機器管理システムおよびプログラム
【課題】管理エリアを巡回する管理者において、各機器でのエネルギーの使用状況の管理が容易になる機器管理システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】管理装置4の情報分析部45は、無線通信部43が携帯端末5から受信した端末位置情報と、情報記憶部42に記憶されている機器位置情報とに基づいて、携帯端末5から所定距離以内にある機器2、つまり携帯端末5の近傍に位置する機器2を探索する。情報分析部45は、探索した携帯端末5近傍の機器2のエネルギー使用情報を、情報記憶部42から読み出して無線通信部43から携帯端末5の情報取得部52に送信する。情報取得部52は、携帯端末5の近傍に位置する機器2のエネルギー使用情報のみを取得するので、表示部53は、携帯端末5の近傍に位置する機器2のエネルギー使用情報のみを表示する。
【解決手段】管理装置4の情報分析部45は、無線通信部43が携帯端末5から受信した端末位置情報と、情報記憶部42に記憶されている機器位置情報とに基づいて、携帯端末5から所定距離以内にある機器2、つまり携帯端末5の近傍に位置する機器2を探索する。情報分析部45は、探索した携帯端末5近傍の機器2のエネルギー使用情報を、情報記憶部42から読み出して無線通信部43から携帯端末5の情報取得部52に送信する。情報取得部52は、携帯端末5の近傍に位置する機器2のエネルギー使用情報のみを取得するので、表示部53は、携帯端末5の近傍に位置する機器2のエネルギー使用情報のみを表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等に設定された管理エリアの複数の位置に分散して配置される機器の管理を行う機器管理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の位置に分散して配置される機器(設備)を管理するシステムとして、管理者(設備点検者)が各機器を巡回点検するシステムが提案されている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1に記載の設備管理装置は、管理者が携帯する位置検出装置の位置と機器の位置とに基づいて算出される設備点検実績時間を機器に対応付けて記憶し、その平均値から、当該機器の改修をすべき程度を示す改修要求指標を算出する。これにより、機器の保全費用を低減可能な改修・更新計画の立案が可能になる。
【0003】
また、監視対象施設内にある照明機器を制御するシステムとして、移動体のカメラで取得した画像により監視対象施設内の監視を行うに当たって、移動体の位置に対応して照明機器を点灯させるシステムが提案されている(たとえば特許文献2参照)。特許文献2に記載の照明制御システムは、移動体の位置と照明機器により照明されるエリアとに基づいて、カメラの撮影範囲の照明機器を点灯させる。
【0004】
ところで、近年、省エネルギーへの関心が高まっており、建物等に設定された管理エリアを巡回する管理者には、管理エリアの複数の位置に分散して配置されている機器について、無駄なエネルギー消費の有無を判断することが求められている。すなわち、管理者は管理エリアを巡回する際、たとえば照明機器の消し忘れがあった場合に、消し忘れを早期に発見することにより無駄なエネルギー消費を極力抑えることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−152576号公報
【特許文献2】特開2007−220012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、たとえば店舗における店長のように機器に関する専門的な知識を有さない(設置されている機器の配置や台数を正確に把握していない等)管理者は、管理エリアの巡回時に、各機器でのエネルギーの使用状況を管理することは困難である。したがって、管理エリアを巡回する管理者によっては、管理エリアの複数の位置に分散して配置されている機器について、無駄なエネルギー消費の有無を判断することは難しいという問題がある。また、上述したような従来のシステムでは、機器の位置と管理者や移動体の位置とを用いて機器の管理や制御を行っているだけで、機器でのエネルギーの使用状況を管理することは想定されていないので、上記問題を解決することはできない。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みて為されており、管理エリアを巡回する管理者において、各機器でのエネルギーの使用状況の管理が容易になる機器管理システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の機器管理システムは、管理エリアの複数の位置に分散して配置される複数の機器と、前記管理エリアを巡回する管理者に携行される携帯端末と、前記携帯端末と無線通信可能な管理装置とを備え、前記管理装置は、前記機器でのエネルギーの使用状況を表すエネルギー使用情報を収集する情報収集部と、前記機器の位置を表す機器位置情報および前記エネルギー使用情報を前記機器ごとに記憶する情報記憶部とを有し、前記携帯端末は、現在位置を表す端末位置情報を取得する位置取得部と、前記管理装置から前記エネルギー使用情報を無線通信により取得する情報取得部と、前記エネルギー使用情報を提示する提示部とを有し、前記情報記憶部に記憶されている前記エネルギー使用情報の中から前記提示部に提示させる前記エネルギー使用情報を選択する情報分析部が設けられ、前記情報分析部は、前記端末位置情報と前記機器位置情報とに基づいて、前記管理エリアにおいて前記携帯端末から所定距離以内にある前記機器を探索し、当該機器の前記エネルギー使用情報を前記提示部に提示させることを特徴とする。
【0009】
この機器管理システムにおいて、前記情報分析部は、前記機器の前記エネルギー使用情報と所定の判断ルールとを用いて当該機器におけるエネルギーの使用状況が適正か否かを判断し、前記使用状況が適正であると判断された場合には当該機器の前記エネルギー使用情報を前記提示部に提示させず、前記使用状況が適正でないと判断された場合に当該機器の前記エネルギー使用情報を前記提示部に提示させることが望ましい。
【0010】
この機器管理システムにおいて、前記管理装置と通信可能であって前記機器の動作状態を制御する端末装置が設けられ、前記管理装置は、前記端末装置に制御命令を送信することにより当該制御命令に従って前記機器の動作状態を制御する機器制御部をさらに有し、前記携帯端末は、前記管理者からの操作を受け付ける操作入力部と、前記操作入力部の操作に応じた制御要求を前記機器制御部に送信する制御指示部とをさらに有し、前記機器制御部は、前記制御指示部からの前記制御要求に対応する前記制御命令を送信することがより望ましい。
【0011】
この機器管理システムにおいて、前記管理装置には、現在時刻を表す時刻情報を取得するタイマ部が設けられており、前記情報記憶部は、対象となる前記機器と前記制御命令と実行時刻との組み合わせを含む運転スケジュールを記憶しており、前記機器制御部は、前記時刻情報が前記運転スケジュールの前記実行時刻に該当すると、当該運転スケジュールの前記制御命令を対象となる前記機器に送信し、前記管理装置は、前記機器制御部が前記制御指示部から前記制御要求を受けた場合に、当該制御要求を受けた時点の前記時刻情報と当該制御要求とに基づいて新たな運転スケジュールを前記情報記憶部に追加するスケジュール登録部をさらに有することがより望ましい。
【0012】
この機器管理システムにおいて、前記情報記憶部は、前記機器の動作状態の履歴を前記時刻情報と共に制御履歴として記憶し、前記スケジュール登録部は、新たな運転スケジュールを追加する際、前記情報記憶部に記憶されている前記運転スケジュールと前記制御履歴とに基づいて、当該運転スケジュールに反する制御が為された時刻を脱制御時刻として求め、当該脱制御時刻に近づくように前記携帯端末からの前記制御要求を受けた時刻よりも前倒しした時刻を、前記新たな運転スケジュールの実行時刻とすることがより望ましい。
【0013】
この機器管理システムにおいて、前記携帯端末は、前記管理エリアの地図を表す地図情報を記憶した地図記憶部と、前記地図上で前記端末位置情報と前記機器位置情報とに基づいて探索された巡回経路を提示する経路提示部とをさらに有することがより望ましい。
【0014】
この機器管理システムにおいて、前記経路提示部は、予め設定されている優先項目にて決まる順番で前記機器の前記所定距離以内を前記携帯端末が通るように、前記優先項目に基づいて探索された前記巡回経路を提示することがより望ましい。
【0015】
この機器管理システムにおいて、前記携帯端末は、予め定められた確認項目を提示する項目提示部と、前記管理者からの操作に応じて前記確認項目ごとに確認済みであることを表すチェックを付けるチェック処理部とをさらに有することがより望ましい。
【0016】
本発明のプログラムは、上記の機器管理システムにおいて前記管理装置または前記携帯端末を構成するコンピュータにて実行されるプログラムであって、前記コンピュータを、前記情報分析部として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、情報分析部が、管理エリアにおいて携帯端末から所定距離以内にある機器のエネルギー使用情報を提示部に提示させるので、管理エリアを巡回する管理者において、各機器でのエネルギーの使用状況の管理が容易になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1に係る機器管理システムの構成を示し、(a)は管理装置、(b)は携帯端末のブロック図である。
【図2】実施形態1に係る機器管理システムのシステム構成図である。
【図3】実施形態1に係る機器管理システムに用いられる情報であって、(a)はエネルギー使用情報、(b)は機器位置情報、(c)は運転スケジュールの説明図である。
【図4】実施形態1に係る機器管理システムの動作を示す説明図である。
【図5】実施形態1に係る機器管理システムの他の動作を示す説明図である。
【図6】実施形態1に係る機器管理システムにおける携帯端末の表示画面を示す説明図である。
【図7】実施形態1に係る機器管理システムの動作を示す説明図である。
【図8】実施形態1に係る機器管理システムにおける携帯端末の表示画面を示す説明図である。
【図9】実施形態2に係る機器管理システムの動作を示す説明図である。
【図10】実施形態2に係る機器管理システムの動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
本実施形態の機器管理システム1は、図2に示すように、複数台の機器2と、機器2に接続される複数台の端末装置3と、機器2を管理する管理装置4と、管理者に携行される携帯端末5とを備えている。図2の例では、1台の管理装置4に対して複数台の端末装置3が接続され、各端末装置3に機器2が複数台ずつ接続されている。
【0020】
複数台の機器2は、管理エリアの複数の位置に分散して配置されている。ここでは、機器2として照明機器と空調機器とが用いられており、種別(照明機器・空調機器)ごとに異なる端末装置3に接続されている。さらに、同じ種別の機器2であっても、設置場所や用途などによって複数の系統に分けられており、系統ごとに異なる端末装置3に接続されている。各機器2は端末装置3ごとに系統が分けられている。本実施形態では一例として15階建てのビルを管理エリアとするが、この例に限らず、管理エリアはたとえばビル以外の建物や、公園等の屋外に設定されていてもよい。
【0021】
端末装置3は、少なくとも1台の機器2が接続されており、接続された機器2への通電をリレーによってオンオフ制御したり、照明機器からなる機器2を調光制御したりする。このように、本実施形態では機器2の動作状態は端末装置3によって制御されるので、機器2でのエネルギー(ここでは電気エネルギー)の使用状況(たとえばオンオフの別)は端末装置3にて管理されることになる。ただし、機器2の種類によっては、端末装置3で管理されるエネルギーは、電気エネルギー(電力)に限らず、水やガスなどであってもよい。端末装置3は、通信線を介して管理装置4と接続されており、管理装置4から通信線に送出される伝送信号を用いて、管理装置4との間で時分割多重方式により通信を行う。なお、機器2と端末装置3とは一体化されていてもよい。
【0022】
