説明

機械または電動ピペット中に搭載するためのノズルアセンブリ

本発明は、ノズル(3)およびホルダ(2)、ピペットハンドル(16)中に配置されるピペット吸上げおよび排出機構のピペッティングロッド(18)と係合手段により協働するプランジャ(1)、およびノズルアセンブリ中でプランジャ(1)を密閉する密閉手段を有する、機械または電動ピペットに取り付けるためのノズルアセンブリに関する。ノズル(3)は、下部でピペット交換可能チップ(1)を受け取るように形成され、上部でホルダ(2)と着脱可能に接続される。ホルダ(2)において、圧力スリーブ(6)がホルダ(2)中でスライド可能に支えられるように配置される。圧力スリーブ(6)は、ホルダ(2)中に配置される圧力サブアセンブリを介して、圧力スリーブ(6)とノズル(3)との間に配置される密閉手段に押し付けられる。プランジャ(1)は、圧力スリーブ(6)中でおよび圧力サブアセンブリ中でスライド可能に支えられる。これにより、正しく信頼できるピペット操作に不可欠である、ノズル(3)におけるプランジャ(1)の密封性が、ピペットのピペッティング、調整または校正モードにおいて提供される。同時に、ピペットのメンテナンスモードにおいて、密閉手段がホルダ(2)の突合せ面(2c)から自動的に抜け出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械または電動ピペットに取り付けるためのノズルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、ノズルアセンブリは、機械または電動ピペットのハンドルに取り付けること、および、ピペット交換可能チップ放出機構およびプリセット値の液量の吸上げおよび排出機構を含むピペットにおいて異なる機能を実現する他の機構と協働することで知られる。
【0003】
多くの既知のノズルアセンブリは、下部が交換可能チップを受け取るように、好ましくは円錐に成形され、上部がピペットハンドルに取り付けられる、一体形ノズルを備えている。ノズル内では、プランジャがスライド可能に取り付けられる。プランジャは、ピペッティングロッドと、およびさらに吸上げおよび排出機構の押しボタンと、連結される。ピペットの正確な操作を確実にするために、および再現可能な、正確なおよび意図された容積値の液体をピペットにより吸い上げるまたは排出するために、ノズルアセンブリは、ノズル中にプランジャを密閉する技術的手段を備えている。一体形ノズルの場合、密閉手段は、ほとんどの場合、ノズルの下部の端に近接してピペットノズル内に配置される。周期的なメンテナンスを必要とする密閉手段へのアクセスは、一体形ノズルを有する既知のノズルアセンブリでは困難である。
【0004】
異なるピペットモード、特にピペッティングモード(PIPETTING MODE)、調整モード(ADJUSTMENT MODE)および校正モード(CALIBRATION MODE)の過程におけるノズルアセンブリのノズル中のプランジャ密閉手段の密閉作用の有効性は、ピペット操作全体の正確性のために重要な問題である。ピペットユーザに対する別の重要な問題は、ピペットのメンテナンスモード(MAINTENANCE MODE)中に必要なメンテナンス動作を行うための密閉手段へのアクセス可能性である。
【0005】
特許文献1として発行された米国特許出願第10/239,725号から、ピペットハンドルに取り付けるためのノズルアセンブリが既知であり、このノズルアセンブリは、ホルダの形態の上部およびノズルの形態の下部から成るノズル2ピースボディを備えている。ホルダおよびノズルは、好ましくはネジ接続により、着脱可能に連結される。ノズル2ピースボディにおいて、プランジャはスライド可能に取り付けられる。プランジャは、ピペットハンドル中に配置される、ピペット吸上げおよび排出機構のピペッティングロッドと、係合手段を介して協働する。ボディ構成要素の間、すなわちホルダとノズルとの間に、密閉手段が配置され、ホルダ、ノズルおよびプランジャと接触し、ホルダとノズルとの間で圧縮される。
【0006】
特許文献1に開示されるノズルアセンブリにおいて、ノズル突合せ面およびプランジャ機構部分への密閉手段の圧力は、ノズルとノズルホルダとの間の取り外し可能な接続、好ましくはネジ接続により実現され、ノズル突合せ面、ホルダ突合せ面およびプランジャ機構部分の間の密閉手段の圧縮の結果として及ぼされる。適切な圧力を及ぼす作用をする技術的手段は、ノズルとホルダとの間のネジ接続の場合、ノズル雄ネジおよびノズルホルダ雌ネジである。その結果、圧力は、ノズルおよびノズルホルダの寸法および作業許容範囲に依存する。ノズル、ノズルホルダおよびプランジャへの密閉環の形態の密閉手段の圧力の目標値を得るために、ノズルおよびノズルホルダは、それらの寸法が正確に決定される許容範囲に含まれるように、高度な技術管理体制の下で作製されなければならない。
【0007】
この既知のノズルアセンブリにおいて、ノズル、ホルダおよびプランジャへの密閉手段の圧力は、ノズルをホルダと連結する手段に依存し、説明される実施の形態においては、圧力はホルダ中へのノズルのねじ込みの程度に依存する。ノズルがホルダ中に不適切にねじ込まれる場合またはピペットの誤った操作の結果としてノズルが緩む場合、正しいピペット操作に必要な、プランジャ機構部分とノズルとの間の密封状態は満足されないであろう。
【0008】
