説明

機器、画像形成装置、および機器組立方法

【課題】斜面に取付体を容易に取り付けること、取付体と斜面との間を確実に隠すことを両立した機器、画像形成装置、および機器組立方法を提供。
【解決手段】上面と、側面と、上面と側面との双方に対し傾斜した斜面とを有する枠と;斜面に取り付けられた取付体31と;上面の少なくとも一部を覆う第1の覆い部材と;を有し、斜面2000が、板状部分の表面であり、板状部分が貫通孔200aを有するものであって、取付体が、斜面との間に隙間を空けて斜面に対向して広がる対向部と;対向部から貫通孔を貫通しさらに板状部分の傾斜を登る方向に折れ曲り内面に対面して延びた折れ曲り部311と;固定用部品によって側面に固定された固定部と;斜面に沿う傾斜方向に測ったときに、第1の覆い部材の斜面側の端部との間に、表面部分の傾斜方向の長さ以上に開いた間隔をもって端部の上に広がり、端部と共同して、斜面と対向部との隙間を隠蔽する隠蔽部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器、画像形成装置、および機器組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、上面の前後左右4ヶ所に接続コネクタを設け、各接続コネクタの寸法およびその間隔等を4ヶ所とも同一の構成とすることで、操作パネルを上面の前後左右の使い易い任意の位置に接続可能にした複写機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−095332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、斜面に取付体を容易に取り付けることと、取付体と斜面との間を確実に隠すこととを両立した機器、画像形成装置、および機器組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る機器は、
上面と、側面と、この上面とこの側面とを繋ぐ領域に形成されこの上面とこの側面との双方に対し傾斜した斜面とを有する枠と、
上記斜面に取り付けられた取付体と、
上記上面の少なくとも一部を覆う第1の覆い部材とを有し、
上記斜面が、斜めに配設されて上記枠の内外を仕切る板状部分の表面であり、この板状部分が、この斜面から、上記枠の内側を向いた内面にまで貫通した貫通孔を有するものであって、
上記取付体が、
上記斜面との間に隙間を空けてこの斜面に対向しこの斜面に沿って広がる対向部と、
上記対向部から上記貫通孔に向かって突き出してこの貫通孔を貫通しさらに上記板状部分の傾斜を登る方向に折れ曲って延びた折れ曲り部であって、上記内面に対面した対面部分で上記対向部の上記斜面からの離間を規制する折れ曲り部と、
上記対向部から突き出して上記側面に接し、固定用部品によってこの側面に固定された固定部と、
上記対向部から突き出して、上記斜面に沿う傾斜方向に測ったときに、上記第1の覆い部材の上記斜面側の端部との間に、上記表面部分のこの傾斜方向の長さ以上に開いた間隔をもってこの端部の上に広がり、この端部と共同して、この斜面とこの対向部との隙間を隠蔽する隠蔽部とを有することを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る機器は、
上記側面の少なくとも一部を覆う第2の覆い部材を有し、
上記取付体が、上記対向部の上記側面寄りであって上記固定部よりもこの側面から離れた位置に上記第2の覆い部材の上端を支持する支持部を有し、
上記第2の覆い部材が、上記支持部に支持されて上記固定部と上記側面の一部とを覆う部材であることを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る機器は、
上記取付体が、上記折れ曲り部の、上記貫通孔に向かって突き出した部分の両脇から、上記傾斜方向と交わる方向に延びる壁をさらに有することを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る機器は、
上記取付体が、上記折れ曲り部から上記固定部に至る途中に設けられ上記対向部から上記斜面に向かって突き出してこの斜面に対面した突出体をさらに有することを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る機器は、請求項4にかかる機器において、
上記取付体が、上記折れ曲り部の、上記貫通孔に向かって突き出した部分の両脇から、上記傾斜方向と交わる方向に延びる、上記斜面と上記突出体との対面距離よりも狭い対面距離でこの斜面に対面した壁をさらに有することを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る機器は、
上記取付体が、上記対向部から突き出し上記傾斜方向に延びて上記斜面を両脇から挟み込む一対の挟込体をさらに有することを特徴とする。
【0011】
請求項7に係る画像形成装置は、
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
記録媒体が置かれる媒体置部と、
上記画像形成部で画像が形成された記録媒体を、上記媒体置部まで排出する排出部と、
上面と、側面と、この上面とこの側面とを繋ぐ領域に形成されこの上面とこの側面との双方に対し傾斜した斜面とを有する、上記排出部を内側に収めた枠と、
上記斜面に取り付けられた取付体と、
上記上面の少なくとも一部を覆う第1の覆い部材とを有し、
上記斜面が、斜めに配設されて上記枠の内外を仕切る板状部分の表面であり、この板状部分が、この斜面から、上記枠の内側を向いた内面にまで貫通した貫通孔を有するものであって、
上記取付体が、
上記斜面との間に隙間を空けてこの斜面に対向しこの斜面に沿って広がる対向部と、
上記対向部から上記貫通孔に向かって突き出してこの貫通孔を貫通しさらに上記板状部分の傾斜を登る方向に折れ曲って延びた折れ曲り部であって、上記内面に対面した対面部分で上記対向部の上記斜面からの離間を規制する折れ曲り部と、
上記対向部から突き出して上記側面に接し、固定用部品によってこの側面に固定された固定部と、
上記対向部から突き出して、上記斜面に沿う傾斜方向に測ったときに、上記第1の覆い部材の上記斜面側の端部との間に、上記折れ曲り部の上記対面した表面部分のこの傾斜方向の長さ以上に開いた間隔をもってこの端部の上に広がり、この端部と共同して、この斜面とこの対向部との隙間を隠蔽する隠蔽部とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項8に係る機器組立方法は、