管理装置4は、図1(a)に示すように、端末装置3との間でデータの送受信を行う送受信部41と、情報を記憶する情報記憶部42と、携帯端末5との間で無線通信を行う無線通信部43と、タイマ部44と、後述する情報分析部45とを有している。タイマ部44は、現在時刻を表す時刻情報を取得する。本実施形態では、管理装置4は、CPU(Central ProcessingUnit)およびメモリを主構成とするコンピュータからなり、所定のプログラムを実行することによって、送受信部41、情報記憶部42、無線通信部43、タイマ部44、情報分析部45としての機能を実現する。
【0023】
送受信部41は、伝送信号を用いた端末装置3との通信により、機器2でのエネルギーの使用状況を表す情報をエネルギー使用情報として端末装置3から収集する情報収集部を構成している。ここでは、送受信部41は、複数台の端末装置3と順次通信を行うことにより、各端末装置3から各機器2のエネルギー使用情報を定期的(たとえば1分間隔)に収集する。送受信部41は、収集したエネルギー使用情報を、タイマ部44で取得される時刻情報と対応付けて情報記憶部42に随時書き込む。
【0024】
情報記憶部42は、送受信部41で収集されたエネルギー使用情報を機器2ごとに記憶する。送受信部41は、各機器2のエネルギー使用情報を定期的に収集しているので、エネルギー使用情報は、図3(a)に示すように時刻情報(ここでは取得された日時)と対応付けて時系列に情報記憶部42に記憶される。本実施形態では、情報記憶部42は、数日をエネルギー情報の保存期間とし、現在から遡って過去数日分のエネルギー使用情報を蓄積する。
【0025】
なお、図3(a)の例では、「YYYY/MM/DD 00:01」の時点において、機器2としての「照明R1-1」および「照明R1-2」のエネルギー使用情報は「ON」で、「空調Tm-2」および「空調Tm-X」のエネルギー使用情報は「OFF」である。同様に、「YYYY/MM/DD 24:00」の時点においては、機器2としての「照明R1-2」および「空調Tm-X」のエネルギー使用情報は「ON」で、「照明R1-1」および「空調Tm-2」のエネルギー使用情報は「OFF」である。
【0026】
さらに、情報記憶部42は、管理エリア内における機器2の位置を表す機器位置情報を、機器2ごとに記憶している。ここでは、機器位置情報は、図3(b)に示すように、水平面内での機器2の位置を直交座標系(X,Y)で表すとともに、高さ方向の機器2の位置をビルの階数(Z)で表す情報である。このような機器位置情報は、たとえば機器管理システム1を設置した施工業者がパーソナルコンピュータ等を用いて設定し、管理装置4が取り込むことによって予め情報記憶部42に登録されている。機器管理システム1において機器2の追加や交換があった場合には、施工業者等は、新しい機器2の機器位置情報についても情報記憶部42に登録する。
【0027】
なお、図3(b)の例では、「照明R1-1」の機器位置情報は(X,Y,Z)=(10.000,5.000,5.000)であり、「照明R1-2」の機器位置情報は(X,Y,Z)=(12.000,5.000,5.000)である。同様に、「空調Tm-2」の機器位置情報は(X,Y,Z)=(24.000,20.000,10.000)であり、「空調Tm-X」の機器位置情報は(X,Y,Z)=(10.000,10.000,15.000)である。
【0028】
また、本実施形態においては、管理装置4は、端末装置3と共に、機器2を制御するための機器制御システムを構築している。すなわち、各端末装置3にはそれぞれ個別のアドレスが割り振られており、管理装置4の送受信部41は、伝送信号によりアドレスを指定して制御対象となる機器2に接続された端末装置3に制御命令を送信する。制御命令は、機器2をどのように制御するのか、つまり制御後の機器2の動作状態を表す制御内容からなる。制御命令を受けた端末装置3は、制御命令に従って機器2を制御する。言い換えれば、送受信部41は、端末装置3に制御命令を送信することにより制御命令に従って機器の動作を制御する機器制御部を構成している。
【0029】
ここにおいて、情報記憶部42は、図3(c)に示すように、制御対象となる機器2と制御命令(制御内容)と実行時刻との組み合わせを含む運転スケジュールを記憶している。運転スケジュールは、たとえば管理者がパーソナルコンピュータ等を用いて設定し、管理装置4が取り込むことによって予め情報記憶部42に登録されている。機器制御部としての送受信部41は、タイマ部44で取得される時刻情報が運転スケジュールの実行時刻に該当すると、この運転スケジュールの制御命令を対象となる機器2に送信する。これにより、管理装置4は、運転スケジュールに従って機器2を自動制御することが可能である。
【0030】
なお、図3(c)の例では、スケジュール番号(001〜ppp)ごとに運転スケジュールが設定されており、各運転スケジュールには各々を適用する曜日を指定する「実行曜日」も含まれている。つまり、図3(c)の例では、管理装置4は、日曜日から土曜日までの全曜日において、「照明R1-1」を対象として「10:00」の時点で「ON」にし(スケジュール001)、「20:00」の時点で「OFF」にする(スケジュール002)制御を行う。
【0031】
ただし、機器2は、運転スケジュールに従った自動制御だけでなく、管理エリアの各所に配置された壁スイッチ等のスイッチ(図示せず)の操作に応じても動作状態が制御される。なお、上記機器制御システムでは、各機器2を個別に制御対象としてもよいし、複数台の機器2を1グループとしてグループごとに制御対象としてもよい。
【0032】
無線通信部43は、携帯端末5と無線通信を行うことにより、少なくとも、情報記憶部42に記憶されたエネルギー使用情報を携帯端末5に対して送信する機能を持つ。詳しくは後述するが、無線通信部43は、携帯端末5の現在位置を表す端末位置情報を携帯端末5から無線通信により受信し、この端末位置情報に対する返信としてエネルギー使用情報を携帯端末5に送信する。
【0033】
携帯端末5は、たとえば携帯電話端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)、スマートフォン等の可搬型の端末からなり、管理エリアを巡回する管理者に携行される。
【0034】
携帯端末5は、図1(b)に示すように、端末位置情報を取得する位置取得部51と、無線通信部43との間で無線通信を行う情報取得部52と、ユーザインタフェースとしての表示部53および操作入力部54と、演算処理部55と記憶部56とを有している。表示部53および操作入力部54は、たとえばタッチパネルディスプレイからなり、表示部53が各種の情報を表示し、操作入力部54が管理者からの操作を受け付ける。演算処理部55は、操作入力部54の操作に応じて表示部53に表示される内容を変化させる。本実施形態では、携帯端末5は、CPUおよびメモリを主構成とするコンピュータからなり、所定のプログラムを実行することによって、位置取得部51、情報取得部52、表示部53、操作入力部54、演算処理部55、記憶部56としての機能を実現する。
【0035】
位置取得部51は、GPS(Global Positioning System)を用いて、携帯端末5自身の現在位置を表す位置情報を端末位置情報として取得する。位置取得部51は、端末位置情報の誤差を小さく抑えるために、比較的高精度のDGPS(DifferentialGPS)を用いてもよく、ジャイロセンサや加速度センサを併用して携帯端末5の位置を求めてもよい。なお、位置取得部51は、高さ方向の端末位置情報については、たとえば管理者が操作入力部54を用いて入力する巡回中のビルの階数(Z)から取得する。
【0036】
情報取得部52は、管理装置4からエネルギー使用情報を無線通信により取得する。本実施形態では、情報取得部52は、位置取得部51で取得された端末位置情報を無線通信により管理装置に送信し、この端末位置情報に対する返信としてエネルギー使用情報を管理装置4から受信する。
【0037】
表示部53は、情報取得部52が取得したエネルギー使用情報を表示する。つまり、表示部53はエネルギー使用情報を管理者に提示する提示部を構成する。なお、提示部は、エネルギー使用情報を表示する表示部53に限らず、たとえば音声によってエネルギー使用情報を管理者に提示する構成であってもよい。
【0038】
ところで、本実施形態においては、管理装置4に設けられている情報分析部45は、情報記憶部42に記憶されているエネルギー使用情報の中から、携帯端末5の表示部53に表示させるエネルギー使用情報を選択する。情報取得部52は、情報記憶部42に記憶されているエネルギー使用情報の全てを取得するのではなく、情報分析部45で選択されたエネルギー使用情報のみを管理装置4から取得する。以下に、情報分析部45について説明する。
【0039】
情報分析部45は、無線通信部43が携帯端末5から受信した端末位置情報と、情報記憶部42に記憶されている機器位置情報とに基づいて、管理エリアにおいて携帯端末5から所定距離以内にある機器2、つまり携帯端末5の近傍に位置する機器2を探索する。すなわち、端末位置情報は携帯端末5の現在位置を表し、機器位置情報は機器2の位置を表すので、情報分析部45は、これらの情報を用いることによって携帯端末5から各機器2までの距離を機器2ごとに求めることができる。具体的には、情報分析部45は、管理エリアのうち携帯端末5と同じ階に位置する機器2のみを対象として、携帯端末5の現在の座標位置と機器2の座標位置とから両者間の距離を求める。したがって、情報分析部45は、端末位置情報と機器位置情報とに基づいて、携帯端末5からの距離が所定距離以内となる機器2を探索することができる。
【0040】
情報分析部45は、上述のようにして探索された携帯端末5近傍の機器2のエネルギー使用情報を、情報記憶部42から読み出して無線通信部43から携帯端末5の情報取得部52に送信する。これにより、情報取得部52は、携帯端末5の近傍に位置する機器2のエネルギー使用情報のみを取得するので、表示部53は、携帯端末5の近傍に位置する機器2のエネルギー使用情報のみを表示する。
【0041】
次に、上述した構成の機器管理システム1の動作について、図4を参照して説明する。
【0042】
管理装置4は、送受信部41にて端末装置3からエネルギー使用情報を収集し(図4のS1,S2)、収集したエネルギー使用情報を情報記憶部42に書き込む(S3)。一方、携帯端末5は、位置取得部51にて端末位置情報を取得し(S4,S5)、取得した端末位置情報を情報取得部52から管理装置4へ送信する(S6,S7)。
【0043】
管理装置4は、無線受信部43で取得した端末位置情報を情報分析部45に読み込む(S8)。それから、情報分析部45は、情報記憶部42から機器位置情報を読み込み(S9,S10)、端末位置情報および機器位置情報に基づいて、携帯端末5の近傍に位置する機器2を探索する探索処理を実行する(S11)。情報分析部45は、探索処理で探索された機器2を対象にエネルギー使用情報を情報記憶部42から読み出し(S12,S13)、読み出したエネルギー使用情報を無線通信部43から携帯端末5へ送信する(S14,S15)。
【0044】
その後、携帯端末5は、情報取得部52で取得したエネルギー使用情報を表示部53に送り(S16)、表示部53がエネルギー使用情報を表示することによって管理者に提示する(S17)。
【0045】
以上説明した本実施形態の機器管理システム1によれば、管理者は、携帯端末5を携行して管理エリアを巡回するだけで、管理エリアの複数の位置に分散して配置されている機器2でのエネルギーの使用状況を容易に管理することができる。すなわち、本実施形態では、管理装置4の情報分析部45は、端末位置情報と機器位置情報とに基づいて、管理エリアにおいて携帯端末5から所定距離以内にある機器2を探索し、探索された機器2のエネルギー使用情報を表示部53に表示させている。つまり、管理者が携行する携帯端末5は、管理者の移動に伴って、管理者の近傍にある機器2のエネルギー使用情報を管理者に順次提示することができる。
【0046】
そのため、たとえば管理エリアに設置されている機器2の配置や台数を正確に把握していない等、機器2に関する専門的な知識を有さない管理者であっても、管理エリアの巡回時に、各機器2でのエネルギーの使用状況を管理することは容易になる。要するに、現場に不慣れな管理者が巡回する場合でも、管理者は、携帯端末5を携行しておくことにより、巡回路の途中で機器2の電源入れ忘れや電源切り忘れ等を容易に見つけることができる。したがって、管理者は、各機器2でのエネルギーの使用状況から機器2での無駄なエネルギー消費の有無を判断しやすくなり、たとえば照明機器の消し忘れがあった場合に、消し忘れを早期に発見することにより無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
