説明

橋梁

【課題】簡単な施工によって、効率よく橋桁部の遮蔽性、特にその端部の遮蔽性を向上させることである。
【解決手段】橋梁10の橋桁部12の側面および下面および端部を遮蔽板13で覆う場合において、端部遮蔽板13を、支承16よりも0.5m〜5m内側に設置する。こうすれば、端部遮蔽板13設置の際に、広い作業スペースを確保できるため、良好な施工が可能である。また、伸縮装置17から漏水があっても、橋桁部12内に雨水等が浸入することはないため、伸縮装置17下面等を別途閉塞する必要がなく、構造も単純化される。側面および下面遮蔽板13と端部遮蔽板13との接合部に隙間が生じても、外部に直接露出していないため、不純物が浸入しにくい。点検作業の際には、端部遮蔽板13に設けたメンテナンスハッチを用いると便利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、橋桁部を遮蔽板で覆った橋梁に関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁は、通常、屋外に設置され、常時、日射、風雪雨に曝されることとなるが、特に、海岸地帯の橋梁は、風に運ばれて飛来する塩分の量が多く、厳しい腐食環境下にある。
このため、鋼製橋梁においては、塗装や金属メッキ等を施して耐食性を付与したり、耐食性部材を使用したりするなど種々の対策が講じられている。
また、コンクリート製橋梁においても同様に、鉄筋へのコンクリート被りを十分に確保したり、鉄筋やコンクリート表面に塗装を施したりするなどして対策が講じられている。
【0003】
しかし、鋼製橋梁の塗装等による防食対策は、定期的に塗り直しをしなければならず、耐食部材を用いることによる防食対策は、その設置環境に応じた部材を適切に選択することは困難であり、高防食性の部材を濫用しがちで、いずれにせよ効率が悪い。
一方、コンクリート製橋梁においては、内部鉄筋の腐食状況の把握が困難であるから、状況に応じた対策がなされにくく、また、内部鉄筋が腐食している場合には、その補修の際に被りコンクリートを剥離する作業が伴うため、多額の費用が発生し、これもまた効率が悪い。
【0004】
このような実情に鑑みて、低コストで、橋梁の防食性を長期間にわたって高めるため、橋梁の橋桁部の側面及び下面を遮蔽板で覆う技術(特許文献1、4参照)および遮蔽シートで覆う技術(特許文献2、3参照)がすでに開示されている。
【0005】
しかし、橋桁部を遮蔽シートで覆う場合には、シートが風にあおられてばたつくと早期に劣化するために、シートに張りを与え形状を安定させる手段が講じられているが(特許文献2,3参照)、このように張りを与える部材を追加して橋桁部の構造が複雑になることは、点検作業等の見地から好ましくない。
また、このようなシートは、外部からの衝撃に弱く破損が生じやすい。さらに、このようにシートが一部破損すると、通常はシート全体を交換する必要があるため、再度大掛かりな設置工事が必要となる。
また、橋梁の点検時に、シートを足場として用いることができないか、あるいは用いることができても不安定であり、安全面で課題が残る。そのため、点検時に足場を仮設するとなると煩雑であり、あるいはまたシートが邪魔になるため、一旦取り外す必要も生じ、どちらにしても手間がかかる。
【0006】
一方、橋桁部を遮蔽板で覆う場合には、あまり複雑な構造とはならず、さらに、このような遮蔽板は強固であるため、破損が生じにくく、たとえ破損が生じた場合においても、遮蔽板を複数のパネルから構成している場合(特許文献1、4参照)には、破損したパネルのみを交換すればいいため、コストが比較的低廉で済む。
また、橋梁の点検時には、遮蔽板を足場として用いることができるため便利でもある。
【0007】
しかし、これらの特許文献においては、いずれも橋桁部の端部を遮蔽板で覆う技術が開示されておらず、端部は覆われずに開放されていると思われる。このような場合、この端部から、不純物等が入り込み橋桁部が腐食してしまうため、遮蔽性が不十分である。
【0008】
そこで、図7のように、橋桁部を覆う側面遮蔽板20aと下面遮蔽板20bの開放端を端面遮蔽板20cで覆って遮蔽性を向上させることが考えられる(特願2004−305173参照)。
しかし、このような場合、橋脚18上で向かい合う開放端同士あるいは、開放端と橋台15の壁面との距離が開放端同士なら150mm〜300mm、開放端と橋台15の壁面なら100mm〜200mmと非常に近接しているため、かかる狭隘な部分において、端面遮蔽板20cを取り付けることは困難である。
