説明

機能実行装置及びサーバ

【課題】 多機能機がショートカットを利用して画面を表示するために、多機能機のメモリに記憶させるべきデータ量を低減させることができる技術を提供すること。
【解決手段】
多機能機10は、スキャン設定画面に対応するショートカットを生成するための生成指示が与えられる場合に、スキャン設定画面を表示させるための各文字列(例えば「Display Name = Alice」)に対応する各記号情報(例えば「0105Alice」)を、多機能機10のメモリに記憶させる。上記のショートカットを選択するための選択指示が与えられる場合に、多機能機10は、メモリ内の各記号情報を仲介サーバ50に供給する。これにより、多機能機10は、仲介サーバ50からスキャン設定画面情報を取得して、スキャン設定画面を表示部に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、印刷機能及びスキャン機能のうちの少なくとも一方を含む特定の機能を実行する機能実行装置を開示する。本明細書では、さらに、機能実行装置と通信可能に接続されるサーバを開示する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ホームページを閲覧するためのブラウザ機能を備える情報機器が開示されている。情報機器は、ユーザによって指定されるホームページのURL情報に対して、スケジュール情報、住所録情報、メモ情報等を関連付けて、情報機器のメモリに登録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−242677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、機能実行装置がショートカットを利用して画面を表示するために、機能実行装置のメモリに記憶させるべきデータ量を低減させ得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、印刷機能及びスキャン機能のうちの少なくとも一方を含む特定の機能を実行する機能実行装置を開示する。機能実行装置は、装置側メモリと、画面情報取得部と、表示制御部と、記憶制御部と、記号情報供給部と、を備える。画面情報取得部は、特定の機能に関係する複数個の画面を表わす複数個の画面情報を格納しているサーバから、複数個の画面情報のうちのいずれかの画面情報を取得する。表示制御部は、取得済みの画面情報によって表わされる画面を、表示部に表示させる。記憶制御部は、複数個の画面のうちの第1の画面に対応するショートカットを生成するための生成指示が与えられる場合に、第1の画面を表示させるための2個以上の文字列に対応する2個以上の記号情報を、装置側メモリに記憶させる。2個以上の記号情報のそれぞれは、対応する文字列よりも少ないデータ量を有する。記号情報供給部は、ショートカットを選択するための選択指示が与えられる場合に、装置側メモリ内の2個以上の記号情報を、サーバに供給する。2個以上の記号情報がサーバに供給される場合に、画面情報取得部は、サーバから第1の画面情報を取得し、表示制御部は、第1の画面情報によって表わされる第1の画面を、表示部に表示させる。
【0006】
上記の構成によると、機能実行装置は、第1の画面に対応するショートカットを生成するための生成指示が与えられる場合に、比較的に小さいデータ量を有する2個以上の記号情報を装置側メモリに記憶させればよく、比較的に大きいデータ量を有する2個以上の文字列を装置側メモリに記憶させずに済む。このために、装置側メモリに記憶させるべきデータ量を低減させ得る。そして、機能実行装置は、ショートカットを選択するための選択指示が与えられる場合に、装置側メモリ内の2個以上の記号情報をサーバに供給することによって、第1の画面を表示部に表示させることができる。この構成によると、機能実行装置がショートカットを利用して第1の画面を表示するために、装置側メモリに記憶させるべきデータ量を低減させ得る。
【0007】
機能実行装置は、さらに、生成指示が与えられる場合に、2個以上の文字列を示す特定のデータを、サーバに供給するデータ供給部と、サーバが特定のデータから生成する2個以上の記号情報を、サーバから取得する記号情報取得部と、を備えていてもよい。記憶制御部は、サーバから取得される2個以上の記号情報を、装置側メモリに記憶させてもよい。この構成によると、サーバが記号情報を生成するので、機能実行装置は、記号情報を生成せずに済む。従って、記号情報を生成するためのプログラムを機能実行装置に記憶させずに済むために、機能実行装置が記憶すべきプログラム量を低減させることができる。
【0008】
画面情報取得部は、複数個の画面情報のうち、第1の画面情報とは異なる第2の画面情報を取得した後に、第1の画面情報を取得してもよい。表示制御部は、第2の画面情報によって表わされる第2の画面を、表示部に表示させた後に、第1の画面を表示部に表示させてもよい。第2の画面は、2個以上の文字列のうちの1個の文字列を選択するための画面であってもよい。記憶制御部は、第1の画面が表示部に表示されている間に、生成指示が与えられる場合に、第2の画面で選択された1個の文字列を含む2個以上の文字列に対応する2個以上の記号情報を、装置側メモリに記憶させてもよい。この構成によると、機能実行装置は、第1の画面に対応するショートカットを適切に生成し得る。
【0009】
機能実行装置は、さらに、選択指示が与えられる場合に、所定の位置情報を含むリクエストを、サーバに送信するリクエスト送信部と、サーバがリクエストに応じて送信する指示であって、装置側メモリ内の2個以上の記号情報を読み出すための指示を、サーバから受信する指示受信部と、を備えていてもよい。記号情報供給部は、指示が受信される場合に、装置側メモリ内の2個以上の記号情報を読み出して、2個以上の記号情報をサーバに供給してもよい。この構成によると、機能実行装置は、選択指示が与えられる場合に、2個以上の記号情報をサーバに適切に供給することができる。
【0010】
2個以上の文字列は、特定の機能に関係するサービスを提供するサーバの名称に関係する文字列と、サービスを利用するために必要な認証情報に関係する文字列と、第1の画面の名称に関係する文字列と、のうちの少なくとも2個の文字列を含んでいてもよい。
【0011】
本明細書では、さらに、印刷機能及びスキャン機能のうちの少なくとも一方を含む特定の機能を実行する機能実行装置と通信可能に接続されるサーバを開示する。サーバは、サーバ側メモリと、画面情報供給部と、を備える。サーバ側メモリは、特定の機能に関係する複数個の画面を表わす複数個の画面情報と、各文字列と各記号情報とが対応付けられている対応情報と、を格納している。各記号情報は、対応する文字列よりも少ないデータ量を有する。画面情報供給部は、サーバ側メモリ内の複数個の画面情報のうちのいずれかの画面情報を、機能実行装置に供給する。画面情報供給部は、機能実行装置から、複数個の画面のうちの第1の画面を表示させるための2個以上の文字列に対応する2個以上の記号情報が取得される場合に、サーバ側メモリ内の対応情報に従って、2個以上の記号情報から2個以上の文字列を生成して、2個以上の文字列に基づいて、第1の画面情報を機能実行装置に供給する。この構成によると、サーバは、機能実行装置から取得される2個以上の記号情報に応じて、第1の画面情報を機能実行装置に適切に供給し得る。
【0012】
サーバは、さらに、機能実行装置から2個以上の文字列を示す特定のデータが取得される場合に、サーバ側メモリ内の対応情報に従って、特定のデータから2個以上の記号情報を生成して、2個以上の記号情報を機能実行装置に供給する記号情報生成部を備えていてもよい。この構成によると、サーバは、2個以上の記号情報を機能実行装置に適切に供給し得る。
