機器の筐体間接続装置
【課題】2つの機器の筐体相互の接続における平板共振要因によるEMI低減化と静電気の放電経路の確保との両立を図ることができる機器の筐体間接続装置を提供する。
【解決手段】2つの機器1、2の筐体1A、2A間の接続手段3として、略0Ωの金属体を介して接続された金属体接続部31を備えているので、放電経路が確保されて静電気を有効に放出でき、さらに、抵抗体321を介して接続された抵抗体接続部32を備えているので、周波数変移が少なくなって電波放射レベルを下げることができる。
【解決手段】2つの機器1、2の筐体1A、2A間の接続手段3として、略0Ωの金属体を介して接続された金属体接続部31を備えているので、放電経路が確保されて静電気を有効に放出でき、さらに、抵抗体321を介して接続された抵抗体接続部32を備えているので、周波数変移が少なくなって電波放射レベルを下げることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば画像形成装置等の本体機器と給紙系や排紙系等の外付けオプション機器との接続に適用される機器の筐体間接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多機能デジタル複合機であるMFP(Multi Function Peripherals)等の画像形成装置では、本体機器に対して、給紙系や排紙系等の外付けオプション機器を接続する構造として、一般に、ビスや留め金具を使うのが通例であり、また、EMC(electoro-magnetic complication:電磁障害) の対策として、ばねを使って接続するようにしたものも存在する。
【0003】
ところが、前記接続部位において、両機器における金属製筐体の対向面間に空間が存在し、そこにケーブル等の電波の発生源があると、前記筐体対向面で、図10に示すような特性をもった共振現象が起こり、電波放射が発生する傾向にある。この共振による電波放射が予期しないレベルとなると、EMI(electoro-magnetic interference: 電磁妨害雑音) 上、問題となる。
【0004】
このため、図11および図12に示すように、一方の機器(本体機器)101の筐体101Aと外付けオプション機器102の筐体102Aの接続部(接続点)103の数を増やし、例えば3点か4点で板金接続を行なって対応している。接続部103の数を増やすのは、共振周波数を図13に示すように、高周波領域にシフトさせるためである。
【0005】
また、最近、複写機等の画像読み取りのの高画質化に伴ってクロック数が高くなってきており、それによる電磁波ノイズが問題になっている。これに対応して、従来、例えば自己補対構造の導電板を抵抗体で繋ぐことにより、ダイポールアンテナの共振電流を導き、抵抗体で熱損失させることにより、ノイズ低減化を図るようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−210703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のように、電磁波発生源を抑制したり、単に筐体間接続点を増やす対策を講じるにしても、外付けオプション機器102がMFP等の給紙系や排紙系等である場合には、本体機器101の筐体10Aと外付けオプション機器102の筐体102Aとの対向面のうちの中央部位(図12)Sが用紙搬送口等に対応しており、接続部103に使用することができない。つまり、接続部103の位置は、周縁部(図12)Pに限られており、以下のような問題が残っている。
(1)給紙口や排紙口に対応した位置であることや保守サービスの作業性等の関係から接続部103の位置および数が限定されるため、最適な部位に接続点を設定することができない。
(2)給紙系や排紙系等の外付けオプション機器102の筐体102Aは、対向面が比較的広く、共振周波数が低周波領域にある。
【0008】
このため、本体機器101の筐体101Aと外付けオプション機器102の筐体102Aとの接続部103を抵抗体で置換することも考えられるが、抵抗体は、本体機器101の筐体101Aの内蔵部品ではないので、別途筐体101Aの外部に静電気を放電させなければならず、静電気放電経路を確保するための金属体接続が必要である。
【0009】
その場合、放電経路を確保することにより、周波数偏位が起こり、状況によってはEMIレベルが悪化するおそれがある。これは、前記した先行技術を導入しても同じような問題を招く。
【0010】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、2つの機器の筐体相互の接続における平板共振要因によるEMI低減化と静電気の放電経路の確保との両立を図ることができる機器の筐体間接続装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)少なくとも一方に制御機能を持った2つの機器の筐体間の接続手段として、静電気放電経路を確保するために抵抗値が略0Ωの金属体を介して接続された金属体接続部と、抵抗体を介して接続された抵抗体接続部と、を備えたことを特徴とする機器の筐体間接続装置。
(2)前記金属体接続部の位置は、前記機器の電波放射源の近傍に設定されている前項1に記載の機器の筐体間接続装置。
(3)前記抵抗体接続部の位置は、筐体間平板共振を抑止可能な1箇所ないしは複数箇所に設定されている前項1または2に記載の機器の筐体間接続装置。
(4)前記抵抗体接続部の位置は、共振点に可及的に近い位置に設定される前項3に記載の機器の筐体間接続装置。