また、側面遮蔽板20aや下面遮蔽板20bあるいは端面遮蔽板20cとの接合部分に、施工不良により隙間が存在する場合には、この接合部分が直接外部に露出しているため、塩分等の不純物や雨水がその隙間から橋桁部内に浸入してしまう。そのため、未だ遮蔽性に改善の余地が認められる。
【0009】
また、図8のように、橋桁部を覆う側面遮蔽板20aと下面遮蔽板20bの橋脚18上で対向する開放端を側面延長板20dでつなげたり、側面延長板20dを延ばして開放端と橋台15壁面との隙間を小さくしたりして、遮蔽性を向上させることが考えられる(特願2004−305173参照)。
ここで、開放端の真上には、伸縮装置17が設置されているが、これは本来漏水しない構造となっているものの、車両交通の荷重や衝撃に長年さらされていると、水を遮る役割を担う樋や可撓性材料が劣化してしまう。このような伸縮装置17の劣化に伴い、漏水が橋桁内部に侵入することが非常に多く、未だ遮蔽性に改善の余地が認められる。
この場合に、伸縮装置17の下面等を新たに可撓性材料で閉塞することにより、伸縮装置17からの漏水の橋桁内部への侵入を防止するとなると、構造が複雑となり、また、上記した場合と同様に、狭隘な部分で作業する必要があるため、施工に困難を伴う。
【特許文献1】特表平9−500698号公報
【特許文献2】特開2000−129475号公報
【特許文献3】特開2004−183236号公報
【特許文献4】特開2004−324230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこでこの発明は、簡単な施工によって、効率よく橋桁部の遮蔽性、特にその端部の遮蔽性を向上させることをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するため、この発明では、床版と、床版を下方から支持する橋桁部とを有する橋梁において、橋桁部の側面および下面および端部を遮蔽板で覆い、端部遮蔽板を、側面遮蔽板と下面遮蔽板の開放端から内側に設置したのである。
【0012】
端部遮蔽板を側面遮蔽板と下面遮蔽板の開放端より内側に設置したことにより、開放端に端部遮蔽板を取り付けた場合と比較して、広い作業スペースを確保できるため、良好な施工が可能である。
また、伸縮装置から漏水があっても、端部遮蔽板は漏水部分よりも内側にあるため、この漏水が浸入することはない。そのため、伸縮装置下面等を別途可撓性材料で閉塞する必要がないため、構造も単純化される。
さらに、側面遮蔽板や下面遮蔽板と端部遮蔽板との接合部が、床版と側面遮蔽板と下面遮蔽板とで囲まれる空間または、床版と側面遮蔽板と橋台上面とで囲まれる空間、または床版と側面遮蔽版と橋脚上面とで囲まれる空間のいずれかの内側にあるため、施工不良によりこの部分に隙間が存在する場合でも、その隙間からは不純物が浸入しにくい。
【0013】
ここで、端部遮蔽板を、橋桁部を支持する支承より内側に設置すると、端部遮蔽板の取り付け作業に十分なスペースを確保できるため、一層施工が良好である。
また、施工不良により、側面遮蔽板や下面遮蔽板と端部遮蔽板との接合部に隙間がある場合にも、奥まったところにあるため、一層不純物が橋桁内に浸入しにくい。
【0014】
ここで、通常は、橋台あるいは橋脚の近辺では、施工の都合から、橋桁部下面は下面遮蔽板に覆われずに開放されていることが多い。そのため、このように、下面遮蔽板に覆われていない橋台等の近辺において端部遮蔽板を設置すると、下面が開放されているため、せっかく端部遮蔽板で覆っても、この下方空間から橋桁部内に不純物等が侵入してしまう恐れがある。よって、下面遮蔽板が存在する部分において、端部遮蔽板を設置したほうが、下面が開放されていないので、下方から不純物が浸入することがなく、遮蔽性がより高い。
その一方で、端部遮蔽板を橋台等からあまりに距離を隔てて設置するとなると、橋梁の端部の非閉塞部分が大きくなり、橋桁部の直接的に外気に曝される部分が大きくなってしまう。このような理由から、端部遮蔽板を、橋台あるいは橋脚上に設置された支承から0.5m〜5m、より好ましくは、2〜3m内側に設置するのが適当である。
【0015】
