
上記電源装置35は、チタンメッシュ23,24と鉄筋17との間に直流電流を印加するものである。つまり、外部電流方式の電気防食を施すものであり、電源装置35と陽極部材であるチタンメッシュ23,24と防食する橋桁内の鉄筋17とを含む電気回路を形成し、防食電流をチタンメッシュ23,24から鉄筋17へ流入させることにより、鉄筋の腐食を防止するものである。
なお、電源装置として太陽光で発電するものを用いることもできる。
【0033】
上記伸縮装置15は、鋼部材に支持されたゴム材を用いるもの、鋼からなるフィンガージョイント等、桁遊間の伸縮量に応じて公知のものを用いることができる。
【0034】
以上説明したように、陽極となるチタンメッシュ23,24が予め目地材25に取り付けられた状態で橋桁1,2間に配置されるので、作業空間がきわめて狭い橋桁1,2間で、橋桁1,2の端部を修復するともに、電気防食を施すことが可能となる。
また、絶縁性の間隔保持部材26,27がチタンメッシュ23,24の目地材25側を連続して囲んでいるので、防食電気を効率よく鉄筋17側に流すことができ、電気防食の効果を増大させることができる。
さらに、橋桁1,2の伸縮を許容する目地材25a,25bを2枚重ね合わせて配置するので、橋桁1,2が伸長したときは目地材25a,25bに圧縮変形が生じて橋桁の伸長を許容し、橋桁が収縮したときには2枚の目地材25a,25bの間が離隔されて、2枚の目地材25a,25bのそれぞれが橋桁端部又は橋台に保持された状態で橋桁の収縮を許容することができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、チタンメッシュ23,24を間隔保持部材の凹状部26a,27a内に収容するものであるが、図8に示すように、間隔保持部材の凹状部26a,27aにモルタル31を充填してチタンメッシュ23,24と間隔保持部材26,27とを一体としておくこともできる。
このように、チタンメッシュ23,24と間隔保持部材26,27とを一体に製作しておくことにより、目地材25へのチタンメッシュ23,24の取り付けが容易になるとともに、チタンメッシュ23,24を正確に配置することができる。
【0036】
また、図9に示すように間隔保持部材をモルタルで形成することもできる。
この間隔保持部材46,47は、チタンメッシュ23,24を埋め込むように成形され、硬化したモルタルからなるものである。このモルタルからなる間隔保持部材46,47はチタンメッシュ23,24の全周を被覆し、軸線方向に連続するように形成されている。モルタルの断面は、円形、楕円形、長方形等とすることができ、図10に示すように、2つの半円の間に直線部分を有する長円形や、断面が直線と凸状の曲線とを有するもの等を採用することもできる。
これらの間隔保持部材46,47は、例えば、型枠内にモルタルを充填するともに、モルタル内にチタンメッシュ23,24を埋め込み、モルタルの硬化後に脱型して形成することができる。
【0037】
このような間隔保持部材46,47はチタンメッシュ23,24と予め一体に形成されており、モルタル(間隔保持部材)を目地材25に当接して取り付けることができる。そして、目地材25と橋桁1,2の端面との間に充填されるモルタル又はコンクリートに埋め込まれることにより、目地材側ではチタンメッシュ23,24が目地材25との境界面に露出しないようにモルタルで被覆される。また、橋桁1,2に配置されている鉄筋17と接触しないように間隔を保持するとともに、間隔保持部材46,47であるモルタルを介して防食電流が生じるのを許容する。
【0038】
このようにチタンメッシュ23,24を埋め込んだモルタルからなる間隔保持部材46,47の目地材25a,25bへの取り付けは、図6又は図8に示す間隔保持部材26,27と同様に行うことができる。つまり、目地材25a,25bの表面に間隔保持部材46,47がそれぞれ当接される位置付近に結束線42a,42bを貫通させ、間隔保持部材46,47に巻き回して結束する。また、エポキシ樹脂等の接着剤を用いて取り付けることもできる。
【0039】
なお、本発明の橋桁端部の電気防食方法は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他の形態として実施することもできる。
例えば、上記目地材25a,25bは2枚を背中合わせにして橋桁1,2間に配置したが、上記目地材25a,25bに代えて、図11に示すように、1枚の目地材51の両面に間隔保持部材55,56を介して陽極部材であるチタンメッシュ52,53を取り付け、これを橋桁1,2間に配置することもできる。
