説明

機器設定管理システム、機器設定管理方法及び機器設定管理プログラム

【課題】複数の機器に対して設定変更を効率的に行なうための機器設定管理システム、機器設定管理方法及び機器設定管理プログラムを提供する。
【解決手段】機器管理システム30の制御部31は、モード設定管理データになかった新たに接続された機器を対象機器として特定する。制御部31は、特定した対象機器のうちの1つずつ特定して、特定した1つの対象機器に対して設定変更要求の送信処理を実行する。制御部31は、電源がオンになって設定変更を行なった機器の機器識別子を含む設定変更結果を受信した場合には、この機器識別子を含むモード設定管理データにモードオンフラグ及び変更済フラグを記録して、更新処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続されている機器の設定を管理するための機器設定管理システム、機器設定管理方法及び機器設定管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、インターネットを介して通信を行なう機能を備えた機器が存在する(特許文献1参照。)。この文献においては、ユーザ端末からネットワークを介して設定変更依頼が送信されると、機器の設定管理モジュールが設定変更の可否判定を行ない、設定変更可能の場合には、設定変更を実施する。このように機器の設定変更を遠隔操作で行なう技術が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような設定変更が可能な機器においては、出荷する際には、工場設定値等が初期値として設定されている。また、出荷した後であっても、所定の値に設定変更したい場合もある。
【0004】
しかし、機器について設定変更を行なう対象機器が多い場合には、設定変更を管理するシステムの負荷が大きくなる。また、機器の電源がオフされている場合には設定変更を行なうことができないため、機器の電源が入っている状態を予測して、設定変更のための処理する必要がある。また、世界各地に機器を出荷している場合には、各地の時差を考慮する必要もある。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、複数の機器に対して設定変更を効率的に行なうための機器設定管理システム、機器設定管理方法及び機器設定管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ネットワークを介して機器に接続された制御手段と、前記機器を特定する機器識別子と、この機器が属するタイムゾーンを特定するタイムゾーン識別子とを含む機器管理データを記録する機器管理記憶手段と、機器識別子と設定変更フラグとを含む設定管理データを記録する設定管理記憶手段とを備えて、前記機器の設定管理を行なうシステムであって、前記制御手段が、前記機器管理記憶手段に記録された機器管理データの機器識別子と、前記設定管理記憶手段に記録された機器管理データの機器識別子とを比較して前記ネットワークに新たに接続された機器の機器識別子を特定し、この機器識別子と設定状態とを含む設定管理データを前記設定管理記憶手段に記録する新規登録手段と、現地時間が管理検出時刻になったタイムゾーンのタイムゾーン識別子と設定変更フラグとを含む機器管理データの機器識別子を前記設定管理記憶手段において特定する対象機器特定手段と、特定した機器識別子の機器に対して設定変更要求を順次、送信する設定要求送信手段と、設定変更の完了を示す設定変更結果を受信した場合には、この機器の機器識別子を含む設定管理データの設定変更フラグを削除する更新手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の機器設定管理システムにおいて、前記タイムゾーン識別子に対して管理検出時刻を記録した管理検出時刻記録手段と、機器に対して設定変更要求を送信した送信回数と、この機器の機器識別子とを含む回数データを記憶する回数記憶手段と、前記管理検出時刻を変更するための時刻変更閾値を記憶する時刻変更
閾値記憶手段と、変更後の管理検出時刻を決定する時刻算出値を記憶した時刻算出値記憶手段とを更に備え、前記制御手段が、前記設定変更要求を送信したが設定変更できなかった機器の機器識別子を取得した場合には、この機器識別子を含む回数データを前記回数記憶手段において検索し、この機器識別子を含む回数データが記録されていない場合には、この機器識別子を含み送信回数を1とする回数データを前記回数記憶手段に記録し、この機器識別子を含む送信回数データが記録されている場合には、この機器識別子の送信回数データの送信回数を1つ増加して前記回数記憶手段に記録する手段と、前記回数記憶手段に記録した回数データの送信回数が前記時刻変更閾値以上になった場合には、この送信回数の機器識別子に対応するタイムゾーン識別子を前記機器管理記憶手段から取得し、このタイムゾーンの管理検出時刻を前記管理検出時刻記録手段から取得し、この管理検出時刻と前記時刻算出値とから新たな管理検出時刻を算出し、この管理検出時刻を前記管理検出時刻記録手段に記録したことを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の機器設定管理システムにおいて、前記設定変更フラグは、現在の設定状態を示す現状フラグと、過去に設定変更したか否かを示す変更状況フラグとから構成されており、前記対象機器特定手段は、前記管理検出時刻を検出した場合には、予め定めた設定でないことを示す現状フラグが記録されており、かつ変更済でないことを示す変更状況フラグが関連付けられている機器識別子に対して設定変更要求を送信することを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、ネットワークを介して機器に接続された制御手段と、前記機器を特定する機器識別子と、この機器が属するタイムゾーンを特定するタイムゾーン識別子とを含む機器管理データを記録する機器管理記憶手段と、機器識別子と設定変更フラグとを含む設定管理データを記録する設定管理記憶手段とを備えて、前記機器の設定管理を行なう方法であって