上面と、側面と、この上面とこの側面とを繋ぐ領域に形成されこの上面とこの側面との双方に対し傾斜した斜面とを有する枠であって、この斜面が、斜めに配設されてこの枠の内外を仕切る板状部分の表面であり、この板状部分が、この斜面から、この枠の内側を向いた内面にまで貫通した貫通孔を有するものである枠に、この上面の少なくとも一部を覆う第1の覆い部材を取り付ける第1の覆い部材取付工程と、
上記斜面に取り付けられる取付体であって、この斜面との間に隙間を空けてこの斜面に対向しこの斜面に沿って広がる対向部と、この対向部から上記貫通孔に向かって突き出してこの貫通孔を貫通しさらに上記板状部分の傾斜を登る方向に折れ曲って延びた折れ曲り部であって、上記内面に対面した対面部分でこの対向部のこの斜面からの離間を規制する折れ曲り部と、この対向部から突き出して上記側面に接し、固定用部品によってこの側面に固定される固定部と、この対向部から突き出して、この斜面に沿う傾斜方向に測ったときに、上記第1の覆い部材のこの斜面側の端部との間に、この折れ曲り部のこの対面した表面部分のこの傾斜方向の長さ以上に開いた間隔をもってこの端部の上に広がり、この端部と共同して、この斜面とこの対向部との隙間を隠蔽する隠蔽部と、上記対向部の上記側面寄りであって上記固定部よりもこの側面から離れた位置に、上記側面の少なくとも一部を覆う第2の覆い部材の上端を支持する支持部とを有する取付体のこの折れ曲り部をこの貫通孔に差し込んでこの取付体を、この斜面を登る方向に移動させてこの取付体をその斜面に配置する取付体配置工程と、
上記固定部を上記側面に上記固定用部品で固定する取付体固定工程と、
上記第2の覆い部材を上記支持部に支持させてこの第2の覆い部材で上記固定部と上記側面の少なくとも一部とを覆う第2の覆い部材支持工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る機器によれば、斜面に取付体を容易に取り付けることと、取付体と斜面との間を確実に隠すこととが両立する。
【0014】
請求項2に係る機器によれば、側面に第2の覆い部材を容易に固定することと、側面に固定された固定部の固定部分を確実に隠すこととが両立する。
【0015】
請求項3に係る機器によれば、貫通孔への異物の落下を防ぐことができる。
【0016】
請求項4に係る機器によれば、斜面に向かう向きの圧力が取付体に加わった場合の取付体の撓みを規制できる。
【0017】
請求項5に係る機器によれば、斜面に対し取付体が接離する方向のガタを規制し、貫通孔への異物の落下を防ぐことができる。
【0018】
請求項6に係る機器によれば、両脇方向から取付体に加わる力に対抗することができる。
【0019】
請求項7に係る画像形成装置によれば、斜面に取付体を容易に取り付けることと、取付体と斜面との間を確実に隠すこととが両立する。
【0020】
請求項8に係る機器組立方法によれば、取付体と斜面との間を確実に隠すとともに容易に機器を組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】プリンタの外観斜視図である。
【図2】プリンタの断面図である。
【図3】プリンタを、図1とは別の角度から示した外観斜視図である。
【図4】プリンタの、図2とは異なる方向の断面図である。
【図5】操作表示装置を構成する操作表示部と取付部材を分解して傾斜板部とともに示した分解斜視図である。
【図6】取付部材の外観斜視図である。
【図7】傾斜板部を上に配置された状態の取付部材を示す図である。
【図8】図4の部分拡大図である。
【図9】筐体に対する、第1カバー、取付部材、および第2カバーの取付順序を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
図1は、プリンタの外観斜視図である。
【0024】
図1には、プリンタ1の斜め上方からの外観が示されている。
【0025】
プリンタ1は、記録媒体上に白黒画像の形成を行なうモノクロプリンタである。このプリンタ1は、筐体2および操作表示装置3を備えている。このプリンタ1の筐体2の内部では、後述するようにして記録媒体上に画像が形成される。このプリンタ1が、本発明の画像形成装置および本発明の機器に共通の一実施形態である。
【0026】
この筐体2は、フレームとカバーとを有している。
【0027】
フレームは、筐体2の骨組みであって、本発明にいう枠の一例に相当するが、カバーに覆われていて図1には示されていない。また、カバーは、そのフレームに直接的または間接的に支持されて、このプリンタ1の外観を成す部材である。
【0028】
図1に示されているプリンタ1の外観は、操作表示装置3を除き、そのほとんどが筐体2を構成するカバーで占められている。ここでは、特に注目すべき構成部分を解りやすく表現するために、第1カバー21と第2カバー22に斜線を付して示している。
【0029】
第1カバー21および第2カバー22は、それら第1カバー21および第2カバー22のすぐ内側にあるフレームの表面を覆うカバーである。また、第1カバー21は、フレームの上部を覆い、第2カバー22は、フレームの側部を覆っている。本実施形態における第1カバー21および第2カバー22が、本発明にいう、それぞれ第1の覆い部材および第2の覆い部材の各一例に相当する。
【0030】
また、このプリンタ1は、筐体2の箱状部分の上面に媒体置きカバー20を備えている。この媒体置きカバー20も、このプリンタ1の筐体2を構成するカバーの一部である。筐体2の内部には記録媒体上に画像を形成する画像形成部が備えられており、その画像形成部で画像が形成された記録媒体は、この筐体2から排出されて媒体置きカバー20に置かれる。この媒体置きカバー20が、本発明にいう媒体置部の一例に相当する。
【0031】
また、このプリンタ1は、下部点検蓋24および上部点検蓋23を有している。これら下部点検蓋24および上部点検蓋23も、このプリンタ1の筐体2を構成するカバーの一部である。これら下部点検蓋24および上部点検蓋23は、筐体2の内部を進んできた記録媒体が詰まったときや筐体2の内部の部品交換を行うときに開閉される蓋である。
【0032】
操作表示装置3は、操作表示部30および取付部材31を有している。
【0033】
操作表示部30は、タッチパネル301と表示画面302とを有している。タッチパネル301は操作者の操作を受け、表示画面302にはプリントに関する情報が表示される。
【0034】
取付部材31は、操作表示部30と、ここには図示しない、フレームの一部を構成する傾斜板部200(図5参照)との間に配置され、操作表示部30をフレームに固定する役割を成している。すなわち、この取付部材31は、フレームの傾斜板部200(図5参照)に取り付けられて操作表示部30を保持する。操作表示部30と取付部材31とを合わせた操作表示装置3が、本発明にいう取付体の一例に相当する。