【0013】
なお、上記の機能実行装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記憶媒体も新規で有用である。また、上記のサーバを実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記憶媒体も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】通信システムの構成を示す。
【図2】表示名テーブルの一例を示す。
【図3】IDテーブルの一例を示す。
【図4】各文字列及び各記号情報の具体例を示す。
【図5】スキャンアップロードが実行される際に、各デバイスが実行する各処理のシーケンス図を示す。
【図6】ダウンロード印刷が実行される際に、各デバイスが実行する各処理のシーケンス図を示す。
【図7】ショートカットが選択される際に、各デバイスが実行する各処理のシーケンス図を示す。
【図8】多機能機で表示される各画面の遷移を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(システムの構成)
図1に示されるように、通信システム2は、多機能機10と、仲介サーバ50と、PC90と、複数個のサービス提供サーバ100,110と、を備える。多機能機10とPC90とは、LAN4に接続されている。仲介サーバ50と複数個のサービス提供サーバ100,110とは、インターネット6に接続されている。
【0016】
(多機能機10の構成)
多機能機10は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、FAX機能等の多機能を実行可能である。多機能機10は、さらに、サービス提供サーバ100,110に保存されている画像データをダウンロードして、当該画像データによって表わされる画像を印刷するダウンロード印刷機能(以下では「DL印刷機能」と呼ぶ)を実行可能である。また、多機能機10は、さらに、多機能機10がスキャンすることによって生成される画像データを、サービス提供サーバ100,110にアップロードするスキャンアップロード機能(以下では「スキャンUL機能」と呼ぶ)を実行可能である。
【0017】
多機能機10は、操作部12と、表示部14と、ネットワークインターフェイス16と、印刷実行部18と、スキャン実行部20と、制御部30と、を備える。操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示を多機能機10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。ネットワークインターフェイス16は、LAN4に接続されている。印刷実行部18は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。スキャン実行部20は、CCD、CIS等のスキャン機構である。
【0018】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。CPU32が上記のプログラムに従って処理を実行することによって、各部40〜47の機能が実現される。
【0019】
メモリ34は、上記のプログラムの他に、表示名テーブル36を格納している。図2に示されるように、表示名テーブル36は、表示名(Display Name)とサーバ名(Server Name)とアクセストークン(Access Token)とPINコード(PIN Code)とが対応付けられた情報を記憶するためのテーブルである。表示名テーブル36がどのようにして生成されるのかについては、後で詳しく説明する。
【0020】
(仲介サーバ50の構成)
仲介サーバ50は、サービス提供サーバ100,110から多機能機10へのサービスの提供を仲介するためのサーバである。仲介サーバ50は、多機能機10のベンダによって提供されるサーバである。仲介サーバ50は、ネットワークインターフェイス52と、制御部60と、を備える。制御部60は、CPU62と、メモリ64と、を備える。CPU62は、メモリ64に格納されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。CPU62が上記のプログラムに従って処理を実行することによって、各部70,71の機能が実現される。
【0021】
なお、メモリ64は、上記のプログラムの他に、複数個の画面情報66と、IDテーブル68と、を格納している。複数個の画面情報66とIDテーブル68とは、多機能機10のベンダによって、仲介サーバ50に予め格納されている。複数個の画面情報66は、多機能機10が実行可能な印刷機能及びスキャン機能に関係する各画面(後述の図8の各画面302〜310,312〜316)を表わす各画面情報を含む。
【0022】
図3に示されるように、IDテーブル68は、情報タイプを示す文字列とIDとが対応付けられた情報を記憶するための情報タイプテーブルと、サーバ名(Server Name)を示す文字列とIDとが対応付けられた情報を記憶するためのサーバ名テーブルと、画面名(Screen Name)を示す文字列とIDとが対応付けられた情報を記憶するための画面名テーブルと、を含む。
【0023】
仲介サーバ50がIDテーブル68を格納しているために、仲介サーバ50の記号情報生成部71(図1参照)は、図4の具体例に示される各文字列を記号化することができる。図4の具体例では、例えば、表示名(Display Name)が「Alice」である。この場合、記号情報生成部71は、情報タイプテーブルから、「Display Name」に対応するID「01」を特定する。そして、記号情報生成部71は、「Display Name」に対応するID「01」と、「Alice」のデータサイズ(バイト数)「05」と、「Alice」と、の組合せを示す記号情報「0105Alice」を生成することができる。なお、表示名「Alice」は、「Display Name = Alice」という通常の文字列で表現することができるが、本実施例のように、記号情報「0105Alice」で表現すれば、データ量を低減させることができる。
【0024】
記号情報生成部71は、上記の表示名の場合と同様に、他の文字列も記号化することができる。例えば、PINコード(PIN Code)が「1234」である場合には、記号情報生成部71は、「PIN Code = 1234」という通常の文字列で表現する代わりに、記号情報「02041234」を生成することができる。また、サーバ名(Server Name)が「Server A」である場合には、記号情報生成部71は、情報タイプテーブルから「Server Name」に対応するID「03」を特定し、サーバ名テーブルから「Server A」に対応するID「01」を特定する。そして、記号情報生成部71は、「Server Name = Server A」という通常の文字列で表現する代わりに、「Server Name」に対応するID「03」と、「Server A」に対応するID「01」のデータサイズ(バイト数)「02」と、「Server A」に対応するID「01」と、の組合せを示す記号情報「030201」を生成することができる。
【0025】
