説明

機器及び排紙トレイ

【課題】排紙トレイから用紙が落下しやすいという課題、及び、はみ出し部分が垂れ下がりやすいという課題を、排紙トレイの大型化を招くことなしに解消する。
【解決手段】略水平方向に用紙Pを排出するための排紙口3を有した機器本体1と、この機器本体1の底壁11側に設けられ排紙方向に引き出し可能な排紙トレイ4とを備えてなる機器であって、前記排紙トレイ4が、用紙Pを先に受ける基端側が前記底壁11と略平行をなし且つ先端側に向かって漸次上昇するように湾曲する用紙案内面Sを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排紙口に排紙トレイを備えた機器に関する。
【背景技術】
【0002】
排紙口に排紙トレイを備えた機器として、スキャナ、プリンタ或いはファクシミリ等が知られている。
【0003】
従来、この種の機器に装着されている排紙トレイは、平面状をなす用紙案内面を備えており、排紙口から略水平に排出される用紙を、その用紙案内面により案内しつつ受け止めるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところが、このような構成のものでは、排紙口から勢いよく排出される用紙が、前記用紙案内面に案内されて遠方まで滑走し、排紙トレイから落下することがある。また、平面状をなす用紙案内面上に載置された用紙は、少しでも先端が排紙トレイよりも先方にはみ出していると、その自重により、はみ出し部分が下方に垂れ下がる現象が生じやすい。このような不具合は、排紙トレイを大きくすることにより防止することはできるが、排紙トレイの大型化には、周辺スペースの占有度合などの観点から一定の制限を受ける。
【特許文献1】特開平9−323856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、排紙トレイから用紙が落下しやすいという課題、及び、はみ出し部分が垂れ下がりやすいという課題を、排紙トレイの大型化を招くことなしに解消することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような構成を採用したものである。すなわち、本発明に係る機器は、略水平方向に用紙を排出するための排紙口を有した機器本体と、この機器本体の底壁側に設けられ排紙方向に引き出し可能な排紙トレイとを備えてなる機器であって、前記排紙トレイが、用紙を先に受ける基端側が前記底壁と略平行をなし且つ先端側に向かって漸次上昇するように湾曲する用紙案内面を備えたものであることを特徴とする。
【0007】
このようなものであれば、機器本体の排紙口から導出される用紙の先端がまず用紙案内面の水平な部分で案内支持された後、漸次上方に持ち上げられながら排出されるため、平面姿勢のまま用紙を案内する場合に比べて、用紙に対する減速作用が大きくなり、用紙が排紙トレイを越えて前方に滑落する可能性を効果的に抑制することができる。また、用紙の先端側が斜め上前方に反り上がるようにしてはみ出すことになるため、用紙が反り上がることなく平面姿勢ではみ出す場合よりもはみ出し部分が垂れ下がる可能性を低くすることができる。したがって、引き出し寸法の比較的小さな排紙トレイを用いて比較的大きな寸法の用紙を適切に受け止めることが可能となる。また、排紙トレイの基端側が前記機器本体の底壁と略平行であるので、排紙口から排紙トレイへとスムーズに紙が誘導され得る。
【0008】
さらに、排紙トレイが、テレスコープ状に引き出し可能な複数枚のトレイメンバを備えたものであれば、機器を使用しない時には排紙トレイを機器本体に押入させることによって、該排紙トレイ全体を略完全に底壁の下に収納することができる。一方、機器の使用時には、用紙の大きさに合わせてトレイメンバの枚数を調節してテレスコープ状に引き出すことができ、湾曲した用紙案内面が表出することになる。
【0009】
このような排紙トレイとしては、前記機器本体に保持され前記底壁に重合する収納位置から用紙を案内し得る使用位置までの間でスライド可能な第1のトレイメンバと、この第1のトレイメンバに保持され該第1のトレイメンバに重合する収納位置から用紙を案内し得る使用位置までの間でスライド可能な第2のトレイメンバとを備えてなるものが好適である。
【0010】
また、比較的大きな用紙を使用する場合の排紙トレイとしては、前記トレイメンバの最先端縁にヒンジを介して取り付けられ前記トレイメンバの上面一部に形成された凹陥部に収まる収納位置から前記用紙案内面を延長し得る使用位置までの間で反転可能な補助トレイメンバをさらに備えたものが好適である。このようなものであれば、用紙の大きさに合わせて補助トレイメンバを収納位置から反転することで、比較的大きな用紙を使用する場合であっても、用紙の先端が排紙トレイよりも先方にはみだすこと及びそのはみ出し部分が下方に垂れ下がる可能性を低くすることができる。
