説明

機器制御システム、制御機器および機器制御方法

【課題】 育児関連の電気機器のように、タイマによる一律な電源制御が難しい電気機器についても、適切なタイミングでの電源の自動的なオン/オフを可能とし、電気機器の使い勝手を向上させること。
【解決手段】 制御機器30内の記憶部36に、人の所定行動の履歴情報38を蓄積しておき、その履歴情報38からその行動の規則性を検出し、CPU40が、次の人の所定行動時刻を予測する。被制御機器10,20の電源をオンしてから所望の状態になるまでには、所定時間(ウォームアップ時間)が必要である点を考慮し、予測された次の行動時刻より所定時間だけ前の時点で、制御機器30から電源オン制御信号を送信して、被制御機器10,20の電源をオンさせる。次の行動時刻には、必要な電気機器10,20は最適の状態となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば家庭内で用いる育児関連機器等の電源制御など、各種電気機器等を制御する機器制御システム、制御機器および機器制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイマを用いて、例えば、電気炊飯器の電源を所定時刻に自動的にオンさせることは、従来から行われている。また、近年、育児に役立つ電器製品が種々、市販されている。
【0003】
例えば、乳児に与える粉ミルクは、高温で壊れる栄養素を含んでいるために、粉ミルクを溶かすお湯の温度は45℃〜60℃が適温とされている。よって、調乳専用のポット(調乳ポット)を使用するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、乳児のおむつ交換時に用いる、「おしりふき」としてのウェットティッシュは、冬場冷たくなり、おむつ交換時に乳児が不快感を訴えることが多いため、「おしりふき」専用のウェットティシュ加温器が市販されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
上記のように、タイマを用いて電気製品の電源をオン/オフさせる手法を利用できるのは、電源のオン/オフの時刻が、予め正確に定まる場合のみである。例えば、育児関連の電気製品の場合、乳児の授乳時期、排便時期等は、個人差があり、また、乳児の生後月齢に応じてそれらの時期が変化するため、電気製品の電源のオン/オフを、タイマを用いて一律に制御することはできない。
【0006】
調乳ポットやウェットティッシュ加温器は、授乳時やおむつ交換時に電源を入れても適温になるまでに時間がかかる。ここで、面倒な電源のオン/オフを行わず、常時、電源を入れたままにしておくと、無駄に電力消費し、不経済である。また、火災や火傷の心配も生じる。また、調乳ポットやウェットティッシュ加温器の電源を手動でオン/オフする場合は、親等の保育者が、常に時刻に気を配る必要があり、保育者の負担が増大する。
【0007】
【特許文献1】特開平9−180859号公報
【特許文献2】特開平11−197048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、育児関連の電気機器のように、タイマによる一律な電源制御が難しい電気機器についても、適切なタイミングでの電源の自動的なオン/オフを可能とし、電気機器の使い勝手を向上させることができる機器制御システム、制御機器および機器制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の機器制御システムは、人の所定行動の履歴情報を蓄積する記憶部と、前記人の所定行動の履歴情報に基づいて、前記人の次の所定行動の時刻を予測する行動時刻予測部と、その予測された時刻から所定時間だけ前に、少なくとも一つの被制御機器に対して電源オン制御信号を送信する送信部と、を備える制御機器と、前記電源オン制御信号を受信し、これによって電源がオン状態となり所定動作を開始する、少なくとも一つの前記被制御機器と、を有するものである。
【0010】
本発明は、人の行動には規則性が内在するものがあり、この場合、過去の行動状況からその規則性を導き出すことができれば、次の行動の時刻を予測することも可能である点に着目している。上記構成では、制御機器内の記憶部に、人の所定行動の履歴情報を蓄積しておき、その履歴情報から人の所定行動の規則性を見いだし、人の次の所定行動の時刻を予測する。ここで、電気機器の電源をオンしてから所望の状態になるまでには、所定時間(いわゆるウォームアップ時間:本明細書では、この用語は、所望の状態が実現されるまでの準備期間、移行時間、待機時間といった概念を含む広い意味で使用する)が必要である点を考慮し、予測された次の所定行動時刻より所定時間だけ前の時点で、制御機器から電源オン制御信号を送信して被制御機器の電源をオンさせる。これにより、次の行動時刻には、必要な電気機器の電源がオンして所望の状態が実現されている。したがって、ユーザは、何らの負担なく、その電気機器をすぐに快適に使用することができる。
【0011】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記人の所定行動の履歴情報は、前記制御機器のユーザによって、その制御機器に入力されるものとする。
【0012】
上記構成は、制御機器のユーザが、履歴情報を入力する点を明らかとしたものである。制御機器のユーザが、注目する人の行動を一番よく知る得る立場にあると考えられ、したがって、正確な日々の行動情報を入手することが可能となる。例えば、育児関連機器の電源オンを自動的に制御する場合には、その育児を行う母親等の保育者が、育児日記の記帳と共に、あるいは、その育児日記に代えて、授乳時刻や排便時刻等の乳児の履歴情報を制御機器(携帯電話端末やコンピュータ端末等)に入力する。
【0013】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記被制御機器、または前記被制御機器とは別の、前記人の所定行動に関連する電気機器の使用履歴情報を、前記被制御機器または前記電気機器が前記制御機器に送信し、送信された前記被制御機器または前記電気機器の使用履歴情報は、前記人の所定行動の履歴情報として前記制御機器の記憶部に蓄積されるものとする。
【0014】
上記構成は、制御機器のユーザが、人の行動を監視して行動履歴情報を入力する代わりに、被制御機器、または前記被制御機器とは別の、前記人の所定行動に関連する電気機器が、自機が使用されたことをセンサにて検出し、その使用履歴情報を制御機器に送信するものである。被制御機器、または別の電気機器が実際に使用されたということは、すなわち、その被制御機器、または別の電気機器の使用が必要となるような人の行動があった、ということであるから、被制御機器、または別の電気機器の使用履歴情報は、人の所定行動の履歴情報としての価値をもつ。これにより、制御機器のユーザが人の所定行動履歴情報を入力し忘れた場合でも、正確な人の所定行動履歴情報を、通信ネットワークを介して自動的に収集することができる。よって、人の次の行動時刻の予測の精度の向上が期待できる。
【0015】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記被制御機器、または前記被制御機器とは別の、前記人の所定行動に関連する電気機器の使用履歴情報を、前記被制御機器または前記電気機器が通信端末に送信し、送信された前記被制御機器または前記電気機器の使用履歴情報は、前記通信端末を経由して前記制御機器に送信され、前記人の所定行動の履歴情報として前記制御機器の記憶部に蓄積されるものとする。
【0016】
上記構成では、被制御機器または別の、前記人の所定行動に関連する電気機器が、自機の使用履歴情報を通信端末に送信し、次に、通信端末がその使用履歴情報を制御機器に送信する。通信ネットワークを活用することによって、多様かつ柔軟な機器制御システムを構築することが可能である。例えば、携帯電話端末にて被制御機器、または別の電気機器の使用履歴情報を自動的に収集し、被制御機器の電源オン制御は、インターネット上のサーバ装置にて行う、といった自由なシステム構築が可能となる。
【0017】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記制御機器の前記行動時刻予測部は、前記所定行動についての履歴情報に基づいて前記所定行動の時間間隔を求め、直近の過去の所定行動時刻に、求められた前記時間間隔を加算することによって次の所定行動の時刻を予測し、前記制御機器の前記送信部は、予測された次の所定行動の時刻から前記被制御機器のウォームアップ時間だけ前の時点において、前記電源オン制御信号を送信するものとする。
【0018】