【0035】
図2は、プリンタの断面図である。
【0036】
図2には、図1に示される点線に沿った断面を矢印X方向に見た状態が示されている。
【0037】
このプリンタ1の筐体2は、媒体置きカバー20の下に広がる基部2aと、基部2a上に媒体置きカバー20の横から立ち上がっている立ち上がり部2bとを有する。
【0038】
また、この図2には、筐体2の、基部2aと立ち上がり部2bとに跨って収容された画像形成部4が示されている。この画像形成部4が、本発明にいう画像形成部の一例に相当する。
【0039】
この画像形成部4は、筐体2の基部2aの底に媒体カセット45を備えている。この媒体カセット45には、記録媒体が積み重ねられて収容されている。この画像形成部4では、この媒体カセット45から記録媒体を1枚ずつ引き出し、図2における下方から上方に向けてこの記録媒体を搬送経路Lに沿って搬送する。また、この画像形成部4では、この搬送途中において、後述するようにして形成したトナー像を記録媒体に転写し、さらに、加熱および加圧して、トナー像を記録媒体の表面に定着させる。筐体2には、立ち上がり部2bの媒体置きカバー20側に排出口20bが設けられている。トナー像が定着された記録媒体は、この排出口20bを通じて媒体置きカバー20の上に排出される。この排出口20bが、本発明にいう排出口の一例に相当する。
【0040】
ここで、画像形成部4では、トナー像の形成、トナー像の転写、および、トナー像の定着が以下に説明するようにして行われる。
【0041】
媒体カセット45の上方には感光体ロール41が備えられている。この感光体ロール41は、矢印A方向に回転する、紙面に垂直な方向に延びたロールである。この感光体ロール41の右横には、帯電ロール42が備えられている。この帯電ロール42は、この感光体ロール41に接触して矢印B方向に従動回転し、感光体ロール41の表面に電荷を付与する。帯電ロール42の右側には、露光器43が備えられている。また、露光器43の右側には、画像データ処理部40が備えられている。画像データ処理部40は、外部から送信されてきた画像データを受信して処理し、処理した画像データを露光器43に送信する。露光器43は、画像データ処理部40から送信されてきた画像データに応じて感光体ロール41の表面を露光する。これにより、感光体ロール41の表面には、静電潜像が形成される。感光体ロール41と媒体カセット45との間には、現像器44が備えられている。現像器44は、感光体ロール41に近接した位置に現像ロール441を備え、帯電トナーを収容している。現像ロール441は、帯電したトナーを表面に保持して矢印C方向に回転する。現像ロール441には電圧が印加されており、感光体ロール41の表面に形成されている静電潜像と現像ロール441との間には電界が発生する。このため、現像ロール441が、帯電したトナーを保持しながら矢印C方向に回転することで、帯電トナーが静電潜像側に移行し、静電潜像がトナーで現像される。感光体ロール41の左側には、搬送経路Lを挟んで、転写ロール46が備えられている。転写ロール46は、搬送経路Lを進んできた記録媒体を、トナー像を表面に保持した感光体ロール41との間に挟み込みながら矢印D方向に回転する。また、転写ロール46には、帯電トナーの極性とは逆極性の電位が付与されており、感光体ロール41と記録媒体との間には電界が発生する。このため、感光体ロール41が保持するトナー像が記録媒体上に転写される。転写ロール46の上方には、定着器47が備えられている。定着器47は、加圧ロール471および加熱ロール472を有している。加圧ロール471および加熱ロール472は、トナー像が転写され搬送経路Lに沿ってさらに搬送されてきた記録媒体を挟みながら回転して、その記録媒体を加熱し、加圧する。これにより、記録媒体上に転写されたトナー像は、溶融されると共に記録媒体に押し付けられて記録媒体上に定着され、トナー像が定着された記録媒体がさらに上方に搬送される。
【0042】
また、プリンタ1は、立ち上がり部2bの内部に媒体排出部5を備えている。
【0043】
媒体排出部5は、1対の搬送ローラ51および1対の排出ローラ52を備えている。この1対の搬送ローラ51は、定着装置47を経由してきた記録媒体を間に挟みながら回転して、その記録媒体を排出ローラ52に向けて搬送する。また、1対の排出ローラ52は、搬送ローラ51により搬送されてきた記録媒体を間に挟みながら回転して、その記録媒体を排出口20bを通じて媒体置きカバー20の上へ排出する。この排出ローラ52が、本発明にいうローラの一例に相当する。
【0044】
尚、図2には、図1にも示す第1カバー21と、この第1カバー21のすぐ内側にある上部フレーム201が示されている。この上部フレーム201は、上述したフレームの一部分である。第1カバー21は、上部フレーム201の上面を覆っている。この上部フレーム201の上面が、本発明にいう枠の上面の一例に相当する。
【0045】
図3は、プリンタを、図1とは別の角度から示した外観斜視図である。
【0046】
図3には、図2にも示した排出口20bおよび排出ローラ52が示されており、排出ローラ52については、排出口20bから見えている部分以外は点線で示されている。また、図3には、排出ローラ52の回転軸521も示されている。さらに、図3には、筐体2の基部2aの上に立ち上がり部2bと共に立ち上がり、かつ、この立ち上がり部2bに隣接した隣接部2cが示されており、この隣接部2cには、電源などが内蔵されている。図2にも示した第1カバー21は、上部フレーム201(図2参照)の上面を、隣接部2c側から操作表示装置3側まで覆っている。また、図1にも示した第2カバー22は、側部フレーム202(図4参照)を基部2a側から操作表示装置3側まで覆っている。
【0047】
この図3に示すように、筐体2の立ち上がり部2bには排出口20bが形成され、その排出口20bの直ぐ内側には排出ローラ52が収容されている。このように立ち上がり部2bの内部には部品が詰まっている。このため、詳細は後述するが、操作表示装置3の固定方法に工夫が施されている。
【0048】
図4は、プリンタの、図2とは異なる方向の断面図である。
【0049】
図4には、図1に示される一点鎖線に沿った断面を矢印Y方向に見た状態が示されている。ただし、この図4では、図1に示す操作表示装置3の構成要素である操作表示部30と取付部材31とのうち操作表示部30は取り外された状態が示されている。
