機能性弾性複合ヤーン、それを作る方法およびそれを含む物品
機能性弾性複合ヤーンは、少なくとも1つの機能性被覆フィラメントによって取り囲まれた弾性部材を含む。機能性被覆フィラメントは、実質的に複合ヤーン上にかけられた伸び応力のすべてが弾性部材によって支えられるように、弾性部材の引っ張られた長さよりも大きい長さを有する。弾性複合ヤーンはさらに、弾性部材と機能性被覆フィラメントを取り囲む任意の応力支持部材を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テキスタイル(textile)利用には不十分である引き伸ばせる特性を持つ機能性フィラメントを含む弾性化されたヤーン(yarn)、それを製造するプロセス、および伸長(stretch)織物(fabric)、衣服、並びにそのようなヤーンを含む他の物品に関する。
【背景技術】
【0002】
機能性特性を持つファイバーはテキスタイル ヤーンにおける使用のために開示されてきた。そのようなファイバーは特定の視覚的に美的な生物学的機能、例えば抗菌作用、熱緩衝効果、例えば該ファイバー構造内への相変化材料の混入によって電気的機能、例えばピエゾ電気、電歪、通電クロミック作用、光学機能、例えば光学ガラス ファイバー、フォトルミネセンス、ルミネセンス、磁気機能、例えば磁歪作用、熱応答機能、例えば形状記憶ポリマーもしくは合金によって、または知覚機能、例えば化学、バイオ、容量性、聴覚作用を獲得する目的のために加えることができる。そのような機能性複合ヤーンは、織物、衣服および着用可能/アパレル物品の中へ作り上げられてきた。
【特許文献1】特許願2004/0209059 A1号
【特許文献2】WO 03/027365
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
機能性フィラメントはテキスタイル製造または使用のために不十分な伸び特性を持ち得る。多くの場合、機能性テキスタイル ヤーンは、機能性フィラメントがヤーンの圧力が加えられた部材であるように要求される場合、機能性フィラメント上またはコンビネーション ヤーン上に単に配置されない。このことは例えば機能性を与えるためにフィラメントへ加えられてきた微粒子の存在による。そのような場合、粒子の追加はファイバー剛性を増加し得、および/または破断強度を減少し得、または降伏強度を減少し得る。あるいは従来のテキスタイル製造プロセスの間、ファイバーがもはやファイバーにかけられる伸び応力に耐えられないように、機能性フィラメントの弾性限界が減少するような方法で機能性を獲得することができる。
【0004】
米国の公開された特許願2004/0209059 A1号は通例のテキスタイル ファイバーおよび抗菌ファイバーを含む機能性複合ヤーンを開示する。この複合機能性ヤーンに使用される通例のテキスタイル ファイバーは、例えばナイロン、ポリエステル、コットン、ウール、およびアクリルのようなテキスタイル ファイバーを含み得る。そのようなテキスタイル ファイバーはほとんどあるいは実質的に何も、本来備わっている弾性を有しない。換言すればこれらの通例のテキスタイル ファイバーは「伸長復元(stretch and recovery)」力を機能性複合ヤーンに与えない。この引例の複合ヤーンは機能性ヤーンであるけれども、それから作られたテキスタイル材料はそこから伸長能力を有するテキスタイル織物および構造を提供することを期待されないだろう。
【0005】
同様にHaggard他へのWO 03/027365はファイバーを含む相変化材料からなる機能性織物を開示する。この引例はポリアミド、ポリエステルおよびそこに開示された混合物から作られ、他の合成(synthetic)ポリマーおよび炭化水素ワックス、オイル、脂肪酸エステル、およびそこに開示された他の相変化材料の組み合わせから作られた芯を含む鞘(sheath)からなる機能性ファイバーを開示する。そのようなヤーンから作られた織物は満足な相変化特性を有し得るが、それらは本来備わっている弾性伸長および復元特性を有することが期待されないだろう。
【0006】
