説明

機器の劣化診断方法及び装置

【課題】 遠隔地で機器の劣化を診断し、正確な機器の劣化診断を行い、総合的に機器の劣化状態を診断し、メンテナンスコストを削減し、オンラインで機器の劣化を診断し、機器の劣化状態を集中管理し、複数の機器の劣化を効率的に診断し、かつ機器劣化の経時的な変化を掴む。
【解決手段】 機器運転施設1において運転されるエンジン1aの状態を監視し、該監視によって得られた機器情報を通信回線3を介して機器運転施設1から遠隔地のデータ収集管理施設2に送信し、データ収集管理施設2において機器情報に基づいてエンジン1aの劣化を判断する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機器の劣化診断方法及び装置に係わり、特にプラント等において継続的に運転される機器の劣化を診断する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラント等において継続的に運転される機器の劣化を診断する場合には、該機器の通常運転を停止させ、メンテナンスにおいて機器の性能を示す特定のパラメータを計測し、該パラメータの初期値に対する変化に基づいて劣化状態を判断している。例えば、発電所等で運転されるガスタービンの劣化を診断する場合には、複数設けられたガスタービンのうち、メンテナンス時期を迎えたものについて運転状態における振動を計測し、該計測値が所定のしきい値を越えた場合にオーバーホールの実行を判断している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した機器の劣化診断方法においては、特定のパラメータの計測結果に基づいて機器の劣化を診断するため、診断者の経験の度合いによって劣化診断の結果が異なることがある。また、機器の総合的な劣化状態を把握できないという問題点がある。さらに、特に複数の機器について劣化診断を行おうとした場合に、時間及び工数が掛かるためにメンテナンスコストが上昇するという問題点もある。
【0004】本発明に係わる機器の劣化診断方法及び装置は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、以下の点を目的とするものである。
■ 遠隔地で機器の劣化を診断する。
■ 正確な機器の劣化診断を行う。
■ 総合的に機器の劣化状態を診断する。
■ メンテナンスコストを削減する。
■ オンラインで機器の劣化を診断する。
■ 機器の劣化状態を集中管理する。
■ 複数の機器の劣化を効率的に診断する。
■ 機器劣化の経時的な変化を掴む。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、機器の劣化診断方法に係わる手段として、a.運転施設において運転される機器の状態を監視し、該監視によって得られた機器情報を通信回線を介して運転施設から遠隔地の管理施設に送信し、管理施設において機器情報に基づいて機器の劣化を判断するという手段が採用される。
b.管理施設では、機器の初期状態における機器情報に基づいて機器の初期特性を示す初期性能データをまず取得し、その後に受信された機器情報に基づくパラメータと初期性能データとの比較に基づいて機器の劣化を判断するという手段が採用される。
c.電話回線あるいはインターネットを介して機器情報を送信するという手段が採用される。管理施設では、ニューラルネットワークの手法を用いて機器を模擬的にモデル化した機器モデルを機器情報に基づいて学習させることによって、初期性能データとその後に受信された機器情報に基づく性能データとを取得するという手段が採用される。
d.管理施設は、複数の機器に係わる初期性能データをデータベース化して登録し、複数の機器について劣化診断を行うという手段が採用される。
e.管理施設では、複数のパラメータからなる初期性能データとその後に受信された機器情報に基づく複数のパラメータとからなる評価関数を比較することによって機器の劣化を判断するという手段が採用される。
f.初期性能データの後に受信された機器情報に基づくパラメータを順次記憶し、機器の経時的な性能変化が診断するという手段が採用される。
g.例えば、機器として発電所のガスタービンに本願発明が適用される。また、機器の劣化診断装置に係わる手段として、h.機器の運転施設に備えられ、機器の状態を機器情報として取得する機器モニタリング装置と、該機器モニタリング装置によって取得された機器情報を通信回線を介して管理施設に送信する機器側通信手段と、管理施設に備えられ、前記機器側通信手段から送信された機器情報を受信する管理側通信手段と、該管理側通信手段によって受信された機器情報に基づいて前記機器の劣化を判断する機器劣化判断手段とを具備する手段が採用される。
