説明

橋梁

【課題】水面下に橋桁や床版が瞬時に沈下する津波時のような急激で圧倒的な水の襲来にも耐えることのできるようにした橋梁を提供する。
【解決手段】河川などの水域に架け渡されると共に増水時に水面下に沈下可能とされた橋梁1であって、橋桁の上に載置固定された床版6Aが、長手方向に同一断面形状を有する形鋼21を、橋軸方向または橋軸直角方向に各形鋼21の長手方向を沿わせ、且つ、長手方向と直交する方向に平面状に複数敷き並べることで構成され、隣接する形鋼21の間に上下方向の通水を許す隙間20が確保されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川などの水域に架け渡された橋梁に係り、特に津波対策を講じた橋梁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の大地震に伴って発生した巨大津波により多大な被害が発生した。例えば、津波により橋梁が流失した被害が多数報告されている。今までの橋梁は、津波襲来時の浮力(揚力)による影響についてはほとんど想定しておらず、そのせいで被害が甚大化したと思われる。
【0003】
例えば、特許文献1に示されるような橋梁では、一般的に床版は、全面的にコンクリート舗装などを施されており、浮力の影響を受けやすいという弱点があった。また、特許文献2に示されるようなオープングレーチング床版と称されるものを橋梁の床版に利用することも考えられるが、津波等のように急激で圧倒的な水の襲来に対しては通水性が悪く、上向きの揚力の軽減にはあまり効果がないと予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4256356号公報
【特許文献2】特開2005−248664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、従来の橋梁は、津波のような急激で圧倒的な水の襲来には耐えることができないものであった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、水面下に橋桁や床版が瞬時に沈下する津波時のような急激で圧倒的な水の襲来にも耐えることのできるようにした橋梁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、本発明は、河川などの水域に架け渡されると共に増水時に水面下に沈下可能とされた橋梁であって、橋桁の上に載置固定された床版が、長手方向に同一断面形状を有する形鋼を、橋軸方向または橋軸直角方向に各形鋼の長手方向を沿わせ、且つ、長手方向と直交する方向に平面状に複数敷き並べることで構成され、隣接する形鋼の間に上下方向の通水を許す隙間が確保されていることを特徴とする。
これにより、床版を構成する多数の形鋼間の隙間を通して津波襲来時の水の勢いを逃がすことができる。また、形鋼の長手方向に沿って水が襲ってくるときに、形鋼の長手方向や隙間の連続方向に水勢を逃がすことができる。
【0008】
また、請求項2に係る発明では、前記形鋼が、上または下に凸部を向けたU字状の断面を有するものであることを特徴とする。
これにより、床版が水没した時に床版に働く水の抵抗(抗力)を低減させることができる。また、水平方向に水が襲ってくるときに、U字状の曲面に沿って水の勢いを逃がすことができる。
【0009】
また、請求項3に係る発明では、橋脚が円形鋼管杭により構成されており、複数本の円形鋼管杭のうちの少なくとも何本かが、下端に地盤中に回転圧入される螺旋羽根を有していることを特徴とする。
これにより、螺旋羽根が地盤中に回転圧入されていることで、円形鋼管杭の引き抜き耐力が増す。
【0010】
また、請求項4に係る発明では、橋脚が、内部にコンクリートを充填した円形鋼管杭により構成されており、円形鋼管杭の上端が橋桁と剛結合されていることを特徴とする。
これにより、橋桁に浮力が作用した際にそれに耐えることができる。
【0011】
また、請求項5に係る発明では、橋桁の側面に、桁高相当の高さを有し、外に向かって凸に湾曲または外に向かって窄まった断面形状の長尺の抵抗低減部材が配置されていることを特徴とする。
これにより、水平方向から襲ってくる水勢を橋桁の側面の抵抗低減部材により逃がすことができる。
【0012】