ある他の前進した機能はもちろん伸長および復元の両方も有するヤーン、織物または衣服は強く望まれている。伸長および復元特性、もしくは「弾性」は、印加する力の方向(かけられた伸び応力の方向)に長くなり、そのかけられた伸び応力が弛緩されたときに、実質的に永久的な変形無しでその元の長さおよび形状に実質的に戻るヤーンまたは織物の能力である。テキスタイル技術において、(a)標本の単位面積当りの力または(b)伸長されない標本の単位線密度当りの力に関してテキスタイルの標本(例えばヤーンもしくはフィラメント)にかけられた応力を表すのが普通である。標本の結果として生じる歪み(strain)(伸び(elongation))は、その元の標本の長さの比またはパーセンテージに関して表される。歪み対応力のグラフを用いた描写は、テキスタイル技術においてよく知られた応力-歪み曲線である
ファイバー、ヤーンまたは織物が、かけられた応力によって変形する前のその元の標本の長さに戻る程度は、「弾性復元(elastic recovery)」と呼ばれる。テキスタイル材料の伸長および復元テストにおいて、テスト標本の弾性限界に注目することも重要である。「弾性限界」は標本が永久的変形を示す上記応力負荷である。弾性フィラメントの利用可能な伸び範囲は、まったく永久的変形がない伸張のその範囲である。ヤーンの弾性限界は、変形を引き起こす応力が除かれた後、その元のテスト標本の長さを上回るときに達する。一般に個々のフィラメントおよびマルチフィラメント ヤーンは、かけられた応力の方向に伸びる(歪む)。この伸びは指定された負荷または応力で計測される。加えて、フィラメントまたはヤーン標本の破断時の伸びに注目することが有用である。この破断伸びは、標本がかけられた応力によって歪み、標本のフィラメントまたはマルチフィラメント ヤーンの最後の構成要素が破断するのに対する元の標本の長さの比である。一般に引っ張られた長さは、ヤーンがその弛緩された単位長さから伸長する回数に等しい引っ張り率に関して与えられる。
【0007】
前記のことを考慮して、編まれたもしくは織られた織物(「機能性テキスタイル ヤーン」)を製造するための伝統的なテキスタイル手段を用いて処理し得る、弾性復元特性を有する機能性テキスタイル ヤーンは、捜され続ける。弾性機能性ヤーンから実質的に構成される織物および衣服は、全体の構造に伸長および復元特性を提供し得、例えばどの形状、どの形状のボディあるいは弾性の要求にもよりよく順応させる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、弛緩された単位長さがLであって(N×L)の引っ張られた長さを有する弾性部材を含む機能性弾性複合ヤーンに向けられる。弾性部材自体は弾性 伸長および復元特性を持つ1つもしくはそれ以上のフィラメントを含む。弾性部材は少なくとも1つだが、好ましくは2以上の複数の機能性被覆フィラメントで取り囲まれる。複合ヤーンにかけられる伸び応力の実質的なすべてが弾性部材によって支えられるように、各機能性被覆フィラメントは弾性部材の引っ張られた長さより大きい長さを有する。数Nの値は約1.0から約8.0の範囲、より好ましくは約1.0から約5.0の範囲、最も好ましくは約1.0から約4.0の範囲にある。
【0009】
「機能性被覆フィラメント」という用語は、少なくとも1つの機能を有する1つまたはそれ以上のファイバーを表し、あるいはテキスタイル ファイバーと一般に関連付けられる機械的特性を越えて広がる少なくとも1つの特性を示す。そのような部材と関連付けられる機能または特性は例えば、生物活性、熱応答活性、光伝達、反射、照明、またはルミネセンスのような光学活性、電界または磁界の元での活性、刺激への応答によって1つの形態から他の形態へ転換する能力、感覚、監視もしくは操作利用、および/または上述の他のどの利用または機能をも含み得る。機能性被覆フィラメントはさらに圧電、電歪、強誘電、磁歪、光子または電気クロミック ファイバーを含み得る。
【0010】
機能性被覆フィラメントのそれぞれは種々の形態のどれでも取り得る。機能性被覆フィラメントは、複合ポリメリック ファイバーを含む微粒子の形態を取り得る。あるいは機能性フィラメントは、機能性マルチ成分もしくはマルチコンスティテュエント(multi-constituent)の非弾性合成ポリメリック ファイバーの形態を取り得る。複数の機能性被覆フィラメントを有する複合ヤーンにおいて、種々の形態のどのような組み合わせも共に用い得る。
【0011】
弾性部材のそれぞれ弛緩された(応力無しの)単位長さ(L)につき、少なくとも1から約10,000回の機能性被覆フィラメントが存在するように、弾性部材の回りに各機能性フィラメントが次々と巻かれる。あるいは弾性部材のそれぞれ弛緩された単位長さ(L)につき、機能性被覆フィラメントによる少なくとも1周期の波状の被覆が存在するように、弾性部材の回りに機能性被覆フィラメントが波状に配置され得る。
