説明

機器識別装置、機器識別システム、機器識別方法、機器識別プログラム、及び記憶媒体

【課題】ネットワークに様々な機器が接続されている場合であっても、機器の識別の失敗を低減する。
【解決手段】ネットワークを介して管理対象機器と接続される機器管理装置200であって、少なくともいずれかの識別情報の一意性が保証されない複数の識別情報である第1識別情報を管理対象機器に要求し、第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得できないことを示す取得不可情報が管理対象機器から応答されると、第2識別情報を管理対象機器に要求する要求部255と、要求部255に第1識別情報が応答された場合、第1識別情報を用いて管理対象機器を識別し、要求部255に第2識別情報が応答された場合、第2識別情報を用いて管理対象機器を識別する識別部256と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器識別装置、機器識別システム、機器識別方法、機器識別プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
機器に登録されているシリアルナンバーを用いて、ネットワークに接続されている機器を識別する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、シリアルナンバーは、通常、機種やメーカーが同一でないと一意性が保証されない。また、シリアルナンバーが仕様により取得できない機器も存在する。従って、上述したような従来技術では、ネットワークに複数の機種が接続されていたり、ネットワークに複数のメーカーの機器が接続されていたりするなど、ネットワークに様々な機器が接続されている場合に、機器の識別に失敗するおそれがある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ネットワークに様々な機器が接続されている場合であっても、機器の識別の失敗を低減することができる機器識別装置、機器識別システム、機器識別方法、機器識別プログラム、及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様にかかる機器識別装置は、ネットワークを介して機器と接続される機器識別装置であって、少なくともいずれかの識別情報の一意性が保証されない複数の識別情報である第1識別情報を前記機器に要求し、前記第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得できないことを示す取得不可情報が前記機器から応答されると、第2識別情報を前記機器に要求する要求部と、前記要求部に前記第1識別情報が応答された場合、前記第1識別情報を用いて前記機器を識別し、前記要求部に前記第2識別情報が応答された場合、前記第2識別情報を用いて前記機器を識別する識別部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の別の態様にかかる機器識別システムは、機器識別装置と当該機器識別装置とネットワークを介して接続される機器とを備える機器識別システムであって、前記機器識別装置は、少なくともいずれかの識別情報の一意性が保証されない複数の識別情報である第1識別情報を前記機器に要求し、前記第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得できないことを示す取得不可情報が前記機器から応答されると、第2識別情報を前記機器に要求する要求部と、前記要求部に前記第1識別情報が応答された場合、前記第1識別情報を用いて前記機器を識別し、前記要求部に前記第2識別情報が応答された場合、前記第2識別情報を用いて前記機器を識別する識別部と、を備え、前記機器は、前記機器識別装置から前記第1識別情報が要求されると、前記第1識別情報を取得できる場合、前記第1識別情報を前記機器識別装置に応答し、前記第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得できない場合、前記取得不可情報を前記機器識別装置に応答し、前記機器識別装置から前記第2識別情報が要求されると、前記第2識別情報を前記機器識別装置に応答する応答部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の別の態様にかかる機器識別方法は、ネットワークを介して機器と接続される機器識別装置で実行される機器識別方法であって、要求部が、少なくともいずれかの識別情報の一意性が保証されない複数の識別情報である第1識別情報を前記機器に要求し、前記第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得できないことを示す取得不可情報が前記機器から応答されると、第2識別情報を前記機器に要求する要求ステップと、識別部が、前記要求部に前記第1識別情報が応答された場合、前記第1識別情報を用いて前記機器を識別し、前記要求部に前記第2識別情報が応答された場合、前記第2識別情報を用いて前記機器を識別する識別ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の別の態様にかかる機器識別プログラムは、上記機器識別方法をコンピュータに実行させるためのものである。
【0009】
また、本発明の別の態様にかかる記憶媒体は、上記機器識別プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能なものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ネットワークに様々な機器が接続されている場合であっても、機器の識別の失敗を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本実施形態の機器管理システムの構成の一例を示す模式図である。
【図2】図2は、本実施形態の機器管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、本実施形態の優先度ファイルの一例を示す図である。
【図4】図4は、本実施形態の機器管理装置の識別情報記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、本実施形態の管理対象機器の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図6は、本実施形態の管理対象機器の識別情報記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