側面遮蔽板および下面遮蔽板および端部遮蔽板のうちの少なくとも1つに、開閉可能なメンテナンスハッチを設けると、点検作業等の際の橋梁の遮蔽空間への出入りが容易となるため、便利である。特に、端部遮蔽板にメンテナンスハッチを設けると、その周囲が側面遮蔽版と下面遮蔽板で覆われているので、開けた場合でも、橋梁の遮蔽空間は一定の気密性が保たれるため好ましい。
【発明の効果】
【0016】
この発明においては、橋桁部の側面および下面および端部を遮蔽板で覆う際に、端部遮蔽板を、側面および下面遮蔽板の開放端より内側に設置したため、施工が良好となり、構造が簡単となり、遮蔽性が高まるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態について説明するが、まず、図1から図3を参照しつつ、この発明にかかる橋梁10の概要を説明し、ついで、図4から図6を参照しつつ、この発明にかかる橋梁10の要部を説明することとする。
【0018】
図1から図3に示すように、この発明にかかる橋梁10は、床版11と橋桁部12とからなる既設あるいは新設の橋梁本体の、橋桁部12の側面および下面および端部に遮蔽板13を被せて取り付けたものである。
ここで、この遮蔽板13は、後述するように、複数のパネル13a〜13cを相互に連結したものであって、図示のように、下面および側面遮蔽板13は、取り付け具14を用いて橋桁部12に取付けられている。
【0019】
遮蔽板13によって、橋桁部12の側面及び下面を覆うには、図1(a)から同(b)に示すように、床版11の下を支持する橋桁部12のI型主桁に取り付け具14を取付け、同(c)に示すように、その取り付け具14を介して下面および側面遮蔽板13を橋桁部12の主桁に取付けることによる。
このとき、取り付け具14の橋桁部12の主桁への取り付けは、遮蔽板13の死荷重、点検時の活荷重及びその他の荷重を考慮して橋桁部12の主桁の長さ方向適宜間隔とする。また、下面および側面遮蔽版13と取り付け具14および取り付け具14と橋桁部12の主桁とは、例えば、ボルトとナットによって固定する。
【0020】
図2(a)から(c)に示すように、橋桁部12の主桁が箱桁の場合においても、上記したI桁の場合と同様に、その箱桁の形状に対応した取り付け具14を採用することによって、遮蔽板13を被せることができる。
【0021】
また、図3のように、橋桁部12の端部は、端部遮蔽板13によって閉塞されている。図示のように、端部遮蔽板13は、橋台15あるいは橋脚18上に設置された支承16より内側に取り付けられている。
【0022】
主桁12aがI桁の場合における、実施形態にかかる橋梁10の詳細を、図4および図5に示す。橋梁の構成部材を、上から順に説明する。
まず、床版11は、その上面に車両等が通行するコンクリート構造体であり、上面の車両通行部分にはアスファルト舗装が施されている。図4および図5のように、上面両側は盛り上がって地覆11aを形成し、地覆11a上面には、ガードレール11bが設置されている。また、床版11下面両側部には、切り欠き状の水切り11cが床板11の長さ方向に延びている。
【0023】
図4および図5のように、床版11の下には、床版11の幅方向に所定の間隔をおいて並列し、床版11の長さ方向に延びるI型の主桁12aが設置されており、この主桁12aの上フランジにより、床版11は支持されている。また、隣接する主桁12aウェブ同士は、横桁(図示省略)により連結されて強化されている。
【0024】
また、図4のように、主桁12aの下フランジには、吊り下げ具14aの上端部が固定され、吊り下げ具14aの下端部には、床版11の長さ方向に延びるI型の下縦梁14bの上フランジが固定されている。
そして、下縦梁14bの下フランジには、床版11の長さ方向に所定の間隔をおいて並列し、床版11の幅方向に延びるI型の下面支持梁14cの上フランジが接しており、この下縦梁14bと下面支持梁14cとは互いに固定されている。
【0025】
一方、床版11の幅方向に並列する吊り下げ具14aの、両側の吊り下げ具14aの上端には、斜め上方に向かう押さえ具(図示省略)の一端が固定されており、押さえ具の他端および両側の吊り下げ具14aの外側部には、図5のように、床版11の長さ方向に延びるI型の側縦梁14dが固定されている。
そして、図5のように、側縦梁14dの外側フランジには、床版11の長さ方向に所定の間隔をおいて並列し、床版11面に対して垂直方向に延びるI型の側面支持梁14eの一方フランジが固定されている。また、側面支持梁14eの上端には、L字鋼からなるストッパ14fが設けられている。
