説明

機械要素部品の余寿命算出方法

【課題】専門家によらなくても、機械要素部品が再使用可能か否かを判断できるようにする。
【解決手段】機械要素部品に、その機械要素部品の種類、製造時期、製造ロット、製造履歴のうちの少なくとも一つを含む識別情報を記録して外部から電磁的方法によりその識別情報を読み取り可能であるICタグを取り付けておき、このICタグを読み取れる点検装置の記憶部に、上記識別情報に対応した点検項目及びその判断基準を記録しておき、その機械要素部品に対応した点検項目を表示部に表示させ、結果情報を入力部から受け付けて、その結果情報を判断基準と対比して、再使用の可否を表示部に表示させるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、機械要素部品のメンテナンスにあたり、余寿命を算出する方法に関する。特に、機械要素部品の使用現場などのメンテナンスの専門家がいない状況でも精度の高い余寿命を算出できる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
あらゆる機械は使用すれば摩耗し、劣化していくことが避けられない。寿命が尽きた機械部品を使用していると、故障や事故の原因となってしまう。そのため、継続的に使用するためにはきめ細かい診断と適切なメンテナンスが欠かせず、寿命が尽きていたり、余寿命が少ない部品はメンテナンスの段階で交換することが望ましい。しかし、機械が複雑になるほど、機械要素部品を構成する構成部品の数は膨大になる。その膨大な数の構成部品の全てについて製造時の条件や製造時点を常に把握管理しておき、それぞれの構成部品に適した診断及びメンテナンスを行うことは現実的には困難であった。同種の構成部品であっても、製造条件によって性質も異なり、同一の基準では余寿命を判断できない場合もあったからである。
【0003】
一方、そういった機械の要素部品を管理する方法として、個々の要素部品にICタグを埋め込む方法が検討されている。ICタグは固有の識別情報を読み出すだけでなく。書き込みも可能であり、製造工程の属性や条件等を記録し、後からそれを情報として読み取ることができる。
【0004】
例えば特許文献1には、要素部品を構成するそれぞれの構成部品についての材料や鍛造、熱処理といった製造工程、組立工程等の条件をICタグに記録して、構成部品のいずれかに取り付け、出荷時の任意時にICタグの記録情報を読み取って、材料や製造条件等の確認を行う機械要素商品の品質管理方法が記載されている。これによると、出荷後もICタグを読み取ることで、材料や加工条件までが把握できるため、不具合が生じた場合の原因究明等を容易に行うことができる。
【0005】
一方、特許文献2には、転がり軸受の余寿命を、加速度センサを用いて測定した値を解析することによって診断する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−53670号公報
【特許文献2】特許第4504065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の方法は、製造メーカーや専門機関が検査する際には極めて有効であるが、複数の部品からなる機械の場合、個々の部品のそれぞれについての専門家が常に現場にいるわけではない。このため、機械を構成する要素部品ごとに、専門家を呼び寄せたり、その要素部品の製造メーカーに送って診断しなければならず、その移動の間は機械を使用することができず、使用者にとっては負担が大きかった。特に、遠隔地など輸送が困難であったり、輸送コストが負担しきれない場所で用いられる機械要素部品では、診断自体が不可能となる場合もあった。
【0008】
一方、特許文献2に記載の余寿命診断方法は、転がり軸受に特化したものである。これは転がり軸受には有効であるが、余寿命の診断方法は機械要素部品の種類によって異なるため、他の機械要素部品にこの方法をそのまま適用するわけにはいかない。ただし、転がり軸受であっても、型番やメーカーがその場でわからないために、診断が困難になり、別の手段をとらなければならないことがあり、その旨が、特許文献2の請求項2や3に記載されている。従来はこれを解決するには、機械要素部品の型番やメーカー名などを一元管理して、点検の際にそれらを参照しなければならなかった。
【0009】
そこでこの発明は、個々の機械要素部品を厳密に管理しておかなくても、製造メーカーやメンテナンスの専門家が常駐しているような場所に送ることなく、使用現場やその近くにおいて手軽にかつ確実性が高い余寿命の診断を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、
機械要素部品に、その機械要素部品の種類、製造時期、製造ロット、製造履歴のうちの少なくとも一つを含む識別情報を記録して外部から電磁的方法によりその識別情報を読み取り可能であるICタグを取り付けておき、
上記機械要素部品を使用した後に点検してその機械要素部品が使用可能な残り時間又は残り使用時間の推定値である余寿命時間を算出するにあたり、