1枚の目地材51を配置する場合は、桁遊間の大きさに応じて厚さが大きい目地材を用い、目地材の一方の面から他方の面まで貫通する結束線54でチタンメッシュ52を収容した間隔保持部材55を目地材51の一方の面に取り付ける。また、他方の表面には、同様に結束線を用いても良いが、チタンメッシュ53を収容した間隔保持部材56を目地材51に接着して取り付けるのが望ましい。この接着には、例えばエポキシ樹脂等の接着剤を用いることができる。
【0040】
このように、チタンメッシュ52,53を収容した間隔保持部材55,56が取り付けられた目地材51を用いると、橋桁1,2の収縮量が大きくなったときに、目地材51は一方の橋桁1に付着して保持されるともに、他方の橋桁2に埋め込まれて目地材51に接着されていた間隔保持部材56が目地材51から剥離され、目地材51と橋桁2とが離隔されて橋桁1,2の大きな収縮量を許容する。
【0041】
また、図7に示す実施の形態では、施工の便宜のために、目地材25を橋桁1,2の幅方向(幅員方向)に6分割して配置したが、橋桁の幅員が小さいときには分割しなくてもよいし、分割するときには作業の効率等を考慮して分割数を設定することができる。
目地材25,51に間隔保持部材26,27,46,47,55,56を取り付ける方法として、上記実施の形態では結束線32,42,54を用いて結束する方法、接着剤で接着する方法を採用したが、これらに限定されるものではなく、適宜に他の方法を採用することもできる。
【0042】
上記実施の形態では、陽極部材としてチタンメッシュが用いられているが、チタンメッシュに限定されるものではなく、チタンの帯状となった板材、棒状材等を用いることもできる。材質はチタンが望ましいが、腐食することなく陽極として機能する材料であれば使用することができる。
【0043】
一方、上記実施の形態では、プレストレストコンクリートの主桁10を複数並べた橋桁の端部を修復し、電気防食を施すものであったが、断面形状はこれに限定されるものではなく箱形の断面の橋桁、穴あきスラブ(いわゆるホロースラブ)からなる橋桁等に適用することができる。また、鉄筋コンクリートの橋桁、コンクリートと鋼部材との複合桁等に適用することもできる。さらに、上記実施の形態では、橋脚上で橋桁の端面と隣接する橋桁の端面とが対向する部分で、修復及び電気防食を行うものであったが、橋桁の端面と橋台とが対向する部分にも同様に適用することができる。このときには、目地材の一方の面のみに陽極部材を取り付けておき、他方の面を橋台の立面に接触させて目地材を配置するものとなる。
【符号の説明】
【0044】
1,2:橋桁、 3,4:橋脚、 5,6:橋台、
10:主桁、 11:現場打設するコンクリート、 12:横桁、 13:支承、 14:桁遊間、 15:伸縮装置、 16:舗装、 17:鉄筋、
21:ノズル、 22:型枠、 23,24:チタンメッシュ(陽極部材)、 25:目地材、 26,27:間隔保持部材、 28:側型枠、
31:モルタル、 32:結束線、 33,34:導電線、 35:電源装置、
42:結束線、 46,47:間隔保持部材、
51:目地材、 52,53:チタンメッシュ(陽極部材)、 54:結束線、 55,56:間隔保持部材、
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートが劣化した橋桁端部を補修し、電気防食を施す橋桁端部の電気防食方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多径間のコンクリート橋における橋桁と橋桁との間、又は橋桁と橋台との間には、温度変化、コンクリートのクリープ及び乾燥収縮等により生じる橋桁の伸縮を許容するための空間すなわち桁遊間が形成されている。桁遊間の上部には、この桁遊間を跨ぐように伸縮装置が設けられ、橋面すなわち車輌等の走行面の連続性を維持し、安全に走行できる状態としている。
伸縮装置には、路面を通行する車両によって繰り返し衝撃が作用し、経年劣化が生じることなどから防水性が失われる場合が多い。伸縮装置の防水性が失われると、雨水等が桁遊間に流入して橋桁の端部が湿潤状態となっている時間が長くなり、鉄筋が腐食し易くなる。そして、鉄筋は腐食によって体積膨張を生じ、かぶり部分のコンクリートが劣化する。
【0003】
このような橋桁の端部におけるコンクリートの劣化を防止するために電気防食を施すことが知られている。