(5)前記抵抗体接続部の抵抗体は、導電性シリコン樹脂で構成されている前項1〜4のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
(6)前記抵抗体接続部の抵抗体は、導電性弾性体で構成されている前項1〜4のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
(7)前記抵抗体接続部の抵抗体は、筐体相互間での斥力方向で挟み込まれるように配置されている前項1〜6のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
(8)前記抵抗体接続部の抵抗体は、筐体相互間での引力方向で挟み込まれるように配置されている前項1〜6のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
(9)前記抵抗体接続部の抵抗体と筐体金属面との境界に十分な接続面積を確保しにくい場合には、該抵抗体と筐体金属面との間に導電性ガスケットが介在される前項1〜8のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
【発明の効果】
【0012】
前項(1)に記載の発明によれば、少なくとも一方に制御機能を持った機器の2つの筐体間の接続手段として、略0Ωの金属体を介して接続された金属体接続部を備えているので、放電経路が確保されて静電気を有効に放出でき、さらに金属体接続部の他に抵抗体接続部を備えているので、周波数変移が少なくなって電波放射レベルを低くすることができ、これら金属体接続部と抵抗体接続部との併用により、静電気の放電効果とEMI悪化防止効果とを同時的に有効に発揮させることができる。
【0013】
前項(2)に記載の発明によれば、前記金属体接続部の位置が、前記機器による電波放射源の近傍に設定されているので、放電経路の確保による静電気の放出が効果的に行なわれる。
【0014】
前項(3)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の位置が筐体間平板共振を抑止可能な1箇所ないしは複数箇所に設定されているので、接続部の数を可及的に少なくして平板共振が有効に防止される。
【0015】
前項(4)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の位置は、共振点に最も近い位置に設定されるので、抵抗体接続部の位置が制限される場合であっても、電波放射レベルを低くするのに有効となる。
【0016】
前項(5)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の抵抗体が導電性シリコン樹脂であるので、筐体金属面に対して安定した状態を保って筐体間平板共振が有効に抑制される。
【0017】
前項(6)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の抵抗体が導電性弾性体であるので、筐体金属面に対して安定した状態を保って筐体間平板共振が有効に抑制される。
【0018】
前項(7)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の抵抗体が筐体相互間での斥力方向で挟み込まれるように配置されて、筐体間平板共振が有効に抑制される。
【0019】
前項(8)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の抵抗体が筐体相互間での引力方向で挟み込まれるように配置されて、筐体間平板共振が有効に抑制される。
【0020】
前項(9)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の抵抗体と筐体金属面との境界に十分な接続面積を確保しにくい場合には、該抵抗体と筐体金属面との間に介在された導電性ガスケットにより、筐体間平板共振が有効に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施形態に係る機器の筐体間接続装置を示す概略正面図である。
【図2】同じく機器の筐体間接続装置を示す概略側面図である。
【図3】同じく機器の筐体間での共振を吸収してレベルを下げた状態を示す特性図である。
【図4】30×30cmの金属製の平行平板の共振特性図である。
【図5】本体機器の筐体と外付けオプション機器の筐体の対向面のみでの共振特性図である。
【図6】同じく本体機器の筐体と外付けオプション機器の筐体との抵抗接続部の具体例を示す概略断面図である。
【図7】同じく本体機器の筐体と外付けオプション機器の筐体との抵抗接続部の別の具体例を示す概略断面図である。
【図8】同じく本体機器の筐体と外付けオプション機器の筐体との接続部に導電性ガスケットを付加した例の説明図である。
【図9】同じく本体機器と外付けオプション機器との接続部の別の具体例を示す概略断面図である。
【図10】従来の機器の筐体間接続装置における筐体間の平板共振の周波数特性図である。
【図11】同じく従来の筐体間接続装置を示す概略正面図である。
【図12】同じく従来の筐体間接続装置を示す概略側面図である。
【図13】同じく従来の筐体間接続装置における筐体間の共振周波数が高周波側にシフトした状態を示す共振周波数特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1および図2は、それぞれこの発明の一実施形態に係る機器の筐体間接続装置を示す概略正面図および概略側面図である。
【0024】
