説明

機能剤処理平面基材の製造装置及び該平面基材の製造方法

【課題】
布帛等の平面基材の必要な部分にのみ機能剤を付与し得る、機能剤処理平面基材の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】
駆動プーリ12と、従動プーリ14との間に、粘着剤を介して布帛22を貼付した搬送用ベルト16を巻装し、これを搬送モータ18により駆動する。従動プーリ14の下流側に、布帛22の上面に捺染された画像を読み取る画像読取装置26を設け、更にその下流側に、布帛22に対して機能剤トナーの印捺を行う機能剤印捺ユニット28を設ける。機能剤印捺ユニット28における機能剤トナーの印捺は、画像読取装置26において読み取った画像情報に基づいて行う。画像読取装置26とは別に予め用意した画像情報に基づいて機能剤トナーの印捺を行うこともできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能剤処理平面基材の製造装置及び該平面基材の製造方法に関し、より詳細には、紙、フィルム、シート等の各種記録媒体や、天然又は人工の編物、織物、不織布等の布帛からなる平面基材の必要な部分にのみ、種々の機能物質を含有する機能剤を印捺することができる機能剤処理平面基材の製造装置、及びその平面基材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、染色、捺染などの加工を施した後の布帛等に種々の機能物質を含有する機能剤により処理する場合、布帛全体を機能剤溶液に浸す浸染が一般的に行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、浸染により機能剤の処理を行う場合、機能剤の処理が必要な表面のみならず、布帛の内部や裏面にまで機能剤が染み込んでしまう。また、機能剤は必ずしも布帛の全面に付与する必要はなく、例えば染色が施されている部分にのみ機能剤で処理すれば足りる場合もある。従って、浸染による処理は必要以上の量の機能剤を必要とするため、コストを押し上げる要因となっている。
【特許文献1】特開平05−033274号(段落番号〔0020〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するものであり、本発明の目的は、布帛等の平面基材の必要な部分にのみ機能剤を付与し得る、機能剤処理平面基材の製造装置及びその製造方法提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の機能剤処理平面基材の製造装置は、平面基材を搬送する搬送装置と、該搬送装置によって搬送される前記平面基材の所定の位置に機能性物質を含有する機能剤を印捺するための機能剤印捺ユニットと、該機能剤印捺ユニットに対して前記平面基材における機能剤を印捺すべき位置を指示するステムコントローラとを備えたことを特徴とする。この構成により、平面基材上の機能剤の付与が必要な部分にのみ印捺を行うことができるので、機能剤の使用量を低減させることができる。
【0005】
また、上記において、前記機能剤印捺ユニットの上流側に、前記平面基材上の画像を読み取る画像読取装置を更に備え、該画像読取装置において読み取られた画像情報に基づいて、前記平面基材への機能剤の印捺を行うように構成することができる。この構成により、機能剤の印捺が平面基材上の画像に基づいて行われるので、必要な部分にのみ機能剤を印捺することができ、機能剤の使用量を低減させることができる。
【0006】
また、上記において、前記平面基材の機能剤を印捺すべき位置を示す画像情報を予め記憶する画像記憶装置を更に備え、該画像記憶装置に記憶されている画像情報に基づいて、前記平面基材への機能剤の印捺を行うように構成することができる。この構成では、予め画像記憶装置に記憶されている画像情報に基づいて機能剤の印捺を行うことができるため、平面基材上の画像に左右されることなく必要な部分にのみ機能剤を印捺することができ、機能剤の使用量を低減させることができる。
【0007】
また、本発明の機能剤処理平面基材の製造装置は、前記画像情報のうちの特定の画像に対して選択的に機能剤を印捺するように構成することができる。この構成により、例えば花の絵柄の画像上にのみ芳香効果を奏する機能剤を印捺するなど、特定の画像に対してのみに特定の機能を付与することができる。
【0008】
また、前記画像情報が示す前記平面基材上の機能剤を印捺すべき範囲を覆って更に広い範囲に機能剤を印捺するように構成することが可能である。これにより、印捺が必要な部分に対して確実に機能剤を付与することができる。
【0009】
更に、画像情報が中間調を有する場合に、該画像情報を任意の閾値で2値化したものを画像情報として用いるように構成することが可能である。これにより、所定の濃度以上又は所定の濃度以下の画像が形成されている部分にのみ機能剤を付与することができ、機能剤の使用量を低減させることができる。
【0010】
また、前記機能剤印捺ユニットの下流側に機能剤の仮固定装置を更に設けてもよい。仮固定装置を設けこることにより、機能剤を布帛上に仮止めすることができるので、後の工程で機能剤の画像を乱すことなく平面基材をハンドリングすることが可能となる。
【0011】
本発明の機能剤処理平面基材の製造方法は、平面基材の所定の位置に機能性物質を含有する機能剤を印捺する機能剤印捺ステップを包含することを特徴とする。この構成により、機能剤の付与が必要な部分にのみ印捺が行われるので、機能剤の使用量を低減させることが可能となる。
