説明

機器分析用データ処理装置及びデータ処理用プログラム

【課題】機器分析により収集されたデータを用いてクロマトグラムが掲載されたレポートを作成する際に、強度軸のスケールの再調整の作業を不要にする。
【解決手段】クロマトグラム作成部12は分析時に分析装置(LC)2から得られるデータに基づき、操作部3からの操作に応じて強度軸のスケールを適宜に調整したクロマトグラムを作成する。分析終了後にデータの保存が指示されると、データR/W制御部13はデータファイル内に最終的なクロマトグラムの強度軸スケール情報も格納する。レポート作成時に、レポートにクロマトグラムを載せること、及びその強度軸スケールを分析時の最終状態にすることが指定されると、レポート作成実行部15は読み出された強度軸スケール情報を用いてクロマトグラムの強度軸を再現し、分析データに基づいてクロマトグラムを再作成してレポート上に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ、クロマトグラフ質量分析計、分光光度計など、各種の分析機器で収集されたデータを処理してクロマトグラムやスペクトルなどのグラフを作成して描出する機能を有する機器分析用データ処理装置、及び、そうした機能をコンピュータ上で実現するためのデータ処理用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液体クロマトグラフを初めとする各種の分析機器では、分析により収集されたデータの処理やデータ管理などを行うためにパーソナルコンピュータ(以下、PCと略す)が利用されるのが一般的である。PCにより具現化されるデータ処理装置では、分析の遂行に伴って順次収集される分析データに基づいてほぼリアルタイムでクロマトグラムなどを作成し、モニタの画面上にこのクロマトグラムを描画する機能を有している。分析担当者はこの画面を見ながら、分析の途中経過を確認したり、分析が意図通りに行われているか否かを確認したりすることができる。以下、分析機器として液体クロマトグラフ装置(LC)を例に挙げて説明するが、ここで対象とする分析機器はこれに限るものでないことは、後述の説明より明らかである。
【0003】
含有する試料成分が既知である場合を除き、一般的に、或る未知試料のLC分析を実行する場合に、どの時間にどの程度の強度のピークがクロマトグラムに現れるのかを事前に知ることはできない。そこで、多くの場合、モニタの画面上にクロマトグラムを表示する際のその縦軸、つまり強度軸のスケールは、クロマトグラムに出現するピークの中でピーク強度が最大のものがスケールアウトしないように自動的に設定されるようになっている(なお、このような表示態様を「全クロマトグラム表示」ということとする)。それによって、クロマトグラム全体が漏れなく表示される。
【0004】
但し、強度が最大であるピークが、分析担当者が着目しているピークであるとは限らない。強度最大のピークに比べて強度が遙かに小さなピークを観察したい場合、上記の全クロマトグラム表示では、観察対象のピークの波形形状を確認しにくい。そこで、従来のデータ処理装置は、分析時にクロマトグラムを描出する過程で、分析担当者が適宜に強度軸のスケールを拡大又は縮小する機能を有している。これによって、分析担当者が着目している、或いは分析上重要であるピークが強度軸上でほぼフルスケールになるようにスケールを調整することができる。その結果、観察対象のピークの形状やそのピークの保持時間付近の状態の把握が容易であるような、見易い、有用なクロマトグラムを表示させることができる。
【0005】
近年、こうしたデータ処理装置には、上述のように分析により得られた分析データやそれに基づく解析結果(定量結果、定性結果など)などを報告書の形式にまとめるレポート作成機能も備えるものがある(特許文献1、非特許文献1など参照)。LC分析では、クロマトグラムが1つの重要な分析結果であるから、レポート上にはクロマトグラムが配置されるのが一般的である。レポート上にクロマトグラムを配置するには、分析時に保存された分析データを読み出してクロマトグラムを再作成する必要がある。従来のデータ処理装置では、レポート作成等を目的としてクロマトグラムを再作成する際に、分析時に調整された強度軸スケールは再現されず、典型的には全クロマトグラム表示になる。そのため、分析時の最終状態と同じように強度軸スケールが適度に調整されたクロマトグラムをレポートに載せたい場合には、分析担当者がクロマトグラムの強度軸スケールを数値入力等により設定し直す必要がある。こうした作業は面倒で、作業効率が悪いという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2003−173340号公報