【図7】図7は、本実施形態の管理対象機器の識別情報記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
【図8】図8は、本実施形態の管理対象機器の識別情報記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
【図9】図9は、本実施形態の管理対象機器の識別情報記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
【図10】図10は、本実施形態の機器管理システムで実行される識別情報登録処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本実施形態の機器管理システムで実行される識別処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、本実施形態の機器管理システムで実行される識別処理の具体例を示すシーケンス図である。
【図13】図13は、本実施形態の機器管理システムで実行される識別処理の具体例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる機器識別装置、機器識別システム、機器識別方法、機器識別プログラム、及び記憶媒体の実施形態を詳細に説明する。なお本実施形態では、機器識別システムを機器管理システムに適用した場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
【0013】
まず、本実施形態の機器管理システムの構成について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の機器管理システム100の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、機器管理システム100は、機器管理装置200(機器識別装置の一例)と、管理対象機器300−1〜300−4(機器の一例)とを、備える。
【0015】
機器管理装置200と管理対象機器300−1〜300−4とは、ネットワーク101を介して接続されている。ネットワーク101は、機器管理装置200と管理対象機器300−1〜300−4とを通信可能に接続できればよく、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)などにより実現できる。
【0016】
機器管理装置200は、機器管理サービスを提供するサービス提供会社のサービスセンタに設けられており、サービス拠点に設けられている管理対象機器300−1〜300−4を管理する。但し、機器管理装置200の設置場所は、サービスセンタに限定されず、サービス拠点などであってもよい。サービス拠点は、管理対象機器が設置されているエリアであり、例えば、機器管理サービスを受ける会社の事業所などが該当する。
【0017】
機器管理装置200は、機器管理プログラムや機器識別プログラムがインストールされたPC(Personal Computer)などにより実現できる。管理対象機器300−1〜300−4は、ネットワーク101に接続可能な電子機器であればよく、例えば、印刷装置、複写機、複合機、スキャナ装置、ファクシミリ装置、プロジェクタ、会議システム、及びPCなどが挙げられる。複合機は、複写機能、印刷機能、スキャナ機能、及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有するものである。
【0018】
図1では、管理対象機器として、印刷装置である管理対象機器300−1〜300−3、PCである管理対象機器300−4を例示しているが、管理対象機器はこれらに限定されるものではない。また、管理対象機器300−1〜300−3は、メーカーがそれぞれ異なるものとする。また、管理対象機器300−1〜300−4は、全ての機器が同一サービス拠点に設けられていてもよいし、いずれかの機器が異なるサービス拠点に設けられていてもよい。なお、以下の説明では、管理対象機器300−1〜300−4を各々区別する必要がない場合は、単に管理対象機器300と称する場合がある。
【0019】
図2は、本実施形態の機器管理装置200の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、機器管理装置200は、通信部210と、操作部220と、表示部230と、記憶部240と、制御部250とを、備える。
【0020】
通信部210は、ネットワーク101を介して、管理対象機器300と通信するものであり、通信インタフェースなどの通信装置により実現できる。
【0021】
操作部220は、各種操作の入力を行うものであり、キーボード、マウス、タッチパッド、及びタッチパネルなどの入力装置の少なくともいずれかにより実現できる。
【0022】
表示部230は、各種画面を表示するものであり、液晶ディスプレイやタッチパネル式ディスプレイなどの表示装置により実現できる。
【0023】
記憶部240は、機器管理装置200で実行される機器管理プログラム及び機器識別プログラムなどの各種プログラムや機器管理装置200で行われる各種処理に使用されるデータなどを記憶する。記憶部240は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、光ディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な記憶装置の少なくともいずれかにより実現できる。
【0024】
記憶部240は、優先度ファイル記憶部241と、識別情報記憶部243とを、含む。なお、優先度ファイル記憶部241及び識別情報記憶部243の詳細については、後述する。
【0025】
制御部250は、機器管理装置200の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などの制御装置により実現できる。制御部250は、機器管理部251と、機器識別部253とを、含む。ここで、制御部250は、記憶部240に記憶されている機器管理プログラム、機器識別プログラムを起動(実行)することにより、それぞれ、機器管理部251、機器識別部253をソフトウェアとして実現する。
【0026】
機器管理部251は、管理対象機器300が目的機器であるか否かの識別を機器識別部253に依頼する。具体的には、機器管理部251は、識別対象の管理対象機器300のIPアドレス及び機器名を機器識別部253に通知し、通知したIPアドレスの管理対象機器300が通知した機器名の管理対象機器300(目的機器)であるか否かの識別を依頼する。
