説明

機密文書管理システム

【課題】機密文書と機密文書の印刷または複写の履歴データを管理する機密文書管理システムを提供する。
【解決手段】本発明の一例の画像形成装置管理システムは、文書を記憶する第1の記憶部と、前記文書の印刷後の利用設定として利用者、印刷部数、保管期限、処分期限、複写の可否のうち少なくとも1つを有する印刷文書データを入力する入力部と、前記入力部により入力された前記印刷文書データを記憶する第2の記憶部と、前記文書を印刷する印刷部と、前記第2の記憶部に記憶された前記印刷文書データに基づいて、前記印刷文書を管理する制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークで接続された画像形成装置を用いて印刷した機密文書を管理する機密文書管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年では、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能、プリンタ機能、あるいは、画像ファイリング機能などの複数の機能を有した画像形成装置がある。また、このような画像形成装置は、例えばネットワークを介して任意数のパーソナルコンピュータ(以下PCとする)及び外部と接続されている。さらに、このような画像形成装置は、ネットワークで接続されたPCからの印刷要求に応じて、印刷処理を実行する。
【0003】
そして、ユーザは、機密性の高い文書を画像形成装置で必要に応じて印刷処理する。このような機密性の高い文書の印刷処理において、シュレッダや重ね印刷の機能を用いて、他者が情報確認できないように処理している。
【0004】
しかし、機密文書の印刷や複写の履歴などの情報を管理していないため、容易に他者に複写されてしまい、情報が漏洩してしまう。情報漏洩に関しては、機密文書を印刷した印刷者の情報(印刷日時、部数、残りの印刷可能部数、機密管理番号など)をマークやパターンとして機密文書印刷することで機密文書の複写を制限している。さらに、印刷者の情報は、画像形成装置または外部記憶装置が管理している。
【0005】
特許文献1には、セキュリティレベルが付加されている印刷データを受信して処理中に、所定の障害が発生したときに、セキュリティレベルに応じて、障害回復後の処理を印刷データに対して実行する印刷制御装置についての構成が開示されている。
【0006】
特許文献2には、ネットワークを介して印刷指示が送信されると、機密文書データの印刷指示であるか否かを判断し、機密文書データの印刷指示であると判断すると、機密文書データを印刷し、機密文書をスタッカへ収納し、所定時間経過しても取り出されなければ、処分する画像形成システムの構成が開示されている。
【特許文献1】特開2005−199698
【特許文献2】特開2000−185449
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1および特許文献2では、印刷された機密文書が適切に使用された場合に、その機密文書が処分されたのか、まだどこかに保管されているのかを管理することについては開示されていない。つまり、機密文書の処分と印刷履歴の適切な管理ができていないため、機密文書が処分されているのか印刷されたままなのか管理できないという問題があった。
【0008】
したがって、本発明は、機密文書と機密文書の印刷または複写の履歴データを管理する機密文書管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の機密文書管理システムは、文書を記憶する第1の記憶部と、前記文書の印刷後の利用設定として利用者、印刷部数、保管期限、処分期限、複写の可否のうち少なくとも1つを有する印刷文書データを入力する入力部と、前記入力部により入力された前記印刷文書データを記憶する第2の記憶部と、前記文書を印刷する印刷部と、前記第2の記憶部に記憶された前記印刷文書データに基づいて、前記印刷文書を管理する制御部とを有する。
【発明の効果】
【0010】
複製した文書に対して処分の有無を管理し、機密性を確保することができる。また、印刷物または複写物を所有している人物の管理が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は、複数台の画像形成装置(以後MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル)と称す)と複数台のPCと外部記憶装置(管理サーバ)と複数台の文書処分装置(シュレッダ)とが接続されるネットワーク構成を概略的に示す図である。図1に示すように、MFP1、MFP2、PC3、PC4、管理サーバ5、シュレッダ6、シュレッダ7がネットワークを介して接続されている。ネットワークは、インターネットでも良いが、ローカルエリアネットワークとする。また、この実施例では、MFPがMFP1とMFP2の2台、PCがPC3とPC4の2台、シュレッダがシュレッダ6とシュレッダ7の2台のネットワークで接続された場合について説明する。しかしながら、MFP、PCおよびシュレッダの数はこれに限られるものではない。