【0012】
また、上記において、前記平面基材上の画像を読み取る画像読取ステップを更に包含し、前記機能剤印捺ステップは、前記画像読取ステップで読み取られた画像情報に基づいて前記平面基材への機能剤の印捺を行うように構成することができる。この構成により、機能剤の印捺が平面基材上の画像に基づいて行われるので、機能剤の使用量を低減させることが可能となる。
【0013】
また、上記において、前記機能剤印捺ステップは、予め記憶されている前記平面基材の機能剤を印捺すべき位置を示す画像情報に基づいて前記平面基材への機能剤の印捺を行うように構成することができる。この構成では、予め画像記憶装置に記憶されている画像情報に基づいて機能剤の印捺を行うことができるため、平面基材上の画像に左右されることなく、機能剤の使用量を低減させることが可能となる。
【0014】
また、本発明においては、前記機能剤印捺ステップは、前記画像情報のうちの特定の画像に対して選択的に機能剤を印捺するように構成することができる。この構成により、例えば花の絵柄の画像上にのみ芳香効果を奏する機能剤を印捺するなど、特定の画像のみに特定の機能を付与することができる。
【0015】
また、前記機能剤印捺ステップは、前記画像情報が示す前記平面基材上の機能剤を印捺すべき範囲を覆って更に広い範囲に機能剤を印捺するように構成することが可能である。これにより、印捺が必要な部分に対して確実に機能剤を付与することができる。
【0016】
更に、前記画像情報が中間調を有する場合に、前記機能剤印捺ステップは、該画像情報を所定の閾値で2値化したものを画像情報として用いるように構成することが可能である。これにより、所定の濃度以上又は所定の濃度以下の画像が形成されている部分にのみ機能剤を付与することができ、機能剤の使用量を低減させることができる。
【0017】
また、前記機能剤印捺ステップの後に、更に機能剤の仮固定ステップを更に設けてもよい。この構成により、機能剤を布帛上に仮止めすることができるので、後の工程で機能剤の画像を乱すことなく平面基材をハンドリングすることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の機能剤処理平面基材の製造装置及び製造方法によれば、各種記録媒体や布帛からなる平面基材の一方の面にのみ機能剤を付与することが可能となるため、機能剤の使用量を低減させることが可能となり、機能剤処理に要するコストを低減させることができる。また、特定の画像情報に基づいて必要な部分にのみ機能剤を付与することができるため、更に機能剤処理に要するコストを低減させることができる。
【0019】
更に、種々の機能物質の中から必要な機能剤を選択して布帛に印捺することができるので、布帛の性状や使用目的に応じて必要な機能を、簡便にしかも選択的に付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る機能剤処理平面基材の製造装置1の概略構成を示している。本実施形態の装置1は、駆動プーリ12と、従動プーリ14と、これらのプーリの間に巻装された高強度の搬送用ベルト16を備えている。また、本実施形態の製造装置1は、ギアボックス20内のギアを介して駆動プーリ12を駆動する搬送モータ18を備えている。従動プーリ14の上方には、従動プーリ14上に供給される布帛22を押圧する加圧ローラ24が設けられている。本実施形態では、搬送用ベルト16の上面に均一に粘着剤が塗布されており、この粘着剤により布帛22が搬送用ベルト16の上面に貼着される。前述の加圧ローラ24は布帛22を搬送用ベルト16上に確実に粘着させる機能を果たしている。また、本実施形態では、機能剤処理の対象となる平面基材として、染色、捺染などにより既に画像が形成された布帛22を使用している。
【0021】
従動プーリ14の下流側には、布帛22の上面に形成されている画像を読み取る画像読取装置26が設けられ、更にその下流側には、布帛22に対して機能剤トナーを印捺する機能剤印捺ユニット28が設けられている。機能剤印捺ユニット28の下流側には、機能剤を印捺した後の布帛22を搬送用ベルト16から剥がす剥離ローラ32が設けられている。
【0022】
本実施形態における機能剤印捺ユニット28は、湿式電子写真方式により機能剤トナーの印捺を行うものである。機能剤印捺ユニット28は、図示しないトナー供給装置と、感光体からなる転写ローラ28aと、転写ローラ28aに潜像を形成する書き込みヘッド28bと、後述する転写バイアス電圧制御部とを備え、転写ローラ28aの下側には、布帛22を上方に押圧するバックアップローラ29が設けられている。
【0023】
本実施形態の機能剤印捺ユニット28は、搬送用ベルト16の停止時や待機時には、転写ローラ28aが搬送用ベルト16に接しないように上方に退避させることができ、画像の印捺時には、転写ローラ28aと布帛22との間に適切な加圧力が加わる位置まで降りてくるように構成されている。
【0024】
図2は図1の装置の制御を行うシステムコントローラ34及びその周辺を含めたシステムブロック図である。システムコントローラ34には、本実施形態の機能剤処理平面基材の製造装置1の全体に亘る指示を行うための指示入力装置37が接続されている。また、システムコントローラ34には前述の画像読取装置26が接続され、画像読取装置26で読み取られた布帛22上の画像情報を記憶するように構成されている。指示入力装置37は、後述するように、画像読取装置26で読み取られた布帛22上の画像情報に基づかずに機能剤トナーの印捺を行う場合に、印捺すべき位置に関する画像情報を入力する場合にも使用される。
