説明

機器連携システム、画像形成装置、サービス提供方法

【課題】機器連携時に利用量の制限が可能な利用量制限装置を提供する機器連携システムを提供すること。
【解決手段】画像データを取得する取得手段150と、第一の機器及び一台以上の第二の機器が前記画像データを出力する際の出力条件を受け付ける出力条件受付手段130と、第一の機器が出力可能な出力可能量の記憶手段20と、出力条件と取得手段が取得した画像データのページ数から求められた総ページ数が、出力可能量以下か否かを判定する出力可否判定手段32と、第一の機器に割り当てる第一の出力数及び一台以上の第二の機器に割り当てる第二の出力数を決定する割り当て数決定手段31と、画像データ及び第二の出力数を一台以上の前記第二の機器に送信するデータ通信手段15と、第一の機器及び一台以上の第二の機器が出力した出力数に応じて出力可能量を更新する出力可能量更新手段19とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続された複数の機器が各機器の機能を分担して提供する機器連携システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上で繋がっている複数の機器が、互いに連携して1つのジョブを実行する、いわゆる機器連携という処理態様が知られている。機器連携とは、入力から出力までの一連の処理から成る1つのジョブに必要な機能を、複数の機器が分担して提供することをいう。
【0003】
図1は、機器連携によるジョブの実行例を示す図である。ネットワークを介してMFP1とMFP2が互いに接続されている。MFP1はFAX機能を有していないが、MFP2はFAX機能を有している。ユーザQは画像データをFAXにて送信したいが、MFP1にはFAX機能がないため、MFP1を使用して例えばスキャナで原稿をスキャンし、MFP2のFAX機能を使用してFAXを送信する。
【0004】
図2は、機器連携による別のジョブの実行例を示す図である。MFP1とMFP2はいずれも印刷機能を有している。ユーザQは画像データを複数部数、印刷したい。MFP1のみでも印刷できるが、MFP2と印刷を分担することで早く印刷を終わらせることができる。そこで、ユーザQは、MFP1を操作して例えばスキャナで原稿をスキャンし、MFP2に画像データや印刷条件を送信し、MFP1とMFP2で分担して印刷する。
【0005】
ところで、MFPはオフィス等において多数のユーザにより共用される。このため従来から、MFPには、特定の人間が無制限にコピーやプリントアウトしないように、ユーザ毎にコピー、プリント等の上限度数(上限利用量)を設定しておく機能を有するものがある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、サーバに認証情報と利用予定枚数の利用権限を要求する利用要求を送信し、サーバに要求された利用予定枚数が、ユーザが利用可能な枚数以下である場合に利用予定枚数を上限値としてユーザの指示に基づいてジョブを実行するサービス実行装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では機器連携が可能な機器においてどのように利用量を制限するかについて考慮されていないという問題がある。例えば図1の例では、ユーザQが操作するMFP1が利用量を制限するのか、FAX機能を提供するMFP2が利用量を制限するのか、が考慮されていない。図2の例では、MFP1,2がそれぞれ印刷するため、ユーザQが操作するMFP1では利用量を管理できたとしても、MFP2による利用量を管理することができない。
【0007】
本発明は上記課題に鑑み、機器連携時に利用量の制限が可能な利用量制限装置を提供する機器連携システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、ネットワークを介して接続された複数の機器が各機器の機能を分担して提供する機器連携システムであって、第一の機器は、出力対象の画像データを取得する取得手段と、第一の機器及び一台以上の第二の機器が前記画像データを出力する際の出力条件を受け付ける出力条件受付手段と、前記第一の機器が出力可能な出力可能量の記憶手段と、前記出力条件と前記取得手段が取得した画像データのページ数から求められた総ページ数が、前記出力可能量以下か否かを判定する出力可否判定手段と、前記第一の機器に割り当てる第一の出力数及び一台以上の前記第二の機器に割り当てる第二の出力数を決定する割り当て数決定手段と、前記画像データ及び前記第二の出力数を一台以上の前記第二の機器に送信するデータ通信手段と、前記第一の機器及び一台以上の前記第二の機器が出力した出力数に応じて前記出力可能量を更新する出力可能量更新手段と、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
機器連携時に利用量の制限が可能な利用量制限装置を提供する機器連携システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】機器連携によるジョブの実行例を示す図である。
【図2】機器連携による別のジョブの実行例を示す図である。
【図3】機器連携システムの概略を説明する図の一例である。
【図4】各アプリにおいて、MFP1と2の機器連携の態様の一例を説明する図の一例である。
【図5】機器連携時の動作を説明する図の一例である。
【図6】機器連携システムの構成図の一例である。
【図7】MFP1,2のハードウェア構成図の一例である。
【図8】MFPの機能ブロック図の一例である。
【図9】利用制限情報の一例を示す図である。
【図10】機器管理情報の一例を示す図である。
【図11】MFP1とMFP2が機器連携する際のブロック間の関係を説明する図の一例である。
【図12】通信可能機器一覧の一例を示す図である。
【図13】表示部に表示される機器連携ジョブのメニューの一例である。
【図14】表示部に表示される機器連携ジョブのメニューの一例である。
【図15】ジョブ情報の一例を示す図である。
【図16】MFP1がMFP2に利用量を割り当てる手順を示すシーケンス図の一例である。
【図17】ジョブ実行エラーが生じた場合に、MFP1がMFP2に利用量を割り当てる手順を示すシーケンス図の一例である。
【図18】ジョブ実行エラーが生じた場合に、MFP1がMFP2に利用量を割り当てる手順を示すシーケンス図の一例である。
【図19】MFP1がMFP2に1枚ごと印刷を割り当てる手順を示すシーケンス図の一例である。
【図20】MFP1が機器連携ジョブの実行開始前にMFP2の割り当てページ数を利用制限情報から減算しておく手順を示すシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態の機器連携システム200の概略を説明する図の一例である。MFP(Multifunction Peripheral)1とMFP2(以下、区別しない場合、MFP100という)は連携して1つのジョブを実行することができる。このように複数の機器が互いに機能を提供するシステムを機器連携システム200と称す。また、2台以上のMFPが連携して実行するジョブを機器連携ジョブという。また、片面分の画像データを1ページ、片面印刷か両面印刷かに関係なく用紙などのシート材の最小単位を1枚という。
【0012】
図3(a)はコピーアプリの機器連携ジョブをMFP1とMFP2が実行する手順を模式的に示す。MFP1、2はそれぞれ、ユーザQがあと何ページの印刷が可能かが登録された利用可能量を利用制限情報に記憶している。MFP1の利用可能量は、ユーザQがMFP1により出力可能なページ数であり、MFP2の利用可能量は、ユーザQがMFP2により出力可能なページ数である。
【0013】
ユーザQがMFP1を操作して、MFP1及びMFP2で印刷を行う機器連携ジョブを実行する場合、MFP1はMFP1とMFP2にページ数を割り当てる。以下、割り当てページ数という。
【0014】
MFP1がMFP2の割り当てページ数を決定する際、MFP2の機器管理情報を利用して、印刷時間が最短になるように、又は、消費電力に有利なように、MFP2の割り当てページ数を決定する。
【0015】
MFP1は、MFP1とMFP2のトータルのページ数が、MFP1の利用可能量以下であるか否かを判定し、利用可能量以下の場合、MFP1とMFP2はそれぞれ割り当てられた割り当てページ数だけ印刷する。MFP1は、MFP1の利用可能量からトータルのページ数を減算する。
【0016】
このようにMFP1がMFP1の利用可能量以内で機器連携ジョブを実行可能か否かを判定するので、機器連携システム200においても利用制限情報の範囲内で1つのジョブを実行することができる。
【0017】
なお、プリンタアプリの場合、不図示のPC(Personal Computer)がMFP1に機器連携ジョブを依頼する。PCは機器連携ジョブによる印刷条件と画像データをMFP1に送信するので、以降はMFP1がコピーアプリと同様に処理する。
【0018】
図3(b)はFAXアプリの機器連携ジョブをMFP1とMFP2が実行する手順を模式的に示す。図ではMFP1及びMFP2がFAX機能を有している。FAXアプリの場合もコピーアプリと同様に、MFP1によるMFP1とMFP2への利用量の割り当て、MFP1とMFP2のトータルのFAX送信の利用量がMFP1の利用可能量以下か否かの判定、MFP1の利用可能量からのトータルのページ数の減算、が行われる。したがって、アプリケーションが変わっても同様に適用できる。
【0019】
なお、MFP1がFAX機能を有していない場合も同様で、MFP1はMFP2にのみ割り当てページ数(この場合はトータルのページ数)を割り当て、MFP1の利用可能量からトータルのページ数を減算する。
【0020】