【0012】
MFP1またはMFP2は、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ネットワーク機能等を備えた多機能プリンタである。そして、MFP1またはMFP2は、機密文書を印刷あるいは複写する装置である。さらに、MFP1またはMFP2は、機密文書を印刷する際にはキャラクタを前記機密文書に印字する装置である。このほかの機能もあるが詳しくは後に動作例で説明する。
【0013】
PC3またはPC4は、機密文書を印刷する際に、印刷者は誰か、印刷日時はいつか、どのような機密文書(表題や概略情報のみ)を印刷するのか、印刷する機密文書はどこで(保存する棚の場所など)保管される文書なのか一時印刷される文書なのか、それぞれ何部印刷するのか、それぞれいつまで保管するのかあるいはいつまでに処分するのか、複写禁止か否かなどの機密文書データを入力する装置である。この他の機能もあるが詳しくは後に動作例で説明する。
【0014】
管理サーバ5は、機密文書データを管理(更新や削除、保存など)する装置である。さらに、機密文書データを機密文書に印刷可能なキャラクタ(例えば、1次元バーコード(JANコードなど)、2次元コード(CODE49やQRコードなど)、マーク(丸秘文字やすかし文字など)、機密文書データの羅列など)に変換する装置である。さらには、印刷あるいは複写してから一定期間経過した時や期限切れの時(例えば、文書の保管期限の前後など)に、印刷者や機密文書管理者など特定者ヘメッセージを送信する機能を備えている。この他の機能もあるが詳しくは後に動作例で説明する。
【0015】
シュレッダ6またはシュレッダ7は、他者が機密文書を認識できないように細断する装置である。
【0016】
図2は、この発明が適用可能なMFP1の主要部を示す。MFP1およびMFP2は、それぞれ同じ構成をしているため、MFP1の構成について説明する。図2に示すMFP1は、画像情報を、例えばハードコピーもしくはプリントアウトと称される出力画像として出力するための画像形成部本体100、画像形成部本体100に対して画像出力に用いられる任意サイズの用紙(出力媒体)を供給可能な用紙供給部200、画像形成部本体100において画像形成される対象である画像情報を、画像情報を保持した対象物(以下原稿と称する)から画像データとして取り込むスキャナ106を有する。なお、スキャナ106には、原稿がシート状である場合、画像出力の形成あるいは画像情報の取り込み(以下読み取りと称する)終了後、読み取りが終了した原稿を読み取り位置から排出位置に排出し、次の原稿を読み取り位置に案内する自動原稿送り装置300が一体的に設けられている。また、画像形成部本体100における画像形成の開始や、スキャナ106による原稿の画像情報を読み取るための開始を指示するための指示入力部、すなわちコントロールパネル(操作部)113がMFP1の所定の位置、例えばスキャナ106の前面の端部に、設けられている。
【0017】
図3は、MFP1の要部構成を示すブロック図である。MFP1は、CPU101、ROM102、RAM103、記憶部104、データ変換部105、スキャナ106、プリンタ107、モデム108、NCU109、電話機制御部110、回線信号検出部111、ネットワークインタフェース112、コントロールパネル113および時計部114を有している。
【0018】
そして、CPU101、ROM102、RAM103、記億部104、データ変換部105、スキャナ106、プリンタ107、モデム108、NCU109、回線信号検出部111、ネットワークインタフェース112、コントロールパネル113および時計部114は、バスライン115を介`して互いに接続されている。またNCU109には、モデム108および電話機制御部110が接続されている。さらに電話機制御部110には、回線信号検出部111が接続されている。
【0019】
CPU101は、ROM102に格納された制御プログラムに基づいて各部を総括制御するための制御処理を行うことで、MFP1としての動作を実現する。ROM102は、CPU101の制御プログラム等を記録する。RAM103は、CPU101が各種の処理を行うために必要となる各種の情報を記憶するためのワークエリアなどとして使用される。記憶部104は、例えば、ハードディスク駆動装置(HDD)である。記憶部104は、画像データを一時的に保存するとともに、各種設定に関するデータを記録する。データ変換部105は、画像データに対して冗長度圧縮のための符号化処理を施すとともに、冗長度圧縮のための符号化がなされている画像データの復号を行うものである。スキャナ106は、送信原稿の読み取りを行って、その送信原稿を示す画像データを生成する。プリンタ107は、画像データが示す画像を記録用紙に対して印字する。