【0011】
また、排紙口から排出される紙を受け止める排紙トレイとしては、用紙を先に受ける基端側から先端側に向かって漸次上昇するように湾曲する用紙案内面を備えたものが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、排紙トレイから用紙が落下しやすいという課題、及び、はみ出し部分が垂れ下がりやすいという課題を、排紙トレイの大型化を招くことなしに解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る機器がスキャナである場合の一実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0014】
このスキャナは、図1ないし図8に示すように、略水平方向に用紙Pを排出するための排紙口3を有した機器本体1と、この機器本体1の底壁11側に設けられ排紙方向に引き出し可能な排紙トレイ4とを備えてなる。
【0015】
機器本体1は、図1に示すように、上面後部に給紙口2を有するとともに前面下部に排紙口3を備え、内部に前記給紙口2と前記排紙口3とを連通させる用紙通路Tを形成してなる。この用紙通路Tは、前記機器本体1内に設けた前後対をなす壁体13、14間に形成されたものである。この用紙通路Tの給紙口2側には、分離可能に束ねられた複数枚の用紙Pを受け入れ可能な受入領域T1が設けてある。そして、この受入領域T1に受け入れられた複数枚の用紙Pの先端部分を捌く捌き装置6と、この捌き装置6により捌かれる用紙Pを給紙ローラ71により一枚ずつ引き込む給紙装置7と、この給紙装置7により引き込まれた用紙Pを搬送ローラ81、82により排紙口3方向に搬送する搬送装置8と、この搬送装置8により搬送されている用紙Pの両面を撮像する撮像装置9とを前記用紙通路Tに沿って配している。撮像を終えた用紙Pは、前記搬送ローラ81、82により排紙口3方向に送られ、この排紙口3から排紙トレイ4上に排出されるようになっている。この機器本体1は、図8に示すように、両側壁12の内側面と、これら両側壁12の下端近傍部間に架設された底壁11の下面とによって囲まれた偏平な底部空間Uを有しており、この底部空間Uに前記排紙トレイ4を前方に引き出し可能に収納している。
【0016】
排紙トレイ4は、図2ないし図8に示すように、用紙Pを先に受ける基端側が前記底壁11と略平行をなし且つ先端側に向かって漸次上昇するように湾曲する用紙案内面Sを備えたものである。この排紙トレイ4は、テレスコープ状に引き出し可能な複数枚のトレイメンバ41、42を備えてなる。具体的には、前記排紙トレイ4は、図2及び図3に示すように、前記機器本体1に保持され前記底壁11に重合する収納位置41(c)から、図4及び図5に示すように、用紙Pを案内し得る使用位置41(o)までの間でスライド可能な第1のトレイメンバ41と、この第1のトレイメンバ41に保持され該第1のトレイメンバ41に重合する収納位置42(c)から用紙Pを案内し得る使用位置42(o)までの間でスライド可能な第2のトレイメンバ42とを備えてなる。しかして、前記用紙案内面Sは、前記第1のトレイメンバ41の上面と、前記第2のトレイメンバ42の上面とによって構成されている。
【0017】
第1のトレイメンバ41は、図4、図5及び図8に示すように、側面視部分円弧状に湾曲する上板411と、この上板411の下面における両側縁近傍に形成した側板412とを具備してなるもので、その上板411の左右両側縁部を前記機器本体1における側壁12の内側面に配設した湾曲レール部121にスライド可能に支持させている。この第1のトレイメンバ41における両側板412の内側には、前記第2のトレイメンバ42をスライド可能に支持する案内レール部(図示せず)が形成されている。この案内レール部は前記側板412と平行を成すもので、第2のトレイメンバ42の下面に一体に形成されている。前記側板412と前記案内レール部は上板411を補強するための補強リブとしての役割をも担っている。
【0018】
第2のトレイメンバ42は、図4、図5及び図8に示すように、側面視部分円弧状に湾曲する上板421と、この上板421の下面両側縁に形成した側板422とを具備してなるもので、その上板421の左右両側縁部を前記第1のトレイメンバ41における側板412の内面に形成した案内レール部にスライド可能に支持させている。前記側板422と前記案内レール部は上板421を補強するための補強リブとしての役割をも担っている。この第2のトレイメンバ42の上板421は、前記第1のトレイメンバ41の上板411の下面と略同じ曲率で湾曲させてある。この第2のトレイメンバ42の先端縁には、補助トレイメンバ43がヒンジ423を介して取り付けられている。