【0012】
複合ヤーンはさらに弾性部材を取り囲む1つまたはそれ以上の非弾性合成ポリマー ヤーンを含み得る。各非弾性合成ポリマー フィラメント ヤーンは、複合ヤーンにかけられた伸び応力の一部が非弾性合成ポリマー ヤーンによって支えられるように、機能性被覆フィラメントの長さよりも短い総計の長さを有する。好ましくは各非弾性合成ポリマー フィラメント ヤーンの総計の長さは、弾性部材の引っ張られた長さ(N×L)と同じかそれより長い。
【0013】
弾性部材のそれぞれ弛緩された(応力無しの)単位長さ(L)につき、非弾性合成ポリマー ヤーンの少なくとも1から約10,000回が存在するように、1つまたはそれ以上の非弾性合成ポリマー ヤーンを、弾性部材(および機能性被覆フィラメント)の回りに巻くことができる。あるいは弾性部材のそれぞれ弛緩された単位長さ(L)につき、非弾性合成ポリマー ヤーンによる波状被覆の少なくとも1周期が存在するように、非弾性合成ポリマー ヤーンを弾性部材の回りに波状に配置することができる。
【0014】
本発明の複合ヤーンは、機能性被覆フィラメントの破断伸びよりも大きく、弾性部材の弾性限界よりも小さい約10%から約800%の利用可能な伸長範囲と、機能性被覆フィラメントの破断強度よりも大きい破断強度を有する。
【0015】
本発明はまた機能性弾性複合ヤーンを形成する種々の方法に向けられる。
【0016】
第1の方法は、複合ヤーン内に用いられる弾性部材をその引っ張られた長さに引っ張り、引っ張られた長さの弾性部材に実質的に平行にかつ接触して1つまたはそれ以上のそれぞれの機能性被覆フィラメントを置き、そしてその後、弾性部材を弛緩させ、それによって弾性部材と機能性被覆フィラメントをからませるステップを含む。もし機能性弾性複合ヤーンが1つまたはそれ以上の非弾性合成ポリマー ヤーンを含むなら、そのような非弾性合成ポリマー ヤーンは引っ張られた長さの弾性部材に実質的に平行にかつ接触して置かれる。そしてその後、弾性部材は弛緩され、それによって非弾性合成ポリマー ヤーンは弾性部材および機能性被覆フィラメントといっしょにからませられる。
【0017】
他の代替の方法に従って、機能性被覆フィラメントのそれぞれおよび非弾性合成ポリマー ヤーンのそれぞれは(もし同じものが提供されるなら)、引っ張られた弾性部材の回りに撚られ、または他の方法の実施例に従って、引っ張られた弾性部材の回りに巻かれる。その後、各例では弾性部材は弛緩される。
【0018】
しかし、本発明に応じて機能性弾性複合ヤーンを作る他の代替の方法は、エア ジェットを介して弾性部材を送り、エア ジェット内の間、機能性被覆フィラメントのそれぞれおよび非弾性合成ポリマー ヤーンのそれぞれで弾性部材を被覆する(もし同じものが提供されるなら)ステップを含む。その後、弾性部材は弛緩される。
【0019】
本発明の機能性弾性複合ヤーンで実質的に全面的に構成された編まれたまたは織られたファブリックを提供することもまた本発明の範囲にある。そのようなファブリックは着用可能な衣服または他のファブリック物品を作るのに用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図面の簡単な説明
本発明はこの出願の一部をなす添付の図面に関連してなされる次の詳細な説明からより十分に理解されるだろう。
【0021】
図1は比較のための実施例1の中空ファイバーおよび実施例1の中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【0022】
図2は比較のための実施例2の相変化連続フィラメント ヤーンおよび実施例2の相変化機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【0023】
図3は比較のための実施例3の相変化連続フィラメント ヤーンおよび実施例3の相変化機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【0024】
図4は比較のための実施例4のカーボン ブラック添加ヤーンおよび実施例4の機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【0025】