上記構成では、所定行動が、例えば、「乳児が乳を飲む行為」である場合、過去の「乳児が乳を飲む行為」に着目して、その行為(乳児が乳を飲む行為)の時間間隔を求め、その間隔を、過去の直近の授乳時刻に加算して、「乳児が次に乳を飲む時刻」を予測し、その予測時刻から被制御機器(例えば調乳ポット)のウォームアップ時間だけ前の時点において、その被制御機器の電源をオンして温度制御を開始させることができる。「所定行動の時間間隔」を求める手法としては、例えば、過去の履歴情報から平均時間間隔を求める手法を採用することができる。
【0019】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記制御機器の前記行動時刻予測部は、密接な関係にある2つ以上の行動についての履歴情報に基づいて、一つの行動と、その他の行動との時間間隔を求め、前記一つの行動が前回なされた時刻、および前記他の行動との時間間隔に基づいて、前記一つの行動が次になされる時刻を予測し、前記送信部は、予測された前記他方の行動の時刻から前記被制御機器のウォームアップに必要な時間だけ前の時点において、前記電源オン制御信号を送信するものとする。
【0020】
上記構成では、例えば、「乳児が乳を飲む」という行為と、「乳児が排便する」という行為の間に密接な関連がある場合、乳児が乳を飲んでから、乳児が排便するまでの時間間隔を過去の履歴情報に基づいて求め、前回の乳児が乳を飲んだ時刻と求められた時間間隔から、「乳児が次に排便する時刻」を予測し、その予測時刻から被制御機器(例えばウェットティッシュ加温器)のウォームアップ時間だけ前の時点において、その被制御機器の電源をオンして温度制御を開始させることができる。「2つ以上の行為の時間間隔」を求める手法としては、例えば、過去の履歴情報から平均時間間隔を求める手法を採用することができる。
【0021】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記制御機器は、無線通信ネットワークあるいは有線通信ネットワークに接続された、通信機能をもつ携帯端末あるいはサーバ装置であり、前記被制御機器は、無線通信ネットワークあるいは有線通信ネットワークに接続された、通信機能をもつ電気機器であるものとする。
【0022】
上記構成では、制御機器としての携帯端末またはサーバ装置と、被制御機器としての電気機器とを、無線あるいは有線の通信ネットワークを介して接続して、本発明の機器制御システムを構築できる。
【0023】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記制御機器は、無線通信ネットワークあるいは有線通信ネットワークに接続された、通信機能をもつ携帯端末あるいはサーバ装置であり、前記被制御機器は、前記無線通信ネットワークあるいは有線通信ネットワークに接続され、通信機能をもち、かつ、複数の電気機器の電源を一括して制御するための電源制御スイッチをもつ電源制御機器であるものとする。
【0024】
上記構成では、制御機器としての携帯端末またはサーバ装置と、被制御機器としての、複数の電気機器の電源を一括して制御するための電源制御スイッチをもつ電源制御機器(テーブルタップ等)と、を無線あるいは有線の通信ネットワークを介して接続して、本発明の機器制御システムを構築できる。この場合、同時期に使用される多数の電気機器の電源のオン/オフを包括的に制御することができ、また、電気機器各々に通信機能を持たせずに制御システムを構築できるという利点がある。
【0025】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記被制御機器は、タイマを内蔵し、前記制御機器からの前記電源オン制御信号によって電源がオンされた後、前記タイマによって所定期間の経過が検出されると、電源を自動的にオフするものとする。
【0026】
上記構成は、被制御機器がタイマを内蔵し、所定時間経過後に電源をオフするようにしたものである。これにより、自動的に電源が投入された後、ユーザが電源を切り忘れた場合でも、確実に電源がオフされることになり、火事や火傷の心配がなくなり、また、節電効果も得られる。
【0027】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記制御機器は、前記被制御機器の電源をオンさせた後の所定期間に渡り、その被制御機器から前記使用履歴情報が送信されない場合には、電源オフ制御信号を前記被制御機器に送信し、電源をオフさせるものとする。
【0028】
上記構成では、被制御機器側から使用履歴情報を制御機器に送信させるシステムでは、被制御機器の電源を自動的にオンさせた後、被制御機器側から使用履歴情報が所定期間に渡って送られて来ない場合、被制御機器のユーザが家に居ない状況であると判定することができる。したがって、この場合に、制御機器が、全ての被制御機器の電源をオフするようにしたものである。これにより、被制御機器の電源オン状態が無駄に継続されることを防止することができる。
【0029】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記人の所定行動の履歴情報は、乳児が乳を飲む時刻の情報を含み、前記被制御機器は、授乳時に使用される調乳ポットであり、前記制御機器の行動時刻予測部は、前記履歴情報に基づいて、乳児が乳を飲む時間間隔を求め、これにより、乳児が次に乳を飲む時刻を予測し、前記制御機器の送信部は、乳児が次に乳を飲むと予測された時刻から、前記調乳ポットのウォームアップ時間だけ前の時点において、前記調乳ポットに前記電源オン制御信号を送信するものとする。
【0030】
上記構成は、育児関連機器である授乳ポットの電源を自動的にオンさせるものである。新生児等、昼夜を問わず、ほぼ所定の間隔で授乳する場合に、ミルクが必要なときには、授乳ポット内のミルクが適温になっており、すぐに授乳をすることができる。したがって、育児をする親等の保育者の負担が軽減される。
【0031】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記人の所定行動の履歴情報は、乳児が乳を飲む時刻と乳児が離乳食を摂取する時刻の情報を含み、前記被制御機器は、授乳時に使用される調乳ポットであり、前記制御機器の行動時刻予測部は、前記履歴情報に基づいて、離乳食を摂取してから乳児が乳を飲むまでの時間間隔を求め、これにより、乳児が次に乳を飲む時刻を予測し、前記制御機器の送信部は、乳児が次に乳を飲むと予測された時刻から、前記調乳ポットのウォームアップ時間だけ前の時点において、前記調乳ポットに前記電源オン制御信号を送信するものとする。
【0032】
上記構成では、新生児の期間を過ぎて離乳食を摂取する時期になり、乳児への授乳間隔が長くなるような場合でも、履歴情報に基づいて、離乳食を摂取してから乳児が乳を飲むまでの時間間隔を求め、乳児が次に乳を飲む時刻を予測することができる。これにより、調乳ポットの電源を適切なタイミングでオンさせることができる。
【0033】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記人の所定行動の履歴情報は、乳児が排便する時刻の情報を含み、前記被制御機器は、おむつ交換時に使用されるウェットティッシュ加温器であり、前記制御機器の行動時刻予測部は、前記履歴情報に基づいて、乳児の排便間隔を求め、これにより、乳児が次に排便する時刻を予測し、前記制御機器の送信部は、乳児が次に排便すると予測された時刻から、前記ウェットティッシュ加温器のウォームアップ時間だけ前の時点において、前記ウェットティッシュ加温器に前記電源オン制御信号を送信するものとする。
【0034】
上記構成は、育児関連機器であるウェットティッシュ加温器の電源を自動的にオンさせるものである。新生児等、昼夜を問わず、ほぼ所定の時間間隔で排便する場合に、おむつ交換時に、お尻ふきとしてのウェットティッシュが必要なときには、適温のウェットティッシュがタイムリーに準備されており、すぐにお尻ふきをすることができる。したがって、育児をする親等の保育者の負担が軽減される。
【0035】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記人の所定行動の履歴情報は、乳児が離乳食を摂取する時刻の情報と乳児が排便する時刻の情報を含み、前記被制御機器は、おむつ交換時に使用されるウェットティッシュ加温器であり、前記制御機器の行動時刻予測部は、前記履歴情報に基づいて、乳児が離乳食を摂取してから排便するまでの時間間隔を求め、これにより、乳児が次に排便する時刻を予測し、前記制御機器の送信部は、乳児が次に排便すると予測された時刻から、前記ウェットティッシュ加温器のウォームアップ時間だけ前の時点において、前記ウェットティッシュ加温器に前記電源オン制御信号を送信するものとする。
【0036】
上記構成では、新生児の期間を過ぎて離乳食を食べる時期になり、乳児の排便間隔に変化が生じるような場合でも、履歴情報に基づいて、離乳食を摂取してから乳児が排便するまでの時間間隔を求め、乳児が次に排便する時刻を予測することができる。これにより、ウェットティッシュ加温器の電源を適切なタイミングでオンさせることができる。