【0047】
ところで、上述した例では、情報分析部45は、携帯端末5から所定距離以内にある機器2のエネルギー使用情報については全て表示部53に表示させているが、これに限らず、提示することが必要なエネルギー使用情報のみを表示部53に表示させてもよい。この場合、情報分析部45は、機器2のエネルギー使用情報と所定の判断ルールとを用いて機器2でのエネルギーの使用状況が適正か否かを判断し、その判断結果によって、提示することが必要な情報と不要な情報とにエネルギー使用情報を分類する。
【0048】
具体的には、情報分析部45は、情報記憶部42内の運転スケジュールを判断ルールとして用い、エネルギー使用情報が表す機器2の動作状態が、運転スケジュールで定められている制御命令に合致するか否かによってエネルギーの使用状況が適正か否かを判断する。つまり、情報分析部45は、消し忘れなどにより無駄なエネルギー消費が発生しているような場合や、エネルギーの使用量(消費量)が規定値を超えているような場合、この機器2でのエネルギーの使用状況は適正でない、つまり異常であると判断する。ここでは、情報分析部45は、ある機器2について、運転スケジュールにてオンするように定められている時間(運転時間)外で機器2がオンしている、あるいはエネルギーの使用量が規定値を超えている場合には、エネルギーの使用状況が適正でないと判断する。たとえば、運転時間外に手動でオンされた照明機器で消し忘れがあった場合、情報分析部45は、この照明機器については、エネルギーの使用状況が適正でないと判断する。
【0049】
情報分析部45は、エネルギーの使用状況が適正であると判断した機器2のエネルギー使用情報については提示することが不要な情報に、エネルギーの使用状況が適正でないと判断した機器2のエネルギー使用情報については提示することが必要な情報に分類する。言い換えれば、情報分析部45は、携帯端末5から所定距離以内にある機器2のうち、エネルギーの使用状況が適正である機器2のエネルギー使用情報は表示部53に表示させず、使用状況が適正でない機器2のエネルギー使用情報は表示部53に表示させる。
【0050】
エネルギーの使用状況が適正でない機器2のエネルギー使用情報のみを表示部53に表示させる場合の情報分析部45の動作について、図5を参照して説明する。なお、図5では、S21〜S24および後述するS31〜S34の動作以外は図4と同じであるから、図4と共通の動作についての説明は省略する。
【0051】
情報分析部45は、探索処理(図5のS11)の後、探索処理で探索された機器2を対象にエネルギー使用情報と運転スケジュールとを情報記憶部42から読み出す(S21,S22)。情報分析部45は、エネルギー使用情報と運転スケジュールとを用いて、機器2でのエネルギーの使用状況が適正か否かを判断する(S23)。さらに、情報分析部45は、判断結果によって提示が必要な情報と不要な情報とにエネルギー使用情報を分類し(S24)、提示が必要なエネルギー使用情報のみを無線通信部43から携帯端末5へ送信する(S14,S15)。
【0052】
このように、エネルギーの使用状況が適正でない機器2のエネルギー使用情報のみを表示部53に表示させる構成によれば、携帯端末5は、問題のある機器2のみを明示的に管理者に提示することができ、管理者においては対処が必要な機器2を把握しやすくなる。すなわち、携帯端末5は、近傍の機器2のうち無駄なエネルギー消費が生じている機器2のエネルギー使用情報を管理者に提示するので、管理者は、無駄なエネルギー消費の有無の判断が不要になる。たとえば、ある照明機器で消し忘れがあった場合に、管理者は、この照明機器の運転時間を把握していなくても、この照明機器で無駄なエネルギー消費が生じていることを知ることができ、早期に対処して無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
【0053】
また、本実施形態においては、携帯端末5は、操作入力部54の操作に応じた制御要求を、管理装置4の機器制御部としての送受信部41に送信する制御指示部としての機能を、演算処理部55に有している。制御要求は、機器2をどのように制御するのか、つまり制御後の機器2の動作状態を表す制御内容からなる。管理装置4の送受信部41は、携帯端末5からの制御要求に対応する制御命令(制御内容)を、対象となる機器2に送信する。これにより、管理装置4は、管理者による携帯端末5の操作入力部54の操作に従って機器2を制御することが可能である。
【0054】
ここでは、携帯端末5は、動作モードとして、エネルギー使用情報を表示する表示モードと、制御要求の入力を受け付ける操作モードとを有している。管理者は、携帯端末5の操作入力部54を操作して動作モードを操作モードに切り替えてから、操作入力部54にて制御要求の入力を行う。操作モードでは、表示部53は、操作入力部54の操作に必要な情報を表示する。つまり、管理者は、管理エリアを巡回中に、たとえば表示部53に表示されたエネルギー使用情報を見て照明機器の消し忘れを見つけた場合、すぐに携帯端末5を操作してこの照明機器を消灯させることによって、無駄なエネルギー消費を極力抑えることができる。
【0055】
この場合の機器管理システム1の動作について、図5を参照して説明する。
【0056】
管理者は、携帯端末5の操作入力部54を操作して、ある機器2を対象にオンオフの切り替えを行うための制御要求を入力する。これにより、携帯端末5の演算処理部55は、情報取得部52から無線通信により制御要求を管理装置4の無線通信部43に送信する(図5のS31,S32)。その後、無線通信部43は、受信した制御要求を機器制御部としての送受信部41に送り(S33)、送受信部41は、この制御要求に対応する制御命令を端末装置3に送信する(S34)。
【0057】
このように、携帯端末5の操作に従って機器2を制御可能な構成によれば、管理エリアを巡回する管理者は、携帯端末5の表示部53にて機器2のエネルギー使用情報を確認しつつ、この機器2の動作状態を携帯端末5の操作により制御することができる。したがって、管理者は、機器2で無駄なエネルギー消費が発生している場合に、より早急に対処して無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
【0058】
また、携帯端末5は、記憶部56を管理エリアの地図を表す地図情報を記憶した地図記憶部とし、さらに、地図上での端末位置情報と機器位置情報とに基づいて探索された巡回経路を表示部53に表示するように構成されていてもよい。この場合、表示部53は巡回経路を管理者に提示する経路提示部を構成する。ここでは、携帯端末5は、巡回経路を表示する経路探索モードを動作モードとして有しており、管理者は、携帯端末5の操作入力部54を操作して動作モードを経路探索モードに切り替えることにより、表示部53に表示される巡回経路を確認する。表示部53は、図6に示す表示例のように、管理エリアの地図61上に携帯端末5の現在位置62からの巡回経路63の候補を表示する。
【0059】
具体的には、巡回経路は管理装置4の情報分析部45にて探索される。地図情報は、管理装置4の情報記憶部42にも記憶されている。情報分析部45は、情報記憶部42に記憶された地図上での携帯端末5の現在位置(端末位置情報)と、複数の位置に分散して配置された機器2の位置(機器位置情報)とに基づいて、対象となる機器2を効率的に巡回できる巡回経路を探索する。ここで、情報分析部45は、予め設定されている優先項目にて決まる順番で機器2の近傍(所定距離以内)を携帯端末5が通るように、巡回経路を探索する。巡回経路の探索条件となる優先項目としては、たとえばエネルギーの使用量の増加が多い順や、携帯端末5の現在位置から近い順や、最短の経路長で確認(巡回)できる順などがあるが、その他、種々の優先項目が適用可能である。
【0060】
この場合の機器管理システム1の動作について、図7を参照して説明する。
【0061】
管理装置4は、送受信部41にて端末装置3からエネルギー使用情報を収集し(図7のS1,S2)、収集したエネルギー使用情報を情報記憶部42に書き込む(S3)。一方、管理者は、携帯端末5の操作入力部54を操作して、携帯端末5の動作モードを経路探索モードに切り替える(S41)。これにより、携帯端末5は、位置取得部51にて端末位置情報を取得し(S42,S43)、取得した端末位置情報を情報取得部52から管理装置4へ送信する(S44,S45)。
【0062】
管理装置4は、無線受信部43で取得した端末位置情報を情報分析部45に読み込む(S46)。その後、情報分析部45は、全てまたは一部の機器2を対象にエネルギー使用情報と運転スケジュールとを情報記憶部42から読み出し(S47,S48)、これらを用いて機器2でのエネルギーの使用状況が適正か否かを判断する(S49)。さらに、情報分析部45は、判断結果によって巡回が必要な情報と不要な情報とにエネルギー使用情報を分類し(S50)、巡回が必要な機器2を対象に情報記憶部42から機器位置情報を読み込む(S51,S52)。それから、情報分析部45は、地図上での端末位置情報および機器位置情報に基づいて、巡回経路を探索する経路探索処理を実行する(S53)。
【0063】
情報分析部45は、経路探索処理で探索された巡回経路を、無線通信部43から携帯端末5へ送信する(S54,S55)。その後、携帯端末5は、情報取得部52で取得した巡回経路を表示部53に送り(S56)、表示部53が巡回経路を表示することによって管理者に提示する(S57)。
【0064】
このように、携帯端末5が巡回経路を提示可能な構成によれば、管理者は、携帯端末5の表示部53にて巡回経路を確認しつつ管理エリアを巡回することによって、管理エリアを効率的に巡回することができる。つまり、管理エリアにおける機器2の配置を把握していない管理者であっても、効率的に機器2のエネルギー使用情報を確認しながら管理エリアを巡回することができる。ここで、情報分析部45は、エネルギーの使用状況が適正でない機器2のみを対象として巡回経路を探索してもよく、これにより、巡回にかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0065】
なお、情報記憶部42が地図情報を記憶している場合には、情報分析部45は、この地図情報を、携帯端末5の近傍に位置する機器2の探索処理に利用してもよい。すなわち、情報分析部45は、管理エリアにおいて携帯端末5から所定距離以内にある機器2を探索する際、携帯端末5からの直線距離が所定距離以内の機器2を探索してもよいし、地図上での経路に沿った移動距離が所定距離以内の機器2を探索してもよい。
【0066】
さらに、巡回経路の探索条件として優先項目が設定されている場合には、管理者は、エネルギーの使用量の増加が多い機器2や、携帯端末5の現在位置から近い機器2など、優先項目で指定された機器2を優先的に巡回することができる。したがって、管理者は、より効率的に巡回することができ、巡回にかかる負担が低減されるという利点がある。
【0067】
また、携帯端末5は、予め定められた確認項目をチェックするための機能を備えていてもよい。この場合、携帯端末5は、確認項目を記憶部56に記憶しており、確認項目を表示部53に表示し、管理者による操作入力部54の操作に応じて確認項目ごとに確認済みであることを表すチェックを付ける機能を演算処理部55に有する。すなわち、表示部53は項目提示部を構成し、演算処理部55はチェック処理部を構成する。
【0068】
具体的には、記憶部56は複数の確認項目を項目番号ごとに予め記憶している。確認項目は、たとえば「○○機器の消灯」、「○○機器の停止」など、機器2の動作に関する項目であってもよいし、「××扉の施錠」、「最終退出施錠」など、機器2に関係のない項目であってもよい。演算処理部55は、これらの確認項目を図8に例示するような形式(チェックフォーム)で表示部53に表示させる。図8の例では、項目番号71ごとに確認項目の内容72とチェック欄73とが対応付けられている。このような確認項目のチェックは機器2のエネルギー使用情報の確認と共に行われることが望ましいので、携帯端末5は、動作モードが表示モードにあるときに、図8のようなチェックフォームを表示部53に表示する。
【0069】