図5は本発明の弾性複合ヤーンの概略的な描写である。
【0026】
図6は機能性被覆フィラメントによる弾性部材の波状の被覆の概略的な描写である。
【0027】
発明の詳細な説明
本発明に従って、低い弾性限界、低い破断靭性、または両方を持つ機能性ファイバーを含む機能性弾性複合ヤーンが作られる。本発明による機能性弾性複合ヤーンは、少なくとも1つの機能性被覆フィラメントにより取り囲まれた弾性部材(または「弾性芯」)を含む。あるいは少なくとも1つの機能性被覆フィラメントは、複合物における上記弾性部材についてまたはそれに基づいて述べられる。弾性部材は、予め決められた弛緩された単位長さがLであって、(N×L)の予め決められた引っ張られた長さを有し、Nは弾性部材にかけられる牽引力を表す、好ましくは約1.0から約8.0の範囲の数である。
【0028】
機能性被覆フィラメントは、複合物が弾性部材および機能性被覆部材からなるとき、複合ヤーンにかけられた伸び応力のすべては、実質的に弾性部材によって支えられるように弾性部材の引っ張られた長さよりも長い長さを有する。換言すれば、機能性被覆部材によって応力の何も支えられず、従ってそのような機能性被覆部材の無欠の状態および機能を保つ。
【0029】
弾性複合ヤーンはさらに、弾性部材および機能性被覆フィラメントの回りにまたはそれらを取り囲む任意の応力支持部材を含む。応力支持部材は好ましくは、1つまたはそれ以上の非弾性合成ポリマー ヤーンから形成される。応力支持部材の長さは、複合ヤーンにかけられた伸び応力の一部が応力支持部材によって支えられるように機能性被覆フィラメントの長さより短い。
【0030】
弾性部材
商標LYCRA(登録商標)の元でINVISTA North America S.ar.l.(Wilmington,Delaware,USA,19880)によって販売されるスパンデックス材料のような、弾性部材は1つまたは複数(すなわち2つまたはそれ以上)の弾性ヤーンのフィラメントを用いて提供されることができる。
【0031】
弾性部材の引っ張られた長さ(N×L)は、弾性部材が伸長され、その弛緩された(応力無し)単位長さLの約5%以内に戻ることができる長さであると定義される。さらに一般的に弾性部材にかけられたドラフト(draft)Nは、弾性部材および被覆を構成するポリマーの化学的および物理的特性および用いられたテキスタイル プロセス次第である。スパンデックス ヤーンから作られた弾性部材のための被覆プロセスにおいて、典型的には約1.0から約8.0、より好ましくは約1.0から約5.0、最も好ましくは約1.0から約4.0のドラフトがある。
【0032】
あるいは合成2成分(bicomponent)マルチフィラメント テキスタイル ヤーンはまた、弾性部材を形成するために使用され得る。合成2成分フィラメント複合ポリマーは、一般的には熱可塑性プラスチックである。より好ましくは合成2成分フィラメントは溶融紡糸され、最も好ましくは複合ポリマーはポリアミドおよびポリエステルからなるグループから選ばれる。
【0033】
ポリアミド2成分マルチフィラメント テキスタイル ヤーンのより好ましいクラスは、自己しぼ(self-crimping)でありまた「自己テクスチャリング(self-texturing)」と呼ばれるナイロン2成分ヤーンを含む。これらの2成分ヤーンは、第1の相対粘度を有するナイロン66ポリマーまたはコポリアミドの成分および第2の相対粘度を有するナイロン66ポリマーまたはコポリアミドの成分を含み、ポリマーまたはコポリアミドの両方は、個々のフィラメントの断面に見られるように並んだ(side-by-side)関係にある。商標TACTEL T-800TM(登録商標)の元でINVISTA North America S.ar.l.によって販売されるヤーンのような自己しぼナイロン ヤーンは、特に有用な2成分弾性ヤーンである。
【0034】
好ましいポリエステル複合ポリマーは、ポリエチレン テレフタレート、ポリトリメチレン テレフタレートおよびポリテトラブチレン テレフタレートを含む。さらに好ましいポリエステル2成分フィラメントは、PETポリマーの成分およびPTTポリマーの成分を含み、フィラメントの両成分は、個々のフィラメントの断面に見られるように並んだ関係にあり得る。この記述に合う特に有利なフィラメント ヤーンは、商標 T-400TM Next Generation Fiber(登録商標)の元でINVISTA North America S.ar.l.によって販売されるヤーンである。これらの2成分ヤーンからの弾性部材のための被覆プロセスは、スパンデックスにおけるよりも少ないドラフトの利用を含む。