また、アクセストークン(Access Token)が「XXXXXXXX」である場合には、記号情報生成部71は、「Access Token = XXXXXXXX」という通常の文字列で表現する代わりに、記号情報「0408XXXXXXXX」を生成することができる。また、画面名(Screen Name)が「Scan Setting Screen」である場合には、記号情報生成部71は、情報タイプテーブルから「Screen Name」に対応するID「05」を特定し、画面名テーブルから「Scan Setting Screen」に対応するID「01」を特定する。そして、記号情報生成部71は、「Screen Name= Scan Setting Screen」という通常の文字列で表現する代わりに、「Screen Name」に対応するID「05」と、「Scan Setting Screen」に対応するID「01」のデータサイズ(バイト数)「02」と、「Scan Setting Screen」に対応するID「01」と、の組合せを示す記号情報「050201」を生成することができる。
【0026】
上述したように、記号情報生成部71は、IDテーブル68を利用することによって、通常の各文字列(例えば「Display Name = Alice」)よりも小さいデータ量を有する各記号情報(例えば「0105Alice」)を生成することができる。なお、制御部60(より具体的には画面情報供給部70(図1参照))は、IDテーブル68を利用することによって、各記号情報(例えば「0105Alice」)から各文字列(例えば「Display Name = Alice」)を生成(即ち再現)することもできる。
【0027】
(サービス提供サーバ100,110の構成)
各サービス提供サーバ100,110は、例えば、「Evernote(登録商標)」、「Google(登録商標) Docs」、「PICASA(登録商標)」、「FACEBOOK(登録商標)」等の公知のクラウドサーバである。なお、本実施例では、サービス提供サーバ100のサーバ名が「Server A」(例えば「Evernote(登録商標)」)であり、サービス提供サーバ110のサーバ名が「Server B」(例えば「Google(登録商標) Docs」)である状況を想定している。
【0028】
各サービス提供サーバ100,110は、多機能機10を含む様々な通信機器にサービスを提供可能である。例えば、各サービス提供サーバ100,110は、多機能機10がDL印刷機能を実行するために、多機能機10に画像データを供給する画像供給サービスを実行可能である。また、例えば、各サービス提供サーバ100,110は、多機能機10がスキャンUL機能を実行するために、多機能機10から取得される画像データを保存する画像保存サービスを実行可能である。
【0029】
なお、サービス提供サーバ100は、第1のサービス事業者(即ち第1の会社)によって提供されるサーバであり、サービス提供サーバ110は、第1のサービス事業者とは異なる第2のサービス事業者(即ち第2の会社)によって提供されるサーバである。第1のサービス事業者は、サービス提供サーバ100からサービスを受けるための第1のAPI(Application Program Interface)を公開しており、第2のサービス事業者は、サービス提供サーバ110からサービスを受けるための第2のAPIを公開している。第1のサービス事業者と第2のサービス事業者とが異なるために、通常、第1のAPIと第2のAPIとは異なる。通信機器は、例えば、サービス提供サーバ100,110の両方からサービスを受けるためには、第1及び第2のAPIの両方に対応している必要がある(即ち、第1のAPIを利用するためのプログラムと、第2のAPIを利用するためのプログラムと、の両方が必要である)。
【0030】
例えば、多機能機10が複数個のサービス提供サーバ100,110のそれぞれからサービスを受けるためには、多機能機10は、複数個のAPIに対応している必要があり、多くのプログラムを格納する必要がある。しかしながら、PC等と比べると、多機能機10のメモリ34の記憶容量は少ない。従って、本実施例では、多機能機10に多くのプログラムを格納させることなく、多機能機10が複数個のサービス提供サーバ100,110のそれぞれからサービスを受けることができるように、仲介サーバ50が設けられている。即ち、仲介サーバ50は、複数個のサービス提供サーバ100,110のための複数個のAPIに対応している。そして、多機能機10が、複数個のサービス提供サーバ100,110のうちの特定のサービス提供サーバ(例えばサービス提供サーバ100)からサービスを受けるべき状況では、仲介サーバ50は、特定のサービス提供サーバのためのAPIを利用して、特定のサービス提供サーバと後述の様々な通信(例えば、図5のアップロードURLリクエストの通信)を実行する。これにより、多機能機10は、特定のサービス提供サーバのためのAPIに対応していなくても、特定のサービス提供サーバと画像データの通信を実行することができる。即ち、多機能機10は、複数個のAPIを利用するための多くのプログラムを格納していなくても、複数個のサービス提供サーバ100,110のそれぞれからサービスを受けることができる。
【0031】
(多機能機10のユーザの事前準備)
多機能機10のユーザ(以下では「特定のユーザ」と呼ぶ)は、多機能機10が各サービス提供サーバ100,110からサービスを受けるために、以下の事前準備を実行する必要がある。特定のユーザは、例えば、PC90を利用して、仲介サーバ50にアクセスする。次いで、特定のユーザは、仲介サーバ50を介して、サーバ名「Server A」を有するサービス提供サーバ100に表示名(例えば「Alice」)及びPINコード(例えば「1234」)を登録する。この場合、仲介サーバ50は、サービス提供サーバ100から、特定のユーザのためのアクセストークン(一般的に言うと「認証情報」;例えば「XXXXXXXX」)を取得する。そして、仲介サーバ50は、テンポラリIDを生成して、テンポラリIDをPC90に送信する。これにより、PC90にテンポラリIDが表示される。特定のユーザは、PC90に表示されたテンポラリIDを知ることができる。
【0032】
次いで、特定のユーザは、多機能機10の操作部12を操作して、サービス提供サーバ100のサーバ名(例えば「Server A」)と、サービス提供サーバ100に登録された表示名(例えば「Alice」)と、サービス提供サーバ100に登録されたPINコード(例えば「1234」)と、を多機能機10に入力する。特定のユーザは、さらに、多機能機10の操作部12を操作して、テンポラリIDを多機能機10に入力する。この場合、多機能機10は、仲介サーバ50にテンポラリIDを送信する。これにより、仲介サーバ50は、アクセストークン(例えば「XXXXXXXX」)を多機能機10に送信する。
【0033】
上記の各処理が実行されると、多機能機10は、表示名テーブル36に情報を記憶させることができる。上記の例では、多機能機10は、特定のユーザによって入力された表示名(例えば「Alice」)と、特定のユーザによって入力されたサーバ名(例えば「Server A」)と、仲介サーバ50から取得されたアクセストークン(例えば「XXXXXXXX」)と、特定のユーザによって入力されたPINコード(例えば「1234」)と、が対応付けられた情報を、表示名テーブル36に記憶させる。なお、特定のユーザは、上記と同様に、サービス提供サーバ110にも、表示名(例えば「Alice」)及びPINコード(例えば「3456」)を登録することができる。この場合、多機能機10は、表示名テーブル36に新たな情報(例えば「Alice」、「Server B」、「ZZZZZZZZ」、「3456」)を記憶させる。
