説明

橋梁用ケーブルのケーブル端末構造体

【課題】 ひずみゲージを用いるケーブル張力測定に最適な、橋梁用ケーブルのケーブル端末構造体を提供すること。
【解決手段】 外周面にねじ部21aを有しケーブル部10の端部が固着されたアンカー21と、前記アンカー21の前記ねじ部21aに螺合され、ケーブル張力調整に用いられるとともに被定着物にケーブルを定着させるための定着ナット25とを備えた橋梁用ケーブルのケーブル端末構造体20において、前記定着ナット25は、ケーブル部側にケーブル張力測定用のひずみゲージを貼付するひずみゲージ貼付代部25bを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁用ケーブルのケーブル端末構造体(ケーブル端末具)に関し、ケーブル部の端部が固着されたアンカーと、このアンカーのねじ部に螺合され、ケーブル張力調整に用いられるとともに橋梁の被定着物にケーブルを定着させるための定着ナットとを備えた、橋梁用ケーブルのケーブル端末構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
斜張橋やニールセン橋などの橋梁の吊架用のケーブルは、一般的に、図6に示すような平行線ケーブルが多く用いられている。この平行線ケーブルのケーブル部40は、図6に示すように、多数の亜鉛めっき鋼線41が若干の撚りが入った状態で束ねられたものにポレエチレン被覆42を施した構造を有するものである。一方、橋梁の落橋防止用のケーブルとして、図7に示すようなポリエチレン管付きケーブルがある。このポリエチレン管付きケーブルのケーブル部10は、図7に示すように、複数のPC鋼より線11の束にポレエチレン被覆12を施し、さらにこのポレエチレン被覆付きPC鋼より線13の外側に、隙間空間をあけてポリエチレン管14を配した構造を有するものである。ポリエチレン管付きケーブルは、平行線ケーブルよりも安価であるにもかかわらず、平行線ケーブルに比べてケーブル張力測定の方法が限られることで現状では吊架用のケーブルとしての使用実績が非常に少ないものである。
【0003】
さて、斜張橋などケーブル構造の橋梁では、架設時に張力が設計値を満足するようにケーブルの張力調整が実施され、そのためのケーブル張力の測定が行われる。
【0004】
ケーブル張力測定にあたり、平行線ケーブルの場合には、亜鉛めっき鋼線41とポレエチレン被覆42とが一体化した構造であることから、ポレエチレン被覆42表面に取り付けた加速度計によりハンマーで加振した時のケーブル固有振動数を測定することで、常時、ケーブル張力を測定することができる((a)振動法によるケーブル張力測定方法)。
【0005】
また、振動法によるケーブル張力測定ができないときは、(b)ケーブル端末構造体にセンターホール型ロードセルを組み込みケーブル張力を測定するロードセル式測定方法、(c)ケーブル端末構造体にひずみゲージを貼付しケーブル張力を測定するひずみゲージ式測定方法、(d)ジャッキを用いてケーブル定着部がフリーになる瞬間のケーブル張力を測定するジャッキ式測定方法、(e)ケーブルのザグ(中間の撓み)を測定してケーブル張力を測定する方法、(f)ケーブルの中間に横荷重を与えたときの反力からケーブル張力を測定する方法、などによるケーブル張力測定が挙げられる。
【0006】
そして、ポリエチレン管付きケーブルの場合、内側のケーブル本体とその外側のポリエチレン管とが一体化されておらず独立した動きを示すため、そのケーブル張力測定は、前述の方法のうち、(b)〜(d)のいずれかの測定方法を用いることに限定されることとなる。
【0007】
図8はポリエチレン管付きケーブルの構成要素である従来のケーブル端末構造体の一例を示す図である。
【0008】
ポリエチレン管付きケーブル1’は、ケーブル部10とケーブル端末構造体20’とにより構成されている。ケーブル部10は、図8に示すように、ポリエチレン被覆付きPC鋼より線13とその外側のポリエチレン管14からなっている。また、従来のケーブル端末構造体20’は、図8に示すように、ケーブル部10とは反対側部分の外周面にねじ部21aを有し、ポレエチレン被覆が除去されたPC鋼より線11の端部が挿入されてカシメにて固着された棒状のアンカー21と、このアンカー21のねじ部21aに螺合され、ケーブル張力調整に用いられるとともに橋の被定着物にケーブルを定着させるための定着ナット23とを備えている。22はポリエチレン製の熱収縮チューブであり、アンカー21におけるねじ部21aを除く外周面とポリエチレン管14におけるアンカー21に接する部分の外周面とを覆うようにして取り付けられている。定着ナット23の複数個の止めネジ孔に、それぞれ、止めネジ24が装着されるようになっている。
【0009】