また、請求項6に係る発明では、橋桁の側面に、漂流物の衝突による衝撃を吸収する衝撃吸収部材が配置されていることを特徴とする。
これにより、漂流物の衝突から橋桁を保護することができる。
【0013】
また、請求項7に係る発明では、前記衝撃吸収部材は、外側の外装体と、前記外装体よりも剛性が高い内側の内装体とを備えることを特徴とする。
これにより、衝撃吸収部材が高い衝撃緩衝機能を発揮できる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、床版を構成する多数の形鋼の間に通水を許す隙間が確保されているので、津波襲来時にそれらの隙間を通して水の勢いを逃がすことができ、橋桁に作用する浮力(揚力)を低減させることができて、津波による橋桁の流失を阻止することができる。また、形鋼の長手方向に沿って水が襲ってくるときに、形鋼の長手方向や隙間の連続方向に水勢を逃がすことができるので、襲って来る水に対する抵抗が少なくなり、それだけ橋桁に対する圧力を軽減することができる。また、形鋼の間に隙間が確保されていることで、床版の軽量化が図れ、地震作用力の低減にも大きく寄与することができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、床版を構成する形鋼間の隙間を通って上下方向に水が抜けやすくなり、床版が水没した時に床版に働く水の抵抗(抗力)を低減させることができる。また、水平方向に水が襲ってくるときに、U字状の曲面に沿って水の勢いを逃がすことができるので、抵抗を少なくすることができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、螺旋羽根が地盤中に回転圧入されていることで、円形鋼管杭の引き抜き耐力が増し、洗掘による橋脚の流失を防止することができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、橋脚と橋桁が剛結合されているので、橋桁に浮力が作用した際にそれに耐えることができる。また、橋桁と橋脚が一体化されているので、橋脚が折れたり引き抜かれたりしない限り、橋桁の流失を阻止することができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、水平方向から襲ってくる水勢を橋桁の側面の抵抗低減部材により逃がすことができ、水没時に橋桁に働く水の抵抗(抗力)を小さくすることができる。
【0019】
請求項6に係る発明によれば、橋桁の側面に設けた衝撃吸収部材が漂流物に対する衝撃緩衝機能を備えるので、漂流物の衝突から橋桁を保護することができる。
【0020】
請求項7に係る発明によれば、前記衝撃吸収部材が、外側の外装体と前記外装体よりも剛性が高い内側の内装体とを備えるから、衝撃吸収部材が高い衝撃緩衝機能を発揮することとなり、漂流物衝突から橋桁をより一層保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態の橋梁の一部構成を示す外観斜視図である。
【図2】同橋梁が津波に襲われたときの状態を示す想像図である。
【図3】同橋梁の橋脚と橋桁の結合の仕方の違う2つのタイプを示す図で、(a)は頂盤を構成する鋼箱横桁に橋脚を結合したタイプを示す図、(b)は橋桁を構成する主桁と横桁に直接橋脚を結合したタイプを示す図である。
【図4】同橋梁の床版の構成の第1例を示す斜視図およびその部分拡大図である。
【図5】同橋梁の床版の構成の第2例を示す斜視図およびその部分拡大図である。
【図6】同橋梁の床版の構成の第3例を示す斜視図およびその部分拡大図である。
【図7】同橋梁の床版の構成の第4例を示す斜視図およびその部分拡大図である。
【図8】床版を構成する形鋼の方向性が異なる2つのタイプの橋梁の下から見た図で、(a)は形鋼が橋軸方向に沿って配されている場合の橋梁の下から見た図、(b)は形鋼が橋軸直角方向に沿って配されている場合の橋梁の下から見た図である。
【図9】同橋梁の橋桁の側面に配置される衝撃吸収抵抗低減部材の構成図で、(a)は半円筒タイプ、(b)は三角筒タイプのものを示す斜視図である。