〔機器連携について〕
機器連携について説明する。機器連携とは、一方のMFPが他方のMFPの機能を利用する全ての態様を含む。すなわち必ずしも、ジョブが実行されることやアプリケーションが動作しなくても機器連携と称す。しかし、MFP1,2はアプリケーション毎に動作することが多いため、アプリケーションを例に説明する。説明のためユーザQが操作する機器をMFP1とする。
【0021】
アプリケーションは、MFPが備える複数の入力手段の1つと複数の出力手段の1つの組み合わせを特定し、その組み合わせに基づく機器の制御、機能の提供等を行う。アプリケーションを以下、単にアプリという。
【0022】
図4は、各アプリにおいて、MFP1と2の機器連携の態様の一例を説明する図の一例である。図4では、コピーアプリ、スキャナアプリ、送信アプリについて示すが、他のアプリにおいてもMFP1,2が互いに機能を提供することで実現される。コピーアプリでは、1つのジョブが、スキャナによる原稿読み取り、画像処理、印刷、後処理(仕上げ)の各プロセスを経る。画像処理は、例えばOCR処理、機密印刷処理などであり、後処理は例えばパンチ、ステープル等であり、これらは使用されないことも少なくない。
【0023】
スキャナアプリでは1つのジョブが、スキャナによる原稿読み取り、画像処理、送信のプロセスを経る。画像処理は、例えばOCR処理、PDF化、暗号化処理などであり使用されないことも少なくない。送信には、例えば、電子メールによる送信や、ユーザQのフォルダに送信する処理がある。
【0024】
送信アプリでは、1つのジョブが、スキャナによる原稿読み取り、画像処理、FAX送信のプロセスを経る。画像処理は、例えばOCR処理、機密印刷処理などであり使用されないことも少なくない。FAX送信には、例えばFAX送信(電話網、IP網)がある。
【0025】
また、必ずしも機器連携ジョブを伴わなくても、機器連携が行われる。この場合、ユーザQはMFP2に記憶されている画像データをMFP1から読み出し処理することができる。処理には、印刷、電子メールによる送信、FAX送信も含まれるが、MFP1がMFP2の画像データを削除したり、プレビュー表示することが含まれる。このようにMFP1と2が機器連携ジョブを実行しなくても、機器連携の一態様となる。
【0026】
また、図4では2台のMFPの機器連携を説明したが、3台以上のMFPが機器連携することもある。3台以上の機器連携では、編集や出力を担当するMFPの組み合わせが増える。
【0027】
図5は、機器連携時の動作を説明する図の一例である。ここではコピーアプリ11を例に説明する。
(1)ユーザQはMFP1を操作して、上述したアプリのいずれかを選択し、ユーザ情報を入力し、また、機器連携ジョブの実行条件を設定する。
(2)アプリは、ジョブ管理モジュールに実行条件から生成したジョブ情報を通知する。機器連携ジョブは、ジョブ管理モジュールによって実行が制御される。
(3)ユーザQが原稿をセットしてスタートボタンを押下すると、ジョブ管理モジュールがエンジン管理モジュールを制御して、原稿をスキャンして画像データを生成する。
(4)画像データの生成により印刷されるページ数が分かるので、ジョブ管理モジュールは利用制限情報と比較して、印刷が制限されるか否かを判定する。この判定により、機器連携ジョブにおいても利用量を制限することができる。
(5)印刷が制限されない場合、ジョブ管理モジュールはMFP2から機器管理情報を取得する。
(6)ジョブ管理モジュール31はMFP2が印刷するページ数である割り当てページ数を決定する。
(7)MFP1のジョブ管理モジュールは、割り当てページ数が登録されたジョブ情報及び画像データをMFP2に送信する。
(8)MFP1とMFP2のジョブ管理モジュールがエンジン管理モジュールを制御して、印刷する。
【0028】
MFP1のエンジン管理モジュールは、MFP1が単体で(スタンドアロンに)ジョブを実行する際にも使用され、MFP2のエンジン管理モジュールは、MFP2が単体でジョブを実行する際にも使用される。すなわち、各MFP1,2は自機の機能(エンジンの使用だけでなくリソースの提供や処理結果の提供を含む)を機器連携している他機に提供することで1つのジョブを実行する。
【0029】
〔構成例〕
図6は、機器連携システム200の構成図の一例である。LAN1とLAN2により1つのWANが形成されている。LAN1とLAN2は不図示のL3スイッチ又はルータにより接続されている。なお、LANの数は1つでも3つ以上でも機器連携は可能である。MFP1〜4間、サーバ1,2間及びMFP1〜4とサーバ100(以下、区別する場合サーバ1,2という)間の通信は、有線接続か無線接続は問わない。
【0030】
LAN1には3つのMFP1〜3及びサーバ1が、LAN2にはMFP4及びサーバ2がそれぞれ接続されている。MFP1〜4は、コピー、スキャナ、FAX及びプリントのうち少なくとも1つ以上の機能を有しており、MFP1〜4がそれぞれ同じ機能を有している必要はない。この他、MFP1〜4がそれぞれに特有の機能を有していることも妨げない。
【0031】
サーバ1、2は、必ずしも必要ではないが、例えば、ユーザ認証用の情報処理装置、MFP1〜4が有していない機能(例えば、OCR処理、翻訳処理、ファイルのフォーマット変換等)を提供する情報処理装置である。また、本実施形態では、各MFPが利用制限情報を有するが、サーバが各ユーザの利用制限情報を記憶しておく場合にサーバ1又はサーバ2が利用される。サーバ1又は2は、各MFPの利用可能量だけでなく、ユーザQがMFP1〜4を利用した合計の利用量を利用制限情報と比較することができる。
【0032】
また、LAN1ではMFP1〜3が例えばハブやLANスイッチを介してネットワークを形成しているが、MFP2とMFP3はIEEE1394インタフェースにより接続されている。このように、機器連携システム200では一部又は全てのMFPがローカルに(ピアツーピアに)接続されていてもよい。また、接続のインタフェースはUSBやLANケーブルなど、相互に通信可能であればよい。ローカルに接続することで、画像データがLAN1,2を介して送信されることがなくなるので、ネットワークの負荷を低減できる。また、画像データがLAN1,2を流れないので、セキュリティ性を向上できる。
【0033】
図示するような機器連携システム200では、以下のような連携態様が生じうる。
・LAN1の任意の二台以上のMFPが1つの機器連携ジョブを実行する
・LAN1の任意の一台以上のMFPと、LAN2のMFP4が1つの機器連携ョブを実行する
なお、この他、サーバ1,2を利用して機器連携することもできる。
【0034】
図7は、MFP1,2のハードウェア構成図の一例を示す。MFP100は、コントローラ120と、操作パネル130と、FCU(ファクシミリコントロールユニット)140と、スキャナエンジン150及びプロッタエンジン160が有する。
【0035】
コントローラ120は、CPU101と、ASIC113と、NB(ノースブリッジ)102と、SB(サウスブリッジ)106と、MEM−P(システムメモリ)103と、MEM−C(ローカルメモリ)104と、HDD(ハードディスクドライブ)27と、メモリカードスロット111と、NIC(ネットワークインタフェースコントローラ)107と、USBデバイス108と、IEEE1394デバイス109と、セントロニクスデバイス110とを有する。
【0036】
CPU101は、種々の情報処理を実行するためのICであり、アプリやサービスを提供するプログラムをUNIX(登録商標)等のOSによりプロセス単位で並列的に実行する。ASIC113は、画像処理用のICである。NB102は、CPU101とASIC113を接続するためのブリッジである。SB106は、NB102と周辺機器等を接続するためのブリッジである。ASIC113とNB102は、AGP(accelerated Graphics Port)を介して接続されている。
【0037】
MEM−P103は、NB102に接続されたメモリである。MEM−C104は、ASIC113に接続されたメモリである。HDD105は、ASIC113に接続されたストレージであり、画像データ蓄積・文書データ蓄積・プログラム蓄積・フォントデータ蓄積・フォームデータ蓄積等を行うために使用される。
【0038】
メモリカードスロット112は、SB106に接続され、メモリカード112をセット(挿入)するために使用される。メモリカード112は、USBメモリ等のフラッシュメモリであり、プログラム115を配布するために使用される。また、プログラム115は所定のサーバからMFP100にダウンロードして配布することもできる。
【0039】
NIC107は、ネットワーク等を介してMACアドレス等を使用したデータ通信を行うためのコントローラである。USBデバイス108は、USB規格に準拠したシリアルポートを提供するためのデバイスである。IEEE1394デバイス109は、IEEE1394規格に準拠したシリアルポートを提供するためのデバイスである。セントロニクスデバイス110は、セントロニクス仕様に準拠したパラレルポートを提供するためのデバイスである。NIC107と、USBデバイス108と、IEEE1394デバイス109と、セントロニクスデバイス110と、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスを介してNB102とSB106に接続されている。
【0040】
操作パネル130は、ユーザQがMFP100に入力を行うためのハードウェア(操作部)であると共に、MFP100がオペレータに可視情報を提供するためのハードウェアである表示部170を有する。操作パネル130は、ASIC113に接続されている。FCU140と、スキャナエンジン150と、プロッタエンジン160は、PCIバスを介してASIC113に接続されている。