【0035】
一般的に、ポリアミドまたはポリエステル2成分マルチフィラメント テキスタイル ヤーンの両方のドラフトは、約1.0から約5.0、最も好ましくは約1.2から約4.0の間である。
【0036】
機能性被覆フィラメント
その最も基礎的な形態においては、機能性被覆フィラメントは1つまたは複数(すなわち、2またはそれ以上)の機能性ファイバーのストランド(strand)からなる。
【0037】
代わりの形態においては、機能性被覆フィラメントは、1つまたはそれ以上の機能性ファイバーをその上に有する合成ポリマー ヤーンからなる。適した合成ポリマー ヤーンは、連続フィラメント ナイロン ヤーン(例えば一般にN66、N6、N610、N612、N7、N9と称される合成ナイロン ポリマー)、連続フィラメント ポリエステル ヤーン(例えば一般にPET、3GT、4GT、2GN、3GN、4GNと称される合成ポリエステル ポリマー)、ステープル ナイロン ヤーン、またはステープル ポリエステル ヤーンの間から選ばれる。そのような複合機能性ヤーンは、撚り合わされ、紡糸され、あるいはテクスチャード ヤーンのような複合ヤーンを製造する従来のヤーン紡糸技術によって形成され得る。
【0038】
どのような形態を選んでも、弾性部材の回りのあるいは取り囲む機能性被覆フィラメントの長さは、弾性部材の弾性限界いにより決定される。従って弾性部材の弛緩された単位長さLの回りのあるいは取り囲む機能性被覆フィラメントは、A(N×L)で与えられる総計の単位長さを有し、Aは1より大きいある実数、Nは約1.0から約8.0の範囲の数である。従って機能性被覆フィラメントは弾性部材の伸ばされた長さより大きい長さを有する。
【0039】
機能性被覆フィラメントの代わりの形態は、合成ポリマー ヤーンを機能性ファイバーの複数回取り巻くことによって作られ得る。
【0040】
任意の応力支持部材
本発明の機能性弾性複合ヤーンの任意の応力支持部材は、非機能性非弾性合成ポリマー ファイバーまたはコットン、ウール、シルクおよびリンネルのような自然のテキスタイル ファイバーから作り得る。これらの合成ポリマー ファイバーは、マルチフィラメント フラット ヤーン、一部オリテンティド ヤーン、テクスチャード ヤーンから選ばれた連続フィラメントまたはステープル ヤーン、ナイロン、ポリエステルまたはフィラメント ヤーン ブレンドから選ばれた2成分ヤーンであり得る。
【0041】
利用する場合、弾性部材の回りのあるいは取り囲む応力支持部材はB(N×L)の総計単位長さを有するように選ばれ、Bは1より大きいある実数である。数A(機能性被覆部材に関して)およびB(任意の応力支持部材に関して)の選択は、機能性被覆フィラメントといかなる応力支持部材の相対的な長さを決定する。例えばA>Bの場合、伝導性被覆フィラメントが圧力を加えられずあるいはその破断伸び近くに著しく伸ばされるということが保証される。さらにそのようなAとBの選択は、応力支持部材が複合ヤーンの強度部材となり、弾性部材の弾性限界で拡張負荷の実質的にすべての伸び応力を支えるだろう。このように応力支持部材は、複合ヤーン上にかけられる伸び応力の一部が応力支持部材によって支えられるように、機能性被覆フィラメントの長さより小さい総計の長さを有する。応力支持部材の長さは、弾性部材の引っ張られた長さ(N×L)より大きいかあるいは等しくあるべきである。
【0042】
応力支持部材は好ましくはナイロンである。ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン7、ナイロン9、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12、ナイロン6および混紡糸並びにそれらのコポリアミドのような、合成ポリアミド成分ポリマーからなるナイロン ヤーンが好ましい。コポリアミドの場合、40モル パーセントに至るまでのポリアジパミドを持つナイロン66を含むものが特に好ましく、ここで脂肪族ジアミン成分が、それぞれの商標DYTEK A(登録商標)およびDYTEK EP(登録商標)の元でINVISTA North America S.a r.l.(Wilmington,Delaware,USA,19880)から利用可能なジアミンのグループから選ばれる。