【0034】
(多機能機10がスキャンUL機能を実行するための処理;図5)
続いて、図5を参照して、多機能機10がスキャンUL機能を実行する際に、各デバイス10,50,100が実行する各処理の内容を説明する。
【0035】
図示していないが、多機能機10の表示制御部41(図1参照)は、多機能機10に予め格納されているメイン画面情報を用いて、メイン画面300(図8参照)を表示部14に表示させる。メイン画面300は、ユーザによって選択されるべき複数個の機能を示す複数個の文字列(例えば、「Internet」、「Shortcut」、「Copy」等)を含む。特定のユーザは、多機能機10がスキャンUL機能を実行することを望む場合に、操作部12を操作して、メイン画面300に含まれる文字列「Internet」を選択する。この場合、画面情報取得部40(図1参照)は、リクエストR2を仲介サーバ50に供給する。
【0036】
仲介サーバ50の画面情報供給部70(図1参照)は、多機能機10からリクエストR2を取得すると、複数個の画面情報66に含まれるサーバ名選択画面情報を、多機能機10に供給する。
【0037】
多機能機10の画面情報取得部40は、仲介サーバ50からサーバ名選択画面情報を取得する。この場合、表示制御部41は、サーバ名選択画面情報によって表わされるサーバ名選択画面302(図8参照)を、表示部14に表示させる。サーバ名選択画面302は、1個以上のサービス提供サーバ100,110のサーバ名を示す1個以上の文字列(例えば、「Server A」,「Server B」)を含む。本実施例では、特定のユーザが、操作部12を操作して、サーバ名選択画面302に含まれる文字列「Server A」(即ち、サービス提供サーバ100のサーバ名)を選択する場合を例として、説明を続ける。この場合、画面情報取得部40は、文字列「Server A」を含むリクエストR4を仲介サーバ50に供給する。
【0038】
図示していないが、仲介サーバ50の画面情報供給部70は、多機能機10からリクエストR4を取得すると、多機能機10から表示名テーブル36を取得する。そして、画面情報供給部70は、表示名テーブル36の中から、リクエストR4に含まれる文字列「Server A」に対応付けられている1個以上の表示名を示す1個以上の文字列(例えば、「Alice」、「Ken」)を特定する。次いで、画面情報供給部70は、複数個の画面情報66に含まれる表示名選択画面情報に、特定済みの1個以上の文字列(例えば、「Alice」、「Ken」)を書き込む。続いて、画面情報供給部70は、1個以上の文字列が書き込まれた表示名選択画面情報を、多機能機10に供給する。
【0039】
多機能機10の画面情報取得部40は、仲介サーバ50から表示名選択画面情報を取得する。この場合、表示制御部41は、表示名選択画面情報によって表わされる表示名選択画面304(図8参照)を、表示部14に表示させる。表示名選択画面304は、1個以上の表示名を示す1個以上の文字列(例えば、「Alice」、「Ken」)を含む。本実施例では、特定のユーザが、操作部12を操作して、表示名選択画面304に含まれる文字列「Alice」を選択する場合を例として、説明を続ける。この場合、画面情報取得部40は、文字列「Alice」を含むリクエストR6を仲介サーバ50に供給する。
【0040】
仲介サーバ50の画面情報供給部70は、多機能機10からリクエストR6を取得すると、複数個の画面情報66に含まれる機能選択画面情報を、多機能機10に供給する。
【0041】
多機能機10の画面情報取得部40は、仲介サーバ50から機能選択画面情報を取得する。この場合、表示制御部41は、機能選択画面情報によって表わされる機能選択画面306(図8参照)を、表示部14に表示させる。機能選択画面306は、スキャンUL機能を示す文字列「Scan Upload」と、DL印刷機能を示す文字列「Download Print」と、を含む。ここでは、特定のユーザが、操作部12を操作して、機能選択画面306に含まれる文字列「Scan Upload」を選択する場合を例として、説明を続ける。この場合、画面情報取得部40は、文字列「Scan Upload」を含むリクエストR8を仲介サーバ50に供給する。
【0042】
仲介サーバ50の画面情報供給部70は、多機能機10からリクエストR8を取得すると、複数個の画面情報66に含まれるスキャン設定画面情報を、多機能機10に供給する。
【0043】
多機能機10の画面情報取得部40は、仲介サーバ50からスキャン設定画面情報を取得する。この場合、表示制御部41は、スキャン設定画面情報によって表わされるスキャン設定画面308(図8参照)を、表示部14に表示させる。上述したように、特定のユーザは、スキャン設定画面308を表示部14に表示させるまでに、多数の画面300,302,304,306上で様々な選択を実行する必要がある。このような特定のユーザの負荷を軽減するために、多機能機10にはショートカット機能が設けられている。特定のユーザは、操作部12を操作して、スキャン設定画面308に含まれる「登録」ボタンを選択することによって、ショートカットの生成指示を多機能機10に与えることができる。
【0044】
多機能機10のデータ供給部44(図1参照)は、ショートカットの生成指示が与えられると、リクエストR10を仲介サーバ50に供給する。なお、リクエストR10は、上記の2個の選択画面302,304上で特定のユーザによって選択された2個の文字列(「Display Name = Alice」、「Server Name = Server A」)と、表示名テーブル36内で「Alice」及び「Server A」に対応付けて記憶されている2個の文字列(「Access Token = XXXXXXXX」、「PIN Code = 1234」)と、ショートカットの生成指示が与えられたスキャン設定画面を示す1個の文字列(「Screen Name= Scan Setting Screen」)と、を含む。即ち、リクエストR10は、トータルで5個の文字列を含む。なお、5個の文字列は、リクエストR10の送信先アドレスに追記されるクエリ情報として、リクエストR10に含まれていてもよいし、リクエストR10のボディに含まれていてもよい。
【0045】
仲介サーバ50の記号情報生成部71は、多機能機10からリクエストR10を取得すると、IDテーブル68に従って、リクエストR10に含まれる5個の文字列を記号化して、5個の記号情報を生成する。なお、記号情報の生成については既に述べているために、ここでは詳しい説明を省略する。5個の記号情報は、「0105Alice」と、「02041234」と、「030201」と、「0408XXXXXXXX」と、「050201」と、を含む。そして、記号情報生成部71は、5個の記号情報を多機能機10に供給する。
【0046】
多機能機10の記号情報取得部45(図1参照)は、仲介サーバ50から5個の記号情報を取得する。この場合、記憶制御部42(図1参照)は、スキャン設定画面308のショートカットを特定する名称(以下では「ショートカット名SC1」と呼ぶ)と、5個の記号情報と、が対応付けられた情報(以下では「ショートカット情報」と呼ぶ)を、メモリ34に記憶させる。
【0047】
一方において、特定のユーザは、操作部12を操作して、スキャン設定画面308(図8参照)上で、スキャンのための各種設定項目(スキャン解像度、ファイル形式、スキャンデータのサイズ)を選択することができる。そして、特定のユーザは、操作部12を操作して、スキャン設定画面308に含まれる「OK」ボタンを選択することができる。この場合、画面情報取得部40は、リクエストR12を仲介サーバ50に供給する。