【0027】
また機器管理部251は、機器識別部253の識別結果を受け取り、目的機器であると識別された管理対象機器300を管理する。具体的には、機器管理部251は、通知したIPアドレスの管理対象機器300が通知した機器名の管理対象機器300(目的機器)であることを機器識別部253の識別結果が示していれば、当該管理対象機器300から機器情報や故障情報などの管理情報を取得し、記憶部240上で管理する。
【0028】
機器識別部253は、管理対象機器300が目的機器であるか否かを識別するものであり、受付部254と、要求部255と、識別部256とを、含む。
【0029】
受付部254は、機器管理部251から、管理対象機器300が目的機器であるか否かの識別依頼を受け付ける。具体的には、受付部254は、機器管理部251から、識別対象の管理対象機器300のIPアドレス及び機器名を受け付け、通知されたIPアドレスの管理対象機器300が通知された機器名の管理対象機器300(目的機器)であるか否かの識別依頼を受け付ける。
【0030】
要求部255は、少なくともいずれかの識別情報の一意性が保証されない複数の識別情報である第1識別情報を識別対象の管理対象機器300に要求する。具体的には、要求部255は、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300に第1識別情報を要求する。
【0031】
一意性が保証されない識別情報とは、例えば、シリアルナンバーが該当する。シリアルナンバーは、通常、同一機種内で機器を識別するための識別子なので、機種やメーカーが異なれば、シリアルナンバーが重複してしまう可能性がある。本実施形態のように、機種やメーカーが異なる様々な管理対象機器を識別する必要がある場合、シリアルナンバーでは、一意性を保証できない。
【0032】
このため、本実施形態では、一意性が保証されない識別情報と他の識別情報とを組み合わせた第1識別情報を管理対象機器300に要求し、要求した第1識別情報を当該管理対象機器300の識別に用いる。これは、一意性が保証されない識別情報であっても他の識別情報と組み合わせることで一意性が期待できるためである。
【0033】
他の識別情報は、何かしらの識別が可能な情報であればよく、一意性が保証される識別情報であっても一意性が保証されない識別情報であってもよい。本実施形態では、一意性が保証されない識別情報にシリアルナンバーを用い、他の識別情報に機器のモデル名を用いるものとするが、これに限定されるものではない。なお、機器のモデル名は、機器のモデルを識別するための識別子なので、一意性は保証されない。
【0034】
また、要求部255は、第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得できないことを示す取得不可情報が管理対象機器300から応答されると、第2識別情報を当該管理対象機器300に要求する。具体的には、要求部255は、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300から取得不可情報が応答されると、当該管理対象機器300に第2識別情報を要求する。
【0035】
これは、機種やメーカーが異なる様々な管理対象機器の中には、仕様により、シリアルナンバーなどの識別情報を取得できないものも存在するため、識別情報を取得できないことが原因で管理対象機器を識別できなくなってしまうという事態を防止するためである。
【0036】
取得不可情報は、第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得不可能なことを示す情報であればどのようなものであってもよく、例えば、エラーコードなどが該当する。
【0037】
第2識別情報は、第1識別情報と異なる識別情報であればよく、例えば、一意性が保証される識別情報、又はユーザにより予め設定されるユーザ設定情報などが該当する。一意性が保証される識別情報とは、例えば、MAC(Media Access Control)アドレスが該当する。MACアドレスは、NIC(Network Interface Card)に重複無しで割り当てることが仕様で定められているため、一意性が保証される。また、ユーザ設定情報は、ユーザにより予め設定されるコメント文字列などが該当する。
【0038】
なお、要求部255は、後述の優先度ファイルで定義された優先度の高い順に管理対象機器300に識別情報を要求する。従って、要求部255は、優先度ファイルで第1識別情報の優先度が第2識別情報の優先度よりも高く設定されていれば、上述のように、まず、第1識別情報を管理対象機器300に要求し、第1識別情報が応答されなければ、第2識別情報を管理対象機器300に要求する。一方、要求部255は、優先度ファイルで第2識別情報の優先度が第1識別情報の優先度よりも高く設定されていれば、上述と異なり、まず、第2識別情報を管理対象機器300に要求し、第2識別情報が応答されなければ、第1識別情報を管理対象機器300に要求する。
【0039】
ここで、優先度ファイル記憶部241について説明する。優先度ファイル記憶部241は、第1識別情報の優先度と第2識別情報の優先度とを定義した優先度ファイルを記憶する。なお、優先度ファイルでは、識別における信頼度が高い識別情報の優先度を高く設定することが好ましく、本実施形態では、第1識別情報の優先度を第2識別情報の優先度よりも高く設定している。
【0040】
図3は、本実施形態の優先度ファイルの一例を示す図である。図3に示す例では、優先度ファイルは、XML(Extensible Markup Language)形式のファイルとなっており、優先度をXMLで定義している。図3に示す例では、シリアルナンバー及びモデル名のペア(第1識別情報の一例)の優先度が“1”、MACアドレス(第2識別情報の一例)の優先度が“2”となっており、シリアルナンバー及びモデル名のペアの優先度が、MACアドレスの優先度よりも高くなっている。
【0041】
MACアドレスが割り当てられているNICは、特にPCの場合、入れ替えが容易であるため、MACアドレスを識別情報に用いるとNICが入れ替えられたことを原因とする誤識別が生じる可能性がある。このような理由で、本実施形態では、シリアルナンバー及びモデル名のペアの優先度を、MACアドレスの優先度よりも高くしている。
【0042】