上記ICタグの識別情報を読み取り可能な通信部と、上記識別情報に対応した点検項目及びその点検項目についての結果情報から余寿命時間を算出するための判断式を記録した記憶部と、上記点検項目及び上記余寿命時間を表示可能な表示部と、上記結果情報を入力可能な入力部と、上記入力部から入力された上記結果情報により上記判断式を計算して余寿命を算出する制御部とを有する点検装置を用いて、
上記機械要素部品が有する上記ICタグに含まれる上記識別情報を上記通信部により読み取って、上記表示部に表示される上記点検項目に従って点検を行い、その点検項目を実行した上記結果情報を上記入力部に入力し、上記表示部に上記余寿命を表示させることで、上記の課題を解決したのである。
【0011】
すなわち、この発明の要点は、専門家が介在しない場所でも機械要素部品の余寿命計算が行える点検装置とそのための環境を整えた点にある。この点検装置には、その機械要素部品の識別情報に対応した点検項目と、その点検項目の結果情報から余寿命を計算するための判断式とが、必要とするジャンルの機械要素部品について記録されてある。利用者がこの点検装置で機械要素部品のICタグを読み取ると、そのICタグの識別情報から、その識別情報に対応した、すなわち、その機械要素部品に適した点検項目が点検装置の表示部に表示される。利用者は機械要素部品の型番やロットなどについての専門知識を持たなくても、その表示された内容に従って点検を行えばよい。点検後に利用者がその結果情報を点検装置に入力すれば、点検装置はその結果情報を判断式に代入して、得られる余寿命時間を表示部に表示する。これにより、専門家でない利用者が難しい判断を下す必要もなく、統一的な基準により余寿命時間を知ることができ、それにより、使用を継続すべきか否かを容易に判断することができる。
【0012】
なお、判断式とは単独の数式であってもよいし、複数の数式であってもよいし、複数の数式や条件を選択するための条件分岐を含んだ複合的な条件式であってもよい。
【0013】
上記点検項目としては、その場で点検する事項だけでなく、その点検時点までの使用履歴の入力を含んでいても良い。すなわち、その機械要素部品の使用時間や使用環境、使用条件などの使用情報を入力することで、単にその場その瞬間における点検だけでは判断しきれない要素も含めたより確実性の高い余寿命時間の算出が可能となる。
【0014】
点検項目を一つではなく複数件とし、一の点検項目を表示した際にはその一の点検項目についての上記結果情報の入力を受け付け可能とし、上記一の点検項目についての上記結果情報の入力を待って、続く他の点検項目を上記表示部に表示し、全ての上記点検項目についての上記結果情報の入力を待って、全ての上記点検項目についての結果情報を変数として含む判断式を実行するようにすると、本発明の利用者が迷うことなく順番に指示された通りの点検を行うことができるので、簡便でありながらより詳細かつ確実な点検が可能となる。
【0015】
一方で、点検項目を複数件とする場合には、上記表示部が複数の上記点検項目を同時に表示可能であり、上記入力部から、それら複数の点検項目についての結果情報を選択して入力可能であり、それら複数の上記点検項目についての上記結果情報の入力を待って、同様に判断式を実行してもよい。
【0016】
また、上記の余寿命時間を算出した後に、上記点検項目、上記使用情報、上記余寿命時間などを上記ICタグに書き込むようにしておくと、後々でそれらの内容を参照することができるので有益である。再使用する場合には、それまでの過去の経歴を後から参照でき、再使用を止める場合でも、その機械要素部品が何故再使用できないのかを後から知ることができるからである。上記点検項目、上記使用情報、上記余寿命時間は、全部でなくてもよく、必要に応じてそれらの一つ、あるいはそれらの一部を選択すればよい。
【0017】
上記点検装置はバッテリーを有し、持ち運び可能であることが望ましい。電源が無かったり、電源の確保が違う場所であっても余寿命の計算が容易にできるようになる。特に、人里離れた環境で用いる機械要素部品の診断の場合に有効である。
【0018】
一方で、上記点検装置はネットワーク機能を有していてもよい。それにより、上記識別情報と、上記使用情報、上記余寿命時間、又はそれらの複数とを、別途設けた機械要素部品管理データベースに送信して登録させるようにすると、機械要素部品管理データベースを参照することで、当該機械要素部品が現役で稼働しているか否か、残りの余寿命がどの程度であるかを一元管理することができるし、ICタグに入りきらない詳細な情報をまとめて保管し、利用することもできる。保有する機械要素部品の平均余寿命時間から発注管理などを行うこともできる。
【0019】
また、上記点検装置がネットワーク機能を有するのであれば、上記点検項目及びそれを用いる判断式を予め上記点検装置に記録させておかなくても、上記通信部で読み取った上記識別情報を元に、別途設けた点検項目管理データベースに送信し、そこに記録されている上記識別情報に対応した必要な上記点検項目及びそれに対応した判断式を受信して余寿命時間の計算を行うことができる。これにより、対象とする機械要素部品の数をほとんど無制限に増やすことができ、また、上記点検装置を製造した後に製造された機械要素部品にも対応可能となる。
【0020】