i.機器劣化判断手段は、機器の初期状態における機器情報に基づいて機器の初期特性を示す初期性能データをまず取得し、その後に受信された機器情報に基づき得られた同様の性能データとの比較に基づいて機器の劣化を判断するという手段が採用される。
j.機器側通信手段は、電話回線あるいはインターネットを介して機器情報を管理側通信手段に送信するという手段が採用される。
k.管理施設では、ニューラルネットワークの手法を用いて機器を模擬的にモデル化した機器モデルを機器情報に基づいて学習させることによって得られた初期性能データとその後に受信された機器情報に基づき同様に得られた性能データとを取得するという手段が採用される。
l.管理施設は、複数の機器に係わる初期性能データを記憶するデータベースを備え、機器劣化判断手段は、データベースに基づいて複数の機器について劣化診断を行うという手段が採用される。
m.機器劣化判断手段は、複数のパラメータから学習された初期性能データとその後に受信された機器情報に基づく複数のパラメータから学習された性能データを比較することによって機器の劣化を判断するという手段が採用される。
n.機器劣化判断手段は、初期性能データの後に受信された機器情報に基づく性能データを順次記憶し、機器の経時的な性能変化をも診断するという手段が採用される。
o.例えば、機器として発電所のガスタービンに本願発明が適用される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に係わる機器の劣化診断方法及び装置の一実施形態について説明する。なお、以下の説明において、図1は本実施形態の機能構成を示すブロック図であり、図2,3は本実施形態の作動を示すフローチャートである。
【0007】 まず、図1において、符号1は劣化診断する機器が配備された機器運転施設(運転施設)であり、2は機器の劣化状態を判断するデータ収集管理施設(管理施設)である。この機器運転施設1とデータ収集管理施設2とは互いに遠隔地に設備されており、通信回線3によって接続されている。この通信回線3は、公衆回線あるいは専用回線が使用される。
【0008】機器運転施設1は、例えば火力発電所であり、劣化診断の対象機器であるエンジン(ガスタービン)1aと、該エンジン1aによって駆動されるプラント発電機1bと、エンジン1aの作動状態をリアルタイムでモニタリングするエンジンモニタリング装置1c(機器モニタリング装置)と、該エンジンモニタリング装置1cがモニタリングしたデータ及びプラント発電機1bの作動状態を示すデータを機器情報として通信インターフェース1eに出力するコンピュータ1dと、上記通信回線3を介して機器情報をデータ収集管理施設2に送信する通信インターフェース1e(機器側通信手段)とが配備されている。
【0009】データ収集管理施設2は、通信回線3を介して機器運転施設1から機器情報を受信する通信インターフェース2a(管理側通信手段)と、機器情報に基づいてエンジン1aの劣化状態を判断するコンピュータ2b(機器劣化判断手段)と、上記エンジン1a及び機器運転施設1に設けられた他のエンジンや他の機器運転施設のエンジン等、複数のエンジンに係わる初期性能データを記憶するデータベース2dとが配備されている。
【0010】すなわち、上記コンピュータ1dは、機器運転施設1におけるエンジン1aの機器情報の取得とそのデータ収集管理施設2への送信を管理するものであり、一方、データ収集管理施設2におけるコンピュータ2bは、通信回線3を介して機器運転施設1から受信される機器情報に基づいてエンジン1aの劣化診断を行うものである。また、コンピュータ2bは、ニューラルネットワークの手法を用いて予め生成されたエンジンモデル(エンジン1aの性能を擬似的にモデル化した機器モデル)を機器情報を用いて学習させることによって、エンジン1aの劣化状態を判断するものである。
【0011】例えば、コンピュータ2bは、初期運転時やオーバーフォール終了時等、エンジンの性能が正常であると保証されている時期の機器情報に基づくエンジンモデルの学習結果から得られたパラメータ(初期性能データ)を、これ以降、エンジン1aの通常運転時の機器情報の学習結果から得られる性能データと比較することによって、エンジン1aの劣化状態を判断するものである。
【0012】次に、図2参照して、上記エンジン1aの劣化診断手順のうち、エンジン1aの初期性能データの取得工程について説明する。