、前記制御手段が、前記機器管理記憶手段に記録された機器管理データの機器識別子と、前記設定管理記憶手段に記録された機器管理データの機器識別子とを比較して前記ネットワークに新たに接続された機器の機器識別子を特定し、この機器識別子と設定状態とを含む設定管理データを前記設定管理記憶手段に記録する新規登録段階と、現地時間が管理検出時刻になったタイムゾーンのタイムゾーン識別子と設定変更フラグとを含む機器管理データの機器識別子を前記設定管理記憶手段において特定する対象機器特定段階と、特定した機器識別子の機器に対して設定変更要求を順次、送信する設定要求送信段階と、設定変更の完了を示す設定変更結果を受信した場合には、この機器の機器識別子を含む設定管理データの設定変更フラグを削除する更新段階とを実行することを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、ネットワークを介して機器に接続された制御手段と、前記機器を特定する機器識別子と、この機器が属するタイムゾーンを特定するタイムゾーン識別子とを含む機器管理データを記録する機器管理記憶手段と、機器識別子と設定変更フラグとを含む設定管理データを記録する設定管理記憶手段とを備えて、前記機器の設定管理を行なうプログラムであって、前記制御手段を、前記機器管理記憶手段に記録された機器管理データの機器識別子と、前記設定管理記憶手段に記録された機器管理データの機器識別子とを比較して前記ネットワークに新たに接続された機器の機器識別子を特定し、この機器識別子と設定状態とを含む設定管理データを前記設定管理記憶手段に記録する新規登録手段、現地時間が管理検出時刻になったタイムゾーンのタイムゾーン識別子と設定変更フラグとを含む機器管理データの機器識別子を前記設定管理記憶手段において特定する対象機器特定手段、特定した機器識別子の機器に対して設定変更要求を順次、送信する設定要求送信手段、及び設定変更の完了を示す設定変更結果を受信した場合には、この機器の機器識別子を含む設定管理データの設定変更フラグを削除する更新手段として機能させることを要旨とする。
【0011】
(作用)
本発明によれば、制御手段が、機器管理データと機器管理データとを比較して新たに接続された機器の機器識別子を特定して、この機器識別子と設定状態とを含む設定管理データを生成して記録する。制御手段は、現地時間が管理検出時刻になった場合に、このタイムゾーンのタイムゾーン識別子と設定変更フラグとを含む機器管理データの機器識別子を設定管理記憶手段において特定し、この機器識別子の機器に対して設定変更要求を送信する。制御手段は、設定変更が完了した設定変更結果を受信した場合には、この機器の機器識別子を含む設定管理データの設定変更フラグを削除する。このため、制御手段は、新たに接続された機器を自動的に特定し、この機器の設定変更を自動的に行なう。この場合、制御手段は、設定変更する機器の機器識別子を特定し、この機器識別子の機器に対して設定変更要求を順次、送信する。従って、設定変更する対象機器が多数存在する場合であっても、タイムゾーン毎に、機器の設定変更要求を順次、行なうことができるので、システムの処理負荷が一度に大きくなることがない。
【0012】
本発明によれば、制御手段が、設定変更要求を送信したが設定変更できなかった機器の機器識別子に関連付けて、設定変更要求を送信した送信回数を記録する。制御手段は、この送信回数が時間変更閾値以上になった場合には、この機器が属するタイムゾーンの管理検出時刻を変更する。このため、設定変更に複数回失敗した機器に対して、設定変更要求を送信する管理検出時刻を自動的に変更して、再度、設定変更要求を送信することができる。従って、設定変更できなかった時刻とは別の時刻に設定変更要求を送信するので、これまで設定変更に失敗した機器について自動的に設定変更を行なえる可能性を高くできる。
【0013】
本発明によれば、制御手段は、現状フラグ及び変更状況フラグに基づいて、設定変更要求を送信するか否かを判断する。このため、制御手段は、現在の設定状態が設定変更要求に応じて変更した設定状態でなくても、過去に設定変更要求が送信されていた機器については、設定変更要求を行なわない。従って、制御手段は、設定変更要求を送信して変更した機器について、その後に個別に設定が変更された場合には、その設定を維持することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の機器に対して設定変更を効率的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態におけるシステムの概略構成図。
【図2】データ記憶部に記録されたデータ構成を説明する説明図であり、(a)は機器管理データ記憶部、(b)はモード設定管理データ記憶部。
【図3】機器設定管理処理の処理手順を説明するための流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。本実施形態においては、複合機の機能設定を管理する機器設定管理システム、機器設定管理方法及び機器設定管理プログラムについて説明する。本実施形態では、通知モードをオンにして、「トナー切れ」を通知する機能を設定する場合を想定する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態における機器設定管理システムとしての機器管理システム30は、世界各地に設定された複合機11,15の設定を管理する。複合機11は、顧客ネットワークに接続されたネットワーク中継機器12を介してインターネットに接続されている。複合機15は、ネットワーク中継機器16を内蔵し、このネットワーク中継機器16を介してインターネットに接続されている。
【0018】