上記機械要素部品が、さらに複数の構成部品からなる場合、上記機械要素部品自体だけでなく、それぞれの構成部品がICタグを有している場合、それぞれの構成部品の全てについて上記判断式の算出を行うようにすると、詳細かつ確実性の高い余寿命時間の計算を行うことができる。
【0021】
こうして診断及び余寿命時間の計算を行うのに適した機械要素部品としては、例えば軸受装置が挙げられる。軸受装置を構成するシールリングや起動輪などの複数の構成部品のそれぞれにICタグが取り付けられており、それぞれの構成部品の形状や型番に適した点検と余寿命時間の計算が行えるとよい。
【0022】
複数の構成部品からなる上記機械要素部品についてそれぞれのICタグを読み取る場合には、上記構成部品ごとに分解した上で行うと、他の構成部品によってICタグが覆われている構成であっても問題なく読み取り、診断、余寿命時間の計算を行うことができる。
【0023】
なお、上記機械要素部品が金属部分を有する場合は、ICタグとして、金属部分に貼り付けたり、埋め込んだりしても読み取り及び書き込みが可能なICタグを用いる必要がある。
【発明の効果】
【0024】
この発明により、機械要素部品の診断を行い余寿命時間の計算を行うにあたり、専門家を呼び寄せたり、製造メーカーなどに返送したりすることなく、利用者が現場で確実性の高い診断を簡便に行うことができ、再使用が可能か否かの判断を高い精度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明を実施する第一の実施形態の概略図
【図2】この発明を実施する第一の実施形態の構成図
【図3】機械要素部品が構造部品ごとにICタグを有する場合の例図
【図4】この発明を実施するフローチャートの例図
【図5】転がり軸受について、条件により余寿命時間の計算式が変化する場合の例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の実施形態について図を用いて説明する。
この発明は、機械要素部品11に識別情報を記録したICタグ12を取り付けて、点検装置21からその識別情報を読み取り、この点検装置21の指示に従っての機械要素部品11の診断を行わせ、その機械要素部品11の余寿命時間を算出する判断式を実行し、余寿命時間を表示させる、機械要素部品の余寿命算出方法である。図1はこの発明を実施している第一の実施形態の概略図であり、図2はICタグ12と点検装置21との概念図である。ここでは機械要素部品11としてころ軸受を例に挙げる。内輪の外部に面した一箇所にICタグ12が設けてある。
【0027】
まず、機械要素部品11に取り付けたICタグ12について説明する。このICタグ12は、通信部41が外部からの電波を受けて起こす電磁誘導によって、制御部43が、記憶部42に記憶された情報を読み出し、また、記憶部42へ情報を書き込み可能であるいわゆるパッシブ型のICタグを用いることができる。長期間に亘って機械要素部品11に取り付けておき、メンテナンスの時のみ読み出し書き込みが必要であるため、電源を必要とするアクティブ型の利用は適さない。また、読み取りを容易にするため、接触型ではなく、数センチから1メートル程度の範囲で電波により通信できるものであることが望ましい。
【0028】
このICタグ12には、機械要素部品11を製造する際に、その種類、製造時期、製造ロット、製造履歴のうち少なくとも一つを含む識別情報50を記録してある。これらは、テキストデータとしてそのまま記録してあってもよいし、点検装置21との間で規格化したコードとして記録しておいてもよいし、型番として記録しておいてもよい。いずれの形態であっても、その識別情報50を参照することで、その機械要素部品11に対して適切な点検項目51を点検装置21が選択できるようにしてあればよい。
【0029】
また、ICタグ12の記憶部42には空き領域をn設けておき、後述する結果情報53、余寿命時間54、使用情報55等の情報を書き込み可能であるとよい。
【0030】
なお、機械要素部品11が金属部分を有するものである場合、通常のICタグ12を用いたのでは、金属部分に磁力線が干渉されて正常な読み取りや書き込みが出来ない場合がある。このため、機械要素部品11が金属部分を有し、ICタグ12がそれに干渉しうる箇所に取り付けられるものである場合には、ICタグとして、金属部分に貼り付けたり埋め込んだりしても読み取り、書き込みに対応した機種を使用する必要がある。
【0031】
次に、点検装置21について説明する。点検装置21は、少なくとも、通信部32,記憶部33、表示部34、及び入力部35と、それらを制御する制御部31とを備える装置である。
【0032】
前記の通信部32は、ICタグ12の通信部41と通信可能な装置であり、無線を発生するコイルとそのための制御回路とを含む。
【0033】
前記の記憶部33は、不揮発メモリからなり、診断の対象となる機械要素部品11についての識別情報50と、それに対応した点検項目51及びその結果情報53から余寿命時間を算出する判断式52を記録してある。制御部31は、識別情報50をキーとして、その機械要素部品11の条件に適した点検項目51を検索して読み出し、その点検項目51についての判断式52も読み出す。