例えば、特許文献1には、平行に配置された複数のPC桁の端部に電気防食を施す方法が記載されている。この電気防食方法では、複数のPC桁を連結するように設けられた横桁に、橋桁の支間中央側から電極挿入孔を形成し、電気防食用陽極を挿入して埋設する。そして、陽極とPC桁内の鉄筋との間に直流電圧を印加するものである。この電気防食方法では、横桁の支間中央側の面から陽極を埋設するので、橋桁間に十分な作業空間が存在しなくても橋桁端部に電気防食を施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−179876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような電気防食方法では、橋桁端部や横桁のコンクリートの桁遊間に面する部分が既に劣化している場合には、劣化部分の補修ができず、別途に桁端の補修を行う必要がある。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、十分な作業空間が存在しない桁遊間から橋桁端部の劣化したコンクリートを修復するとともに修復後の橋桁端部に電気防食を施すことができる橋桁端部の電気防食方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 橋桁の端面が他の橋桁の端面と対向する橋桁端部、又は橋桁の端面が橋台と対向する橋桁端部の電気防食方法であって、 橋桁端部のコンクリートを橋桁の端面近くに埋め込まれている鉄筋が露出するまではつり取るとともに、鉄筋の錆を除去する工程と、 橋桁の伸縮を許容する程度に柔軟に変形する目地材と、帯状又は棒状に形成された陽極部材との間に、該陽極部材の長手方向に沿って連続する間隔保持部材を介挿して、前記陽極部材を前記目地材に取り付ける工程と、 端部をはつり取った前記橋桁の端面と対向する位置に、前記陽極部材が前記鉄筋と非接触となるように、前記目地材を支持する工程と、 前記鉄筋と前記陽極部材との間に直流電圧を印加するための導電線を配置する工程と、 前記橋桁の端面と前記目地材との間にモルタル又はコンクリートを充填する工程と、を含むことを特徴とする橋桁端部の電気防食方法を提供する。
【0008】
この橋桁端部の電気防食方法では、橋桁と橋桁との間、又は橋桁と橋台との間の狭い空間に、陽極部材を目地材に支持させた状態で配置することができる。つまり、間隔保持部材を陽極部材と目地材との間に介挿した状態で陽極部材を予め目地材に取り付けておき、この目地材を橋桁端部に配置するので、狭い桁遊間内で効率よく正確な位置に陽極部材を配置することが可能となる。そして、目地材と端部がはつり取られた橋桁との間にモルタル又はコンクリートを充填することにより、陽極部材は鉄筋との間にモルタル又はコンクリートを介挿して保持されるとともに、橋桁の端部を所定の寸法に復元し、鉄筋を埋め込むことができる。また、陽極部材も目地材との境界面に露出することなくモルタル又はコンクリート中に埋め込まれる。上記陽極部材と鉄筋との間に直流電圧を印加することにより、陽極部材と鉄筋との間に防食電流が生じ、鉄筋の腐食が抑制される。
一方、橋桁は、温度変化等が生じたときに目地材が変形して伸縮が許容される。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の橋桁端部の電気防食方法において、 前記間隔保持部材は、絶縁性を有する材料で形成され、断面形状が凹状部を有する溝型となった部材であり、 前記陽極部材を前記目地材に取り付ける工程は、前記凹状部内に前記陽極部材が収容され、前記鉄筋と対向する側に前記凹状部が開放された状態となるように前記間隔保持部材を前記目地材に取り付けるものとする。
【0010】
この橋桁端部の電気防食方法では、陽極部材が目地材との境界面に露出するのを防止するとともに、絶縁性を有する間隔保時部材で目地材側を囲い込むので目地材側への電流の漏洩が抑制される。そして、陽極部材の鉄筋側が開放されているので、鉄筋側に防食電流が効率的に供給される。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の橋桁端部の電気防食方法において、 前記間隔保持部材の前記凹状部にモルタルを充填して前記陽極部材を埋め込み、前記モルタルの硬化後に該間隔保持部材を前記目地材に取り付けるものとする。
【0012】
この橋桁端部の電気防食方法では、間隔保持部材の凹状部にモルタルを充填して陽極部材を埋め込むので、陽極部材は間隔保持部材と一体となる。これにより、間隔保持部材を介して陽極部材を容易に目地材に取り付けることができる。また、陽極部材は凹状部内で固定支持されるので、目地材を橋桁端部と対向するように配置したときに、鉄筋との間隔を確実に保持することができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の橋桁端部の電気防食方法において、 前記間隔保持部材は、帯状又は棒状となった前記陽極部材の全周を軸線方向に連続して被覆するモルタルであり、 前記陽極部材は、前記モルタルを前記目地材に当接して取り付けるものとする。
【0014】
この橋桁端部の電気防食方法では、陽極部材の全周を被覆するモルタルを目地材に当接して取り付けることにより、モルタルが陽極部材と目地材及び陽極部材と鉄筋との間に介挿されることになる。したがって、陽極部材を鉄筋及び目地材とのそれぞれに所定間隔を設けて容易に配置することができる。