【0037】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記人の所定行動の履歴情報は、乳児が乳を飲む時刻の情報と乳児が排便する時刻の情報を含み、前記被制御機器は、おむつ交換時に使用されるウェットティッシュ加温器であり、前記制御機器の行動時刻予測部は、前記履歴情報に基づいて、乳児が乳を飲んでから排便するまでの時間間隔を求め、これにより、乳児が次に排便する時刻を予測し、前記制御機器の送信部は、乳児が次に排便すると予測された時刻から、前記ウェットティッシュ加温器のウォームアップ時間だけ前の時点において、前記ウェットティッシュ加温器に前記電源オン制御信号を送信するものとする。
【0038】
上記構成は、「乳児が乳を飲む時刻」と「乳児が排便する時刻」が密接に関連する場合に、履歴情報から、「乳児が乳を飲んでから排便するまでの時間間隔」を求め、これにより、乳児が次に排便する時刻を予測するものである。これにより、ウェットティッシュ加温器の電源を適切なタイミングでオンさせることができる。
【0039】
また、本発明は、上記の機器制御システムであって、前記制御機器の送信部は、前記調乳ポットまたはウェットティッシュ加温器に電源オン制御信号を送ると共に、空調設備にも電源オン制御信号を送信するものとする。
【0040】
夜間等には、空調設備(エアコン)を停止させている場合があるが、授乳時期や、おむつ交換の時期には、空調設備(エアコン)を事前に動作させておくのが望ましい。上記構成では、調乳ポットやウェットティッシュ加温器の電源オンと併行して、空調設備(エアコン)の電源を事前にオンさせることができる。これにより、授乳時やおむつ交換時には、室内は適温に保たれており、快適な授乳やおむつ交換ができる。
【0041】
本発明の制御機器は、上記いずれか記載の機器制御システムにおいて使用される、人の所定行動の履歴情報を蓄積する記憶部と、前記人の所定行動の履歴情報に基づいて、前記人の次の所定行動の時刻を予測する行動時刻予測部と、その予測された時刻から所定時間だけ前に、少なくとも一つの被制御機器に対して電源オン制御信号を送信する送信部と、を備えるものである。
【0042】
上記構成では、履歴情報を蓄積し、履歴情報に基づいて行動時刻を予測し、被制御機器の電源を、事前に自動的にオンさせる機能を有する。この制御機器を用いることにより、人の行為に内在する規則性に基づき、適切なタイミングで、電気機器の電源を自動的にオンさせることができる。
【0043】
また、本発明は、上記の制御機器であって、前記制御機器は、携帯電話端末であるものとする。
【0044】
上記構成では、携帯電話端末を多機能化して、適切なタイミングで、電気機器の電源を自動的にオンさせる機能を有する。これにより、機器制御システムを、安価に手軽に構築することができる。
【0045】
本発明の機器制御方法は、規則性が内在する人の所定行動の履歴情報を、無線あるいは有線の通信ネットワークに接続されている通信端末に蓄積する第1のステップと、前記通信端末に蓄積されている前記履歴情報に基づき、前記人の次の所定行動時刻を予測する第2のステップと、予測された時刻から所定時間前の時点で、前記通信端末あるいは他の機器から、前記無線あるいは有線の通信ネットワークに接続されている少なくとも1つの電気機器に対して電源オン制御信号を送信し、その電気機器の電源をオンさせて所定の動作を開始させる第3のステップと、を含むものである。
【0046】
上記手順により、履歴情報を蓄積し、履歴情報に基づいて人の所定行動時刻を予測し、被制御機器の電源を、事前に自動的にオンさせることができる。したがって、育児関連の電気機器のように、タイマによる一律な電源制御が難しい電気機器についても、適切なタイミングで電源を自動的に制御することが可能となり、電気機器の使い勝手を格段に向上させることができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、育児関連の電気機器のように、タイマによる一律な電源制御が難しい電気機器についても、適切なタイミングでの電源の自動的なオン/オフを可能とし、電気機器の使い勝手を向上させることができる機器制御システム、制御機器および機器制御方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
(第1の実施形態)
本発明の機器制御システムでは、人の行動の規則性に着目し、履歴情報から所定行動の規則性を見出し、あるいは、異なる行動間の関連性(規則性)を見出し、その規則性に基づいて、人の次の所定行動時刻を予測し、その行動時刻の前に、必要な電気機器の電源を投入するという自動制御を実現する。これにより、次の所定行動時刻には、必要な電気機器の電源がすでにオンし、所望の状態が実現されている。したがって、ユーザは、何らの負担なく、その電気機器をすぐに快適に使用することが可能となる。
【0049】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る機器制御システムの概要を説明するためのブロック図である。
【0050】
この機器制御システムは、基本的には、通信機能をもつ複数の被制御機器10,20と、同じく通信機能をもつ制御機器30によって構成される。制御機器30としては、携帯電話端末やコンピュータ端末(PC)が想定され得る。
【0051】
この制御機器30は、人の所定行動の履歴情報を入力するための入力部34を備える入力インタフェース32と、被制御機器10,20の使用履歴情報を受信する受信部33と、人の所定行動の履歴情報38および被制御機器10,20の各々のウォームアップ時間39を蓄積する記憶部36と、被制御機器の電源オン時刻算出部(CPU)40と、被制御機器10,20に電源オン制御信号を送信する送信部50と、を備える。
【0052】
被制御機器の電源オン時刻算出部(CPU)40は、人の所定行動履歴情報38に基づいて、人の次の所定行動時刻を予測する行動時刻予測部40と、予測された次の行動時刻から、記憶部36に格納されている被制御機器10,20の各々のウォームアップ時間を減算して、被制御機器10,20の電源をオンさせる時刻(電源オン時刻)を求める演算器44と、を備える。
【0053】
行動時刻予測部40が、人の所定行動履歴情報38に基づいて、人の次の所定行動時刻を予測する手法は、2種類に大別される。すなわち、一つは、予測対象の所定行動のみに着目し、人の過去の所定行動の状況から規則性を見いだす場合である。もう一つは、密接に関連する2つ以上の所定行動に着目し、一つの行動とその他の行動との間の規則性を見いだし、その他の行動がなされる時期から、一つの行動がなされる時期を予測する場合である。
【0054】
送信部50は、演算器44から出力される電源オン時刻において、被制御機器10,20に電源オン制御信号を送信する。
【0055】
なお、上記の例では、制御機器30に、入力インタフェース32が内蔵される構成となっているが、入力インタフェース32は、制御機器30から分離することもできる。例えば、入力インタフェース32は、無線LAN通信機能をもつ携帯電話端末やコンピュータ端末内に設け、一方、制御機器30は、インターネット等のネットワーク上にあるサーバ装置として設ける、というような構成であってもよい。
【0056】
また、人の所定行動履歴情報38は、制御機器30のユーザPが、入力部34を介して入力することができる。例えば、育児関連機器の電源の自動制御を行う場合には、母親等が、育児日記への記録と共に、あるいは、育児日記の記録に代えて、乳児の行動の履歴情報(授乳時刻、離乳食の摂取時刻、排便時刻等)を、制御機器30に、適宜、入力する。
【0057】
また、人の行動が被制御機器10,20の使用に結びつく場合には、被制御機器10,20の使用履歴情報(具体的には、実際に使用された時刻の情報)が、注目する人の所定行動の履歴情報となり得る。例えば、乳児が乳を飲むという行動をする際に調乳ポットが使用されるのであれば、調乳ポットの実際の使用時刻が、すなわち、乳児が乳を飲んだ時刻とみなすことができる。
【0058】
そこで、この場合には、被制御機器10,20が、自機の使用(例えば、調乳ポットの給湯スイッチが押下されるというような動作がなされたこと)をセンサで検出し、その実際の使用時刻(使用履歴情報)を、制御機器内の受信部33に送信するようにする。これにより、ユーザPが何もしなくても、注目する人の所定行動の履歴情報を、常時、正確に収集することが可能となる。このことは、ユーザPの負担軽減につながると共に、人の所定行動時刻の予測精度の向上にもつながる。
【0059】