これにより、管理者は、表示部53に表示された確認項目を見て、その確認が済めば操作入力部54を操作して対応するチェック欄にチェックを付けることができる。したがって、管理者は、機器2のエネルギー使用情報の管理だけでなく、機器2に関係のない確認項目のチェックをも1台の携帯端末5で行うことができ、巡回作業の効率がよくなる。
【0070】
なお、本実施形態では、情報分析部45は管理装置4に設けられているが、この構成に限らず、情報分析部は、携帯端末5に設けられていてもよく、あるいは管理装置4および携帯端末5とのいずれとも別に設けられていてもよい。情報分析部が携帯端末5に設けられている場合、携帯端末5を構成するコンピュータは、所定のプログラムを実行することによって情報分析部としての機能を実現する。
【0071】
(実施形態2)
本実施形態の機器管理システム1は、管理装置4が新たな運転スケジュールの追加登録を行うスケジュール登録部46(図9参照)を有する点が、実施形態1の機器管理システム1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、実施形態1と共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0072】
スケジュール登録部46は、機器制御部としての送受信部41が携帯端末5からの制御要求を受けた場合に、この制御要求を受けた時点の時刻情報と制御要求とに基づいて、新たな運転スケジュールを生成し情報記憶部42に追加する。具体的には、スケジュール登録部46は、制御要求を受けた時点の時刻情報を実行時刻とし、制御要求を制御命令(制御内容)として、これら実行時刻と制御命令との組み合わせを制御要求の対象となる機器2に対応付けて新たな運転スケジュールとする。
【0073】
この場合の機器管理システム1の動作について、図9を参照して説明する。
【0074】
管理者は、携帯端末5の操作入力部54を操作して、ある機器2を対象にオンオフの切り替えを行うための制御要求を入力する。これにより、携帯端末5の演算処理部55は、情報取得部52から無線通信により制御要求を管理装置4の無線通信部43に送信する(図9のS61,S62)。その後、無線通信部43は、受信した制御要求をスケジュール登録部46を経由して機器制御部としての送受信部41に送り(S63,S64)、送受信部41は、この制御要求に対応する制御命令を端末装置3に送信する(S65)。
【0075】
このとき、スケジュール登録部46は、制御要求を受けた時点の現在時刻を表す時刻情報をタイマ部44から取得し(S66,S67)、この時刻情報と制御要求とに基づいて、新たな運転スケジュールを生成する。それから、スケジュール登録部46は、生成した新たな運転スケジュールを情報記憶部42に書き込む処理を行う(S68)。
【0076】
以上説明した本実施形態の構成によれば、管理装置4は、管理者が携帯端末5を操作して機器2の制御を行った場合に、同様の制御を新たな運転スケジュールとして情報記憶部42に追加登録することになる。したがって、管理者がある時刻に携帯端末5を操作して機器2の制御を一度行うだけで、以降、同じ時刻になれば、管理装置4は、追加登録された運転スケジュールに従って機器2を自動的に制御する。つまり、一般的に、機器2の消し忘れ等は繰り返し発生しやすいので、管理装置4は、上述のように運転スケジュールを自動的に追加することにより、2回目以降の消し忘れ等については、運転スケジュールに従って自動的に対処することができる。
【0077】
また、スケジュール登録部46は、情報記憶部42に追加登録する新たな運転スケジュールについて、実際に制御要求を受けた時刻よりも前倒しして実行時刻を設定する機能を有していてもよい。この場合の構成について、以下に詳しく説明する。
【0078】
この場合、管理装置4は、機器2の動作状態が変化する度に変化後の動作状態を端末装置3から送受信部41にて取得し、機器2の動作状態の履歴を時刻情報と共に制御履歴として情報記憶部42に記憶する。情報記憶部42は、機器2ごとに現在から遡って過去数時間分の制御履歴を蓄積する。スケジュール登録部46は、ある機器2の運転スケジュールを追加する際、この機器2について情報記憶部42に記憶されている運転スケジュールと制御履歴とに基づいて、運転スケジュールに反する制御が為された時刻を脱制御時刻として求める。つまり、スケジュール登録部46は、運転スケジュールと制御履歴とを比較して、機器2が運転スケジュールの制御命令とは異なる動作状態に制御された時刻を脱制御時刻として求める。
【0079】
スケジュール登録部46は、このようにして求めた脱制御時刻に近づくように、携帯端末5からの制御要求を受けた時刻よりも前倒しした時刻を、新たな運転スケジュールの実行時刻とする。ここでは、スケジュール登録部46は、たとえば脱制御時刻と現在時刻(携帯端末5からの制御要求を受けた時刻)との中央値を求め、この中央値と現在時刻との間の範囲内で実行時刻を調整する。なお、この例に限らず、スケジュール登録部46は、たとえば最後に運転スケジュールに従って制御された時刻と現在時刻との中央値を求め、この中央値と現在時刻との間の範囲内で実行時刻を調整してもよい。
【0080】
以下、スケジュール登録部46が実行時刻を前倒しして設定する処理について、具体例を示す図10を参照して説明する。図10の例では、情報記憶部42内の運転スケジュールにて20:00以降は消灯するように定められている照明機器を、20:01に使用者が作業のために手動操作することにより点灯させた状況を表している。
【0081】
図10の場合、使用者が手動操作により照明機器を点灯させた時刻(20:01)が脱制御時刻となる。この場合において、使用者が、20:30に作業を終えたにもかかわらず照明機器を消し忘れると、20:30以降、この照明機器で無駄なエネルギー消費が発生することになる。その後、21:00の時点で、管理エリアを巡回中の管理者が、照明機器の消し忘れを見つけ、携帯端末5を操作して照明機器を消灯するように制御要求を入力する。これにより、照明機器は21:00の時点で消灯(OFF)する。
【0082】
このとき、スケジュール登録部46は、この照明機器について制御命令(制御内容)を「OFF」とする新たな運転スケジュールを生成し、情報記憶部42に追加登録する。ここで、スケジュール登録部46は、脱制御時刻(20:01)に近づくように、携帯端末5からの制御要求を受けた現在時刻(21:00)よりも前倒しして、新たな運転スケジュールの実行時刻を設定する。図10の例では、スケジュール登録部46は、照明機器が最後に運転スケジュールに従って制御された時刻(20:00)と現在時刻との中央値(20:30)を求め、この中央値と現在時刻との中間(20:45)に実行時刻を調整する。
【0083】
これにより、同じ照明機器において20:30以降に消し忘れが繰り返し発生しても、次回以降、20:45になれば、管理装置4は追加登録された運転スケジュールに従って照明機器を自動的に消灯制御する。したがって、スケジュール登録部46が現在時刻(携帯端末5からの制御要求を受けた時刻)を実行時刻とする運転スケジュールを追加登録する場合に比べ、この照明機器で無駄なエネルギー消費が発生する期間(図10の斜線部)は短くなる。
【0084】
以上説明したように、スケジュール登録部46が実行時刻を前倒しして設定する構成によれば、無駄なエネルギー消費が発生する期間を短くするように新たな運転スケジュールの実行時刻が調整されるので、より省エネ効果の高い機器管理システム1を実現できる。
【0085】
なお、その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【符号の説明】
【0086】
1 機器管理システム
2 機器
3 端末装置
4 管理装置
5 携帯端末
41 送受信部(情報収集部、機器制御部)
42 情報記憶部
43 無線通信部
44 タイマ部
45 情報分析部
46 スケジュール登録部
51 位置取得部
52 情報取得部
53 表示部(提示部、経路提示部、項目提示部)
54 操作入力部
55 演算処理部(制御指示部、チェック処理部)
56 記憶部(地図記憶部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等に設定された管理エリアの複数の位置に分散して配置される機器の管理を行う機器管理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の位置に分散して配置される機器(設備)を管理するシステムとして、管理者(設備点検者)が各機器を巡回点検するシステムが提案されている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1に記載の設備管理装置は、管理者が携帯する位置検出装置の位置と機器の位置とに基づいて算出される設備点検実績時間を機器に対応付けて記憶し、その平均値から、当該機器の改修をすべき程度を示す改修要求指標を算出する。これにより、機器の保全費用を低減可能な改修・更新計画の立案が可能になる。
【0003】
また、監視対象施設内にある照明機器を制御するシステムとして、移動体のカメラで取得した画像により監視対象施設内の監視を行うに当たって、移動体の位置に対応して照明機器を点灯させるシステムが提案されている(たとえば特許文献2参照)。特許文献2に記載の照明制御システムは、移動体の位置と照明機器により照明されるエリアとに基づいて、カメラの撮影範囲の照明機器を点灯させる。
【0004】
ところで、近年、省エネルギーへの関心が高まっており、建物等に設定された管理エリアを巡回する管理者には、管理エリアの複数の位置に分散して配置されている機器について、無駄なエネルギー消費の有無を判断することが求められている。すなわち、管理者は管理エリアを巡回する際、たとえば照明機器の消し忘れがあった場合に、消し忘れを早期に発見することにより無駄なエネルギー消費を極力抑えることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−152576号公報
【特許文献2】特開2007−220012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、たとえば店舗における店長のように機器に関する専門的な知識を有さない(設置されている機器の配置や台数を正確に把握していない等)管理者は、管理エリアの巡回時に、各機器でのエネルギーの使用状況を管理することは困難である。したがって、管理エリアを巡回する管理者によっては、管理エリアの複数の位置に分散して配置されている機器について、無駄なエネルギー消費の有無を判断することは難しいという問題がある。また、上述したような従来のシステムでは、機器の位置と管理者や移動体の位置とを用いて機器の管理や制御を行っているだけで、機器でのエネルギーの使用状況を管理することは想定されていないので、上記問題を解決することはできない。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みて為されており、管理エリアを巡回する管理者において、各機器でのエネルギーの使用状況の管理が容易になる機器管理システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の機器管理システムは、管理エリアの複数の位置に分散して配置される複数の機器と、前記管理エリアを巡回する管理者に携行される携帯端末と、前記携帯端末と無線通信可能な管理装置とを備え、前記管理装置は、前記機器でのエネルギーの使用状況を表すエネルギー使用情報を収集する情報収集部と、前記機器の位置を表す機器位置情報および前記エネルギー使用情報を前記機器ごとに記憶する情報記憶部とを有し、前記携帯端末は、現在位置を表す端末位置情報を取得する位置取得部と、前記管理装置から前記エネルギー使用情報を無線通信により取得する情報取得部と、前記エネルギー使用情報を提示する提示部とを有し、前記情報記憶部に記憶されている前記エネルギー使用情報の中から前記提示部に提示させる前記エネルギー使用情報を選択する情報分析部が設けられ、前記情報分析部は、前記端末位置情報と前記機器位置情報とに基づいて、前記管理エリアにおいて前記携帯端末から所定距離以内にある前記機器を探索し、当該機器の前記エネルギー使用情報を前記提示部に提示させることを特徴とする。
【0009】
この機器管理システムにおいて、前記情報分析部は、前記機器の前記エネルギー使用情報と所定の判断ルールとを用いて当該機器におけるエネルギーの使用状況が適正か否かを判断し、前記使用状況が適正であると判断された場合には当該機器の前記エネルギー使用情報を前記提示部に提示させず、前記使用状況が適正でないと判断された場合に当該機器の前記エネルギー使用情報を前記提示部に提示させることが望ましい。