図1および図2において、この筐体間接続装置は、一方が制御機能を有する2つの機器1、2と、これら両機器1、2の各金属製の筐体1A、1B間を接続する接続手段3とを備えている。
【0025】
前記2つの機器1、2のうちの一方の機器1は、例えばMFP等の画像形成装置における制御機能を有する機器本体であり、図2に示すように、他方の機器2との対向面におけるロ字型の周辺部Pを残して矩形中央部Sは、用紙搬送口として接続不可の領域となっている。つまり、前記周辺部Pのみが接続部3の配置領域となっている。
【0026】
他方の機器2は、前記本体機器1の筐体1Aの側面に接続・固定される給紙系(給紙カセット部)ないしは排紙系(排紙カセット部)のような外付けオプション機器である。
【0027】
前記接続手段3は、前記周辺部Pに対応する部位における一辺部、例えば一方の縦辺部の一点(2箇所)に設けられた第1の接続部31と、他方の縦辺部の2点(2箇所)にそれぞれ設けられた第2の接続部32、32とを備えている。
【0028】
第1の接続部31は、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間での静電気放電経路を確保するための金属体接続部からなり、静電気放出試験時の静電気放電経路を有効に確保するためには、金属体の抵抗値はほぼ0Ωとする必要がある。このような金属体接続部として例えば金属製のビスや留め金具あるいは金属バネによる接続等を挙げることができる。
【0029】
また、2箇所の第2の接続部32、32は、それぞれ抵抗体接続部からなり、周波数偏位を少なくして電波放射レベルを低下させる効果がある。つまり、接続手段3においては、2個所に抵抗体接続部32、32を付加することにより、図3に示すように、抵抗成分で共振を吸収させて電波放射レベルを下げることが可能である。
【0030】
上記のように、第1の接続部31を金属体接続部とする一方、第2の接続部32、33を抵抗体接続部とし、両者31、32(32)により、平行平板共振分布を基に、意図的に電流方向の制御を行うことにより、静電気の放電と、EMI抑止の両立が図られることになる。
【0031】
なお、前記金属体接続部31の位置が、前記本体機器1によるケーブル等の電波放射源の近傍に設定されていれば、静電気放電経路の確保による静電気の放出が効果的に行なわれる。
【0032】
また、前記抵抗体接続部32の位置が制限される場合には、共振点に最も近い位置に設定すれば、電波放射レベルを有効に下げることが可能となる。
【0033】
図4は、30×30cmの平行平板の共振特性図である。
【0034】
図4において、点線で示す曲線aは、対向面の4隅を0Ωの金属体で接続した場合の共振特性を示し、鎖線で示す曲線bは、対向面における4隅を10Ωの抵抗体で接続した場合の共振特性を示している。しかし、4隅を抵抗体のみで接続しても、規格領域周波数全域で電波放射レベルが下がっていないことが分かる。共振周波数は、ケーブル等の放射源の位置で変移する。
【0035】
一方、実線で示す曲線cは、4隅の抵抗体に加えて電流帰還用の0Ωの金属体を接続した場合の共振特性を示しており、規格領域周波数全域で電波放射レベルが下がっていることが分かる。
【0036】
図5は、前記本体機器1の筐体1と外付けオプション機器2の筐体2Aとの対向面のみでの共振特性図である。
【0037】
図5において、点線で示す曲線αは、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間にケーブル(図示せず)が存在した状態で、1箇所を金属接続した場合である。この場合、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの対向面の構造が平行平板の場合に較べて複雑化し、共振原因が複数存在する。
【0038】
これに対して、実線で示す曲線βは、本体機器1の筐体1Aと外付オプション機器2の筐体2Aとの対向面において、前記特性αにおける共振を阻害する位置に抵抗体接続部32を追加接続した共振特性図であり、曲線(点線)αに比べて共振原因がほとんど無くなっていることが分かる。
【0039】
図6は、前記本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間の抵抗体接続部31の具体例を示す概略断面図である。
【0040】
図6において、前記本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間には、抵抗体接続部32よりも離れた位置において、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとで斥力が作用するように、ゴム等からなる弾性絶縁体33、33が介在されている。
【0041】
前記抵抗体接続部32の抵抗体321は、例えば、導電性シリコン樹脂からなり、前記本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間に斥力方向(矢印方向)で挟み込まれるように配置・保持されている。
【0042】
具体的には、例えばオプション機器2の筐体2Aの外壁に、他方の本体機器1の筐体1Aの外壁の孔部11を通して内部にまで延びるL字形部材21が設けられており、そのL字形部材21の先端折曲部21aの内面と機器1の筐体1Aの内壁との間に前記抵抗体321が介在・保持されている。
【0043】
前記抵抗体321としては、導電性シリコン樹脂に限らず、例えば導電性弾性体等を使用してもよい。これらを使用すると、筐体1A、2Aに対して抵抗体321を安定した接触状態で保持させることが可能となる。