【0034】
この点検項目51とは、文章や図画の形で記録されたものであり、後述する表示部34に表示して、利用者に対して具体的な点検方法を伝えるものである。基本的には、余寿命を算出するための点検であるため、外観から視認できるものの有無の確認を含む非破壊検査であると好ましい。外観から肉眼、あるいは拡大鏡などを用いて確認できる事項としては、例えば、剥離、焼き付き、割れ、欠け、破損、錆、圧痕、電食、摩耗などの有無が挙げられるが、定性的な結果であり、判断式への代入はしにくい場合がある。このため、定量的な非破壊検査であるとより好ましい。例えば、該当箇所の個数や表面積などの値として判断式に代入することが挙げられる。また、機械要素部品11ごとに独特の点検項目が存在する場合もあり、例えば機械要素部品11が軸受ならば、保持器の破損、スミアリング、かじり、フレッティング、クリープ、ピーリングなども外観から有無を確認できる事項である。その他、検査機器を用いた非破壊検査としては、写真撮影後の画像処理によって上記の視認する事項を確認、解析、測定する方法や、寸法測定、重量測定、硬度測定、回転調子のほか、X線写真撮影、磁粉探傷、螢光探傷、過流探傷といった測定もできる。
【0035】
これらの点検項目51について、表示部34に表示する内容は、上記のような単語だけでなく、その調べ方を文章や図画によってわかりやすく示すことができると望ましい。例えば、機械要素部品11が軸受である場合、「外輪に錆が無いことを確認の上、重量をmg単位で測定して下さい」といった具体的指示内容となる。その内容は、専門装置を必要としない重量や長さの測定であったり、X線写真装置やスペクトル分析装置などの専門装置を必要として、出力結果を解析したりするものであってもよいが、特にこの発明の実施にあたり、専門装置を必要とせずに診断できる点検項目51のみからなると、専門家ではない利用者が現場に近い環境で本発明を実施するのに好ましい。
【0036】
また、前記の判断式52とは、前記の点検項目51で示された測定内容に応じて得られる結果情報53を代入し、余寿命時間を算出することができる、モデル化された計算式である。判断式52の最適な内容は、機械要素部品11の種類だけでなく、製造メーカーや、場合によっては製造ロットによっても異なってくるものであり、この発明では点検装置21が識別情報50をキーとして、自身が保有する、又はネットワーク上のデータベースが保有する、その識別情報50にかかる機械要素部品11に適した判断式52とそれに必要な点検項目51とを呼び出す。
【0037】
これらの内容は、識別情報50に対応した一つ又は複数のテーブルの形で記憶部33に記録されてあればよい。ICタグ12から受信した識別情報50(ここでは部品の型番とする。)から、使用する判断式52と、それに代入すべき結果情報53(使用情報55を含む)を得るための点検項目51を取得する。点検項目51としては、測定方法や測定条件、測定装置などの記載を含む。ただし、全てを記載しておく必要はなく、上記点検装置を用いる利用者層次第ではJIS番号で指定していても構わない。
【0038】
なお、使用情報55とは、例えば、その機械要素部品11の使用時間や、使用時の荷重、使用時の回転速度、使用時の温度条件、使用の頻度などの使用条件といった、その時点における診断内容ではなく、その診断の前における使用の具体的内容である。
【0039】
前記の表示部34は、一般的な液晶ディスプレイなどであるとよい。また、上記の点検項目51がテキストデータや図画データだけでなく音声データも含む場合には、表示部34はスピーカーを備えていてもよい。ここに、利用者は表示部34に表示された点検項目51に従って点検を行う。
【0040】
前記の入力部35は、タッチパネルやボタン、キーボードなど、少なくともYes/Noの判断を入力できるものであることが必要であり、数値や文字入力ができるものであるとより好ましい。利用者はこの入力部35から、上記の点検項目51に従って行った測定結果の数値などである結果情報53を入力する。
【0041】
前記の制御部31は、入力部35から結果情報53(使用情報55を含む)が入力されると、予め読み込んでおいた、又はその時点で読み込む判断式52に代入して、余寿命時間を算出する。
【0042】
なお、上記表示部34の表示領域に余裕があるのであれば、複数の点検項目51を同時に表示させて入力を受け付けることも可能であるが、誤入力防止の観点から、点検項目51を一つ一つ表示することが好ましい。
【0043】
そのようにして算出された余寿命時間54を表示部34に表示して、診断の工程は一旦は終了する。これにより利用者はその機械要素部品11の残り余寿命時間54を知ることが出来る。なお、この余寿命時間54とは、実際に使用できる時間である場合も、使用の有無にかかわらず使える期限である場合もあり、機械要素部品11の種類による。
【0044】