【0025】
また、システムコントローラ34は、画像処理装置36に接続され、画像処理の結果は書き込みヘッド28b(図1及び図2参照)に送られる。システムコントローラ34はまた、搬送モータ駆動部18a、転写ローラ28aを布帛22に押圧する加圧機構28d、転写ローラ28a上の画像を布帛22の上面に印捺するための転写バイアス電圧を制御する転写バイアス電圧制御部28cに接続されている。
【0026】
以上の構成を有する本実施形態の機能剤処理平面基材の製造装置1は、以下のように動作する。まず、搬送モータ駆動部18a(図2)の制御の下に搬送モータ18が駆動され、搬送用ベルト16を介して従動プーリ14が回転を開始する。これに伴い、布帛22が従動プーリ14上の搬送用ベルト16上に供給される。本実施形態の製造装置1では、上述のように搬送用ベルト16の上面に均一に粘着剤が塗布されており、この粘着剤により布帛22の裏面が搬送用ベルト16の上面に貼着される。その際、加圧ローラ24の加圧によって布帛22は確実に搬送用ベルト16に貼着される。このように、布帛22の裏面を搬送用ベルト16上に貼着することにより、搬送中の布帛22における張力の変動を防止することが可能となり、結果的に、後述する機能剤の印捺に際して、布帛22の伸縮が防止され、従って機能剤の印捺位置のずれを防止することが可能となる。
【0027】
搬送用ベルト16上に粘着した布帛22は、搬送モータ18の駆動により矢印13で示す方向に定速で送られ、画像読取装置26の下まで移動する。画像読取装置26は移動する布帛22の上面の絵柄を読み取り、読み取った画像情報をシステムコントローラ34(図2)に送る。
【0028】
次に、画像読取装置26の下を通過した布帛22は、画像読取装置26の下流側に設けられた機能剤印捺ユニット28に到達する。本実施形態における機能剤印捺ユニット28は、上述のようにシステムコントローラ34の制御の下に湿式電子写真方式により機能剤トナーの印捺を行うものである。システムコントローラ34には上述のように画像読取装置26から布帛22上の画像情報が既に入力されており、システムコントローラ34はこの画像情報を画像処理装置36に送る。画像処理装置36では、画像情報に基づいて機能剤トナーを印捺すべき部分の画像情報を作成し、これに基づいて書き込みヘッド28bは転写ローラ28a上に潜像を形成する。次に、この潜像は、トナー供給装置から供給される機能剤トナーにより現像される。
【0029】
ここで、本実施形態において使用される機能剤トナーは、機能性物質を含みかつプラス又はマイナスに帯電可能な粒子を、溶媒中に分散させた又は粉体のままのものであって、感光体上の潜像を顕像化することができ、その後布帛上に転写したときに上記機能性物質の機能を発揮し得るものである。
【0030】
機能剤トナーにより現像が行われると、次に、システムコントローラ34は加圧機構28dを駆動する。これにより転写ローラ28aが布帛22に向けて下方に加圧され、それと同時に転写バイアス電圧制御部28cの制御の下に転写バイアス電圧が印加される。これにより、転写ローラ28a上に現像されたトナー画像は、移動する布帛22の上面に印捺されることとなる。その際、転写ローラ28aの下側に位置するバックアップローラ29の押圧により、転写ローラ28aから布帛22への機能剤トナーの転写が確実に行われる。
【0031】
ここで、本実施形態では、転写ローラ28a上への機能剤トナーによる画像の現像は、画像読取装置26の読み取り位置と転写ローラ28aの転写位置との間の距離L1(図1)の搬送時間の遅れを考慮して行われる。その際、本実施形態では布帛22は搬送用ベルト16上に粘着剤により貼着されているので、布帛22の伸縮による機能剤トナーの画像の形成位置にずれは生じない。
【0032】
機能剤トナーを印捺した後の布帛22は、剥離ローラ32により搬送用ベルト16から剥がされた後、加熱工程などにより機能剤の本格的な固定が行われる。また、搬送用ベルト16上の粘着剤は繰り返して使用することができるので、再び駆動プーリ12の駆動により搬送用ベルト16とともに従動プーリ14まで送られた後、そこで布帛22が再び貼付されることとなる。
【0033】
なお、本実施形態では湿式電子写真方式の機能剤印捺ユニット28を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、乾式電子写真方式やインクジェット方式等、その方式かかわらず適用することができる。乾式電子写真の場合には、機能剤トナーを熱や有機溶剤により仮固定する為の仮固定装置30(図1及び図2参照)を設けることが好ましい。仮固定装置30を設けることにより、機能剤は布帛上に仮止めされるので、後の工程での機能剤の画像が乱れず、布帛22のハンドリングが容易となる。
【0034】
また、上記では、画像読取装置26において読み取られた布帛22上の画像情報に基づいて布帛22への機能剤の印捺を行う実施形態について説明したが、本発明は布帛22上の画像情報に基づかずに、機能剤を印捺すべき位置を示す画像情報を予め指示入力装置37から入力して画像記憶装置に記憶させておき、この画像情報に基づいて布帛22への機能剤の印捺を行うように構成することができる。この画像記憶装置は、例えばシステムコントローラ34内に設けることができる。
【0035】
更に、本実施形態の製造装置1では、画像処理装置36での画像情報の作成に際して、布帛22上の特定の画像に選択的に機能剤を印捺するように構成することもできる。