【0041】
スキャナエンジン150は、コンタクトガラスに載置された原稿を光学的に走査して、その反射光をA/D変換して画像処理を施し、所定の解像度のデジタルデータ(以下、画像データという)を生成する。
【0042】
プロッタエンジン160は、例えばタンデム型の感光ドラムを有し、上記の画像データやユーザPCから受信したPDLデータに基づきレーザビームを変調し感光ドラムを走査して潜像を形成する。潜像にトナーを付着して現像した1ページ毎の画像を用紙に熱と圧力で転写する。このような電子写真方式のプロッタに限られず、液滴を吐出して画像を形成するインクジェット型のプロッタエンジンでもよい。
【0043】
FCU140は、NIC107を介してネットワークに接続し例えばT.37,T.38の規格に対応した通信手順、又は、公衆通信網に接続し例えばG3、G4規格に対応した通信手順、に従い画像データの送受信を行う。また、MFP100の電源がOFFのときに画像データを受信しても、プロッタエンジン160を起動して画像データを用紙に印刷することができる。
【0044】
図8は、MFP100の機能ブロック図の一例を示す。MFP100はUI部、制御部、及び、ハードウェアを有し、このうちUI部とハードウェアについてはすでに説明した。メモリ201は、MEM−P103やMEM−C104に相当し、エンジン202はFCU140,スキャナエンジン150及びプロッタエンジン160に相当する。
【0045】
制御部は、コピーアプリ11、プリンタアプリ12、FAXアプリ13、リソース管理モジュール14、通信管理モジュール15、エンジン管理モジュール16、ジョブ管理モジュール17、認証モジュール18、及び、カウンタ管理モジュール19を有する。また、例えば、HDD105には利用制限情報20及び機器管理情報21が記憶されている。
【0046】
コピーアプリ11、プリンタアプリ12、FAXアプリ13はアプリの一例である。ユーザQが操作パネル130を操作して不図示のコピーボタンを選択するとコピーアプリ11が作動し、プリンターボタンを選択するとプリンタアプリ12が作動し、FAXボタンを選択するとFAXアプリ13が作動する。OS22は、UNIX(登録商標)などの汎用オペレーティングシステムであり、各モジュール及びアプリの各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。
【0047】
ジョブ管理モジュール17は、各アプリからユーザQが設定した機器連携ジョブのジョブ情報を取得して、ジョブの実行を管理する。具体的には、ジョブ情報に基づいてリソース管理モジュール14にリソースの制御を要求し、リソース管理モジュール14から進捗を受け取りながら、画面表示、アプリ管理、操作パネル等を制御する。ジョブ管理モジュール17は、現在の出力枚数を検出して操作パネル130に表示する。
【0048】
また、ジョブ管理モジュール17は利用量判定部32と割り当て数決定部31を有するがこれらはどこに配置されていてもよい。割り当て数決定部31は、利用制限情報20の範囲内で、印刷時間や消費電力が有利になるように各連携機器に利用量を割り当てる。利用量は、プリンタアプリ12やコピーアプリ11の場合はページ数であり、FAXアプリ13の場合は宛先数である。利用量判定部32は、出力予定のページ数が利用可能量以下であるか否かを判定する。処理の詳細は後述する。
【0049】
リソース管理モジュール14は、リソースの管理を行う。ジョブ管理モジュール17から、FCU130、スキャナエンジン140、プロッタエンジン150、メモリ201、HDD105、NIC107、USB108、IEEE1394(109)セントロニクス110等のハードウェア資源の利用要求を受けると、アプリ間の調停を行いこれらを制御する。具体的には、リソース管理モジュール14は、要求されたハードウェアリソースが利用可能であるか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェアリソースが利用可能である旨をジョブ管理モジュール17に伝える。また、リソース管理モジュール14は、ジョブ管理モジュール17からの要求に対してハードウェアリソースの利用スケジューリングを行い、エンジン管理モジュール16を制御する。
【0050】
エンジン管理モジュール16は、リソース管理モジュール14が確保し作成した利用スケジュールに従ってエンジンの制御を行う。したがって、スキャナエンジン、プロッタエンジン(白黒ラインプリンタ、カラーラインプリンタ)、及び、FCUが実際にジョブを実行する。
【0051】
通信管理モジュール15は、機器連携など、ネットワークを必要とするアプリに対して共通に利用できるサービスを提供するためのモジュールである。ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリに振り分けたり、アプリから受け取ったデータをネットワーク側に送信する。具体的には、ftpd、httpd、lpd、snmpd、telnetd、smtpdなどのサーバデーモンや、同プロトコルのクライアント機能などを有している。
【0052】
認証モジュール18は、ユーザ認証を行うモジュールである。後述する利用制限情報20には、ユーザ毎の利用可能量だけでなく、ユーザ名、パスワード等が登録されている。認証モジュール18は、ユーザQが操作パネル130から入力したユーザ名とパスワードの組が、利用制限情報20に記憶されているか否かに基づきユーザQを認証する。または、不図示のICカードリーダでユーザQが携帯するICカードに記憶されたユーザIDを読み取り、ユーザQを認証してもよい。
【0053】
なお、サーバ1又はサーバ2が認証サーバとして機能する場合、MFPに認証モジュール18が搭載されなくてもよい。各MFPの個別の認証モジュール18がユーザQを認証することを「ローカル認証」、サーバ1又は2がユーザQを認証することを「ネットワーク認証」という。ローカル認証の認証結果は認証したMFPでのみ有効であるが、ネットワーク認証の認証結果は予め定められたネットワーク内のMFPで有効である。
【0054】
認証モジュール18は認証が成立したか否かをアプリに通知する。アプリは、認証が成立すればジョブの実行条件の設定を受け付け、認証が成立しなければ「認証が成立しません」等のメッセージを表示部170に表示する。
【0055】
カウンタ管理モジュール19は、利用量をカウントして、利用制限情報20の利用量を更新する。利用制限情報20については後述する。
【0056】
制御部のアプリ及び各モジュールは、1つ以上のメソッドを有するオブジェクトであり、それぞれがプロセスとしてOS22上で実行される。各プロセスは、1つ以上のスレッド単位で実行され、OS22がこれらのスレッドをCPUに割り当てる。OS22は各スレッドの状態(実行状態、待機状態、実行可能状態などの状態)を管理しており、実行可能状態のスレッドの中から優先順位、ラウンドロビンなどのロジックでCPUに割り当てるスレッドを制御している。このため、プロセス切り替えによる並列実行と比較して、並列実行時の処理速度の向上が図られている。各アプリと各モジュールは、メソッドの実行によるプロセス間通信によってメッセージの送受信を行う。
【0057】
<利用制限情報>
図9は利用制限情報20の一例を示す図である。上記のように、利用制限情報20には、ユーザ情報が含まれている。ユーザ情報には、「ユーザ名」「ユーザID」「ログイン名」「パスワード」が登録されている。「ユーザ名」はユーザQが識別しやすい氏名や通称などであり、「ユーザID」は少なくとも連携機器システム内で一意性が保証された1つ以上の数字、記号、若しくはアルファベット又はこれらの組み合わせである。「ログイン名」はMFPにログインするためのコンピュータ処理が容易な半角英数の識別名である。「パスワード」は、MFPがユーザQを認証するための1つ以上の数字、記号、若しくはアルファベット又はこれらの組み合わせである。
【0058】
また、利用制限情報20には、アプリ毎に「上限利用量」「利用量」「利用可能量」が登録されている。いずれも課金形態に合わせて、カラーと白黒それぞれの「上限利用量」「利用量」「利用可能量」を有する。
【0059】
「上限利用量」は、そのユーザQが利用可能な利用量である。「上限利用量」は、年間、半期毎、四半期毎、月毎、週毎などの期間毎にユーザ毎に定められている。「利用量」は、「上限利用量」と同じ期間内にユーザQがすでに利用した利用量である。「利用可能量」は期間内にユーザQが利用できる残りの利用量であり、「利用可能量」=「上限利用量」−「利用量」の関係がある。
【0060】
「利用可能量」はユーザQが印刷等する毎に更新される。利用可能量がゼロになると、ジョブ管理モジュール17は印刷等を禁止する。図では、「上限利用量」「利用量」「利用可能量」が登録されているが、「利用可能量」、又は、「上限利用量」と「利用量」があれば、利用量を管理できる。ユーザQがMFPにログインして操作パネル130を操作すると、利用制限情報20を表示部170に表示できるので、ユーザQは「利用可能量」等を確認できるようになっている。
【0061】
<機器管理情報>
図10は機器管理情報21の一例を示す図である。機器管理情報21には、自機のMFPが有する機能が登録されている。例えば、「スキャン」の機能として、読み取り可能なカラー(カラー、白黒、2色又は単色)が、読み取りに対応した原稿種類(文字、写真又は文字・写真)、読み取り時に設定可能な解像度(100〜600dpi)が登録されている。
【0062】
また、編集の機能として、複数ページの集約(2in1/4in1/8in1)、原稿にスタンプ状の文字や記号を印刷するスタンプ印字、不正コピーを防止するコピーガード、画像処理による縮小・拡大する変倍(25〜200%)、文字認識のOCR、及び、画像データのファイルフォーマットを変換するPDFが登録されている。