【0048】
仲介サーバ50の画面情報供給部70は、多機能機10からリクエストR12を取得すると、第1のAPIに従ってアップロードURLリクエストを生成して、アップロードURLリクエストをサービス提供サーバ100に供給する。アップロードURLリクエストは、スキャンによって生成される画像データが保存されるべきサービス提供サーバ100内の位置を示すURL(即ち、アップロード先のURL;以下では「アップロードURL」と呼ぶ)を仲介サーバ50に供給するように、サービス提供サーバ100に指示するためのリクエストである。
【0049】
なお、上述したように、仲介サーバ50は、表示名選択画面情報を多機能機10に供給する前に、多機能機10から表示名テーブル36を取得している。従って、仲介サーバ50は、表示名テーブル36から、リクエストR2に含まれる文字列「Server A」と、リクエストR4に含まれる文字列「Alice」と、に対応付けられているアクセストークン「XXXXXXXX」を特定することができる。そして、仲介サーバ50は、アップロードURLリクエストをサービス提供サーバ100に供給する段階、又は、それより前の段階で、アクセストークン「XXXXXXXX」を用いて、サービス提供サーバ100に認証を実行させる。これにより、サービス提供サーバ100は、仲介サーバ50から供給されるアップロードURLリクエストに応じて、適切なレスポンスを仲介サーバ50に送信することができる。なお、以下では、アクセストークンを用いた認証についての説明を省略するが、仲介サーバ50は、必要に応じて(例えば、サービス提供サーバ100にリクエストを送信する毎に)、アクセストークンを用いた認証を、サービス提供サーバ100に実行させてもよい。
【0050】
サービス提供サーバ100は、アップロードURLリクエストを取得すると、アップロードURLを仲介サーバ50に供給する。
【0051】
仲介サーバ50の画面情報供給部70は、サービス提供サーバ100からアップロードURLを取得すると、アップロードURLと、複数個の画面情報66に含まれるスキャン実行中画面情報と、を多機能機10に供給する。
【0052】
多機能機10の画面情報取得部40は、仲介サーバ50からスキャン実行中画面情報を取得する。この場合、表示制御部41は、スキャン実行中画面情報によって表わされるスキャン実行中画面310(図8参照)を、表示部14に表示させる。これにより、特定のユーザは、スキャンUL機能が実行されていることを知ることができる。また、制御部30は、仲介サーバ50からアップロードURLを取得すると、原稿のスキャンをスキャン実行部20に実行させる。次いで、制御部30は、仲介サーバ50から取得されたアップロードURLと、スキャン実行部20によって生成された画像データと、を含むアップロードリクエストR14を、仲介サーバ50を介さずに、サービス提供サーバ100に供給する。本実施例では、アップロードリクエストR14が仲介サーバ50を介さずに通信されるために、特定のユーザのプライベートな画像が仲介サーバ50を経由するのを防止することができる。
【0053】
サービス提供サーバ100は、アップロードリクエストR14を取得すると、アップロードリクエストR14に含まれるアップロードURLが示す位置に、アップロードリクエストR14に含まれる画像データを保存する。これにより、スキャンUL機能に関連する各処理が終了する。
【0054】
(多機能機10がDL印刷機能を実行するための処理;図6)
続いて、図6を参照して、多機能機10がDL印刷機能を実行する際に、各デバイス10,50,100が実行する各処理の内容を説明する。なお、多機能機10の表示部14に機能選択画面306が表示されるまでに、各デバイス10,50,100が実行する各処理は、図5の各処理と同様である。
【0055】
特定のユーザは、操作部12を操作して、機能選択画面306(図8参照)に含まれる文字列「Download Print」を選択する。この場合、画面情報取得部40は、文字列「Download Print」を含むリクエストR20を仲介サーバ50に供給する。
【0056】
仲介サーバ50の画面情報供給部70は、多機能機10からリクエストR20を取得すると、第1のAPIに従ってフォルダ名リストリクエストを生成して、フォルダ名リストリクエストをサービス提供サーバ100に供給する。フォルダ名リストリクエストは、特定のユーザ(即ち表示名「Alice」)によってアップロードされた各画像データを格納している1個以上のフォルダ名を示すフォルダ名リストを仲介サーバ50に供給するように、サービス提供サーバ100に指示するためのリクエストである。
【0057】
サービス提供サーバ100は、フォルダ名リストリクエストを取得すると、フォルダ名リストを仲介サーバ50に供給する。
【0058】
仲介サーバ50の画面情報供給部70は、サービス提供サーバ100からフォルダ名リストを取得すると、複数個の画面情報66に含まれるフォルダ選択画面情報に、フォルダ名リストに含まれる1個以上のフォルダ名を示す1個以上の文字列(例えば、「F1」、「F2」)を書き込む。続いて、画面情報供給部70は、1個以上の文字列が書き込まれたフォルダ選択画面情報を、多機能機10に供給する。
【0059】
多機能機10の画面情報取得部40は、仲介サーバ50からフォルダ選択画面情報を取得する。この場合、表示制御部41は、フォルダ選択画面情報によって表わされるフォルダ選択画面312(図8参照)を、表示部14に表示させる。特定のユーザは、操作部12を操作して、フォルダ選択画面312に含まれる「登録」ボタンを選択することによって、ショートカットの生成指示を多機能機10に与えることができる。
【0060】
多機能機10のデータ供給部44は、特定のユーザからショートカットの生成指示が与えられると、リクエストR22を仲介サーバ50に供給する。なお、リクエストR22は、図5のリクエストR10と同様に、5個の文字列を含む。ただし、リクエストR22は、文字列「Screen Name = Scan Setting Screen」の代わりに、ショートカットの生成指示が与えられたフォルダ選択画面を示す文字列(「Screen Name = Folder Selection Screen」)を含む。
【0061】
仲介サーバ50の記号情報生成部71は、多機能機10からリクエストR22を取得すると、図5のケースと同様に、5個の記号情報を生成する。ただし、図6のケースでは、リクエストR22に文字列「Screen Name = Folder Selection Screen」が含まれているために、記号情報生成部71は、記号情報「050201」の代わりに、記号情報「050202」を生成する。そして、記号情報生成部71は、5個の記号情報を多機能機10に供給する。
【0062】
多機能機10の記号情報取得部45は、仲介サーバ50から5個の記号情報を取得する。この場合、記憶制御部42は、フォルダ選択画面312のショートカットを特定する名称(以下では「ショートカット名SC2」と呼ぶ)と、5個の記号情報と、が対応付けられた情報(以下では「ショートカット情報」と呼ぶ)を、メモリ34に記憶させる。
【0063】
一方において、特定のユーザは、操作部12を操作して、フォルダ選択画面312(図8参照)に含まれる1個の文字列(例えば「F1」)を選択することができる。この場合、画面情報取得部40は、特定のユーザによって選択された1個の文字列(例えば「F1」)を含むリクエストR24を、仲介サーバ50に供給する。