ここで、識別情報記憶部243について説明する。識別情報記憶部243は、管理対象機器毎に第1識別情報及び第2識別情報の少なくともいずれかを記憶する。識別情報記憶部243に記憶されている識別情報は、管理対象機器300から事前に取得されて登録されたものである。識別情報記憶部243への識別情報の登録については、後述する。なお、識別情報記憶部243は、機器管理装置200外部のデータベースであってもよい。
【0043】
図4は、本実施形態の識別情報記憶部243に記憶されている情報の一例を示す図である。図4に示す例では、識別情報記憶部243は、管理対象機器300の機器名と識別情報とを対応付けたテーブルをファイル形式で記憶している。ここでは、管理対象機器300−1の機器名が“D”、管理対象機器300−2の機器名が“E”、管理対象機器300−3の機器名が“F”、管理対象機器300−4の機器名が“G”であるものとするが、これに限定されるものではない。
【0044】
機器名“D”には、識別情報(第1識別情報)として、シリアルナンバー“S12345”及びモデル名“AAA model D”が対応付けられている。機器名“E”には、識別情報(第1識別情報)として、シリアルナンバー“S12345”及びモデル名“BBB model E”が対応付けられている。機器名“F”には、識別情報(第1識別情報の一部)として、モデル名“CCC model F”が対応付けられているとともに、識別情報(第2識別情報)として、MACアドレス“CC:CC:CC:00:00:01”が対応付けられている。機器名“G”には、識別情報(第2識別情報)として、MACアドレス“DD:DD:DD:00:00:02”が対応付けられている。
【0045】
図4に示す例では、管理対象機器300−1(機器名“D”)及び管理対象機器300−2(機器名“E”)のシリアルナンバーはいずれも同一であるが、モデル名が互いに異なっているため、シリアルナンバーにモデル名を組み合わせて識別に用いることにより、管理対象機器300−1と管理対象機器300−2とを異なる機器として識別できる。
【0046】
識別部256は、要求部255に第1識別情報が応答された場合、当該第1識別情報を用いて管理対象機器300を識別し、要求部255に第2識別情報が応答された場合、当該第2識別情報を用いて管理対象機器300を識別する。
【0047】
具体的には、識別部256は、要求部255に第1識別情報が応答された場合、受付部254により受け付けられた機器名の管理対象機器300の第1識別情報を識別情報記憶部243から取得し、要求部255に応答された第1識別情報と識別情報記憶部243から取得した第1識別情報とが一致するか否かを判定する。本実施形態では、識別部256は、要求部255に応答されたシリアルナンバー、モデル名が、それぞれ、識別情報記憶部243から取得したシリアルナンバー、モデル名と一致するか否かを判定する。そして識別部256は、両第1識別情報が一致する場合、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300が受付部254により受け付けられた機器名の管理対象機器300(目的機器)であると識別し、その旨を示す識別結果を機器管理部251に通知する。
【0048】
同様に、識別部256は、要求部255に第2識別情報が応答された場合、受付部254により受け付けられた機器名の管理対象機器300の第2識別情報を識別情報記憶部243から取得し、要求部255に応答された第2識別情報と識別情報記憶部243から取得した第2識別情報とが一致するか否かを判定する。本実施形態では、識別部256は、要求部255に応答されたMACアドレスが、識別情報記憶部243から取得したMACアドレスと一致するか否かを判定する。そして識別部256は、両第2識別情報が一致する場合、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300が受付部254により受け付けられた機器名の管理対象機器300(目的機器)であると識別し、その旨を示す識別結果を機器管理部251に通知する。
【0049】
なお、機器管理装置200は、上述した各部の全てを必須の構成とする必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0050】
図5は、本実施形態の管理対象機器300の構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、管理対象機器300は、通信部310と、操作部320と、表示部330と、記憶部340と、制御部350とを、備える。
【0051】
通信部310は、ネットワーク101を介して、機器管理装置200と通信するものであり、通信インタフェースなどの通信装置により実現できる。
【0052】
操作部320は、各種操作の入力を行うものであり、キーボード、マウス、タッチパッド、及びタッチパネルなどの入力装置の少なくともいずれかにより実現できる。
【0053】
表示部330は、各種画面を表示するものであり、液晶ディスプレイやタッチパネル式ディスプレイなどの表示装置により実現できる。
【0054】
記憶部340は、管理対象機器300で実行される各種プログラムや管理対象機器300で行われる各種処理に使用されるデータなどを記憶する。記憶部340は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、光ディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な記憶装置の少なくともいずれかにより実現できる。
【0055】
記憶部340は、識別情報記憶部341を含む。なお、識別情報記憶部341の詳細については、後述する。
【0056】
制御部350は、管理対象機器300の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などの制御装置により実現できる。制御部350は、応答部351を含む。
【0057】
ここで、識別情報記憶部341について説明する。識別情報記憶部341は、自身の第1識別情報及び第2識別情報の少なくともいずれかを記憶する。
【0058】
図6は、本実施形態の管理対象機器300−1の識別情報記憶部341に記憶されている情報の一例を示す図である。図6に示す例では、識別情報記憶部341は、識別情報(第1識別情報)として、シリアルナンバー“S12345”及びモデル名“AAA model D”を記憶している。
【0059】
図7は、本実施形態の管理対象機器300−2の識別情報記憶部341に記憶されている情報の一例を示す図である。図7に示す例では、識別情報記憶部341は、識別情報(第1識別情報)として、シリアルナンバー“S12345”及びモデル名“BBB model E”を記憶している。