【0050】
図4には、上部フレーム201、側部フレーム202、および傾斜板部200が示されている。これら上部フレーム201、側部フレーム202、および傾斜板部200は、このプリンタ1の筐体2の骨組みであるフレームの構成要素であり、このフレームは、上述したように、本発明にいう枠の一例に相当する。
【0051】
傾斜板部200は、斜めに配設されてフレームの内外を仕切っており、上部フレーム201の表面と側部フレーム202の表面との双方に対して傾斜した斜面2000を表面に有している。この傾斜板部200が、本発明にいう枠の板状部分の一例に相当し、この斜面2000が、本発明にいう枠の斜面および板状部分の表面の一例に相当する。
【0052】
上部フレーム201の表面は、前述したように第1カバー21によって覆われている。一方、側部フレーム202の表面は、第2カバー22によって覆われている。側部フレーム202の表面が、本発明にいう枠の側面の一例に相当する。
【0053】
傾斜板部200は、上端側が上部フレーム201と繋がっており、下端側が側部フレーム202と繋がっている。尚、図4には、傾斜板部200の上端側と上部フレーム201とが分断されて示されている。ただし、これらは部分的に分断されているにすぎず、図1に示される一点鎖線とは異なる箇所で繋がっている。
【0054】
取付部材31は、中央部分に開口31b(図5を合わせて参照)が形成された基礎部310を有している。取付部材31が傾斜板部200の斜面2000に取付けられた状態では、この基礎部310は、斜面2000との間に隙間を空けてこの斜面2000に対向し、この斜面2000に沿って広がっている。この基礎部310が、本発明にいう対向部の一例に相当する。
【0055】
また、傾斜板部200には、斜面2000から内面2001にまで貫通した貫通孔200a(図5参照)が設けられている。この貫通孔200aが、本発明にいう貫通孔の一例に相当する。
【0056】
また、取付部材31は、折れ曲り部311を有している。この折れ曲り部311は、垂直部分3111と先端部分3112とを有している。
【0057】
垂直部分3111は、基礎部310から傾斜板部200の貫通孔200aに向かって突き出た、基礎部310に対して垂直な部分である。また、先端部分3112は、垂直部分3111から傾斜板部200の傾斜を登る方向に向かって、傾斜板部200の内面2001に沿って延びた部分である。つまり、折れ曲り部311は、垂直部分3111と先端部分3112との間で折れ曲がった構造を有している。
【0058】
また、取付部材31は、図4の紙面に垂直な方向に延びた壁である第1立壁部313を有している。この第1立壁部313は、後述する図6に示されているように、折れ曲り部311の垂直部分3111の両脇から、図4に示す傾斜板部200の傾斜方向と交わる方向に延びた壁である。この第1立壁部313が、本発明にいう壁の一例に相当する。
【0059】
取付部材31が傾斜板部200に取付けられた状態では、折れ曲り部311の先端部分3112とこの第1立壁部313との間に傾斜板部200が挟まれた状態となる。また、折れ曲り部311の先端部分3112は、傾斜板部200の内面2001に対面した表面部分(以下では、この表面部分を腹3112aと称する。)と、その腹3112aのさらに先端に傾斜板部200の内面2001から斜めに開いた表面部分(以下では、傾斜面3112bと称する。図8を合わせて参照)を有する。この腹3112aの範囲については、後で図8を参照して詳述する。この折れ曲り部311の先端部分3112が傾斜板部200に引っ掛けられ、その先端部分3112のうちの腹3112aにより、基礎部310の、斜面2000からの離間が規制される。この腹3112aが、本発明にいう対面部分の一例に相当する。
この折れ曲り部311が、本発明にいう折れ曲り部の一例に相当する。
【0060】
また、取付部材31は、基礎部310の下端側に固定部312を有している。この固定部312は、基礎部310から突き出して側部フレーム202の表面に接し、側部フレーム202に留めネジ500によってネジ留めされている。この固定部312が、本発明にいう固定部の一例に相当する。
【0061】
ところで、傾斜板部200の内面側には、記録媒体を媒体置きカバー20の上へ排出する排出ローラ52の回転軸521が近接して配置されている。このため、取付部材31を傾斜板部200に取り付ける際には、傾斜板部200の内側で作業を行うことは困難である。
【0062】
そこで、このプリンタ1では、以下に説明するようにして、傾斜板部200への取付部材31の取付けが外部から行われる。
【0063】
図5は、操作表示装置を構成する操作表示部と取付部材を分解して傾斜板部とともに示した分解斜視図である。
【0064】
図5には、傾斜板部200に設けられた貫通孔200aが示されている。この貫通孔200aは、傾斜板部200に2つ設けられている。
【0065】
また、傾斜板部200の、2つの貫通孔200aの間には、切欠き200bが設けられている。この切欠200bは、筐体2の内部の画像形成部4(図2参照)と操作表示部30とを繋ぐ通信線を通すためのものである。取付部材31の基礎部310に設けられた開口31bも、この通信線を通すためのものである。図示は省略するが、通信線の先にはコネクタが備えられており、操作表示部30の裏面には、この通信線を操作表示部30に接続するためのコネクタが備えられている。通信線は、切欠200bから引き出された後、一旦、側部フレーム202側へと延ばされ、側部フレーム202の表面に沿って折り返して開口31b側に戻ってくる。そして、開口31bに通信線が通されて、操作表示部側のコネクタに対する通信線側のコネクタの位置合わせが行われている。
【0066】
また、図5には、取付部材31の折れ曲り部311を型で成形するための型抜き孔31aが示されている。
【0067】
また、取付部材31に設けられた固定部312の、側部フレーム202に接する部分には、留めネジ500によるネジ留め用の留め孔312aが設けられている。また、側部フレーム202には、留めネジ500がネジ込まれるネジ孔202aが設けられている。
【0068】
操作表示装置3の傾斜板部200への取付けは、以下のように行われる。
【0069】