【0026】
以上の部材14a〜14fから取り付け具14は構成されている。
ここで、取り付け具14のそれぞれの部材14a〜14fは、その材料を、軽量形鋼、アルミニウム合金、FRP、木材等と適宜に選択すれば良いが、橋梁10に多大な死荷重(静荷重)を与えることがないようにできるだけ軽い物とするのがよく、例えば、軽量形鋼を採用する。
また、取り付け具14の寸法や個数は、遮蔽板13の死荷重、点検時の活荷重及びその他の荷重や、後述する遮蔽板13を構成する下面パネル13aおよび側面パネル13bの寸法を考量して適宜に決定するものとする。
【0027】
さらに、図4および図5のように、下面支持梁14cの下フランジには、下面遮蔽板13が取り付けられ、図5のように、側面支持梁14eの他方フランジには、枠材13dを介して側面遮蔽板13が取り付けられている。また、図示のように、橋桁部12の端部は、橋台15の上面15aに設置されて橋桁部12を支持する支承16から、所定距離D内側に取り付けられた端部遮蔽板13により閉塞されている。距離Dは、0.5m〜5mとするのが好ましく、2〜3mが理想的である。
【0028】
これら遮蔽板13は、図示のように、複数の下面パネル13aおよび側面パネル13bおよび端部パネル13cから構成されている。
【0029】
これら下面パネル13aおよび側面パネル13bおよび端部パネル13cは、橋梁を架設する地域の腐食環境の程度に応じて、耐食性・耐久性を有する材料、例えば、ステンレス鋼、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム合金、強化ガラス、繊維強化プラスチック(FRP)、アクリル樹脂板、ポリカーボネート樹脂板、塩化ビニル板等を適宜に選択すれば良いが、橋梁10に過大な死荷重(静荷重)を与えることがないように、できるだけ軽い物とするのがよい。
【0030】
例えば、ステンレス薄板を用い、景観を配慮する場合にはカラー塗装を施してもよい。
ステンレスを採用する場合、飛来することが想定される物質に応じてその種類を選択し、例えば、飛来海塩量が0.15mdd以下の地域ではSUS304、同0.15mdd〜0.4mddの地域ではSUS316、同0.4mdd以上の地域ではSUS329J3を用いるとよい。
また、亜鉛めっき鋼板を用いる場合は、景観に配慮して、フッ素樹脂ラミネート仕様とするのがよい。
【0031】
また、非常に厳しい環境においては、耐食性確保の観点から、パネル13a〜13cには、チタン板を使用することもできる。さらに、パネル13a〜13cの外面には光触媒を塗布して汚れを分解させることで、一層耐食性を高めることもできる。
【0032】
また、下面遮蔽板13を構成する下面パネル13aは箱状に形成すれば、剛性が大きくなり、点検作業等の際に足場として用いるのに十分な強度が確保しやすくなり、かつ、パネル13aの上面が平坦であるため、通行性も良好である。
この場合、箱状の下面パネル13aの中にグラスウール等の吸音性の高い素材を封入すると、橋梁10の下を車両が通行する際に生じる騒音を減じることができるため、好ましい。
【0033】
なお、端部遮蔽板13は図示しない骨組み部材により内側から支えられ、補強されているものとする。
また、端部遮蔽板13には開口が設けられ、図5のように、この開口にはメンテナンスハッチ13gが被せられている。図示のように、メンテナンスハッチ13gの四隅は止めボルト13eにより端部遮蔽板13に固定されており、その上下には取手13fが取り付けられている。
止めボルト13eを取り外し、取手13fを持ってメンテナンスハッチ13gを開くと開口が現れ、この開口を通じて橋梁10の遮蔽空間に容易に出入り可能である。このため、このようにメンテナンスハッチ13gを設けておくと、維持管理、点検、補修、補強の際に非常に便利である。
このメンテナンスハッチ13gは、透明アクリル樹脂板、透明ポリカーボネート樹脂板、透明塩化ビニル板等の透明度の高い素材から形成すると、これを通じて橋梁10の遮蔽空間内部に光が入りやすくなるため、点検作業の際の遮蔽空間内部の視認性が向上する。
このようなメンテナンスハッチ13gは、端部遮蔽板13のみならず、側面遮蔽板13や下面遮蔽板13にも設けると、点検作業の際の橋梁10の遮蔽空間への出入りが一層容易となる。この場合において、側面遮蔽板13や下面遮蔽板13の端部であって端部遮蔽板13よりも外側にメンテナンスハッチ13gを設けると、開けた際にも、橋梁10の遮蔽空間の気密性が一定以上保たれるため好ましい。
