説明

機器の梱包装置

【課題】梱包作業を簡便にし、部材が欠品になりにくく、運送時の品質を十分確保でき、しかも無駄なごみを極力出さない環境に配慮した機器の梱包装置を提供する。
【解決手段】機器本体4を梱包するプラスチック段ボールよりなる外箱1と、外箱内の底面左右に固定され機器本体4を位置規制して支持する樹脂緩衝材料よりなる底面クッション2、3と、機器本体4の天板全面を保護する樹脂緩衝材料よりなる天面クッション5と、外箱1内と機器本体4の前面間に装備する樹脂緩衝材料よりなる前クッション6とを備えたものである。これによって、外箱1と底面クッション2、3との方向性は常時変わらず、作業性が簡便で、しかも底面クッションが外箱の外に出されて欠品になることはない。また、各クッション2、3、5、6により、外箱1と機器本体4との空間距離が十分確保され、上下左右および前後からの運送時の衝撃に対して緩衝性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器などの機器における環境にやさしいリターナブルな梱包装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、よく知られている機器の梱包装置は、紙段ボールの外箱と発泡スチロールでできた緩衝材で構成され、これら梱包材は、機器本体を外箱から出した後、最終ユーザーが廃棄処分するものである。ところが、最近では、紙段ボールや発泡スチロール製の緩衝材のごみを極力無くし、外箱や緩衝材などを回収し再利用する環境にやさしい梱包形態が提案されてきている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第3064366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、外箱や緩衝材をプラスチック段ボールで構成して再利用できるものではあるが、底面の緩衝材は外箱から着脱自在の構成であるため、機器本体を外箱から取り出して施工する際や、外箱や緩衝材などの回収の際に欠品になりやすい。また、機器本体を外箱にセットする際に方向性が決まっている場合や、機器本体が非対称形状の場合などには、底面の緩衝材の外箱内へ設置する際に誤セットや、作業に手間がかかるという課題を有していた。また、底面の緩衝材と上面のパッキングとで機器本体の上下を挟み込み緩衝する構成であるため、比較的軽量の機器本体では適用できるが、重量が重く衝撃に弱い制御回路や、ガラスプレートを有する加熱調理器のような機器のリターナブル梱包としては、数十回の運送回転数に耐えうる強度に欠けるものであった。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、梱包作業を簡便にし、部材が欠品になりにくい構成と運送時の品質を十分確保でき、しかも最終ユーザーに無駄なごみを極力出さない環境に配慮した機器の梱包装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の機器の梱包装置は、機器本体を梱包するプラスチック段ボールよりなる外箱と、この外箱内の底面左右に固定され機器本体の底面を位置規制して支持する樹脂緩衝材料または樹脂緩衝材料とプラスチック段ボールの組み合わせよりなる底面クッション右および底面クッション左と、機器本体の天板全面を保護するように装備する樹脂緩衝材料よりなる天面クッションと、外箱内と機器本体の前面間に装備する樹脂緩衝材料よりなる前クッションとを備えたものである。
【0006】
これによって、外箱と底面クッション右および底面クッション左との方向性は常時変わらず固定されているため、作業性が簡便で、しかも底面クッション右および底面クッション左が外箱の外に出されて欠品になることもなく、再利用に適したものである。また、機器本体の底面を位置規制して支持する底面クッション右および底面クッション左と、天面クッションと、前クッションとにより、外箱と梱包された機器本体との空間距離が十分確保され、上下左右および前後からの運送時の衝撃に対して緩衝性が向上し、環境に配慮した機器の梱包装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の機器の梱包装置は、梱包作業を簡便にし、部材が欠品になりにくい構成と運送時の品質を十分確保し、環境に配慮したものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、機器本体を梱包するプラスチック段ボールよりなる外箱と、この外箱内の底面左右に固定され機器本体の底面を位置規制して支持する樹脂緩衝材料または樹脂緩衝材料とプラスチック段ボールの組み合わせよりなる底面クッション右および底面クッション左と、機器本体の天板全面を保護するように装備する樹脂緩衝材料よりなる天面クッションと、外箱内と機器本体の前面間に装備する樹脂緩衝材料よりなる前クッションとを備えた機器の梱包装置とすることにより、外箱と底面クッション右および底面クッション左との方向性は常時変わらず固定されているため、作業性が簡便で、しかも底面クッション右および底面クッション左が外箱の外に出されて欠品になることもなく、再利用に適したものである。