【0010】
この機器管理システムにおいて、前記管理装置と通信可能であって前記機器の動作状態を制御する端末装置が設けられ、前記管理装置は、前記端末装置に制御命令を送信することにより当該制御命令に従って前記機器の動作状態を制御する機器制御部をさらに有し、前記携帯端末は、前記管理者からの操作を受け付ける操作入力部と、前記操作入力部の操作に応じた制御要求を前記機器制御部に送信する制御指示部とをさらに有し、前記機器制御部は、前記制御指示部からの前記制御要求に対応する前記制御命令を送信することがより望ましい。
【0011】
この機器管理システムにおいて、前記管理装置には、現在時刻を表す時刻情報を取得するタイマ部が設けられており、前記情報記憶部は、対象となる前記機器と前記制御命令と実行時刻との組み合わせを含む運転スケジュールを記憶しており、前記機器制御部は、前記時刻情報が前記運転スケジュールの前記実行時刻に該当すると、当該運転スケジュールの前記制御命令を対象となる前記機器に送信し、前記管理装置は、前記機器制御部が前記制御指示部から前記制御要求を受けた場合に、当該制御要求を受けた時点の前記時刻情報と当該制御要求とに基づいて新たな運転スケジュールを前記情報記憶部に追加するスケジュール登録部をさらに有することがより望ましい。
【0012】
この機器管理システムにおいて、前記情報記憶部は、前記機器の動作状態の履歴を前記時刻情報と共に制御履歴として記憶し、前記スケジュール登録部は、新たな運転スケジュールを追加する際、前記情報記憶部に記憶されている前記運転スケジュールと前記制御履歴とに基づいて、当該運転スケジュールに反する制御が為された時刻を脱制御時刻として求め、当該脱制御時刻に近づくように前記携帯端末からの前記制御要求を受けた時刻よりも前倒しした時刻を、前記新たな運転スケジュールの実行時刻とすることがより望ましい。
【0013】
この機器管理システムにおいて、前記携帯端末は、前記管理エリアの地図を表す地図情報を記憶した地図記憶部と、前記地図上で前記端末位置情報と前記機器位置情報とに基づいて探索された巡回経路を提示する経路提示部とをさらに有することがより望ましい。
【0014】
この機器管理システムにおいて、前記経路提示部は、予め設定されている優先項目にて決まる順番で前記機器の前記所定距離以内を前記携帯端末が通るように、前記優先項目に基づいて探索された前記巡回経路を提示することがより望ましい。
【0015】
この機器管理システムにおいて、前記携帯端末は、予め定められた確認項目を提示する項目提示部と、前記管理者からの操作に応じて前記確認項目ごとに確認済みであることを表すチェックを付けるチェック処理部とをさらに有することがより望ましい。
【0016】
本発明のプログラムは、上記の機器管理システムにおいて前記管理装置または前記携帯端末を構成するコンピュータにて実行されるプログラムであって、前記コンピュータを、前記情報分析部として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、情報分析部が、管理エリアにおいて携帯端末から所定距離以内にある機器のエネルギー使用情報を提示部に提示させるので、管理エリアを巡回する管理者において、各機器でのエネルギーの使用状況の管理が容易になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1に係る機器管理システムの構成を示し、(a)は管理装置、(b)は携帯端末のブロック図である。
【図2】実施形態1に係る機器管理システムのシステム構成図である。
【図3】実施形態1に係る機器管理システムに用いられる情報であって、(a)はエネルギー使用情報、(b)は機器位置情報、(c)は運転スケジュールの説明図である。
【図4】実施形態1に係る機器管理システムの動作を示す説明図である。
【図5】実施形態1に係る機器管理システムの他の動作を示す説明図である。
【図6】実施形態1に係る機器管理システムにおける携帯端末の表示画面を示す説明図である。
【図7】実施形態1に係る機器管理システムの動作を示す説明図である。
【図8】実施形態1に係る機器管理システムにおける携帯端末の表示画面を示す説明図である。
【図9】実施形態2に係る機器管理システムの動作を示す説明図である。
【図10】実施形態2に係る機器管理システムの動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
本実施形態の機器管理システム1は、図2に示すように、複数台の機器2と、機器2に接続される複数台の端末装置3と、機器2を管理する管理装置4と、管理者に携行される携帯端末5とを備えている。図2の例では、1台の管理装置4に対して複数台の端末装置3が接続され、各端末装置3に機器2が複数台ずつ接続されている。
【0020】
複数台の機器2は、管理エリアの複数の位置に分散して配置されている。ここでは、機器2として照明機器と空調機器とが用いられており、種別(照明機器・空調機器)ごとに異なる端末装置3に接続されている。さらに、同じ種別の機器2であっても、設置場所や用途などによって複数の系統に分けられており、系統ごとに異なる端末装置3に接続されている。各機器2は端末装置3ごとに系統が分けられている。本実施形態では一例として15階建てのビルを管理エリアとするが、この例に限らず、管理エリアはたとえばビル以外の建物や、公園等の屋外に設定されていてもよい。
【0021】
端末装置3は、少なくとも1台の機器2が接続されており、接続された機器2への通電をリレーによってオンオフ制御したり、照明機器からなる機器2を調光制御したりする。このように、本実施形態では機器2の動作状態は端末装置3によって制御されるので、機器2でのエネルギー(ここでは電気エネルギー)の使用状況(たとえばオンオフの別)は端末装置3にて管理されることになる。ただし、機器2の種類によっては、端末装置3で管理されるエネルギーは、電気エネルギー(電力)に限らず、水やガスなどであってもよい。端末装置3は、通信線を介して管理装置4と接続されており、管理装置4から通信線に送出される伝送信号を用いて、管理装置4との間で時分割多重方式により通信を行う。なお、機器2と端末装置3とは一体化されていてもよい。
【0022】
管理装置4は、図1(a)に示すように、端末装置3との間でデータの送受信を行う送受信部41と、情報を記憶する情報記憶部42と、携帯端末5との間で無線通信を行う無線通信部43と、タイマ部44と、後述する情報分析部45とを有している。タイマ部44は、現在時刻を表す時刻情報を取得する。本実施形態では、管理装置4は、CPU(Central ProcessingUnit)およびメモリを主構成とするコンピュータからなり、所定のプログラムを実行することによって、送受信部41、情報記憶部42、無線通信部43、タイマ部44、情報分析部45としての機能を実現する。
【0023】
送受信部41は、伝送信号を用いた端末装置3との通信により、機器2でのエネルギーの使用状況を表す情報をエネルギー使用情報として端末装置3から収集する情報収集部を構成している。ここでは、送受信部41は、複数台の端末装置3と順次通信を行うことにより、各端末装置3から各機器2のエネルギー使用情報を定期的(たとえば1分間隔)に収集する。送受信部41は、収集したエネルギー使用情報を、タイマ部44で取得される時刻情報と対応付けて情報記憶部42に随時書き込む。
【0024】
情報記憶部42は、送受信部41で収集されたエネルギー使用情報を機器2ごとに記憶する。送受信部41は、各機器2のエネルギー使用情報を定期的に収集しているので、エネルギー使用情報は、図3(a)に示すように時刻情報(ここでは取得された日時)と対応付けて時系列に情報記憶部42に記憶される。本実施形態では、情報記憶部42は、数日をエネルギー情報の保存期間とし、現在から遡って過去数日分のエネルギー使用情報を蓄積する。
【0025】
なお、図3(a)の例では、「YYYY/MM/DD 00:01」の時点において、機器2としての「照明R1-1」および「照明R1-2」のエネルギー使用情報は「ON」で、「空調Tm-2」および「空調Tm-X」のエネルギー使用情報は「OFF」である。同様に、「YYYY/MM/DD 24:00」の時点においては、機器2としての「照明R1-2」および「空調Tm-X」のエネルギー使用情報は「ON」で、「照明R1-1」および「空調Tm-2」のエネルギー使用情報は「OFF」である。
【0026】
さらに、情報記憶部42は、管理エリア内における機器2の位置を表す機器位置情報を、機器2ごとに記憶している。ここでは、機器位置情報は、図3(b)に示すように、水平面内での機器2の位置を直交座標系(X,Y)で表すとともに、高さ方向の機器2の位置をビルの階数(Z)で表す情報である。このような機器位置情報は、たとえば機器管理システム1を設置した施工業者がパーソナルコンピュータ等を用いて設定し、管理装置4が取り込むことによって予め情報記憶部42に登録されている。機器管理システム1において機器2の追加や交換があった場合には、施工業者等は、新しい機器2の機器位置情報についても情報記憶部42に登録する。
【0027】
なお、図3(b)の例では、「照明R1-1」の機器位置情報は(X,Y,Z)=(10.000,5.000,5.000)であり、「照明R1-2」の機器位置情報は(X,Y,Z)=(12.000,5.000,5.000)である。同様に、「空調Tm-2」の機器位置情報は(X,Y,Z)=(24.000,20.000,10.000)であり、「空調Tm-X」の機器位置情報は(X,Y,Z)=(10.000,10.000,15.000)である。
【0028】
また、本実施形態においては、管理装置4は、端末装置3と共に、機器2を制御するための機器制御システムを構築している。すなわち、各端末装置3にはそれぞれ個別のアドレスが割り振られており、管理装置4の送受信部41は、伝送信号によりアドレスを指定して制御対象となる機器2に接続された端末装置3に制御命令を送信する。制御命令は、機器2をどのように制御するのか、つまり制御後の機器2の動作状態を表す制御内容からなる。制御命令を受けた端末装置3は、制御命令に従って機器2を制御する。言い換えれば、送受信部41は、端末装置3に制御命令を送信することにより制御命令に従って機器の動作を制御する機器制御部を構成している。
【0029】
ここにおいて、情報記憶部42は、図3(c)に示すように、制御対象となる機器2と制御命令(制御内容)と実行時刻との組み合わせを含む運転スケジュールを記憶している。運転スケジュールは、たとえば管理者がパーソナルコンピュータ等を用いて設定し、管理装置4が取り込むことによって予め情報記憶部42に登録されている。機器制御部としての送受信部41は、タイマ部44で取得される時刻情報が運転スケジュールの実行時刻に該当すると、この運転スケジュールの制御命令を対象となる機器2に送信する。これにより、管理装置4は、運転スケジュールに従って機器2を自動制御することが可能である。
【0030】
なお、図3(c)の例では、スケジュール番号(001〜ppp)ごとに運転スケジュールが設定されており、各運転スケジュールには各々を適用する曜日を指定する「実行曜日」も含まれている。つまり、図3(c)の例では、管理装置4は、日曜日から土曜日までの全曜日において、「照明R1-1」を対象として「10:00」の時点で「ON」にし(スケジュール001)、「20:00」の時点で「OFF」にする(スケジュール002)制御を行う。
【0031】
ただし、機器2は、運転スケジュールに従った自動制御だけでなく、管理エリアの各所に配置された壁スイッチ等のスイッチ(図示せず)の操作に応じても動作状態が制御される。なお、上記機器制御システムでは、各機器2を個別に制御対象としてもよいし、複数台の機器2を1グループとしてグループごとに制御対象としてもよい。
【0032】
無線通信部43は、携帯端末5と無線通信を行うことにより、少なくとも、情報記憶部42に記憶されたエネルギー使用情報を携帯端末5に対して送信する機能を持つ。詳しくは後述するが、無線通信部43は、携帯端末5の現在位置を表す端末位置情報を携帯端末5から無線通信により受信し、この端末位置情報に対する返信としてエネルギー使用情報を携帯端末5に送信する。
【0033】