【0034】
また、図5のように、下縦梁14bおよび側縦梁14dと隣接する端部パネル13cは、設置の際に下縦梁14bおよび側縦梁14dと干渉しないように、方形に切り欠かれている。このため、図示のように、下縦梁14bおよび側縦梁14dのウェブの両側に隙間が形成されてしまう。
そこで、一層遮蔽性を向上させるには、図6のように、ウェブの両側部分を補助板13hで閉塞するとよい。
【0035】
さらに遮蔽性を向上させるには、図4のように、下面遮蔽板13と橋台15の前面15bとの間に形成される隙間や、伸縮装置17下方などをゴムプレート19で簡易に閉塞するとよい。加えて、側面遮蔽板13と橋台15の上面端部との間に形成される隙間も、同様に簡易に閉塞するとよい。
【0036】
橋梁10内部を換気するために、換気窓を設ける場合には、その換気窓にフィルターを設けて不純物の橋梁10内への侵入を防止するのがよい。また、橋梁10内の点検作業のために、照明灯を設けることもできる。点検作業などにおいては、取り付け具14,遮蔽板13等が足場となる。
【0037】
さらに、橋梁10内には、半永久的に除湿効果を有するB型シリカゲルを設置して、降雨時の高湿度や結露等による腐食防止を行うことができる。このB型シリカゲルの設置の量等については、本出願人が先に出願した特開2003−089888号公報に従うこととする。
【0038】
上記のシリカゲルの設置方法としては、吸湿効果を高めるため、シート状に成形包装されたシリカゲルを遮蔽板13の内面に貼り付けるのが良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】一の実施形態にかかる橋梁の組み立て順序を示す図
【図2】他の実施形態にかかる橋梁の組み立て順序を示す図
【図3】一の実施形態にかかる橋梁の側面図
【図4】一の実施形態にかかる橋梁の縦断面図
【図5】一の実施形態にかかる橋梁の横断面図
【図6】一の実施形態にかかる橋梁の部分拡大図
【図7】従来の橋梁の側面図
【図8】従来の橋梁の側面図
【符号の説明】
【0040】
10 橋梁
11 床版
11a 地覆
11b ガードレール
11c 水切り
12 橋桁部
12a 主桁
13 遮蔽板
13a 下面パネル
13b 側面パネル
13c 端部パネル
13d 枠材
13e 止めボルト
13f 取手
13g メンテナンスハッチ
13h 補助板
14 取り付け具
14a 吊り下げ具
14b 下縦梁
14c 下面支持梁
14d 側縦梁
14e 側面支持梁
14f ストッパ
15 橋台
15a 橋台上面
15b 橋台前面
16 支承
17 伸縮装置
18 橋脚
19 ゴムプレート
20a 側面遮蔽板
20b 下面遮蔽板
20c 端面遮蔽板
20d 側面延長板
D 支承からの距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床版11と、床版11を下方から支持する橋桁部12とを有する橋梁10において、
前記橋桁部12の側面および下面および端部を遮蔽板13で覆い、前記端部遮蔽板13を、床版11と側面遮蔽板13と下面遮蔽板13とから形成される開放端から内側に設置したことを特徴とする橋梁。
【請求項2】
上記端部遮蔽板13は、上記橋桁部12を下方から支持する支承16よりも内側に設置された請求項1に記載の橋梁。
【請求項3】
上記端部遮蔽板13は、上記支承16から0.5m〜5m内側に設置された請求項2に記載の橋梁。
【請求項4】
上記側面遮蔽板13および下面遮蔽板13および端部遮蔽板13のうちの少なくとも1つに、開閉可能なメンテナンスハッチ13gを設けた請求項1から3のいずれかに記載の橋梁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−154576(P2007−154576A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353870(P2005−353870)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【出願人】(505075754)株式会社クリモトテクノス (8)
【Fターム(参考)】