【0064】
仲介サーバ50の画面情報供給部70は、多機能機10からリクエストR24を取得すると、第1のAPIに従ってサムネイルURLリクエストを生成して、サムネイルURLリクエストをサービス提供サーバ100に供給する。サムネイルURLリクエストは、リクエストR24に含まれる文字列(例えば「F1」)が示すフォルダに格納されている1個以上の画像データに対応する1個以上のサムネイル画像データのURL(以下では「1個以上のサムネイルURL」と呼ぶ)を仲介サーバ50に供給するように、サービス提供サーバ100に指示するためのリクエストである。
【0065】
サービス提供サーバ100は、サムネイルURLリクエストを取得すると、1個以上のサムネイルURLを仲介サーバ50に供給する。
【0066】
仲介サーバ50の画面情報供給部70は、サービス提供サーバ100から1個以上のサムネイルURLを取得すると、1個以上のサムネイルURLと、複数個の画面情報66に含まれるサムネイル選択画面情報と、を多機能機10に供給する。
【0067】
多機能機10の画面情報取得部40は、仲介サーバ50から、1個以上のサムネイルURLと、サムネイル選択画面情報と、を取得する。この場合、制御部30は、1個以上のサムネイルURLを含むサムネイルリクエストR26を、仲介サーバ50を介さずに、サービス提供サーバ100に供給する。
【0068】
サービス提供サーバ100は、サムネイルリクエストR26を取得すると、サムネイルリクエストR26に含まれる1個以上のサムネイルURLが示す位置に保存されている1個以上のサムネイル画像データを、仲介サーバ50を介さずに、多機能機10に供給する。本実施例では、サムネイル画像データが仲介サーバ50を介さずに通信されるために、特定のユーザのプライベートな画像が仲介サーバ50を経由するのを防止することができる。
【0069】
多機能機10の表示制御部41は、サービス提供サーバ100から1個以上のサムネイル画像データを取得すると、サムネイル選択画面情報に1個以上のサムネイル画像データを合成する。そして、表示制御部41は、1個以上のサムネイル画像データが合成されたサムネイル選択画面情報によって表わされるサムネイル選択画面314(図8参照)を、表示部14に表示させる。特定のユーザは、操作部12を操作して、サムネイル選択画面314に含まれる1個のサムネイル画像を選択することができる。この場合、制御部30は、特定のユーザによって選択された1個のサムネイル画像を特定するための1個の画像ID(以下では「特定の画像ID」と呼ぶ)を含むリクエストR28を、仲介サーバ50に供給する。
【0070】
仲介サーバ50の画面情報供給部70は、多機能機10からリクエストR28を取得すると、第1のAPIに従って、特定の画像IDを含むダウンロードURLリクエストを生成して、ダウンロードURLリクエストをサービス提供サーバ100に供給する。ダウンロードURLリクエストは、特定の画像IDによって特定されるサムネイル画像を表わすサムネイル画像データの元の画像データが保存されているサービス提供サーバ100内の位置を示すURL(即ち、ダウンロード元のURL;以下では「ダウンロードURL」と呼ぶ)を仲介サーバ50に供給するように、サービス提供サーバ100に指示するためのリクエストである。
【0071】
サービス提供サーバ100は、ダウンロードURLリクエストを取得すると、ダウンロードURLを仲介サーバ50に供給する。
【0072】
仲介サーバ50の画面情報供給部70は、サービス提供サーバ100からダウンロードURLを取得すると、ダウンロードURLと、複数個の画面情報66に含まれる印刷実行中画面情報と、を多機能機10に供給する。
【0073】
多機能機10の画面情報取得部40は、仲介サーバ50から印刷実行中画面情報を取得する。この場合、表示制御部41は、印刷実行中画面情報によって表わされる印刷実行中画面316(図8参照)を、表示部14に表示させる。これにより、特定のユーザは、DL印刷機能が実行されていることを知ることができる。また、制御部30は、仲介サーバ50からダウンロードURLを取得すると、ダウンロードURLを含むダウンロードリクエストR30を、仲介サーバ50を介さずに、サービス提供サーバ100に供給する。
【0074】
サービス提供サーバ100は、ダウンロードリクエストR30を取得すると、ダウンロードリクエストR30に含まれるダウンロードURLが示す位置に保存されている画像データを、仲介サーバ50を介さずに、多機能機10に供給する。本実施例では、画像データが仲介サーバ50を介さずに通信されるために、特定のユーザのプライベートな画像が仲介サーバ50を経由するのを防止することができる。
【0075】
多機能機10の制御部30は、サービス提供サーバ100から画像データを取得すると、画像データによって表わされる画像の印刷を印刷実行部18に実行させる。これにより、DL印刷機能に関連する各処理が終了する。
【0076】
(ショートカットが選択される場合の処理;図7)
続いて、図7を参照して、多機能機10のメモリ34に記憶されたショートカット情報(図5及び図6参照)が特定のユーザによって選択される際に、各デバイス10,50,100が実行する各処理の内容を説明する。
【0077】
図示していないが、特定のユーザは、操作部12を操作して、メイン画面300に含まれる文字列「Shortcut」を選択する。この場合、表示制御部41は、多機能機10に予め格納されているショートカット選択画面情報を用いて、ショートカット選択画面320(図8参照)を表示部14に表示させる。ショートカット選択画面320は、メモリ34に記憶されている各ショートカット情報に含まれる各ショートカット名を示す文字列(例えば、「SC1」、「SC2」等)を含む。特定のユーザは、操作部12を操作して、ショートカット選択画面320に含まれる文字列「SC1」を選択することができる。この場合、リクエスト送信部46(図1参照)は、所定のURL(多機能機10に予め登録されているURL)を含むリクエストR40を、仲介サーバ50に送信する。
【0078】
仲介サーバ50の制御部60は、多機能機10からリクエストR40を受信すると、読み出し指示を多機能機10に送信する。
【0079】
多機能機10の指示受信部47(図1参照)は、仲介サーバ50から読み出し指示を受信する。この場合、記号情報供給部43は、特定のユーザによって選択された文字列「SC1」に対応付けられている5個の記号情報(図5参照)を、メモリ34から読み出す。そして、記号情報供給部43は、5個の記号情報を含むリクエストR42を仲介サーバ50に供給する。上述したように、多機能機10と仲介サーバ50との間で、リクエストR40及び読み出し指示の通信が実行されると、多機能機10は、5個の記号情報を含むリクエストR42を仲介サーバ50に適切に供給することができる。
【0080】
仲介サーバ50の画面情報供給部70は、多機能機10からリクエストR42を取得すると、IDテーブル68に従って、リクエストR42に含まれる5個の記号情報から、5個の文字列を生成する(即ち、5個の文字列を再現する)。この場合、図示していないが、仲介サーバ50は、例えば、多機能機10から表示名テーブル36を取得して、表示名テーブル36に含まれる各情報と、生成済みの各文字列(「Display Name = Alice」、「Server Name = Server A」、「PIN code = 1234」、「Access Token = XXXXXXXX」)と、が一致するのか否かを判断することができる。そして、仲介サーバ50は、ここで否定的に判断される場合に、以降の処理(即ち、スキャン設定画面情報の供給)を実行しなくてもよい。