複合機11,15は、複写機能、印刷機能及びファクシミリ機能を備えている。更に、複合機11,15は、ネットワークやインターネットを介してデータを送受信する通信機能を備えている。この通信機能によって、複合機11,15は、設定変更要求を受信したり設定変更結果を送信したりする。この複合機11,15は、設定変更要求に応じて各機能の変更を行なう設定変更手段を備えている。本実施形態では、この設定変更手段は、複合機11,15は電源がオンになっている場合に、設定を変更できる。本実施形態では、設定変更手段は、通知モードをオンにする設定変更要求を受信し、これに応じて通知モードをオンに設定変更し、設定変更が完了した旨を示した設定変更結果を返信する。なお、通知モードがオンに設定されている場合には、複合機11,15は複写や印刷に用いられるトナーの残量「0」を検出すると、この「トナー切れ」メッセージを機器管理システム30に通知する。
【0019】
ネットワーク中継機器12は、顧客のネットワークに接続された各複合機11への設定変更要求を、後述するゲートウェイ20から取得する。更に、このネットワーク中継機器12は、複合機11からの設定変更結果を、インターネットを介して機器管理システム30に送信する。
【0020】
更に、ネットワーク中継機器12は、顧客のネットワークに接続されている複合機11の機器識別子を含む接続機器通知を、機器管理システム30に定期的に送信する。この場合、ネットワーク中継機器12は、顧客識別子及びタイムゾーン識別子を、機器識別子とともに送信する。このため、ネットワーク中継機器12は、顧客識別子とタイムゾーン識別子とに関するデータを記憶している。顧客識別子は、このネットワーク中継機器12が接続されているネットワークを管理している顧客を特定する識別子である。タイムゾーン識別子は、このネットワーク中継機器12が設置されている地域のタイムゾーンを特定する識別子である。
【0021】
更に、ネットワーク中継機器12は、ネットワークに接続されている複合機11の電源のオン・オフの状態を監視している。ネットワーク中継機器12は、設定変更要求に含まれる機器識別子の複合機11が「オン」状態を検知した場合には、この複合機11に対して設定変更要求を転送する。ネットワーク中継機器12は、設定変更要求に含まれる機器識別子の複合機11が「オフ」状態を検知した場合には、設定変更ができない旨を示した設定変更結果を機器管理システム30に送信する。
【0022】
一方、複合機15には、ネットワーク中継機器16が内蔵されている。このネットワーク中継機器16は、この複合機15の機器識別子、顧客識別子及びタイムゾーン識別子を記憶している。そして、ネットワーク中継機器16は、インターネットに接続された場合、接続機器通知を機器管理システム30に送信する。この接続機器通知には、この複合機15の機器識別子、顧客識別子及びタイムゾーン識別子に関するデータが含まれる。更に、ネットワーク中継機器16は、複合機15がオンの場合には、機器管理システム30からの設定変更要求に応じて設定変更を行ない、複合機15がオフの場合には、設定変更ができない旨を示した設定変更結果を機器管理システム30に送信する。
【0023】
これらネットワーク中継機器12,16は、インターネットを介して、ゲートウェイ20とデータの送受信を行なう。ゲートウェイ20は、機器管理システム30とインターネットとの間に設けられている。ゲートウェイ20は、機器管理システム30からの設定変更要求を蓄積する。ゲートウェイ20は、ネットワーク中継機器12,16からの取得要求に応じて、このネットワーク中継機器12が接続されている複合機11、又はネットワーク中継機器16が内蔵されている複合機15への設定変更要求を送信する。
【0024】
本実施形態では、ゲートウェイ20には、予め定められた所定時間(タイムアウト時間)が記憶されている。そして、設定変更要求を蓄積してからタイムアウト時間を経過するまでに、設定変更要求に含まれる機器識別子の機器に接続されているネットワーク中継機器12,16からの取得要求を受信しなかった場合には、ゲートウェイ20は設定変更要求を破棄する。そして、ゲートウェイ20は、設定変更ができない旨を示した設定変更結果を機器管理システム30に送信する。
【0025】
更に、ゲートウェイ20は、各ネットワーク中継機器12,16から接続機器通知や設定変更結果を取得して機器管理システム30に送信する。
このゲートウェイ20に接続されている機器管理システム30は、制御部31、機器管理データ記憶部32、モード設定管理データ記憶部33を備える。ここで、制御部31が制御手段として機能し、機器管理データ記憶部32が機器管理記憶手段として機能し、モード設定管理データ記憶部33が設定管理記憶手段として機能する。
【0026】
制御部31は、CPU、RAMやROM等のメモリ及び時計を備えている。更に、制御部31は、内蔵する時計の時刻に対するタイムゾーンの時差をタイムゾーン識別子に関連付けて記憶している。
【0027】
制御部31は、後述する新規機器検出処理を行なうことにより、インターネットを介して新たに接続された複合機11,15の機器識別子を取得し、機器管理データ記憶部32に記録する。更に、制御部31は、後述する機器設定管理処理(新規登録段階、対象機器特定段階、設定要求送信段階及び更新段階等を含む処理)を行なう。そして、このための機器設定管理プログラムを実行することにより、制御部31は、対象機器抽出手段311、設定変更要求手段312、通知受付手段315、データ更新手段316及び通報表示手段317等として機能する。
【0028】
対象機器抽出手段311は、新規登録手段及び対象機器特定手段として機能し、設定変更要求を送信する対象機器を抽出する。本実施形態では、対象機器抽出手段311は、現地時間が管理検出時刻になった場合に、通知モードがオフになっている機器かつ設定変更を過去に行なったことがない機器を、対象機器として抽出する。このため、対象機器抽出手段311は、管理検出時刻に関するデータを記憶している。本実施形態では、この管理検出時刻は、地域に関わらず同じ時刻に設定されている。この管理検出時刻としては、複合機11,15を使用するために電源がオンされていると考えられる時刻(例えば13時)を用いる。
【0029】