【0063】
また、出力の機能として「FAX」と「印刷」が登録されている。「FAX」にはさらに蓄積送信という機能が登録されている。「印刷」にはさらに印刷速度(60ページ/分)、消費電力(白黒印刷、カラー印刷、立ち上がり時)、ステープル、パンチ、及び、Z折りが登録されている。なお、ステープルとパンチでは、それらを形成可能な用紙上の位置も登録されている。
【0064】
MFP1とMFP2は機器管理情報21を互いに交換することで、MFP1がMFP2に要求可能な処理、MFP2がMFP1に要求可能な処理をそれぞれ管理している。MFP1とMFP2は、後述する通信可能機器一覧に登録されているMFPの機器管理情報21を取得してHDD105等に保持しておく。
【0065】
〔連携時の機能ブロックの処理について〕
図11は、MFP1とMFP2が機器連携する際のブロック間の関係を説明する図の一例である。図11において図10と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。なお、オプショントレイ24、26は追加して装着可能な用紙トレイであり、フィニッシャ25はステイプル、パンチ、ソート、製本等を行う装置である。
【0066】
<通信可能機器一覧>
通信管理モジュール15は、起動が確認されている他のMFPやサーバの通信可能機器一覧を有している。通信可能機器一覧を取得するには例えば、以下の2つの方法がある。
【0067】
1)管理者などが予め機器連携が可能なMFP2〜4をMFP1に登録しておき、MFP1は登録されているMFP2〜4の中から通信が可能だったMFPを通信可能機器一覧に登録する。
【0068】
図12(a)は、機器連携が可能なMFPのIPアドレスの一例を示す図である。機器連携が可能であるためには、MFPが機器連携の機能を有していることが必要である。この他、さらに、例えば管理者が意図的に機器連携の対象から外していないこと、又は、機器連携の対象に加えていることが必要となる場合がある。以下、機器連携が可能なMFPを「機器連携用MFP」という。各MFPには自機からみた機器連携用MFPのIPアドレスが登録されている。
【0069】
各MFP1は例えば起動時に、自機に登録されている機器連携用MFPに対し起動したことをネットワーク上の機器連携用MFPに通知する。これにより、機器連携用MFPは起動していれば、応答を送信するので、MFP1は応答のあった機器連携用MFPが通信可能であることを、通信可能機器一覧に登録する。一方、すでに起動していた機器連携用MFPは、MFP1が起動したという通知を受けて、MFP1を通信可能機器一覧に登録する。
【0070】
図12(b)は通信可能機器一覧の一例を示す図である。通信管理モジュール15は、機器連携用MFPのうち、通信が可能であることが確認されたMFP等のIPアドレスを通信可能機器一覧に登録していく。通信確認ができないMFP等のIPアドレスは、例えば「−」のように通信未確認であることを示すデータが登録された状態となる。
【0071】
2)MFP1が、機器連携が可能なMFP2〜4をネットワークから検出する
MFP1は例えば、起動時に同報的に、機器連携が可能なMFPにIPアドレスを通知するよう要求するブロードキャストパケットを送信する。送信アドレスを全て"1"とするブロードキャストパケットは、LAN1内の全ての機器に機器連携が可能か否かを問い合わせることができる。
【0072】
また、例えば、ディレクティッド・ブロードキャスト・アドレスを指定して(directed broadcast address)、ルータを超えて指定されたネットワークアドレスのMFPに機器連携が可能か否かを問い合わせることができる。機器連携が可能なMFPが属するネットワークのネットワークアドレスは、管理者によって既知なので検索する範囲は容易に特定できる。
【0073】
より好ましくは1)と2)を組み合わせて、機器連携が可能なMFPを検出する。MFP1は、検出されたMFP2〜4のIPアドレスを通信可能機器一覧に登録する。
【0074】
<機器連携ジョブの設定について>
ユーザQがMFP1を操作して機器連携ジョブを実行する場合、MFP1にログインする。このため、コピーアプリ11は認証モジュール18に認証要求を送出する。認証要求には、ユーザQが入力したユーザ名とパスワードが含まれている。認証モジュール18は認証が成立したか否かの認証結果をコピーアプリ11と通信管理モジュール15に送出する。
【0075】
認証が成立した場合、コピーアプリ11はジョブの実行条件の設定を受け付ける。
図13(a)〜(d)は表示部170に表示される機器連携ジョブのメニューの一例である。例えば、ユーザQが機器連携ジョブによりコピーする場合、ユーザQは操作パネル130のコピーボタンを押下し、また、機器連携ジョブの設定画面を呼び出す。
【0076】
操作パネル130には例えば「機器検索」ボタン301、「機能検索」ボタン302が表示される。「機器検索」ボタン301はMFP1が通信可能機器一覧のMFPを検索するためのボタンである。すなわち、通信管理モジュール15は機器連携ジョブの直前に通信可能機器一覧のMFPと通信して機器連携ジョブが可能であることを確認する。一方の「機能検索」ボタン302は、通信可能機器一覧のMFPから、ユーザQが設定した機能を提供可能なMFP2〜4をMFP1が検索するためのボタンである。
【0077】
図13(b)は、ユーザQが「機器検索」ボタンを押下した場合に表示される「機器連携ジョブ−機器一覧」画面の一例である。MFP1は、通信可能機器一覧のMFPのうち機器連携ジョブが実行可能であると応答したMFP2〜4の一覧を表示する。応答するMFPは、機器名及びIPアドレスをMFP1に送信する。この時に、応答するMFPが機器管理情報21を送信する。ユーザQは、所望の機能を備えた目的のMFPがリストされていることを確認して、「条件設定」ボタン311を押下する。
【0078】
図13(d)は、ユーザQが「条件設定」ボタン311を押下した場合に表示される「連携ジョブ−読み取り設定」画面の一例である。この画面には、MFP毎に読み取り設定のメニューが表示される。図示するようにタブに「自機(MFP1のこと)」「イマジックス(MFP2)」「イプックス(MFP3)」という機器名が表示され、ユーザQはタブにより読み取り設定するMFPを選択できる。
【0079】
ユーザQが機器名のタブを選択すると、MFP1は機器管理情報21に基づき、選択された各MFPで有効な(選択可能な)メニューのみを表示する。
【0080】
ユーザQは、選択したMFPで有効なメニューから、例えば、カラー選択、原稿種類、濃度等の読み取り条件を設定することができる。ユーザQは、原稿を読み取るMFPと読み取り条件を設定すると、「編集設定」ボタン322や「印刷設定」ボタン323を順に選択する。「編集設定」ボタン322を選択すれば、MFPやサーバ毎に、各機器が提供可能な編集の機能を選択するためのメニューが表示される。同様に、「印刷設定」ボタン323を選択すれば、MFP毎に、各機器が提供可能な印刷の機能を選択するためのメニューが表示される。なお、読み取り設定では一台のMFPについてのみユーザQは条件を設定できるが、印刷設定と編集設定では複数のMFP又はサーバに対しユーザQが条件を設定できる。最終的に、「実行」ボタン324を押下することで機器連携ジョブがスタートする。
【0081】
また、図13(c)は、図13(a)においてユーザQが「機能検索」ボタン302を押下した場合に表示される「連携ジョブ−機能検索」画面の一例である。MFP1は、過去に取得した他のMFPの機器管理情報21から「読み取り条件」「編集条件」「印刷条件」の各プロセス毎に設定可能なメニューを表示する。ユーザQは適宜タブを選択して、検索キーとなる「読み取り条件」「編集条件」「印刷条件」を設定できる。
【0082】
条件の設定後、ユーザQが「検索」ボタン331を押下すると、MFP1は他のMFPから取得した機器管理情報21を、「読み取り条件」「編集条件」「印刷条件」のそれぞれで検索する。こうすることで、ユーザQが設定した「読み取り条件」で読み取り可能なMFP、「編集条件」で編集可能なMFPやサーバ、「印刷条件」で印刷可能なMFPを特定できる。
【0083】
「読み取り条件」が適合する機器が複数台、「編集条件」が適合する機器が複数台、「印刷条件」が適合する機器が複数台、ヒットする場合がある。この場合、MFP1は図13(d)のように各「読み取り条件」「編集条件」「印刷条件」毎に全ての機器を表示してもよいし、所定数以下の機器に絞って表示してもよい。所定数以下の機器に絞る場合、例えば、自機を優先する方法、リソースの負荷が低下しているMFPを優先する方法、自機からの距離(物理的距離又は通信距離)が近いMFPを優先する方法、などがある。
【0084】
MFP1は検索にヒットした一台以上のMFPやサーバを、図13(d)と同様な画面に表示する。すなわち、「読み取り設定」「編集設定」「印刷設定」毎に、条件がマッチしたMFPを表示する。なお、「読み取り条件」「編集条件」「印刷条件」は図13(c)で設定されているので、ユーザQは再度、各条件を設定する必要はない。ユーザQは、各プロセスのMFPや各条件を確認後、「実行」ボタンを押下する。これにより、MFP1は機器連携ジョブをスタートさせる。
【0085】
図14(a)は印刷設定の第一画面の一例を示す。図14(a)ではユーザQは、複数のMFPに共通の印刷条件を設定するか、各MFPに個別に印刷条件を設定するかを選択できる。共通設定を選択した場合、ユーザQは一台以上のMFPを選択する。個別設定を選択した場合、ユーザQは次の画面で各MFP毎に印刷条件を設定する。
【0086】