また、陽極部材を被覆するモルタルの厚さにより、陽極部材と鉄筋又は陽極部材と目地材との間隔を決めることができ、正確な位置に陽極部材を配置することができる。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の橋桁端部の電気防食方法において、 前記目地材は、板状に形成され、 前記間隔保持部材を該目地材の一方の面に当接して前記陽極部材を取り付けるとともに、他の目地材の一方の面にも前記間隔保持材を当接して前記陽極部材を取り付けておき、 これら2枚の前記目地材の他方の面を互いに対向させて重ね合わせ、 該目地材を前記橋桁の端面と他の橋桁の端面との間に配置するものとする。
【0016】
この橋桁端部の電気防食方法では、目地材のそれぞれに陽極部材を効率よく取り付けることができる。また、2枚の目地材は、橋桁が伸長したときは圧縮変形が生じて橋桁の伸長を許容する。一方、橋桁が収縮したとき、特に橋桁と橋桁との間隔が大きく拡大するような場合には、2枚の目地材の間が離隔されて、2枚の目地材のそれぞれが橋桁端部に保持された状態で橋桁の収縮を許容することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、この橋桁端部の電気防食方法では、十分な作業空間が存在しない橋桁間又は橋桁と橋台との間で、橋桁端部を修復するとともに電気防食を効率的に施すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る橋桁端部の電気防食方法を適用することができる橋桁の一例を示す側面図及び断面図である。
【図2】図1に示す橋桁の端部を示す縦断面図である。
【図3】本発明に係る橋桁端部の電気防食方法の工程を示す概略図である。
【図4】本発明に係る橋桁端部の電気防食方法の工程を示す概略図である。
【図5】間隔保持部材の凹状部にチタンメッシュが収容された状態を示す概略斜視図である。
【図6】図5に示す間隔保持部材を目地材に取り付けた状態を示す概略断面図である。
【図7】図5に示す間隔保持部材が取り付けられ、橋桁と橋桁との間に配置された目地材を示す正面図である。
【図8】凹状部内に充填したモルタルによってチタンメッシュを埋め込んだ間隔保持部材が目地材に取り付けられた状態を示す概略断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態である橋桁端部の電気防食方法において、チタンメッシュを目地材に取り付けた状態を示す概略断面図である。
【図10】モルタルで形成された間隔保持部材の他の例を示す概略断面図である。
【図11】間隔保持部材及びチタンメッシュを取り付ける方法の他の例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る橋桁端部の電気防食方法の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る橋桁端部の電気防食方法を適用することができる橋桁の一例を示す概略側面図及び横断面図である。図2は、図1に示す橋桁の端部を示す縦断面図である。
この橋桁1,2は、図1に示すように、橋脚3と橋脚4との間及び橋脚3,4と橋台5,6との間に架け渡されたものであり、プレストレストコンクリートからなる複数の主桁10をほぼ平行に配列して形成されている。主桁10の断面形状はほぼT型となっており、隣り合う主桁10の上床版部10aの間にコンクリート11が現場打設されて、連続するコンクリート床版が形成されている。この上面に舗装16が施され、路面が形成される。
上記主桁10の端部には、図2に示すように横桁12が設けられ、複数の主桁10が一体となっており、これらが支承13によって橋脚3,4又は橋台5,6の上に支持されている。
【0020】
本実施の形態においては、上記橋桁1,2は単純支持されたものであり、これらの橋桁の一方の端部は該橋桁の軸線方向の移動が固定され、他方の端部は移動が許容されるものである。したがって、同一の橋脚3の上に支持された橋桁の端部は、一方が固定され他方は移動が許容されるものとなっている。これらの橋桁1,2の端面間には、橋桁の伸縮量に応じて桁遊間14が形成されている。そして、桁遊間14の上方には橋桁間を跨ぐように伸縮装置15が設けられるとともに、橋桁1,2上に舗装16が敷設され、連続した路面が形成されている。
なお、同一の橋脚の上に支持される2つの橋桁がいずれも移動を許容するように支持されるものとしてもよいし、双方を固定するものであってもよい。双方を固定するものでも、回転方向の変位を許容するように同様に桁遊間が設けられる。
【0021】