【0036】
また、画像処理装置36での画像情報の作成に際して、布帛22上の機能剤を印捺すべき範囲を覆って更に広い範囲に機能剤を印捺するように構成することもできる。
【0037】
加えて、画像情報が中間調を有する場合に、画像処理装置36での画像情報の作成に際して所定の閾値で2値化し、これを用いて機能剤を印捺するように構成することもできる。
【0038】
図3は、本発明の他の実施形態に係る機能剤処理平面基材の製造装置2の概略構成を示している。本実施形態の機能剤処理平面基材の製造装置2は、前述の図1の機能剤処理平面基材の製造装置1において、機能剤印捺ユニット28の下流側にもう一つの機能剤印捺ユニット38を設けたものであり、図1と同じ構成要素には同じ符号が付してある。機能剤印捺ユニット38は、機能剤印捺ユニット28と同様に、図示しないトナー供給装置と、感光体からなる転写ローラ38aと、転写ローラ38aに潜像を形成する書き込みヘッド38bと、転写バイアス電圧制御部(図示せず)とを備え、転写ローラ38aの下側には、布帛22を上方に押圧するバックアップローラ39が設けられている。
【0039】
本実施形態の機能剤処理平面基材の製造装置2は、同一装置内に異なる複数の機能剤を印捺することが可能となっている。この場合、異なる複数の機能剤のそれぞれを、異なる画像情報に基づいて印捺することも可能である。
【0040】
本実施形態では、転写ローラ38a上への機能剤トナーによる画像の形成は、画像読取装置26の読み取り位置と転写ローラ38aの転写位置との間の距離L2の搬送時間の遅れを考慮して行われる。その際、本実施形態では布帛22は搬送用ベルト16上に粘着剤により貼着されているので、布帛22の伸縮による機能剤トナーの画像の形成位置にずれは生じない。
【0041】
なお、前述の図1の装置では、画像情報ごとに異なる機能剤を印捺することはできないが、同一布帛に複数の機能剤を印捺する類似の方法としては、同一極性で異なる機能性物質を含有する複数の機能剤トナーを混合し、これを一つの印刷ユニットで印刷することにより、同一印刷データに限り複数の機能剤を印捺することができる。
【0042】
本発明において機能剤処理の対象となる平面基材には、捺染、印刷、染色などにより既に絵柄が付されているもののみならず、全く絵柄が付されていないものも含まれ、また、浸染により既に何らかの機能剤による処理が行われたものも含まれる。
【0043】
本発明における平面基材には、紙、フィルム、シート等の各種記録媒体、及び天然又は人工の編物、織物、不織布等からなる布帛が含まれる。また、本発明において、布帛は、上記以外に、紐や縄を含む組物、綿状ハイバルクスフ、スライバー、多孔質スポンジ、フェルト、紙、網等の繊維構造体と認識されるもの一般をも包含する。
【0044】
上記の紙、フィルム、シートなどの各種記録媒体は、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリピニルアルコール、ポリプロピレン、ポリクラール、ベンゾエート、ポリウレタン、アラミド、ビニロン、ビニリデン、アセテート、トリアセテート、レーヨン、銅キュプラレーヨン、プロミックス、ポリフェニレンサルファイド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ尿素、ポリシアン化ビニリデン、ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)、ポリウレタン、シリコーンゴム,合成ゴムなどの合成高分子化合物、セルロース,プロティン,アルギン酸ソーダ,天然ゴム,フィブロイン,キチン,キトサンなど天然物由来の高分子化合物及びその誘導体などの何れか又はこれらの2以上の組み合わせ含む平面基材と認識されるもの一般を包含する。
【0045】
本発明の対象となる布帛には、例えば、綿、カポック、麻、絹、羊毛、キャメル、モヘア、カシミア、アルパカ、アンゴラのような天然繊維、例えば、ポリアミド系繊維、ポリアラミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリアリレート繊維、ポリ乳酸(PLA)繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン(PP)系繊維、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維、ベンゾエート系繊維、ポリスチレン系繊維、ポリテトラフルオロエチレン系繊維、ポリシアン化ビニリデン系繊維、ポリエーテルエステル系繊維、プロミックス繊維などの合成繊維、例えば、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維、ニトロセルロース繊維などの半合成繊維、例えば、レーヨン、キュプラ、大豆タンパク繊維、牛乳タンパク繊維などの再生繊維、例えば金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維、バサルトファイバー、ウォラストナイト、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウソ酸繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素チタン酸カリウム繊維などの無機繊維の何れか又はこれらの2以上の組み合わせ含む糸から製造されるものが含まれる。
【0046】