【図10】図9に示す衝撃吸収抵抗低減部材の変形量(バンパー変形)と反力(バンパー反力)の関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態の橋梁の一部構成を示す外観斜視図、図2は橋梁が津波に襲われたときの状態を示す想像図、図3は同橋梁の橋脚と橋桁の結合の仕方の違う2つのタイプを示す図、図4〜図7は、同橋梁の床版の構成の第1例〜第4例を示す斜視図およびその部分拡大図である。
【0023】
この実施形態の橋梁1は、図1および図2に示すように、河川などの水域に架け渡されると共に増水時に水面下に沈下可能とされたものであって、円形鋼管杭2によって構成された橋脚と、円形鋼管杭2の上端に剛結合された橋桁3と、橋桁3の上に載置固定された床版6とを備えている。この橋梁1は、津波が襲ってくる方向(図中矢印A方向)に交差する方向に橋軸方向を向けて架け渡されており、橋桁3の側面には、橋桁3の側面の高さを覆うように、外に向かって凸に湾曲または外に向かって窄まった断面形状(円弧状や三角形状)の長尺の衝撃吸収抵抗低減部材8(詳しくは後述)が設けられている。この衝撃吸収抵抗低減部材8は、橋桁3に衝突する流水抵抗を減じる機能と、津波襲来時の漂流物の衝突による衝撃を吸収する機能を併せ持っている。
【0024】
床版6は、長手方向に同一断面形状を有する形鋼21〜23(図4〜図7参照)を、橋軸方向または橋軸直角方向に各形鋼21〜23の長手方向を沿わせ、且つ、長手方向と直交する方向に平面状に複数敷き並べることで構成されており、隣接する形鋼21〜23の間には上下方向の通水を許す隙間20(後述)が確保されている。
【0025】
このように、床版6を構成する多数の形鋼21〜23の間に通水を許す隙間20が確保されていることにより、津波襲来時にそれらの隙間20を通して水の勢いを逃がすことができ、橋桁3に作用する浮力(揚力)を低減させることができて、津波による橋桁3の流失を阻止することができる。また、形鋼21〜23の長手方向に沿って水が襲ってくるときに、形鋼21〜23の長手方向や隙間20の連続方向に水勢を逃がすことができるので、襲って来る水に対する抵抗が少なくなり、それだけ橋桁3に対する圧力を軽減することができる。また、形鋼21〜23の間に隙間20が確保されていることで、床版6の軽量化が図れ、地震作用力の低減にも大きく寄与することができる。
【0026】
図3に示すように、橋梁1の橋脚(円形鋼管杭2)と橋桁3の結合の仕方には(a)と(b)に示す2つのタイプがあり、(a)のタイプの橋梁1Aでは、頂盤を構成する鋼箱横桁7に橋脚を構成する円形鋼管杭2の上端が剛結合部10Aにて剛結合されている。また、(b)タイプの橋梁1Bでは、橋桁3を構成する主桁と横桁に直接橋脚を構成する円形鋼管杭2の上端が剛結合部10Bにて剛結合されている。
【0027】
剛結合部10A、10Bでは、円環状の金物などを用いて橋桁3と円形鋼管杭2の上端を位置調整した上で、コンクリートをその円環状の金物の内部や鋼箱横桁7の内部から円形鋼管杭2の内部に打設することにより、円形鋼管杭2の上端と橋桁3が剛結合されている。また、円形鋼管杭2の内部にコンクリートが充填されることで、橋脚は充填鋼管コンクリート構造に構成されている。このように、橋脚(円形鋼管杭2)と橋桁3が剛結合されていることにより、橋桁3に浮力が作用した際にそれに耐えることができる。また、橋桁3と橋脚(円形鋼管杭2)が一体化されているので、橋脚(円形鋼管杭2)が折れたり引き抜かれたしない限り、橋桁3の流失を阻止することができる。
【0028】
また、橋脚を構成する円形鋼管杭2のうちの少なくとも何本かは、下端に地盤中に回転圧入される螺旋羽根2aを有している。このように、螺旋羽根2aが地盤中に回転圧入されていることで、円形鋼管杭2の引き抜き耐力を増すことができ、洗掘による橋脚の流失を防止することができる。
【0029】
次に、図4〜図7を用いて床版6の構成例について説明する。
図4の橋梁1Aの床版6は、上に凸部21aを向け、橋軸方向に長手方向を平行に延ばした逆U字状の断面を有する形鋼21を、隙間20を開けて長手方向と直交する方向に平面状に敷き並べで構成したものである。この形鋼21は、幅方向の両端にフランジ21bを有するので、このフランジ21bを押さえるクランプ(図示せず)を用いて橋桁3に固定することができる。
【0030】
図5の橋梁1Aの床版6Bは、橋軸方向に長手方向を平行に延ばしたZ字状の断面を有する形鋼22を、隙間20を開けて長手方向と直交する方向に平面状に敷き並べで構成したものである。この形鋼22は、垂直に立ったウェブ22aの上端と下端にフランジ22b、22cを有するので、例えば、下側のフランジ22cを押さえるクランプ(図示せず)を用いて橋桁3に固定することができる。