【0044】
図7は、前記本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間における抵抗体接続部31の別の具体例を示す概略断面図である。
【0045】
図7において、図6と同一もしくは相当機能箇所には同一符号を付して、それらの詳細は省略するが、この例では、前記本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間に環状の抵抗体321が介在されている。
【0046】
この抵抗体321は、本体機器1の筐体1Aの内部から外壁を貫通して外付けオプション機器2の筐体2Aにねじ込まれたねじ34により、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとに引力が作用する方向(矢印方向)に挟み込んで固定されている。
【0047】
なお、ねじ34には、前記環状の抵抗体321を貫通する絶縁性の筒状体35が外嵌されており、また、前記機器本体1の内面には、ねじ34に貫通されて締め付けられる絶縁性のワッシャ部材36が配設されている。
【0048】
ところで、前記本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの引力方向へ挟まれる状態で抵抗体321が介在された場合に、抵抗体321と本体機器1の筐体1Aの外面との間ならびに外付けオプション機器2の外面との間で十分な接続面積を確保できなければ、図8に示すように、抵抗体321と前記本体機器1の筐体1Aとの間ならびに抵抗体321と外付けオプション機器2の筐体2Aとの間にそれぞれ導電性ガスケット41、41を挟み込むように介在させるとよい。
【0049】
図9は、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間における抵抗体接続部31の別の具体例を示す概略断面図である。
【0050】
図9の例では、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間に跨がって配設されたS字形の金属製ばね部材311と、本体機器1の筐体1A上に配置された抵抗体接続部32の環状の抵抗体321とを備えている。この抵抗体321は、例えば導電性シリコン樹脂から構成されている。
【0051】
S字形の金属製ばね部材311の基端部311aは、前記抵抗体321の上に重合して配置されて、本体機器1の筐体1A側にねじ込まれるねじ34により、該本体機器1の筐体1A上に固定されている。また、この金属製ばね部材311の先端部311bは、前記外付けオプション機器2の筐体2Aの段部に弾性的に接触する状態に保持されている。
【0052】
なお、ねじ34には、前記環状の抵抗体321を貫通する絶縁性の筒状体35が外嵌されており、また、前記筒状体35とねじ34の頭部との間には、絶縁性のワッシャ部材36が介在されている。
【0053】
このような構成においては、前記S字型のばね部材311及び抵抗体321を介して、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aが抵抗接続されることになる。
【0054】
なお、前記抵抗体接続部32は、その位置が制限される場合には、共振点に可及的近い位置を選択して設定すれば、電波放射レベルを低くするのに有効となる。
【符号の説明】
【0055】
1 本体機器
1A 本体機器の筐体
2 外付けオプション機器
2A 外付けオプション機器の筐体
3 接続手段
31 金属体接続部
32 抵抗体接続部
41 導電性ガスケット
321 抵抗体
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば画像形成装置等の本体機器と給紙系や排紙系等の外付けオプション機器との接続に適用される機器の筐体間接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多機能デジタル複合機であるMFP(Multi Function Peripherals)等の画像形成装置では、本体機器に対して、給紙系や排紙系等の外付けオプション機器を接続する構造として、一般に、ビスや留め金具を使うのが通例であり、また、EMC(electoro-magnetic complication:電磁障害) の対策として、ばねを使って接続するようにしたものも存在する。
【0003】
ところが、前記接続部位において、両機器における金属製筐体の対向面間に空間が存在し、そこにケーブル等の電波の発生源があると、前記筐体対向面で、図10に示すような特性をもった共振現象が起こり、電波放射が発生する傾向にある。この共振による電波放射が予期しないレベルとなると、EMI(electoro-magnetic interference: 電磁妨害雑音) 上、問題となる。
【0004】
このため、図11および図12に示すように、一方の機器(本体機器)101の筐体101Aと外付けオプション機器102の筐体102Aの接続部(接続点)103の数を増やし、例えば3点か4点で板金接続を行なって対応している。接続部103の数を増やすのは、共振周波数を図13に示すように、高周波領域にシフトさせるためである。
【0005】