【0020】
モデム108は、画像データを変調してファクシミリ伝送信号を生成したり、CPU101から与えられるコマンドを変調してコマンド伝送信号を生成したりするものである。モデム108はこれらの伝送信号をNCU109を介して公衆電話回線(PSTN加入者線)へと送出する。またモデム108は、PSTN加入者線を介して到来し、NCU109を介して与えられたファクシミリ伝送信号を復調して画像データを再生したり、コマンド伝送信号を復調してコマンドを再生したりする。NCU109には、PSTNに収容されたPSTN加入者線が接続されている。そしてNCU109は、この接続されたPSTN加入者線に関して、状態監視や網への発信処理などを行う。またNCU109は、PSTN加入者線に対して送出するファクシミリ伝送信号のレベルの設定等を行う。電話機制御部110には、必要に応じて外部電話機が接続される。回線信号検出部111は、PSTN加入者線を介して到来する信号をNCU109および電話機制御部110を介して受け、所定の信号の到来を検出する。
【0021】
ネットワークインタフェース112は、ネットワークとの接続に使用される。ネットワークインタフェース112は、ネットワークを介して接続されている例えばPC7から印刷データのプリントジョブを受信する。また、ネットワークインタフェース112は、ネットワークを介して、データ伝送を行う。コントロールパネル113は、ユーザによるCPU101に対する各種の指示入力を受け付けるための操作部113aや、ユーザに対して報知すべき各種の情報をCPU101の制御の下に表示するための表示部113bなどを有する。時計部114は、計時動作を常時行い、現在時刻を示す現在時刻情報を出力する。
【0022】
図4は、この発明が適用可能なPCの制御系統の構成を示すブロック図である。PC3およびPC4は、それぞれ同じ構成をしているため、PC3の構成について説明する。図4に示すように、PC3は、CPU31、記憶部32、ネットワークインタフェース33、入力部34、表示制御部35および表示部36を有している。CPU31は、ROM、NVMあるいはハードディスクドライブ(HDD)等の記憶部32に記録されているプログラムを実行する。記憶部32は、各種の設定データ、制御プログラムあるいは制御データなどの種々のデータを記憶している。記憶部32は、秘密文書のデータも記録している。ネットワークインタフェース33は、ネットワークを経由したデータを通信する。入力部34は、種々の設定の入力や、処理に対する決定をすることができる。表示制御部35は、表示部36に対して表示する画面を制御する。表示制御部35は、ユーザが入力部34で入力した入力情報に基づいて、記憶部32に記憶されているプログラムおよび制御データを読み出して画面を表示する。表示部36は、ディスプレイであり、表示制御部35が制御した画面を表示するものである。
【0023】
図5は、この発明が適用可能な管理サーバの制御系統の構成を示すブロック図である。図5に示すように、管理サーバ5は、CPU51、記憶部52、ネットワークインタフェース53、入力部54、表示制御部55および表示部56を有している。CPU51は、ROM、NVMあるいはハードディスクドライブ(HDD)等の記憶部52に記憶されているプログラムを実行する。記憶部52は、各種の設定データ、制御プログラムあるいは制御データなどの種々のデータを記憶している。ネットワークインタフェース53は、ネットワークを経由したデータを通信する。入力部54は、種々の設定の入力や、処理に対する決定をすることができる。表示制御部55は、表示部56に対して表示する画面を制御する。表示制御部55は、ユーザが入力部54で入力した入力情報に基づいて、記憶部52に記憶されているプログラムおよび制御データを読み出して画面を表示する。表示部56は、ディスプレイであり、表示制御部55が制御した画面を表示するものである。
【0024】
図6は、この発明が適用可能なシュレッダの構成を示す模式図である。シュレッダ6は、文書挿入部61、キャラクタ読取部62、細断部63、チップ収納部64を有している。シュレッダ6は、MFP1およびMFP2、PC3およびPC4、管理サーバ5とLANで接続されている。キャラクタ読取部62では、機密文書に印字されたキャラクタを読み取る機能を備えている。細断部63は、機密文書を細断する。キャラクタ読取部62は、細断部63で機密文書を細断する前に機密文書に印字されたキャラクタを読み取る構成となっている。また、シュレッダ7は、細断部にキャラクタ読取装置を設け、細断しながらキャラクタを読み取るキャラクタ読取細断部75と文書挿入部71、チップ収納部74を有している。シュレッダ7は、MFP1およびMFP2、PC3およびPC4、管理サーバ5とLANで接続されている。機密文書を細断する前に機密文書に印字されたキャラクタを読み取る構成となっており、本実施例ではどちらを用いてもよい。