【0019】
補助トレイメンバ43は、図4ないし図7に示すように、前記第2のトレイメンバ42よりも狭い横幅寸法を有したもので、前記第2のトレイメンバ42に重合する収納位置43(c)から前記用紙Pを案内し得る使用位置43(o)までの間で反転可能となっている。この補助トレイメンバ43は、板状のもので、前記第2のトレイメンバ42の上面に形成した凹陥部424に嵌り込むようにして該第2のトレイメンバ42に重合するようにしてあり、補助トレイメンバ43を重合させた状態で前記第2のトレイメンバ42を前記第1のトレイメンバ41の下に収納することができるようになっている。
【0020】
この補助トレイメンバ43の基端縁中央部分には、図7に示すように、該補助トレイメンバ43の厚み方向に膨出する摘み部431が設けてある。具体的には、この摘み部431は、前記補助トレイメンバ43の基端縁中央部分を用紙案内面Sと反対側へ部分球面状に膨出させたもので、摘み部431の端は、排紙トレイ4を完全に収納した状態において、図2に示すように、前記両トレイメンバ41、42の先端縁と平面視において略連続するように形成されている。換言すれば、この摘み部431は、収納状態において、前記両トレイメンバ41、42の先端縁から前方に突出することがないような形状をなしている。しかして、図8に示すように、前記第2のトレイメンバ42の先端縁中央部分には、前記摘み部431を上下から摘む動作を許容するための切欠部425が形成してある。また、図6に示すように、前記第1のトレイメンバ41の先端縁中央部分には、収納時に前記摘み部431を受け入れるための受入凹部413が形成されている。さらに、この実施形態では、前記排紙トレイ4全体を、両トレイメンバ41、42の先端縁が前記機器本体1の底壁11の前縁に平面視において略合致する位置まで収納し得るようにしてあるため、前記底壁11の前縁中央部分にも、前記摘み部431を受け入れるための受入凹部111が形成されている。さらに、前記摘み部431の先端縁における高さ位置は、前記底壁11の上面よりも低く、又は略同じ高さとしており、排紙トレイ4を完全に収納した状態において、図3に示すように、前記摘み部431が前記受入凹部111、413に嵌め込まれるように形成されている。換言すれば、この摘み部431は、収納状態において、前記底壁11から上方に突出することがないような形状をなしている。したがって、摘み部431が厚み方向に膨出しているにもかかわらず、収納した状態の厚み方向の嵩が高くなることを抑制できる。
【0021】
このような構成のものであれば、排紙トレイ4を機器本体1に押入させることによって、該排紙トレイ4全体を略完全に底壁11の下に収納することができる。かかる収納状態から、前記摘み部431を上下から摘んで手前に牽引すると、この排紙トレイ4の第1のトレイメンバ41と第2のトレイメンバ42とをテレスコープ状に引き出すことができ、湾曲した用紙案内面Sが表出することになる。
【0022】
この状態でスキャナを使用した場合、機器本体1の排紙口3から導出される用紙Pの先端は、まず用紙案内面Sの水平な部分で案内支持された後、漸次上方に持ち上げられながら排出される。そのため、平面姿勢のまま用紙Pを案内する場合に比べて、用紙Pに対する減速作用が大きくなり、用紙Pが排紙トレイ4を越えて前方に滑落する可能性を効果的に抑制することができる。すなわち、このような排紙トレイ4であれば、用紙Pの先端側が斜め上前方に反り上がるようにしてはみ出すことになる。そのため、用紙Pが反り上がることなく平面姿勢ではみ出す場合よりもはみ出し部分が垂れ下がる可能性を低くすることができる。したがって、引き出し寸法の比較的小さな排紙トレイ4を用いて比較的大きな寸法の用紙Pを適切に受け止めることが可能となる。
【0023】
また、このようなものであれば、用紙案内面Sが排紙口3付近からすぐに傾きを有する場合に比べて、排紙口3から排出された用紙Pが用紙案内面Sに水平でない角度を有して接触することによる抵抗を抑制でき、そのため、スキャン速度に与える悪影響を最小限に抑えることができる。
【0024】
また、摘み部431上に乗り上げるようにして用紙Pが排出されるため、用紙Pと摘み部431の周辺との間には、隙間ができる。したがって、排出された用紙Pが排紙トレイ4に密着して取りにくくなることを抑制できる。
【0025】