【0013】〔ステップSa1〕まず、データ収集管理施設2のコンピュータ2bから接続要求が通信インターフェース2aに出力される。この結果、該通信インターフェース2aと機器運転施設1の通信インターフェース1eとが通信回線3を介して交信可能状態とされ、コンピュータ2bとコンピュータ1dとが接続状態とされる。ここで、通信インターフェース2aと通信インターフェース1eとは、高速通信の可能なものが適用され、例えばISDNやインターネットを介してリアルタイムの交信を行う。
【0014】〔ステップSa2〕コンピュータ2bとコンピュータ1dとが通信インターフェース2a→通信回線3→通信インターフェース1eを介して接続状態とされると、コンピュータ2bは、上記機器情報の送信をコンピュータ1dに要求する。
【0015】〔ステップSa3〕このように機器情報の送信要求が入力されると、コンピュータ1dは、エンジンモニタリング装置1cから一定時間に亘るエンジン1aの作動状態を示すデータを取得するとともに、このときのプラント発電機1bの作動状態を示すデータを該プラント発電機1bから取得し、機器情報として通信インターフェース1eに出力する。ここで、エンジンモニタリング装置1cは、運転中のエンジン1aに対してその作動状態を示すデータをオンラインでモニタリングする。したがって、機器情報の送信要求がコンピュータ2bから発せられた時点から一定時間に亘る機器情報がコンピュータ1dによって取得され、この一定時間に亘る機器情報は、通信インターフェース1e→通信回線3→通信インターフェース2aを介してコンピュータ2bに入力される。
【0016】〔ステップSa4〕このようにして機器情報が入力されると、コンピュータ2bは、上記エンジンモデルを所定時間に亘る学習が行われ、該学習の結果得られた複数のパラメータよりなるエンジン1aの初期性能を示す初期性能データとされる。例えば、初期性能データとしては、エンジン1aのエンジン出力やエンジン効率等である。
【0017】〔ステップSa5〕このようにエンジン1aに係わる初期性能データが取得されると、コンピュータ2bは、上記初期性能データが機器情報に対して一定の誤差範囲内に入るか否かを判断する。すなわち、所定時間に亘る機器情報の学習の結果得られた初期性能データがこのときの機器情報に対して一定の誤差範囲内に入ると判断された場合は、初期性能データが正常に取得されたとしてステップSa6の処理が続いて実行され、初期性能データが該誤差範囲内に入らないと判断された場合には、初期性能データが正常に取得されていないとして上記ステップSa4の処理が繰り返される。
【0018】〔ステップSa6〕そして、コンピュータ2bは、初期性能データが正常に取得されてステップSa5における判断が「Yes」となると、この結果得られたエンジン1aの初期性能データをデータベース2dに記憶させる。
【0019】ここで、上記初期性能データは、当該データ収集管理施設2に対して予め指定された複数の機器、例えば機器運転施設1に備えられた他のエンジンや他の機器運転施設に備えられたエンジン等についても、上述したような機器情報の学習に基づいて取得され、データベース2dに順次記憶される。
【0020】次に、上記初期性能データを用いた劣化診断工程について、図3に沿って説明する。なお、図3に示すフローチャートにおけるステップSb1〜Sb4までの一連の処理は、上記エンジン1aの初期状態以降に受信された機器情報に対するステップSa1〜Sa4の処理を示すものであり、以下の説明では省略する。
【0021】〔ステップSb5〕ステップSb1〜Sb4の処理によって、初期性能データの取得後の任意の時刻における機器情報に基づいてエンジンモデルのパラメータが更新される性能データが得られると、コンピュータ2bは、当該性能データを初期性能データと比較する。この場合、コンピュータ2bは、初期性能データと上記ステップSb4において更新された性能データと比較し、その差が評価基準よりも大きくなるとエンジン1aに劣化あるいは劣化の兆候があると判断する。すなわち、初期性能データとして取得した全てのパラメータを加味して劣化あるいは劣化の兆候が判断される。
【0022】〔ステップSb6〕そして、コンピュータ2bは、上述の如くエンジン1aに劣化あるいは劣化の兆候があると判断すると、このことを通信インターフェース2a→通信回線3→通信インターフェース1eを介してコンピュータ1dに報告する。
【0023】〔ステップSb7〕機器運転施設1では、データ収集管理施設2から受信されたこの報告に基づいてエンジン1aのメンテナンスを行う。なお、ステップSb5において、エンジン1aに劣化あるいは劣化の兆候がないと判断された場合には、当該機器情報に関してメンテナンスを行うことなく処理を終了する。