設定変更要求手段312は、設定要求送信手段として機能し、抽出された対象機器のうち、設定変更要求を送信する機器に対して、順次、設定変更要求を送信する。本実施形態では、設定変更要求手段312は、直近に送信した設定変更要求の送信時刻に関するデータを記録する送信時刻記憶手段を備えている。更に、設定変更要求手段312は、設定変更要求を送信する間隔に関する送信間隔(例えば2秒)に関するデータを記憶している。設定変更要求手段312は、設定変更要求を送信する場合、この送信時刻記憶手段に記録された送信時刻から送信間隔以上の時間が経過しているか否かを確認する。設定変更要求手段312は、送信間隔以上の時間が経過していた場合には、すぐに設定変更要求を送信し、送信間隔より少ない時間しか経過していなかった場合には、経過した後に設定変更要求を送信する。
【0030】
通知受付手段315は、設定変更要求の返信である設定変更結果を受信する処理を実行する。
データ更新手段316は、設定変更結果に応じて、モード設定管理データ記憶部33のデータを更新する処理を実行する。
通報表示手段317は、各機器(複合機11,16)のモード設定管理データ記憶部33のデータ等を、後述する管理者端末に表示する処理を実行する。
【0031】
一方、機器管理データ記憶部32には、図2(a)に示すように、機器を管理するための機器管理データ320が記録されている。この機器管理データ320は、制御部31が新たに接続された機器を検出した場合に記録される。この機器管理データ320には、機器識別子、顧客識別子、タイムゾーン識別子に関するデータが含まれる。
【0032】
機器識別子データ領域には、管理する機器(複合機11,15)を特定するための識別子(機器識別子)に関するデータが記録される。
顧客識別子データ領域には、この機器を使用する顧客を特定するための識別子(機器識別子)に関するデータが記録される。
【0033】
タイムゾーン識別子データ領域には、この機器が設置された地域(複合機11の場合にはネットワーク中継機器12が設定された地域)のタイムゾーンを特定するための識別子(タイムゾーン識別子)に関するデータが記録される。
【0034】
更に、モード設定管理データ記憶部33には、図2(b)に示すように、機器の設定変更を管理するためのモード設定管理データ330が記録されている。このモード設定管理データ330は、後述するモード設定管理データの新規登録処理が行なわれた場合に記録される。このモード設定管理データ330には、機器識別子、モードフラグ及び変更状況フラグに関するデータが含まれる。
【0035】
機器識別子データ領域には、管理する機器(複合機11,15)を特定するための識別子(機器識別子)に関するデータが記録される。
モードフラグデータ領域には、この機器の通知モードがオンになっているか又はオフになっているかを示すフラグ(モードフラグ)が記録される。このモードフラグが、本実施形態では、現在の設定状態を示す現状フラグとして機能する。本実施形態では、後述する新規登録処理を行なった場合には、このモードフラグデータ領域には、通知モードがオフであることを示すフラグ(モードオフフラグ)が記録される。更に、本実施形態では、設定変更要求に応じて設定変更が完了した旨を示した設定変更結果を受信した場合には、このモードフラグデータ領域には、通知モードがオンになったことを示すフラグ(モードオンフラグ)が記録される。
【0036】
変更状況フラグデータ領域には、この機器においてモードをオンにする設定変更を過去に行なったか否かを示す変更状況フラグが記録される。本実施形態では、新規登録処理を行なった場合には、この変更状況フラグデータ領域には、まだ設定変更をしていないことを示すフラグ(未変更フラグ)が記録される。設定変更要求に応じて設定変更が完了した旨を示した設定変更結果を受信した場合には、この変更状況フラグデータ領域には、未変更フラグが削除され、変更済を示すフラグ(変更済フラグ)が記録される。
【0037】
更に、本実施形態の機器管理システム30には、管理者端末(図示せず)が接続されている。この管理者端末は、ディスプレイからなる表示手段、キーボードやポインティングデバイスからなる操作手段等を備えている。この表示手段には、各複合機11,15の情報やモード設定状態が表示される。また、操作手段を介して、機器管理データ320やモード設定管理データ330の新規登録、削除及び変更を行なうことができる。
【0038】
次に、以上のように構成されたシステムを用いて新規機器検出処理を行なう手順を説明する。
ネットワーク中継機器12は、顧客ネットワークに接続されている複合機11の機器識
別子を定期的に取得する。そして、ネットワーク中継機器12は、取得した機器識別子を含む接続機器通知を機器管理システム30に送信する。この接続機器通知には、顧客識別子及びタイムゾーン識別子に関するデータが含まれる。この場合、顧客のネットワークに新たな複合機11が接続されている場合には、ネットワーク中継機器12は、この複合機11の機器識別子に関するデータを接続機器通知に含める。
【0039】
一方、複合機15が新たにインターネットに接続された場合には、この複合機15に内蔵されたネットワーク中継機器16が、この複合機15の機器識別子、顧客識別子及びタイムゾーン識別子に関するデータを含む接続機器通知を機器管理システム30に送信する。
【0040】
機器管理システム30は、接続機器通知を取得すると、機器管理データの更新処理を実行する。具体的には、機器管理システム30の制御部31は、取得した接続機器通知に含まれる機器識別子、顧客識別子及びタイムゾーン識別子と、機器管理データ記憶部32に記憶している機器識別子、顧客識別子及びタイムゾーン識別子とをそれぞれ比較する。比較した結果、制御部31は、機器管理データ記憶部32に記録された機器管理データ320に、取得した接続機器通知に含まれる機器識別子がない場合には、この機器識別子を含む機器管理データ320を生成して機器管理データ記憶部32に記録する。この場合、制御部31は、この機器管理データ320に、この機器識別子に関連付けられていた顧客識別子及びタイムゾーン識別子を含める。
【0041】
(機器設定管理処理)
次に、機器設定管理処理について、図3を用いて説明する。この場合、機器管理システム30は、内蔵する時計の時刻に基づいて、1時間毎に、この機器設定管理処理を実行する。ただし、先の機器設定管理処理が終わっていない場合には、先の機器設定管理処理を引き続き実行する。そして、先の機器設定管理処理の終了に続けて次の機器設定管理処理を実行する。