また、最近、複写機等の画像読み取りのの高画質化に伴ってクロック数が高くなってきており、それによる電磁波ノイズが問題になっている。これに対応して、従来、例えば自己補対構造の導電板を抵抗体で繋ぐことにより、ダイポールアンテナの共振電流を導き、抵抗体で熱損失させることにより、ノイズ低減化を図るようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−210703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のように、電磁波発生源を抑制したり、単に筐体間接続点を増やす対策を講じるにしても、外付けオプション機器102がMFP等の給紙系や排紙系等である場合には、本体機器101の筐体10Aと外付けオプション機器102の筐体102Aとの対向面のうちの中央部位(図12)Sが用紙搬送口等に対応しており、接続部103に使用することができない。つまり、接続部103の位置は、周縁部(図12)Pに限られており、以下のような問題が残っている。
(1)給紙口や排紙口に対応した位置であることや保守サービスの作業性等の関係から接続部103の位置および数が限定されるため、最適な部位に接続点を設定することができない。
(2)給紙系や排紙系等の外付けオプション機器102の筐体102Aは、対向面が比較的広く、共振周波数が低周波領域にある。
【0008】
このため、本体機器101の筐体101Aと外付けオプション機器102の筐体102Aとの接続部103を抵抗体で置換することも考えられるが、抵抗体は、本体機器101の筐体101Aの内蔵部品ではないので、別途筐体101Aの外部に静電気を放電させなければならず、静電気放電経路を確保するための金属体接続が必要である。
【0009】
その場合、放電経路を確保することにより、周波数偏位が起こり、状況によってはEMIレベルが悪化するおそれがある。これは、前記した先行技術を導入しても同じような問題を招く。
【0010】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、2つの機器の筐体相互の接続における平板共振要因によるEMI低減化と静電気の放電経路の確保との両立を図ることができる機器の筐体間接続装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)少なくとも一方に制御機能を持った2つの機器の筐体間の接続手段として、静電気放電経路を確保するために抵抗値が略0Ωの金属体を介して接続された金属体接続部と、抵抗体を介して接続された抵抗体接続部と、を備えたことを特徴とする機器の筐体間接続装置。
(2)前記金属体接続部の位置は、前記機器の電波放射源の近傍に設定されている前項1に記載の機器の筐体間接続装置。
(3)前記抵抗体接続部の位置は、筐体間平板共振を抑止可能な1箇所ないしは複数箇所に設定されている前項1または2に記載の機器の筐体間接続装置。
(4)前記抵抗体接続部の位置は、共振点に可及的に近い位置に設定される前項3に記載の機器の筐体間接続装置。
(5)前記抵抗体接続部の抵抗体は、導電性シリコン樹脂で構成されている前項1〜4のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
(6)前記抵抗体接続部の抵抗体は、導電性弾性体で構成されている前項1〜4のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
(7)前記抵抗体接続部の抵抗体は、筐体相互間での斥力方向で挟み込まれるように配置されている前項1〜6のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
(8)前記抵抗体接続部の抵抗体は、筐体相互間での引力方向で挟み込まれるように配置されている前項1〜6のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
(9)前記抵抗体接続部の抵抗体と筐体金属面との境界に十分な接続面積を確保しにくい場合には、該抵抗体と筐体金属面との間に導電性ガスケットが介在される前項1〜8のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
【発明の効果】
【0012】
前項(1)に記載の発明によれば、少なくとも一方に制御機能を持った機器の2つの筐体間の接続手段として、略0Ωの金属体を介して接続された金属体接続部を備えているので、放電経路が確保されて静電気を有効に放出でき、さらに金属体接続部の他に抵抗体接続部を備えているので、周波数変移が少なくなって電波放射レベルを低くすることができ、これら金属体接続部と抵抗体接続部との併用により、静電気の放電効果とEMI悪化防止効果とを同時的に有効に発揮させることができる。
【0013】
前項(2)に記載の発明によれば、前記金属体接続部の位置が、前記機器による電波放射源の近傍に設定されているので、放電経路の確保による静電気の放出が効果的に行なわれる。
【0014】
前項(3)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の位置が筐体間平板共振を抑止可能な1箇所ないしは複数箇所に設定されているので、接続部の数を可及的に少なくして平板共振が有効に防止される。
【0015】
前項(4)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の位置は、共振点に最も近い位置に設定されるので、抵抗体接続部の位置が制限される場合であっても、電波放射レベルを低くするのに有効となる。
【0016】
前項(5)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の抵抗体が導電性シリコン樹脂であるので、筐体金属面に対して安定した状態を保って筐体間平板共振が有効に抑制される。