【0024】上記ステップSb1〜Sb5によるエンジン1aの劣化診断は、例えば一定のタイムインターバルで行われる。コンピュータ2bは、予めスケジューリングされた日時に所定の順番で機器運転施設1にある複数のエンジン(エンジン1aを含む)及び他の機器運転施設にあるエンジンについて機器情報を取得し、該機器情報とこれら各エンジンについて予めデータベース2dに登録された初期性能データに基づいて、上述したように劣化診断を行う。
【0025】なお、上記実施形態では、劣化診断の対象を火力発電所等に備えられたエンジン(ガスタービン)としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々なプラントにおいて継続運転される機器の劣化診断にも応用することが可能である。また、上記実施形態では通信インターフェースを介してすなわちアナログ回線を介して機器情報等の送信を行う場合について説明したが、機器情報の信号帯域によっては、伝送速度を確保するためにISDN等のデジタル回線を用いる場合が考えられる。この場合、通信インターフェースに代えて、デジタル通信用の各種通信装置が用いられる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる機器の劣化診断方法及び装置によれば、以下のような効果を奏する。
(1)運転施設において運転される機器の状態を監視し、該監視によって得られた機器情報を通信回線を介して運転施設から遠隔地の管理施設に送信し、管理施設において機器情報に基づいて機器の劣化を判断するので、遠隔地で機器の劣化を診断することができる。
(2)機器の初期状態における機器情報に基づいて機器の初期特性を示す初期性能データをまず取得し、その後に受信された機器情報に基づく性能データと初期性能データとの比較に基づいて機器の劣化を判断するので、正確に機器の劣化診断を行うことができる。
(3)管理施設では、ニューラルネットワークの手法を用いて機器を模擬的にモデル化した機器モデルを機器情報に基づいて学習させることによって、初期性能データとその後に受信された機器情報に基づく性能データとを取得するので、総合的に機器の劣化状態を診断することができる。特に複数のパラメータを取得して劣化診断を行う場合には、より総合的に機器の劣化状態を診断することができる。
(4)通信回線を用いて機器情報を伝送することにより遠隔地で集中的に機器の劣化を診断するので、機器のメンテナンスコストを削減することができる。
(5)通信回線を用いてオンラインで機器の劣化を診断することができる。
(6)複数の機器に係わる初期性能データをデータベース化して登録し、複数の機器について劣化診断を行うので、複数の機器の劣化を効率的に診断することができる。
(7)初期性能データの後に受信された機器情報に基づく性能データを順次記憶し、機器の経時的な性能変化を診断するので、機器の劣化状態の変化を経時的に掴むことができる。
(8)電話回線あるいはインターネットを用いて機器情報を運転施設から管理施設に伝送することにより、機器情報の高速伝送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる機器の劣化診断方法及び装置の一実施形態において、劣化診断装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係わる機器の劣化診断方法及び装置の一実施形態において、エンジンの初期性能データの取得工程を示すフローチャートである。
【図3】 本発明に係わる機器の劣化診断方法及び装置の一実施形態において、機器の劣化診断工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1……機器運転施設(運転施設)
1a……エンジン(ガスタービン)
1b……プラント発電機
1c……エンジンモニタリング装置(機器モニタリング装置)
1d……コンピュータ
1e……通信インターフェース(機器側通信手段)
2……データ収集管理施設(管理施設)
2a……通信インターフェース(管理側通信手段)
2b……コンピュータ(機器劣化判断手段)
2c……操作盤
2d……データベース
3……通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】 運転施設(1)において運転される機器(1a)の状態を監視し、該監視によって得られた機器情報を通信回線(3)を介して運転施設から遠隔地の管理施設(2)に送信し、該管理施設において機器情報に基づいて機器の劣化を判断することを特徴とする機器の劣化診断方法。