【0042】
まず、機器管理システム30の制御部31は、現地時間が管理検出時刻となったタイムゾーンに存在する機器の抽出処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部31の対象機器抽出手段311は、内蔵する時計から現在時刻を取得し、この現在時刻とタイムゾーン識別子に応じた時差から、管理検出時刻になったタイムゾーンのタイムゾーン識別子を特定する。対象機器抽出手段311は、特定したタイムゾーン識別子を含む機器管理データ320を機器管理データ記憶部32から抽出する。
【0043】
次に、機器管理システム30の制御部31は、モードがオフ、かつ過去にモード設定変更したことがない機器の抽出処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部31の対象機器抽出手段311は、ステップS1−1で抽出した機器管理データ320の機器識別子を含むモード設定管理データ330をモード設定管理データ記憶部33から抽出する。次に、対象機器抽出手段311は、抽出したモード設定管理データ330のうち、モードフラグデータ領域に「モードオフフラグ」が記録され、かつ変更状況フラグデータ領域に「未変更フラグ」が記録されたモード設定管理データ330を抽出する。次に、対象機器抽出手段311は、これら抽出したモード設定管理データ330の機器識別子の機器を、対象機器として特定する。
【0044】
次に、機器管理システム30の制御部31は、新たに接続された機器の抽出処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部31の対象機器抽出手段311は、管理検出時刻になったタイムゾーンのタイムゾーン識別子を含む機器管理データ320の機器識別子と、モード設定管理データ330の機器識別子とを比較する。そして、対象機器抽出手段311は、機器管理データ320の機器識別子のうち、モード設定管理データ33
0に含まれていない機器識別子を対象機器として特定する。
【0045】
次に、機器管理システム30の制御部31は、モード設定管理データの新規登録処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部31の対象機器抽出手段311は、ステップS1−3において特定した機器識別子を含むモード設定管理データ330をモード設定管理データ記憶部33に記録する。この場合、対象機器抽出手段311は、このモード設定管理データ330のモードフラグデータ領域に「モードオフフラグ」を記録し、かつ変更状況フラグデータ領域に「未変更フラグ」を記録する。
【0046】
そして、機器管理システム30の制御部31は、ステップS1−2及びS1−3において特定した各対象機器について、以下のステップS1−5〜S1−7の処理を繰り返して実行する。ここで、制御部31は、まず、抽出した対象機器のうち1つずつ対象機器を、予め定めた順番で特定する。例えば、機器識別子のアルファベットや数字順等に基づいて特定する。そして、制御部31は、特定した1つの対象機器に対して、設定変更要求の送信処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部31の設定変更要求手段312は、特定した機器識別子の機器に対して、モード設定をオンにする設定変更要求を送信する。この設定変更要求には、特定した機器識別子が含まれる。
【0047】
ここで、制御部31は、前回の設定変更要求を送信してからの経過時間が予め定めた送信間隔(例えば2秒)以上になっていない場合には、送信間隔以上の時間が経過した後に、設定変更要求を送信する。具体的には、制御部31の設定変更要求手段312は、設定変更要求の送信を決定した現在時刻が、メモリに記録した前回送信時刻に対して送信間隔以上、離れている場合には、すぐに設定変更要求を送信する。また、設定変更要求手段312は、設定変更要求の送信を決定した現在時刻が、前回送信時刻に対して送信間隔よりも近い時間しか経過していない場合には、送信間隔時間が経過してから設定変更要求を送信する。
【0048】
機器管理システム30が送信した設定変更要求は、ゲートウェイ20に蓄積される。ゲートウェイ20は、タイムアウト時間内に各ネットワーク中継機器12,16からの取得要求があった場合には、設定変更要求を送信する。ネットワーク中継機器12,16は、設定変更要求を受信する。
【0049】
ここで、ネットワーク中継機器12は、受信した設定変更要求に含まれる機器識別子の複合機11の電源がオンの場合には、複合機11に対して設定変更要求を送信する。複合機11は、この設定変更要求を受信し、これに応じて通知モードをオンにする設定変更を行なう。そして、この設定変更を完了した場合、複合機11は、設定変更が完了した旨の設定変更結果を、ネットワーク中継機器12を介して機器管理システム30に送信する。この場合、設定変更結果には、この複合機11の機器識別子が含まれる。
【0050】
一方、受信した設定変更要求に含まれる機器識別子の複合機11の電源がオフの場合には、ネットワーク中継機器12は、設定変更ができなかった旨の設定変更結果を機器管理システム30に送信する。なお、この設定変更結果には、この複合機11の機器識別子が含まれる。
【0051】
また、複合機15は、電源がオンの場合には、ネットワーク中継機器16が取得した設定変更要求に応じて、通知モードをオンにする設定変更を行なう。そして、複合機15は、この設定変更を完了した場合、設定変更が完了した旨の設定変更結果を、ネットワーク中継機器16を介して機器管理システム30に送信する。この場合、設定変更結果には、この複合機11の機器識別子に関するデータが含まれる。
【0052】
一方、複合機15の電源がオフの場合には、ネットワーク中継機器16は、設定変更ができなかった旨の設定変更結果を機器管理システム30に送信する。なお、この設定変更結果には、この複合機11の機器識別子に関するデータが含まれる。
【0053】