上記のような橋桁1,2の端部は、端面付近に埋め込まれた鉄筋の腐食が生じ易く、コンクリートが劣化しているものがある。このような橋桁の端部を修復し、修復後における鉄筋の電気防食を施す方法について次に説明する。
【0022】
まず、図3(a)に示すように、高圧水噴流(ウォータジェット)をノズル21から橋桁1,2の端部の劣化したコンクリートに向けて噴射し、コンクリート内に配設されている鉄筋17が露出するまでコンクリートをはつり取る。また、ウォータジェットを上記鉄筋17にも噴きつけて健全な部分を露出させ、鉄筋の表面に生じた錆を除去する。
【0023】
その後、図3(b)に示すようにコンクリートをはつり取った部分の底部に型枠22を設ける。この型枠22は、端面が対向する双方の橋桁1,2間に連続するように設ける。そして、予め目地材25に陽極部材であるチタンメッシュ23,24を間隔保持部材26,27を介して取り付けておき、この目地材25を2つの橋桁1,2間に上方から降下させるようにして配置する。
【0024】
上記チタンメッシュ23,24は、チタンを主成分とする帯状に長く形成された網状の部材であり、図5に示すように、上記間隔保持部材26,27に形成された凹状部26a,27a内に収容した状態で目地材25に取り付ける。
【0025】
上記間隔保持部材26,27は絶縁性の材料、例えば合成樹脂から形成されており、断面形状が円形、楕円形、矩形、長円形、又はこれらを複合した形状の一部を切り欠いてほぼCの字状となっており、一部が軸線方向に切り欠かれることによって円形、楕円形、長円形等の内側が溝状となり、凹状部26a,27aが形成されている。この凹状部26a,27a内にチタンメッシュ23,24を収容して目地材25に取り付けるものである。
なお、間隔保持部材の開放された領域の幅は、チタンメッシュ23,24の幅よりも狭く形成されており、チタンメッシュ23,24が脱落し難くなっている。
【0026】
上記目地材25は、橋桁1,2の伸縮を許容する程度に柔軟に変形する素材、例えば合成樹脂やゴムを発泡させたもの、又はアスファルトコンパウンドに繊維質材料等を混合したエラスタイト等が用いられ、板状に成形したものである。
この目地材25は2枚を重ね合わせたものであり、それぞれの目地材の一方の表面にチタンメッシュ23,24を収容した間隔保持部材26,27を取り付ける。
【0027】
上記間隔保持部材26,27は、図6に示すように、凹状部26a,27a内にチタンメッシュ23,24を収容し、背面つまり断面が開放されていない部分を目地材25に当接させ、凹状部26a,27aの開放された領域が鉄筋側となるように取り付ける。これにより、凹状部26a,27aの開放された領域を介してチタンメッシュ23,24が鉄筋17と間隔を設けて対向する。一方、チタンメッシュ23,24の目地材側は、間隔保持部材26,27に囲われる。
上記間隔保持部材26,27の目地材25への取り付けは、図6に示すように、目地材25を貫通する結束線32a,32bによって行う。つまり、目地材25a,25bの間隔保持部材26,27が当接される位置付近に結束線32a,32bを貫通させ、間隔保持部材26,27に巻き回して結束する。なお、上記結束線32は、非導電性で錆が生じない材料、例えば合成樹脂からなるもの等を用いるのが望ましい。
【0028】
このように一方の表面にチタンメッシュ23,24を収容した間隔保持部材26,27が取り付けられた2枚の目地材25a,25bを、間隔保持部材が取り付けられていない面を対向させて重ね合わせる。このように重ね合わせた状態で吊り上げ、橋桁1,2間の上方からゆっくりと下降させて型枠22上に支持させ、橋桁1,2間の空間における所定の位置に支持する。これにより、間隔保持部材の凹状部26a,27aに収容されたチタンメッシュ23,24は、間隔を設けて鉄筋17と対向するとともに目地材側が絶縁性の間隔保持部材26,27で囲まれた状態で配置される。
【0029】
なお、本実施の形態では、間隔保持部材26,27の凹状部内にチタンメッシュ23,24を収容しておき、この間隔保持部材26,27を目地材25に取り付けたが、目地材25に間隔保持部材26,27を取り付けた後、凹状部26a,27a内にチタンメッシュ23,24を挿入してもよいし、間隔保持部材26,27が取り付けられた目地材25を橋桁1,2間の所定の位置に支持した後に、間隔保持部材26,27の上方からチタンメッシュ23,24を凹状部内に差し入れてもよい。
【0030】
また、本実施の形態では、図7に示すように、目地材25は橋桁1,2の幅方向(幅員)に配列された6つの部分に分割されており、これらを順次に橋桁1,2間に配置する。これら分割された目地材25のそれぞれに取り付けられているチタンメッシュ23,24は、帯状となったものを橋桁端面の鉛直方向に取り付け、橋桁1,2の幅方向に所定の間隔で配列したが、配置する方向、本数、間隔は鉄筋へ流入させる防食電流の強さ等に基づいて適宜に決定することができる。