本発明の対象となる布帛を構成する糸としては、例えば、モノフィラメント、マルチフィラメント、ステープルファイバー(スフ)、トウ、ハイバルクスフ、ハイバルクトウ、紡績糸、混紡糸、加工糸、仮撚糸、異形断面糸、中空糸、コンジュゲート糸、POY(partially oriented yarn:部分配向糸)、DTY(draw-textured yarn:延伸加工糸)、POY−DTY、スライバー等が包含される。
【0047】
本発明において機能剤とは、平面基材に対して絵柄を形成する以外の目的で付与されるものをいい、湿式トナー、乾式トナー、インクジェット液などの形式の何れであってもよい。
【0048】
本発明における機能剤に含まれる機能性物質には、例えば、平面基材に使用される染料の性質を変える機能を付与する物質、平面基材の物性を変更する機能を有する物質、平面基材に快適性を付与する機能を有する物質、平面基材の清潔度を高める機能を有する物質、平面基材に健康性を高める機能を有する物質、及び平面基材に安全性を付与する物質を含み、これらを組み合わせた混合物も包含される。
【0049】
上記の染料の性質を変える機能を付与する物質には、例えば、湿潤堅牢度向上効果、ガス褪色防止効果、塩素堅牢度向上効果、摩擦堅牢度向上効果、耐光堅牢度向上効果、汗日光堅牢度向上効果、深色加工効果、蛍光効果、脱色効果、防染効果、抜染効果などを奏する一又は二以上のものが含まれ、当該染料を使用した布帛が有する本来の堅牢度、色濃度などの何れか又は2以上を付与する物質が含まれる。
【0050】
本発明における、平面基材の物性を変更する機能を有する物質には、布帛の物理的性質、化学的性質などを変更せしめる効果を奏する物質が含まれ、例えば、風合い改質効果、平滑効果、抗ピル効果、抗スナッギング剤、スリップ防止効果、柔軟効果、透明加工効果、光沢加工効果、目詰加工効果、架橋効果、黄変防止効果などを奏する一又は二以上のものが含まれる。
【0051】
本発明における、平面基材に快適性を付与する機能を有する物質には、例えば、脱臭効果、防臭効果、芳香効果、防皺効果、吸湿効果、吸水効果、抱水効果、撥水効果、撥油効果、透湿効果、防汚効果、親油効果、透湿防水効果、汚れ付着防止効果、蓄熱効果、発熱効果、蓄冷効果、吸熱効果、放熱効果、保温効果、暖感効果、涼感効果、遠赤外線放射効果などを奏する一又は二以上のものが含まれ、これらの効果の2以上を奏する物質も含まれる。
【0052】
本発明における、平面基材の清潔度を高める機能を有する物質には、例えば、抗菌効果、制菌効果、殺菌効果、抗ウイルス効果、防黴効果、防ダニ効果、防蚊効果、防虫効果、動物忌避効果、汚れ分解効果などを奏する一又は二以上のものが含まれ、これらの効果の2以上を奏する物質も含まれる。
【0053】
本発明における、平面基材に健康性を高める機能を有する物質には、例えば、花粉付着防止効果、ガス捕集効果、ガス分解効果、マイナスイオン効果、アンチエージング効果、酸化防止効果、保湿効果、美肌効果、美白効果、pHバランス効果、抗アレルギー効果、UVカット効果、安眠効果などを奏する一又は二以上のものが含まれ、これらの効果の2以上を奏する物質も含まれる。
【0054】
本発明における、平面基材に安全性を付与する物質には、例えば、難燃効果、防燃効果、防炎効果、静電防止効果、熱遮蔽効果、ガス遮蔽効果、電磁線遮蔽効果、電子線遮蔽効果、放射線遮蔽効果などを奏する一又は二以上のものが含まれ、これらの効果の2以上を奏する物質も含まれる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明は、これらの実施例によって制限されるものではない。
【0056】
<実施例1>
主成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(エバフレックス、三井・デュポン製)55.8重量部と、帯電剤としてナフテン酸ジルコニウム4.9重量部及びアクリル系樹脂39.3重量部とを混合し、ボールミルで拡散・分散を行い、これをトナー(T)とした。このトナー(T)を樹脂固形分として16.3重量%で含むイソパラフィン液を調製し、これをトナー原液(U1)とした。上記トナー原液(U1)200gを総量が1リットルとなるようにイソパラフィンに分散させて、トナー液(U2)を調製した。このトナー液(U2)は、ポリオレフィン樹脂自身が撥水性を発揮する機能剤である。
【0057】
上記トナー液(U2)を図1の製造装置を用いて湿式電子写真方式により100%ポリエステル繊維で構成されてなるサテン(目付け90g/平米)(以下「白布P−A」という。)上の全面に印捺した。これを自然乾燥させた後、120℃において2分間乾熱処理を行い、印捺布P−Bを得た。
【0058】
(撥水性試験)
上記印捺布P−Bと、白布P−Aとに対して、JIS L1092(1998)による撥水度試験(スプレー法)を行った。その結果、白布P−Aが1級であるのに対し、印捺布P−Bは3級となった。このことから、湿式電子写真方式によりトナー液(U2)を印捺した印捺布P−Bに明らかな撥水性の向上が認められた。
【0059】
<実施例2>
ポリエステル白布P−Aを、10g/Lの濃度の分散染料(RESOLINE BLUE F−BL 150%(CI DISPERSE BLUE 56(ダイスタージャパン(株)製)))に浸漬し、パッダー(Mathis社、HVF−32495)を使用して80%の絞り率にて絞った後、熱風熱処理機(辻井染機工業(株)、Model No.PT−2A−300)を使用して120℃にて2分間乾燥させ、さらに同熱風熱処理機にて180℃で2分の乾熱固着を行った。