【0031】
図6の橋梁1Aの床版6Cは、下に凸部21aを向け、橋軸直角方向に長手方向を平行に延ばしたU字状の断面を有する形鋼21を、隙間20を開けて長手方向と直交する方向に平面状に敷き並べで構成したものである。この形鋼21は、幅方向の両端にフランジ21bを有するので、このフランジ21bを押さえるクランプ(図示せず)を用いて橋桁3に固定することができる。
【0032】
図7の橋梁1Aの床版6Dは、橋軸直角方向に長手方向を平行に延ばしたH字状の断面を有する形鋼23を、隙間20を開けて長手方向と直交する方向に平面状に敷き並べで構成したものである。この形鋼23は、垂直に立ったウェブ23aの上端と下端にフランジ23b、23cを有するので、例えば、下側のフランジ23cを押さえるクランプ(図示せず)を用いて橋桁3に固定することができる。
【0033】
これらの例のうち、図4および図6に示すように、U字状の断面を有する形鋼21を、凸部21aを上または下に向けて配列して構成した床版6A、6Cの場合は、床版6A、6Cを構成する形鋼21間の隙間20を通って上下方向に水が抜けやすくなり、床版6A、6Cが水没した時に床版6A、6Cに働く水の抵抗(抗力)を低減させることができる。また、水平方向に水が襲ってくるときに、U字状の曲面に沿って水の勢いを逃がすことができるので、抵抗を少なくすることができる。
なお、図4では、U字状の断面を有する形鋼21を凸部21aが上に向くように配列しているが、これに限られることなく凸部21aが下にくように配列してもよい。また、図6では、U字状の断面を有する形鋼21を凸部21aが下に向くように配列しているが、これに限られることなく凸部21aが上に向くように配列してもよい。
【0034】
図8は床版6A〜6Dを構成する形鋼の方向性が異なる2つのタイプの橋梁の下から見た図である。
(a)に示すように、形鋼が橋軸方向に沿って配されている場合も、(b)に示すように、形鋼が橋軸直角方向に沿って配されている場合も、橋桁3を構成する主桁4や横桁5は適当な間隔で格子状に設けることにより、安定して床版6A〜6Dを支えられるようにする。
【0035】
次に衝撃吸収抵抗低減部材8について述べる。
図9は橋桁3の側面に配置される衝撃吸収抵抗低減部材8の構成図で、(a)は半円筒タイプ、(b)は三角筒タイプのものを示している。
(a)のタイプの衝撃吸収抵抗低減部材8Aは、半円筒状の外筒体51の内側に、空所53を介して断面M字形であって外筒体51よりも剛性が高い内装体52を配置し、外筒体51の両端51aと内装体52の両端52aを互いに接合したものであり、橋桁3の側面に両端を接合することで橋桁3に取り付けられる。
【0036】
また、(b)のタイプの衝撃吸収抵抗低減部材8Bは、断面三角形の外筒体(外装体)61の内側に、空所63を介して断面M字形の内装体62を配置し、外筒体61の両端フランジ61aと内装体62の両端フランジ62aを互いに接合したものであり、橋桁3の側面に両端を接合することで橋桁3に取り付けられる。
【0037】
これらの衝撃吸収抵抗低減部材8A、8Bは、津波による漂流物が橋桁3の側面に衝突した際に緩衝機能(バンパー機能)を発揮するもので、好ましくは低降伏点鋼を用いて構成されることにより、履歴減衰型ダンパー機能を発揮できるようになっている。特に、空所53、63を挟んだ外筒体51、61と内装体52、62の二重構造になっているので、図10に示すように、2段階の衝撃吸収特性を発揮することができる。即ち、最初の衝撃に対しては、図10のH1で示すように外筒体51、61が主に変形することで緩衝力を発揮し、次の衝撃に対しては、H2で示すように内装体52、62が主に変形することで緩衝力を発揮する。従って、高い衝撃吸収作用を発揮することができる。
【0038】
このような衝撃吸収抵抗低減部材8A、8Bで橋桁3の側面を覆うことにより、水平方向から襲ってくる水勢を逃がすことができ、水没時に橋桁3に働く水の抵抗(抗力)を小さくすることができる。また、橋桁3の側面に対する衝撃緩衝機能を備えるので、漂流物の衝突から橋桁3を保護することができる。