被制御機器10,20は、上記説明のとおり、制御機器30の送信部50からの電源オン制御信号を受けると、自機の電源を自動的にオンして、所定の動作を開始する。また、被制御機器10,20には、一旦オンした電源を、自動的にオフさせる機能をもたせることができる。この場合、ユーザによる電源の切り忘れを防止できるようになる。
【0060】
例えば、図1に示すように、被制御機器10,20内にタイマ11,21を内蔵させ、制御機器30からの電源オン制御信号によって電源がオンした後、タイマ11,21によって所定時間の経過が検出されると、電源を自動的にオフするようにしてもよい。
【0061】
また、被制御機器10,20が、制御機器30の受信部33に、実際の使用された時刻の情報を送信している場合には、その情報送信が所定期間に渡り途切れた場合は、ユーザが不在でその電気機器(被制御機器10,20)が使用されていないと判断することができるから、制御機器30の送信部50から、電源オフ制御信号を送信して、被制御機器10,20の電源を強制的にオフさせることもできる。この場合、それ以後の、被制御機器10,20の電源オン制御は、中止する。
【0062】
また、図1では、被制御機器10,20の電源投入を個別に制御しているが、これに限定されるものではない。例えば、各被制御機器10,20の電源のオン/オフを一括して制御するスイッチ付きのテーブルタップのような電源制御機器を、被制御機器としてもよい。この場合は、各電気機器の電源のオン/オフを一括して切り換えることになる。この場合には、同時期に使用される多数の電気機器を包括的に、自動的にオン/オフできるという利点がある。
【0063】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る機器制御システムの具体的構成を示すブロック図である。第2の実施形態は、育児関連機器の電源を自動的に制御する例を示したものである。
【0064】
第2の実施形態では、乳児の乳を飲む行為の履歴情報、あるいは、乳児の排便行為の履歴情報に基づき、次の授乳時期あるいは排便時期を予測する。また、授乳時やおむつ交換時に必要となる電気機器のウォームアップ時間を予め測定しておく。そして、予測された時刻から各電気機器のウォームアップ時間だけ前の時点において、それらの電気機器の電源を自動的にオンさせる。
【0065】
図示されるように、第2の実施形態では、被制御機器として、調乳ポット(粉ミルクを最適温度のお湯に溶かして調整するための専用のポット)100と、お尻拭きとしてのウェットティッシュを加温するウェットティッシュ加温器200と、授乳時やおむつ交換時の室温や湿度を最適化するためのエアコン(空調設備)300と、が設けられる。図示はしないが、その他に、体重計も被制御機器となる場合がある。また、制御機器として、携帯電話端末やパーソナルコンピュータ端末(PC)からなる通信端末400が設けられる。
【0066】
調乳ポットは、近距離無線通信機能(赤外線通信手段やBluetooth等)や無線LAN通信機能を備えており、無線アンテナAN1と、タイマ103を内蔵する電源制御部104と、温度調整部106と、温度検出部108と、ヒーター110と、を有している。
【0067】
また、ウェットティッシュ加温器200も同様に、近距離無線通信機能(赤外線通信手段やBluetooth等)や無線LAN通信機能を備えており、無線アンテナAN2と、タイマ203を内蔵する電源制御部204と、温度調整部206と、温度検出部208と、ヒーター210と、を有する。
【0068】
また、エアコン(空調設備)300も同様に、近距離無線通信機能(赤外線通信手段やBluetooth等)や無線LAN通信機能を備えており、無線アンテナAN3と、タイマ303を内蔵する電源制御部304と、温度調整部306と、温度検出部308と、空調部310と、を有する。
【0069】
一方、制御機器としての通信端末(携帯電話端末やコンピュータ端末(PC))400も同様に、近距離無線通信機能(赤外線通信手段やBluetooth等)や無線LAN通信機能を備えており、アンテナAN4と、乳児の乳を飲む行為の履歴情報(授乳履歴情報)あるいは乳児の排便行為の履歴情報(排便履歴情報)を入力するための入力部402と、表示部(液晶ディスプレイ等)404と、送信部406と、入出力制御部408と、乳児の次の授乳時期あるいは次の排便時期を予測する手段としてのCPU410と、入力部402を介して入力された授乳/排便履歴情報や被制御機器のウォームアップ時間を蓄積する記憶部412と、を有している。
【0070】
また、ここでは、通信端末のユーザPは、育児を行う保育者(乳児の親)であるとする。育児を行う保育者(親)Pは、乳児の健康状態を確認するために、授乳時間、飲んだミルクの量、おむつ交換の時間を育児日記として記録することが多い。
【0071】
第2の実施形態では、育児を行う親Pが、通信端末400の入力部(操作キー等)402を利用して、授乳/排便履歴情報を入力する。入力された授乳/排便履歴情報413は、記憶部412に蓄積される。また、CPU410は、記憶されている授乳/排便履歴情報に基づいて、次の授乳/排便のタイミングを予測する。
【0072】
図3は、図2に示されるCPU410が、授乳/排便履歴情報413に基づいて、次の授乳/排便のタイミングを予測する手順を示すフロー図である。
【0073】
まず、調乳ポット100やウェットティシュ加温器200といった育児に関連する電気機器の立ち上げ時間や設定温度への到達時間(先に説明したように、本明細書では、これらをウォームアップ時間という)を予め入力しておき、ステップS1にて、そのウォームアップ時間t0を読み込む。次に、ステップS2で、前回の授乳(排便)時刻t1を読み込む。
【0074】
以降のステップでは、過去の授乳(排便)間隔より、次の授乳(排便)時刻を予測する。ここで、生後まもない新生児は昼夜問わず一定間隔で授乳、排便することが多く、一方、生後2,3ヶ月経ち、特に母乳ではなく主にミルクを飲む乳児は、夜間の授乳がほとんどなくなることを考慮すると、夜間の授乳の有無によりステップを分ける必要がある。以下、乳児の行動時刻予測の具体的な手順について説明する。なお、初回使用時は予め入力した時間間隔を前回の授乳時間に加算するものとする。
【0075】
夜間の授乳がある場合には、ステップS4で、読み込んだ過去の授乳(排便)間隔の平均値t2を求める。この場合、次の授乳(排便)予測時刻はt1+t2となる。
【0076】
育児関連の電気機器の電源をオンする時刻t4は、授乳(排便)の予測時刻からウォームアップ時間を減算した時刻となる。よって、t4=t1+t2−t0により求められる(ステップS5)。
【0077】
一方、夜間の授乳がない場合であって(ステップS3)、かつ、現在時刻が夜間でない場合(ステップS6)、ステップS7にて、過去の日中の授乳(排便)間隔の平均値t2を読込む。次に電源をオンする時刻をt4とすると、t4=t1+t2−t0となる(ステップS5)。
【0078】
さらに、夜間の授乳がない場合(ステップS3)で、現在時刻が夜間である場合(ステップS6)は、過去の起床時刻の平均値t3を読み込む(ステップS8)。次の電源をオンする時刻t4とした場合、t4=t3−t0となる(ステップS9)。以上のように、次の育児関連の電気機器の電源をオンとする時刻t4が得られる。
【0079】
次に、現在時刻を読み込む(ステップS10)。読み込まれた現在時刻が時刻t4になった時(ステップS11)、通信端末400の送信部406は、調乳ポット100,ウェットティッシュ加温器200に対して、電源オン制御信号を送信する(ステップS12)。
【0080】
調乳ポット100,ウェットティッシュ加温器200は、通信端末400からの電源オン制御信号を受信すると、電源をオンして起動し、設定温度になるよう温度調節を実施する。
【0081】
また、空調を停止している夜間などには、授乳(排便)予測時刻の一定時間前より、エアコン(空調設備)300の電源をオンし、空調を開始するのが望ましい。すなわち、通信端末400の送受信部407は、エアコン(空調設備)300に対し、電源オン制御信号を、授乳(排便)予測時刻の一定時間(つまり、室温が所望温度になるまでの時間、すなわちウォームアップ時間)だけ前の時点で送信する(ステップS13)。
【0082】
エアコン300は、通信端末400からの電源オン制御信号を受信すると、電源をオンして起動し、設定温度になるよう室温調節を実施する。このとき、室内の「湿度」の管理を同時に行うこともできる。
【0083】
また、調乳ポット100、ウェットティッシュ加温器200、エアコン(空調設備)300の各々に設けられているタイマ(103〜303)は、電源が強制的にオンされると、予め定められている所定時間の経過まで時間計測を開始する。そして、その所定時間が経過したとき、調乳ポット100、ウェットティッシュ加温器200、エアコン(空調設備)の各々に設けられている電源制御部(104,204,304)は、電源を自動的にオフする。これにより、電源の切り忘れが生じない。また、火傷等の心配もなくなり、無駄な電源オン状態が継続することがないため、節電効果も得られる。