【請求項2】 管理施設では、機器の初期状態における機器情報に基づいて機器の初期特性を示す初期性能データをまず取得し、その後に受信された機器情報に基づくパラメータと初期性能データとの比較に基づいて機器の劣化を判断することを特徴とする請求項1記載の機器の劣化診断方法。
【請求項3】 電話回線あるいはインターネットを介して機器情報を送信することを特徴とする請求項1または2記載の機器の劣化診断方法。
【請求項4】 管理施設では、ニューラルネットワークの手法を用いて機器を模擬的にモデル化した機器モデルを機器情報に基づいて学習させることによって、初期性能データとその後に受信された機器情報に基づくパラメータとを取得することを特徴とする請求項2または3記載の機器の劣化診断方法。
【請求項5】 管理施設は、複数の機器に係わる初期性能データをデータベース化して登録し、複数の機器について劣化診断を行うことを特徴とする請求項2ないし4いずれかに記載の機器の劣化診断方法。
【請求項6】 管理施設では、複数のパラメータからなる初期性能データとその後に受信された機器情報に基づく複数のパラメータとからなる評価関数を比較することによって機器の劣化を判断することを特徴とする請求項2ないし5いずれかに記載の機器の劣化診断方法。
【請求項7】 初期性能データの後に受信された機器情報に基づくパラメータを順次記憶し、機器の経時的な性能変化を診断することを特徴とする請求項2ないし6いずれかに記載の機器の劣化診断方法。
【請求項8】 機器が発電所のガスタービンであることを特徴とする請求項1ないし7いずれかに記載の機器の劣化診断方法。
【請求項9】 機器(1a)の運転施設(1)に備えられ、機器(1a)の状態を機器情報として取得する機器モニタリング装置(1c)と、該機器モニタリング装置によって取得された機器情報を通信回線(3)を介して管理施設(2)に送信する機器側通信手段(1e)と、管理施設に備えられ、前記機器側通信手段から送信された機器情報を受信する管理側通信手段(2a)と、該管理側通信手段によって受信された機器情報に基づいて前記機器の劣化を判断する機器劣化判断手段(2b)と、を具備することを特徴とする機器の劣化診断装置。
【請求項10】 機器劣化判断手段は、機器の初期状態における機器情報に基づいて機器の初期特性を示す初期性能データをまず取得し、その後に受信された機器情報に基づき得られた同様の性能データとの比較に基づいて機器の劣化を判断することを特徴とする請求項9記載の機器の劣化診断装置。
【請求項11】 機器側通信手段は、電話回線またはインターネットを介して機器情報を管理側通信手段に送信することを特徴とする請求項9または10記載の機器の劣化診断装置。
【請求項12】 機器劣化判断手段は、ニューラルネットワークの手法によって機器を模擬的にモデル化した機器モデルを機器情報に基づいて学習させることによって得られた初期性能データとその後に受信された機器情報に基づき同様に得られた性能データとを取得することを特徴とする請求項10または11記載の機器の劣化診断装置。
【請求項13】 管理施設は、複数の機器に係わる初期性能データを記憶するデータベースを備え、機器劣化判断手段は、データベースに基づいて複数の機器について劣化診断を行うことを特徴とする請求項10ないし12いずれかに記載の機器の劣化診断装置。
【請求項14】 機器劣化判断手段は、複数のパラメータから学習された初期性能データとその後に受信された機器情報に基づく複数のパラメータとから学習された性能データを比較することによって機器の劣化を判断する請求項10ないし13いずれかに記載の機器の劣化診断装置。
【請求項15】 機器劣化判断手段は、初期性能データの後に受信された機器情報に基づく性能データを順次記憶し、機器の経時的な性能変化をも診断する請求項10ないし14いずれかに記載の機器の劣化診断装置。
【請求項16】 機器が発電所のガスタービンであることを特徴とする請求項9ないし15いずれかに記載の機器の劣化診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開平11−3113
【公開日】平成11年(1999)1月6日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−152668
【出願日】平成9年(1997)6月10日
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)