このように衝撃吸収抵抗低減部材8A、8Bは、前述したように橋桁3に衝突する流水抵抗を減じる機能と、津波襲来時の漂流物の衝突による衝撃を吸収する機能を併せ持つ。つまり、衝撃吸収抵抗低減部材8A、8Bは、請求項5でいう「抵抗低減部材」と請求項6でいう「衝撃吸収部材」の2つの部材を兼用している。
具体的には、外筒体51、61がその外観を、上下方向中央部分を外方へ張り出させる形状とすることで、側方からの流水抵抗を減じる「抵抗低減部材」として機能し、また、外筒体51、61と内装体52,62が、協働して津波襲来時の漂流物の衝突による衝撃を吸収する「衝撃吸収部材」として機能する。
【0039】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、図9では、衝撃吸収抵抗低減部材8の内装体52として断面M字形のものを用いているが、これに限られることなく、他の形状(例えば、断面W字形あるいは断面Ω形)であってもよい。また、衝撃吸収抵抗低減部材8は、外筒体51、61と内装体52、62の二重構造になっているが、これに限られることなく、内装体を複数個備える、三重構造あるいは四重構造であってもよい。
また、前記実施形態では、「抵抗低減部材」と「衝撃吸収部材」とを兼用する衝撃吸収抵抗低減部材8を用いているが、これに限られることなく、「抵抗低減部材」と「衝撃吸収部材」とそれぞれ別部材により構成してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1,1A,1B 橋梁
2 円形鋼管杭(橋脚)
2a 螺旋羽根
3 橋桁
6,6A〜6D 床版
8,8A,8B 衝撃吸収抵抗低減部材(抵抗低減部材、衝撃吸収部材)
10A,10B 剛結合部
20 隙間
21〜23 形鋼
21a 凸部
51、61 外筒体(外装体)
52、62 内装体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
河川などの水域に架け渡されると共に増水時に水面下に沈下可能とされた橋梁であって、
橋桁の上に載置固定された床版が、長手方向に同一断面形状を有する形鋼を、橋軸方向または橋軸直角方向に各形鋼の長手方向を沿わせ、且つ、長手方向と直交する方向に平面状に複数敷き並べることで構成され、隣接する前記形鋼の間に上下方向の通水を許す隙間が確保されていることを特徴とする橋梁。
【請求項2】
前記形鋼が、上または下に凸部を向けたU字状の断面を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の橋梁。
【請求項3】
橋脚が円形鋼管杭により構成されており、複数本の円形鋼管杭のうちの少なくとも何本かが、下端に地盤中に回転圧入される螺旋羽根を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の橋梁。
【請求項4】
橋脚が、内部にコンクリートを充填した円形鋼管杭により構成されており、該円形鋼管杭の上端が橋桁と剛結合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の橋梁。
【請求項5】
橋桁の側面に、桁高相当の高さを有し、外に向かって凸に湾曲または外に向かって窄まった断面形状の長尺の抵抗低減部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の橋梁。
【請求項6】
橋桁の側面に、漂流物の衝突による衝撃を吸収する衝撃吸収部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の橋梁。
【請求項7】
前記衝撃吸収部材は、外側の外装体と前記外装体よりも剛性が高い内側の内装体とを備えることを特徴とする請求項6に記載の橋梁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−96096(P2013−96096A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237783(P2011−237783)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(306022513)新日鉄住金エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】