【0060】
図8は、本実施形態の管理対象機器300−3の識別情報記憶部341に記憶されている情報の一例を示す図である。図8に示す例では、識別情報記憶部341は、識別情報(第1識別情報の一部)として、モデル名“CCC model F”を記憶しているとともに、識別情報(第2識別情報)として、MACアドレス“CC:CC:CC:00:00:01”を記憶している。ここで、管理対象機器300−3は、識別情報記憶部341にシリアルナンバーを記憶していないが、これは、管理対象機器300−3が仕様によりシリアルナンバーの取得に対応していないためである。但し、管理対象機器300−3は、記憶部340の記憶領域のうちベンダーなどがアクセスできない領域(後述の応答部351がアクセスできない領域)にシリアルナンバーを記憶していてもよい。
【0061】
図9は、本実施形態の管理対象機器300−4の識別情報記憶部341に記憶されている情報の一例を示す図である。図9に示す例では、識別情報記憶部341は、識別情報(第2識別情報)として、MACアドレス“DD:DD:DD:00:00:02”を記憶している。なお、管理対象機器300−4が、識別情報記憶部341にシリアルナンバーを記憶していない理由は、管理対象機器300−3と同様である。
【0062】
応答部351は、機器管理装置200から第1識別情報が要求されると、当該第1識別情報を取得できる場合、当該第1識別情報を機器管理装置200に応答し、当該第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得できない場合、取得不可情報を機器管理装置200に応答する。
【0063】
具体的には、応答部351は、機器管理装置200から第1識別情報が要求されると、識別情報記憶部341に当該第1識別情報が記憶されているか否かを確認し、当該第1識別情報が記憶されていれば、当該第1識別情報を取得して機器管理装置200に送信する。一方、応答部351は、当該第1識別情報のうちいずれかの識別情報が識別情報記憶部341に記憶されていなければ、取得不可情報を機器管理装置200に送信する。
【0064】
また応答部351は、機器管理装置200から第2識別情報が要求されると、当該第2識別情報を機器管理装置200に応答する。具体的には、応答部351は、機器管理装置200から第2識別情報が要求されると、識別情報記憶部341から当該第2識別情報を取得して機器管理装置200に送信する。
【0065】
なお、管理対象機器300は、上述した各部の全てを必須の構成とする必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0066】
次に、本実施形態の機器管理システムの動作について説明する。
【0067】
図10は、本実施形態の機器管理システム100で実行される識別情報登録処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、識別情報記憶部243に識別情報を登録する処理であり、管理対象機器300の識別処理を実行する前に予め行われる。
【0068】
受付部254は、機器管理部251から、登録対象の管理対象機器300のIPアドレス及び機器名を受け付け、通知されたIPアドレスの管理対象機器300の識別情報を、通知された機器名の管理対象機器300の識別情報として登録する旨の登録依頼を受け付ける。
【0069】
この登録依頼を受け付けると、要求部255は、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300に第1識別情報を要求する(ステップS100)。
【0070】
要求部255に第1識別情報が応答された場合(ステップS102でYes)、識別部256は、受付部254により受け付けられた機器名と応答された第1識別情報とを対応付けて機器管理装置200の識別情報記憶部243に格納する(ステップS104)。
【0071】
一方、要求部255に第1識別情報が応答されなかった場合(ステップS102でNo)、即ち、要求部255に取得不可情報が応答された場合、要求部255は、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300に第2識別情報を要求する(ステップS106)。
【0072】
要求部255に第2識別情報が応答された場合(ステップS108でYes)、識別部256は、受付部254により受け付けられた機器名と応答された第2識別情報とを対応付けて識別情報記憶部243に格納する(ステップS110)。
【0073】
一方、要求部255に第2識別情報が応答されなかった場合(ステップS108でNo)、処理は終了となる。
【0074】
図11は、本実施形態の機器管理システム100で実行される識別処理の一例を示すフローチャートである。
【0075】
受付部254は、機器管理部251から、識別対象の管理対象機器300のIPアドレス及び機器名を受け付け、通知されたIPアドレスの管理対象機器300が通知された機器名の管理対象機器300(目的機器)であるか否かの識別依頼を受け付ける。
【0076】
この識別依頼を受け付けると、要求部255は、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300に第1識別情報を要求する(ステップS200)。
【0077】
要求部255に第1識別情報が応答された場合(ステップS202でYes)、識別部256は、識別情報記憶部243に保存(格納)されている識別情報の中から、受付部254により受け付けられた機器名の管理対象機器300の第1識別情報を取得し、要求部255に応答された第1識別情報と識別情報記憶部243から取得した第1識別情報とが一致するか否かを判定する(ステップS204)。
【0078】
両第1識別情報が一致する場合(ステップS204でYes)、識別部256は、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300が受付部254により受け付けられた機器名の管理対象機器300(目的機器)であると識別し(ステップS206)、その旨を示す識別結果を機器管理部251に通知する。
【0079】
一方、両第1識別情報が一致しない場合(ステップS204でNo)、識別部256は、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300が受付部254により受け付けられた機器名の管理対象機器300(目的機器)でないと識別し(ステップS208)、その旨を示す識別結果を機器管理部251に通知する。