【非特許文献1】「LabSolutions シリーズワークステーション LCsolution 」、[online]、株式会社島津製作所、[平成20年6月3日検索]、インターネット<URL : http://www.an.shimadzu.co.jp/products/data-net/lcso2.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、LC分析など各種機器分析により収集された分析データに基づいて作成されるクロマトグラムやスペクトルをレポートにして印刷したり再解析したりする際の作業を簡略化することができる機器分析データ処理装置及びデータ処理用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された第1発明は、機器分析により収集された分析データに基づいて、少なくとも1つの軸が強度軸であるグラフを作成して描出する機器分析用データ処理装置であって、
a)ユーザの操作に応じて強度軸のスケールを変化させたグラフを作成して描出するグラフ作成手段と、
b)前記グラフ作成手段によるグラフ作成に用いられた分析データを保存するに際し、該分析データと共に又は該分析データと対応付けて最終的に描画されたグラフの強度軸スケールを示す情報を保存するデータ保存手段と、
c)ユーザの操作に応じて前記データ保存手段に保存された前記分析データを読み出す際に、前記強度軸スケールを示す情報も読み出し、該情報で決まるスケールに強度軸が設定されたグラフを再現して出力する出力グラフ再現手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
上記課題を解決するために成された第2発明は、第1発明を具現化するための、コンピュータ上で動作するデータ処理用プログラムであって、
a)ユーザの操作に応じて強度軸のスケールを変化させたグラフを作成して描出するグラフ作成処理と、
b)前記グラフ作成機能部によるグラフ作成に用いられた分析データを保存するに際し、該分析データと共に又は該分析データと対応付けて最終的に描画されたグラフの強度軸スケールを示す情報を記憶装置に保存するデータ保存処理と、
c)ユーザの操作に応じて前記記憶装置に保存された前記分析データを読み出す際に、前記強度軸スケールを示す情報も読み出し、該情報で決まるスケールに強度軸が設定されたグラフを再現して出力する出力グラフ再現処理と、
を実行することを特徴としている。
【0010】
第1発明及び第2発明において、少なくとも1つの軸が強度軸であるグラフとは、液体クロマトグラフやガスクロマトグラフによるクロマトグラムや、質量分析計によるマススペクトル、分光光度計による吸収スペクトル、反射スペクトルなどを例として挙げることができる。また、強度軸のほかに時間軸や波長軸などの1軸のみを持つ2次元的なグラフではなく、強度軸のほかに時間軸と波長軸、或いは時間軸とm/z値軸などの2軸を持つ3次元的なグラフでもよい。
【0011】
また、出力グラフ再現手段によりグラフを再現する目的としては、分析レポートの作成、分析により収集されたデータの再解析処理(例えば波形処理条件を変更しての定量分析のやり直しなど)、などが考えられる。
【0012】
第2発明に係るデータ処理用プログラムにより具現化される第1発明に係る機器分析用データ処理装置では、分析が終了して例えばクロマトグラム等のグラフが確定した後にユーザが分析データの保存を指示すると、データ保存手段は、上記グラフを構成する分析データを例えば1つのファイルにまとめて保存する。その際に同じファイルの中に或いはそのファイルに対応付けられた別のファイルに、グラフの最終的な強度軸スケールを示す情報も格納する。例えばグラフを載せたレポートの作成が指示されると、出力グラフ再現手段は、分析データを読み出すとともに強度軸スケールを示す情報も読み出し、その情報に基づいて強度軸のスケールを設定したグラフを再作成して表示画面上に出力したりプリンタに出力したりする。これにより、分析時に強度軸のスケールが適宜調整された場合でも、その調整が反映されたグラフが表示又は印刷される。
【0013】
なお、第1発明に係る機器分析用データ処理装置では、好ましくは、前記出力グラフ再現手段は、再現するグラフの強度軸スケールの選択肢を提示する選択肢提示手段を含み、その選択肢の1つを、分析データが保存される際のグラフの最終状態の強度軸スケールを再現する選択肢とする構成とするとよい。
【0014】
この構成によれば、自動的に(つまりはユーザによる選択の余地無く)強度軸スケールが分析データ保存時の最終状態に設定されてしまうのではなく、必要である場合にのみ、ユーザの選択により、強度軸スケールを分析データ保存時の最終状態に設定することができる。
【発明の効果】
【0015】