また、機器本体の底面を位置規制して支持する底面クッション右および底面クッション左と、天面クッションと、前クッションとにより、外箱と梱包された機器本体との空間距離が十分確保され、上下左右および前後からの運送時の衝撃に対して緩衝性が向上し、環境に配慮した機器の梱包装置が提供することができる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明において、外箱を構成する天面は、その一辺を外箱の側面と一体化して開閉自在とし、天面の他の3辺には締結穴を有する折込み代部を設け、外箱の側面には各折込み代部の締結穴を通して天面を外箱に締結し外箱の開口部を閉じる締結部材を設けたことにより、天面の開閉が簡便で、しかも締結部材が天面の3辺の折込み代部に配設された締結穴を通して天面を外箱に締結しているため、仮に運送時に天地逆にひっくり返されても、機器本体がむき出しになったり外に投げ出されたりすることなく、再利用に十分耐えうる耐久強度と信頼性を確保することができる。
【0010】
第3の発明は、特に、第2の発明において、少なくとも長手側の折込み代部と、これに対応する外箱の側面には、着脱自在な止め部材を設けたことにより、長手側の折込み代部が開こうとするのを防ぎ、締結部材による締め付け固定を補強することができる。特に、止め部材は折込み代部の両端に設けると効果的である。
【0011】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、天面クッションには、機器本体の付属部品を収納する収納部を設けてなることにより、機器本体の形状は同一で仕様の異なる機器に対して、外箱の仕様を共用し標準化することができる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、天面クッションと前クッションは、外箱から取り出し自在とするとともに、同色で、かつ外箱の従属部材であることがわかる表記を施したことにより、専用運送メーカーで外箱を仕分けする際に同類の異なるクッション部材との混入防止を図り、どの製品用のクッション部材かを判別することができる。
【0013】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、天面クッションの上には、外箱より取り出した機器本体を載置する段ボール製の当て板を装備したことにより、機器本体を、例えばキッチンカウンターなどに設置する際に、当て板を機器本体の下敷きとしてキッチンカウンターに仮置きし、キッチンカウンター天面などを傷つけることなく施工することができ、使用後は必要最小限のごみとして施工業者が処分することができる。
【0014】
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明において、機器本体を保護部材により覆って外箱内に梱包したことにより、機器本体が施工現場に放置されても、施工されるまでの間その他の付帯工事で発生するほこりなどから保護し、外観を清潔に保つとともに機器本体内部へのほこりの侵入を防ぎ、性能劣化を防止することができる。
【0015】
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明において、各種の機器本体の共用事項を外箱表面に印刷し、梱包される機器本体の固有情報は外箱に設けたホルダーに取り出し自在に装備したことにより、複数種類の機器本体に対して、外箱の共用化、標準化を図り安価な梱包を実現することができる。
【0016】
第9の発明は、特に、第1〜第8のいずれか1つの発明において、外箱と底面クッション右と底面クッション左とは、幅寸法が異なる機器本体のサイズに合わせてその組み合わせを変え、天面クッションと前クッションは共用としたことにより、汎用性を広げ、最小限の部材新設で外箱の標準化を図り、安価で同一構成の外箱シリーズを展開することができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における機器の梱包装置を示すものである。