【0025】
次に、本発明の第1の実施例を説明する。印刷者は、例えばPC3を用いて機密文書の印刷を指示する際、記憶部32から読み出した機密文書に対して、利用者は誰か、印刷日時はいつか、どのような機密文書(表題や概略情報のみ)を印刷するのか、印刷する機密文書はどこで(保存する棚の場所など)保管される文書なのか一時印刷される文書なのか、それぞれ何部印刷するのか、それぞれいつまで保管するのかあるいはいつまでに処分するのか、複写禁止か否かなどの機密文書データを入力部34で入力し、機密文書データを管理サーバ5に送信する。機密文書は、LANで接続されたPCからはアクセスできるが、権限のない管理者以外機密文書の削除ができない図示しない記憶装置に保存するようにしてもよい。
【0026】
前記機密文書データを受け取った管理サーバ5は、記憶部52で管理している全ての機密文書データと比較し、印刷対象である機密文書が過去に印刷されているかを確認するアプリケーションを備えている。そして、管理サーバ5のCPU51が、印刷する機密文書の機密文書のデータが管理サーバ5で管理されている機密文書データに含まれていないと判断すると、CPU51は、記憶部52に新規に機密文書データを保存する処理をする。さらに、管理サーバ5は、印刷対象である機密文書が過去に印刷されていた場合、PC3に対して、印刷対象が既に印刷されている機密文書であるという情報および利用者は誰か、印刷日時はいつか、などの機密文書データの情報を通知するアプリケーションを備えている。そのため、印刷対象である機密文書の機密文書データが管理サーバ5で管理されている場合は、管理サーバ5のCPU51は、PC3に対して再度印刷確認する情報を送信する。そして、PC3のCPU31は、表示部36に再度印刷するかキャンセルするかを選択する画面を利用者に通知するために表示する。
【0027】
印刷確認の通知を管理サーバ5から受けたPC3のCPU31が、利用者により入力部34で入力された再度印刷開始情報を管理サーバ5に送信すると、管理サーバ5のCPU51は、記憶部52に管理している機密文書データを変更して保存する。管理サーバ5のCPU51は、機密文書データを変更して保存する際は、印刷された年月日や日時の情報も一緒に機密文書データとして保存する。
【0028】
さらに、管理サーバ5は、記憶部52に記憶されている機密文書データをキャラクタ(例えば、JANコードなどの1次元バーコードや、CODE49やQRコードなどの2次元コード、丸秘文字や透かし文字、機密文書データの羅列など)へ変換するアプリケーションを備えている。この場合、PC3が、機密文書について複数部印刷を指示したとき、管理サーバ5のCPU51は、機密文書データを、機密文書が印刷された部数のうちの何部目かという個々を識別できるようなキャラクタに変換している。
【0029】
ここで、管理サーバ5の記憶部52が機密文書データを保存するようにしているが、機密文書データの保存には、大きなメモリ領域を必要としないため、管理サーバ5の代わりに、MFP1の記憶部104が機密文書データを保存するようにしてもよい。特定のMFPに上記機能を持たせることで、本実施形態のシステムを簡略化できる。MFP1のプリンタ107は、機密文書を印刷するとき、管理サーバ5で生成されたキャラクタ(JANコードなどの1次元バーコードや、CODE49やQRコードなどの2次元コード、丸秘文字や透かし文字、機密文書データの羅列など)も機密文書に印字する。すなわち、MFP1のプリンタ107は、機密文書とキャラクタを同時に印刷することになる。
【0030】
次に、キャラクタが印刷された機密文書をMFP1で複写するとき、MFP1のスキャナ106は、機密文書に印字されたキャラクタを読み取る。MFP1のスキャナ106は、機密文書に印字されているキャラクタを読み取ると、MFP1のプリンタ107は、利用者が表示部113bのタッチパネルや操作部113aなどで所定の入力をすると印刷を開始する。所定の入力は、利用者の情報(例えば名前や従業員番号、固体識別情報などで、入力方式には表示部113bのタッチパネルや操作部113aなどのパスワード入力や接触型ICカードなど接触入力方式や指紋認証や顔認証、音声認証、Felicaなどの非接触型ICカードなど非接触入力方式がある)、印刷後の使い道の情報(例えば複写する機密文書は保管するための印刷か一時的な印刷か、保管する場合はどこか、いつまで、何部保管するか、一時印刷の場合はいつまでに処分するかなど)である。その後、プリンタ107は、機密文書の印刷を開始する。
【0031】
また、利用者が、キャラクタが印刷された機密文書をMFP1で複写を実行する前に、利用者が、表示部113bのタッチパネルや操作部113aで機密文書を複写するという情報を入力(例えば表示部113bのタッチパネルや操作部113aの機密文書複写ボタンを押して情報を入力)し、利用者の情報や印刷後の使い道の情報を入力することで、MFP1のプリンタ107が印刷を開始するようにしてもよい。