特許文献1から知られる、ノズルアセンブリに密閉手段を取り付ける態様によれば、本明細書に適用され記載されるあるタイプの密閉手段を変化させること、およびさらに他のタイプの密閉手段を適用することは不可能となる。
【0009】
そのような構造のノズルアセンブリでは、ピペットのメンテナンスモード中にホルダからノズルを取り外した後、密閉手段はプランジャおよびホルダに関して静止したままであり、ホルダ突合せ面から自動的に抜け出されず、したがって、密閉手段のメンテナンスのために、ユーザは、ピペットのピペッティング押しボタンを押すことによりおよびピペットでノックするまたは振ることにより、ホルダの外に密閉手段を手動で引き出さなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0101831号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、ピペットのピペッティング、調整または校正モードにおけるノズル中のプランジャの必要な密封性を保証する構造であって、同時にピペットのメンテナンスモードにおいて密閉手段への非常に容易なアクセスを可能にする構造のノズルアセンブリを提供することである。
【0012】
本発明の次の目的は、ノズル中でプランジャ機構部分を密閉する多様な密閉手段の適用を可能とする構造のノズルアセンブリを提供することである。
【0013】
本発明の目的はまた、例えばホルダに意図せず誤ってノズルを取り付ける結果として、またはピペット操作の過程でノズルが緩む結果として、ノズルに対してプランジャ機構部分の密封性が失われる危険を排除するノズルアセンブリを提供することである。
【0014】
本発明の次の目的は、ノズルおよびプランジャ機構部分への密閉手段の圧力調整、およびノズルとノズルホルダとの間の取り外し可能な連結において生じる力と独立して圧力調整を可能とするノズルアセンブリを提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、その要素がピペットの正しい操作に重要である、ノズルアセンブリの個々の構造要素の損傷の危険を減少することにより、進化した操作信頼性および進化したピペット寿命の構造を有するノズルアセンブリを提供することである。ユーザがノズルアセンブリを完全に分解し上記の構造要素、特に小さい数値の液量を吸引するよう設計されたピペットにおけるプランジャを取り外すことが必要である場合に、メンテナンスモードにおいて特に損傷の危険が存在する。
【0016】
さらに、ノズルアセンブリは、全ての構造要素並びにピペットのメンテナンスモードにおけるそれらの相互配置の連続的な観察を可能とする。
【0017】
さらに、本発明によるノズルアセンブリの構造は、幅広い実験および医療用の用途のために設計される製品に非常に重要である、最終製品、すなわちピペットの価格を減少するための技術的および経済的利点を提供する。
【発明を解決するための手段】
【0018】
目指す目的は、以下に示される本発明によるノズルアセンブリで達成された。
【0019】
本発明による機械または電動ピペットに取り付けるためのノズルアセンブリは、
ノズルおよびホルダから成る2ピースボディ;
ピペットのハンドル中に配置される、ピペットの吸上げおよび排出機構のピペッティングロッドと、係合手段を介して協働するプランジャ;および
ノズルアセンブル中でプランジャを密閉するための密閉手段;
を含み、
ノズルが、下部でピペット交換可能チップを受け取るように成形され、上部でホルダと着脱可能に連結され;
ピペットのピペッティング、調整または校正モードにおいてノズル中のプランジャの密封性を確実にし、ピペットのメンテナンスモード中にホルダ突合せ面から密閉手段が自動的に外にスライドするのを可能とするノズルアセンブリが、ホルダ中に、ホルダ中に取り付けられた圧力サブアセンブリを介して、圧力スリーブとノズルとの間に配置された密閉手段へ押し付けられる圧力スリーブをスライド可能に支えられて有し;
プランジャは、圧力スリーブ中および圧力サブアセンブリ中でスライド可能に支えられる。
【0020】
好ましくは、圧力サブアセンブリは、圧力バネ、ロッキングスリーブ、およびホルダ中に取外し可能に取り付けられるキャップを備えている。
【0021】
好ましくは、キャップは、ネジ接続によりホルダと連結される。
【0022】
好ましくは、キャップは、外面上に、つかむことを容易にしキャップの剛性を改良するように形成されるリブを有する。
【0023】
好ましくは、ノズルは、その上部において、ネジ接続によりホルダと連結される。
【0024】
好ましくは、密閉手段は、ガスケットおよび密閉環を含む。
【0025】
好ましくは、プランジャ上におよび圧力サブアセンブリと協働して、ピペッティングバネが、機械ピペットの吸上げおよび排出機構のピペッティングロッドとの協働のために取り付けられる。
【0026】
好ましくは、ピペッティングバネは、プランジャの端部と圧力サブアセンブリのロッキングスリーブとの間に取り付けられ、プランジャの端部は、その上面が、キャップの突合せ面で終端となる。
【0027】
好ましくは、ノズルアセンブリは、ノズルアセンブリ本体上に取り付けられる、ピペット交換可能チップ放出機構の放出アセンブリを有する。
【0028】
好ましくは、ピペット交換可能チップ放出機構の放出アセンブリは、スリーブ、上部および下部ウォッシャ、バネ、イジェクタを備えており、スリーブは、上部および下部ウォッシャの間にそれらによりイジェクタバネが取り付けられるホルダ上にスライド可能に支えられ、イジェクタは、スリーブと取外し可能に連結される。