携帯端末5は、たとえば携帯電話端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)、スマートフォン等の可搬型の端末からなり、管理エリアを巡回する管理者に携行される。
【0034】
携帯端末5は、図1(b)に示すように、端末位置情報を取得する位置取得部51と、無線通信部43との間で無線通信を行う情報取得部52と、ユーザインタフェースとしての表示部53および操作入力部54と、演算処理部55と記憶部56とを有している。表示部53および操作入力部54は、たとえばタッチパネルディスプレイからなり、表示部53が各種の情報を表示し、操作入力部54が管理者からの操作を受け付ける。演算処理部55は、操作入力部54の操作に応じて表示部53に表示される内容を変化させる。本実施形態では、携帯端末5は、CPUおよびメモリを主構成とするコンピュータからなり、所定のプログラムを実行することによって、位置取得部51、情報取得部52、表示部53、操作入力部54、演算処理部55、記憶部56としての機能を実現する。
【0035】
位置取得部51は、GPS(Global Positioning System)を用いて、携帯端末5自身の現在位置を表す位置情報を端末位置情報として取得する。位置取得部51は、端末位置情報の誤差を小さく抑えるために、比較的高精度のDGPS(DifferentialGPS)を用いてもよく、ジャイロセンサや加速度センサを併用して携帯端末5の位置を求めてもよい。なお、位置取得部51は、高さ方向の端末位置情報については、たとえば管理者が操作入力部54を用いて入力する巡回中のビルの階数(Z)から取得する。
【0036】
情報取得部52は、管理装置4からエネルギー使用情報を無線通信により取得する。本実施形態では、情報取得部52は、位置取得部51で取得された端末位置情報を無線通信により管理装置に送信し、この端末位置情報に対する返信としてエネルギー使用情報を管理装置4から受信する。
【0037】
表示部53は、情報取得部52が取得したエネルギー使用情報を表示する。つまり、表示部53はエネルギー使用情報を管理者に提示する提示部を構成する。なお、提示部は、エネルギー使用情報を表示する表示部53に限らず、たとえば音声によってエネルギー使用情報を管理者に提示する構成であってもよい。
【0038】
ところで、本実施形態においては、管理装置4に設けられている情報分析部45は、情報記憶部42に記憶されているエネルギー使用情報の中から、携帯端末5の表示部53に表示させるエネルギー使用情報を選択する。情報取得部52は、情報記憶部42に記憶されているエネルギー使用情報の全てを取得するのではなく、情報分析部45で選択されたエネルギー使用情報のみを管理装置4から取得する。以下に、情報分析部45について説明する。
【0039】
情報分析部45は、無線通信部43が携帯端末5から受信した端末位置情報と、情報記憶部42に記憶されている機器位置情報とに基づいて、管理エリアにおいて携帯端末5から所定距離以内にある機器2、つまり携帯端末5の近傍に位置する機器2を探索する。すなわち、端末位置情報は携帯端末5の現在位置を表し、機器位置情報は機器2の位置を表すので、情報分析部45は、これらの情報を用いることによって携帯端末5から各機器2までの距離を機器2ごとに求めることができる。具体的には、情報分析部45は、管理エリアのうち携帯端末5と同じ階に位置する機器2のみを対象として、携帯端末5の現在の座標位置と機器2の座標位置とから両者間の距離を求める。したがって、情報分析部45は、端末位置情報と機器位置情報とに基づいて、携帯端末5からの距離が所定距離以内となる機器2を探索することができる。
【0040】
情報分析部45は、上述のようにして探索された携帯端末5近傍の機器2のエネルギー使用情報を、情報記憶部42から読み出して無線通信部43から携帯端末5の情報取得部52に送信する。これにより、情報取得部52は、携帯端末5の近傍に位置する機器2のエネルギー使用情報のみを取得するので、表示部53は、携帯端末5の近傍に位置する機器2のエネルギー使用情報のみを表示する。
【0041】
次に、上述した構成の機器管理システム1の動作について、図4を参照して説明する。
【0042】
管理装置4は、送受信部41にて端末装置3からエネルギー使用情報を収集し(図4のS1,S2)、収集したエネルギー使用情報を情報記憶部42に書き込む(S3)。一方、携帯端末5は、位置取得部51にて端末位置情報を取得し(S4,S5)、取得した端末位置情報を情報取得部52から管理装置4へ送信する(S6,S7)。
【0043】
管理装置4は、無線受信部43で取得した端末位置情報を情報分析部45に読み込む(S8)。それから、情報分析部45は、情報記憶部42から機器位置情報を読み込み(S9,S10)、端末位置情報および機器位置情報に基づいて、携帯端末5の近傍に位置する機器2を探索する探索処理を実行する(S11)。情報分析部45は、探索処理で探索された機器2を対象にエネルギー使用情報を情報記憶部42から読み出し(S12,S13)、読み出したエネルギー使用情報を無線通信部43から携帯端末5へ送信する(S14,S15)。
【0044】
その後、携帯端末5は、情報取得部52で取得したエネルギー使用情報を表示部53に送り(S16)、表示部53がエネルギー使用情報を表示することによって管理者に提示する(S17)。
【0045】
以上説明した本実施形態の機器管理システム1によれば、管理者は、携帯端末5を携行して管理エリアを巡回するだけで、管理エリアの複数の位置に分散して配置されている機器2でのエネルギーの使用状況を容易に管理することができる。すなわち、本実施形態では、管理装置4の情報分析部45は、端末位置情報と機器位置情報とに基づいて、管理エリアにおいて携帯端末5から所定距離以内にある機器2を探索し、探索された機器2のエネルギー使用情報を表示部53に表示させている。つまり、管理者が携行する携帯端末5は、管理者の移動に伴って、管理者の近傍にある機器2のエネルギー使用情報を管理者に順次提示することができる。
【0046】
そのため、たとえば管理エリアに設置されている機器2の配置や台数を正確に把握していない等、機器2に関する専門的な知識を有さない管理者であっても、管理エリアの巡回時に、各機器2でのエネルギーの使用状況を管理することは容易になる。要するに、現場に不慣れな管理者が巡回する場合でも、管理者は、携帯端末5を携行しておくことにより、巡回路の途中で機器2の電源入れ忘れや電源切り忘れ等を容易に見つけることができる。したがって、管理者は、各機器2でのエネルギーの使用状況から機器2での無駄なエネルギー消費の有無を判断しやすくなり、たとえば照明機器の消し忘れがあった場合に、消し忘れを早期に発見することにより無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
【0047】
ところで、上述した例では、情報分析部45は、携帯端末5から所定距離以内にある機器2のエネルギー使用情報については全て表示部53に表示させているが、これに限らず、提示することが必要なエネルギー使用情報のみを表示部53に表示させてもよい。この場合、情報分析部45は、機器2のエネルギー使用情報と所定の判断ルールとを用いて機器2でのエネルギーの使用状況が適正か否かを判断し、その判断結果によって、提示することが必要な情報と不要な情報とにエネルギー使用情報を分類する。
【0048】
具体的には、情報分析部45は、情報記憶部42内の運転スケジュールを判断ルールとして用い、エネルギー使用情報が表す機器2の動作状態が、運転スケジュールで定められている制御命令に合致するか否かによってエネルギーの使用状況が適正か否かを判断する。つまり、情報分析部45は、消し忘れなどにより無駄なエネルギー消費が発生しているような場合や、エネルギーの使用量(消費量)が規定値を超えているような場合、この機器2でのエネルギーの使用状況は適正でない、つまり異常であると判断する。ここでは、情報分析部45は、ある機器2について、運転スケジュールにてオンするように定められている時間(運転時間)外で機器2がオンしている、あるいはエネルギーの使用量が規定値を超えている場合には、エネルギーの使用状況が適正でないと判断する。たとえば、運転時間外に手動でオンされた照明機器で消し忘れがあった場合、情報分析部45は、この照明機器については、エネルギーの使用状況が適正でないと判断する。
【0049】
情報分析部45は、エネルギーの使用状況が適正であると判断した機器2のエネルギー使用情報については提示することが不要な情報に、エネルギーの使用状況が適正でないと判断した機器2のエネルギー使用情報については提示することが必要な情報に分類する。言い換えれば、情報分析部45は、携帯端末5から所定距離以内にある機器2のうち、エネルギーの使用状況が適正である機器2のエネルギー使用情報は表示部53に表示させず、使用状況が適正でない機器2のエネルギー使用情報は表示部53に表示させる。
【0050】
エネルギーの使用状況が適正でない機器2のエネルギー使用情報のみを表示部53に表示させる場合の情報分析部45の動作について、図5を参照して説明する。なお、図5では、S21〜S24および後述するS31〜S34の動作以外は図4と同じであるから、図4と共通の動作についての説明は省略する。
【0051】
情報分析部45は、探索処理(図5のS11)の後、探索処理で探索された機器2を対象にエネルギー使用情報と運転スケジュールとを情報記憶部42から読み出す(S21,S22)。情報分析部45は、エネルギー使用情報と運転スケジュールとを用いて、機器2でのエネルギーの使用状況が適正か否かを判断する(S23)。さらに、情報分析部45は、判断結果によって提示が必要な情報と不要な情報とにエネルギー使用情報を分類し(S24)、提示が必要なエネルギー使用情報のみを無線通信部43から携帯端末5へ送信する(S14,S15)。
【0052】
このように、エネルギーの使用状況が適正でない機器2のエネルギー使用情報のみを表示部53に表示させる構成によれば、携帯端末5は、問題のある機器2のみを明示的に管理者に提示することができ、管理者においては対処が必要な機器2を把握しやすくなる。すなわち、携帯端末5は、近傍の機器2のうち無駄なエネルギー消費が生じている機器2のエネルギー使用情報を管理者に提示するので、管理者は、無駄なエネルギー消費の有無の判断が不要になる。たとえば、ある照明機器で消し忘れがあった場合に、管理者は、この照明機器の運転時間を把握していなくても、この照明機器で無駄なエネルギー消費が生じていることを知ることができ、早期に対処して無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
【0053】
また、本実施形態においては、携帯端末5は、操作入力部54の操作に応じた制御要求を、管理装置4の機器制御部としての送受信部41に送信する制御指示部としての機能を、演算処理部55に有している。制御要求は、機器2をどのように制御するのか、つまり制御後の機器2の動作状態を表す制御内容からなる。管理装置4の送受信部41は、携帯端末5からの制御要求に対応する制御命令(制御内容)を、対象となる機器2に送信する。これにより、管理装置4は、管理者による携帯端末5の操作入力部54の操作に従って機器2を制御することが可能である。
【0054】
ここでは、携帯端末5は、動作モードとして、エネルギー使用情報を表示する表示モードと、制御要求の入力を受け付ける操作モードとを有している。管理者は、携帯端末5の操作入力部54を操作して動作モードを操作モードに切り替えてから、操作入力部54にて制御要求の入力を行う。操作モードでは、表示部53は、操作入力部54の操作に必要な情報を表示する。つまり、管理者は、管理エリアを巡回中に、たとえば表示部53に表示されたエネルギー使用情報を見て照明機器の消し忘れを見つけた場合、すぐに携帯端末5を操作してこの照明機器を消灯させることによって、無駄なエネルギー消費を極力抑えることができる。
【0055】
この場合の機器管理システム1の動作について、図5を参照して説明する。
【0056】
管理者は、携帯端末5の操作入力部54を操作して、ある機器2を対象にオンオフの切り替えを行うための制御要求を入力する。これにより、携帯端末5の演算処理部55は、情報取得部52から無線通信により制御要求を管理装置4の無線通信部43に送信する(図5のS31,S32)。その後、無線通信部43は、受信した制御要求を機器制御部としての送受信部41に送り(S33)、送受信部41は、この制御要求に対応する制御命令を端末装置3に送信する(S34)。
【0057】