【0080】
また、要求部255に第1識別情報が応答されなかった場合(ステップS202でNo)、即ち、要求部255に取得不可情報が応答された場合、要求部255は、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300に第2識別情報を要求する(ステップS210)。
【0081】
要求部255に第2識別情報が応答されなかった場合(ステップS212でNo)、識別部256は、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300が受付部254により受け付けられた機器名の管理対象機器300(目的機器)であるか否か識別できないとし(ステップS214)、その旨を示す識別結果を機器管理部251に通知する。
【0082】
一方、要求部255に第2識別情報が応答された場合(ステップS212でYes)、識別部256は、識別情報記憶部243に保存(格納)されている識別情報の中から、受付部254により受け付けられた機器名の管理対象機器300の第2識別情報を取得し、要求部255に応答された第2識別情報と識別情報記憶部243から取得した第2識別情報とが一致するか否かを判定する(ステップS216)。
【0083】
両第2識別情報が一致する場合(ステップS216でYes)、識別部256は、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300が受付部254により受け付けられた機器名の管理対象機器300(目的機器)であると識別し(ステップS206)、その旨を示す識別結果を機器管理部251に通知する。
【0084】
一方、両第2識別情報が一致しない場合(ステップS216でNo)、識別部256は、受付部254により受け付けられたIPアドレスの管理対象機器300が受付部254により受け付けられた機器名の管理対象機器300(目的機器)でないと識別し(ステップS208)、その旨を示す識別結果を機器管理部251に通知する。
【0085】
図12は、本実施形態の機器管理システム100で実行される識別処理の具体例を示すシーケンス図であり、管理対象機器300−3の識別例を示している。
【0086】
まず、機器管理部251は、識別対象の管理対象機器300−3のIPアドレス“192.168.1.2”及び機器名“F”を機器識別部253に通知し、通知したIPアドレスの管理対象機器300−3の機器名が“F”であるか否かの識別を依頼する(ステップS300)。
【0087】
機器識別部253(受付部254)が、この識別依頼を受け付けると、機器識別部253(要求部255)は、優先度ファイル記憶部241から優先度ファイル(図3参照)を読み込み、識別情報を要求する順番がシリアルナンバー及びモデル名のペア、MACアドレスの順番であることを把握する(ステップS302)。
【0088】
続いて、機器識別部253(要求部255)は、IPアドレス“192.168.1.2”の管理対象機器300−3にシリアルナンバーを要求する(ステップS304)。
【0089】
続いて、管理対象機器300−3(応答部351)は、識別情報記憶部341(図8参照)にシリアルナンバーが記憶されているか否かを確認し、シリアルナンバーが記憶されていないので、取得不可情報を機器管理装置200に応答する(ステップS306)。
【0090】
続いて、機器識別部253(要求部255)は、取得不可情報が応答されたので、IPアドレス“192.168.1.2”の管理対象機器300−3にMACアドレスを要求する(ステップS308)。
【0091】
続いて、管理対象機器300−3(応答部351)は、識別情報記憶部341(図8参照)にMACアドレスが記憶されているか否かを確認し、MACアドレスが記憶されているので、識別情報記憶部341からMACアドレス“CC:CC:CC:00:00:01”を取得し、機器管理装置200に応答する(ステップS310)。
【0092】
続いて、機器識別部253(要求部255)にMACアドレスが応答されると、機器識別部253(識別部256)は、識別情報記憶部243(図4参照)から、機器名“F”の管理対象機器のMACアドレス“CC:CC:CC:00:00:01”を読み込む(ステップS312)。そして、機器識別部253(識別部256)は、応答されたMACアドレスと読み込んだMACアドレスとの両MACアドレスを比較し(ステップS314)、いずれも“CC:CC:CC:00:00:01”であるため、一致すると判定する(ステップS316)。
【0093】
続いて、機器識別部253(識別部256)は、両MACアドレスが一致するため、IPアドレス“192.168.1.2”の管理対象機器300−3の機器名が“F”であると識別し、識別結果として、IPアドレス“192.168.1.2”の管理対象機器300−3の機器名が“F”であることを機器管理部251に通知する(ステップS318)。
【0094】
図13は、本実施形態の機器管理システム100で実行される識別処理の具体例を示すシーケンス図であり、管理対象機器300−1の識別例を示している。
【0095】
まず、機器管理部251は、識別対象の管理対象機器300−1のIPアドレス“192.168.1.1”及び機器名“D”を機器識別部253に通知し、通知したIPアドレスの管理対象機器300−1の機器名が“D”であるか否かの識別を依頼する(ステップS400)。
【0096】
機器識別部253(受付部254)が、この識別依頼を受け付けると、機器識別部253(要求部255)は、優先度ファイル記憶部241から優先度ファイル(図3参照)を読み込み、識別情報を要求する順番がシリアルナンバー及びモデル名のペア、MACアドレスの順番であることを把握する(ステップS402)。
【0097】
続いて、機器識別部253(要求部255)は、IPアドレス“192.168.1.1”の管理対象機器300−1にシリアルナンバーを要求する(ステップS404)。
【0098】
続いて、管理対象機器300−1(応答部351)は、識別情報記憶部341(図6参照)にシリアルナンバーが記憶されているか否かを確認し、シリアルナンバーが記憶されているので、識別情報記憶部341からシリアルナンバー“S12345”を取得し、機器管理装置200に応答する(ステップS406)。
【0099】