【0019】
図に示すように、本実施の形態における機器の梱包装置は、機器本体4を梱包するプラスチック段ボールよりなる外箱1と、この外箱1内の底面左右に接着剤などで固定され機器本体4の底面を位置規制して支持する樹脂緩衝材料または樹脂緩衝材料とプラスチック段ボールの組み合わせよりなる底面クッション右2および底面クッション左3と、機器本体4の天板全面を保護するように装備する樹脂緩衝材料よりなる天面クッション5と、外箱1内と機器本体4の前面間に装備する樹脂緩衝材料よりなる前クッション6とを備えたものである。
【0020】
底面クッション右2および底面クッション左3は、外箱1の正面7に向かって底面左右に略対称に設けられ、機器本体4の底面形状に沿った形状をしていて、機器本体4が前後左右にずれないように位置規制している。また、この底面クッション右2および底面クッション左3、天面クッション5、前クッション6を構成する樹脂緩衝材料は、緩衝性、耐久性の高い発泡ポリエチレンなどからなっている。
【0021】
また、機器本体4としては、本実施の形態では、キッチンカウンターに組み込むビルトイン式の誘導加熱調理器を示している。
【0022】
そして、外箱1の側面には天面8の一辺を一体化して開閉自在としており、機器本体4を外箱1内に梱包したのち、天面8を閉じ、紐やマジックテープ(登録商標)などの締結部材により締結されるものである。
【0023】
以上のように構成された機器の梱包装置について以下その動作、作用を説明する。
【0024】
まず、底面クッション右2と底面クッション左3が外箱1の底面左右に略対称に配設され、接着剤などで固定される。これら底面クッション右2と底面クッション左3は、緩衝性、耐久性の高い発泡ポリエチレンで構成されることで、重量が重く制御回路や、樹脂部材を内蔵する加熱調理器などの機器本体4を支持して位置規制するように作用する。また外箱1の正面7に向かって機器本体4の前面をセットするように底面クッション右2と底面クッション左3が接着剤などで固定されているので、手間取らずに簡便に梱包作業ができるように作用する。
【0025】
次に、機器本体4の天板(誘導加熱調理器の場合はガラス製のトッププレート)全面を保護するように天面クッション5を装備し、かつ外箱1の前面と機器本体4の前面の間に発泡ポリエチレンよりなる前クッション6をセットすることで、外箱1と機器本体4の間に一定の空間距離が十分確保される。
【0026】
このように、本実施の形態では、外箱と底面クッション右および底面クッション左との方向性は常時変わらず固定されているため、作業性が簡便で、しかも底面クッション右および底面クッション左が外箱の外に出されて欠品になることもなく、再利用に適したものである。また、機器本体の底面を位置規制して支持する底面クッション右および底面クッション左と、天面クッションと、前クッションとにより、外箱と梱包された機器本体との空間距離が十分確保され、上下左右および前後からの運送時の衝撃に対して緩衝性が向上し、環境に配慮した機器の梱包装置が提供することができる。
【0027】
(実施の形態2)
図2、図3は、本発明の実施の形態2における機器の梱包装置を示すものである。なお、基本構成は実施の形態1と同様であるので、同一要素については同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0028】
図2に示すように、本実施の形態では、外箱1を構成する天面11は、その一辺を外箱1の正面16に対向する外箱1の側面と溶着などで一体化して開閉自在とし、天面11の他の3辺には締結穴14a〜14cを有する折込み代部13を設け、外箱1の側面には各折込み代部13の締結穴14a〜14cを通して天面11を外箱1に締結し外箱の開口部12を閉じる締結部材15を設けたものである。締結部材15は、マジックテープ(登録商標)付バンドなどからなり、天面11を閉じたときに締結穴14a〜14cに対向する外箱1の3側面にリベット止めなどで固定されている。なお、天面11と各折込み代部13間には直角曲げ罫線17を有している。
【0029】
図3は、天面11を閉じ締結部材15を各締結穴14a〜14cに折り返して通し締結した状態を示している。
【0030】
以上のように構成された機器の梱包装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0031】