【0084】
また、上記の説明では、授乳が主体の新生児を想定しているが、これに限定されるものではない。つまり、離乳食を摂っている乳児の授乳間隔は、新生児の授乳間隔よりも長くなり、また、離乳食の摂取時期と次の授乳までの期間は、ほぼ決まっている。また、乳児の排便時期は、離乳食を摂取する時期と密接に関連する。
【0085】
そこで、予め設定した離乳食時刻t5から授乳(排便)間隔の平均値t6(あるいは一定時間(tm))後の時刻(t5+t6あるいはt5+tm)を次の授乳時刻(または排便時刻)とすることで、離乳食を摂る乳児についても、次の授乳時期や排便時期を予測し、必要な電気機器を事前にオンさせることが可能となる。
【0086】
このように、授乳時期の情報や、おむつ交換時期の情報、さらに離乳食の摂取時期の情報等を総合的に勘案し、各情報間の関連性を考慮し、授乳ならびに排便のタイミングを、24時間周期で、かつ、生後月齢も加味して予測することができる。したがって、生後数ヶ月以降の乳児のように、夜間の授乳が減ったり、就寝前に短い間隔でミルクを飲ませたり、あるいは、離乳食によって授乳間隔が延びたりする状況にも、適応的に対応することができ、信頼性の高い授乳時期や排便時期の予測が可能である。したがって、育児を行う保育者は、安心して本機器制御システムを利用することができる。
【0087】
(第3の実施形態)
前述の実施形態では、乳児の履歴情報は、育児を行う保育者(親)が通信端末に入力していたが、第3の実施形態では、この履歴情報の入力作業を自動化する。
【0088】
すなわち、乳児に授乳する場合、母親等が必ず調乳ポットを使用するのであれば、調乳ポットが実際に使用された時刻がわかれば、その時刻を、授乳した時刻と推定することができる。同様に、おむつ交換のときに、必ずウェットティッシュ加温器を使用する場合には、ウェットティッシュ加温器の実際の使用時刻がわかれば、その時刻をおむつ交換が行われた時刻と推定することができる。
【0089】
この点に着目し、第3の実施形態では、被制御機器としての調乳ポットやウェットティッシュ加温器に各種のセンサを設け、自機が実際に使用されたことを検出し、その検出時刻(使用履歴情報)を、無線通信等により、制御機器としての通信端末に送信する。これにより通信端末は、乳児の授乳や排便の正確な時刻(被制御機器の使用履歴情報)を自動的に収集することが可能となる。
【0090】
なお、被制御機器からは、自機が使用されたという事実を示す信号のみを送信し、制御機器側において、その信号を受信した時刻を確認し、その時刻情報を、被制御機器の使用履歴情報として記憶部に蓄積してもよい。
【0091】
図4は、本発明の第3の実施形態に係る機器制御システムの具体的構成を示すブロック図である。図4において、図2と同じ部分には、同じ参照符号を付してある。第3の実施形態は、育児関連機器が自機の使用履歴情報を制御機器に送信し、その使用履歴情報に基づいて育児関連機器の電源を自動的に制御する例を示したものである。
【0092】
図4の基本的な構成は、図2の構成と同じである。但し、図4の場合、調乳ポット100に、給湯ボタンの押下を検出する給湯センサ114、あるいは、残り湯量検知部112が設けられており、また、ウェットティッシュ加温器200において、ふたの開閉検出用センサ212が設けられており、この点で、図2と異なる。
【0093】
また、調乳ポット100には、データの送受信を行うことができる送受信部105が設けられており、また、ウェットティッシュ加温器200にも、同様に、データの送受信を行うことができる送受信部205が設けられている点で、図2と異なる。また、通信端末400にも、データの送受信を行うことができる送受信部407が設けられている。
【0094】
調乳ポット100がユーザによって使用される場合、給湯ボタンが押下されるから、これを給湯センサ114で検出すれば、調乳ポットの使用時刻(すなわち、授乳時刻)の情報を得ることができる。
【0095】
また、調乳ポット100が使用されれば、所定量のお湯が減るから、湯の残量を、残り湯量検知部112で検出することによって、調乳ポットの使用時刻(すなわち、授乳時刻)を知ることができる。
【0096】
検出された調乳ポットの使用時刻(授乳時刻)の情報は、調乳ポットの送受信部105とアンテナAN1を経由して通信端末400に送信される。調乳ポットの使用時刻(すなわち授乳時刻)の情報は、通信端末400内の記憶部412に、授乳履歴情報413として蓄積される。
【0097】
また、ウェットティッシュ加温器200がユーザによって使用されるときは、必ず、ふたが開閉されるから、ふたの開閉をセンサ212で検出することによって、ウェットティッシュ加温器の使用時刻を検出することができる。
【0098】
検出されたウェットティッシュ加温器200の使用時刻(すなわち、乳児の排便時刻)の情報は、ウェットティッシュ加温器200の送受信部205とアンテナAN2を経由して通信端末400に送信される。そして、ウェットティッシュ加温器200の使用時刻の情報は、通信端末400内の記憶部412に、乳児の排便履歴情報413として蓄積される。
【0099】
第3の実施形態によれば、授乳時刻や排便時刻の情報を、育児を行う親等が入力する必要がなくなり、保育者の負担が軽減される。また、正確な履歴情報を確実に収集することができるため、次の授乳(排便)時期の予測精度の向上も期待できる。
【0100】
また、本実施形態の場合、調乳ポット100やウェットティッシュ加温器200から、通信端末400に、ほぼ周期的に、使用された時刻の情報が送られてくる。したがって、その送信が所定期間に渡って途切れる(例えば、本来なら使用時刻情報が送られてくるタイミングなのに、時刻情報が送られてこず、そのような状態が所定回数連続で検出されるような場合)には、ユーザが外出している可能性が高い、と判断することができる。
【0101】
そこで、通信端末400は、育児関連機器からの使用時刻情報の送信が所定期間に渡り途切れ、ユーザが不在であると判断される状況になると、電源自動投入機能を中断する。これにより、育児関連機器の電源を、無駄にオンする事態を防止することができる。また、これによって、保育者の外出時における、電気機器の電源の切り忘れ防止効果も得ることができる。
【0102】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、育児関連機器の電源オンを個別に制御するのではなく、それらの育児関連機器の電源を一括して管理する電源制御スイッチをもつ電源制御機器(テーブルタップ等)における、電源制御スイッチを、通信端末側から制御する。
【0103】
図5は、本発明の第4の実施形態に係る機器制御システムの具体的構成を示すブロック図である。図5では、図2および図4と共通する部分には、同じ参照符号を付している。第4の実施形態では、複数の育児関連機器の電源を一括制御するテーブルタップの電源制御スイッチを、通信端末側から制御するシステムを示したものである。
【0104】
テーブルタップ500は、電源制御部502と受信部504が設けられている。このテーブルタップ500には、調乳ポット100と、ウェットティッシュ加温器200と、体重計250と、エアコン300の各々の電源コンセントが接続されている。
【0105】
制御機器としての通信端末400は、授乳/排便履歴情報413に基づいて、乳児の次の授乳、排便時期を予測し、その時刻の一定時間前に送受信部407から、電源オン制御信号を送信する。
【0106】
テーブルタップ500の受信部504は、電源オン制御信号を受信し、その電源オン制御信号を電源制御部502に送る。電源制御部502は、その電源オン制御信号を受けたタイミングで、育児関連機器(100,200,250,300)の電源を一括して管理する電源制御スイッチ(不図示)をオンする。これにより、育児関連機器(100,200,250,300)は所定の動作を開始する。
【0107】
第4の実施形態では、同時期に使用される複数の機器の電源を一括して管理でき、管理が容易となるという利点がある。
【0108】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、乳児の行動を予測する方式が、前述した実施形態と異なる。すなわち、前述の実施形態では、過去の授乳(排便)履歴情報から、次の授乳(排便)を予測していた。つまり、一つの行動についての過去の履歴情報に着目して、次の行動の時期を予測している。
【0109】
これに対し、第5の実施形態では、授乳時期と排便時期との密接な関連性に着目し、「過去の授乳履歴情報」から、「次の排便時期」を予測する。すなわち、異なる2つの行動の関連性(両者の時間間隔)に着目し、一方の行為の履歴情報から、次の他方の行為の時期を予測するものである。
【0110】