まず、取付部材31に操作表示部30をネジ留めする。このネジ留めは、取付部材31側から操作表示装置3の内部で行なわれる。次に、通信線のコネクタを切欠200bから引き出す。そして、通信線を側面フレーム202の表面で折り返すと共に、通信線のコネクタを操作表示部30の裏面のコネクタに接続する。次に、取付部材31の折れ曲り部311(図4参照)が上、固定部312が下になる向きにし、基礎部310が傾斜板部200の斜面2000に沿う傾きで取付部材31を傾斜板部200上に配置する。そして、折れ曲り部311(図4参照)の先端部分3112を貫通孔200aに差し込み、傾斜板部200の傾斜に沿って斜面2000を登る方向に取付部材31をスライドさせて、この折れ曲り部311の先端部分3112と第1立壁部313とで傾斜板部200を挟む。最後に、留めネジ500で固定部312を側部フレーム202に固定する。以上の手順で、操作表示装置3は傾斜板部200に取付けられる。
【0070】
上記の説明の通り、このプリンタ1では、取付部材31は、上部を貫通孔200aに引っ掛けて、下部のみネジ留めとするだけで傾斜板部200の斜面2000に固定されるので、操作表示装置3の取付けは、傾斜板部200の外側から容易に行われる。
【0071】
ここで、再び図4に戻って説明を続ける。
【0072】
第1カバー21は、上述したように、上部フレーム201の上面を隣接部2c側(図3参照)から操作表示装置3側まで覆っている。そして図4には、隣接部2c側と操作表示装置3側とのうち操作表示装置3側の詳細構造が示されている。以下、第1カバー21の操作表示装置3側のことを傾斜板部側とも称する。
【0073】
また、第1カバー21は、嵌め込み部213を有している。この嵌め込み部213は、この第1カバー21で上部フレーム201の上面を覆う際に、前述した、傾斜板部200の上端側と上部フレーム201とが部分的に分断されている分断部分201aに嵌め込まれる。また、この第1カバー21には、この図4に示された操作表示装置3側(すなわち傾斜板部側)とは反対側、すなわち、隣接部2c(図3参照)側にネジ留め用の孔が設けられている。第1カバー21は、分断部分201aに嵌め込み部213が嵌め込まれ、隣接部2c側がネジ留めされて上部フレーム201に固定されている。
【0074】
取付部材31は、基礎部310の、傾斜板部200の斜面方向上側に廂部321を有している。また、第1カバー21は、隣接部2c側と傾斜板部側とのうちの傾斜板部側の端部に突出部211を有している。この突出部211は、嵌め込み部213の上方に位置している。
【0075】
取付部材31の廂部321は第1カバー側に突出して突出部211の上に広がり、突出部211は、取付部材31に向かって突出している。また、傾斜板部200の斜面方向に見て廂部321と突出部211とが重なっている。その結果、廂部321および突出部211は、共同して、傾斜板部200と取付部材31との隙間を隠している。この廂部321が、本発明にいう隠蔽部の一例に相当する。
【0076】
また、取付部材31は、基礎部310の、傾斜板部200の斜面方向下側に支持部322を有している。支持部322は、固定部312よりも側部フレーム202の表面から離れた位置に設けられており、基礎部310から垂下している。この支持部322は、本発明にいう支持部の一例に相当する。
【0077】
このプリンタ1では、美観向上の観点から、第2カバー22により、側部フレーム202の一部と固定部312が覆われている。
【0078】
第2カバー22の下端222には、ネジ留め用の孔が設けられており、この下端222は、留めネジ600によって側部フレーム202にネジ留めされる。一方、第2カバー22の上端221は、下端222が側部フレーム202にネジ留めされた状態では固定部312と支持部322との間に嵌まり込んで支持部322に引っ掛かって支持された状態になる。第2カバー22の側部フレーム202への取り付けは、まず、第2カバー22の上端221を固定部312と支持部322との間に入れて支持部322に引っ掛け、その後、第2カバー22の下端222を側部フレーム202にネジ留めして行われる。これにより、第2カバー22の上端221は、側部フレーム202から離れようにも支持部322に引っ掛かって離れられず、この第2カバー22の上端221は支持部322によって支持された状態となる。つまり、このプリンタ1では、第2カバー22は、上端221を支持部322に引っ掛けて、下端222のみネジ留めとするだけで側部フレーム202に固定されるので、第2カバー22の取り付けは容易である。
【0079】
また、取付部材31は、折れ曲り部311と固定部312との間に並ぶ複数の小片部316を有している。小片部316は、基礎部310から傾斜板部200の斜面2000に向かって突き出して斜面2000に対面した、図4の紙面に垂直な方向に広がる板状の小片である(図6を合わせて参照)。
【0080】
さらに、取付部材31は、第1立壁部313と廂部321との間に第2立壁部314を有している。第2立壁部314も、基礎部310から傾斜板部200の斜面2000に向かって突き出して斜面2000に対面した板状のものである。ただし、この第2立壁部314は、図6から明らかなように、図4の紙面に沿う傾斜方向に延びている。
【0081】
これら小片部316は、本発明にいう突出体の一例に相当し、折れ曲がり部311から固定部312に至る途中に配備されている。この配備箇所は、取付部材31が保持する操作表示部30(図5参照)が操作を受ける箇所の裏側に相当する。このため、小片部316は、操作表示部30を介して基礎部310が撓むほどの圧力を受けた場合に、傾斜板部200の斜面2000に接触することでこの撓みを規制する。
【0082】
図6は、取付部材の外観斜視図である。
【0083】
図6には、取付部材31の、操作表示部30を保持する側とは反対側、すなわち傾斜板部200と対向する側が示されている。
【0084】
上述した固定部312は、基礎部310の中央部分に設けられた開口31bの周囲のうち図6の下方側の部分に設けられている。また、開口31bを挟み固定部312の反対側の部分に折れ曲り部311が設けられている。さらに、折れ曲り部311の垂直部分3111の両脇には、上述したように第1立壁部313が設けられている。この第1立壁部313は、垂直部分3111の両脇からそれぞれ、傾斜方向(X方向)と交わるY方向に広がっている。
【0085】
また、図6には、図5にも示した型抜き孔31aが示されており、この型抜き孔31aは、基礎部310の、折れ曲り部311の先端部分3112と対向する部分にあいている。第2立壁部314は2対(合計4つ)設けられており、各型抜き孔31aを各対の間に挟み互いに向かい合って矢印X方向に広がっている。小片部316は、開口31bの縁にX方向に並べて設けられている。
【0086】
さらに、図6には、挟込部315が示されている。この挟込部315は、開口31bを1対で挟んで互いに向かい合い、矢印X方向に延びた形状を有している。