【0029】
好ましくは、スリーブは、つかむことを容易にしスリーブの剛性を改良するように、外面上にリブを有する。
【0030】
好ましくは、イジェクタは、ネジ接続によりスリーブと連結される。
【0031】
好ましくは、ノズルは、つかむことを容易にしノズルの剛性を改良するように、上部の外面上にリブを有する。
【0032】
好ましくは、ホルダは透明プラスチック材料で作製される。
【0033】
本発明に従うノズルアセンブリの利点は、その構造が、ノズルとホルダとの間のあるタイプの着脱可能な連結と独立する、ピペットのピペッティング、調整または校正モードにおけるノズルへのおよびプランジャ機構部分への密閉手段の連続的圧力を提供するだけでなく、メンテナンスモードの過程で密閉手段をホルダの外側へ自動的にスライドさせることであります。それにより、ピペットのメンテナンスモード中に密閉手段がホルダ内の深くにとどまるという不都合な現象が排除される。既知のノズルアセンブリに存在する上記の現象により、密閉手段の容易で平穏なメンテナンスが不可能となる。効果においては、本発明によるノズルアセンブリにおいて、ホルダに意図せず誤ってノズルを取り付ける結果として、またはピペット操作の過程でノズルが緩む結果として、ノズルに関するプランジャ機構部分の密封性が失われる危険が排除される。他方、ピペットのメンテナンスモードにおいて、ユーザは、ノズルアセンブリホルダから外側に自動的にスライドする密閉手段へ非常に容易にアクセスでき、ノズルアセンブリ全体を分解する必要がない。
【0034】
本発明に従うノズルアセンブリの次の利点は、圧力サブアセンブリにより生じる力の調整によって、ノズルへの密閉手段の圧力が調整されることである。
【0035】
本発明の次の利点は、ノズル中でプランジャ機構部分を密閉する多様な密閉手段の利用が可能となることである。
【0036】
ピペットの信頼性は、正しいピペット操作に重要な、ノズルアセンブリの個々の構造要素のユーザによるまたは修理員による損傷の危険を排除することにより改善された。
【0037】
本発明に従うノズルアセンブリの特別な利点は、透明なプラスチック材料で作製されるホルダの利用により、メンテナンスモード中のノズルの分解および組立ての過程において、全ての構造要素およびそれらの相互の構成の連続的な観察が可能となることである。
【0038】
技術的観点から、特に有利な特徴は、既知のノズルアセンブリの、従来の、数倍長い、一体形のノズルと比較して、技術的製造工程中にノズルを通して開口を作製するために必要なコアが著しく短くなることである。
【0039】
2ピースノズルアセンブリの利用により、今度は、ホルダにずっと安いプラスチック材料を利用し、材料がピペット操作中に高い寸法要求を満たし所要の熱および化学耐性を有する必要があるノズルに、より良い高価なプラスチック材料を利用することが可能となる。
【0040】
本発明のさらなる利点は、誤ったピペット使用中またはピペット落下中のノズル破損の場合に、ノズルの交換が従来の一体形ノズルにおけるよりも著しく簡単で費用が安いことである。これは、当該ノズルアセンブリから新しいものへいずれの構造要素も運ぶ必要がなく、損傷したノズルを新しいものに交換するだけだからである。
【0041】
好ましいが限定されない実施の形態における本発明の対象は、図面によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】機械ピペットに取り付けられる、本発明によるノズルアセンブリの全体図
【図2】図1からのノズルアセンブリの縦断面図
【図3】ピペットのメンテナンスモードにおける図1からのノズルアセンブリの全体図
【図4】ピペットのメンテナンスモードにおける図1からのノズルアセンブリの縦断面図
【図5】機械ピペットに取り付けるための図1からのノズルアセンブリの「分解」透視図
【図6】電動ピペットに取り付けるための本発明によるノズルアセンブリの「分解」透視図
【図7】本発明によるノズルアセンブリのホルダ2の透視図および縦断面図
【図8】本発明によるノズルアセンブリと協働する、交換可能チップ放出機構の放出アセンブリのイジェクタ15の透視図および縦断面図
【図9】本発明によるノズルアセンブリと協働するためのイジェクタ15のスリーブ11の透視図および縦断面図
【図10】本発明によるノズルアセンブリの圧力サブアセンブリのロッキングスリーブ8の透視図および縦断面図
【図11】本発明によるノズルアセンブリの圧力サブアセンブリのキャップ10の透視図および縦断面図
【図12】本発明によるノズルアセンブリのノズル3の透視図および縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明による機械または電動ピペットに取り付けるためのノズルアセンブリは、小型の構成を有し、図3に示されるように、機械または電動ピペットのハンドル16からの取外し後に、ノズルアセンブリは分離した自立機械アセンブリを構成する。
【0044】