【0017】
前項(6)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の抵抗体が導電性弾性体であるので、筐体金属面に対して安定した状態を保って筐体間平板共振が有効に抑制される。
【0018】
前項(7)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の抵抗体が筐体相互間での斥力方向で挟み込まれるように配置されて、筐体間平板共振が有効に抑制される。
【0019】
前項(8)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の抵抗体が筐体相互間での引力方向で挟み込まれるように配置されて、筐体間平板共振が有効に抑制される。
【0020】
前項(9)に記載の発明によれば、前記抵抗体接続部の抵抗体と筐体金属面との境界に十分な接続面積を確保しにくい場合には、該抵抗体と筐体金属面との間に介在された導電性ガスケットにより、筐体間平板共振が有効に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施形態に係る機器の筐体間接続装置を示す概略正面図である。
【図2】同じく機器の筐体間接続装置を示す概略側面図である。
【図3】同じく機器の筐体間での共振を吸収してレベルを下げた状態を示す特性図である。
【図4】30×30cmの金属製の平行平板の共振特性図である。
【図5】本体機器の筐体と外付けオプション機器の筐体の対向面のみでの共振特性図である。
【図6】同じく本体機器の筐体と外付けオプション機器の筐体との抵抗接続部の具体例を示す概略断面図である。
【図7】同じく本体機器の筐体と外付けオプション機器の筐体との抵抗接続部の別の具体例を示す概略断面図である。
【図8】同じく本体機器の筐体と外付けオプション機器の筐体との接続部に導電性ガスケットを付加した例の説明図である。
【図9】同じく本体機器と外付けオプション機器との接続部の別の具体例を示す概略断面図である。
【図10】従来の機器の筐体間接続装置における筐体間の平板共振の周波数特性図である。
【図11】同じく従来の筐体間接続装置を示す概略正面図である。
【図12】同じく従来の筐体間接続装置を示す概略側面図である。
【図13】同じく従来の筐体間接続装置における筐体間の共振周波数が高周波側にシフトした状態を示す共振周波数特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1および図2は、それぞれこの発明の一実施形態に係る機器の筐体間接続装置を示す概略正面図および概略側面図である。
【0024】
図1および図2において、この筐体間接続装置は、一方が制御機能を有する2つの機器1、2と、これら両機器1、2の各金属製の筐体1A、1B間を接続する接続手段3とを備えている。
【0025】
前記2つの機器1、2のうちの一方の機器1は、例えばMFP等の画像形成装置における制御機能を有する機器本体であり、図2に示すように、他方の機器2との対向面におけるロ字型の周辺部Pを残して矩形中央部Sは、用紙搬送口として接続不可の領域となっている。つまり、前記周辺部Pのみが接続部3の配置領域となっている。
【0026】
他方の機器2は、前記本体機器1の筐体1Aの側面に接続・固定される給紙系(給紙カセット部)ないしは排紙系(排紙カセット部)のような外付けオプション機器である。
【0027】
前記接続手段3は、前記周辺部Pに対応する部位における一辺部、例えば一方の縦辺部の一点(2箇所)に設けられた第1の接続部31と、他方の縦辺部の2点(2箇所)にそれぞれ設けられた第2の接続部32、32とを備えている。
【0028】
第1の接続部31は、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間での静電気放電経路を確保するための金属体接続部からなり、静電気放出試験時の静電気放電経路を有効に確保するためには、金属体の抵抗値はほぼ0Ωとする必要がある。このような金属体接続部として例えば金属製のビスや留め金具あるいは金属バネによる接続等を挙げることができる。
【0029】
また、2箇所の第2の接続部32、32は、それぞれ抵抗体接続部からなり、周波数偏位を少なくして電波放射レベルを低下させる効果がある。つまり、接続手段3においては、2個所に抵抗体接続部32、32を付加することにより、図3に示すように、抵抗成分で共振を吸収させて電波放射レベルを下げることが可能である。
【0030】
上記のように、第1の接続部31を金属体接続部とする一方、第2の接続部32、33を抵抗体接続部とし、両者31、32(32)により、平行平板共振分布を基に、意図的に電流方向の制御を行うことにより、静電気の放電と、EMI抑止の両立が図られることになる。
【0031】
なお、前記金属体接続部31の位置が、前記本体機器1によるケーブル等の電波放射源の近傍に設定されていれば、静電気放電経路の確保による静電気の放出が効果的に行なわれる。
【0032】
また、前記抵抗体接続部32の位置が制限される場合には、共振点に最も近い位置に設定すれば、電波放射レベルを有効に下げることが可能となる。
【0033】
図4は、30×30cmの平行平板の共振特性図である。
【0034】
図4において、点線で示す曲線aは、対向面の4隅を0Ωの金属体で接続した場合の共振特性を示し、鎖線で示す曲線bは、対向面における4隅を10Ωの抵抗体で接続した場合の共振特性を示している。しかし、4隅を抵抗体のみで接続しても、規格領域周波数全域で電波放射レベルが下がっていないことが分かる。共振周波数は、ケーブル等の放射源の位置で変移する。