第1発明及び第2発明によれば、分析レポートの作成時や分析データの再解析時などにクロマトグラム等のグラフを再作成するに際し、分析実行時にユーザにより適宜に拡大又は縮小などの調整がなされた強度軸スケールを反映したグラフを、簡便に再現することができる。したがって、ユーザ(分析担当者)の作業が軽減され、分析に関わる作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係るデータ処理装置を適用した分析システムの一実施例として、液体クロマトグラフ(LC)を例に挙げて説明する。図1は本実施例のLC分析システムの概略図、図2は本実施例のLC分析システムの要部のブロック構成図である。
【0017】
このLC分析システムは、制御・処理用PC1と分析装置2とを含む。分析装置2は、移動相が貯留された移動相容器20と、移動相を送給する送液ポンプ21と、予め用意された複数の液体試料の中から指定された試料を選択し、送給される移動相中に該試料を注入するインジェクタ22と、試料に含まれる各種成分を分離するカラム23と、カラム23からの溶出液中の各種成分を検出する検出器24と、を備える。制御・処理用PC1はCPU、RAM、ROM、HDDなどを含むPC本体10と、PC1の標準的な装備であるキーボードやマウスなどの操作部3と、液晶モニタ等の表示部4と、プリンタ等の印刷部5と、を備える。PC本体10には、例えばWindowsXP(マイクロソフト社の登録商標)などのOSが搭載され、そのOS上で専用の制御・処理ソフトウエアが動作する。本発明に係るデータ処理用プログラムは、この制御・処理ソフトウエアの一部に相当する。
【0018】
PC本体10に含まれる各種ハードウエアを利用して、制御・処理ソフトウエアにより具現化される機能としては、図2に示すように、データ処理部11、データ記憶部16、入出力インターフェイス17などがあり、さらにデータ処理部11は、クロマトグラム作成部12、データR/W制御部13、レポート様式設定部14、レポート作成実行部15などの機能ブロックを含む。データ記憶部16は分析により収集された分析データを保存するためのものであり、PC本体10に内蔵されたHDDを利用することができるが、PC本体10とは別の外部のHDDや、LANなどの通信線を介してPC本体10に接続されたサーバに構築されたデータベースを利用してもよい。即ち、図1はスタンドアロン型のLC分析システムを示しているが、サーバ/クライアント型のシステムとしてもよい。
【0019】
次に、本実施例のLC分析システムにおける分析実行時の動作を説明する。
分析担当者が操作部3で移動相流量などの分析条件を設定した上で分析の開始を指示すると、送液ポンプ21は移動相容器20から移動相を吸引し、設定された流量でもってインジェクタ22を通してカラム23に送給する。インジェクタ22が所定のタイミングで試料液を移動相中に注入すると、試料液は移動相に乗ってカラム23に送り込まれ、カラム23を通過する際に分離され、時間的にずれてカラム23から溶出する。カラム23からの溶出液は検出器24に導入され、検出器24は溶出液中に含まれる試料成分の濃度に応じた検出信号を出力する。この検出信号は図示しないA/D変換器によりデジタル値に変換されて、PC本体10のデータ処理部11に入力される。
【0020】
データ処理部11においてクロマトグラム作成部12は、試料注入時点を起点として時間経過に伴って得られる検出データに基づいてクロマトグラムを作成する。分析遂行中に新しい検出データが得られる毎にクロマトグラムのカーブは逐次更新される。入出力インターフェイス17を経て表示部4の画面上には、例えば図3(a)に示すようなクロマトグラムが描出される。カラム23で分離された試料成分が溶出液中に含まれると、クロマトグラム上でピークが現れる。成分濃度が高いほどピークは高くなるから、通常、クロマトグラム作成部12は、最大強度のピーク全体が表示されるように強度軸のスケールを自動的に調整しながらクロマトグラムを作成し描画する。
【0021】
しかしながら、信号強度が最大となる成分が必ずしも分析担当者が着目する成分であるとは限らない。例えば試料中に微量に含まれる成分に分析担当者が着目している場合、図3(a)に示したような全クロマトグラム表示によるクロマトグラムでは、着目している成分に対応するピークは小さく表示されるだけであり、分析担当者がそのピークの波形形状などを的確に把握するのは困難である。そこで、分析担当者は、操作部3にて、例えば強度軸のスケール拡大の指示を数値入力で行ったり、マウス操作で拡大・縮小の倍率を選択指示したりする。このような操作に応じて、クロマトグラム作成部12は表示するクロマトグラムの強度軸のスケールを変更する。例えば、図3(a)は全てのピークが表示されるように強度軸スケールを設定した例であるが、図3(b)は最大強度のピークP1に次いで2番目に大きなピークP2がほぼフルスケールで表示されるように強度軸スケールを調整した例であり、図3(c)はさらに小さなピークP3がほぼフルスケールで表示されるように強度軸スケールを調整した例である。なお、このようなスケールの拡大又は縮小の操作は従来から行われていることである。