さらに大きな用紙Pをスキャンする場合には、排紙トレイ4の補助トレイメンバ43を使用位置43(o)に反転させればよい。すなわち、摘み部431を上下から摘んで第1、第2のトレイメンバ42を使用位置42(o)まで引き出した後、摘み部431の上面側に掛けている指で摘み部431の縁を手前下方に引き下ろすと、この摘み部431がレバーとしての機能を発揮して、前記補助トレイメンバ43が一気に使用位置43(o)に反転することになる。前記摘み部431は、該補助トレイメンバ43の厚み方向に膨出させてあるため、この摘み部431の縁は前記ヒンジ423の回転中心から偏移することとなり、反転用の操作レバーとしての役割をも果たすことになるからである。
【0026】
このように、本実施形態に係るスキャナは、第1のトレイメンバ41のみ引き出す第一態様、第2のトレイメンバ42をさらに引き出す第二態様、さらに補助トレイメンバ43を使用位置43(o)に反転させる第三態様、並びに、トレイメンバ41、42を完全に引き出すことなく収納状態と第一態様との間の中間態様や、第一態様と第二態様との間の中間態様での使用等、排紙される用紙Pの大きさに合わせて排紙トレイ4の態様を選択し、種々の状況に対応させることができる。
【0027】
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係るスキャナは、略水平方向に用紙Pを排出するための排紙口3を有した機器本体1と、この機器本体1の底壁11側に設けられ排紙方向に引き出し可能な排紙トレイ4とを備えてなるスキャナであって、前記排紙トレイ4が、用紙Pを先に受ける基端側が前記底壁11と略平行をなし且つ先端側に向かって漸次上昇するように湾曲する用紙案内面Sを備えたものであることを特徴とするので、機器本体1の排紙口3から導出される用紙Pの先端が、まず第1のトレイメンバ41の基端部付近における用紙案内面Sの水平な部分で案内支持された後、漸次上方に持ち上げられながら排出され、平面姿勢のまま用紙Pを案内する場合に比べて、用紙Pに対する減速作用が大きくなり、用紙Pが排紙トレイ4を越えて前方に滑落する可能性を効果的に抑制することができる。
【0028】
また、用紙Pの先端側が斜め上前方に反り上がるようにしてはみ出すことになるため、用紙Pが反り上がることなく平面姿勢ではみ出す場合よりもはみ出し部分が垂れ下がる可能性を低くすることができ、比較的引き出し寸法の小さな排紙トレイ4を用いて比較的大きな寸法の用紙Pを適切に受け止めることが可能となる。さらに、同じ大きさの用紙Pを排出したときに、用紙Pを平面姿勢のまま用紙Pを案内する場合に比べて、機器本体1の排紙口3より手前のスペースをより小さくできるとともに、排紙トレイ4の先端側と卓上との間に形成される空間を使用者の自由に使用することができる。
【0029】
排紙トレイ4が、テレスコープ状に引き出し可能な2枚のトレイメンバ41、42を備えたものであるので、機器を使用しない時には、それら2枚のトレイメンバ41、42を機器本体1に押入させることによって、排紙トレイ4全体を略完全に底壁11の下に収納することができるとともに、かかる収納位置43(c)から、摘み部431を上下から摘んで手前に牽引して排紙トレイ4を引き出すと、2枚のトレイメンバ41、42の上面である湾曲した用紙案内面Sを表出させることができる。
【0030】
排紙トレイ4が、前記機器本体1に保持され前記底壁11に重合する収納位置41(c)から用紙Pを案内し得る使用位置41(o)までの間でスライド可能な第1のトレイメンバ41と、この第1のトレイメンバ41に保持され該第1のトレイメンバ41に重合する収納位置42(c)から用紙Pを案内し得る使用位置42(o)までの間でスライド可能な第2のトレイメンバ42とを備えてなるものであれば、排紙トレイ4全体を略完全に底壁11の下に収納された収納位置42(c)から、排紙トレイ4の第1のトレイメンバ41のみ、又は、第1のトレイメンバ41及び第2のトレイメンバ42を選択的に使用位置41(o)、42(o)まで引き出すことができ、排出される用紙Pの大きさに合わせて湾曲した用紙案内面Sが表出させることができる。
【0031】
排紙トレイ4が、前記トレイメンバ41、42の最先端縁、つまり第2のトレイメンバ42の再先端縁にヒンジ423を介して取り付けられ前記トレイメンバ42の上面一部に形成された凹陥部424に収まる収納位置43(c)から前記用紙案内面Sを延長し得る使用位置43(o)までの間で反転可能な補助トレイメンバ43をさらに備えたものであるので、比較的大きな用紙P(例えば、A3サイズの用紙P)をスキャンする場合には、排紙トレイ4の補助トレイメンバ43を使用位置43(o)に反転させて使用することができる。また、このように補助トレイを使用位置43(o)に反転させれば、比較的大きな用紙Pを使用する場合であっても、用紙Pの先端が排紙トレイ4よりも先方にはみだすこと及びそのはみ出し部分が下方に垂れ下がる可能性を低くすることができる。また、補助トレイメンバ43を使用しない場合には、第2のトレイメンバ42の上面に形成した凹陥部424に嵌り込むようにして第2のトレイメンバ42に重合させた状態で前記第2のトレイメンバ42を前記第1のトレイメンバ41の下に収納することができ、このように用紙Pの大きさに合わせて補助トレイメンバ43の使用を選択することができる。