【0032】
MFP1のCPU101は、入力された印刷後の使い道の情報のデータを管理サーバ5に送信する。管理サーバ5のCPU51は、記憶部52で記憶している機密文書データをMFP1から送信される印刷後の使い道の情報のデータを基にして更新し、保存する。管理サーバ5のCPU31は、更新された機密文書データについて新規キャラクタへ変換し、MFP1のプリンタ107は機密文書を印刷する際には、新規キャラクタを機密文書に印字する。
【0033】
さらに、MFP1は、機密文書データをコントロールパネル113に表示する機能を備えている。例えば、利用者がMFP1の表示部113bのタッチパネルや操作部113aの機密データ表示ボタンを押下する。そして、利用者が表示部113bのタッチパネルや操作部113aでパスワード入力する。MFP1は、パスワードの入力により操作の可否を判別しているため、この操作を特定者にしかできないように限定することができる。MFP1のCPU101は、表示部113bのタッチパネルや操作部113aによる入力に基づいて、機密文書をスキャナ106でスキャンし、キャラクタを読み取る。MFP1のCPUは、読み取ったキャラクタから機密文書データに変換し、MFP1の表示部113bに機密文書データを表示する。このため、特定者は、機密文書について、だれが印刷し、どこに何部保管されているかという機密文書データを確認することができる。
【0034】
さらに管理サーバ5のCPU51は、記憶部52に記憶されている機密文書データを基にして、印刷あるいは複写してから一定期間経過後や期限切れ後に特定者(例えば、印刷者や複写者、あるいは機密文書管理者、印刷者や複写者の上長など)へ経過や状況などのメッセージをネットワークインタフェース53を介して送信する。管理サーバ5は、例えば、保管期限/処分期限の1週間前や保管期限/処分期限の当日、保管期限/処分期限を過ぎた次の日、機密文書が処分されるまで特定者に毎日メッセージを送信する。また、入力部54によって特定者や送信メッセージの頻度を設定できる。また、MFPの記憶部が機密文書データを記録するように設定した場合は、上記したメッセージを送信する機能を持たせるMFPを設定できる。例えば、このメッセージを送信する機能を特定のMFPだけに持たせたり、機密文書を印刷あるいは複写したMFPに持たせたりすることができる。機密文書データの内容(印字されたキャラクタに情報を入れても良い)は、印刷者/複写者はだれか、印刷/複写日時はいつか、どのような機密文書(表題や概略情報のみ)を印刷/複写するのか、印刷/複写する機密文書はどこで(保存する棚の場所など)保管される文書なのか一時印刷される文書なのか、それぞれ何部印刷/複写するのか、それぞれいつまで保管するのかあるいはいつまでに処分するのか、複写禁止か否かなどである。
【0035】
管理サーバ5が、機密文書の処分を知らせるために特定者にメッセージを送信することで、特定者が機密文書の処分忘れを防止できる。
【0036】
次に、印刷あるいは複写された機密文書の処理について以下に示す。印刷あるいは複写された機密文書を処分する場合、利用者が、機密文書をシュレッダ6で細断することで機密性を保持している。はじめに、図6に示すシュレッダの文書挿入部61に機密文書を挿入すると、キャラクタ読取部62は、機密文書に印刷されたキャラクタを読み取る。シュレッダ6は、キャラクタ読取部62で読み取ったキャラクタ情報を、機密文書データを管理している管理サーバ5あるいはMFP1(管理サーバ5の代用で使用する場合)ヘ送信する。
【0037】
管理サーバ5のCPU51は、シュレッダ6のキャラクタ読取部62で読み取ったキャラクタ情報と記憶部52に記憶されている機密文書データを基にして、シュレッダ6で処分しようとしている機密文書と処分承認の整合性を確認する。処分承認の整合性は、例えば、管理サーバ5のCPU51が、機密文書データに記録されている保管期限あるいは処分期限と機密文書を処分しようとしている日時とを比較することで実行される。処分承認の整合性が確認されると、細断部63は、機密文書を細断する。細断された機密文書の紙片はチップ収納部64に収納される。シュレッダ6のキャラクタ読取部62における読み取り方式は、例えば、マニュアルスキャン方式やCCDスキャン方式、レーザスキャン方式、イメージスキャン方式がある。
【0038】
その際、管理サーバ5のCPU51は、処分した機密文書の機密文書データを更新する。例えば、機密文書データの印刷部数の更新である。シュレッダ6の細断部63が細断する機密文書に対して、管理サーバ5のCPU51が、機密文書データに記録されている印刷/複写部数が1部となっていると判断すると、シュレッダ6の細断部63が機密文書を細断すると、管理サーバ5は、記憶部52で記憶している当該機密文書に対応する機密文書データを削除する。