【0022】
いま分析担当者がピークP3に着目しているとすると、図3(c)に示すようにピークP3がほぼフルスケールとなるように強度軸スケールを調整すれば、ピークP3の波形形状を子細に観察することができる。この場合、より大きなピークP1、P2などはスケールアウトしてしまうが、これらが重要ではない場合には何ら問題ない。このように、クロマトグラムの強度軸スケールの調整は分析担当者が自在に行うことができる。分析が終了してデータ収集が終わると、クロマトグラムのカーブは更新されなくなり、クロマトグラムは確定する。分析中に収集された分析データは一時的に保存されるが、1つの分析が終了すると、データR/W制御部13は収集された分析データを1つのデータファイルとしてデータ記憶部16に保存する。このときのデータファイルのファイル名などは、予め分析担当者が設定しておくことができる。
【0023】
データR/W制御部13はデータファイルを作成して保存する際に、同じデータファイル内に分析時に描出した最終的なクロマトグラムの強度軸のスケール情報を保存する。このスケール情報は、例えば表示される強度範囲などの直接的に強度軸のスケールを示す数値情報のほか、倍率(拡大率、縮小率)や、予め割り当てられた識別子などとしてもよい。いずれにしても、その情報に基づいて、同じ強度軸のスケールが再現可能であればよい。
【0024】
次に、分析担当者が上記のようにデータ記憶部16に保存されている分析データを用いた分析レポートを作成する場合の動作について説明する。分析担当者が操作部3で所定の操作を行うと、レポート様式設定部14が入出力インターフェイス17を通してレポート様式を設定するための画面を表示部4に表示する。このレポート様式設定画面では、例えばマウスによるドラッグアンドドロップ操作などにより、レポート上に載せる要素、例えばクロマトグラム、検量線グラフ、定量分析結果、分析条件一覧、などを自由に配置して設定することができる。分析担当者がクロマトグラムをレポート上に載せるように設定すると、それに付随して図4に示すような強度軸スケールの選択などを含むクロマトグラム表示の詳細設定が可能となる。この詳細設定画面では、クロマトグラム表示の際の強度軸スケールの設定に関し、「全クロマトグラム表示」、「2番目に大きなピークを表示」、「分析時の最終状態を表示」という3つの選択肢が用意されており、その3つのうちの1つがチェックボックスにより選択可能となっている。
【0025】
ここでは、図4に示すように、分析担当者が「分析時の最終状態を表示」のチェックボックスにチェックを入れて、レポート作成の実行を指示したものとする。すると、レポート作成実行部15の指示によりデータR/W制御部13がデータ記憶部16から分析データを読み出す。このとき、同じファイルに格納されている強度軸スケール情報も読み出す。この強度軸スケール情報により強度軸のスケールが確定するから、レポート作成実行部15は、分析データを用いて例えば図3(c)に示したようなクロマトグラムを再現し、これをレポート様式設定画面で設定されたクロマトグラム配置枠内に描画する。
【0026】
最も大きな強度のピークも全て入るような表示を行いたい場合には、クロマトグラム表示詳細設定画面で「全クロマトグラム表示」のチェックボックスにチェックを入れてレポート作成の実行を指示する。これにより、読み出された強度軸スケール情報とは無関係に、図3(a)に示したようなクロマトグラムがレポート様式設定画面で設定されたクロマトグラム配置枠内に描画される。また、2番目に強度が大きなピークがほぼフルスケールになるような表示を行いたい場合には、「2番目に大きなピークを表示」、のチェックボックスにチェックを入れてレポート作成の実行を指示する。これにより、強度軸スケール情報とは無関係に、図3(b)に示したようなクロマトグラムがレポート様式設定画面で設定されたクロマトグラム配置枠内に描画される。
【0027】
好ましくは、クロマトグラム表示設定画面が表示される時点で、3つの選択肢の中で「分析時の最終状態を表示」のチェックボックスにチェックマークが設定されているようにデフォルトの設定を定めるとよい。
【0028】
以上のようにして作成されたレポートを印刷部5から出力することにより、分析時に分析担当者が適宜調整したスケールが反映された強度軸を持つクロマトグラムが掲載されたレポートを、紙として得ることができる。
【0029】