【0035】
一方、実線で示す曲線cは、4隅の抵抗体に加えて電流帰還用の0Ωの金属体を接続した場合の共振特性を示しており、規格領域周波数全域で電波放射レベルが下がっていることが分かる。
【0036】
図5は、前記本体機器1の筐体1と外付けオプション機器2の筐体2Aとの対向面のみでの共振特性図である。
【0037】
図5において、点線で示す曲線αは、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間にケーブル(図示せず)が存在した状態で、1箇所を金属接続した場合である。この場合、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの対向面の構造が平行平板の場合に較べて複雑化し、共振原因が複数存在する。
【0038】
これに対して、実線で示す曲線βは、本体機器1の筐体1Aと外付オプション機器2の筐体2Aとの対向面において、前記特性αにおける共振を阻害する位置に抵抗体接続部32を追加接続した共振特性図であり、曲線(点線)αに比べて共振原因がほとんど無くなっていることが分かる。
【0039】
図6は、前記本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間の抵抗体接続部31の具体例を示す概略断面図である。
【0040】
図6において、前記本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間には、抵抗体接続部32よりも離れた位置において、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとで斥力が作用するように、ゴム等からなる弾性絶縁体33、33が介在されている。
【0041】
前記抵抗体接続部32の抵抗体321は、例えば、導電性シリコン樹脂からなり、前記本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間に斥力方向(矢印方向)で挟み込まれるように配置・保持されている。
【0042】
具体的には、例えばオプション機器2の筐体2Aの外壁に、他方の本体機器1の筐体1Aの外壁の孔部11を通して内部にまで延びるL字形部材21が設けられており、そのL字形部材21の先端折曲部21aの内面と機器1の筐体1Aの内壁との間に前記抵抗体321が介在・保持されている。
【0043】
前記抵抗体321としては、導電性シリコン樹脂に限らず、例えば導電性弾性体等を使用してもよい。これらを使用すると、筐体1A、2Aに対して抵抗体321を安定した接触状態で保持させることが可能となる。
【0044】
図7は、前記本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間における抵抗体接続部31の別の具体例を示す概略断面図である。
【0045】
図7において、図6と同一もしくは相当機能箇所には同一符号を付して、それらの詳細は省略するが、この例では、前記本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間に環状の抵抗体321が介在されている。
【0046】
この抵抗体321は、本体機器1の筐体1Aの内部から外壁を貫通して外付けオプション機器2の筐体2Aにねじ込まれたねじ34により、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとに引力が作用する方向(矢印方向)に挟み込んで固定されている。
【0047】
なお、ねじ34には、前記環状の抵抗体321を貫通する絶縁性の筒状体35が外嵌されており、また、前記機器本体1の内面には、ねじ34に貫通されて締め付けられる絶縁性のワッシャ部材36が配設されている。
【0048】
ところで、前記本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの引力方向へ挟まれる状態で抵抗体321が介在された場合に、抵抗体321と本体機器1の筐体1Aの外面との間ならびに外付けオプション機器2の外面との間で十分な接続面積を確保できなければ、図8に示すように、抵抗体321と前記本体機器1の筐体1Aとの間ならびに抵抗体321と外付けオプション機器2の筐体2Aとの間にそれぞれ導電性ガスケット41、41を挟み込むように介在させるとよい。
【0049】
図9は、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間における抵抗体接続部31の別の具体例を示す概略断面図である。
【0050】
図9の例では、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aとの間に跨がって配設されたS字形の金属製ばね部材311と、本体機器1の筐体1A上に配置された抵抗体接続部32の環状の抵抗体321とを備えている。この抵抗体321は、例えば導電性シリコン樹脂から構成されている。
【0051】
S字形の金属製ばね部材311の基端部311aは、前記抵抗体321の上に重合して配置されて、本体機器1の筐体1A側にねじ込まれるねじ34により、該本体機器1の筐体1A上に固定されている。また、この金属製ばね部材311の先端部311bは、前記外付けオプション機器2の筐体2Aの段部に弾性的に接触する状態に保持されている。
【0052】
なお、ねじ34には、前記環状の抵抗体321を貫通する絶縁性の筒状体35が外嵌されており、また、前記筒状体35とねじ34の頭部との間には、絶縁性のワッシャ部材36が介在されている。