【0060】
この染色物を、1リットル中にリポトールPE(日華化学:ノニオン活性剤)1gと、ハイドロサルファイト2gと、苛性ソーダ2gとを含む溶液を用いて、80℃において15分間洗浄し、水洗した後、乾燥させて、染色布P−Cを得た。
【0061】
上記染色布P−Cに対し、上記トナー液(U2)を、図1の製造装置を用いて湿式電子写真方式により全面に印捺した。これを自然乾燥させた後、120℃において2分間乾熱処理を行い、染色印捺布P−Dを得た。
【0062】
(光学反射率試験−1)
上記染色布P―Cと染色印捺布P−Dとの光学反射率を、Machbeth社製COLOR−EYE7000により2度視野で測定し、D65光源の標準光でのK/S値を比較した。その結果、染色布P−Cに対し、染色印捺布P−Dは、TOTAL K/S値で178.04、重価K/S値で179.84を与え、図1の製造装置により、70%以上の深色効果を与える機能剤処理した布が得られることを確認した。
【0063】
(光学反射率試験−2)
染色布P−Cに対し、図1の製造装置を用い、上記と同じトナー液(U2)を3cmX3cmの市松模様となるように印捺することにより、染色印捺布P−Eを得た。
【0064】
この染色印捺布P−Eにおいても、市松模様におけるトナーの印捺箇所と非印捺箇所との間に、光学反射率試験−1と同様の濃色差が現れた。この事実により、図1の製造装置及び製造方法によりトナー液(U2)を印捺した部分にのみ深色効果が得られることが確認された。
【0065】
<実施例3>
100%綿繊維で構成されてなるサテン(目付け125g/平米)(以下「白布C−A」という。)を、1リットル中に10gの濃度の反応染料(PROCION BLUE H-EGN125(CI REACTIVE BLUE 198(ダイスタージャパン(株)製)))、150gの尿素、及び20gのソーダ灰を含む溶液に浸漬し、パッダー(Mathis社、HVF−32495)にて75%の絞り率にて絞った後、熱風熱処理機(辻井染機工業(株)、Model No.PT−2A−300)を使用し、120℃にて2分間乾燥させ、さらに、同熱風熱処理機にて150℃で3分の乾熱固着を行った。
【0066】
この染色物を、1g/Lの濃度でリポトールRK−5(アニオン活性剤)を含む溶液で100℃において10分間洗浄し、水洗の後、乾燥させて、染色布C−Bを得た。
【0067】
上記染色布C−Bに、トナー液(U2)を図1の製造装置を用いて湿式電子写真方式により全面に印捺することにより、染色印捺布C−Cを得た。
【0068】
染色印捺布C−Cを用い、そのトナー印捺面を外側にして袋状とした試験布C−C(1)と、トナー印捺面を内側にして袋状とした試験布C−C(2)とを作成した。
【0069】
(窒素酸化物に対する染色堅牢度試験)
試験布C−C(1)、試験布C−C(2)及び染色布C−Bに対して、JIS L−0855:1998による窒素酸化物に対する染色堅牢度試験を1ユニットで実施した。この結果を、JIS L0804の変褪色用グレースケールで評価した。
【0070】
同様に、試験布C−C(1)、試験布C−C(2)及び染色布C−Bについて、Machbeth社製COLOR−EYE7000により2度視野で測定し、D65光源の標準光での重価K/S値並びに、CIE Lab.計算式における赤緑色差 デルタa(Δa)を求めた。このデルタaは、値が大きいほど赤味が増すことを意味している。上記の結果を以下の表1にまとめて示した。
【0071】
【表1】

【0072】
表1の結果から、トナー液(U2)の印捺により、染料(PROCION BLUE H-EGN125)の酸化窒素ガスに対する抗褪色効果が向上していることが確認された。ここで、試験布C−C(2)の結果が示すように、試験布の裏面においても同堅牢度が若干向上していることが分かる。これは、トナー成分の一部が裏面へ浸出したことによるものと考えられる。
【0073】
<実施例4>
実施例1で調製したトナー(T)23.4重量%、及び粒子径0.015〜0.035μmの酸化亜鉛8.4重量%を含むイソパラフィン液をトナー原液(V1)とした。前記トナー液(U2)における樹脂含有量とほぼ同じ樹脂含有量にするために、トナー原液(V1)150gを総量が1リットルとなるようにイソパラフィンに分散させて、トナー液(V2)を調製した。また、トナー原液(V1)200gを総量が1リットルとなるようにイソパラフィンに分散させて、トナー液(V3)を調製した。トナー液(V2)及びトナー液(V3)は、酸化亜鉛を抗菌剤として含む機能剤である。
【0074】
上記トナー液(V2)を図1の製造装置を用いて湿式電子写真方式により白布P−A上の全面に印捺した。これを自然乾燥させた後、120℃において2分間乾熱処理を行い、印捺布P−Fを得た。
【0075】
同様に、上記トナー液(V3)を図1の製造装置を用いて湿式電子写真方式により白布P−A上の全面に印捺した。これを自然乾燥させた後、120℃において2分間乾熱処理を行い、印捺布P−Gを得た。
【0076】
(消臭効果試験)
白布P−A、実施例1の印捺布P−B、実施例4の印捺布P−F及び印捺布P―Gからそれぞれ2gの試験布を採取し、その各々を1.2リットルの三角フラスコに入れた。これに50%酢酸を0.4μLづつ滴下した後、密封してドライアーで外部から加熱し、酢酸を蒸発させた。各三角フラスコ内における蒸発直後及び6時間後の酢酸ガスの濃度を、(株)ガステック製の酢酸用ガス検知管81及び81Lを用いて測定した。その結果を表2に示した。なお、表2における「ブランク」は、試験布を入れない三角フラスコでの測定値を示している。