その後、必要に応じて、機械要素部品11のICタグ12に、結果情報53,余寿命時間54、使用情報55を書き込んでもよい。特に、余寿命時間54を書き込んでおくと、その機械要素部品11があとどの程度使用できるものであるか否かを、後からでも読み取って知ることができる。特に、余寿命時間54が0となって再使用不可とされた機械要素部品11を再度使ってしまうエラーの防止に役立つ。また、結果情報53や使用情報55を記録しておくと、使用履歴、診断履歴として残すことができ、二回目以降の再使用のための診断にあたって、これらを前提の値として利用することもできる。
【0045】
さらに、その他の機能について説明する。点検装置21が、ネットワーク機能部37を有する場合、記憶部33が揮発性メモリであってもよい。その場合、前記の点検項目51,判断式52等は、通常時には記録されていなくても、必要に応じてネットワーク機能部37を通じて、ネットワーク81を介して、外部に設けた点検項目管理データベース71に識別情報50を送信し、識別情報50に対応した点検項目51、判断式52等をダウンロードし、記憶部33に一時的に記憶して、上記と同様の判断を実行するようにすると好ましい。これにより、点検装置21が販売された後に製造された機械要素部品11についても対応することができる。ネットワーク機能部37自体は、ネットワーク上に存在する点検項目管理データベース71にアクセスできるものであれば、有線LANや無線LANを通じたインターネット接続機能であってもよいし、移動体通信機能であってもよい。一方、点検項目管理データベース71は、機械要素部品11の製造メーカーや販売代理店などが管理して、購入者に対してサービスを提供するとよい。
【0046】
また、点検装置21がネットワーク機能部37を有する場合、再使用の判断途中、又は判断後に、識別情報50と共に、使用情報55や余寿命時間54などを、ネットワーク81上に設けた機械要素部品管理データベース61に送信すると好ましい。機械要素部品管理データベース61では、送信されてきたそれらの情報をテーブルに登録し、必要に応じて呼び出し可能とする。この機械要素部品管理データベース61を検索することで、例えば利用者の属する企業は、所有する機械要素部品11が現在使われているか、どの程度使用されているかといった情報を得ることができる。
【0047】
なお、これらのデータベースは、ネットワーク81上で利用可能なサーバで記録、実行されるソフトウェアであるとよい。
【0048】
さらにその他の機能として、点検装置21は、バッテリー39を内蔵していると好ましい。それにより、電源の無い、現場に近い場所で簡便に再使用の可否を判断することができる。
【0049】
以上の実施形態における判断は、機械要素部品11が複数の構成部品からなるものであっても、ICタグ12に記録してある識別情報50からそれらの構成部品の全てについての点検項目51を参照可能であり、一括して余寿命時間54を計算できるものであってもよい。また、個々の構成部品ごとに余寿命時間54を計算可能であり、余寿命時間54の尽きた構成部品だけを取り替えるメンテナンスを行ってもよい。
【0050】
また、機械要素部品11の性質次第では、一度の判断式52のみで余寿命時間54を算出するのではなく、多段階的な算出を行っても良い。すなわち、機械要素部品11の状況を診断するための第一の判断式52を算出した後、その結果によって選択される別の判断式52のための点検項目51と判断式52を新たに読み込んで、点検項目51を表示部34に表示させて、上記と同様に結果情報53や使用情報55の入力を受け付けて、判断式52を計算する。つまり、上記の判断式としては、直接に余寿命時間54を算出する判断式52だけでなく、余寿命時間54を算出するための前段階である判定段階において使用する判断式や、使用式を選択するための条件分岐なども含む。余寿命時間が十分に長いときと短くなってからとで用いる判断式を変更することにより、余寿命時間が残り少ないときの精度を上げたり、機械要素部品11が陥っている状態次第で最適な点検内容を変更したりするといったことが挙げられる。
【0051】
機械要素部品11が複数の構成部品からなり、それらの構成部品が個々にICタグを有する実施形態について説明する。図3に、内輪13、外輪14,保持器15,転動体16からなるころ軸受である機械要素部品11Aの断面図を示す。内輪13,外輪14,保持器15のそれぞれには、ICタグ12a、12b、12cが取り付けてある。
【0052】
このような機械要素部品11Aについて再使用の可否を判断する場合、例えば、最初に点検装置21により、ICタグ12a,12b,12cの全てについて識別情報50a〜50cを読み取る。このとき、ICタグ12cは内輪13と外輪14との間の読み取りが困難な場所にあるため、ころ軸受を一旦分解して読み取るとよい。点検装置21は、それぞれのICタグ12a〜12cに記録された識別情報50a〜50cについての点検項目との対応テーブルを記憶部33に持つか、あるいは、ネットワーク上からダウンロードしてきて、一時的に保有している。その上で点検装置21は、全ての識別情報50a〜50cについても点検項目51を順に表示していき、全ての結果情報53の入力を受け付けて、一時的に記憶部33に保持する。最終的に全ての結果情報53が入力し終わった時点で、一時的に記憶部33に保持したそれらの結果情報53を判断式52に代入して余寿命時間54の算出を行う。もちろんこのとき、結果情報53の中に、使用情報55が含まれていてもよい。最終的に算出された余寿命時間54を表示部34に表示する。さらに、必要に応じて、個々のICタグ12a〜12cへ使用情報55や余寿命時間54の書き込みを行ったのち、再使用可能であれば組み立てて再使用する。