【0087】
挟込部315は、図7を参照して再度説明するが、取付部材31が傾斜板部200に取付けられている状態で、基礎部310から突き出し斜面2000の傾斜方向に延びて斜面2000を両脇から挟み込む。この挟込部315が、本発明にいう挟込体の一例に相当する。
【0088】
また、図6には、これら挟込部315、第2立壁部314、および固定部312よりも外側に周囲壁320が示されている。
【0089】
周囲壁320は、前述した、廂部321および支持部322のほかに、内壁部323と外壁部324とを構成要素としている。
【0090】
廂部321は、周囲壁320のうちの、第1カバー21側の、Y方向に延びた直線部分である。前述の通り、この廂部321は、取付部材31の底面側を覆すためのものである。また、支持部322は、周囲壁320のうちの、第2カバー22寄りの、固定部312よりも外側に設けられた直線部分である。この支持部322は、第2カバー21を引っ掛けるためのものである。
【0091】
外壁部324は、図6における右側に示される、廂部321と支持部322とを繋ぐ壁状の部分であり、取付部材31が傾斜板部200に取付けられた状態においては上部点検蓋23などが備えられた側に位置する。
【0092】
内壁部323は、図6における左側に示される、廂部321と支持部322とを繋ぐ壁状の部分であり、それらのつなぎ目部分の曲率が外壁部324よりも大きい。この、内壁部323は、取付部材31が傾斜板部200に取付けられた状態においては排出口20b(図2参照)が備えられた側に位置する。
【0093】
これら外壁部324および内壁部323は、それぞれが向き合う挟込部315との間で、図1に示す第1カバー21や第2カバー22に隣接する他のカバーの縁を挟み込むためのものである。つなぎ目部分の曲率の相違は、隣接する他のカバーの形状の相違に合わせたものである
図7は、傾斜板部の上に配置された状態の取付部材を示す図である。尚、図7では、説明の便宜上、取付部材31の基礎部310(図6参照)の図示を省略している。
【0094】
図7には、基礎部310を除く取付部材31が配置された傾斜板部200を表面側から見た状態が示されている。ここでは、傾斜板部200を斜線を付して示してある。
【0095】
図7には、周囲壁320(図6参照)の構成要素である、廂部321、外壁部324、および内壁部323が示されている。
【0096】
また、図7には、外壁部324および内壁部323それぞれと対向して上下方向に延びる挟込部315が示されている。この挟込部315は、傾斜板部200に向かって突き出て傾斜板部200を左右から挟み込んでいる。
【0097】
また、図7には、廂部321から図7の下方に延びた第2立壁部314が示されている。
【0098】
取付部材31に対し、図7の右側から左向きの荷重がかかると、図7の右側に示される挟込部315がこの荷重に対抗する。また、この取付部材31に対し、図7の左側から右向きの荷重がかかると、図7の左側に示される挟込部315がこの荷重に対抗する。
【0099】
また、図7には、貫通孔200aに入り込んでいる折れ曲り部311が示されている。折れ曲り部311の先端部分3112は、傾斜板部200の斜面2000に取付部材31が配置された状態においては傾斜板部200の内面側に回り込んでいる。
【0100】
また、図7には、折れ曲り部311の垂直部分3111の両脇から、傾斜面2000の傾斜方向を横切る方向に広がった壁である第1立壁部313が示されている。第1立壁部313は、図7に示すように、貫通孔200aの傾斜方向上側の縁に沿って図7の左右方向に広がっている。折れ曲がり部311の垂直部分3111は、傾斜方向上側から異物がまっすぐ落ちてきたときに貫通孔200aへの異物の侵入を防ぐ。また、貫通孔200aは、折れ曲がり部311を貫通させるために縦長となっているが、第1立壁部313は、貫通孔200aの左右の縁2000aへ異物が回り込んで落下することを防ぐ。
【0101】
また、図7には、小片部316が示されており、この小片部316は、折れ曲り部311から固定部312に至る途中の、挟込部315の内側に設けられている。小片部316は、不図示の基礎部側から傾斜板部200の斜面2000に向かって突き出て、斜面2000に対面している。
【0102】
また、前述したように、取付部材31が保持した操作表示部30(図5参照)に基礎部310が撓むほどの圧力を受けた場合、第2立壁部314および小片部316が傾斜板部200の斜面2000に接触することでこの撓みを規制する。また、この取付部材31を傾斜板部200から離間させる荷重がかかると、折れ曲り部311の先端部分3112の腹3112a(図8参照)と傾斜板部200の内面とが接して、その離間を防止する。
【0103】
図8は、図4の部分拡大図である。ここでは、この図8を参照しながら、各部の寸法上の細部について説明する。
【0104】
第1立壁部313は、折れ曲り部311の先端部分3112の腹3112aとの隙間で傾斜板部200を挟む。この隙間は、この取付部材31を傾斜板部200に接離させる方向のガタつきに影響を与える。すなわち、隙間が大きいとガタつきも大きい。このため、この腹3112aと第1立壁部313との隙間の設計寸法は、このガタつきを抑えるために、傾斜板部200の厚みよりも製造上のばらつきを考慮した分だけわずかに広く設定されている。この腹3112aと第1立壁部313との隙間が狭いと、上述した異物の落下防止の機能も向上する。
【0105】
また、第1立壁部313と、第2立壁部314や小片部316とでは、傾斜板部200の斜面2000までの距離を比較すると、第2立壁部314や小片部316の方が第1立壁部313よりも広い。第2立壁部314や小片部316が第1立壁部313よりも斜面2000に近いと、製造上のばらつきや歪みなどで第2立壁部314や小片部316の一部が斜面2000に不用意に接触し取付部材31が取付不能になったり、取付部材31に無用な力が加わった状態のまま取り付けられてしまうおそれがあるからである。一方、第2立壁部314や小片部316は、基礎部310の撓みを規制するためのものであり、何らの力も作用しない状態において第2立壁部314や小片部316が斜面2000から多少離れていても撓みの規制の目的には十分だからである。
【0106】
図8に示す例では、側面フレーム202へ固定部312が固定される際に、基礎部310を傾斜面2000に押し付ける向きのモーメントが発生するものとする。この例では、その様なモーメントが発生した結果、基礎部310の第1立壁部313が傾斜面2000に接触している。この様に、第1立壁部313が傾斜面2000に接触していると、第1立壁部313と傾斜面2000との間に隙間が生じている場合と比べて、貫通孔200aへの異物の落下がより一層防止される。