図4に示されるノズルアセンブリは、ノズル3およびホルダ2から成る2ピースボディ、ピペットのハンドル16中に配置される吸上げおよび排出機構のピペッティングロッド18と係合手段を介して協働するプランジャ1、およびノズルアセンブリ中でプランジャ1を密閉する密閉手段を備えており、密閉手段は、好ましくは、ガスケット5および密閉環4の形態である(図5参照)。ノズル3は、その下部でピペット交換可能チップ19を受け取るように形成され、その上部でネジ接続によりホルダ2と連結される。ホルダ2において、圧力スリーブ6はスライド可能に支えられる。圧力スリーブ6は、ホルダ2に取り付けられる圧力サブアセンブリを介して、圧力スリーブ6とノズル3との間に配置される密閉手段に押し付けられる。圧力サブアセンブリは、圧力バネ7、ロッキングスリーブ8、およびネジ接続によりホルダ2と連結されるキャップ10を備えている。プランジャ1上におよびプランジャ1の端部1bと圧力サブアセンブリのロッキングスリーブ8との間に、ピペッティングバネ9が、機械ピペットの吸上げおよび排出機構のピペッティングロッド18と協働するように配置される。プランジャ1の端部1bは、その上面が、キャップ10の突合せ面10dで終端となる。プランジャ1は、圧力スリーブ6中および圧力サブアセンブリ中でスライド可能に支えられる。ノズルアセンブリは、ピペット交換可能チップ放出機構の放出アセンブリを有し、この放出アセンブリはノズルアセンブリ本体上に取り付けられる。ピペット交換可能チップ放出機構の放出アセンブリは、スリーブ11、上部ウォッシャ12および下部ウォッシャ13、バネ14およびイジェクタ15を備えている。スリーブ11は、ホルダ2上にスライド可能に支えられる。ホルダ2上に、上部ウォッシャ12および下部ウォッシャ13の間におよびそれらにより、イジェクタ15のバネ14が位置する。イジェクタ15は、ネジ接続によりスリーブ11と連結される。
【0045】
ピペットのピペッティングモード
図2および7に示されるように、好ましくは、協働するパーツの1つがノズルアセンブリのホルダ2の上部雌ネジ2aであるネジ接続により、機械ピペットのハンドル16に本発明によるノズルアセンブリを取外し可能に取り付けた後、図2、4および5に示されるように、ピペットハンドル16中に配置されるピペット吸上げおよび排出機構のピペッティングロッド18は、図11に示されるように、ピペッティングモードにおいて、その球状下端18aでおよびキャップ10中の開口10aを通って、図5に示されるように、プランジャ1の円錐状台座1d上に押される。ピペッティングモードにおいて、機械ピペットのピペッティング押しボタン(図示せず)上にユーザにより及ぼされる力の影響の下で、プランジャ1は、その端部1bでピペッティングバネ9上に押されて圧縮を起こし、ノズルアセンブリ内の下方深くに移動される。図2、4および10に示されるように、プランジャ1は、圧力サブアセンブリのロッキングスリーブ8の開口8a中に円筒型表面1cによりスライド可能に支えられる。プランジャ1とノズルアセンブリの他の構造要素との間の密閉手段の利用により、ピペッティングモード中のプランジャ1の長手方向の移動中にプランジャ1の円筒型機構部分1aは、図2、4および5に示されるように、この構造上の接合において本発明によるノズルアセンブリの協働する構造要素の間の完全な密封性を保持しながら、密閉手段に関して移動する。
【0046】
図2および12に最も良く示されるように、ピペッティングモード中にノズルアセンブリ内深くに移動するプランジャ1によって、ノズル3の孔3aから外に空気が押し出され、ノズル3の上部において、交換可能チップ19が設定値の液量を吸い上げるように配置される。ピペットのピペッティングロッド18の規定の作業ストロークにおいて、交換可能チップ19中に正確に定められた容積値の液体を吸引できるような態様で、プランジャ1の機構部分1aの直径が選択される。
【0047】
プランジャ1の下方への移動中に押されるピペッティングバネ9の作用の下で、および吸上げおよび排出機構のピペッティング押しボタン17(図示せず)上へのユーザによる押し付けが終わった後に、吸引の結果としてノズル3の密閉表面3c上に干渉しながら位置する交換可能チップ19中に所望の容積値の液体を吸い上げることが可能である。
【0048】
しかしながら、ノズルアセンブリの残りの構造要素に関連しておよびピペットの操作状態と独立して、プランジャ1の円筒型機構部分1aの密封状態を保持するために、ノズル3に密閉手段の連続的な圧力を与えることが必要である。この目的で、図2、4および5に最も良く示される圧力スリーブ6を使用し、圧力スリーブ6は、ノズル3の上部突合せ面3bに、密閉手段、例えばガスケット5および密閉環4を押しつける(図12参照)。圧力スリーブ6、密閉手段およびノズル3の上部突合せ面3bの連続的な圧力は、圧力サブアセンブリの圧力バネ7により提供され、これは圧力スリーブ6の端部6cの上面6b上に作用する。図2、4、5および10に最も良く示されるように、圧力バネ7は頂部において、ロッキングスリーブ8の下端部8d上に配置され、次に上端部8bによりノズルアセンブリのホルダ2中に配置される。圧力サブアセンブリのそのような構造により、圧力アセンブリの圧力バネ7の作業特性の変化の結果として、ノズル3の上部突合せ面3bへの密閉手段の圧力が調節される。ロッキングスリーブ8は、その内側端部8cを介して、ピペッティングバネ9の下端のための台をも構成する(図4および10参照)。図11に最も良く示されるように、ノズルアセンブリのホルダ2内にロッキングスリーブ8を取り付けるために、キャップ10が使用される。キャップ10はその円周上に雄ネジ10cを提供され、これはノズルアセンブリホルダ2の上部雌ネジ2aと協働する。キャップ10をホルダにねじって付けるおよび外すことは、外面上に形成された長手方向のリブ10bの存在により容易である。さらに、キャップ10は、ピペッティングバネ9の初荷重の影響下でプランジャ1がノズルアセンブリからスライドして外れることを防ぐ。ピペッティングバネ9の初荷重の影響下でプランジャ1の上面1eは、図4および11に示されるように、キャップ10の突合せ面10dに押しつけられる。