また、ユーザQがコピーアプリやプリンタアプリを選択した場合、MFP1は、最後の印刷からの経過時間、印刷可能温度までに復帰可能な消費電力などを、通信可能機器一覧のMFPから取得して表示することが可能である。印刷時、定着器を印刷可能温度まで増大させる際に大きな電力が必要なので、ユーザQが、最後の印刷からの経過時間が短いMFP又は印刷可能温度までに復帰可能な消費電力が小さいMFPを選択すれば、消費電力を低減できる。
【0087】
図14(b)は印刷条件の共通設定の画面の一例を示す。ユーザQが共通設定を選択した場合、カラー/白黒、用紙サイズ、部数、変倍などの各MFPに共通の印刷条件を設定することができる。共通の印刷条件は、通信可能機器一覧のMFPから受信した機器管理情報の最大公約数的な内容である。例えば、MFP1がカラーと白黒印刷が可能、MFP2が白黒印刷が可能、な場合、図14(b)の「カラー/白黒」のメニューにカラーが表示されない。同様に、「用紙サイズ」においてもMFP1とMFP2で共に選択可能な用紙サイズのみが表示され、変倍においてもMFP1とMFP2で共に選択可能な変倍範囲が設定可能であり、ソート及びステープルはMFP1とMFP2で共に選択可能な場合に表示される。
【0088】
また、設定された部数(又はページ数)が、共通設定の対象となったMFPに割り当てられる。部数又はページ数のどちらで割り当てるかはユーザQが設定できる。
【0089】
図14(c)は印刷条件の個別設定の画面の一例を示す。ユーザQが個別設定を選択した場合、MFP毎に、用紙サイズ、部数、変倍などの一般的な印刷条件を設定することができる。各MFPは設定された部数だけ印刷する。
【0090】
<利用量のカウント>
カウンタ管理モジュール19は、予め定められた方法で利用量をカウントする。以下のカウント方法は一例に過ぎず、カウント方法は機器によって異なる場合がある。
(1) コピーアプリ、プリンタアプリ
(i) カラー印刷と白黒印刷とを別々にカウントする
(ii) 片面への印刷を1ページとカウントする。
【0091】
(iii) 所定サイズ(例えばA3)以上のシート材への印刷は2ページとカウントする。
(2) FAXアプリ(管理者により設定された以下のいずれかを採用する)
(i) 送信時のページ数をカウントする。(FAXではカラー印刷は少なく、また、A3以上のサイズのFAXもまれなため)
(ii) 送信ページ数に関係なく1つの宛先を1つとカウントする。
【0092】
(iii) 延べ送信ページ数(送信時のページ数×宛先数)をカウントする。
【0093】
コピーアプリ又はプリントアプリの場合、エンジン管理モジュール16又はリソース管理モジュール14は、1ページごと印刷数をカウントしている。ジョブ管理モジュール17は、1ページが印刷される毎又はジョブの完了時に、印刷数を取得して、上記のカウント方法に従い印刷数をカウントして、利用制限情報20の利用量と利用可能量を更新する。同様に、FAXアプリ13では、エンジン管理モジュール16又はリソース管理モジュール14は、スキャンした原稿数又は画像データのページ数をカウントしている。ジョブ管理モジュール17は、ジョブの完了時にページ数を取得して、利用制限情報20の利用量と利用可能量を更新する。
【0094】
<ジョブ情報>
図10のコピーアプリ11はジョブの実行条件の設定を受け付けると、ジョブ実行要求をジョブ管理モジュール17に送出する。ジョブ管理モジュールは実行条件からジョブ情報を生成する。
【0095】
図15はジョブ情報の一例を示す図である。機器連携ジョブは「1.入力→2.編集→3.出力」の順番に実行される。各プロセス毎に「担当機器」が登録されており、また、入力条件・編集条件・出力条件が登録されている。
【0096】
・コピーアプリ
図15(a)は、比較のために示したMFP1のみが印刷するコピーアプリ11のジョブの一例である。コピーアプリの入力の担当機器はMFP1、編集の担当機器はMFP2であり、出力(印刷)の担当機器はMFP1である。
【0097】
図15(b)は、MFP1及びMFP2が印刷するコピーアプリ11の機器連携ジョブの一例である。コピーアプリの入力の担当機器はMFP1、編集の担当機器はMFP2であり、出力(印刷)の担当機器はMFP1とMFP2である。このようにMFP1とMFP2に印刷を振り分けるには、「印刷設定」において「共通設定」を選択する。
【0098】
そして、割り当て数決定部31は、担当機器にそれぞれ部数(印刷数)を割り当てる。割り当てページ数の決定方法については後述する。図15(c)はMFP1とMFP2に印刷数が割り当てられた機器連携ジョブの一例である。図15(b)と比べて、出力のプロセスが2つ作成され、それぞれの担当機器にMFP1とMFP2が設定されている。ジョブ管理モジュール17は出力の担当機器がMFP2の印刷要求と共にジョブ情報をMFP2に送信する(ジョブ情報の全体を送信してもよい)。なお、「印刷設定」においてユーザが「個別設定」を選択すると、図15(c)のジョブ情報が直接生成される。
【0099】
図15(c)の場合のコピーアプリ11の手順の概略は以下のようになる。
1.まず、ジョブ管理モジュール17は、自機のスキャナエンジンの利用要求をリソース管理モジュール14に送出する。リソース管理モジュール14はスキャナエンジンの例えば使用フラグが使用中でないことを確認して、スキャナエンジンを確保する。次に、リソース管理モジュール14はジョブ管理モジュール17から読み取り条件(両面読み取り、原稿種類(文字)、300dpi、白黒)を取得してスキャナエンジンに設定し原稿を読み取る。リソース管理モジュール14はADFから原稿がなくなったことセンサなどで検出して読み取りの完了をジョブ管理モジュール17に通知する。生成された原稿の画像データは、HDD105に記憶される。
【0100】
なお、ジョブ管理モジュール17は、少なくとも全てのページを印刷する前に、印刷される編集後のページ数が利用制限情報20の利用可能量以下であることを確認する。具体的にはカウンタ管理モジュール19が印刷されるページ数をカウントし、利用可能量と比較する。ページ数が利用可能量より大きい場合、以下の制御がなされる。どちらの制御がされるかは、MFP1の設定により定められている。
・利用可能量を上限に印刷する(利用可能量の範囲で印刷ページ数を振り分ける)
・1ページも印刷することなく機器連携ジョブを中止する。
【0101】
2.ジョブ管理モジュール17は、編集の担当機器はMFP2であるので、画像データと編集条件を、通信管理モジュール15を介してMFP2に送信する。MFP2は、画像データを4in1(4ページ分を1枚に集約する)処理を施してMFP1に送信する。通信管理モジュール15はMFP2から画像データを受信したことをジョブ管理モジュール17に通知する。
【0102】
ジョブ管理モジュール17は、担当機器がMFP2のジョブ情報と画像データをMFP2に送信する。
【0103】
3.MFP1とMFP2のジョブ管理モジュール17は、自機のプロッタエンジンの利用要求をリソース管理モジュール14に送出する。リソース管理モジュール14は、プロッタエンジンの例えば使用フラグが使用中でないことを確認して、プロッタエンジンを確保する。次に、リソース管理モジュール14はジョブ管理モジュール17から印刷条件(白黒、3部(MFP1)又は2部(MFP2)、A4、パンチ)を取得してプロッタエンジンに設定し印刷する。リソース管理モジュール14は全てのページの印刷が完了したことをジョブ管理モジュール17に通知する。
【0104】
・FAXアプリ
図15(d)はFAXアプリの機器連携ジョブのジョブ情報の一例を示す。図15(d)では、入力の担当機器はMFP1、編集の担当機器はMFP1であり、出力(FAX送信)の担当機器はMFP1とMFP2である。このようにMFP1とMFP2にFAX送信を振り分けるには、スキャナアプリの不図示の「送信設定」においてユーザQが、コピーアプリの部数に相当する宛先(FAX番号)を複数個、設定する。
【0105】
複数の宛先がある場合(同報送信の場合)、割り当て数決定部31は宛先単位で担当機器毎に宛先を決定する。例えば、宛先が2箇所であり、FAX送信を担当するMFPが2つの場合、一台のMFPが1つの宛先を担当する。宛先がN箇所であり、FAX送信を担当するMFPがM台の場合、一台のMFPがN/M個の宛先を担当する。
【0106】
また、宛先に近いMFPに割り当てることも有効である。例えば、MFP1が都内、MFP2が大阪にあり、宛先の市外局番が03と06であれば、03を市外局番とする宛先にMFP1を割り当て、06を市外局番とする宛先にMFP2を割り当てる。こうすることで通信コストを低減することができる。なお、この場合、各MFP毎に担当する宛先の市外局番を登録したテーブルを用意しておく。
【0107】
図15(e)はMFP1とMFP2に宛先が割り当てられた機器連携ジョブの一例である。図15(d)と比べて、出力のプロセスが2つ作成され、それぞれの担当機器がMFP1とMFP2に設定されている。ジョブ管理モジュール17は出力の担当機器がMFP2のジョブ情報をMFP2に送信する(ジョブ場情報の全体を送信してもよい)。
【0108】
図15(e)の場合のFAXアプリの手順の概略は以下のようになる。
【0109】
1.入力のプロセスはコピーアプリ11の場合と同様である。スキャンにより生成された原稿の画像データは、HDD105に記憶される。
【0110】
ジョブ管理モジュール17は、FAX送信を開始する前にページ数が利用制限情報20の利用可能量以下であることを確認する。ページ数が利用可能量より大きい場合、以下の制御がなされる。どちらの制御がされるかは、MFP1の設定により定められている。
・利用可能量を上限にFAX送信する
・FAX送信することなく機器連携ジョブを中止する。
【0111】