さらに、本実施の形態では、目地材25として厚さ約25mmのエラスタイトを2枚背中合わせにして使用したが、厚さは桁遊間の大きさに応じて決定することができ、合成樹脂、合成ゴム等の他の材料を用いることもできる。
【0031】
このように、目地材25を橋桁1,2間の所定の位置に配置すると、図7に示すように橋桁間の側部に型枠28を設けるとともに、チタンメッシュ23と橋桁端部の鉄筋17とにそれぞれ導電線33,34を接続し、これらを型枠28の外側に引き出しておく。そして、図4(a)に示すように、橋桁間の上方よりモルタルを流し込み、端部がはつり取られた橋桁1,2と目地材25との間にモルタルを充填する。
モルタルが硬化すると、底型枠22及び側部の型枠28を撤去し、図4(b)に示すようにチタンメッシュ23,24と鉄筋17に接続した導電線33,34を電源装置35に接続する。また、橋桁1,2間の上部に伸縮装置15を取り付け、舗装16を復元して橋桁端部の修復及び電気防食を施す工事を終了する。
【0032】
上記電源装置35は、チタンメッシュ23,24と鉄筋17との間に直流電流を印加するものである。つまり、外部電流方式の電気防食を施すものであり、電源装置35と陽極部材であるチタンメッシュ23,24と防食する橋桁内の鉄筋17とを含む電気回路を形成し、防食電流をチタンメッシュ23,24から鉄筋17へ流入させることにより、鉄筋の腐食を防止するものである。
なお、電源装置として太陽光で発電するものを用いることもできる。
【0033】
上記伸縮装置15は、鋼部材に支持されたゴム材を用いるもの、鋼からなるフィンガージョイント等、桁遊間の伸縮量に応じて公知のものを用いることができる。
【0034】
以上説明したように、陽極となるチタンメッシュ23,24が予め目地材25に取り付けられた状態で橋桁1,2間に配置されるので、作業空間がきわめて狭い橋桁1,2間で、橋桁1,2の端部を修復するともに、電気防食を施すことが可能となる。
また、絶縁性の間隔保持部材26,27がチタンメッシュ23,24の目地材25側を連続して囲んでいるので、防食電気を効率よく鉄筋17側に流すことができ、電気防食の効果を増大させることができる。
さらに、橋桁1,2の伸縮を許容する目地材25a,25bを2枚重ね合わせて配置するので、橋桁1,2が伸長したときは目地材25a,25bに圧縮変形が生じて橋桁の伸長を許容し、橋桁が収縮したときには2枚の目地材25a,25bの間が離隔されて、2枚の目地材25a,25bのそれぞれが橋桁端部又は橋台に保持された状態で橋桁の収縮を許容することができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、チタンメッシュ23,24を間隔保持部材の凹状部26a,27a内に収容するものであるが、図8に示すように、間隔保持部材の凹状部26a,27aにモルタル31を充填してチタンメッシュ23,24と間隔保持部材26,27とを一体としておくこともできる。
このように、チタンメッシュ23,24と間隔保持部材26,27とを一体に製作しておくことにより、目地材25へのチタンメッシュ23,24の取り付けが容易になるとともに、チタンメッシュ23,24を正確に配置することができる。
【0036】
また、図9に示すように間隔保持部材をモルタルで形成することもできる。
この間隔保持部材46,47は、チタンメッシュ23,24を埋め込むように成形され、硬化したモルタルからなるものである。このモルタルからなる間隔保持部材46,47はチタンメッシュ23,24の全周を被覆し、軸線方向に連続するように形成されている。モルタルの断面は、円形、楕円形、長方形等とすることができ、図10に示すように、2つの半円の間に直線部分を有する長円形や、断面が直線と凸状の曲線とを有するもの等を採用することもできる。
これらの間隔保持部材46,47は、例えば、型枠内にモルタルを充填するともに、モルタル内にチタンメッシュ23,24を埋め込み、モルタルの硬化後に脱型して形成することができる。
【0037】
このような間隔保持部材46,47はチタンメッシュ23,24と予め一体に形成されており、モルタル(間隔保持部材)を目地材25に当接して取り付けることができる。そして、目地材25と橋桁1,2の端面との間に充填されるモルタル又はコンクリートに埋め込まれることにより、目地材側ではチタンメッシュ23,24が目地材25との境界面に露出しないようにモルタルで被覆される。また、橋桁1,2に配置されている鉄筋17と接触しないように間隔を保持するとともに、間隔保持部材46,47であるモルタルを介して防食電流が生じるのを許容する。
【0038】