【0043】
ナイロンから応力支持部材を作ることは、テキスタイル ナイロン ヤーンと伝統的なナイロン被覆スパンデックス ヤーンの従来の染料と着色プロセスを用い、複合ヤーンを染めることができるようにする。
【0044】
もし応力支持部材がポリエステルなら、好ましいポリエステルはポリエチレン テレフタレート(2GT,a.k.a.PET)、ポリトリメチレン テレフタレート(3GT,a.k.a.PTT)あるいはポリテトラブチレン テレフタレート(4GT)のいずれかである。応力支持部材をポリエステル マルチフィラメント ヤーンから作ることはまた、伝統的なテキスタイル プロセスにおける染色および取り扱いを容易にする。
【0045】
機能性被覆フィラメントおよび任意の応力支持部材は実質的に螺旋型にその軸に沿って弾性部材を取り囲み得る。
【0046】
機能性被覆フィラメントおよび応力支持部材の相対量は、実質的にその伸ばされない(すなわち、拡張によって変形されない)長さに伸び戻る弾性部材の能力および機能性被覆フィラメントの電気的特性により選ばれる。この文書で用いられるように「変形されない(undeformed)」は、弾性部材がその弛緩された(応力無しの)単位長さLの約プラスマイナス5%以内に復元することを意味する。
【0047】
機能性フィラメントおよび任意の応力支持部材ヤーンによる弾性フィラメントの一重被覆(single covering)、二重被覆(double covering)、エア ジェット被覆、からませ、撚り合わせ、巻き付けのためのいかなる伝統的なテキスタイル プロセスも、本発明による機能性弾性複合ヤーンを作るのに適する。
【0048】
ほとんどの場合、弾性部材が機能性被覆フィラメントおよび任意の応力支持部材によって取り囲まれまたは被覆される様式は弾性複合ヤーンを得るために重要ではない。この構造のこれらの機能性弾性複合ヤーンの望ましい特性は応力-歪みのふるまいである。例えば印加された伸び力の応力の元で、弾性部材の回りに多重巻き付け(一般的に1回(一重巻き付け)から約10,000回)で配置された複合ヤーンの機能性被覆フィラメントは、外部の応力による歪み無しで自由に伸びることができる。
【0049】
同様にまた弾性部材の回りに複数(再び一般的に1回(一重巻き付け)から約10,000回)巻き付けられて配置された任意の応力支持部材は、著しい歪み無しで自由に伸びることができる。もし複合ヤーンが弾性部材の破断伸び近くまで伸長されるなら、応力支持部材は負荷の一部に耐え、弾性部材および機能性被覆フィラメントを破断から効果的に保護するのに役立つ。「負荷の一部(portion of the load)」はここでは、負荷の約1%から約99%、より好ましくは負荷の約10%から約80%、最も好ましくは負荷の約25%から約50%のいかなる量を意味するために用いられている。
【0050】
図5は機能性被覆フィラメント20で被覆された弾性部材40および応力支持部材50を有する機能性弾性複合ヤーン100を示す。この実施例の機能性弾性複合ヤーン100は撚り合わせにより形成された。
【0051】
弾性部材は選択的に、機能性被覆フィラメントおよび任意の応力支持部材によって波状に巻き付けられ得る。波状の巻き付けは図6に概略的に表され、弾性部材40例えばLYCRA(登録商標)ヤーンは、機能性被覆フィラメント10例えば金属ワイヤーで、巻き付けが波状周期Pによって特徴付けられるやり方で巻き付けられる。
【0052】
本発明の具体的な実施例および手順がいま実施例によって以下のようにさらに記述されるだろう。
【0053】
テスト方法
ファイバーとヤーンの応力-歪み特性の計測
ファイバーとヤーンの応力-歪み特性は破断点への時間的一定割合の伸びでダイナモメーターを使用して決定された。Instron Corp,100 Royall Street,Canton,Massachusetts,02021 USAによって製造されたダイナモメーターが使用された。
【0054】