2.ジョブ管理モジュール17は、編集の担当機器はMFP1であるので、画像データを120%に拡大処理する。
【0112】
ジョブ管理モジュール17は、担当機器がMFP2のジョブ情報と画像データをMFP2に送信する。
【0113】
3.MFP1及びMFP2のジョブ管理モジュール17は、自機のFCU140の利用要求をリソース管理モジュール14に送出する。リソース管理モジュール14は、FCU140の例えば使用フラグが使用中でないことを確認して、FCU140を確保する。次に、リソース管理モジュール14はジョブ管理モジュール17からFAX送信条件(宛先のFAX番号)を取得してFCU140に設定し印刷する。リソース管理モジュール14は全てのページのFAX送信が完了したことをジョブ管理モジュール17に通知する。
【0114】
〔利用量を割り当てる際の動作手順〕
図16は、MFP1がMFP2に利用量を割り当てる手順を示すシーケンス図の一例である。ここではコピーアプリ11を例に説明する。
【0115】
コピーアプリは、認証モジュール18にユーザQの認証を要求する(S10)。ユーザQはジョブの実行条件を設定する。
【0116】
認証が成立した場合、ユーザQはジョブの実行条件を設定する。コピーアプリは機器連携ジョブのジョブ実行要求をジョブ管理モジュール17に送出する(S20)。
【0117】
ジョブ管理モジュール17は、リソース管理モジュール14やエンジン管理モジュール16と協働して入力のプロセスを実行する(S30)。原稿を読み取り画像データを生成することで、画像データのページ数が明らかになる。具体的には、原稿が50枚、両面読み取り、4in1の集約、片面印刷、印刷部数が5部、の場合、1部当たりの印刷ページ数は以下のようになる。
50×2(両面)÷4=25ページ
よって、5部の場合は、
25ページ×5部=125ページ となる。
【0118】
次に、ジョブ管理モジュール17はカウンタ管理モジュール19に利用制限情報20の取得を要求する(S40)。
【0119】
カウンタ管理モジュール19は利用制限情報20から利用可能量を読み出しジョブ管理モジュール17に送出する(S50)。ここで、利用量判定部32は、MFP1とMFP2のトータルのページ数が、利用可能量以下であるか否かを判定する。
【0120】
利用可能量以下の場合、ジョブ管理モジュール17は、通信管理モジュール15にMFP2から機器管理情報21を取得するよう要求する(S60)。
【0121】
通信管理モジュール15は、MFP2の通信管理モジュール15と通信する(S70)。MFP2の通信管理モジュール15はリソース管理モジュール14に機器管理情報21を要求する(S80)。なお、リソース管理モジュールは図示を省略した。リソース管理モジュール14は機器管理情報21を読み出し通信管理モジュール15に送出する(S90)。MFP2の通信管理モジュール15はMFP1の通信管理モジュール15に機器管理情報21を送信する(S100)。MFP1の通信管理モジュール15は、ジョブ管理モジュール17にMFP2の機器管理情報21を送出する(S110)。
【0122】
ジョブ管理モジュール17の割り当て数決定部31は、MFP1とMFP2の機器管理情報21から、MFP2への割り当てページ数を決定する(S120)。MFP2の割り当てページ数が決まればMFP1の割り当てページ数も定まる。
a)印刷速度に基づく割り当てページ数の決定
割り当て数決定部31は、印刷完了までの時間が最も早くなるようにMFP2に割り当てるページ数を決定する。印刷完了までの時間が最も早くなるのは、MFP1と2がほぼ同時に印刷を完了させる場合であるので、次式からMFP2の割り当てページ数を決定することができる。MFP1の印刷速度をn1〔枚/分〕、MFP2の印刷速度をn2〔枚/分〕、トータルのページ数をNとする。また、端数は切り上げる。
MFP2の割り当てページ数 = N×{n2/(n1+n2)}
なお、一部の印刷ではN=ページ数(上記の25ページ)とすればよい。複数部数の場合は、N=部数(上記の5部)として、連携するMFPの数で割り、端数は印刷速度の高い方が切り上げとすれば、部数単位で割り当てることができる。すなわち、5÷2=2.5なので、MFP1に二部、MFP2に三部を割り当てる(MFP2の方が印刷速度が速い場合)。
【0123】
また、複数部数で、N=ページ数(上記の125ページ)として、MFP2の割り当てページ数が25ページの整数倍にならない場合、1部に相当する25ページを、MFP1とMFP2に割り当てる。すなわち、
MFP2の割り当てページ数÷25ページ の商と余り
MFP1の割り当てページ数÷25ページ の商と余り
をそれぞれ算出し、MFP2は商の部数と、余りのページ数(例えば、ページ番号の若い方)を印刷し、MFP1は商の部数と余りのページ数(例えば、ページ番号の古い方)を印刷する。
【0124】
このように、印刷速度に応じて割り当てページ数を決定することで、1つのジョブを最短時間で実行完了させることができる。
【0125】
印刷する機器が3台以上の場合は以下のようになる。
MFP1の割り当てページ数 = N×{n1/(n1+n2+n3)}
MFP2の割り当てページ数 = N×{n2/(n1+n2+n3)}
MFP3の割り当てページ数 = N×{n3/(n1+n2+n3)}
b)消費電力に基づく割り当てページ数の決定
MFP1とMFP2で印刷時の消費電力が異なる場合、全てのページの印刷を消費電力の少ない方のMFPで行うことで最も少ない消費電力でジョブを実行できる。この場合、印刷を振り分けることができないので印刷時間が長くなってしまう。しかし、例えば、部数単位でカラーと白黒を切り換える場合、カラーが指定された部数の印刷はカラーの消費電力が安いMFPで、白黒が指定された部数は印刷は白黒の消費電力が安いMFPで、それぞれ印刷することで消費電力を最小化できる。例えば、MFP1のカラーの消費電力が40W・h、白黒の消費電力が10W・h、MFP2のカラーの消費電力が30W・h、白黒の消費電力が13W・hの場合、割り当て数決定部31はカラーが指定された部数はMFP2に割り当て、白黒が指定された部数はMFP1に割り当てる。
【0126】
また、カラー又は白黒の単一色の印刷では、消費電力で印刷速度を重み付けして、MFP2の割り当てページ数を決定してもよい。例えば、MFP1のカラー又は白黒の消費電力をw1〔W・h〕、MFP2のカラー又は白黒の消費電力をw2〔W・h〕とすると、重み付けされた印刷速度は次のようになる。つまり、消費電力が大きいほど、印刷速度を小さくするように重み付けすることで、消費電力の大きいMFPへの割り当てページ数を少なくすることができる。
MFP1の印刷速度 = n1{w1/(w1+w2)}
MFP2の印刷速度 = n2{w2/(w1+w2)}
c)均等割り当てよる割り当てページ数の決定
均等に割り当てる場合、MFP1がMFP2の機器情報を取得する必要がなく、トータルのページ数をMFPの数で割ればよい。
【0127】
ジョブ管理モジュール17は、通信管理モジュール15に画像データの送信を要求する(S130)。通信管理モジュール15は、MFP2の通信管理モジュール15に画像データを送信する(S140)。MFP2の通信管理モジュール15はジョブ管理モジュール17に画像データを送出する(S150)。
【0128】
MFP1のジョブ管理モジュール17は、通信管理モジュール15に、ジョブ情報のうち出力のプロセスのジョブ情報に割り当てページ数を含めて、送信するよう要求する(S160)。通信管理モジュール15は、MFP2の通信管理モジュール15にジョブ情報を送信する(S170)。MFP2の通信管理モジュール15はジョブ管理モジュール17にジョブ情報を送出する(S180)。
【0129】
MFP2のジョブ管理モジュール17は、リソース管理モジュール14及びエンジン管理モジュール16と協働して割り当てられた割り当てページ数の印刷を行う(S190)。
【0130】
なお、MFP1のジョブ管理モジュール17も、リソース管理モジュール14及びエンジン管理モジュール16と協働して割り当てられた割り当てページ数の印刷を行う(S200)。ジョブ管理モジュール17は出力単位毎に印刷結果をカウンタ管理モジュールに通知する(S201)。カウンタ管理モジュール19はMFP1の利用量を出力単位毎に更新する(S202)。
【0131】
MFP2のジョブ管理モジュール17は、印刷の実行結果を通信管理モジュール15に送出する(S210)。通信管理モジュール15は、印刷の実行結果をMFP1の通信管理モジュール15に送信する(S220)。MFP1の通信管理モジュール15は、印刷の実行結果をジョブ管理モジュール17に送出する(S230)。
【0132】
ジョブ管理モジュール17は、カウンタ管理モジュール19にMFP2の実行結果を通知し(S240)、カウンタ管理モジュール19はMFP2の利用量(利用可能量でもよい)をまとめて更新する(S250)。
【0133】
ジョブ管理モジュール17は、自機の印刷の終了を待って、コピーアプリにジョブの実行結果を送出する(S260)。
【0134】
以上のように、本実施形態の機器連携システム200は、機器連携ジョブにおいてもユーザQの利用量を適切に制限することができる。
【0135】
なお、図16ではコピーアプリを例に説明したが、FAXアプリの場合も割り当てページ数の決定方法が異なる以外は同様の手順となる。
【0136】
<MFP2がジョブ実行エラーを生じた場合>
MFP1がMFP2に印刷を要求した後、MFP2が割り当てページ数の印刷を完了させる前にエラーを生じる場合がある。例えば、MFP2が印刷中に、用紙切れ、トナー切れ、が生じた場合、用紙ジャムが生じた場合、等である。また、電圧降下やノイズ等によりシステムエラーが生じる場合もある。このような場合、MFP2が復旧してから印刷を再開するよりも、MFP1が印刷を引き継いだ方がジョブの実行時間が短くなる。