図6は、本発明の第5の実施形態に係る機器制御システムの具体的構成を示すブロック図である。図6において、図4と共通する部分には、同じ参照符号を付してある。第5の実施形態は、授乳履歴情報から乳児の次の排便時期を予測して、その時刻より一定時間前に育児関連機器の電源をオンする例を示したものである。
【0111】
図6の機器制御システムの構成は、図4の構成とほぼ同じである。但し、図6では、CPU410は、授乳時期と排便時期の履歴情報より、授乳してから排便するまでの平均的な時間間隔を求め、直近の過去の授乳時刻に、求められた平均時間間隔を加算することによって、次の乳児の排便時刻を予測するようになっており、この点で、図4の例とは異なる。
【0112】
図6において、調乳ポット100は、給湯ボタン押下や残り湯量などを検出して、調乳ポットを使用した時刻情報を取得し、送受信部105より通信端末400に送信する。通信端末400は、その送信信号を受信した時刻に、排便までの平均時間間隔を加算した時刻を次の排便予測時刻とする。
【0113】
そして、その予測時刻の一定時間(つまり、ウェットティッシュ加温器200のウォームアップ時間)だけ前のタイミングで、ウェットティッシュ加温器200の電源をオンするように電源オン制御信号を送信する。ウェットティッシュ加温器200は、電源オン制御信号を受信すると、電源をオンして温度調整を開始する。
【0114】
図7は、図6の機器制御システムにおける、ウェットティッシュ加温器の電源制御手順を示すフロー図である。
【0115】
通信端末400は、調乳ポット100から送られてくる情報に基づき、調乳ポットが実際に使用された時刻t10を検出する(ステップS20)。また、通信端末400のCPU410は授乳/排便履歴情報413に基づき、授乳から排便までの平均時間間隔t11を求める(ステップS21)。
【0116】
通信端末400のCPU410は、t10+t11の演算を行い、排便予測時刻t12を求める(ステップS22)。そして、排便予測時刻t12から、ウェットティッシュ加温器200のウォームアップ時間t0だけ前の時刻t13において、通信端末400は、ウェットティッシュ加温器200の電源をオンするように電源オン制御信号を送信する(ステップS23)。
【0117】
第5の実施形態によれば、異なる2つの行動の関連性に着目し、一方の行為の履歴情報から、次の他方の行為の時期を予測して、機器を制御することができる。
【0118】
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、通信ネットワークを活用して、柔軟な構成をもつ機器制御システムを構築する。すなわち、第6の実施形態では、インターネット等の通信ネットワーク上にあるサーバ装置から育児関連機器の電源オン制御信号を送信する構成とする。
【0119】
図8は、本発明の第6の実施形態に係る機器制御システムの具体的な構成を示すブロック図である。図8において、前掲の図面と共通する部分には同じ参照符号を付してある。第6の実施形態は、通信ネットワーク上にあるサーバ装置から電源オン制御信号を送信して育児関連機器の電源オンを制御する例を示したものである。
【0120】
図示されるように、調乳ポット100、ウェットティッシュ加温器200、体重計250、エアコン300は、インターネット等の通信ネットワーク(N)に接続されている。また、通信端末400は、履歴情報を入力する機能(入力部402,入出力制御部408)と、入力された履歴情報を送受信する機能(近距離無線送受信部411,アンテナAN6)を有するが、授乳時期や排便時期を予測する機能は有さない。この通信端末400は、近距離無線アクセスポイント(アンテナAN7をもつ)450と通信ネットワーク(N)を介して、サーバ装置501に、乳児の履歴情報を送信する。
【0121】
サーバ装置501は、通信ネットワーク(N)上にあり、送受信部502と、授乳/排便時期の予測を行うCPU504と、授乳/排便履歴情報508を蓄積する記憶部506と、を有する。
【0122】
図8の機器制御システムにおいて、携帯電話などの通信端末400に入力された授乳/排便情報は、近距離無線送受信部450より送信される。この送信信号は、近距離無線アクセスポイント450ならびにネットワーク(N)を経由してサーバ装置501に送信され、サーバ装置501の記憶部506に授乳/排便履歴情報508として記憶される。
【0123】
サーバ装置501は、授乳/排便履歴情報508に基づき、次の授乳/排便時刻を予測し、その時刻の一定時間前に育児関連機器(100〜300)の電源オン制御信号を、送受信部502より送信する。
【0124】
その送信信号は、ネットワーク(N)を介して調乳ポット100やウェットティッシュ加温器200などに伝送される。これにより、調乳ポット100やウェットティッシュ加温器200などは、自機の電源をオンして温度調整を開始する。
【0125】
なお、携帯電話などの通信端末400とサーバ装置501間、育児関連機器(100〜300)とサーバ装置501間の通信手段は、無線LAN、赤外線通信、Bluetoothなどの種々のデータ通信手段を使用することができる。
【0126】
第6の実施形態の場合、通信ネットワークを活用して、多様な機器制御システムを比較的に安価かつ容易に構築することができる。
【0127】
(第7の実施形態)
前述の実施形態では、育児関連機器の制御を前提としていたが、第7の実施形態では、その他の機器の制御に本発明を適用する。上記のように、本発明は、育児関連機器の電源の自動制御に適しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他の機器の電源制御についても種々、利用可能である。
【0128】
第7の実施形態では、人の帰宅をセンサにより検出し、適切なタイミングで、風呂の湯張りを自動的に行う。すなわち、人が帰宅してから風呂に入るまでの時間間隔は、その人の習慣によってほぼ一定である。この点に着目し、過去の帰宅時間履歴情報と、入浴開始時間履歴情報に基づき帰宅時刻から入浴開始までの平均時間間隔を求め、人の帰宅をセンサによって検出して、次の入浴開始時刻を予測し、湯張りに要する時間(湯張りのウォームアップ時間)だけ前に、風呂の湯張りを開始する、という制御を行う。
【0129】
図9は、本発明の第7の実施形態に係る機器制御システムの具体的構成を示すブロック図である。図9において、前掲の図面と共通する部分には、同じ参照符号を付してある。第7の実施形態は、人の帰宅を検出して、風呂の給湯を自動的に制御する例を示したものである。
【0130】
図示されるように、被制御機器としての風呂の給湯制御部600は、アンテナAN10と、受信部602と、電源制御部604と、温度調整部606と、給湯部610と、を有する。また、風呂の照明部700は、アンテナAN11と、送信部702と、照明部706と、スイッチ708と、を有する。この風呂の照明部700は、人の入浴を検出するセンサとしての役割を果たす。
【0131】
また、玄関の施錠部800は、送信部802とアンテナAN12を有する。この玄関の施錠部800は、人の帰宅を検出するセンサとしての役割を果たす。また、玄関の照明部900は、人の通過を検出する赤外線センサ902と、送信部904と、アンテナAN13と、照明灯905と、を有する。この玄関の照明部900は、人の帰宅を検出するセンサとしての役割を果たす。
【0132】
また、制御機器としての通信端末400(携帯電話端末やパーソナルコンピュータ端末)は、履歴情報の入力部402と、表示部404と、アンテナAN14と、送受信部407と、入出力制御部408と、人の帰宅から入浴までの平均時間間隔を予測し、風呂の湯張りタイミングを予測するCPU410と、帰宅時間履歴情報417および入浴開始時間履歴情報419を蓄積している記憶部412と、を有している。
【0133】
通信端末400は、玄関の施錠部800から送られてくる、夜間における玄関の施錠を検出した時刻情報や、玄関の照明部900から送られてくる、赤外線センサ902による人(P)の玄関通過を検出した時刻の情報を、帰宅時間履歴情報417として記憶部412に保存する。また、通信端末400は、風呂の照明制御部700から送られてくる、風呂の照明をオンした時刻の情報も、入浴開始時間履歴情報419として記憶部412に蓄積する。
【0134】
通信端末400のCPU410は、帰宅時間履歴情報417ならびに入浴開始時間履歴情報419に基づいて、帰宅してから入浴するまでの時間間隔を予測し、風呂の湯張り開始タイミングを予測する。
【0135】
図10は、図9の機器制御システムにおいて、CPUが風呂の湯張り開始タイミングを予測する手順を示すフロー図である。
【0136】