このようにチタンメッシュ23,24を埋め込んだモルタルからなる間隔保持部材46,47の目地材25a,25bへの取り付けは、図6又は図8に示す間隔保持部材26,27と同様に行うことができる。つまり、目地材25a,25bの表面に間隔保持部材46,47がそれぞれ当接される位置付近に結束線42a,42bを貫通させ、間隔保持部材46,47に巻き回して結束する。また、エポキシ樹脂等の接着剤を用いて取り付けることもできる。
【0039】
なお、本発明の橋桁端部の電気防食方法は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他の形態として実施することもできる。
例えば、上記目地材25a,25bは2枚を背中合わせにして橋桁1,2間に配置したが、上記目地材25a,25bに代えて、図11に示すように、1枚の目地材51の両面に間隔保持部材55,56を介して陽極部材であるチタンメッシュ52,53を取り付け、これを橋桁1,2間に配置することもできる。
1枚の目地材51を配置する場合は、桁遊間の大きさに応じて厚さが大きい目地材を用い、目地材の一方の面から他方の面まで貫通する結束線54でチタンメッシュ52を収容した間隔保持部材55を目地材51の一方の面に取り付ける。また、他方の表面には、同様に結束線を用いても良いが、チタンメッシュ53を収容した間隔保持部材56を目地材51に接着して取り付けるのが望ましい。この接着には、例えばエポキシ樹脂等の接着剤を用いることができる。
【0040】
このように、チタンメッシュ52,53を収容した間隔保持部材55,56が取り付けられた目地材51を用いると、橋桁1,2の収縮量が大きくなったときに、目地材51は一方の橋桁1に付着して保持されるともに、他方の橋桁2に埋め込まれて目地材51に接着されていた間隔保持部材56が目地材51から剥離され、目地材51と橋桁2とが離隔されて橋桁1,2の大きな収縮量を許容する。
【0041】
また、図7に示す実施の形態では、施工の便宜のために、目地材25を橋桁1,2の幅方向(幅員方向)に6分割して配置したが、橋桁の幅員が小さいときには分割しなくてもよいし、分割するときには作業の効率等を考慮して分割数を設定することができる。
目地材25,51に間隔保持部材26,27,46,47,55,56を取り付ける方法として、上記実施の形態では結束線32,42,54を用いて結束する方法、接着剤で接着する方法を採用したが、これらに限定されるものではなく、適宜に他の方法を採用することもできる。
【0042】
上記実施の形態では、陽極部材としてチタンメッシュが用いられているが、チタンメッシュに限定されるものではなく、チタンの帯状となった板材、棒状材等を用いることもできる。材質はチタンが望ましいが、腐食することなく陽極として機能する材料であれば使用することができる。
【0043】
一方、上記実施の形態では、プレストレストコンクリートの主桁10を複数並べた橋桁の端部を修復し、電気防食を施すものであったが、断面形状はこれに限定されるものではなく箱形の断面の橋桁、穴あきスラブ(いわゆるホロースラブ)からなる橋桁等に適用することができる。また、鉄筋コンクリートの橋桁、コンクリートと鋼部材との複合桁等に適用することもできる。さらに、上記実施の形態では、橋脚上で橋桁の端面と隣接する橋桁の端面とが対向する部分で、修復及び電気防食を行うものであったが、橋桁の端面と橋台とが対向する部分にも同様に適用することができる。このときには、目地材の一方の面のみに陽極部材を取り付けておき、他方の面を橋台の立面に接触させて目地材を配置するものとなる。
【符号の説明】
【0044】
1,2:橋桁、 3,4:橋脚、 5,6:橋台、
10:主桁、 11:現場打設するコンクリート、 12:横桁、 13:支承、 14:桁遊間、 15:伸縮装置、 16:舗装、 17:鉄筋、
21:ノズル、 22:型枠、 23,24:チタンメッシュ(陽極部材)、 25:目地材、 26,27:間隔保持部材、 28:側型枠、
31:モルタル、 32:結束線、 33,34:導電線、 35:電源装置、
42:結束線、 46,47:間隔保持部材、
51:目地材、 52,53:チタンメッシュ(陽極部材)、 54:結束線、 55,56:間隔保持部材、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋桁の端面が他の橋桁の端面と対向する橋桁端部、又は橋桁の端面が橋台と対向する橋桁端部の電気防食方法であって、
橋桁端部のコンクリートを橋桁の端面近くに埋め込まれている鉄筋が露出するまではつり取るとともに、鉄筋の錆を除去する工程と、
橋桁の伸縮を許容する程度に柔軟に変形する目地材と、帯状又は棒状に形成された陽極部材との間に、該陽極部材の長手方向に沿って連続する間隔保持部材を介挿して、前記陽極部材を前記目地材に取り付ける工程と、