【0137】
図17は、MFP1がMFP2に利用量を割り当てる手順を示すシーケンス図の一例である。図17は、ジョブの実行までの手順は図15と同様である。
【0138】
ステップS190にてMFP2が印刷を開始した後、印刷を継続できない何らかのエラーが生じた(S192)。
【0139】
ジョブ管理モジュール17は、印刷したページ数をカウントしているので、未完了の通知に残りのページ数を含めて通信管理モジュール15に送出する(S194)。具体的には割り当てページ数から印刷が完了したページ数を減じればよい。
【0140】
MFP2の通信管理モジュール15は、残りのページ数が含まれる未完了の通知をMFP1の通信管理モジュール15に送信する(S196)。MFP1の通信管理モジュール15は、残りのページ数が含まれる未完了の通知をジョブ管理モジュール17に送出する(S198)。ジョブ管理モジュール17は、自機の印刷に続けて、未完了の分の印刷を行う(S204)。
【0141】
ジョブ管理モジュール17は、カウンタ管理モジュール19にMFP2の実行結果を通知し(S240)、カウンタ管理モジュール19はMFP2の利用量をまとめて更新する(S250)。MFP2の利用量にはMFP2が印刷したページ数及びMFP1がMFP2に割り当てたがMFP1が印刷したページ数が含まれる。
【0142】
ジョブ管理モジュール17は、未完了の印刷が完了すると、コピーアプリに機器連携ジョブの実行結果を送出する(S260)。
【0143】
このように、機器連携を利用すれば、連携先でエラーが発生した場合でもジョブを完了させることができる。なお、図17ではコピーアプリを例に説明したが、FAXアプリの場合も同様に処理できる。すなわち、1枚も送信していない宛先があればMFP1が該宛先に全ページを送信し、1つの宛先に一部のページが送信されていない場合、該宛先に残りのページを送信する。
<MFP1がジョブ実行エラーを生じた場合>
MFP1においてエラーを生じる場合もある。例えば、MFP1が印刷中に、用紙切れ、トナー切れ、が生じた場合、用紙ジャムが生じた場合、等である。また、電圧降下やノイズ等によりシステムエラーが生じる場合もある。このような場合、MFP1が復旧してから印刷を再開するよりも、MFP2が印刷を引き継いだ方がジョブの実行時間が短くなる。
【0144】
図18は、MFP1がMFP2に利用量を割り当てる手順を示すシーケンス図の一例である。図18は、ジョブの実行までの手順は図15と同様である。
【0145】
ステップS200にてMFP2が印刷を開始した後、印刷を継続できない何らかのエラーが生じた(S200-2)。
【0146】
ジョブ管理モジュール17は、印刷したページ数をカウントしているので、未完了の通知に残りのページ数を含めて通信管理モジュール15に送出する(S194)。具体的には割り当てページ数から印刷が完了したページ数を減じればよい。
【0147】
MFP1の通信管理モジュール15は、残りのページ数が含まれる再割り当て通知をMFP2の通信管理モジュール15に送信する(S196)。MFP2の通信管理モジュール15は、残りのページ数が含まれる再割り当て通知をジョブ管理モジュール17に送出する(S198)。
【0148】
MFP2のジョブ管理モジュール17は、自機の印刷に続けて、MFP1から再割り当てされた分の印刷を行う(S204)。
【0149】
MFP2のジョブ管理モジュール17は、再割り当てされた印刷分を含め、実行結果を通信管理モジュール15に送出する(S210)。通信管理モジュール15は、機器連携ジョブの実行結果をMFP1の通信管理モジュール15に送信する(S220)。MFP1の通信管理モジュール15は、ジョブの実行結果をジョブ管理モジュール17に送出する(S230)。
【0150】
ジョブ管理モジュール17は、カウンタ管理モジュール19にMFP2の実行結果を通知し(S240)、カウンタ管理モジュール19はMFP2の利用量をまとめて更新する(S250)。MFP2の利用量にはMFP2が割り当てられ印刷したページ数及びMFP1がMFP2に再割り当てしてMFP2が印刷したページ数が含まれる。
【0151】
ジョブ管理モジュール17は、コピーアプリに機器連携ジョブの実行結果を送出する(S260)。
【0152】
したがって、MFP1とMFP2のどちらにエラーが生じても、エラーが生じていないMFPが印刷を引き継ぐのでエラーによる印刷時間の増大を最小限に抑制できる。
【0153】
<出力単位ずつの割り当て>
MFP1,2が大量の用紙を出力するようなジョブの実行中に、同じユーザQが別のMFP1と機器連携したMFP(例えばMFP3、4)を操作してプリントを行うなどして利用可能量が減少する場合があり得る。利用可能量の減少により、MFP1,2が上限利用量を超えて用紙を出力してしまう。このような不都合を防止するには、MFP1が1枚毎に利用可能量がゼロでないことを確認して、MFP2に印刷を依頼することが有効になる。
【0154】
図19は、MFP1がMFP2に1枚ごとに印刷を割り当てる手順を示すシーケンス図の一例である。図19の処理はステップS150まで図16と同様である。すなわち、ジョブ管理モジュール17は、通信管理モジュール15に、まず画像データのみ送信を要求する(S130〜S150)。
【0155】
次に、MFP1のジョブ管理モジュール17は、出力の1枚分のジョブ情報を通信管理モジュール15に送信するよう要求する(S310)。
【0156】
通信管理モジュール15は、MFP2の通信管理モジュール15と通信する(S320)。MFP2の通信管理モジュール15はジョブ管理モジュール17にジョブ情報を送出する(S330)。
【0157】
MFP2のジョブ管理モジュール17は、リソース管理モジュール14及びエンジン管理モジュール16と協働して1枚分の印刷を行う(S340)。
【0158】
なお、MFP1はMFP2とは非同期に印刷を実行し随時、利用量を更新していく(S200〜S202)。こうすることでジョブの実行時間を短縮できる。
【0159】
MFP2のジョブ管理モジュール17は、1枚分の印刷の実行結果を通信管理モジュール15に送出する(S350)。MFP2の通信管理モジュール15は、1枚分の印刷の実行結果をMFP1の通信管理モジュールに送信する(S360)。MFP1の通信管理モジュール15は、1枚分の印刷の実行結果をジョブ管理モジュール17に送出する(S370)。
【0160】
ジョブ管理モジュール17は、MFP2の実行結果をカウンタ管理モジュールに通知し(S380)、MFP2の利用量を、利用可能量から減じる(S390)。
【0161】
次に、ジョブ管理モジュール17は、1つのジョブが終了したか否かを判定する(S400)。
【0162】
ジョブが終了していない場合、利用可能量がゼロか否かを判定する(S410)。利用可能量は、MFP1がMFP2以外のMFPと機器連携することで、減少するおそれがあるためである。利用可能量がゼロの場合、ジョブ管理モジュール17はジョブを終了させる。
【0163】
利用可能量がゼロでない場合、ジョブ管理モジュール17は、MFP2の割り当て分が終了したか否かを判定する(S420)。
【0164】
MFP2の割り当て分が終了していない場合、MFP1とMFP2は、ステップS310からの処理を繰り返す。MFP1が非同期に印刷を実行しているので、MFP1がMFP2の割り当て分も実行する可能性が高い。しかし、MFP1にエラーが生じた場合には、MFP2の割り当て分が終了するまで繰り返すので、MFP2の割り当てページ数は確実に終わらせることができる。また、この後、MFP2がMFP1の割り当て分を実行すればジョブを確実に終了させることができる。
【0165】
このように、1枚の出力毎に利用可能量がゼロでないことを判定し、ゼロでない場合にだけMFP2に印刷を割り当てることで、ユーザQの上限利用量を超えてしまうことを防止できる。
【0166】
なお、図19では、MFP1がMFP2と機器連携ジョブを実行中に、MFP1がMFP3等と機器連携することを許容することが前提であった。しかし、利用量の制限の厳格化をより簡易的に行うため、MFP1がMFP2と機器連携ジョブを実行中、MFP1がMFP3等と機器連携することを禁止することも有効である。MFP1は例えば、以下のようにして、複数の機器連携ジョブが平行して実行されることを禁止する。
・同一ユーザのログイン中は、複数の機器連携ジョブを受け付けない。
・スタートボタンが押下された時、ジョブ管理モジュール17は機器連携ジョブを1つずつ順番に実行する。
【0167】
こうすることで、図19のように出力の1枚毎に利用可能量がゼロでないことを判断する必要がなく、ジョブの実行完了までの時間を短くできる。
【0168】
FAXアプリの場合、MFP1のジョブ管理ツールはページ単位でFAX送信を割り当ててもよいし、宛先単位でMFPにFAX送信を割り当ててもよい。
【0169】
<割り当てページ数の予約>
図16では、MFP2の実行結果に基づく、利用量の更新をMFP1がジョブの実行終了時に行っている。この方法では、MFP2が出力した利用量の更新が遅れ、上記のジョブの並行的な実行が困難になる場合がある。そこで、MFP2の割り当てページ数をMFPの印刷開始前に利用可能量から減じておくことが有効になる。
【0170】
図20は、MFP1がジョブの実行開始前にMFP2の割り当てページ数を利用制限情報20から減算しておく手順を示すシーケンス図の一例である。図20ではステップS120までは図16と同様である。
【0171】
割り当て数決定部31がMFP2の割り当てページ数を決定した後、カウンタ管理モジュール19に通知する(S121)。カウンタ管理モジュール19はMFP2の利用量をこの時点で更新する(S122)。すなわち、MFP2は割り当てられた利用量を予約分として印刷しても、利用制限を超えることがないことが保証される。MFP1が印刷する分は図16と同様に印刷毎に更新すればよい。以降の手順は図16と同様なので省略する。