【0053】
このような構成においては、前記S字型のばね部材311及び抵抗体321を介して、本体機器1の筐体1Aと外付けオプション機器2の筐体2Aが抵抗接続されることになる。
【0054】
なお、前記抵抗体接続部32は、その位置が制限される場合には、共振点に可及的近い位置を選択して設定すれば、電波放射レベルを低くするのに有効となる。
【符号の説明】
【0055】
1 本体機器
1A 本体機器の筐体
2 外付けオプション機器
2A 外付けオプション機器の筐体
3 接続手段
31 金属体接続部
32 抵抗体接続部
41 導電性ガスケット
321 抵抗体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方に制御機能を持った2つの機器の筐体間の接続手段として、静電気放電経路を確保するために抵抗値が略0Ωの金属体を介して接続された金属体接続部と、抵抗体を介して接続された抵抗体接続部と、を備えたことを特徴とする機器の筐体間接続装置。
【請求項2】
前記金属体接続部の位置は、前記機器の電波放射源の近傍に設定されている請求項1に記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項3】
前記抵抗体接続部の位置は、筐体間平板共振を抑止可能な1箇所ないしは複数箇所に設定されている請求項1または2に記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項4】
前記抵抗体接続部の位置は、共振点に可及的に近い位置に設定される請求項3に記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項5】
前記抵抗体接続部の抵抗体は、導電性シリコン樹脂で構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項6】
前記抵抗体接続部の抵抗体は、導電性弾性体で構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項7】
前記抵抗体接続部の抵抗体は、筐体相互間での斥力方向で挟み込まれるように配置されている請求項1〜6のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項8】
前記抵抗体接続部の抵抗体は、筐体相互間での引力方向で挟み込まれるように配置されている請求項1〜6のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項9】
前記抵抗体接続部の抵抗体と筐体金属面との境界に十分な接続面積を確保しにくい場合には、該抵抗体と筐体金属面との間に導電性ガスケットが介在される請求項1〜8のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項1】
少なくとも一方に制御機能を持った2つの機器の筐体間の接続手段として、静電気放電経路を確保するために抵抗値が略0Ωの金属体を介して接続された金属体接続部と、抵抗体を介して接続された抵抗体接続部と、を備えたことを特徴とする機器の筐体間接続装置。
【請求項2】
前記金属体接続部の位置は、前記機器の電波放射源の近傍に設定されている請求項1に記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項3】
前記抵抗体接続部の位置は、筐体間平板共振を抑止可能な1箇所ないしは複数箇所に設定されている請求項1または2に記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項4】
前記抵抗体接続部の位置は、共振点に可及的に近い位置に設定される請求項3に記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項5】
前記抵抗体接続部の抵抗体は、導電性シリコン樹脂で構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項6】
前記抵抗体接続部の抵抗体は、導電性弾性体で構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項7】
前記抵抗体接続部の抵抗体は、筐体相互間での斥力方向で挟み込まれるように配置されている請求項1〜6のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項8】
前記抵抗体接続部の抵抗体は、筐体相互間での引力方向で挟み込まれるように配置されている請求項1〜6のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
【請求項9】
前記抵抗体接続部の抵抗体と筐体金属面との境界に十分な接続面積を確保しにくい場合には、該抵抗体と筐体金属面との間に導電性ガスケットが介在される請求項1〜8のいずれかに記載の機器の筐体間接続装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−110172(P2013−110172A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252111(P2011−252111)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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