【0032】
なお、本発明は以上に述べたような実施形態に限らず種々変更可能である。
【0033】
排紙トレイ4は、以上説明した実施形態のものに限定されないのは勿論であり、補助トレイメンバを有しないものであってもよい。また、二枚のトレイメンバを備えたもの以外に、三枚以上のトレイメンバをテレスコープ状に組み合わせたものや、一枚のトレイメンバのみからなるもの等であってもよい。
【0034】
また、前記実施形態では、卓上に載置して使用する機器について説明したが、それ以外の形態の機器にも同様に適用が可能である。しかしながら、本発明を卓上機器に適用すれば、限られたスペースである卓上を有効利用することが可能になる。すなわち、排紙トレイ4の先端側が斜め前方に反り上がっているため、同じ大きさの用紙を排出したときに、用紙Pを平面姿勢のまま用紙を案内する場合に比べて、機器本体の排紙口より手前のスペースをより小さくできる。さらに、排紙トレイの先端側の下側空間が自由に使えるため、卓上に機器を載置した場合に、当該機器の排出口付近に筆記用具や書類等が載置されていたとしてもこれらが前記下側空間に収まる構造となり、機器を使用するにあたって機器の排出口付近を片付ける必要がなくなる点で有効である。
【0035】
また、排紙口に排紙トレイを備えた機器であれば、上記説明したスキャナに限られず、プリンタ或いはファクシミリ等であってもよい。
【0036】
以上、本実施形態について詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体右側断面図。
【図2】同実施形態の排紙トレイを収納した状態を示す斜視図。
【図3】同実施形態の排紙トレイを収納した状態を示す部分側断面図。
【図4】同実施形態の第1及び第2のトレイメンバを引き出した状態を示す斜視図。
【図5】同実施形態の第1及び第2のトレイメンバを引き出した状態を示す部分側断面図。
【図6】同実施形態の補助トレイメンバを引き出した状態を示す斜視図。
【図7】同実施形態の補助トレイメンバを引き出した状態を示す部分側断面図。
【図8】同実施形態の第1のトレイメンバを引き出した状態を示す底面斜視図。
【符号の説明】
【0038】
1…機器本体
11…底壁
3…排紙口
4…排紙トレイ
41…第1のトレイメンバ
42…第2のトレイメンバ
423…ヒンジ
424…凹陥部
43…補助トレイメンバ
P…用紙
S…用紙案内面
(c)…収納位置
(o)…使用位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略水平方向に用紙を排出するための排紙口を有した機器本体と、この機器本体の底壁側に設けられ排紙方向に引き出し可能な排紙トレイとを備えてなる機器であって、前記排紙トレイが、用紙を先に受ける基端側が前記底壁と略平行をなし且つ先端側に向かって漸次上昇するように湾曲する用紙案内面を備えたものであることを特徴とする機器。
【請求項2】
前記排紙トレイが、テレスコープ状に引き出し可能な複数枚のトレイメンバを備えたものである請求項1記載の機器。
【請求項3】
前記排紙トレイが、前記機器本体に保持され前記底壁に重合する収納位置から用紙を案内し得る使用位置までの間でスライド可能な第1のトレイメンバと、この第1のトレイメンバに保持され該第1のトレイメンバに重合する収納位置から用紙を案内し得る使用位置までの間でスライド可能な第2のトレイメンバとを備えてなるものである請求項2記載の機器。
【請求項4】
前記排紙トレイが、前記トレイメンバの最先端縁にヒンジを介して取り付けられ前記トレイメンバの上面一部に形成された凹陥部に収まる収納位置から前記用紙案内面を延長し得る使用位置までの間で反転可能な補助トレイメンバをさらに備えたものである請求項1、2又は3記載の機器。
【請求項5】
排紙口から排出される紙を受け止める排紙トレイであって、用紙を先に受ける基端側から先端側に向かって漸次上昇するように湾曲する用紙案内面を備えたものであることを特徴とする排紙トレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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