図9は図8に示す従来のケーブル端末構造体を有するポリエチレン管付きケーブルを斜張橋の定着桁(被定着物)に定着するときの、ケーブル張力測定のためのひずみゲージ、あるいはロードセルの取り付けを説明するための図である。
【0010】
図9において、31は斜張橋の桁側の被定着物である定着桁であり(塔側にも似たようなものがある)、32は定着桁31付近においてポリエチレン管付きケーブル1’を保護するための保護管である。ポリエチレン管付きケーブル1’のケーブル張力を測定するに際し、前述した(b)のロードセル式測定方法による場合は、図9に示すように、アンカー21のねじ部21aの位置にセンターホール型ロードセルを組み込み、張力測定を行うことになる。このロードセル式測定方法による場合は、測定精度が良く、ケーブル架設後のメンテナンス時にもケーブル張力の再測定が可能である。しかし、ケーブル長調整量の調整後、ケーブル端末構造体20’からの取り外しが不可能で埋め殺し状態となり、センターホール型ロードセル自体が高価で、定着部が多数あると、ケーブル張力測定にかかるコストが高くなり、ひいては橋梁の建設費のコスト上昇を招くことになる。
【0011】
また、前述した(c)のひずみゲージ式測定方法による場合は、図9に示すように、ケーブル端末構造体20’のアンカー21にひずみゲージを貼付することになる。このため、ひずみゲージ貼付代部を有するアンカーを備えたケーブル端末構造体が必要となる。しかし、仮にアンカー21にひずみゲージ貼付代部を設けたとしても、図9に示すように、このひずみゲージ貼付代部の部分が定着桁31の内側である狭隘箇所に位置することになる。このため、予め、保護管32内を通すに先立って、アンカーのひずみゲージ貼付代部にひずみゲージを貼付しておかなければならず、ケーブル架設中にひずみゲージやリード線が損傷しないような配慮が必要となる。また、架設時に貼付したひずみゲージが耐久性の点でメンテナンス時に再度使用できないおそれがある。なお、前述した(d)のジャッキ式測定方法では、測定精度が悪く、また、メンテナンス時にジャッキがセットできない場合が多いものである。
【特許文献1】特開平10−8390号公報(図5)
【特許文献2】特開2000−155059号公報(段落[0003]〜[0006])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明の課題は、ひずみゲージを用いるケーブル張力測定に最適な、橋梁用ケーブルのケーブル端末構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0014】
請求項1の発明は、外周面にねじ部を有しケーブル部の端部が固着されたアンカーと、前記アンカーの前記ねじ部に螺合され、ケーブル張力調整に用いられるとともに被定着物にケーブルを定着させるための定着ナットとを備えた橋梁用ケーブルのケーブル端末構造体において、前記定着ナットは、ケーブル部側にケーブル張力測定用のひずみゲージを貼付するひずみゲージ貼付代部を有していることを特徴とするものである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1記載の橋梁用ケーブルのケーブル端末構造体において、前記定着ナットは、前記ひずみゲージ貼付代部の内径がナットねじ部部分の内径より大きくなるように形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明による橋梁用ケーブルのケーブル端末構造体は、ケーブル張力調整及びケーブルのナット定着の用途に加え、ひずみゲージ貼付代部を有することでケーブル張力測定用の用途が付与された定着ナットを備えている。したがって、ケーブルがナット定着される被定着物の外側(外部空間側)に定着ナットが位置することから、アンカーにひずみゲージ貼付代部を形成する場合とは違って、ケーブル取り付け前でなくケーブル張力測定時に、定着ナットのひずみゲージ貼付代部にひずみゲージを貼付することができ、よって、メンテナンス時にも、ケーブル架設時のひずみゲージが使用できなくなっていた場合でも新たにひずみゲージを貼付することができ、ケーブル張力の再測定が可能である。しかも、ひずみゲージを容易に貼付することができ、センターホール型ロードセルを組み込む場合に比べてケーブル張力測定に係る作業を手間がかからず作業性良く行うことができる。
【0017】