図示されるように、まず、風呂の湯張りに要する時間を予め入力しておき、その時間t0を読み込む(ステップS30)。次に、本日の人の帰宅時刻t1を読み込み(ステップS31)、さらに、過去の履歴情報から得られた帰宅から入浴までの平均時間間隔t2を求める(ステップS32)。ここで、t1+t2によって、本日の入浴時刻が予測される。なお、初回使用時は予め入力した時間間隔を帰宅時刻に加算する。そして、風呂の湯張り開始時刻t4を求める(ステップS33)。すなわち、t4=t1+t2−t0となる。
【0137】
以上のように、次の風呂の湯張り開始時刻が得られる。現在時刻が、その時刻t4になった時に(ステップS35)、通信端末400は、風呂の給湯制御部600に対して、電源オンおよび湯張り開始制御信号を送信する(ステップS36)。
【0138】
風呂の給湯制御部600は、通信端末400からの電源オンおよび湯張り開始制御信号を受信すると、電源をオンして起動し、給湯および設定温度になるよう温度調節を実施する。
【0139】
第7の実施形態によれば、上述した育児関連機器と同様に、人の履歴情報に基づいて、人の行動の規則性に基づいて、人の次の所定行動時刻を予測し、事前に、風呂関連の機器などの電気機器を最適な使用状態とすることができ、これにより、人の生活の利便性を向上させることができる。したがって、本実施形態によれば、複数の機器を、通信機能を利用して有機的に連携させ、人の行為の規則性に基づいて、適切なタイミングで電源の制御を行うことができる。よって、本実施形態は、いわゆるホームオートメーションの実現に貢献する。
【0140】
以上説明したように、本実施形態によれば、育児関連の電気機器のように、タイマによる一律な電源制御が難しい電気機器についても、適切なタイミングでの電源の自動的なオン/オフが可能となり、電気機器の使い勝手が格段に向上する。
【0141】
また、本実施形態によって、育児関連機器を適切なタイミングで自動制御でき、これによって、育児に追われる親等の保育者の負担を効果的に軽減することができる。
【0142】
また、授乳時期の情報や、おむつ交換時期の情報、さらに離乳食の摂取時期の情報等を総合的に勘案し、各情報間の関連性を考慮し、授乳ならびに排便のタイミングを、24時間周期で、かつ、生後月齢も加味して予測することができる。これにより、生後数ヶ月以降の乳児のように、夜間の授乳が減ったり、就寝前に短い時間間隔でミルクを飲ませたり、あるいは、離乳食によって授乳間隔が延びたりする状況にも、適応的に対応することができ、信頼性の高い授乳時期や排便時期の予測が可能である。したがって、育児を行う保育者は、安心して便利に本機器制御システムを利用することができる。
【0143】
また、被制御機器から使用履歴情報を随時、制御機器に送信するようにして、履歴情報の入力作業も自動化することにより、制御機器のユーザの作業負担がさらに軽減される。また、常に正確な履歴情報を入手することが可能となり、予測精度も向上する。
【0144】
また、調乳ポット、ウェットティッシュ加温器、空調設備(エアコン)等を総合的に自動制御できるため、育児に適した快適な環境を実現することができる。
【0145】
また、複数の電気機器のコンセントが接続されるテーブルタップのような機器の電源を一括して制御することによって、同時期に使用される多数の電気機器の電源のオン/オフを包括的に制御することが可能となり、また、電気機器各々に通信機能を持たせずに制御システムを構築できる。
【0146】
また、通信ネットワークを利用して、状況に応じて、柔軟にシステムを構築することができるため、実用化が容易である。
【0147】
また、調乳ポット、ウェットティッシュ加温器等の電源を適切なタイミングでオフすることもでき、したがって、電源の切り忘れの心配もなく、安心して本機器制御システムを使用することができる。
【0148】
また、本実施形態は、多様な機器制御に応用が可能である。例えば、仕事から帰宅した人が、風呂に入るまでの時間間隔がほぼ決まっている場合に、家の門に備え付けられているセンサにより人の帰宅を検出し、過去の履歴情報から、その日の風呂の利用時刻を予測し、湯張りに必要な時間を考慮して、浴槽への給湯を自動的に開始することによって、その人が風呂に入る時刻になると、給湯が自動完了するというような機器制御を実現することができる。したがって、機器制御の多様性が広がり、各種の電気機器を適切なタイミングで包括的に制御することもでき、電気機器のユーザの利便性が格段に向上する。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、育児関連の電気機器のように、タイマによる一律な電源制御が難しい電気機器についても、適切なタイミングでの電源の自動的なオン/オフを可能とし、電気機器の使い勝手を向上させることが可能となる効果を有し、例えば家庭内で用いる育児関連機器等の電源制御など、各種電気機器等を制御する機器制御システム、制御機器および機器制御方法等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る機器制御システムの概要を説明するためのブロック図
【図2】本発明の第2の実施形態に係る機器制御システム(育児関連機器の電源を自動的に制御する例)の具体的構成を示すブロック図
【図3】第2の実施形態におけるCPUが、授乳/排便履歴情報に基づいて、次の授乳/排便のタイミングを予測する手順を示すフロー図
【図4】本発明の第3の実施形態に係る機器制御システム(育児関連機器が自機の使用履歴情報を制御機器に送信し、その使用履歴情報に基づいて育児関連機器の電源を自動的に制御する例)の具体的構成を示すブロック図
【図5】本発明の第4の実施形態に係る機器制御システム(複数の育児関連機器の電源を一括制御するテーブルタップの電源制御スイッチを、通信端末側から制御するシステム)の具体的構成を示すブロック図
【図6】本発明の第5の実施形態に係る機器制御システム(授乳履歴情報から次の排便時期を予測して、その時刻より一定時間前に育児関連機器の電源をオンする例)の具体的構成を示すブロック図
【図7】第5の実施形態の機器制御システムにおける、ウェットティッシュ加温器の電源制御手順を示すフロー図
【図8】本発明の第6の実施形態に係る機器制御システム(通信ネットワーク上にあるサーバ装置から電源オン制御信号を送信して育児関連機器の電源オンを制御する例)の具体的な構成を示すブロック図
【図9】本発明の第7の実施形態に係る機器制御システム(人の帰宅を検出して、風呂の給湯を自動的に制御する例)の具体的構成を示すブロック図
【図10】第7の実施形態の機器制御システムにおいて、CPUが風呂の湯張り開始タイミングを予測する手順を示すフロー図
【符号の説明】
【0151】
10,20 被制御機器
11,21 タイマ
30 制御機器
32 入力インタフェース
33 受信部
34 履歴情報を入力するための入力部
36 記憶部(メモリやハードディスク等)
38 履歴情報
39 ウォームアップ時間情報
40 行動時刻予測部
44 演算器
50 送信部
100 調乳ポット
102 受信部
103 タイマ
104 電源制御部
105 送受信部
106 温度調整部
108 温度検出部
110 ヒーター
112 湯量検知部
114 給湯センサ
200 ウェットティシュ加温器
202 受信部
203 タイマ
204 電源制御部
205 送受信部
206 温度調整部
208 温度検出部
210 ヒーター
212 開閉検出用センサ
250 体重計
300 エアコン
302 受信部
303 タイマ
304 電源制御部
306 温度調整部
308 温度検出部
310 空調部
400 通信端末
402 入力部
404 表示部
406 送信部
407 送受信部
408 入出力制御部
410 CPU
411 近距離無線送受信部
412 記憶部
413 授乳/排便履歴情報
417 帰宅時間履歴情報
419 入浴開始時間履歴情報
450 近距離無線アクセスポイント
500 テーブルタップ
501 サーバ装置
502 送受信部
503 電源制御部
504 受信部
505 CPU
506 記憶部
508 授乳/排便履歴情報
600 風呂の給湯制御部
602 受信部
604 電源制御部
606 温度調整部
608 温度検出部
610 給湯部
700 風呂の照明部
702 送信部
706 照明部
708 スイッチ
800 施錠部
802 送信部
900 玄関の照明部
902 赤外線センサ
904 送信部
905 照明灯
AN1〜AN14 無線アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の所定行動の履歴情報を蓄積する記憶部と、前記人の所定行動の履歴情報に基づいて、前記人の次の所定行動の時刻を予測する行動時刻予測部と、その予測された時刻から所定時間だけ前に、少なくとも一つの被制御機器に対して電源オン制御信号を送信する送信部と、を備える制御機器と、
前記電源オン制御信号を受信し、これによって電源がオン状態となり所定動作を開始する、少なくとも一つの前記被制御機器と、
を有する機器制御システム。
【請求項2】