なお、ゲートウェイ20が、タイムアウト時間内に、ネットワーク中継機器12,16から取得要求がなかった場合には、この設定変更要求を破棄し、この設定変更ができなかった旨の設定変更結果を機器管理システム30に送信する。
【0054】
以上により、機器管理システム30の制御部31は、設定変更結果を受信する。
次に、機器管理システム30の制御部31は、対象機器の電源がオンになっているか否かを判定する(ステップS1−6)。ここで、制御部31は、設定変更が完了した旨の設定変更結果を受信した場合には、対象機器の電源がオンになっていると判定する。
【0055】
この場合(ステップS1−6において「YES」の場合)、機器管理システム30の制御部31は、対象機器のモード設定管理データの更新処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部31のデータ更新手段316は、設定変更が完了した旨の設定変更結果に含まれていた機器識別子を含むモード設定管理データ330を抽出する。データ更新手段316は、抽出したモード設定管理データ330のモードフラグデータ領域に、モードオンフラグを記録する。更に、データ更新手段316は、このモード設定管理データ330の変更状況フラグデータ領域に変更済フラグを記録する。この場合、未変更フラグが削除される。
【0056】
一方、設定変更ができなかった旨の設定変更結果を受信した場合には、対象機器の電源がオフになっていると判定する。
この場合(ステップS1−6において「NO」の場合)、又はステップS1−7を終了した場合には、機器管理システム30の制御部31は、設定変更要求を送信していない対象機器が他に存在するか否かを判定する(ステップS1−8)。
【0057】
ここで、ステップS1−2及びS1−4において抽出した機器識別子のうち設定変更要求を送信していない対象機器が他に存在すると判定した場合(ステップS1−8において「YES」)には、機器管理システム30の制御部31は、ステップS1−5〜S1−8の処理を繰り返して実行する。
【0058】
一方、対象機器が他に存在していない場合(ステップS1−8において「NO」の場合)には、機器管理システム30の制御部31は、機器設定管理処理の実行を終了する。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0059】
・ 本実施形態では、機器管理システム30の制御部31は、新たに接続された機器を対象機器として特定する(ステップS1−3)。制御部31は、対象機器の中から1つずつ特定し、特定した1つの対象機器に対して設定変更要求を順次、送信する(ステップS1−5)。制御部31は、電源がオンになって設定変更を行なった機器の機器識別子を含む設定変更結果を受信した場合には、この機器識別子を含むモード設定管理データ330にモードオンフラグ及び変更済フラグを記録して、更新処理を実行する(ステップS1−7)。このため、制御部31は、新たに接続された複合機11,15に対して、設定変更を自動的に行なうことができる。更に、制御部31は、設定変更する対象機器が多数存在する場合であっても、複合機11,15の設定変更要求を順番に送信するので、機器管理システム30における処理負荷が一度に大きくなることがない。
【0060】
・ 本実施形態では、新たに接続された機器を対象機器として特定する場合(ステップS1−3)、機器管理システム30の制御部31は、現地時間が管理検出時刻であるタイ
ムゾーンのタイムゾーン識別子を含む機器管理データ320の機器識別子と、モード設定管理データ330の機器識別子とを比較する。このため、制御部31は、タイムゾーン毎に新たに接続された機器を特定して新規登録処理(ステップS1−4)を実行するので、処理負荷を分散させることができる。
【0061】
・ 本実施形態では、機器管理システム30の制御部31は、設定変更要求の送信処理(ステップS1−5)において、前回の設定変更要求を送信してからの時間が予め定めた送信間隔(例えば2秒)以上経過していない場合には、送信間隔以上の時間が経過した後に、設定変更要求を送信する。このため、制御部31は、送信間隔毎にしか設定変更要求を送信しないので、機器管理システム30の負荷をより分散させることができる。
【0062】
・ 本実施形態では、機器管理システム30の制御部31は、モードフラグと変更状況フラグとに基づいて、設定変更要求を送信するか否かを判断する。このため、制御部31は、新たに接続された対象機器として検出したときに設定変更要求を送信できなかった場合や対象機器の電源がオフで設定変更できなかった場合であっても、次の管理検出時刻における処理において、再度、設定変更要求を送信して、自動的に設定変更を試みることができる。
【0063】
・ 本実施形態では、機器管理システム30には、管理者端末が接続されている。この管理者端末において、機器管理データ320やモード設定管理データ330の新規登録、削除及び変更を行なうことができる。このため、通知モードをオフにして使用する機器が予め把握できている場合には、この管理者端末を介して、モード設定管理データ記憶部33に、この機器の機器識別子を含むモード設定管理データ330を登録することができる。この場合、制御部31は、モード設定管理データ330のモードフラグデータ領域にモードオフフラグを記録し、変更状況データ領域に変更済フラグを含める。制御部31は、モードオフフラグが記録されていても、変更済フラグが記録されている機器は対象機器として抽出しない。従って、通知モードをオフにする機器については、設定変更されないようにできるとともに、不要な設定変更要求を送信しないので、機器管理システム30の負荷を軽減することができる。
【0064】
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態においては、各タイムゾーンで同じ管理検出時刻を用いた。これに限らず、タイムゾーン毎に、管理検出時刻を変更してもよい。例えば、対象機器が多いタイムゾーンが続く場合には、このうちの1のタイムゾーンの機器設定管理処理を行なう世界標準時刻と、対象機器が少ないタイムゾーンの機器設定管理処理を行なう世界標準時刻とが入れ替わるように、各タイムゾーンの管理検出時刻を設定してもよい。