このように、携帯端末5の操作に従って機器2を制御可能な構成によれば、管理エリアを巡回する管理者は、携帯端末5の表示部53にて機器2のエネルギー使用情報を確認しつつ、この機器2の動作状態を携帯端末5の操作により制御することができる。したがって、管理者は、機器2で無駄なエネルギー消費が発生している場合に、より早急に対処して無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
【0058】
また、携帯端末5は、記憶部56を管理エリアの地図を表す地図情報を記憶した地図記憶部とし、さらに、地図上での端末位置情報と機器位置情報とに基づいて探索された巡回経路を表示部53に表示するように構成されていてもよい。この場合、表示部53は巡回経路を管理者に提示する経路提示部を構成する。ここでは、携帯端末5は、巡回経路を表示する経路探索モードを動作モードとして有しており、管理者は、携帯端末5の操作入力部54を操作して動作モードを経路探索モードに切り替えることにより、表示部53に表示される巡回経路を確認する。表示部53は、図6に示す表示例のように、管理エリアの地図61上に携帯端末5の現在位置62からの巡回経路63の候補を表示する。
【0059】
具体的には、巡回経路は管理装置4の情報分析部45にて探索される。地図情報は、管理装置4の情報記憶部42にも記憶されている。情報分析部45は、情報記憶部42に記憶された地図上での携帯端末5の現在位置(端末位置情報)と、複数の位置に分散して配置された機器2の位置(機器位置情報)とに基づいて、対象となる機器2を効率的に巡回できる巡回経路を探索する。ここで、情報分析部45は、予め設定されている優先項目にて決まる順番で機器2の近傍(所定距離以内)を携帯端末5が通るように、巡回経路を探索する。巡回経路の探索条件となる優先項目としては、たとえばエネルギーの使用量の増加が多い順や、携帯端末5の現在位置から近い順や、最短の経路長で確認(巡回)できる順などがあるが、その他、種々の優先項目が適用可能である。
【0060】
この場合の機器管理システム1の動作について、図7を参照して説明する。
【0061】
管理装置4は、送受信部41にて端末装置3からエネルギー使用情報を収集し(図7のS1,S2)、収集したエネルギー使用情報を情報記憶部42に書き込む(S3)。一方、管理者は、携帯端末5の操作入力部54を操作して、携帯端末5の動作モードを経路探索モードに切り替える(S41)。これにより、携帯端末5は、位置取得部51にて端末位置情報を取得し(S42,S43)、取得した端末位置情報を情報取得部52から管理装置4へ送信する(S44,S45)。
【0062】
管理装置4は、無線受信部43で取得した端末位置情報を情報分析部45に読み込む(S46)。その後、情報分析部45は、全てまたは一部の機器2を対象にエネルギー使用情報と運転スケジュールとを情報記憶部42から読み出し(S47,S48)、これらを用いて機器2でのエネルギーの使用状況が適正か否かを判断する(S49)。さらに、情報分析部45は、判断結果によって巡回が必要な情報と不要な情報とにエネルギー使用情報を分類し(S50)、巡回が必要な機器2を対象に情報記憶部42から機器位置情報を読み込む(S51,S52)。それから、情報分析部45は、地図上での端末位置情報および機器位置情報に基づいて、巡回経路を探索する経路探索処理を実行する(S53)。
【0063】
情報分析部45は、経路探索処理で探索された巡回経路を、無線通信部43から携帯端末5へ送信する(S54,S55)。その後、携帯端末5は、情報取得部52で取得した巡回経路を表示部53に送り(S56)、表示部53が巡回経路を表示することによって管理者に提示する(S57)。
【0064】
このように、携帯端末5が巡回経路を提示可能な構成によれば、管理者は、携帯端末5の表示部53にて巡回経路を確認しつつ管理エリアを巡回することによって、管理エリアを効率的に巡回することができる。つまり、管理エリアにおける機器2の配置を把握していない管理者であっても、効率的に機器2のエネルギー使用情報を確認しながら管理エリアを巡回することができる。ここで、情報分析部45は、エネルギーの使用状況が適正でない機器2のみを対象として巡回経路を探索してもよく、これにより、巡回にかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0065】
なお、情報記憶部42が地図情報を記憶している場合には、情報分析部45は、この地図情報を、携帯端末5の近傍に位置する機器2の探索処理に利用してもよい。すなわち、情報分析部45は、管理エリアにおいて携帯端末5から所定距離以内にある機器2を探索する際、携帯端末5からの直線距離が所定距離以内の機器2を探索してもよいし、地図上での経路に沿った移動距離が所定距離以内の機器2を探索してもよい。
【0066】
さらに、巡回経路の探索条件として優先項目が設定されている場合には、管理者は、エネルギーの使用量の増加が多い機器2や、携帯端末5の現在位置から近い機器2など、優先項目で指定された機器2を優先的に巡回することができる。したがって、管理者は、より効率的に巡回することができ、巡回にかかる負担が低減されるという利点がある。
【0067】
また、携帯端末5は、予め定められた確認項目をチェックするための機能を備えていてもよい。この場合、携帯端末5は、確認項目を記憶部56に記憶しており、確認項目を表示部53に表示し、管理者による操作入力部54の操作に応じて確認項目ごとに確認済みであることを表すチェックを付ける機能を演算処理部55に有する。すなわち、表示部53は項目提示部を構成し、演算処理部55はチェック処理部を構成する。
【0068】
具体的には、記憶部56は複数の確認項目を項目番号ごとに予め記憶している。確認項目は、たとえば「○○機器の消灯」、「○○機器の停止」など、機器2の動作に関する項目であってもよいし、「××扉の施錠」、「最終退出施錠」など、機器2に関係のない項目であってもよい。演算処理部55は、これらの確認項目を図8に例示するような形式(チェックフォーム)で表示部53に表示させる。図8の例では、項目番号71ごとに確認項目の内容72とチェック欄73とが対応付けられている。このような確認項目のチェックは機器2のエネルギー使用情報の確認と共に行われることが望ましいので、携帯端末5は、動作モードが表示モードにあるときに、図8のようなチェックフォームを表示部53に表示する。
【0069】
これにより、管理者は、表示部53に表示された確認項目を見て、その確認が済めば操作入力部54を操作して対応するチェック欄にチェックを付けることができる。したがって、管理者は、機器2のエネルギー使用情報の管理だけでなく、機器2に関係のない確認項目のチェックをも1台の携帯端末5で行うことができ、巡回作業の効率がよくなる。
【0070】
なお、本実施形態では、情報分析部45は管理装置4に設けられているが、この構成に限らず、情報分析部は、携帯端末5に設けられていてもよく、あるいは管理装置4および携帯端末5とのいずれとも別に設けられていてもよい。情報分析部が携帯端末5に設けられている場合、携帯端末5を構成するコンピュータは、所定のプログラムを実行することによって情報分析部としての機能を実現する。
【0071】
(実施形態2)
本実施形態の機器管理システム1は、管理装置4が新たな運転スケジュールの追加登録を行うスケジュール登録部46(図9参照)を有する点が、実施形態1の機器管理システム1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、実施形態1と共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0072】
スケジュール登録部46は、機器制御部としての送受信部41が携帯端末5からの制御要求を受けた場合に、この制御要求を受けた時点の時刻情報と制御要求とに基づいて、新たな運転スケジュールを生成し情報記憶部42に追加する。具体的には、スケジュール登録部46は、制御要求を受けた時点の時刻情報を実行時刻とし、制御要求を制御命令(制御内容)として、これら実行時刻と制御命令との組み合わせを制御要求の対象となる機器2に対応付けて新たな運転スケジュールとする。
【0073】
この場合の機器管理システム1の動作について、図9を参照して説明する。
【0074】
管理者は、携帯端末5の操作入力部54を操作して、ある機器2を対象にオンオフの切り替えを行うための制御要求を入力する。これにより、携帯端末5の演算処理部55は、情報取得部52から無線通信により制御要求を管理装置4の無線通信部43に送信する(図9のS61,S62)。その後、無線通信部43は、受信した制御要求をスケジュール登録部46を経由して機器制御部としての送受信部41に送り(S63,S64)、送受信部41は、この制御要求に対応する制御命令を端末装置3に送信する(S65)。
【0075】
このとき、スケジュール登録部46は、制御要求を受けた時点の現在時刻を表す時刻情報をタイマ部44から取得し(S66,S67)、この時刻情報と制御要求とに基づいて、新たな運転スケジュールを生成する。それから、スケジュール登録部46は、生成した新たな運転スケジュールを情報記憶部42に書き込む処理を行う(S68)。
【0076】
以上説明した本実施形態の構成によれば、管理装置4は、管理者が携帯端末5を操作して機器2の制御を行った場合に、同様の制御を新たな運転スケジュールとして情報記憶部42に追加登録することになる。したがって、管理者がある時刻に携帯端末5を操作して機器2の制御を一度行うだけで、以降、同じ時刻になれば、管理装置4は、追加登録された運転スケジュールに従って機器2を自動的に制御する。つまり、一般的に、機器2の消し忘れ等は繰り返し発生しやすいので、管理装置4は、上述のように運転スケジュールを自動的に追加することにより、2回目以降の消し忘れ等については、運転スケジュールに従って自動的に対処することができる。
【0077】
また、スケジュール登録部46は、情報記憶部42に追加登録する新たな運転スケジュールについて、実際に制御要求を受けた時刻よりも前倒しして実行時刻を設定する機能を有していてもよい。この場合の構成について、以下に詳しく説明する。
【0078】
この場合、管理装置4は、機器2の動作状態が変化する度に変化後の動作状態を端末装置3から送受信部41にて取得し、機器2の動作状態の履歴を時刻情報と共に制御履歴として情報記憶部42に記憶する。情報記憶部42は、機器2ごとに現在から遡って過去数時間分の制御履歴を蓄積する。スケジュール登録部46は、ある機器2の運転スケジュールを追加する際、この機器2について情報記憶部42に記憶されている運転スケジュールと制御履歴とに基づいて、運転スケジュールに反する制御が為された時刻を脱制御時刻として求める。つまり、スケジュール登録部46は、運転スケジュールと制御履歴とを比較して、機器2が運転スケジュールの制御命令とは異なる動作状態に制御された時刻を脱制御時刻として求める。
【0079】
スケジュール登録部46は、このようにして求めた脱制御時刻に近づくように、携帯端末5からの制御要求を受けた時刻よりも前倒しした時刻を、新たな運転スケジュールの実行時刻とする。ここでは、スケジュール登録部46は、たとえば脱制御時刻と現在時刻(携帯端末5からの制御要求を受けた時刻)との中央値を求め、この中央値と現在時刻との間の範囲内で実行時刻を調整する。なお、この例に限らず、スケジュール登録部46は、たとえば最後に運転スケジュールに従って制御された時刻と現在時刻との中央値を求め、この中央値と現在時刻との間の範囲内で実行時刻を調整してもよい。
【0080】
以下、スケジュール登録部46が実行時刻を前倒しして設定する処理について、具体例を示す図10を参照して説明する。図10の例では、情報記憶部42内の運転スケジュールにて20:00以降は消灯するように定められている照明機器を、20:01に使用者が作業のために手動操作することにより点灯させた状況を表している。
【0081】
図10の場合、使用者が手動操作により照明機器を点灯させた時刻(20:01)が脱制御時刻となる。この場合において、使用者が、20:30に作業を終えたにもかかわらず照明機器を消し忘れると、20:30以降、この照明機器で無駄なエネルギー消費が発生することになる。その後、21:00の時点で、管理エリアを巡回中の管理者が、照明機器の消し忘れを見つけ、携帯端末5を操作して照明機器を消灯するように制御要求を入力する。これにより、照明機器は21:00の時点で消灯(OFF)する。
【0082】