機器本体4を外箱1に収納後、天面11を閉じて開口部12を塞ぎ、直角曲げ罫線17を対向する側面に沿って折り曲げ、折込み代部13で側面3辺を覆い、締結部材15を締結穴14a〜14cに折り返して通して締結する(図3)。これにより、天地逆にひっくり返っても機器本体4がむき出しになったり、外に投げ出されたりすることなく、外箱1の再利用に十分耐えうる耐久強度と信頼性を確保するように作用する。
【0032】
このように、本実施の形態では、外箱を構成する天面は、その一辺を外箱の側面と一体化して開閉自在とし、天面の他の3辺には締結穴を有する折込み代部を設け、外箱の側面には各折込み代部の締結穴を通して天面を外箱に締結し外箱の開口部を閉じる締結部材を設けたことにより、天面の開閉が簡便で、しかも締結部材が天面の3辺の折込み代部に配設された締結穴を通して天面を外箱に締結しているため、仮に運送時に天地逆にひっくり返されても、機器本体がむき出しになったり外に投げ出されたりすることなく、再利用に十分耐えうる耐久強度と信頼性を確保することができる。
【0033】
なお、外箱1と天面11の一体化は天面11の1辺を溶着する構成以外に、リベット止め固定や、罫線折り曲げ加工などの構成としてもよい。また、締結部材はマジックテープ(登録商標)付バンド以外に紐などであってもよく、取付け位置、数などは問わない。
【0034】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における機器の梱包装置を示すものである。なお、基本構成は実施の形態1、2と同様であるので、同一要素については同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0035】
図に示すように、本実施の形態では、天面22の少なくとも長手側の折込み代部23と、これに対応する外箱1の正面長手側の側面21には、着脱自在な止め部材24、25を設けたものである。止め部材24、25としては、マジックテープ(登録商標)を例示しているが、フック、磁石など種々のものがあり、限定されるものではない。そして、止め部材24、25は、各折込み代部に設けることも可能であるが、長手側の折込み代部23は辺が長いため反発力が働きの両端が開こうと作用するので、中央の締結部材15を中心に両端に設けると効果的である。
【0036】
このように、本実施の形態では、天面の少なくとも長手側の折込み代部と、これに対応する外箱の側面に着脱自在な止め部材を設けたことにより、長手側の折込み代部が開こうとするのを防ぎ、締結部材による締め付け固定を補強することができる。これにより、外箱の再利用に十分耐えうる耐久強度と信頼性を十分確保することができる。
【0037】
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4における機器の梱包装置を示すものである。なお、基本構成は実施の形態1、2と同様であるので、同一要素については同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0038】
図に示すように、本実施の形態では、天面クッション5の上面に、機器本体4の付属部品を収納する凹部からなる収納部31a〜31eを設けたものである。この収納部31a〜31eは、機器本体4の付属部品以外に別仕様の機器本体用の付属部品をも収納できるものである。
【0039】
このように、本実施の形態では、天面クッションに、機器本体の付属部品を収納する収納部を設けたことにより、機器本体の形状は同一で仕様の異なる機器に対して、外箱の仕様を共用し標準化することができる。
【0040】
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5における機器の梱包装置を示すものである。なお、基本構成は実施の形態1、2と同様であるので、同一要素については同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0041】
図に示すように、本実施の形態では、天面クッション5と前クッション6は、外箱1から取り出し自在とするとともに、同色(例えば、青色)で、かつ表面に外箱1の従属部材であることがわかる表記32(例えば、黒字で捺印)を施したものである。
【0042】
このように、本実施の形態では、天面クッションと前クッションは、同色で、かつ外箱の従属部材であることがわかる表記を施したことにより、専用運送メーカーで外箱を仕分けする際に同類の異なるクッション部材との混入防止を図り、どの製品用のクッション部材かを判別することができる。