【0039】
上記したように、管理サーバ5が、処分される機密文書と機密文書データとの整合をとることで、現在印刷されている機密文書があと何部あるのか、いつまで保存されているかなどを正確に管理できる。
【0040】
また、上記処分承認は、機密文書を処分する細断前に、あらかじめ印刷者や複写者あるいは機密文書管理者あるいは印刷者や複写者の上長などに機密文書の処分承認をとっておく仕組みである。例えば、機密文書管理者あるいは印刷者や複写者の上長などが管理サーバ5または、LANで接続されたそれぞれのPCから機密文書の処分承認を設定する。そして、管理サーバ5は、記憶部52に記憶している機密文書データに処分承認情報を付加して記録する。処分承認は、例えば機密文書データに記録された保管期限あるいは処分期限を示す情報に対するものである。
【0041】
シュレッダ6で処分しようとしている機密文書と機密文書データとの処分承認の整合性が確認されなかった場合、シュレッダ6は、機密文書を処分しようとしている利用者に対して、処分承認が確認できない旨、つまり、処分していいのか否かを再度確認させるように、図示しないブザーで警告音を発する。警告音を発するブザーの代わりに図示しない警告ランプを用いてもよい。また、利用者が、図示しない処分確認ボタンを押すことで、シュレッダ6の細断部63が起動し、機密文書を細断する。処分していいのか否かを再度確認させる通知は、機密文書を処分する毎または最後に処分される機密文書の場合だけなど設定できる。
【0042】
シュレッダ6が、処分承認が確認できていない機密文書に対して処分の可否を問うための通知をすることで、利用者が誤って機密文書を処分することを防ぐことができる。
【0043】
また、図7は図2に示すMFP1に文書処分部8を設けた構成例である。MFP1の動作は前記動作例と同様である。文書処分部8は、細断部81とチップ収納部82で構成されている。機密文書に印字されたキャラクタの読み取りはスキャナ106が行っている。利用者が機密文書を処分する場合、MFP1の表示部113bのタッチパネルや操作部113aを押した後、機密文書を自動原稿送り装置300に挿入する。
【0044】
スキャナ106は、自動原稿送り装置300で送られる機密文書に印字されたキャラクタを読み取る。MFP1のCPU101は、スキャナ106で読み取ったキャラクタの情報を、機密文書データを管理している管理サーバ5あるいはMFP(管理サーバの代用でMFPを使用する場合)へネットワークインタフェース112を介して送信する。管理サーバ5のCPU51は、処分しようとしている機密文書と機密文書データに登録された処分承認との整合性を確認する。そして、管理サーバ5のCPU51が機密文書と処分承認との整合性を確認すると、機密文書は文書処理部8へ搬送され、細断部81は、機密文書を細断する。細断された機密文書の紙片は、チップ収納部82に収納される。
【0045】
その際、管理サーバ5のCPU51は、処分した機密文書の機密文書データを更新する。例えば、機密文書データの印刷部数の更新である。シュレッダ6の細断部63が細断する機密文書に対して、管理サーバ5のCPU51が、機密文書データに記録されている印刷/複写部数が1部となっていると判断すると、シュレッダ6の細断部63が機密文書を細断すると、管理サーバ5は、記憶部52で記憶している当該機密文書に対応する機密文書データを削除する。
【0046】
また、利用者が機密文書をMFP1で複写しようとしたとき、管理サーバ5のCPU51は、スキャナ106で読み取った機密文書のキャラクタの情報と記憶部62に記録されている機密文書データの処分承認との整合性を確認する。機密文書データに複写不可の情報が設定されている場合、管理サーバ5のCPU51は、ネットワークインタフェース63を介して、MFP1に対して機密文書の複写が不可である情報を送信する。複写が不可である情報を受信したMFP1のCPU101は、機密文書を細断部81に移送し、細断するように制御する。
【0047】
上記したように、管理サーバ5が、機密文書の処分承認が得られないと判断すると、機密文書を複写しようとした利用者に返却することなく、細断部81は、機密文書を細断する。そのため、複写不可の機密文書を複写することができなくなり、機密性を確保できる。
【0048】
さらに、管理サーバ5の記憶部62が記憶している機密文書データを変更したいとき(例えば、複写禁止を複写可能にするあるいは、機密文書の保管場所を変更するなど)、例えば管理サーバ5を管理する機密文書管理者は、表示部36や入力部34を用いて機密文書データを変更することができる。そのため、利用者が機密文書をMFP1で複写するとき、管理サーバ5は、MFP1のスキャナ106で読み取った機密文書のキャラクタの情報と管理サーバ5の記憶部62に記憶されている機密文書データの処分承認との整合性を確認する。