また、従来のケーブル端末構造体の定着ナットの形状変更のみで済み、センターホール型ロードセルを別途用意して埋め殺し状態で使用する場合に比べてケーブル張力測定にかかるコストを大幅に下げることができる。さらに、平行線ケーブルに比べて安価であるにもかかわらず振動法によるケーブル張力測定ができない点で橋梁用ケーブルへの採用が見送られていたポリエチレン管付きケーブルについて、橋梁用ケーブルへの採用拡大に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態によるポリエチレン管付きケーブルのケーブル端末構造体を示す構成説明図、図2は図1における定着ナットを示す図であって、その(a)は正面図、その(b)は断面図である。ここで、定着ナットが異なる点以外は、前記図8の従来のケーブル端末構造体と同一構成なので、従来のケーブル端末構造体と同一部分には図8と同一の符号を付して説明を省略し、異なる点について説明する。
【0019】
橋梁用ケーブルとしてのポリエチレン管付きケーブル1は、ケーブル部10とケーブル端末構造体20とにより構成されている。ケーブル端末構造体20の構成要素である定着ナット25は、図1及び図2に示すように、アンカー21のねじ部21aに螺合されるナットねじ部25aを有するとともに、ケーブル部10側にケーブル張力測定用のひずみゲージ50を貼付するひずみゲージ貼付代部25bを有している。定着ナット25の複数個の止めネジ孔に、それぞれ、止めネジ24が装着されるようになっている。なお、図2では、止めネジ孔及び止めネジについては図示省略している。アンカー21の材質は、例えばSCM435(機械構造用合金鋼)であり、定着ナット25の材質は、例えばS45CN(機械構造用炭素鋼)である。
【0020】
定着ナット25は、ナットねじ部25a部分に連ねてひずみゲージ貼付代部25bが、その内径がねじ部25a部分の内径より大きくなるように形成されており、ひずみゲージ貼付代部25bの外周面のみならず、ひずみゲージ貼付代部25bの内周面にもひずみゲージ50を貼付可能となっている。そして、この定着ナット25は、内径を変えることによる応力集中を回避するため、ナットねじ部25aとゲージ貼付代部25b内周面とが滑らかな曲面で結ばれている。なお、内周面にひずみゲージ50を貼付する場合、そのリード線を、定着ナット25に設けたリード線導出孔(図示せず)を通して定着ナット25の外側に引き出すようにしている。
【0021】
図3は本発明に係る定着ナットの別の例を示す図であって、その(a)は正面図、その(b)は断面図である。
【0022】
この定着ナット25’は、図3に示すように、ナットねじ部25’a部分に連ねてひずみゲージ貼付代部25’bが、その内径がナットねじ部25’a部分の内径より大きくなるように形成されており、ひずみゲージ貼付代部25’bの外周面のみならず、ひずみゲージ貼付代部25’bの内周面にもひずみゲージ50を貼付可能となっている。また、ナットねじ部25’aとゲージ貼付代部25’b内周面とが、図2の場合に比べて応力集中回避の点で劣るものの、加工の容易な直線状の面で結ばれている。定着ナット25’の材質は、例えばS45CNである。
【0023】
なお、ひずみゲージ貼付代部の内径がねじ部部分の内径より大きくなるように形成された定着ナット25,25’は、一般に、ひずみゲージ貼付代部の先端面の断面積がアンカー21の定着ナット螺合部分の断面積以上であれば、強度的に問題なく使用できるものである。
【0024】
図4は本発明に係る定着ナットの別の例を示す図であって、その(a)は正面図、その(b)は断面図である。
【0025】
この定着ナット25”(材質:機械構造用炭素鋼S45CN)は、図4に示すように、ナットねじ部25”a部分に連ねてひずみゲージ貼付代部25”bが、その内径とナットねじ部25”a部分の内径とが同じなるように形成されており、ひずみゲージ貼付代部25”bの外周面にひずみゲージを貼付するようになっている。定着ナット25”の材質は、例えばS45CNである。
【0026】
図5は図1に示すケーブル端末構造体を有するポリエチレン管付きケーブルが斜張橋の定着桁に定着された状態を示す図である。
【0027】
ポリエチレン管付きケーブル1の定着に際し、ケーブル1の一端側は主塔に取り付けられており、ケーブル1の他端側については、桁側のケーブル端末構造体20のアンカー21の先端部がカップラ等を介してセンターホール型の油圧ジャッキに連結されている。定着ナット25のひずみゲージ貼付代部25bの外周面及び内周面に複数個のひずみゲージ50を貼付し、定着ナット25を所定位置に位置させてから油圧ジャッキを解放し、定着ナット25がテーパ座金33を介して被定着物である定着桁31に押圧された状態で、その定着ナット25のひずみ量を測定する。
【0028】