このとき、スケジュール登録部46は、この照明機器について制御命令(制御内容)を「OFF」とする新たな運転スケジュールを生成し、情報記憶部42に追加登録する。ここで、スケジュール登録部46は、脱制御時刻(20:01)に近づくように、携帯端末5からの制御要求を受けた現在時刻(21:00)よりも前倒しして、新たな運転スケジュールの実行時刻を設定する。図10の例では、スケジュール登録部46は、照明機器が最後に運転スケジュールに従って制御された時刻(20:00)と現在時刻との中央値(20:30)を求め、この中央値と現在時刻との中間(20:45)に実行時刻を調整する。
【0083】
これにより、同じ照明機器において20:30以降に消し忘れが繰り返し発生しても、次回以降、20:45になれば、管理装置4は追加登録された運転スケジュールに従って照明機器を自動的に消灯制御する。したがって、スケジュール登録部46が現在時刻(携帯端末5からの制御要求を受けた時刻)を実行時刻とする運転スケジュールを追加登録する場合に比べ、この照明機器で無駄なエネルギー消費が発生する期間(図10の斜線部)は短くなる。
【0084】
以上説明したように、スケジュール登録部46が実行時刻を前倒しして設定する構成によれば、無駄なエネルギー消費が発生する期間を短くするように新たな運転スケジュールの実行時刻が調整されるので、より省エネ効果の高い機器管理システム1を実現できる。
【0085】
なお、その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【符号の説明】
【0086】
1 機器管理システム
2 機器
3 端末装置
4 管理装置
5 携帯端末
41 送受信部(情報収集部、機器制御部)
42 情報記憶部
43 無線通信部
44 タイマ部
45 情報分析部
46 スケジュール登録部
51 位置取得部
52 情報取得部
53 表示部(提示部、経路提示部、項目提示部)
54 操作入力部
55 演算処理部(制御指示部、チェック処理部)
56 記憶部(地図記憶部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理エリアの複数の位置に分散して配置される複数の機器と、前記管理エリアを巡回する管理者に携行される携帯端末と、前記携帯端末と無線通信可能な管理装置とを備え、
前記管理装置は、前記機器でのエネルギーの使用状況を表すエネルギー使用情報を収集する情報収集部と、前記機器の位置を表す機器位置情報および前記エネルギー使用情報を前記機器ごとに記憶する情報記憶部とを有し、
前記携帯端末は、現在位置を表す端末位置情報を取得する位置取得部と、前記管理装置から前記エネルギー使用情報を無線通信により取得する情報取得部と、前記エネルギー使用情報を提示する提示部とを有し、
前記情報記憶部に記憶されている前記エネルギー使用情報の中から前記提示部に提示させる前記エネルギー使用情報を選択する情報分析部が設けられ、前記情報分析部は、前記端末位置情報と前記機器位置情報とに基づいて、前記管理エリアにおいて前記携帯端末から所定距離以内にある前記機器を探索し、当該機器の前記エネルギー使用情報を前記提示部に提示させることを特徴とする機器管理システム。
【請求項2】
前記情報分析部は、前記機器の前記エネルギー使用情報と所定の判断ルールとを用いて当該機器におけるエネルギーの使用状況が適正か否かを判断し、前記使用状況が適正であると判断された場合には当該機器の前記エネルギー使用情報を前記提示部に提示させず、前記使用状況が適正でないと判断された場合に当該機器の前記エネルギー使用情報を前記提示部に提示させることを特徴とする請求項1に記載の機器管理システム。
【請求項3】
前記管理装置と通信可能であって前記機器の動作状態を制御する端末装置が設けられ、
前記管理装置は、前記端末装置に制御命令を送信することにより当該制御命令に従って前記機器の動作状態を制御する機器制御部をさらに有し、
前記携帯端末は、前記管理者からの操作を受け付ける操作入力部と、前記操作入力部の操作に応じた制御要求を前記機器制御部に送信する制御指示部とをさらに有し、
前記機器制御部は、前記制御指示部からの前記制御要求に対応する前記制御命令を送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器管理システム。
【請求項4】
前記管理装置には、現在時刻を表す時刻情報を取得するタイマ部が設けられており、
前記情報記憶部は、対象となる前記機器と前記制御命令と実行時刻との組み合わせを含む運転スケジュールを記憶しており、
前記機器制御部は、前記時刻情報が前記運転スケジュールの前記実行時刻に該当すると、当該運転スケジュールの前記制御命令を対象となる前記機器に送信し、
前記管理装置は、前記機器制御部が前記制御指示部から前記制御要求を受けた場合に、当該制御要求を受けた時点の前記時刻情報と当該制御要求とに基づいて新たな運転スケジュールを前記情報記憶部に追加するスケジュール登録部をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の機器管理システム。
【請求項5】
前記情報記憶部は、前記機器の動作状態の履歴を前記時刻情報と共に制御履歴として記憶し、
前記スケジュール登録部は、新たな運転スケジュールを追加する際、前記情報記憶部に記憶されている前記運転スケジュールと前記制御履歴とに基づいて、当該運転スケジュールに反する制御が為された時刻を脱制御時刻として求め、当該脱制御時刻に近づくように前記携帯端末からの前記制御要求を受けた時刻よりも前倒しした時刻を、前記新たな運転スケジュールの実行時刻とすることを特徴とする請求項4に記載の機器管理システム。
【請求項6】
前記携帯端末は、前記管理エリアの地図を表す地図情報を記憶した地図記憶部と、前記地図上で前記端末位置情報と前記機器位置情報とに基づいて探索された巡回経路を提示する経路提示部とをさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の機器管理システム。
【請求項7】
前記経路提示部は、予め設定されている優先項目にて決まる順番で前記機器の前記所定距離以内を前記携帯端末が通るように、前記優先項目に基づいて探索された前記巡回経路を提示することを特徴とする請求項6に記載の機器管理システム。
【請求項8】
前記携帯端末は、予め定められた確認項目を提示する項目提示部と、前記管理者からの操作に応じて前記確認項目ごとに確認済みであることを表すチェックを付けるチェック処理部とをさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれ1項に記載の機器管理システム。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の機器管理システムにおいて前記管理装置または前記携帯端末を構成するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータを、前記情報分析部として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
管理エリアの複数の位置に分散して配置される複数の機器と、前記管理エリアを巡回する管理者に携行される携帯端末と、前記携帯端末と無線通信可能な管理装置とを備え、
前記管理装置は、前記機器でのエネルギーの使用状況を表すエネルギー使用情報を収集する情報収集部と、前記機器の位置を表す機器位置情報および前記エネルギー使用情報を前記機器ごとに記憶する情報記憶部とを有し、
前記携帯端末は、現在位置を表す端末位置情報を取得する位置取得部と、前記管理装置から前記エネルギー使用情報を無線通信により取得する情報取得部と、前記エネルギー使用情報を提示する提示部とを有し、
前記情報記憶部に記憶されている前記エネルギー使用情報の中から前記提示部に提示させる前記エネルギー使用情報を選択する情報分析部が設けられ、前記情報分析部は、前記端末位置情報と前記機器位置情報とに基づいて、前記管理エリアにおいて前記携帯端末から所定距離以内にある前記機器を探索し、当該機器の前記エネルギー使用情報を前記提示部に提示させることを特徴とする機器管理システム。
【請求項2】
前記情報分析部は、前記機器の前記エネルギー使用情報と所定の判断ルールとを用いて当該機器におけるエネルギーの使用状況が適正か否かを判断し、前記使用状況が適正であると判断された場合には当該機器の前記エネルギー使用情報を前記提示部に提示させず、前記使用状況が適正でないと判断された場合に当該機器の前記エネルギー使用情報を前記提示部に提示させることを特徴とする請求項1に記載の機器管理システム。
【請求項3】
前記管理装置と通信可能であって前記機器の動作状態を制御する端末装置が設けられ、
前記管理装置は、前記端末装置に制御命令を送信することにより当該制御命令に従って前記機器の動作状態を制御する機器制御部をさらに有し、
前記携帯端末は、前記管理者からの操作を受け付ける操作入力部と、前記操作入力部の操作に応じた制御要求を前記機器制御部に送信する制御指示部とをさらに有し、
前記機器制御部は、前記制御指示部からの前記制御要求に対応する前記制御命令を送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器管理システム。
【請求項4】
前記管理装置には、現在時刻を表す時刻情報を取得するタイマ部が設けられており、
前記情報記憶部は、対象となる前記機器と前記制御命令と実行時刻との組み合わせを含む運転スケジュールを記憶しており、
前記機器制御部は、前記時刻情報が前記運転スケジュールの前記実行時刻に該当すると、当該運転スケジュールの前記制御命令を対象となる前記機器に送信し、
前記管理装置は、前記機器制御部が前記制御指示部から前記制御要求を受けた場合に、当該制御要求を受けた時点の前記時刻情報と当該制御要求とに基づいて新たな運転スケジュールを前記情報記憶部に追加するスケジュール登録部をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の機器管理システム。
【請求項5】
前記情報記憶部は、前記機器の動作状態の履歴を前記時刻情報と共に制御履歴として記憶し、
前記スケジュール登録部は、新たな運転スケジュールを追加する際、前記情報記憶部に記憶されている前記運転スケジュールと前記制御履歴とに基づいて、当該運転スケジュールに反する制御が為された時刻を脱制御時刻として求め、当該脱制御時刻に近づくように前記携帯端末からの前記制御要求を受けた時刻よりも前倒しした時刻を、前記新たな運転スケジュールの実行時刻とすることを特徴とする請求項4に記載の機器管理システム。
【請求項6】
前記携帯端末は、前記管理エリアの地図を表す地図情報を記憶した地図記憶部と、前記地図上で前記端末位置情報と前記機器位置情報とに基づいて探索された巡回経路を提示する経路提示部とをさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の機器管理システム。
【請求項7】
前記経路提示部は、予め設定されている優先項目にて決まる順番で前記機器の前記所定距離以内を前記携帯端末が通るように、前記優先項目に基づいて探索された前記巡回経路を提示することを特徴とする請求項6に記載の機器管理システム。
【請求項8】
前記携帯端末は、予め定められた確認項目を提示する項目提示部と、前記管理者からの操作に応じて前記確認項目ごとに確認済みであることを表すチェックを付けるチェック処理部とをさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれ1項に記載の機器管理システム。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の機器管理システムにおいて前記管理装置または前記携帯端末を構成するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータを、前記情報分析部として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−244580(P2012−244580A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115960(P2011−115960)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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