【0081】
画面情報供給部70は、生成済みの5個の文字列に基づいて、多機能機10がどの画面情報を求めているのかを知ることができる。即ち、この例では、5個の文字列は、「Server Name = Server A」及び「Screen Name = Scan Setting Screen」を含むために、画面情報供給部70は、多機能機10が、サービス提供サーバ100のためのスキャン設定画面情報を求めていることを知ることができる。従って、画面情報供給部70は、スキャン設定画面情報を多機能機10に供給する。
【0082】
多機能機10の画面情報取得部40は、仲介サーバ50からスキャン設定画面情報を取得する。この場合、表示制御部41は、スキャン設定画面情報によって表わされるスキャン設定画面308(図8参照)を、表示部14に表示させる。その後の各処理は、図5の各処理と同様である。
【0083】
一方において、特定のユーザは、操作部12を操作して、ショートカット選択画面320に含まれる文字列「SC2」を選択することもできる。この場合、上記と同様に、リクエスト送信部46は、所定のURLを含むリクエストR50を仲介サーバ50に送信し、指示受信部47は、仲介サーバ50から読み出し指示を受信する。この場合、記号情報供給部43は、特定のユーザによって選択された文字列「SC2」に対応付けられている5個の記号情報(図6参照)を、メモリ34から読み出す。そして、記号情報供給部43は、5個の記号情報を含むリクエストR52を仲介サーバ50に供給する。
【0084】
仲介サーバ50の画面情報供給部70は、多機能機10からリクエストR52を取得すると、IDテーブル68に従って、5個の文字列を再現する。これにより、画面情報供給部70は、5個の文字列に基づいて、多機能機10がフォルダ選択画面情報を求めていることを知ることができる。そして、画面情報供給部70は、図6と同様に、サービス提供サーバ100からフォルダ名リストを取得して、フォルダ選択画面情報を多機能機10に供給する。
【0085】
多機能機10の画面情報取得部40は、仲介サーバ50からフォルダ選択画面情報を取得する。この場合、表示制御部41は、フォルダ選択画面情報によって表わされるフォルダ選択画面312(図8参照)を、表示部14に表示させる。その後の各処理は、図6の各処理と同様である。
【0086】
(本実施例の効果)
本実施例によると、多機能機10は、ショートカットを利用して、スキャン設定画面308及びフォルダ選択画面312(図8参照)を、表示部14に表示させることができる。しかも、多機能機10は、特定のユーザからショートカットを生成するための指示が与えられる場合に、比較的に小さいデータ量を有する各記号情報(例えば「0105Alice」をメモリ34に記憶させればよく、比較的に大きいデータ量を有する各文字列(例えば(例えば「Display Name = Alice」)をメモリ34に記憶させずに済む。このために、メモリ34に記憶させるべきデータ量を低減させることができる。特に、PC等と比べると、多機能機10のメモリ34の記憶容量は少ない。従って、本実施例の技術は、多機能機10のように記憶容量が比較的に少ないデバイスに対して、効果的に適用することができる。
【0087】
また、本実施例では、特定のユーザからショートカットを生成するための指示が与えられる場合に、仲介サーバ50は、各記号情報を生成して、各記号情報を多機能機10に供給する。従って、各記号情報を生成するためのプログラム(例えばIDテーブル68等)を多機能機10に記憶させずに済むために、多機能機10が記憶すべきプログラム量を低減させることができる。また、特定のユーザからショートカットを選択するための指示が与えられる場合に、仲介サーバ50は、多機能機10から各記号情報を取得して、各記号情報から各文字列を生成(即ち再現)することができる。これにより、仲介サーバ50は、各文字列に基づいて、適切な画面情報を多機能機10に供給することができる。
【0088】
(対応関係)
多機能機10、仲介サーバ50が、それぞれ、「機能実行装置」、「サーバ」の一例である。なお、印刷機能及びスキャン機能の両方が「特定の機能」の一例である。スキャン設定画面308、サーバ名選択画面302が、それぞれ、「第1の画面」、「第2の画面」の一例である。スキャン設定画面308に含まれる「登録」ボタンが選択されること、ショートカット選択画面320に含まれる1個のショートカット名を示す文字列が選択されることが、それぞれ、「生成指示」、「選択指示」の一例である。図5に示される5個の文字列(例えば「Display Name = Alice」)、図5に示される5個の記号情報(例えば「0105Alice」)が、それぞれ、「2個以上の文字列」、「2個以上の記号情報」の一例である。また、IDテーブル68が、「対応情報」の一例である。
【0089】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例が含まれる。
【0090】
(1)「機能実行装置」は、印刷機能及びスキャン機能の両方を実行可能である多機能機10に限られず、印刷機能のみを実行可能であるプリンタであってもよいし、スキャン機能のみを実行可能であるスキャナであってもよい。一般的に言うと、「機能実行装置」は、印刷機能及びスキャン機能のうちの少なくとも一方を含む特定の機能を実行可能であればよい。
【0091】
(2)上記の実施例では、記憶制御部42は、5個の文字列に対応する5個の記号情報を、メモリ34に記憶させる。これに代えて、記憶制御部42は、5個よりも少ない記号情報を、メモリ34に記憶させてもよい。例えば、記憶制御部42は、サーバ名に対応する記号情報「030201」と、画面に対応する記号情報「050201」と、を含む2個の記号情報のみを、メモリ34に記憶させてもよい。このような形態でも、多機能機10から仲介サーバ50に上記の2個の記号情報が供給されると、画面情報供給部70は、多機能機10がどの画面を求めているのかを知ることができる。また、記憶制御部42は、他の2個の記号情報(例えば、画面に対応する記号情報と、アクセストークンに対応する記号情報)のみを、メモリ34に記憶させてもよい。一般的に言うと、「記憶制御部」は、2個以上の記号情報を装置側メモリに記憶させればよい。同様に、「2個以上の文字列」は、サーバの名称に関係する文字列(例えば「Server Name = Server A」)と、認証情報に関係する文字列(例えば「Access Token = XXXXXXXX」)と、第1の画面の名称に関係する文字列(例えば「Screen Name = Scan Setting Display」)と、のうちの少なくとも2個の文字列を含んでいればよい。
【0092】
(3)上記の実施例では、ショートカットを生成するための生成指示が与えられる場合に、仲介サーバ50の記号情報生成部71が、多機能機10から取得される各文字列から各記号情報を生成して、各記号情報を多機能機10に供給する。これに代えて、ショートカットを生成するための生成指示が与えられる場合に、多機能機10の制御部が、各文字列から各記号情報を生成し、記憶制御部42が、多機能機10の制御部によって生成された各記号情報をメモリ34に記憶させてもよい。一般的に言うと、「2個以上の記号情報」は、サーバによって生成されてもよいし、機能実行装置によって生成されてもよい。
【0093】