得られたひずみ量測定値に基づいてポリエチレン管付きケーブル1のケーブル張力を算出して測定し、そのケーブル張力測定値から、ケーブル張力設計値となるようにするためのケーブル長調整量を決定する。次いで、油圧ジャッキでポリエチレン管付きケーブル1を引き、定着ナット25を回転して、あるいはシムを挿入して調整後の位置まで移動させることでケーブル長を前記ケーブル長調整量分だけ調整し、しかる後、油圧ジャッキを解放し、調整確認のために、再度、ひずみゲージ50を用いたケーブル張力測定を行うようにしている。
【0029】
このように、本発明のケーブル端末構造体20は、ケーブル張力調整及びケーブルのナット定着の用途に加え、ひずみゲージ貼付代部25bを有して新たにケーブル張力測定用の用途が付与された定着ナット25を備えている。したがって、ケーブル1がナット定着される被定着物である定着桁31の外側(外部空間側)に定着ナット25が位置することから、アンカーにひずみゲージ貼付代部を形成する場合とは違って、ケーブル取り付け前でなくケーブル取り付け後のケーブル張力測定時に、定着ナット25のひずみゲージ貼付代部25bにひずみゲージ50を貼付することができ、よって、メンテナンス時にも、ケーブル架設時のひずみゲージが使用できなくなっていた場合でも新たにひずみゲージを貼付することができ、ケーブル張力の再測定が可能である。しかも、ひずみゲージ50を容易に貼付することができ、センターホール型ロードセルを組み込む場合に比べてケーブル張力測定に係る作業を手間がかからず作業性良く行うことができる。
【0030】
また、従来のケーブル端末構造体の定着ナットの形状変更のみで済み、センターホール型ロードセルを別途用意して埋め殺し状態で使用する場合に比べてケーブル張力測定にかかるコストを大幅に下げることができる。さらに、平行線ケーブルに比べて安価であるにもかかわらず振動法によるケーブル張力測定ができない点で橋梁用ケーブルへの採用が見送られていたポリエチレン管付きケーブルについて、橋梁用ケーブルへの採用拡大に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態によるポリエチレン管付きケーブルのケーブル端末構造体を示す構成図である。
【図2】図1における定着ナットを示す図であって、その(a)は正面図、その(b)は断面図である。
【図3】本発明に係る定着ナットの別の例を示す図であって、その(a)は正面図、その(b)は断面図である。
【図4】本発明に係る定着ナットの別の例を示す図であって、その(a)は正面図、その(b)は断面図である。
【図5】図1に示すケーブル端末構造体を有するポリエチレン管付きケーブルが斜張橋の定着桁に定着された状態を示す図である。
【図6】平行線ケーブルのケーブル部を示す断面図である。
【図7】ポリエチレン管付きケーブルのケーブル部を示す断面図である。
【図8】ポリエチレン管付きケーブルの構成要素である従来のケーブル端末構造体の一例を示す構成図である。
【図9】図8に示す従来のケーブル端末構造体を有するポリエチレン管付きケーブルを斜張橋の定着桁に定着するときの、ケーブル張力測定のためのひずみゲージ、あるいはロードセルの取り付けを説明するための図である。
【符号の説明】
【0032】
1…ポリエチレン管付きケーブル
10…ケーブル部
11…PC鋼より線
12…ポレエチレン被覆
13…ポレエチレン被覆付きPC鋼より線
14…ポリエチレン管
20…ケーブル端末構造体
21…アンカー
21a…ねじ部
24…止めネジ
25,25’,25”…定着ナット
25a,25’a,25”a…ナットねじ部
25b,25’b,25”b…ひずみゲージ貼付代部
31…定着桁
32…保護管
33…テーパ座金
50…ひずみゲージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面にねじ部を有しケーブル部の端部が固着されたアンカーと、前記アンカーの前記ねじ部に螺合され、ケーブル張力調整に用いられるとともに被定着物にケーブルを定着させるための定着ナットとを備えた橋梁用ケーブルのケーブル端末構造体において、前記定着ナットは、ケーブル部側にケーブル張力測定用のひずみゲージを貼付するひずみゲージ貼付代部を有していることを特徴とする橋梁用ケーブルのケーブル端末構造体。
【請求項2】
前記定着ナットは、前記ひずみゲージ貼付代部の内径がナットねじ部部分の内径より大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の橋梁用ケーブルのケーブル端末構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−207230(P2006−207230A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−19895(P2005−19895)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】