【0049】
そして、管理サーバ5のCPU51が、機密文書データが変更されていると判断すると、変更された機密文書データを新たなキャラクタに変換する。そして、管理サーバ5は、MFP1に対して、新たなキャラクタの情報を送信する。MFP1のプリンタ107は、機密文書の印刷と同時に、新たなキャラクタを機密文書に印刷する。そして、自動原稿送り装置300は、複写元の機密文書を文書処理部8へ搬送し、細断部81は、機密文書を細断する。
【0050】
上記のように、特定の機密文書管理者は、機密文書データを変更することができる。さらに、利用者が機密文書を複写する際に、管理サーバ5が、機密文書に付されたキャラクタに対応する機密文書データが変更されていると判断すると、MFP1は、複写物には、変更された新たな機密文書データに対応するキャラクタ印字する。そして、細断部81が、複写元の機密文書を細断されるため、同じ機密文書の重複が発生せず、機密文書の処分と機密文書のデータを正確に管理できる。
【0051】
なお、機密文書データは、1次元バーコードや、2次元バーコード、マークとしたが、機密データをRFID、回路パターン、メモリ素子等のデータ保管部品に記憶し、印刷文書に貼り付けて管理を行ってもよい。また、この場合には、スキャナに変えてデータを読み取るそれぞれ専用のリーダを設ける。
【0052】
次に、図8、図9を用いて本発明の第2の実施例を説明する。例えば、会議に使用する機密文書を利用者がMFP1にて印刷を実行する際、PC3のCPU31は、利用者の入力により、表示部36に図8に示すプリンタドライブを起動する。利用者は、プリンタドライブで機密文書を渡す一人一人の名前を設定する。プリンタドライバでは、印刷者がアドレス帳から会議参加者の一人一人を選択し、その資料を渡す人(参加者)を登録する。また、MFP1のプリンタ107は、機密文書を印刷する際に、印刷した機密文書に一人一人別々の機密文書データに対応するキャラクタと名前を印字する。
【0053】
そして、管理サーバ5の記憶部62は、配布資料について、印刷者は誰か、印刷日時はいつか、どのような機密文書(表題や概略情報のみ)を印刷したのか、印刷する機密文書はどこで(保存する棚の場所など)保管される文書なのか一時印刷される文書なのか、それぞれ何部印刷したのか、それぞれいつまで保管するのかあるいはいつまでに処分するのか、複写禁止か否かなどのデータを記憶する。管理サーバ5の記憶部62が記憶する上記データは、MFP1のプリンタ107が配布資料を印刷する前に、管理サーバ5の記憶部62に記憶するようにしてもよい。
【0054】
次に、利用者が機密文書をMFP1で複写するときに、MFP1のコントロールパネル113に表示される設定画面を図9に示す。利用者が、コントロールパネル113のタッチパネルまたは操作部113aで図9に示すセキュリティを選択すると、CPU101は、アドレス帳アイコンが選択できる画面をコントロールパネル113に表示する。そして、利用者は、アドレス帳アイコンを選択し、複写物を渡す人を登録者として登録する。MFP1の記憶部104は、複写物を渡す人の登録者データを記録する。ここで、利用者は、上記した機密文書データと同様の情報を登録者データとしてさらに記録することができる。
【0055】
CPU101は、MFP1の記憶部104に記録された複写物を渡す人の登録者データを基にして、プリンタ107で複写物を複写する際に、一人一人に渡す複写物毎に違うキャラクタを印字するように制御する。CPU101は、それぞれの登録者データを管理サーバ5へ送信し、管理サーバ5の記憶部62は、登録者データを記憶する。
【0056】
次に、複写物を受け取った登録者が、自身のキャラクタが印字された複写物をシュレッダ6で処分する場合について説明する。登録者が、複写物を文書挿入部61に挿入すると、キャラクタ読取部62は、複写物に印字されているキャラクタを読み取る。管理サーバ5のCPU51は、シュレッダ6のキャラクタ読取部62で読み取ったキャラクタ情報と記憶部52に記録されている登録者データを基にして、シュレッダ6で処分しようとしている複写物と処分承認の整合性を確認する。処分承認の整合性は、例えば、管理サーバ5のCPU51が、登録者データに記録されている保管期限あるいは処分期限と複写物を処分しようとしている日時とを比較することで実行される。管理サーバ5のCPU51が処分承認の整合性を確認すると、細断部63は、機密文書を細断する。細断された複写物はチップ収納部64に収納される。
【0057】
その際、管理サーバ5のCPU51は、登録者データを更新する。例えば、登録者データに記録されている複写物の配布者である。管理サーバ5のCPU51は、シュレッダ6のキャラクタ読取部62で読み取ったキャラクタから、誰に渡された複写物なのかを判断する。管理サーバ5のCPU51が処分承認の整合性を確認すると、登録者データに記録されている複写物の配布者から処分承認された複写物の配布者の名前を削除し、登録者データを更新する。