(4)上記の実施例では、各画面302〜306が順次表示された後に、スキャン設定画面308上で「登録」ボタンが選択される場合に、ショートカットが生成される。これに代えて、例えば、メイン画面300は、さらに、ショートカットの生成を指示するための特定の文字列を含んでいてもよい。そして、メイン画面300に含まれる上記の特定の文字列が選択された後(即ち、ショートカットの生成指示が与えられた後)に、特定のユーザは、各画面302〜306から各文字列を選択してもよい。そして、データ供給部44は、機能選択画面306に含まれる文字列「Scan Upload」が選択されると、5個の文字列を仲介サーバ50に供給し、記号情報取得部45は、5個の記号情報を仲介サーバ50から取得し、記憶制御部42は、5個の記号情報をメモリ34に記憶させてもよい。一般的に言うと、ショートカットの生成指示は、上記の実施例のように、第1の画面及び第2の画面が表示された後に与えられてもよいし、本変形例のように、第1の画面及び第2の画面が表示される前に与えられてもよい。
【0094】
(5)図7に示されるように、上記の実施例では、ショートカットを選択するための選択指示が与えられる場合に、多機能機10と仲介サーバ50との間で、リクエストR40及び読み出し指示の通信が実行され、その後、記号情報供給部43は、メモリ34内の各記号情報を読み出す。これに代えて、ショートカットを選択するための選択指示が与えられる場合に、リクエストR40及び読み出し指示の通信が実行されなくても、記号情報供給部43は、メモリ34内の各記号情報を読み出して、各記号情報を仲介サーバ50に供給してもよい。
【0095】
(6)上記の各実施例では、多機能機10及び仲介サーバ50のCPU32,62がソフトウェアに従って処理を実行することによって、各部40〜47,70〜71の機能が実現される。これに代えて、各部40〜47,70〜71の機能のうちの少なくとも一部は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【符号の説明】
【0096】
2:通信システム、10:多機能機、34:メモリ、36:表示名テーブル、50:仲介サーバ、64:メモリ、66:複数個の画面情報、68:IDテーブル、90:PC、100,110:サービス提供サーバ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷機能及びスキャン機能のうちの少なくとも一方を含む特定の機能を実行する機能実行装置であって、
装置側メモリと、
前記特定の機能に関係する複数個の画面を表わす複数個の画面情報を格納しているサーバから、前記複数個の画面情報のうちのいずれかの画面情報を取得する画面情報取得部と、
取得済みの画面情報によって表わされる画面を、表示部に表示させる表示制御部と、
前記複数個の画面のうちの第1の画面に対応するショートカットを生成するための生成指示が与えられる場合に、前記第1の画面を表示させるための2個以上の文字列に対応する2個以上の記号情報を、前記装置側メモリに記憶させる記憶制御部であって、前記2個以上の記号情報のそれぞれは、対応する文字列よりも少ないデータ量を有する、前記記憶制御部と、
前記ショートカットを選択するための選択指示が与えられる場合に、前記装置側メモリ内の前記2個以上の記号情報を、前記サーバに供給する記号情報供給部と、を備え、
前記2個以上の記号情報が前記サーバに供給される場合に、
前記画面情報取得部は、前記サーバから前記第1の画面情報を取得し、
前記表示制御部は、前記第1の画面情報によって表わされる前記第1の画面を、前記表示部に表示させる、機能実行装置。
【請求項2】
前記機能実行装置は、さらに、
前記生成指示が与えられる場合に、前記2個以上の文字列を示す特定のデータを、前記サーバに供給するデータ供給部と、
前記サーバが前記特定のデータから生成する前記2個以上の記号情報を、前記サーバから取得する記号情報取得部と、を備え、
前記記憶制御部は、前記サーバから取得される前記2個以上の記号情報を、前記装置側メモリに記憶させる、請求項1に記載の機能実行装置。
【請求項3】
前記画面情報取得部は、前記複数個の画面情報のうち、前記第1の画面情報とは異なる第2の画面情報を取得した後に、前記第1の画面情報を取得し、
前記表示制御部は、前記第2の画面情報によって表わされる第2の画面を、前記表示部に表示させた後に、前記第1の画面を前記表示部に表示させ、
前記第2の画面は、前記2個以上の文字列のうちの1個の文字列を選択するための画面であり、
前記記憶制御部は、前記第1の画面が前記表示部に表示されている間に、前記生成指示が与えられる場合に、前記第2の画面で選択された前記1個の文字列を含む前記2個以上の文字列に対応する前記2個以上の記号情報を、前記装置側メモリに記憶させる、請求項1又は2に記載の機能実行装置。
【請求項4】
前記機能実行装置は、さらに、
前記選択指示が与えられる場合に、所定の位置情報を含むリクエストを、前記サーバに送信するリクエスト送信部と、
前記サーバが前記リクエストに応じて送信する指示であって、前記装置側メモリ内の前記2個以上の記号情報を読み出すための前記指示を、前記サーバから受信する指示受信部と、を備え、
前記記号情報供給部は、前記指示が受信される場合に、前記装置側メモリ内の前記2個以上の記号情報を読み出して、前記2個以上の記号情報を前記サーバに供給する、請求項1から3のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項5】
前記2個以上の文字列は、
前記特定の機能に関係するサービスを提供するサーバの名称に関係する文字列と、
前記サービスを利用するために必要な認証情報に関係する文字列と、
前記第1の画面の名称に関係する文字列と、
のうちの少なくとも2個の文字列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項6】
印刷機能及びスキャン機能のうちの少なくとも一方を含む特定の機能を実行する機能実行装置と通信可能に接続されるサーバであって、
前記特定の機能に関係する複数個の画面を表わす複数個の画面情報と、各文字列と各記号情報とが対応付けられている対応情報と、を格納しているサーバ側メモリであって、前記各記号情報は、対応する文字列よりも少ないデータ量を有する、前記サーバ側メモリと、
前記サーバ側メモリ内の前記複数個の画面情報のうちのいずれかの画面情報を、前記機能実行装置に供給する画面情報供給部と、を備え、
前記画面情報供給部は、前記機能実行装置から、前記複数個の画面のうちの第1の画面を表示させるための2個以上の文字列に対応する2個以上の記号情報が取得される場合に、前記サーバ側メモリ内の前記対応情報に従って、前記2個以上の記号情報から前記2個以上の文字列を生成して、前記2個以上の文字列に基づいて、前記第1の画面情報を前記機能実行装置に供給する、サーバ。
【請求項7】
前記サーバは、さらに、
前記機能実行装置から前記2個以上の文字列を示す特定のデータが取得される場合に、前記サーバ側メモリ内の前記対応情報に従って、前記特定のデータから前記2個以上の記号情報を生成して、前記2個以上の記号情報を前記機能実行装置に供給する記号情報生成部を備える、請求項6に記載のサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−109730(P2013−109730A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256557(P2011−256557)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】