続いて、機器識別部253(要求部255)にシリアルナンバーが応答されると、機器識別部253(識別部256)は、識別情報記憶部243(図4参照)から、機器名“D”の管理対象機器のシリアルナンバー“S12345”を読み込む(ステップS408)。そして、機器識別部253(識別部256)は、応答されたシリアルナンバーと読み込んだシリアルナンバーとの両シリアルナンバーを比較し(ステップS410)、いずれも“S12345”であるため、一致すると判定する(ステップS412)。
【0100】
続いて、機器識別部253(要求部255)は、シリアルナンバーが一致したので、IPアドレス“192.168.1.1”の管理対象機器300−1にモデル名を要求する(ステップS414)。
【0101】
続いて、管理対象機器300−1(応答部351)は、識別情報記憶部341(図6参照)にモデル名が記憶されているか否かを確認し、モデル名が記憶されているので、識別情報記憶部341からモデル名“AAA model D”を取得し、機器管理装置200に応答する(ステップS416)。
【0102】
続いて、機器識別部253(要求部255)にモデル名が応答されると、機器識別部253(識別部256)は、識別情報記憶部243(図4参照)から、機器名“D”の管理対象機器のモデル名“AAA model D”を読み込む(ステップS418)。そして、機器識別部253(識別部256)は、応答されたモデル名と読み込んだモデル名との両モデル名を比較し(ステップS420)、いずれも“AAA model D”であるため、一致すると判定する(ステップS422)。
【0103】
続いて、機器識別部253(識別部256)は、両モデル名が一致するため、IPアドレス“192.168.1.1”の管理対象機器300−1の機器名が“D”であると識別し、識別結果として、IPアドレス“192.168.1.1”の管理対象機器300−1の機器名が“D”であることを機器管理部251に通知する(ステップS424)。
【0104】
以上のように本実施形態では、一意性が保証されない識別情報と他の識別情報とを組み合わせた第1識別情報を用いて、管理対象機器を識別する。このため本実施形態によれば、ネットワークに複数の機種が接続されていたり、ネットワークに複数のメーカーの機器が接続されていたりするなど、ネットワークに様々な機器が接続されている場合であっても、一意に機器を識別することが期待でき、機器の識別の失敗を低減できる。
【0105】
また本実施形態では、管理対象機器において第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得できない場合には、第2識別情報を取得して、管理対象機器を識別する。このため本実施形態によれば、仕様により取得できない識別情報が存在する場合であっても、識別情報を取得できないことが原因で管理対象機器を識別できなくなってしまうという事態を防止することができる。
【0106】
また本実施形態では、識別における信頼度が高い識別情報ほど優先度を高くし、優先度が高い識別情報の順に管理対象機器に識別情報を要求する。このため本実施形態によれば、識別における信頼度が高い識別情報を優先して管理対象機器の識別に用いることができる。
【0107】
なお本実施形態では、SNMP(Simple Network Management Protocol)によって公開されているMIB(Management Information Base)情報を用いたり、WS−Managementを用いたりするなどの汎用的な機器管理手法を適用でき、様々な機器に対応するためにベンダー独自のプロトコルやプライベートMIBなど特有の手法を用いる必要がない。但し、このような特有の手法の利用を制限するものでもない。
【0108】
(ハードウェア構成)
上記実施形態の機器識別装置200及び管理対象機器300のハードウェア構成の一例について説明する。上記実施形態の機器識別装置200及び管理対象機器300は、CPUなどの制御装置と、ROMやRAMなどの記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置と、通信インタフェースなどの通信装置と、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0109】
上記実施形態の機器識別装置200で実行される機器識別プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、CD−R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供される。
【0110】
また、上記実施形態の機器識別装置200で実行される機器識別プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、上記実施形態の機器識別装置200で実行される機器識別プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。また、上記実施形態の機器識別装置200で実行される機器識別プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するようにしてもよい。
【0111】
上記実施形態の機器識別装置200で実行される機器識別プログラムは、上述した各部をコンピュータ上で実現させるためのモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては、CPUがHDDから機器識別プログラムをRAM上に読み出して実行することにより、上記各部がコンピュータ上で実現されるようになっている。
【0112】
(変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0113】
例えば、上記実施形態では、第2識別情報としてMACアドレスを用いたが、MACアドレスに代えて前述したユーザ設定情報を用いるようにしてもよいし、MACアドレスに加えて前述したユーザ設定情報を用いるようにしてもよい。このようにすれば、管理対象機器に適切な識別情報が用意されていない場合であっても対応できる。
【0114】
MACアドレスに加えてユーザ設定情報を用いる場合、第2識別情報が複数(2つ)となるため、MACアドレスだけでなくユーザ設定情報にも優先度を設定することになる。MACアドレスの優先度がユーザ設定情報の優先度よりも高い場合、要求部255は、第1識別情報が応答されなければ、MACアドレスを要求し、MACアドレスも応答されなければ、ユーザ設定情報を要求することになる。
【0115】