【0172】
図20の手順によれば、MFP2の利用量が印刷の開始前に予約されるので、MFP1は、残りの利用可能量の範囲で他のMFP3等と機器連携によるジョブを実行することができる。なお、MFP1が印刷する分もMFP2と同様に、印刷の開始前に更新してもよい。また、図20ではコピーアプリを例に説明したが、FAXアプリの場合も同様に処理できる。
【符号の説明】
【0173】
11 コピーアプリ
12 プリンタアプリ
13 FAXアプリ
14 リソース管理モジュール
15 通信管理モジュール
16 エンジン管理モジュール
17 ジョブ管理モジュール
18 認証モジュール
19 カウンタ管理モジュール
20 利用制限情報
21 機器管理情報
23 通信可能機器一覧
31 割り当て数決定部
32 利用量判定部
100 MFP
200 機器連携システム
300 サーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0174】
【特許文献1】特開2010−074431号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された複数の機器が各機器の機能を分担して提供する機器連携システムであって、
第一の機器は、出力対象の画像データを取得する取得手段と、
第一の機器及び一台以上の第二の機器が前記画像データを出力する際の出力条件を受け付ける出力条件受付手段と、
前記第一の機器が出力可能な出力可能量の記憶手段と、
前記出力条件と前記取得手段が取得した画像データのページ数から求められた総ページ数が、前記出力可能量以下か否かを判定する出力可否判定手段と、
前記第一の機器に割り当てる第一の出力数及び一台以上の前記第二の機器に割り当てる第二の出力数を決定する割り当て数決定手段と、
前記画像データ及び前記第二の出力数を一台以上の前記第二の機器に送信するデータ通信手段と、
前記第一の機器及び一台以上の前記第二の機器が出力した出力数に応じて前記出力可能量を更新する出力可能量更新手段と、を有する、
ことを特徴とする機器連携システム。
【請求項2】
前記第一の機器及び一台以上の前記第二の機器は、それぞれ印刷速度情報を記憶しており、
前記割り当て数決定手段は、前記第一の機器及び一台以上の前記第二の機器の印刷時間の差が最小になるように、第一の出力数及び一台以上の前記第二の機器の前記第二の出力数を決定する、
ことを特徴とする請求項1記載の機器連携システム。
【請求項3】
前記第一の機器及び一台以上の前記第二の機器は、それぞれ消費電力情報を記憶しており、
前記割り当て数決定手段は、前記第一の機器と一台以上の前記第二の機器の前記消費電力情報で重み付けされた前記印刷速度情報を用いて、前記第一の機器と一台以上の前記第二の機器の印刷時間の差が最小になるように、第一の出力数及び一台以上の前記第二の機器の前記第二の出力数を決定する、
ことを特徴とする請求項2記載の機器連携システム。
【請求項4】
前記第一の機器及び前記第二の機器は、それぞれカラー印刷及び白黒印刷それぞれの消費電力情報を記憶しており、
前記割り当て数決定手段は、前記出力条件に含まれるカラー印刷の出力数を、前記第一の機器と前記第二の機器のうちカラー印刷の前記消費電力情報が小さい方に割り当て、白黒印刷の出力数を、前記第一の機器と前記第二の機器のうち白黒印刷の前記消費電力情報が小さい方に割り当てる、
ことを特徴とする請求項3記載の機器連携システム。
【請求項5】
前記割り当て数決定手段は、前記第一の出力数及び一台以上の前記第二の機器の前記第二の出力数が均等になるように、第一の出力数及び前記第二の出力数を決定する、
ことを特徴とする請求項1記載の機器連携システム。
【請求項6】
前記第二の機器が前記第二の出力数の出力物を出力するまでに出力を継続できないというエラーを検出した場合、
前記第一の機器は前記第二の出力数のうち出力されていない出力数を、前記第一の出力数に加えて出力する、
ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の機器連携システム。
【請求項7】
前記第一の機器が前記第一の出力数の出力物を出力するまでに出力を継続できないというエラーを検出した場合、
前記第二の機器は前記第一の出力数のうち出力されていない出力数を、前記第二の出力数に加えて出力する、
ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の機器連携システム。
【請求項8】
前記データ通信手段は、前記第二の出力数を最小の出力単位ずつ前記第二の機器に出力要求し、
前記第二の機器から出力の実行結果を取得する毎に、前記出力可否判定手段は前記出力可能量がゼロか否かを判定し、
前記出力可能量がゼロでない場合に、前記データ通信手段は、前記第二の出力数を最小の出力単位ずつ前記第二の機器に出力要求する、
ことを特徴とする請求項1記載の機器連携システム。
【請求項9】
前記出力条件受付手段は、前記出力条件を受け付けた後、前記第二の機器が前記第二の出力数の出力が完了するまで、前記第一の機器が別の出力条件を受け付けることを禁止するか、又は、
前記出力条件受付手段が、前記出力条件を受け付けた後、前記第二の機器が前記第二の出力数の出力が完了するまでに、前記第一の機器が別の出力条件を受け付けた場合、前記第一の機器は前記第二の機器が前記第二の出力数の出力を完了した後に、出力を開始する、
ことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の機器連携システム。
【請求項10】
前記出力可能量更新手段は、前記割り当て数決定手段が前記第一の出力数及び一台以上の前記第二の機器の前記第二の出力数を決定した後、前記第二の機器が出力したか否かに関係なく、前記第二の出力数を前記出力可能量から減じる、
ことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の機器連携システム。
【請求項11】
前記出力条件受付手段は、予め記憶するリストに登録された前記第二の機器から、出力可能状態に復帰するまでの消費電力を取得し、前記第二の機器の識別情報と共に表示する、ことを特徴とする請求項1〜10いずれか1項記載の機器連携システム。
【請求項12】
前記出力条件受付手段が、前記第一の機器及び一台以上の前記第二の機器が前記画像データをFAX送信する際の送信条件を受け付け、
前記出力可否判定手段が、前記送信条件のあて先数が前記出力可能量以下であると判定した場合、
前記割り当て数決定手段は、FAX送信の宛先毎に、前記第一の機器に割り当てるあて先及び一台以上の前記第二の機器に割り当てるあて先を決定する、
ことを特徴とする請求項1〜10いずれか1項記載の機器連携システム。
【請求項13】
前記取得手段は、原稿を撮像して前記画像データを取得するスキャナ装置、又は、端末から前記画像データを取得するデータ通信装置である、
ことを特徴とする請求項1〜11いずれか1項記載の機器連携システム。
【請求項14】
前記出力手段は、記録媒体に画像を形成する印刷装置、又は、電話回線若しくはIPネットワークを介して前記画像データを送信するFAX送信装置である、
ことを特徴とする請求項13項記載の機器連携システム。
【請求項15】
ネットワークを介して接続された一台以上の機器と分担して機能を提供する画像形成装置であって、
出力対象の画像データを取得する取得手段と、
第一の機器及び一台以上の第二の機器が前記画像データを出力する際の出力条件を受け付ける出力条件受付手段と、
前記第一の機器が出力可能な出力可能量の記憶手段と、
前記出力条件と前記取得手段が取得した画像データのページ数から求められた総ページ数が、前記出力可能量以下か否かを判定する出力可否判定手段と、
前記第一の機器に割り当てる第一の出力数及び一台以上の前記第二の機器に割り当てる第二の出力数を決定する割り当て数決定手段と、
前記画像データ及び前記第二の出力数を一台以上の前記第二の機器に送信するデータ通信手段と、
前記第一の機器及び一台以上の前記第二の機器が出力した出力数に応じて前記出力可能量を更新する出力可能量更新手段と、を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
ネットワークを介して接続された複数の機器が各機器の機能を分担して提供する機能提供方法であって、
出力対象の画像データを取得する取得ステップと、
第一の機器及び一台以上の第二の機器が前記画像データを出力する際の出力条件を受け付ける出力条件受付ステップと、
前記出力条件と前記取得手段が取得した画像データのページ数から求められた総ページ数が、記憶手段に記憶された前記第一の機器が出力可能な出力可能量以下か否かを判定する出力可否判定ステップと、
前記第一の機器に割り当てる第一の出力数及び一台以上の前記第二の機器に割り当てる第二の出力数を決定する割り当て数決定ステップと、
前記画像データ及び前記第二の出力数を一台以上の前記第二の機器に送信するデータ通信ステップと、
前記第一の機器及び一台以上の前記第二の機器が出力した出力数に応じて前記出力可能量を更新する出力可能量更新ステップと、
ことを特徴とする機能提供方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2013−58012(P2013−58012A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194973(P2011−194973)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】