【0065】
更に、管理検出時刻を、状況によって変更してもよい。例えば、同じ機器に対して設定変更要求を複数回行なっても、設定変更できない場合には、このタイムゾーンの管理検出時刻を変更してもよい。具体的には、機器管理システム30に、管理検出時刻記録手段、回数記憶手段、時刻変更閾値記憶手段及び時刻算出値記憶手段を設ける。管理検出時刻記録手段には、タイムゾーン識別子に対して管理検出時刻を記録する。回数記憶手段には、機器に対して設定変更要求を送信した送信回数と、この機器の機器識別子とを含む回数データを記憶する。時刻変更閾値記憶手段には、管理検出時刻を変更するための時刻変更閾値を記憶する。時刻算出値記憶手段には、変更後の管理検出時刻を決定する時刻算出値を記憶する。ここで、時刻算出値としては、例えば、現在の管理検出時刻に対して変更する間隔時間(例えば、6時間)を用いてもよいし、予め定めた第の管理検出時刻を用いてもよい。
【0066】
機器管理システム30の制御部31は、設定変更できなかった機器の機器識別子を含む
設定変更結果を受信した場合には、この機器識別子を含む回数データを回数記憶手段において検索する。制御部31は、この機器識別子を含む回数データが記録されていない場合には、この機器識別子を含み送信回数を「1」とする回数データを回数記憶手段に記録する。また、制御部31は、この機器識別子を含む送信回数データが記録されている場合には、この機器識別子の送信回数データの送信回数を1つ増加して回数記憶手段に記録する。
【0067】
そして、この回数記憶手段に記録した回数データの送信回数が時刻変更閾値以上になった場合には、管理検出時刻を変更する。具体的には、制御部31は、時刻変更閾値以上になった送信回数の機器識別子に対応するタイムゾーン識別子を機器管理記憶手段から取得し、このタイムゾーンの管理検出時刻を管理検出時刻記録手段から取得する。制御部31は、この管理検出時刻と時刻算出値とから新たな管理検出時刻を算出し、この管理検出時刻を前記管理検出時刻記録手段に記録する。このため、設定変更に複数回失敗した機器に対して、設定変更要求を送信する管理検出時刻を自動的に変更して、再度、設定変更要求を送信することができる。従って、これまで設定変更できなかった時刻とは別の時刻に設定変更要求を送信するので、この機器について設定変更の可能性を高くすることができる。
【0068】
○ 上記実施形態においては、機器管理システム30の制御部31は、すべての複合機11,15に対して、通知モードをオンにする設定変更要求を送信した。これに限らず、顧客毎に同じ設定に変更してもよい。具体的には、モード設定管理データの新規登録処理(ステップS1−4)において、制御部31は、顧客の他の機器の設定状態を取得する。具体的には、制御部31の対象機器抽出手段311は、ステップS1−3において特定した機器識別子を含む機器管理データ320の顧客識別子を特定する。対象機器抽出手段311は、この顧客識別子を含む機器管理データ320の機器識別子を特定し、これら機器識別子を含む機器管理データ320を抽出し、モードフラグ及び変更状況フラグを取得する。この場合、すべての機器管理データ320にモードオフフラグ及び変更済フラグが記録されていた場合には、対象機器抽出手段311は、これら記録されていたフラグと同じフラグ(モードオフフラグ及び変更済フラグ)を含むモード設定管理データ330を記録する。これにより、通知モードをオフにしている顧客に対しては、新たに接続した機器の設定を自動的に他の機器の設定と同じにすることができる。
【0069】
○ 上記実施形態においては、ステップS1−1〜S1−4において対象機器を抽出した後、この対象機器に対して1つずつ設定変更要求を送信した。これに代えて、対象機器の抽出を1台ずつ行なってもよい。具体的には、制御部31は、ステップS1−2において対象機器を1台ずつ抽出して、ステップS1−5〜S1−8を実行する。そして、モードがオフで過去にモード設定変更したことがない機器のすべてについて設定変更要求を行なった場合には、新たに接続された機器を1台ずつ抽出して、ステップS1−5〜S1−8を実行する。この場合には、先に新規機器としてモード設定管理データ330が記録された機器識別子の機器に対して優先的に設定変更要求を送信することができる。
【0070】
なお、上記実施形態では、機器管理システム30の制御部31は、設定変更結果を受信した後、他の対象機器に対して設定変更要求を送信するとして説明した。これに代えて、設定変更結果を受信したか否かに関わらず、設定変更要求を順次送信してもよい。
【0071】
○ 上記実施形態においては、先の機器設定管理処理が終わっていない場合には、この処理が終わったときに次の機器設定管理処理を実行した。これに限らず、機器設定管理処理を開始してから1時間が経過した場合には、実行していた機器設定管理処理を打ち切って、新たな機器設定管理処理を開始してもよい。
【0072】
○ 上記実施形態においては、通知モードをオンにする設定変更を行なう場合について説明した。これに限らず、機器がネットワークを介して取得した設定変更要求に応じて変更可能な設定であれば、どのような内容の設定変更にしてもよい。
【0073】
○ 上記実施形態においては、複合機11,15の設定変更を行なう管理対象として説明した。設定変更を行なう管理対象の機器は、通信機能を備え、外部からの要求に応じて設定変更が可能なものであれば、これに限られない。例えば、コンピュータ端末を管理対象としてもよい。
【符号の説明】
【0074】
11,15…複合機、12,16…ネットワーク中継機器、20…ゲートウェイ、30…機器管理システム、31…制御部、32…機器管理データ記憶部、33…モード設定管理データ記憶部、311…対象機器抽出手段、312…設定変更要求手段、315…通知受付手段、316…データ更新手段、317…通報表示手段、320…機器管理データ、330…モード設定管理データ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0075】