第2識別情報にユーザ設定情報を用いる場合、ユーザは、管理対象機器300の操作部320を用いて、例えば、“ASSET−0001”などのコメント文字列(ユーザ設定情報)を入力し、制御部350が、入力されたコメント文字列を識別情報記憶部341に格納すればよい。これにより、ユーザ設定情報を識別情報に用いた識別が可能となる。
【0116】
また例えば、上記実施形態では、識別情報の優先度を優先度ファイルにより定義したが、機器識別プログラム内で識別情報の優先度を記述し、この優先度に従って要求部255が識別情報を要求するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0117】
100 機器管理システム
101 ネットワーク
200 機器管理装置
210 通信部
220 操作部
230 表示部
240 記憶部
241 優先度ファイル記憶部
243 識別情報記憶部
250 制御部
251 機器管理部
253 機器識別部
254 受付部
255 要求部
256 識別部
300−1〜300−4(300) 管理対象機器
310 通信部
320 操作部
330 表示部
340 記憶部
341 識別情報記憶部
350 制御部
351 応答部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0118】
【特許文献1】特開2007−249718号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して機器と接続される機器識別装置であって、
少なくともいずれかの識別情報の一意性が保証されない複数の識別情報である第1識別情報を前記機器に要求し、前記第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得できないことを示す取得不可情報が前記機器から応答されると、第2識別情報を前記機器に要求する要求部と、
前記要求部に前記第1識別情報が応答された場合、前記第1識別情報を用いて前記機器を識別し、前記要求部に前記第2識別情報が応答された場合、前記第2識別情報を用いて前記機器を識別する識別部と、
を備えることを特徴とする機器識別装置。
【請求項2】
前記機器が目的機器であるか否かの識別依頼を受け付ける受付部と、
前記第1識別情報を記憶する識別情報記憶部とを、更に備え、
前記識別部は、前記要求部に前記第1識別情報が応答された場合、前記要求部に応答された前記第1識別情報が前記識別情報記憶部に記憶されている前記第1識別情報と一致するか否かを判定し、一致する場合、前記機器が前記目的機器であると識別することを特徴とする請求項1に記載の機器識別装置。
【請求項3】
前記機器が目的機器であるか否かの識別依頼を受け付ける受付部と、
前記第2識別情報を記憶する識別情報記憶部とを、更に備え、
前記識別部は、前記要求部に前記第2識別情報が応答された場合、前記要求部に応答された前記第2識別情報が前記識別情報記憶部に記憶されている前記第2識別情報と一致するか否か判定し、一致する場合、前記機器が前記目的機器であると識別することを特徴とする請求項1に記載の機器識別装置。
【請求項4】
前記第1識別情報の優先度は、前記第2識別情報の優先度よりも高く、
前記要求部は、前記優先度の高い順に前記機器に識別情報を要求することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の機器識別装置。
【請求項5】
前記第1識別情報の前記優先度と前記第2識別情報の前記優先度とを定義した優先度ファイルを記憶する優先度ファイル記憶部を更に備え、
前記要求部は、前記優先度ファイルで定義された前記優先度の高い順に前記機器に識別情報を要求することを特徴とする請求項4に記載の機器識別装置。
【請求項6】
前記第2識別情報は、一意性が保証される識別情報、又はユーザにより予め設定されるユーザ設定情報であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の機器識別装置。
【請求項7】
機器識別装置と当該機器識別装置とネットワークを介して接続される機器とを備える機器識別システムであって、
前記機器識別装置は、
少なくともいずれかの識別情報の一意性が保証されない複数の識別情報である第1識別情報を前記機器に要求し、前記第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得できないことを示す取得不可情報が前記機器から応答されると、第2識別情報を前記機器に要求する要求部と、
前記要求部に前記第1識別情報が応答された場合、前記第1識別情報を用いて前記機器を識別し、前記要求部に前記第2識別情報が応答された場合、前記第2識別情報を用いて前記機器を識別する識別部と、
を備え、
前記機器は、
前記機器識別装置から前記第1識別情報が要求されると、前記第1識別情報を取得できる場合、前記第1識別情報を前記機器識別装置に応答し、前記第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得できない場合、前記取得不可情報を前記機器識別装置に応答し、前記機器識別装置から前記第2識別情報が要求されると、前記第2識別情報を前記機器識別装置に応答する応答部と、
を備えることを特徴とする機器識別システム。
【請求項8】
ネットワークを介して機器と接続される機器識別装置で実行される機器識別方法であって、
要求部が、少なくともいずれかの識別情報の一意性が保証されない複数の識別情報である第1識別情報を前記機器に要求し、前記第1識別情報のうちいずれかの識別情報について取得できないことを示す取得不可情報が前記機器から応答されると、第2識別情報を前記機器に要求する要求ステップと、
識別部が、前記要求部に前記第1識別情報が応答された場合、前記第1識別情報を用いて前記機器を識別し、前記要求部に前記第2識別情報が応答された場合、前記第2識別情報を用いて前記機器を識別する識別ステップと、
を含むことを特徴とする機器識別方法。
【請求項9】
請求項8に記載の機器識別方法をコンピュータに実行させるための機器識別プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の機器識別プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−110720(P2013−110720A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256661(P2011−256661)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】