【0053】
次に、この発明にかかる余寿命時間の算出を実行する手順の例をフローチャートに従って説明する。この例とするフローチャートを図4に示す。
【0054】
まず(S101)、利用者は、点検装置21を機械要素部品11のICタグ12に近づけて、識別情報50を読み取らせる(S102)。制御部31は読み取った識別情報50をキーとして記憶部33内のテーブルを検索し、点検項目51と判断式52とを読み出す(S103)。なお、ここで点検項目51は、入力を求める使用情報55についての情報も含むものである。
【0055】
制御部31は、まず点検項目51のうち、使用情報55についての入力を促すメッセージを表示部34に表示させる(S104)。制御部31は、入力部35から、表示された情報に対応した使用情報55が入力されたら(S105)、形式上問題が無いデータかどうか判断する(S106)。例えば、自然数しか採らないはずのデータで小数や負の数が入力されたような場合はエラーであると判断される。この場合、(S104)に戻る。形式上問題がないデータであれば、制御部31はその使用情報55を記憶部33に一時保存する(S107)。必要な使用情報55が複数あるのならば(S108)、次の使用情報55について、ここまでの手順(S104〜S107)を繰り返す。
【0056】
次に(S111)制御部31は、点検項目51のうち、使用情報55以外の、実際に測定を必要とする手順について、一つめの点検項目を表示部34に表示する(S112)。利用者はこの表示部34の表示内容に従い、天秤や物差し、その他種々の測定機器による点検を行う。点検が終わったら、利用者により入力部35から結果情報53が入力される(S113)。制御部31は、上記と同様に、その入力された情報が形式上問題が無いデータかどうかを判断し(S114)、問題がなければ制御部31はその結果情報53を記憶部33に一時保存する(S115)。nの値が点検項目51の数に一致すれば、そこで点検は終了となり(S116)、それ未満であれば(S117)、次の点検項目51を表示する(S112〜)。
【0057】
点検が終了したら(S116)、制御部31は、記憶部33に一時保存した使用情報55及び結果情報53を読み出し、判断式52に代入して結果を導出する(S121)。この結果が最終的な余寿命時間54の値であれば(S122)、制御部31はその値を表示部に表示する(S131)。利用者は余寿命時間の表示を受けて、必要に応じて点検装置21をICタグ12に近づけて、余寿命時間54と使用情報55、結果情報53等をICタグ12に書き込み(S132)、一連の作業を終了する(S133)。
【0058】
一方、判断式52で得られた結果が、最終的な余寿命時間54の値ではなく、機械要素部品11の状況判断段階である場合は(S122)、制御部31はその状況判断結果に応じた点検項目51、及び次の判断式52を記憶部33から読み出し(S123)、その点検項目51について同様の手順を実行する(S104〜、又は内容によってはS112〜)。
【0059】
次に、機械要素部品11の例として転がり軸受を対象とした際に、状況により余寿命時間の計算方法が変化する場合の例を示す。化学プラント、製鉄所ならびに発電所などで使用されている補機であるポンプ、ファンの転がり軸受やそれら機器を駆動するモータで使用されている転がり軸受を例に採る。これは、負荷荷重が定格荷重の5%以下と非常に小さく、通常の使用状態では金属疲労は発生しない。従って、余寿命時間が限られてくるのは、ごみの混入により発生する圧痕の盛上り部における「応力集中によるはく離」あるいは、水の混入によりグリースの油膜切れが発生し、転がり軸受の軌道面の表面粗さが増大することによる「振動の増加」のいずれかが発生した場合であり、それぞれの場合により、余寿命の計算方法が変わってくる。従って、まず機械要素部品11である転がり軸受の状況を判断する判定段階の点検項目51及び判断式52があり、その判定段階で特定の条件が成立した場合に、余寿命時間を計算する、という順序で診断を行う。
【0060】
前記の判定段階における点検項目51は、まず、加速度センサを用いて信号振動を求め、その結果情報53を求めるよう、表示部34に表示するものである。その結果情報53を受けて判別を行う論理フローである判断式52の例を図5に示す。
【0061】
まず、加速度センサを用いて、5k〜35kHzの振動波形を、1/2オクターブバン
ドで周波数を分割して計6バンドを採取し(S211)、各周波数帯の波形に対し、包絡線処理を行い、周波数スペクトルを算出する(S212)。
【0062】