【0043】
(実施の形態6)
図7は、本発明の実施の形態6における機器の梱包装置を示すものである。なお、基本構成は実施の形態1、2と同様であるので、同一要素については同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0044】
図に示すように、本実施の形態では、天面クッション5の上には、外箱1より取り出した機器本体4を載置する段ボール製の当て板42を装備し、梱包したものである。当て板42は、その表面に施工時のお願い内容などが印刷されているものであり、開梱されると施工時のお願い内容にしたがって施工業者が作業をするものである。
【0045】
これにより、機器本体4を、例えば、キッチンカウンター41などに設置する(組み込む)際に、当て板42を外箱1から取り出し、機器本体4の下敷きとしてキッチンカウンター41に仮置きし、キッチンカウンター天面を傷つけることなく施工することができるものである。
【0046】
このように、本実施の形態では、段ボール製の当て板を装備したことにより、キッチンカウンター天面などを傷つけることなく施工することができ、使用後は必要最小限のごみとして施工業者が処分することができる。
【0047】
(実施の形態7)
図8は、本発明の実施の形態7における機器の梱包装置を示すものである。なお、基本構成は実施の形態1、2と同様であるので、同一要素については同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0048】
図に示すように、本実施の形態では、機器本体4を保護部材51により覆って外箱1内に梱包したものである。保護部材51がポリシートの場合は、機器本体4の天板全面を覆うように被せてテープ52で固定、梱包するものであるが、保護部材51がポリ袋の場合は、機器本体4の天板あるいは機器本体4の全体を覆って被せるものである。
【0049】
このように、本実施の形態では、機器本体を保護部材により覆うことにより、機器本体が施工現場に放置されても、施工されるまでの間その他の付帯工事で発生するほこりなどから保護し、外観を清潔に保つとともに機器本体内部へのほこりの侵入を防ぎ、性能劣化を防止することができる。
【0050】
(実施の形態8)
図9は、本発明の実施の形態8における機器の梱包装置を示すものである。なお、基本構成は実施の形態1、2と同様であるので、同一要素については同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0051】
図に示すように、本実施の形態では、各種の機器本体4の共用事項63a〜63cを外箱1の正面7表面に印刷し、梱包される機器本体4の固有情報は紙シート61に記載して外箱1に設けたホルダー62に取り出し自在に装備したものである。共用事項63aは品名、共用事項63bは社名、共用事項63cはケアマークなどであり、紙シート61に記載する固有情報は、品番、質量表示などである。
【0052】
このように、本実施の形態では、機器本体の共用事項と固有情報とを区分けして記載することにより、複数種類の機器本体に対して、外箱の共用化、標準化を図り安価な梱包を実現することができる。
【0053】
(実施の形態9)
図10、図11は、本発明の実施の形態9における機器の梱包装置を示すものである。なお、基本構成は実施の形態1、2と同様であるので、同一要素については同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0054】
図に示すように、本実施の形態では、外箱1と底面クッション右2と底面クッション左3とは、幅寸法が異なる機器本体4のサイズに合わせてその組み合わせを変え、天面クッション5と前クッション6は共用としたものである。
【0055】
すなわち、図10に示す、底面クッション右2と底面クッション左3との組み合わせに対して、図11に示す、機器本体4の幅寸法が大きくなる仕様では、外箱1と底面クッション右2にプラスチック段ボールでできたスペーサー右2aを接着固定し、外箱1と底面クッション左3にプラスチック段ボールでできたスペーサー左3aを接着固定した組み合わせに変えている。これにより幅寸法が異なる機器本体4のサイズに対応させている。
【0056】