上記実施例では、分析レポートを作成するためにクロマトグラムを描出する際に強度軸のスケールを分析時の最終状態と同一にできるようにしていたが、分析で収集したデータを再解析処理するためにクロマトグラムを描出する際にも同様にして、強度軸のスケールを分析時の最終状態と同一にできるようにすることができる。
【0030】
また、上記実施例は本発明に係るデータ処理装置及びデータ処理用プログラムをクロマトグラムの再作成に利用したものであるが、例えば質量分析計や分光光度計などにより作成されるスペクトル(マススペクトル、吸収スペクトル、反射スペクトルなど)などの再作成にも適用することができる。また、強度軸と時間軸、強度軸と波長軸などの2次元的なグラフだけでなく、強度軸、時間軸、及び波長軸の3軸、或いは、強度軸、時間軸、m/z値軸の3軸を持つ3次元的なグラフにも本発明を適用することができる。
【0031】
さらに、上記実施例や各種の変形例のほかにも、本発明の趣旨の範囲で適宜変形や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施例によるLC分析システムの概略図。
【図2】本実施例のLC分析システムの要部のブロック構成図。
【図3】強度軸のスケールを変更したクロマトグラムの各種態様を示す図。
【図4】クロマトグラム表示詳細設定画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0033】
1…制御・処理用PC
10…PC本体
11…データ処理部
12…クロマトグラム作成部
13…データR/W制御部
14…レポート様式設定部
15…レポート作成実行部
16…データ記憶部
17…入出力インターフェイス
2…分析装置
20…移動相容器
21…送液ポンプ
22…インジェクタ
23…カラム
24…検出器
3…操作部
4…表示部
5…印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器分析により収集された分析データに基づいて、少なくとも1つの軸が強度軸であるグラフを作成して描出する機器分析用データ処理装置であって、
a)ユーザの操作に応じて強度軸のスケールを変化させたグラフを作成して描出するグラフ作成手段と、
b)前記グラフ作成手段によるグラフ作成に用いられた分析データを保存するに際し、該分析データと共に又は該分析データと対応付けて最終的に描画されたグラフの強度軸スケールを示す情報を保存するデータ保存手段と、
c)ユーザの操作に応じて前記データ保存手段に保存された前記分析データを読み出す際に、前記強度軸スケールを示す情報も読み出し、該情報で決まるスケールに強度軸が設定されたグラフを再現して出力する出力グラフ再現手段と、
を備えることを特徴とする機器分析用データ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の機器分析用データ処理装置であって、
前記出力グラフ再現手段は、再現するグラフの強度軸スケールの選択肢を提示する選択肢提示手段を含み、その選択肢の1つを、分析データが保存される際のグラフの最終状態の強度軸スケールを再現する選択肢とすることを特徴とする機器分析用データ処理装置。
【請求項3】
機器分析により収集された分析データに基づいて、少なくとも1つの軸が強度軸であるグラフを作成して描出するための、コンピュータ上で動作するデータ処理用プログラムであって、
a)ユーザの操作に応じて強度軸のスケールを変化させたグラフを作成して描出するグラフ作成処理と、
b)前記グラフ作成機能部によるグラフ作成に用いられた分析データを保存するに際し、該分析データと共に又は該分析データと対応付けて最終的に描画されたグラフの強度軸スケールを示す情報を記憶装置に保存するデータ保存処理と、
c)ユーザの操作に応じて前記記憶装置に保存された前記分析データを読み出す際に、前記強度軸スケールを示す情報も読み出し、該情報で決まるスケールに強度軸が設定されたグラフを再現して出力する出力グラフ再現処理と、
を実行することを特徴とするデータ処理用プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ処理用プログラムであって、
前記出力グラフ再現処理は、再現するグラフの強度軸スケールの選択肢を提示する選択肢提示処理を実行する機能を含み、その選択肢の1つを、分析データが保存される際のグラフの最終状態の強度軸スケールを再現する選択肢とすることを特徴とするデータ処理用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−294124(P2009−294124A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148980(P2008−148980)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】