【特許文献1】特開2007−214853号公報(図2及び図3)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して機器に接続された制御手段と、
前記機器を特定する機器識別子と、この機器が属するタイムゾーンを特定するタイムゾーン識別子とを含む機器管理データを記録する機器管理記憶手段と、
機器識別子と設定変更フラグとを含む設定管理データを記録する設定管理記憶手段と
を備えて、前記機器の設定管理を行なうシステムであって、
前記制御手段が、
前記機器管理記憶手段に記録された機器管理データの機器識別子と、前記設定管理記憶手段に記録された機器管理データの機器識別子とを比較して前記ネットワークに新たに接続された機器の機器識別子を特定し、この機器識別子と設定状態とを含む設定管理データを前記設定管理記憶手段に記録する新規登録手段と、
現地時間が管理検出時刻になったタイムゾーンのタイムゾーン識別子と設定変更フラグとを含む機器管理データの機器識別子を前記設定管理記憶手段において特定する対象機器特定手段と、
特定した機器識別子の機器に対して設定変更要求を順次、送信する設定要求送信手段と、
設定変更の完了を示す設定変更結果を受信した場合には、この機器の機器識別子を含む設定管理データの設定変更フラグを削除する更新手段と
を備えたことを特徴とする機器設定管理システム。
【請求項2】
前記タイムゾーン識別子に対して管理検出時刻を記録した管理検出時刻記録手段と、
機器に対して設定変更要求を送信した送信回数と、この機器の機器識別子とを含む回数データを記憶する回数記憶手段と、
前記管理検出時刻を変更するための時刻変更閾値を記憶する時刻変更閾値記憶手段と、
変更後の管理検出時刻を決定する時刻算出値を記憶した時刻算出値記憶手段と
を更に備え、
前記制御手段が、
前記設定変更要求を送信したが設定変更できなかった機器の機器識別子を取得した場合には、この機器識別子を含む回数データを前記回数記憶手段において検索し、この機器識別子を含む回数データが記録されていない場合には、この機器識別子を含み送信回数を1とする回数データを前記回数記憶手段に記録し、この機器識別子を含む送信回数データが記録されている場合には、この機器識別子の送信回数データの送信回数を1つ増加して前記回数記憶手段に記録する手段と、
前記回数記憶手段に記録した回数データの送信回数が前記時刻変更閾値以上になった場合には、この送信回数の機器識別子に対応するタイムゾーン識別子を前記機器管理記憶手段から取得し、このタイムゾーンの管理検出時刻を前記管理検出時刻記録手段から取得し、この管理検出時刻と前記時刻算出値とから新たな管理検出時刻を算出し、この管理検出時刻を前記管理検出時刻記録手段に記録したことを特徴とする請求項1に記載の機器設定管理システム。
【請求項3】
前記設定変更フラグは、現在の設定状態を示す現状フラグと、過去に設定変更したか否かを示す変更状況フラグとから構成されており、
前記対象機器特定手段は、前記管理検出時刻を検出した場合には、予め定めた設定でないことを示す現状フラグが記録されており、かつ変更済でないことを示す変更状況フラグが関連付けられている機器識別子に対して設定変更要求を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の機器設定管理システム。
【請求項4】
ネットワークを介して機器に接続された制御手段と、
前記機器を特定する機器識別子と、この機器が属するタイムゾーンを特定するタイムゾ
ーン識別子とを含む機器管理データを記録する機器管理記憶手段と、
機器識別子と設定変更フラグとを含む設定管理データを記録する設定管理記憶手段と
を備えて、前記機器の設定管理を行なう方法であって、
前記制御手段が、
前記機器管理記憶手段に記録された機器管理データの機器識別子と、前記設定管理記憶手段に記録された機器管理データの機器識別子とを比較して前記ネットワークに新たに接続された機器の機器識別子を特定し、この機器識別子と設定状態とを含む設定管理データを前記設定管理記憶手段に記録する新規登録段階と、
現地時間が管理検出時刻になったタイムゾーンのタイムゾーン識別子と設定変更フラグとを含む機器管理データの機器識別子を前記設定管理記憶手段において特定する対象機器特定段階と、
特定した機器識別子の機器に対して設定変更要求を順次、送信する設定要求送信段階と、
設定変更の完了を示す設定変更結果を受信した場合には、この機器の機器識別子を含む設定管理データの設定変更フラグを削除する更新段階と
を実行することを特徴とする機器設定管理方法。
【請求項5】
ネットワークを介して機器に接続された制御手段と、
前記機器を特定する機器識別子と、この機器が属するタイムゾーンを特定するタイムゾーン識別子とを含む機器管理データを記録する機器管理記憶手段と、
機器識別子と設定変更フラグとを含む設定管理データを記録する設定管理記憶手段と
を備えて、前記機器の設定管理を行なうプログラムであって、
前記制御手段を、
前記機器管理記憶手段に記録された機器管理データの機器識別子と、前記設定管理記憶手段に記録された機器管理データの機器識別子とを比較して前記ネットワークに新たに接続された機器の機器識別子を特定し、この機器識別子と設定状態とを含む設定管理データを前記設定管理記憶手段に記録する新規登録手段、
現地時間が管理検出時刻になったタイムゾーンのタイムゾーン識別子と設定変更フラグとを含む機器管理データの機器識別子を前記設定管理記憶手段において特定する対象機器特定手段、
特定した機器識別子の機器に対して設定変更要求を順次、送信する設定要求送信手段、及び
設定変更の完了を示す設定変更結果を受信した場合には、この機器の機器識別子を含む設定管理データの設定変更フラグを削除する更新手段
として機能させることを特徴とする機器設定管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−218278(P2010−218278A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64977(P2009−64977)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】