【0107】
ここで、折れ曲り部311の先端部分3112が有する腹3112aの範囲について詳述する。この腹3112aの先端側は、傾斜面3112bとの境目まで至っている。そして、腹3112aの根元側は、貫通孔200aの縁まで至っている。つまり、先端部分3112は、この範囲内で傾斜板部200の内面と対面していることになる。図8には、この腹3112aの傾斜方向の長さが長さAで示されている。
【0108】
また、図8には、取付部材31の廂部321と第1カバー21の突出部211との間の傾斜板部200の傾斜方向の間隔が間隔Bで示されている。以下説明するように、間隔Bは長さAよりも大きい。
【0109】
取付部材311の傾斜板部200へ取付け、取外しは、上部フレーム200に第1カバーが取り付けられている状態で行なわれる。これを実現するために、折れ曲り部311の先端部分3112を貫通孔200aに挿入する際、および、その先端部分3112を貫通孔200aから抜き取る際に、廂部312と突出部211とが干渉しないよう、長さAよりも間隔Bの方が大きな寸法となっている。
【0110】
また、第1カバー21は、突出部211よりも立ち上がった立ち上がり壁212を有している。そして、廂部321は、突出部211よりも上部において立ち上がり壁212に向かって広がっている。
【0111】
前述のように、この廂部321とこの突出部211とが共同することにより、傾斜板部200と取付部材31との隙間が隠されており、さらには、この立ち上がり壁212により、廂部321と突出部211との段差も隠されている。つまり、廂部321と立ち上がり壁212とが共同することにより、傾斜板部200の斜面方向以外から見ても傾斜板部200と取付部材31との隙間が確実に隠されている。
【0112】
また、折れ曲り部311は、前述の通り、その先端部分3112に、腹3112aに連なり、基礎部310から徐々に離間する傾斜面3112bを有している。この傾斜面3112bを有していることで、折れ曲り部311が貫通孔200aを貫通した取付部材31を傾斜板部200の斜面に沿ってその傾斜を登る方向にスライドさせた際の傾斜板部200の挟み込みが円滑に行われる。
【0113】
図9は、筐体に対する、第1カバー、取付部材、および第2カバーの取付順序を示す図である。
【0114】
ステップS1では、上部フレームに第1カバーを取り付ける。この取付けは、図4を参照して説明したように、第1カバー21の嵌め込み部213を分断部分201aに嵌め込み、嵌め込み部213とは反対側を上部フレーム201にネジ留めして行われる。
【0115】
ステップS2では、図5を参照して説明したように、通信線のコネクタが接続された操作表示部30をネジ留めにより保持した取付部材31の折れ曲り部311(図4参照)の先端部分3112を貫通孔200aに差し込み、傾斜板部200の傾斜に沿って斜面2000を登る方向に取付部材31をスライドさせて、折れ曲り部311(図4参照)の先端部分3112と第1立壁部313とで傾斜板部200を挟みこませる。これにより、操作表示装置3を傾斜板部200の斜面2000に配置する。前述したように、取付部材31の廂部321と第1カバー21の突出部211との間の傾斜板部200の傾斜方向の間隔Bは、折れ曲り部311の腹3112aの、傾斜板部200の傾斜方向の長さAよりも広い。このため、廂部321と突出部211が干渉することなく、取付部材31は傾斜板部200の斜面2000に配置される。尚、間隔Bが長さAよりも広いため、斜面2000から取付部材31を取り外す場合にも、廂部321と突出部211は干渉しない。
【0116】
ステップS3では、取付部材31の固定部312を側部フレーム202にネジ留めする。これにより、傾斜板部200への操作表示装置3の取付けは完了するが、上部を貫通孔200aに引っ掛けて、下部のみネジ留めとするだけで傾斜板部200の斜面2000に固定されるので、取り付けが容易である。
【0117】
ステップS4では、図4を参照して説明したように、第2カバー22の上端221を取付部材31の支持部322に引っ掛けて下端222を側部フレーム202にネジ留めする。このような容易な作業で側部フレーム202への第2カバー22の取り付けが完了する。これらステップS1からステップS4までの組立方法が、本発明の機器組立方法の一実施形態である。
【0118】
尚、上述の実施形態では、本発明にいう突出体の一例として、折れ曲り部から固定部に至る途中に設けられY方向に延びる小片部316を示したが、本発明にいう突出体は、折れ曲り部から固定部に至る途中に設けられ、対向部から斜面に向かって突き出して斜面に対面していればよく、例えば、折れ曲り部から固定部に至る途中に設けられ、X方向に延びる壁であってもよい。
【0119】
また、上述の実施形態では、本発明にいう支持部の一例として、基礎部310から垂下した支持部322を示したが、本発明にいう支持部は、対向部の側面寄りであって固定部よりもこの側面から離れた位置で第2の覆い部材の上端を支持していればよく、例えば、対向部に設けられた凹部であって、この凹部が第2の覆い部材の上端を支持するものであってもよい。
【0120】
また、上述の実施形態では、本発明にいう固定用部品の一例として留めネジを示したが、本発明にいう固定用部品は、固定部を側面に固定する部品であればよく、例えば、プラスチックリベットであってもよい。
【0121】
また、以上の実施形態では、本発明にいう画像形成装置の一例としてプリンタを示したが、本発明にいう画像形成装置はプリンタに限られず、例えば、画像読み取り装置で読み取られたデータに基づいて画像を形成する複写機やファクシミリであってもよい。
【0122】
また、本発明の機器は、画像形成装置には限られず、枠(フレーム)の一部の傾斜面に取付体を取り付ける機器一般に適用可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 プリンタ
2 筐体
2a 基部
2b 立ち上がり部
2c 隣接部
20 媒体置きカバー
200 傾斜板部
2000 斜面
2001 内面
201 上部フレーム
202 側部フレーム
21 第1カバー
211 突出部
212 立ち上がり壁
22 第2カバー
3 操作表示装置
30 操作表示部
31 取付部材
310 基礎部
311 折れ曲り部
3111 垂直部分
3112 先端部分
312 固定部
313 第1立壁部
314 第2立壁部
315 挟込部
316 小片部
320 周囲壁