【0058】
本実施例によれば、利用者が、MFP1で機密文書を印刷または複写して他人へ渡す場合でも、印刷物または複写物を渡す人を登録できる。また、MFP1の記憶部104または管理サーバ5の記憶部32は、印刷者または複写者だけでなく、資料を渡された人(登録者)も全て記録する。そのため、印刷物または複写物を所有している人物の管理が容易となる。また、印刷物または複写物を所有している人物が、印刷物または複写物を処分しようとする場合、印刷物または複写物を処分していないのは誰かを管理することができる。
【0059】
本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態におけるネットワーク構成を概略的に示す図である。
【図2】本発明の実施形態における画像形成装置の外観を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態におけるPCの要部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態における管理サーバの要部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態におけるシュレッダの構成を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における画像形成装置および文書処分装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施形態におけるPCの表示部に表示される図である。
【図9】本発明の実施形態における画像形成装置の表示部に表示される図である。
【符号の説明】
【0061】
1…MFP、2…MFP、3…PC、4…PC、5…管理サーバ、6…シュレッダ、7…シュレッダ、8…文書処分部、61…文書挿入部、62…キャラクタ読取部、63…細断部、64…チップ収納部、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…記憶部、105…データ変換部、106…スキャナ、107…プリンタ、108…モデム、109…NCU、110…電話機制御部、111…回線信号検出部、112…ネットワークインタフェース、113…コントロールパネル、114…時計部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書を記憶する第1の記憶部と、
前記文書の印刷後の利用設定として利用者、印刷部数、保管期限、処分期限、複写の可否のうち少なくとも1つを有する印刷文書データを入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記印刷文書データを記憶する第2の記憶部と、
前記文書を印刷する印刷部と、
前記第2の記憶部に記憶された前記印刷文書データに基づいて、前記印刷文書を管理する制御部と、
を有することを特徴とする機密文書管理システム。
【請求項2】
前記第2の記憶部に記憶されている前記印刷文書データを印字データに変換し、前記文書とともに前記印刷部で印刷することを特徴とする請求項1記載の機密文書管理システム。
【請求項3】
前記第2の記憶部に記憶されている前記印刷文書データをデータ管理部品に記録することを特徴とする請求項1記載の機密文書管理システム。
【請求項4】
前記印刷部で印刷された印刷物を挿入する挿入部と、
前記挿入部に挿入された前記印刷物に印字された前記印字データを読み取る読取部と、
前記読取部で読み取られた前記印字データによる処分許可に基づいて前記印刷物を処分する処分部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の機密文書管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記処分部による前記印刷物の処分に基づいて、前記印刷物に印字された前記印字データに対応する前記印刷文書データの前記印刷部数を更新することを特徴とする請求項4記載の機密文書管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記処分部による前記印刷物の処分に基づいて、前記印刷物に印字された前記印字データに対応する利用者を前記印刷情報データの前記利用者から削除することを特徴とする請求項4記載の機密文書管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−198179(P2008−198179A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278104(P2007−278104)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】