【0049】
本発明による、電動ピペットに取り付けられるノズルアセンブリによるピペッティングモードは、プランジャ1の駆動の態様でのみ、機械ピペットにおけるピペッティングモードと異なる。本発明による、図6に示されるように電動ピペットと協働するノズルアセンブリにおいて、機械ピペットと協働するノズルアセンブリにおいて存在するピペッティングバネ9を使用する必要はない。これは、空気の押し上げ中および所要の容積値の液体の吸引中のプランジャ1の移動が、ステッピング・モーターにより実現されることによる。したがって、電動ピペットにおいて使用されるノズルアセンブリには、ピペッティングバネ9は提供されない。これに対して、プランジャ1を駆動するためのステッピング・モーターのシャフトとのノズルアセンブリプランジャ1の両側係合を提供するために、電動ピペットのハンドルからノズルアセンブリを容易に取り外すことを可能とする技術的係合手段を利用しノズルアセンブリメンテナンスまたは消毒を行うことが不可欠である。
【0050】
例えば図6に示されるように、電動ピペットと協働する本発明によるノズルアセンブリにおいて、好ましくは、電動ピペットハンドル16中のステッピング・モーターシャフトに取り付けられる永久磁石を含むクラッチの形態の技術的係合手段を利用し、永久磁石は強磁性体から成る永久磁石板20の形態でノズルアセンブリ中に存在する。永久磁石板20は、プランジャ1の端部1bにおける円筒型収納部1f中に接着される。電動ピペットのハンドル16中でステッピング・モーターシャフトに取り付けられる永久磁石は、電動ピペットのハンドル16に本発明によるノズルアセンブリを取り付けた後、図6に示されるように、プランジャ1の上部に配置された永久磁石板20の上面20aと連結する。
【0051】
ピペットのメンテナンスモード
ノズルアセンブリの分解
メンテナンスモードにおいて機械ピペットと協働する、本発明によるノズルアセンブリが、図3および4に示される。
【0052】
本発明によるノズルアセンブリを有する電動ピペットのメンテナンスモードは、本発明によるノズルアセンブリを有する機械ピペットのメンテナンスモードと同様に行われる。
【0053】
ピペットのメンテナンスモードにおいて密閉手段の必要な交換、洗浄または潤滑を行うために、図2に示されるように、機械ピペットを含むピペットのハンドル16からねじって外すことにより、本発明によるノズルアセンブリを分解する必要がある。ノズルアセンブリを機械または電動ピペットのハンドル16と連結するネジ接続の分解は、ノズルアセンブリホルダ2が一組の協働する長手リブによってイジェクタ15と係合することにより可能である。図7に示されるように、ノズルアセンブリホルダ2の外面上に長手リブ2eが形成され、図8に示されるように、これはイジェクタ15の内面上に形成される長手リブ15bと協働する。その結果、イジェクタ15の回転中、その回転運動がホルダ2に伝わり、今度はこれによって、本発明によるノズルアセンブリとピペットハンドル16との間のネジ接続の分解が可能となる。ノズルアセンブリとピペットハンドル16との間のこのネジ接続の協働するパーツの一つは、ノズルアセンブリホルダ2の上部雌ネジ2aである。
【0054】
機械または電動ピペットのハンドル16からのノズルアセンブリの分解後、イジェクタ15の取外しを行わなければならず、イジェクタ15はホルダ2上に弾性的に取り付けられ、交換可能チップ19がノズル3から取り外されるとイジェクタ15が開始位置へ自動的に戻る。ホルダ2上のイジェクタ15のこの弾性的取付けは、イジェクタ15のバネ14により実現される。それぞれ機械ピペットおよび電動ピペットと協働する本発明によるノズルアセンブリを示す図5および6に示されるように、バネ14は、イジェクタ15のスリーブ11の上部ウォッシャ12とノズルアセンブリホルダ2上に位置する下部ウォッシャ13との間に配置される。上部ウォッシャ12は、バネ14のためのベアリング要素として使用され、ノズルアセンブリからのイジェクタ15の組立てまたは分解中にイジェクタ15のバネ14は回転しない。図9に示されるように、ベアリング要素を構成する上部ウォッシャ12は、イジェクタ15のバネ14とイジェクタ15のスリーブ11の突合せ面11dとの間に配置される。イジェクタ15のバネ14を支持するために、図5、6、7および9に示されるように、下部ウォッシャ13は収容ノッチ13aによりホルダ2の固定突出部2d上に配置される。イジェクタ15のスリーブ11は、本発明によるノズルアセンブリのホルダ2上にイジェクタ15を固定することに役立ち、ホルダ2の円筒表面2k上に支えられ、内側端部11cによりホルダ2の外側突合せ面2hで終端となる。図2および9に示されるように、スリーブ11は接触表面11bを有し、その上にピペット放出機構の放出アセンブリの構造要素が作用し、これはハンドル16に取り付けられ、イジェクタ15を作動させる、すなわちピペッティングモードが終了した後にノズル3から交換可能チップ19を取り外すためにホルダ2およびノズル3に沿って下方にイジェクタ15を動かす作用をする。イジェクタ15のスリーブ11を回転させることにより、イジェクタ15はノズルアセンブリを下方に移動させる。イジェクタ15のスリーブ11の回転は、スリーブ11の外面上に形成されるリブ11fにより容易になる。イジェクタ15の雌ネジ15aからスリーブ11の雄ネジ11aを完全に取り出した後、イジェクタ15をホルダ2から取り外してもよい。