【0077】
【表2】

【0078】
表2の結果から、樹脂だけの印捺布P−Bにおいては元の白布P−Aに対して大きな消臭効果は出ていないが、印捺布P−Bと含まれる樹脂量がほぼ等しい印捺布P−Fにおいては、含有される酸化亜鉛による明らかな消臭効果が現れていることが分かる。また、酸化亜鉛の印捺量が大きい印捺布P−Gでは、更に消臭効果が大きくなっていることから、酸化亜鉛による消臭機能が付与されたことが裏付けられた。
【0079】
<実施例5>
実施例1において調製したトナー液(U2)を、図1の製造装置を用いて湿式電子写真方式により、綿サテンC−A上の全面に印捺し、自然乾燥させた後、120℃において2分間乾熱処理を行い、印捺布C−Dを得た。
【0080】
また、実施例4において調製した酸化亜鉛を含有するトナー液(V2)を、図1の製造装置を用いて湿式電子写真方式により、綿サテンC−A上の全面に印捺し、自然乾燥させた後、120℃において2分間乾熱処理を行い、印捺布C−Eを作成した。
【0081】
(抗菌性試験)
未処理の綿サテンC−A、樹脂のみを含有するトナー液(U2)による印捺布C−D、及び酸化亜鉛を含有するトナー液(V2)による印捺布C−Eに対し、JIS L1902:2002 繊維製品の抗菌性試験法・抗菌効果、10.定量試験、10.1菌液吸収法、による試験を行った(「8.2 生菌数の測定」は「8.2.1 混釈平板培養法」により行った。)。
【0082】
〔黄色ブドウ球菌による抗菌性試験〕
表3は、黄色ブドウ球菌による抗菌性試験の結果を示している。使用した菌は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC12732)、菌株継代数5、試験菌液の生菌数:1.6X105である。
【0083】
【表3】

【0084】
表3における試験成立条件の判定を行った結果を表4に示した。表4において、
Ma:標準布の接種直後の生菌数の常用対数値、3検体の平均値(4.4)、
Mb:標準布の18時間培養後の生菌数の常用対数値、3検体の平均値(5.9)
である。試験成立条件はMb−Ma≧1.5であるから、結果(Mb−Ma=1.5)から表3の試験は成立条件を満たしていることが分かる。
【0085】
【表4】

【0086】
表3の結果に基づき、各布についての抗菌活性値(静菌活性値及び殺菌活性値)を求めた。その結果を表5に示した。
【0087】
【表5】

【0088】
表5において、
静菌活性値(S)=Mb−Mc
殺菌活性値(L)=Ma−Mc
であり、
Ma:標準布の接種直後の生菌数の常用対数値、3検体の平均値
Mb:標準布の18時間培養後の生菌数の常用対数値、3検体の平均値
Mc:標準布の18時間培養後の生菌数の常用対数値、3検体の平均値
である。
【0089】
〔肺炎桿菌による抗菌性試験〕
表6は、肺炎桿菌による抗菌性試験の結果を示している。使用した菌は、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae NBRC13277)、菌株継代数5、試験菌液の生菌数:2.0X105である。
【0090】
【表6】

【0091】
表6における試験成立条件について検討した結果を表7に示した。表7におけるMa、Mbの定義及び試験成立条件は表4の場合と同じであり、Ma=4.5、Mb=7.1、Mb−Ma=2.6から、表6の試験は成立条件Mb−Ma≧1.5を満たしていることが分かる。
【0092】
【表7】

【0093】
表6の結果に基づき、各布についての抗菌活性値(静菌活性値及び殺菌活性値)を求めた。その結果を表8に示した。
【0094】
表8における静菌活性値(S)及び殺菌活性値(L)を求める式、並びにその式におけるMa、Mb及びMcは、表5において説明したものと同じである。
【0095】
【表8】

【0096】
一般に、繊維製品の抗菌効果があると判断されるのは、JIS L1902:2002によって得られる静菌活性値が2.0以上、殺菌活性値が0以上の場合とされている。従って、表5及び表8の結果より、酸化亜鉛を含有するトナー印捺布C−Eには、抗菌機能が付与されていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、紙、フィルム、シート等の各種記録媒体や、天然又は人工の編物、織物、不織布等の布帛からなる平面基材の必要な部分にのみ、種々の機能物質を含有する機能剤を印捺することができるので、繊維産業等の分野で利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の一実施形態に係る機能剤処理平面基材の製造装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1の製造装置のシステムブロック図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る機能剤処理平面基材の製造装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
1 製造装置
2 製造装置
12 駆動プーリ
13 矢印
14 従動プーリ
16 搬送用ベルト
18 搬送モータ
18a 搬送モータ駆動部
20 ギアボックス
22 布帛
24 加圧ローラ
26 画像読取装置
28 機能剤印捺ユニット
28a 転写ローラ
28b 書き込みヘッド