321 廂部
322 支持部
323 内壁部
324 外壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と、側面と、該上面と該側面とを繋ぐ領域に形成され該上面と該側面との双方に対し傾斜した斜面とを有する枠と、
前記斜面に取り付けられた取付体と、
前記上面の少なくとも一部を覆う第1の覆い部材とを有し、
前記斜面が、斜めに配設されて前記枠の内外を仕切る板状部分の表面であり、該板状部分が、該斜面から、前記枠の内側を向いた内面にまで貫通した貫通孔を有するものであって、
前記取付体が、
前記斜面との間に隙間を空けて該斜面に対向し該斜面に沿って広がる対向部と、
前記対向部から前記貫通孔に向かって突き出して該貫通孔を貫通しさらに前記板状部分の傾斜を登る方向に折れ曲って延びた折れ曲り部であって、前記内面に対面した対面部分で前記対向部の前記斜面からの離間を規制する折れ曲り部と、
前記対向部から突き出して前記側面に接し、固定用部品によって該側面に固定された固定部と、
前記対向部から突き出して、前記斜面に沿う傾斜方向に測ったときに、前記第1の覆い部材の前記斜面側の端部との間に、前記表面部分の該傾斜方向の長さ以上に開いた間隔をもって該端部の上に広がり、該端部と共同して、該斜面と該対向部との隙間を隠蔽する隠蔽部とを有することを特徴とする機器。
【請求項2】
前記側面の少なくとも一部を覆う第2の覆い部材を有し、
前記取付体が、前記対向部の前記側面寄りであって前記固定部よりも該側面から離れた位置に前記第2の覆い部材の上端を支持する支持部を有し、
前記第2の覆い部材が、前記支持部に支持されて前記固定部と前記側面の一部とを覆う部材であることを特徴とする請求項1記載の機器。
【請求項3】
前記取付体が、前記折れ曲り部の、前記貫通孔に向かって突き出した部分の両脇から、前記傾斜方向と交わる方向に延びる壁をさらに有することを特徴とする請求項1又は2記載の機器。
【請求項4】
前記取付体が、前記折れ曲り部から前記固定部に至る途中に設けられ前記対向部から前記斜面に向かって突き出して該斜面に対面した突出体をさらに有することを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項記載の機器。
【請求項5】
前記取付体が、前記折れ曲り部の、前記貫通孔に向かって突き出した部分の両脇から、前記傾斜方向と交わる方向に延びる、前記斜面と前記突出体との対面距離よりも狭い対面距離で該斜面に対面した壁をさらに有することを特徴とする請求項4記載の機器。
【請求項6】
前記取付体が、前記対向部から突き出し前記傾斜方向に延びて前記斜面を両脇から挟み込む一対の挟込体をさらに有することを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項記載の機器。
【請求項7】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
記録媒体が置かれる媒体置部と、
前記画像形成部で画像が形成された記録媒体を、前記媒体置部まで排出する排出部と、
上面と、側面と、該上面と該側面とを繋ぐ領域に形成され該上面と該側面との双方に対し傾斜した斜面とを有する、前記排出部を内側に収めた枠と、
前記斜面に取り付けられた取付体と、
前記上面の少なくとも一部を覆う第1の覆い部材とを有し、
前記斜面が、斜めに配設されて前記枠の内外を仕切る板状部分の表面であり、該板状部分が、該斜面から、前記枠の内側を向いた内面にまで貫通した貫通孔を有するものであって、
前記取付体が、
前記斜面との間に隙間を空けて該斜面に対向し該斜面に沿って広がる対向部と、
前記対向部から前記貫通孔に向かって突き出して該貫通孔を貫通しさらに前記板状部分の傾斜を登る方向に折れ曲って延びた折れ曲り部であって、前記内面に対面した対面部分で前記対向部の前記斜面からの離間を規制する折れ曲り部と、
前記対向部から突き出して前記側面に接し、固定用部品によって該側面に固定された固定部と、
前記対向部から突き出して、前記斜面に沿う傾斜方向に測ったときに、前記第1の覆い部材の前記斜面側の端部との間に、前記折れ曲り部の前記対面した表面部分の該傾斜方向の長さ以上に開いた間隔をもって該端部の上に広がり、該端部と共同して、該斜面と該対向部との隙間を隠蔽する隠蔽部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
上面と、側面と、該上面と該側面とを繋ぐ領域に形成され該上面と該側面との双方に対し傾斜した斜面とを有する枠であって、該斜面が、斜めに配設されて該枠の内外を仕切る板状部分の表面であり、該板状部分が、該斜面から、該枠の内側を向いた内面にまで貫通した貫通孔を有するものである枠に、該上面の少なくとも一部を覆う第1の覆い部材を取り付ける第1の覆い部材取付工程と、
前記斜面に取り付けられる取付体であって、該斜面との間に隙間を空けて該斜面に対向し該斜面に沿って広がる対向部と、該対向部から前記貫通孔に向かって突き出して該貫通孔を貫通しさらに前記板状部分の傾斜を登る方向に折れ曲って延びた折れ曲り部であって、前記内面に対面した対面部分で該対向部の該斜面からの離間を規制する折れ曲り部と、該対向部から突き出して前記側面に接し、固定用部品によって該側面に固定される固定部と、該対向部から突き出して、該斜面に沿う傾斜方向に測ったときに、前記第1の覆い部材の該斜面側の端部との間に、該折れ曲り部の該対面した表面部分の該傾斜方向の長さ以上に開いた間隔をもって該端部の上に広がり、該端部と共同して、該斜面と該対向部との隙間を隠蔽する隠蔽部と、前記対向部の前記側面寄りであって前記固定部よりも該側面から離れた位置に、前記側面の少なくとも一部を覆う第2の覆い部材の上端を支持する支持部とを有する取付体の該折れ曲り部を該貫通孔に差し込んで該取付体を、該斜面を登る方向に移動させて該取付体を該斜面に配置する取付体配置工程と、
前記固定部を前記側面に前記固定用部品で固定する取付体固定工程と、
前記第2の覆い部材を前記支持部に支持させて該第2の覆い部材で前記固定部と前記側面の少なくとも一部とを覆う第2の覆い部材支持工程とを有することを特徴とする機器組立方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−78677(P2012−78677A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225307(P2010−225307)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】