【0055】
イジェクタ15の分解後、ノズル3の上部にアクセスすることができる。ノズル上部の外面上に、長手リブ3dが作成される。リブ3dにより、ノズルアセンブリホルダ2からノズル3をねじって外すことが容易となり、ノズル3の剛性が改善される。リブ3dを握った後、ノズル3は、ホルダ2とノズル3との間の一次的な締付けの取外しの結果として、ホルダ2から分離されてもよい。ここに示される、本発明によるノズルアセンブリの好ましい実施の形態において、ノズル3は、ホルダ2とノズル3との間のネジ接続の取外しの結果として、ノズルアセンブリホルダ2からねじって外されてもよい。このネジ接続は、ノズル上部3の外面上の雄ネジ3eおよびホルダ2の下部の内面上の下部雌ネジ2bから成る。
【0056】
ノズル3の分解後、プランジャ1の機構部分1a上へホルダ2中で配置された圧力スリーブ6の端部6cの上面6b上における圧力バネ7の作用の結果として、圧力スリーブ6の前表面6aが、前表面6aで終端となる密閉手段と共にホルダ2の突合わせ面2cから下方へ外される。ガスケット5および密閉環4は、密閉手段の例である。
【0057】
これにより、メンテナンスモードにおいて、図3および4に示されるように、ノズルアセンブリホルダ2の外側へプランジャ1の円筒型機構部分1aに沿って密閉手段がスライドされる。圧力サブアセンブリの圧力バネ7の作用の下で圧力スリーブ6の下方への移動は、圧力スリーブ6の下部の外面上に配置されるリブ6dにより制限される。圧力スリーブ6の下方への移動中、リブ6dは、図4および7に示されるように、ノズルアセンブリホルダ2の下部の内面上に形成されるストップ2iと接触するようになる。圧力スリーブ6は、ホルダ2の内面2fと協働する円筒型端部6cによりホルダ2中にスライド可能に支えられる。そのような支持により、圧力スリーブ6は、ピペッティングモードおよびメンテナンスモードにおいて、ノズルアセンブリホルダ2に関して同軸上に位置する。圧力バネ7の初荷重の作用下で圧力スリーブ6の完全な下方への移動後、すなわち、圧力スリーブ6のリブ6dがホルダ2のストップ2iで終端となる位置で、好ましくはガスケット5および密閉環4のような密閉手段は、ノズルアセンブリホルダ2の外側へスライドするが、図4に示されるように、プランジャ1の円筒型機構部分1a上に位置したままである。機械または電動ピペットのメンテナンスモードにおける本発明によるノズルアセンブリ中の密閉手段のそのような位置によって、ノズルアセンブリホルダ2からノズル3をねじって外した後、容易な交換、洗浄または検査が可能となる。
【0058】
ホルダ2からノズル3をねじって外した後、プランジャ1の台座1d上に作用するプッシャーとしてノズル3を使用し、ホルダ2の突合せ面2cのずっと上にプランジャ1の機構部分1aに沿って密閉手段を抜き出すことが可能となり、これによりメンテナンスがさらに容易となる。
【0059】
ノズルアセンブリの組立て
ピペットのメンテナンスモードにおいて必要なメンテナンス動作を行った後、本発明によるノズルアセンブリの組立てを以下のように行う。
【0060】
第1工程において、雄ネジ3eを有するノズル3が、ノズルアセンブリホルダ2の下部雌ネジ2b中にねじ込まれる。ホルダ2の下部雌ネジ2bへのノズル3のねじ込みは、図7および12に示されるように、ノズル3における誘導円錐部分3fおよびホルダ2における誘導円錐部分2jの利用により容易になる。ノズル3をホルダ2中にねじ込みながらホルダ2へノズル3を押し付けることにより、例えばガスケット5および密閉環4のような密閉手段の上方への移動が生じ、ホルダ2中深くに圧力スリーブ6が移動する。本発明によるノズルアセンブリの上記の構造要素をホルダ2の内部へスライドさせることにより、圧力サブアセンブリの圧力バネ7の圧縮が起こり、それにより、ノズル3の上部突合せ面3bに対して使用される密閉手段の圧力が増加する。ノズル3は、ノズル3の下部突合せ面3gがホルダ2の突合せ面2cと接触する位置まで、ホルダ2中にねじ込まれる。
【0061】
本発明によるノズルアセンブリのホルダ2へノズル3をねじ込んだ後、ノズル3、ホルダ2およびプランジャ1の機構部分1aの外側円筒表面へおよびそれらの間に、圧力バネ7の伸縮力に由来する圧力、すなわち、例えばガスケット5および密閉環4のような密閉手段の圧力が、ピペットの全ての作業モードにおいて、特にピペッティング、調整および校正モードにおいて、ピペットの信頼できる機能のためのピペットの全ての操作状態においてプランジャ1の非常に良好な密封性を提供するのに十分である。
【0062】
次の工程は、放出アセンブリのイジェクタ15を、ノズル3がねじ込まれたホルダ2の上にスライドさせることである。イジェクタ15の上にスライドさせる間、イジェクタ15の長手リブ15bの間に配置されなければならない、ホルダ2の長手リブ2eに注意を払うべきである。イジェクタ15がスリーブ11に近づくと、イジェクタ15の上部の内面上に形成される雌ネジ15aへスリーブ11をねじ込む動作が開始される。イジェクタ15中のスリーブ11のねじ込みの動作は、図8および9に示されるように、スリーブ11の接触表面11eがイジェクタ15の突合せ面15dに接触する位置まで行われる。スリーブ11をイジェクタ15中へねじ込んだ後、図2および7に示されるように、好ましくは協働するパーツの1つがノズルアセンブリホルダ2の上部雌ネジ2aであるネジ接続を介して小さいトルクを与えた後に、取外し可能な接続により機械または電動ピペットのハンドル16に本発明によるノズルアセンブリを取り付けてもよい。