このように、本実施の形態では、外箱と底面クッション右と底面クッション左とは、幅寸法が異なる機器本体のサイズに合わせてその組み合わせを変えることにより、汎用性を広げ、最小限の部材新設で外箱の標準化を図り、安価で同一構成の外箱シリーズを展開することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明にかかる機器の梱包装置は、梱包作業を簡便にし、部材が欠品になりにくい構成と運送時の品質を十分確保し、環境に配慮したものとすることができるので、一般家庭の施工を伴う加熱調理機器などのリターナブル梱包として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態1における機器の梱包装置の分解斜視図
【図2】本発明の実施の形態2における機器の梱包装置の外箱を示す斜視図
【図3】同機器の梱包装置の梱包完成状態を示す斜視図
【図4】本発明の実施の形態3における機器の梱包装置の外箱を示す斜視図
【図5】本発明の実施の形態4における機器の梱包装置の天面クッションを示す斜視図
【図6】本発明の実施の形態5における機器の梱包装置の前クッションと天面クッションを示す斜視図
【図7】本発明の実施の形態6における機器の梱包装置の施工状態を示す側面図
【図8】本発明の実施の形態7における機器の梱包装置の要部断面図
【図9】本発明の実施の形態8における機器の梱包装置の正面図
【図10】本発明の実施の形態9における機器の梱包装置の要部断面図
【図11】同機器の梱包装置の異なるサイズにおける要部断面図
【符号の説明】
【0059】
1 外箱
2 底面クッション右
2a スペーサー右
3 底面クッション左
3a スペーサー左
4 機器本体
5 天面クッション
6 前クッション
7、16 正面
8、11、22 天面
12 開口部
13 折込み代部
14a〜14c 締結穴
15 締結部材
23 長手側の折込み代部
24、25 止め部材
31a〜31e 収納部
32 表記
42 当て板
51 保護部材
61 紙シート
62 ホルダー
63a〜63c 共用事項

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体を梱包するプラスチック段ボールよりなる外箱と、この外箱内の底面左右に固定され機器本体の底面を位置規制して支持する樹脂緩衝材料または樹脂緩衝材料とプラスチック段ボールの組み合わせよりなる底面クッション右および底面クッション左と、機器本体の天板全面を保護するように装備する樹脂緩衝材料よりなる天面クッションと、外箱内と機器本体の前面間に装備する樹脂緩衝材料よりなる前クッションとを備えた機器の梱包装置。
【請求項2】
外箱を構成する天面は、その一辺を外箱の側面と一体化して開閉自在とし、天面の他の3辺には締結穴を有する折込み代部を設け、外箱の側面には各折込み代部の締結穴を通して天面を外箱に締結し外箱の開口部を閉じる締結部材を設けた請求項1に記載の機器の梱包装置。
【請求項3】
少なくとも長手側の折込み代部と、これに対応する外箱の側面には、着脱自在な止め部材を設けた請求項2に記載の機器の梱包装置。
【請求項4】
天面クッションには、機器本体の付属部品を収納する収納部を設けてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の機器の梱包装置。
【請求項5】
天面クッションと前クッションは、外箱から取り出し自在とするとともに、同色で、かつ外箱の従属部材であることがわかる表記を施した請求項1〜4のいずれか1項に記載の機器の梱包装置。
【請求項6】
天面クッションの上には、外箱より取り出した機器本体を載置する段ボール製の当て板を装備した請求項1〜5のいずれか1項に記載の機器の梱包装置。
【請求項7】
機器本体を保護部材により覆って外箱内に梱包した請求項1〜6のいずれか1項に記載の機器の梱包装置。
【請求項8】
各種の機器本体の共用事項を外箱表面に印刷し、梱包される機器本体の固有情報は外箱に設けたホルダーに取り出し自在に装備した請求項1〜7のいずれか1項に記載の機器の梱包装置。
【請求項9】
外箱と底面クッション右と底面クッション左とは、幅寸法が異なる機器本体のサイズに合わせてその組み合わせを変え、天面クッションと前クッションは共用とした請求項1〜8のいずれか1項に記載の機器の梱包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−145405(P2007−145405A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345659(P2005−345659)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】