次に、転がり軸受が有するICタグ12の識別情報50からベアリングパス周波数を計算し、各周波数帯の包絡線処理スペクトルからパス周波数成分(finn.fout.fballの3つ)を抽出する(S215)。なお、ベアリングパス周波数の計算は転がり軸受の型番ごとに異なり、識別情報50ごとに固有の変数を割り当てて算出する。次に、抽出した各周波数帯のパス周波数成分の相対感度(正常時との比)を算出し(S216)、パス周波数成分の相対感度の上位3バンド平均を求める(S217)。finn.fout.fballの3つに対して独立して演算する。このバンド周波数成分の上位3バンド平均(finn.fout.fballの3つ)のどれかがしきい値(=2.0)を超えたかどうかを判定し(S221)、しきい値を超えていないときは正常であると推定する(S222)。ここまでが上記判断式52の最初の段階となる。
【0063】
一方、しきい値を超えているときは、圧痕起点型はく離モードであると確認し(S231)、上位3バンドの相対感度平均から圧痕サイズを推定し(S232)、圧痕起点型はく離モードでの余寿命を診断し、余寿命を下記数式(1)で計算して診断することとなる(S233)。
【0064】
ここで、Pは軸受の試験時のラジアル荷重、Cは軸受の基本動定格荷重、nは回転速度(rpm)であり、L10hはJISB1518・1992の基本動定格寿命、すなわち一群の同じ軸受を同一条件で個々に回転させたとき、その90%が転がり疲れによるフレーキング(剥離)を生じることなく100万回転できる時間である。
【0065】
【数1】

【0066】
また、寿命試験データをワイブル分布に当てはめた時の10%寿命L10は、L10hとの関係により下記数式(2)で表されるが、定数a,bは過去の経験上、直線近似により展開でき、圧痕の直径d(μm)に対して下記数式(3)のようにすることができるので、最終的に下記式(4)のように展開することが出来る。
【0067】
【数2】

【0068】
すなわち、この発明において、点検項目51は、使用情報55として上記P、C、n、dの入力を求める旨を表示部34に表示する。圧痕の直径は振動波形の処理により求めることができる。入力部35よりこれらの値が入力されると、制御部31は判断式52である上記式(1)及び(2)に代入して、余寿命時間54であるL10を算出し、その値を表示部34に表示することとなる。
【0069】
次に、転がり軸受の潤滑油劣化の場合における余寿命計算のフローについて説明する。
センサ共振周波数帯23k〜32kHzの実効値を算出し(S241)、23k−32kHz実効値の相対感度を算出し(S242)、23k−32kHz実効値の相対感度はしきい値(=1.5)を超えたかどうかを判定し(S243)、しきい値を超えていないときは正常であると推定する(S222)。この発明では、実際には加速度センサの測定値を結果情報53を入力すれば、S241〜S243及びS222までの計算及び判定を判断式52として、制御部31が自動的に計算する。
【0070】
一方、しきい値を超えている場合は(S251)、潤滑油劣化モードであると判定し、先に入力された値を用い、23k〜32kHz実効値より潤滑油劣化程度を推定し(S252)た上で、余寿命時間の計算を行う(S253)。その内容はまず、Booserの式の計算寿命(Lhb)を式(5)により算出する。
【0071】
【数3】

【0072】
tは軸受外輪温度(℃)、Sはグリース組成による半減寿命引算係数、S及びSはそれぞれ回転数による半減寿命引算係数、荷重・速度による半減寿命引算係数である。Sは使用するグリース固有の値であり、これは予め記憶部33が識別情報50に対応したテーブルを保持している。S、Sは、それぞれ下記数式(6)〜(7)により算出される。
【0073】
【数4】

【0074】
ここで、ここで、d(mm)は軸受の内径寸法、nLはカタログ許容回転速度であり単位はrpmである。また、P(lbf)は負荷荷重、Cr(lbf)は基本動定格荷重である。これらの値を使用情報55と、識別情報50より自ずから導き出される変数として、判断式52を構成する上記式(5)〜(7)に代入し、さらに下記式(8)により余寿命時間を算出する。
【0075】
【数5】

【0076】
また、上記の手順とは別の判定ルートを用意し、表示部34に表示して、入力部35から選択できるようにしてもよい。上記の加速度センサのスペクトルから5k〜35kHz振動波形のケプストラムを算出し(S261)、ケプストラムのクートシスを算出し(SS262)、このクートシスがしきい値(3.8)を超えたかどうかを判定し(S263)、超えているときは上記の通り圧痕起点型剥離モードで余寿命時間を計算し(S231〜S233)、そうでないときは上記の通り、潤滑油劣化モードで余寿命時間を計算する(S251〜S253)。
【符号の説明】
【0077】
11,11A 機械要素部品(軸受装置)
12、12a、12b、12c ICタグ
13 内輪
14 外輪
15 保持器
16 転動体
21 点検装置
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
34 表示部
35 入力部
37 ネットワーク機能部
39 バッテリー
41 通信部
42 記憶部
43 制御部
50,50a,50b,50c 識別情報
51 点検項目
52 判断式
53 結果情報
54 余寿命時間
55 使用情報
61 機械要素部品管理データベース
71 点検項目管理データベース