【0063】
本発明によるノズルアセンブリは、ユーザまたは修理員にとって、ピペットのメンテナンスモードにおいてプランジャ1の密閉手段へのアクセスを徹底的に容易にする構造を有し、密閉手段は残りの操作モードでプランジャ1を密閉する。メンテナンスモードにおける密閉手段へのアクセスは、密閉手段と関連する周期的に必要なメンテナンス動作、例えばそれらのコントロール、洗浄、交換または潤滑を行うために重要である。密閉手段へ直接アクセスするために、行われるべき動作は、ピペットハンドル16からノズルアセンブリをねじって外し、ノズルアセンブリからイジェクタ15を取り外し、ホルダ2からノズル3をねじって外すことのみである。圧力サブアセンブリの作用の下で密閉手段は、ホルダ2から自動的に外へスライドする。そのような態様において、メンテナンスモード中で、従来のノズルアセンブリを有するピペットにおいて密閉手段の容易で平静なメンテナンスを不可能にする、密閉手段がホルダ2中の深くに残るという現象が、排除された。
【0064】
密閉手段のコントロール、洗浄および潤滑を行うための、ユーザによるノズルアセンブリの完全な分解の必要性が排除された。このことは、本発明によるノズルアセンブリに提供されるピペットによる操作を著しく容易にし、ピペット操作の正確性に重要であるノズルアセンブリの個々の構造要素の損傷の危険を減少することによりピペットの信頼性を改良する。
【0065】
ピペットのメンテナンスモードにおいてプランジャ1を分解する必要がなくなることにより、曲げおよび損傷の危険が排除されるが、この危険は、小さい容積値の液体の吸引のために設計されたピペットの場合に特別に高い。
【0066】
本発明の構造のノズルアセンブリの利用により、圧力サブアセンブリがそのスリーブ6によって、ピペットのピペッティング、調整および校正モードにおいてノズル3の上部突合せ面3bへおよびプランジャ1の機構部分1aへの密閉手段の連続的圧力が保証され、この連続的圧力は、ノズル3とホルダ2との間の着脱可能な接続の力と独立する。したがって、ノズル3に関するプランジャ1の機構部分1aの密封性を失う危険が排除された。上記の危険は、既知のノズルアセンブリにおいて、ノズルアセンブリホルダ2にノズル3を意図せず誤って取り付けた結果として、またはピペットによる操作の過程でノズル3が緩んだ結果として、起こる。
【0067】
ノズル3が誤った使用中またはピペットの落下中に破損する場合、本発明のノズルアセンブリにおける新しいノズルとの交換は、損傷したノズルアセンブリから新しいものへ任意の構造要素を移すことが必要とされず、損傷したノズル3のみが新しいものと交換されるので、従来の一体形ノズルの場合よりもずっと容易で費用が安い。
【0068】
本発明のノズルアセンブリにおいて、プランジャ1の機構部分1aとノズル3との間の密封性を達成するのに役立つ多様な技術的密閉手段が使用できる。
【0069】
本発明によるノズルアセンブリは、実験室で使用される任意の呼び容積のノズルで使用してもよい。
【0070】
ホルダ2が透明プラスチック材料で作製される場合、ピペットのメンテナンスモードにおいてノズル3の分解または組立て中に、ノズルアセンブリの構造要素およびそれらの相互の配置を観察することができる。
【0071】
本発明の上記の例示的実施の形態に基づいて、異なる変化、修正および改良が可能であるが、そのような変化、修正および改良は、本発明の概念および添付の特許請求の範囲に照らして明らかである。
【符号の説明】
【0072】
1 プランジャ
1a 機構部分
1b 端部
1c 円筒表面
1d 台座
1e 上面
1f 収納部
2 (ノズルアセンブリの)ホルダ
2a 上部雌ネジ
2b 下部雌ネジ
2c 突合せ面
2d 固定突出部
2e リブ
2f 内面
2g 内部突合せ面
2h 外部突合せ面
2i ストップ
2k 円筒表面
2j 誘導円錐部分
3 ピペットノズル
3a 孔
3b 上部突合せ面
3c 密閉表面
3d リブ
3e 雄ネジ
3f 誘導円錐部分
3g 下部突合せ面
4 密閉環
5 ガスケット
6 圧力スリーブ
6a 前表面
6b 上面
6c 端部
6d リブ
7 圧力バネ
8 ロッキングスリーブ
8a 開口
8b 上端部
8c 内側端部
8d 下端部
9 ピペッティングバネ
10 キャップ
10a 開口
10b リブ
10c 雄ネジ
10d 突合せ面
11 (イジェクタ15の)スリーブ
11a 雄ネジ
11b 接触表面
11c 内側端部
11d 突合せ面
11e 突合せ面
11f リブ
12 上部ウォッシャ
13 下部ウォッシャ
13a 収容ノッチ
14 (イジェクタ15の)バネ
15 イジェクタ
15a 雌ネジ
15b リブ
15c 接触表面
15d 突合せ面
16 ピペットハンドル
17 押しボタン(図示せず)
18 ピペッティングロッド
18a 下端
19 ピペット交換可能チップ
20 永久磁石板
20a 上面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械または電動ピペットに取り付けるためのノズルアセンブリであって、
ノズル(3)およびホルダ(2)から成る2ピースボディ;
ピペットのハンドル(16)中に配置されるピペットの吸上げおよび排出機構のピペッティングロッド(18)と係合手段を介して協働するプランジャ(1);および