請求項1記載の機器制御システムであって、
前記人の所定行動の履歴情報は、前記制御機器のユーザによって、その制御機器に入力される機器制御システム。
【請求項3】
請求項1記載の機器制御システムであって、
前記被制御機器、または前記被制御機器とは別の、前記人の所定行動に関連する電気機器の使用履歴情報を、前記被制御機器または前記電気機器が前記制御機器に送信し、送信された前記被制御機器または前記電気機器の使用履歴情報は、前記人の所定行動の履歴情報として前記制御機器の記憶部に蓄積される機器制御システム。
【請求項4】
請求項1記載の機器制御システムであって、
前記被制御機器、または前記被制御機器とは別の、前記人の所定行動に関連する電気機器の使用履歴情報を、前記被制御機器または前記電気機器が通信端末に送信し、送信された前記被制御機器または前記電気機器の使用履歴情報は、前記通信端末を経由して前記制御機器に送信され、前記人の所定行動の履歴情報として前記制御機器の記憶部に蓄積される機器制御システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか記載の機器制御システムであって、
前記制御機器の前記行動時刻予測部は、前記所定行動についての履歴情報に基づいて前記所定行動の時間間隔を求め、直近の過去の所定行動時刻に、求められた前記時間間隔を加算することによって次の所定行動の時刻を予測し、
前記制御機器の前記送信部は、予測された次の所定行動の時刻から前記被制御機器のウォームアップ時間だけ前の時点において、前記電源オン制御信号を送信する機器制御システム。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか記載の機器制御システムであって、
前記制御機器の前記行動時刻予測部は、密接な関係にある2つ以上の行動についての履歴情報に基づいて、一つの行動と、その他の行動との時間間隔を求め、前記一つの行動が前回なされた時刻、および前記他の行動との時間間隔に基づいて、前記一つの行動が次になされる時刻を予測し、
前記送信部は、予測された前記他方の行動の時刻から前記被制御機器のウォームアップに必要な時間だけ前の時点において、前記電源オン制御信号を送信する機器制御システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の機器制御システムであって、
前記制御機器は、無線通信ネットワークあるいは有線通信ネットワークに接続された、通信機能をもつ携帯端末あるいはサーバ装置であり、
前記被制御機器は、無線通信ネットワークあるいは有線通信ネットワークに接続された、通信機能をもつ電気機器である機器制御システム
【請求項8】
請求項1から6のいずれかに記載の機器制御システムであって、
前記制御機器は、無線通信ネットワークあるいは有線通信ネットワークに接続された、通信機能をもつ携帯端末あるいはサーバ装置であり、
前記被制御機器は、前記無線通信ネットワークあるいは有線通信ネットワークに接続され、通信機能をもち、かつ、複数の電気機器の電源を一括して制御するための電源制御スイッチをもつ電源制御機器である機器制御システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の機器制御システムであって、
前記被制御機器は、タイマを内蔵し、前記制御機器からの前記電源オン制御信号によって電源がオンされた後、前記タイマによって所定期間の経過が検出されると、電源を自動的にオフする機器制御システム。
【請求項10】
請求項3から8のいずれかに記載の機器制御システムであって、
前記制御機器は、前記被制御機器の電源をオンさせた後の所定期間に渡り、その被制御機器から前記使用履歴情報が送信されない場合には、電源オフ制御信号を前記被制御機器に送信し、電源をオフさせる機器制御システム。
【請求項11】
請求項1記載の機器制御システムであって、
前記人の所定行動の履歴情報は、乳児が乳を飲む時刻の情報を含み、
前記被制御機器は、授乳時に使用される調乳ポットであり、
前記制御機器の行動時刻予測部は、前記履歴情報に基づいて、乳児が乳を飲む時間間隔を求め、これにより、乳児が次に乳を飲む時刻を予測し、
前記制御機器の送信部は、乳児が次に乳を飲むと予測された時刻から、前記調乳ポットのウォームアップ時間だけ前の時点において、前記調乳ポットに前記電源オン制御信号を送信する機器制御システム。
【請求項12】
請求項1記載の機器制御システムであって、
前記人の所定行動の履歴情報は、乳児が乳を飲む時刻と乳児が離乳食を摂取する時刻の情報を含み、
前記被制御機器は、授乳時に使用される調乳ポットであり、
前記制御機器の行動時刻予測部は、前記履歴情報に基づいて、離乳食を摂取してから乳児が乳を飲むまでの時間間隔を求め、これにより、乳児が次に乳を飲む時刻を予測し、
前記制御機器の送信部は、乳児が次に乳を飲むと予測された時刻から、前記調乳ポットのウォームアップ時間だけ前の時点において、前記調乳ポットに前記電源オン制御信号を送信する機器制御システム。
【請求項13】
請求項1記載の機器制御システムであって、
前記人の所定行動の履歴情報は、乳児が排便する時刻の情報を含み、
前記被制御機器は、おむつ交換時に使用されるウェットティッシュ加温器であり、
前記制御機器の行動時刻予測部は、前記履歴情報に基づいて、乳児の排便間隔を求め、これにより、乳児が次に排便する時刻を予測し、
前記制御機器の送信部は、乳児が次に排便すると予測された時刻から、前記ウェットティッシュ加温器のウォームアップ時間だけ前の時点において、前記ウェットティッシュ加温器に前記電源オン制御信号を送信する機器制御システム。
【請求項14】
請求項1記載の機器制御システムであって、
前記人の所定行動の履歴情報は、乳児が離乳食を摂取する時刻の情報と乳児が排便する時刻の情報を含み、
前記被制御機器は、おむつ交換時に使用されるウェットティッシュ加温器であり、
前記制御機器の行動時刻予測部は、前記履歴情報に基づいて、乳児が離乳食を摂取してから排便するまでの時間間隔を求め、これにより、乳児が次に排便する時刻を予測し、
前記制御機器の送信部は、乳児が次に排便すると予測された時刻から、前記ウェットティッシュ加温器のウォームアップ時間だけ前の時点において、前記ウェットティッシュ加温器に前記電源オン制御信号を送信する機器制御システム。
【請求項15】
請求項1記載の機器制御システムであって、
前記人の所定行動の履歴情報は、乳児が乳を飲む時刻の情報と乳児が排便する時刻の情報を含み、
前記被制御機器は、おむつ交換時に使用されるウェットティッシュ加温器であり、
前記制御機器の行動時刻予測部は、前記履歴情報に基づいて、乳児が乳を飲んでから排便するまでの時間間隔を求め、これにより、乳児が次に排便する時刻を予測し、
前記制御機器の送信部は、乳児が次に排便すると予測された時刻から、前記ウェットティッシュ加温器のウォームアップ時間だけ前の時点において、前記ウェットティッシュ加温器に前記電源オン制御信号を送信する機器制御システム。
【請求項16】
請求項11から15のいずれか記載の機器制御システムであって、
前記制御機器の送信部は、前記調乳ポットまたはウェットティッシュ加温器に電源オン制御信号を送ると共に、空調設備にも電源オン制御信号を送信する機器制御システム。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか記載の機器制御システムにおいて使用される、人の所定行動の履歴情報を蓄積する記憶部と、前記人の所定行動の履歴情報に基づいて、前記人の次の所定行動の時刻を予測する行動時刻予測部と、その予測された時刻から所定時間だけ前に、少なくとも一つの被制御機器に対して電源オン制御信号を送信する送信部と、を備える制御機器。
【請求項18】
請求項17記載の制御機器であって、
前記制御機器は、携帯電話端末である制御機器。
【請求項19】
規則性が内在する人の所定行動の履歴情報を、無線あるいは有線の通信ネットワークに接続されている通信端末に蓄積する第1のステップと、
前記通信端末に蓄積されている前記履歴情報に基づき、前記人の次の所定行動時刻を予測する第2のステップと、
予測された時刻から所定時間前の時点で、前記通信端末あるいは他の機器から、前記無線あるいは有線の通信ネットワークに接続されている少なくとも1つの電気機器に対して電源オン制御信号を送信し、その電気機器の電源をオンさせて所定の動作を開始させる第3のステップと、
を含む機器制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−303898(P2006−303898A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−122552(P2005−122552)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】