端部をはつり取った前記橋桁の端面と対向する位置に、前記陽極部材が前記鉄筋と非接触となるように、前記目地材を支持する工程と、
前記鉄筋と前記陽極部材との間に直流電圧を印加するための導電線を配置する工程と、
前記橋桁の端面と前記目地材との間にモルタル又はコンクリートを充填する工程と、を含むことを特徴とする橋桁端部の電気防食方法。
【請求項2】
前記間隔保持部材は、絶縁性を有する材料で形成され、断面形状が凹状部を有する溝型となった部材であり、
前記陽極部材を前記目地材に取り付ける工程は、前記凹状部内に前記陽極部材が収容され、前記鉄筋と対向する側に前記凹状部が開放された状態となるように前記間隔保持部材を前記目地材に取り付けることを特徴とする請求項1に記載の橋桁端部の電気防食方法。
【請求項3】
前記間隔保持部材の前記凹状部にモルタルを充填して前記陽極部材を埋め込み、前記モルタルの硬化後に該間隔保持部材を前記目地材に取り付けることを特徴とする請求項2に記載の橋桁端部の電気防食方法。
【請求項4】
前記間隔保持部材は、帯状又は棒状となった前記陽極部材の全周を軸線方向に連続して被覆するモルタルであり、
前記陽極部材は、前記モルタルを前記目地材に当接して取り付けることを特徴とする請求項1に記載の橋桁端部の電気防食方法。
【請求項5】
前記目地材は、板状に形成され、
前記間隔保持部材を該目地材の一方の面に当接して前記陽極部材を取り付けるとともに、他の目地材の一方の面にも前記間隔保持材を当接して前記陽極部材を取り付けておき、
これら2枚の前記目地材の他方の面を互いに対向させて重ね合わせ、
該目地材を前記橋桁の端面と他の橋桁の端面との間に配置することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の橋桁端部の電気防食方法。
【請求項1】
橋桁の端面が他の橋桁の端面と対向する橋桁端部、又は橋桁の端面が橋台と対向する橋桁端部の電気防食方法であって、
橋桁端部のコンクリートを橋桁の端面近くに埋め込まれている鉄筋が露出するまではつり取るとともに、鉄筋の錆を除去する工程と、
橋桁の伸縮を許容する程度に柔軟に変形する目地材と、帯状又は棒状に形成された陽極部材との間に、該陽極部材の長手方向に沿って連続する間隔保持部材を介挿して、前記陽極部材を前記目地材に取り付ける工程と、
端部をはつり取った前記橋桁の端面と対向する位置に、前記陽極部材が前記鉄筋と非接触となるように、前記目地材を支持する工程と、
前記鉄筋と前記陽極部材との間に直流電圧を印加するための導電線を配置する工程と、
前記橋桁の端面と前記目地材との間にモルタル又はコンクリートを充填する工程と、を含むことを特徴とする橋桁端部の電気防食方法。
【請求項2】
前記間隔保持部材は、絶縁性を有する材料で形成され、断面形状が凹状部を有する溝型となった部材であり、
前記陽極部材を前記目地材に取り付ける工程は、前記凹状部内に前記陽極部材が収容され、前記鉄筋と対向する側に前記凹状部が開放された状態となるように前記間隔保持部材を前記目地材に取り付けることを特徴とする請求項1に記載の橋桁端部の電気防食方法。
【請求項3】
前記間隔保持部材の前記凹状部にモルタルを充填して前記陽極部材を埋め込み、前記モルタルの硬化後に該間隔保持部材を前記目地材に取り付けることを特徴とする請求項2に記載の橋桁端部の電気防食方法。
【請求項4】
前記間隔保持部材は、帯状又は棒状となった前記陽極部材の全周を軸線方向に連続して被覆するモルタルであり、
前記陽極部材は、前記モルタルを前記目地材に当接して取り付けることを特徴とする請求項1に記載の橋桁端部の電気防食方法。
【請求項5】
前記目地材は、板状に形成され、
前記間隔保持部材を該目地材の一方の面に当接して前記陽極部材を取り付けるとともに、他の目地材の一方の面にも前記間隔保持材を当接して前記陽極部材を取り付けておき、
これら2枚の前記目地材の他方の面を互いに対向させて重ね合わせ、
該目地材を前記橋桁の端面と他の橋桁の端面との間に配置することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の橋桁端部の電気防食方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−87291(P2013−87291A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225551(P2011−225551)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【Fターム(参考)】
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