前記ノズルアセンブリにおいて前記プランジャ(1)を密閉するための密閉手段;
を備えており、
前記ノズル(3)が、その下部でピペット交換可能チップ(19)を受け取るように形成され、その上部で前記ホルダ(2)と着脱可能に接続され;
前記ホルダ(2)において、圧力スリーブ(6)が前記ホルダ(2)中にスライド可能に支えられ、前記ホルダ(2)中に配置される圧力サブアセンブリにより、ホルダ(2)が前記圧力スリーブ(6)とノズル(3)との間に配置される密閉手段に押し付けられ、前記プランジャ(1)は前記圧力スリーブ(6)および圧力サブアセンブリ中にスライド可能に支えられることによって、前記ピペットのピペッティング、調整または校正モードにおいて前記ノズル(3)中の前記プランジャ(1)の密封性を保証し;
前記ピペットのメンテナンスサービスを行うために前記ホルダ(2)から前記ノズル(3)をねじって外した後、前記密閉手段が前記ホルダ(2)の突合せ面(2c)から自動的に抜け出し前記プランジャ(1)上に残り、前記ピペットのメンテナンスモードにおける密閉手段へのアクセスが容易となる、
ことを特徴とするノズルアセンブリ。
【請求項2】
前記圧力スリーブ(6)の下方への移動が制限されることを特徴とする請求項1記載のノズルアセンブリ。
【請求項3】
前記圧力サブアセンブリが、圧力バネ(7)、ロッキングスリーブ(8)および前記ホルダ(2)と着脱可能に接続されるキャップ(10)を有することを特徴とする請求項1または2記載のノズルアセンブリ。
【請求項4】
前記キャップ(10)が、前記ホルダ(2)とネジ接続により接続されることを特徴とする請求項3記載のノズルアセンブリ。
【請求項5】
前記キャップ(10)が、その外面上に、つかむことを容易にし剛性を改良するよう形成されたリブ(10b)を有することを特徴とする請求項3または4記載のノズルアセンブリ。
【請求項6】
前記ノズル(3)が、その上部において、ネジ接続により前記ホルダ(2)と接続されることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のノズルアセンブリ。
【請求項7】
前記密閉手段が、ガスケット(5)および密閉環(4)を含むことを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載のノズルアセンブリ。
【請求項8】
前記プランジャ(1)上でおよび前記圧力サブアセンブリと協働して、ピペッティングバネ(9)が、前記機械ピペットの吸上げおよび排出機構の前記ピペッティングロッド(18)と協働するよう取り付けられることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載のノズルアセンブリ。
【請求項9】
前記ピペッティングバネ(9)が、前記プランジャ(1)の端部(1b)と前記圧力サブアセンブリの前記ロッキングスリーブ(8)との間に取り付けられ、前記プランジャ(1)の端部(1b)が、その上面(1e)が前記キャップ(10)の突合せ面(10d)で終端となることを特徴とする請求項8記載のノズルアセンブリ。
【請求項10】
前記ノズルアセンブリ本体上に取り付けられる、ピペッティング交換可能チップ放出機構の放出アセンブリを有することを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載のノズルアセンブリ。
【請求項11】
前記ピペット交換可能チップ放出機構の放出アセンブリが、スリーブ(11)、上部(12)および下部(13)ウォッシャ、バネ(14)およびイジェクタ(15)を備えており、前記スリーブ(11)が、前記ホルダ(2)上にスライド可能に支えられ、その上に、前記上部(12)および下部(13)ウォッシャの間でおよびそれらにより前記スリーブ(11)と着脱可能に接続される前記イジェクタ(15)のバネ(14)が配置される、ことを特徴とする請求項10記載のノズルアセンブリ。
【請求項12】
前記スリーブ(11)が、その外面上に、該スリーブ(11)をつかむことを容易にし剛性を改良するためのリブ(11f)を有することを特徴とする請求項11記載のノズルアセンブリ。
【請求項13】
前記イジェクタ(15)が、前記スリーブ(11)とネジ接続により接続されることを特徴とする請求項11または12記載のノズルアセンブリ。
【請求項14】
前記ノズル(3)が、その上部の外面上に、該ノズル(3)をつかむことを容易にし剛性を改良するためのリブ(3d)を有することを特徴とする請求項1から13いずれか1項記載のノズルアセンブリ。
【請求項15】
前記ホルダ(2)が、透明プラスチック材料から作製されることを特徴とする請求項1から14いずれか1項記載のノズルアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−525248(P2012−525248A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508420(P2012−508420)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際出願番号】PCT/PL2010/000030
【国際公開番号】WO2010/126386
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511262658)
【氏名又は名称原語表記】PZ HTL SPOLKA AKCYJNA
【Fターム(参考)】