81 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械要素部品に、その機械要素部品の種類、製造時期、製造ロット、製造履歴のうちの少なくとも一つを含む識別情報を記録して外部から電磁的方法によりその識別情報を読み取り可能であるICタグを取り付け、
上記機械要素部品を使用した後に点検するにあたり、
上記ICタグの識別情報を読み取り可能な通信部と、上記識別情報に対応した点検項目及びその点検項目についての結果情報から余寿命時間を算出するための判断式を記録した記憶部と、上記点検項目及び上記余寿命時間を表示可能な表示部と、上記結果情報を入力可能な入力部と、上記入力部から入力された上記結果情報により上記判断式を計算して上記余寿命時間を算出する制御部とを有する点検装置を用いて、
上記機械要素部品が有する上記ICタグに含まれる上記識別情報を上記通信部により読み取って、上記表示部に表示される上記点検項目に従って点検を行い、その点検項目を実行した上記結果情報を上記入力部に入力し、上記表示部に表示される上記余寿命時間を求める機械要素部品の余寿命算出方法。
【請求項2】
上記点検項目が、その機械要素部品の使用履歴の入力を含み、
上記結果情報が、上記使用履歴についての使用情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の機械要素部品の余寿命算出方法。
【請求項3】
上記点検項目が複数件であり、上記表示部は複数の上記点検項目を表示可能であり、上記入力部は複数の上記結果情報を入力可能であり、上記判断式がそれら複数の上記結果情報に基づくものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の機械要素部品の余寿命算出方法。
【請求項4】
上記点検項目が複数件であり、一の点検項目を表示した際にはその一の点検項目についての上記結果情報の入力を受け付け可能とし、上記一の点検項目についての上記結果情報の入力を待って、続く他の点検項目を上記表示部に表示し、
全ての上記点検項目についての上記結果情報の入力を待って、上記結果情報により上記判断式を計算して上記余寿命時間を算出することを特徴とする、請求項1又は2に記載の機械要素部品の余寿命算出方法。
【請求項5】
上記余寿命時間の算出の後に、上記点検項目、上記使用情報、及び上記余寿命時間の少なくとも一つ又はその一部を、上記ICタグに書き込むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の機械要素部品の余寿命算出方法。
【請求項6】
上記点検装置がバッテリーを有し、持ち運び可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の機械要素部品の余寿命算出方法。
【請求項7】
上記点検装置がネットワーク機能を有し、上記識別情報と、上記使用情報、上記余寿命時間、再使用の可否、又はそれらの複数とを、別途設けた機械要素部品管理データベースに送信して登録させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の機械要素部品の余寿命算出方法。
【請求項8】
上記点検装置がネットワーク機能を有し、上記識別情報を上記通信部で読み取って、別途設けた点検項目管理データベースに送信し、上記識別情報に対応した上記点検項目及び上記判断式を受信して上記記憶部に一時的に記憶させるものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の機械要素部品の余寿命算出方法。
【請求項9】
上記機械要素部品が、さらに複数の構成部品からなり、それぞれの構成部品について上記ICタグを有しており、上記再使用の可否の判断は、上記機械要素部品を構成する上記サブ部品の全てについて上記点検項目による上記判断式の算出結果によって行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の機械要素部品の余寿命算出方法。
【請求項10】
上記機械要素部品は軸受装置であり、上記ICタグはその軸受装置の複数の構成部品に取り付けられていることを特徴とする請求項9に記載の機械要素部品の余寿命算出方法。
【請求項11】
上記機械要素部品を、上記構成部品ごとに分解した上でそれぞれの上記ICタグを読み取ることを特徴とする請求項9又は10に記載の機械要素部品の余寿命算出方法。
【請求項12】
上記機械要素部品が少なくとも金属部分を有し、上記ICタグが金属部分に貼り付け又は埋め込みした状態で読み取り及び書き込みが可能な対応ICタグである、請求項1乃至11のいずれかに記載の機械要素部品の余寿命算出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−203418(P2012−203418A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64313(P2011−64313)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】