28c 転写バイアス電圧制御部
28d 加圧機構
29 バックアップローラ
30 仮固定装置
32 剥離ローラ
34 システムコントローラ
36 画像処理装置
37 指示入力装置
38 機能剤印捺ユニット
38a 転写ローラ
38b 書き込みヘッド
39 バックアップローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面基材を搬送する搬送装置と、
該搬送装置によって搬送される前記平面基材の所定の位置に機能性物質を含有する機能剤を印捺するための機能剤印捺ユニットと、
該機能剤印捺ユニットに対して前記平面基材における機能剤を印捺すべき位置を指示するステムコントローラと
を備えたことを特徴とする機能剤処理平面基材の製造装置。
【請求項2】
前記機能剤印捺ユニットの上流側に、前記平面基材上の画像を読み取る画像読取装置を更に備え、該画像読取装置において読み取られた画像情報に基づいて、前記平面基材への機能剤の印捺を行うことを特徴とする請求項1記載の機能剤処理平面基材の製造装置。
【請求項3】
前記平面基材の機能剤を印捺すべき位置を示す画像情報を予め記憶する画像記憶装置を更に備え、該画像記憶装置に記憶されている画像情報に基づいて、前記平面基材への機能剤の印捺を行うことを特徴とする請求項1記載の機能剤処理平面基材の製造装置。
【請求項4】
前記画像情報のうちの特定の画像に対して選択的に機能剤を印捺することを特徴とする請求項1又は2に記載の機能剤処理平面基材の製造装置。
【請求項5】
前記画像情報が示す前記平面基材上の機能剤を印捺すべき範囲を覆って更に広い範囲に機能剤を印捺することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の機能剤処理平面基材の製造装置。
【請求項6】
前記画像情報が中間調を有する場合に、該画像情報を所定の閾値で2値化したものを画像情報として用いることを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の機能剤処理平面基材の製造装置。
【請求項7】
前記機能剤印捺ユニットの下流側に機能剤の仮固定装置を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の機能剤処理平面基材の製造装置。
【請求項8】
前記機能剤に含まれる機能性物質は、平面基材に使用される染料の性質を変える機能を付与する物質、平面基材の物性を変更する機能を有する物質、平面基材に快適性を付与する機能を有する物質、平面基材の清潔度を高める機能を有する物質、平面基材に健康性を高める機能を有する物質、及び平面基材に安全性を付与する物質からなる群から選択され得る少なくとも一種を含有していることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の機能剤処理平面基材の製造装置。
【請求項9】
平面基材の所定の位置に機能性物質を含有する機能剤を印捺するステップを包含することを特徴とする機能剤処理平面基材の製造方法。
【請求項10】
前記平面基材上の画像を読み取る画像読取ステップを更に包含し、前記機能剤印捺ステップは、前記画像読取ステップで読み取られた画像情報に基づいて前記平面基材への機能剤の印捺を行うことを特徴とする請求項9記載の機能剤処理平面基材の製造方法。
【請求項11】
前記機能剤印捺ステップは、予め記憶されている前記平面基材の機能剤を印捺すべき位置を示す画像情報に基づいて前記平面基材への機能剤の印捺を行うことを特徴とする請求項9記載の機能剤処理平面基材の製造方法。
【請求項12】
前記機能剤印捺ステップは、前記画像情報のうちの特定の画像に対して選択的に機能剤を印捺することを特徴とする請求項10又は11に記載の機能剤処理平面基材の製造方法。
【請求項13】
前記機能剤印捺ステップは、前記画像情報が示す前記平面基材上の機能剤を印捺すべき範囲を覆って更に広い範囲に機能剤を印捺することを特徴とする請求項10乃至12の何れかに記載の機能剤処理平面基材の製造方法。
【請求項14】
前記画像情報が中間調を有する場合に、前記機能剤印捺ステップは、該画像情報を所定の閾値で2値化したものを画像情報として用いることを特徴とする請求項10乃至13の何れかに記載の機能剤処理平面基材の製造方法。
【請求項15】
前記機能剤印捺ステップの後に、更に機能剤の仮固定ステップを更に備えたことを特徴とする請求項9乃至14の何れかに記載の機能剤処理平面基材の製造方法。
【請求項16】
前記機能剤に含まれる機能性物質は、平面基材に使用される染料の性質を変える機能を付与する物質、平面基材の物性を変更する機能を有する物質、平面基材に快適性を付与する機能を有する物質、平面基材の清潔度を高める機能を有する物質、平面基材に健康性を高める機能を有する物質、及び平面基材に安全性を付与する物質からなる群から選択され得る少なくとも一種を含有していることを特徴とする請求項9乃至15の何れかに記載の機能剤処理平面基材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−255522(P2008−255522A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−99197(P2007−99197)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(501072016)長瀬カラーケミカル株式会社 (7)
【Fターム(参考)】