テスト標本の状態は約22℃プラスマイナス約1℃、相対湿度約60%プラスマイナス約5%であった。テストは5cmのゲージ長さでクロスヘッド速度は約50cm/minでなされた。約20cmの長さの糸がボビンから除かれ、空調された実験室内で少なくとも16時間ビロード板の上で弛緩される。このヤーンの標本は、張力または弛みのいずれかを与えないようにヤーンdtexに対応する予備引っ張り荷重がかけられてジョーズ(jaws)内に置かれる。この方法から得られた結果は、機能性弾性複合ヤーンとその構成要素との間の直接的な比較を可能にする。予備引っ張り荷重がヤーンの利用可能な伸びに影響を及ぼすことが期待される(すなわち、高い予備引っ張り荷重で低い利用可能な伸びが計測される)。予備引っ張り荷重がヤーンの極限強さに影響を及ぼすことが期待されない。
【0055】
ファブリックの伸長の計測
伸長の織られたファブリックの伸長および復元は、一定の速度の引っ張りテストを実行するために万能電気-機械テストおよびデータ獲得システムを用いて決定された。該システムはinstron Corp,100 Royall Street,Canton,Massachusetts,02021 USAからのものが用いられた。
【0056】
2つのファブリック特性(1)ファブリックの伸長および(2)ファブリックの拡張(変形)がこの器械を用いて計測された。実現できるファブリックの伸長は、0から約30ニュートンの間の特定の負荷によって引き起こされる伸びの総計として計測され、また分当り約300mmの割合で伸長されたとき、その元のファブリック標本の長さにおけるパーセンテージ変化として表された。ファブリックの拡張は、約30分間実現できるファブリック伸長の約80%で保持され、その後約60分間弛緩された、ファブリック標本の復元されない長さとして計測された。実現できるファブリック伸長の80%が、ファブリックの伸びの約35%よりも大きかった場合には、このテストは約35%の伸びに制限された。それからファブリックの拡張は元の長さのパーセンテージとして表された。
【0057】
伸長方向における伸長の織られたファブリックの伸びまたは最大伸長は3サイクル テスト手順を用いて決定された。計測された最大伸びは、テスト標本の最大拡張の割合だった。計測された最大伸びは、約30ニュートンの負荷で第3のテスト サイクルにおいて見られた初期の見本長さに対するテスト標本の最大拡張の割合だった。この第3のサイクル値はファブリック標本の手による伸びに相当する。このテストは、この3サイクルテストのために特に準備した上述の万能電気-機械テストおよびデータ獲得システムを用いてなされた。
【実施例】
【0058】
比較実施例1
NE18/1(360dtex)を有するポリエステルを素材とする中空ファイバーが、ダイナモメーターを用い約400mgの予備荷重が印加され、その応力および歪み特性が審査された。このファイバーはThermolite(登録商標)の名がつけられており、最大の保温と保護を実現するINVISTA,inc.の商標として登録されている。このファイバーの応力-歪み曲線は図1の50で示される。このファイバーは比較的高い初期の係数と、比較的高い極限強さによって特徴付けられる、そのテスト標本の約30%より小さい破断時の比較的低い伸びを示す。特にこのファイバーがテキスタイル ファブリックおよび衣料品に用いられる場合、実現できる伸びに厳しい制限がある。着用者の動きからの伸長を受けやすい衣服におけるそのようなファイバーは、動きの自由に関して衣服の最高の快適さを制限するのが予期されるだろう。
【0059】
実施例1
LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンから作られた360decitex(dtex)弾性芯は、通例のスパンデックス被覆プロセスを用いて比較実施例1で述べられたThermolite(登録商標)ヤーンで巻き付けられた。被覆はI.C.B.T.マシーン モデルG307でなされた。このプロセスの間、LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンは5倍の値(すなわちN=5)に引っ張られ、中空フィラメント機能性弾性複合ヤーンを生成するため、1つは「S」他方は「Z」方向に撚られた同じタイプの2つのThermolite(登録商標)ヤーンで巻き付けられた。Thermolite(登録商標)ヤーンは、第1の被覆で約1000回/メーター(引っ張られたLYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンのメーター当りのThermolite(登録商標)ヤーンの回数)(各弛緩された単位長さLにつき約5000回)で、第2の被覆で約800回/メーター(各弛緩された単位長さLにつき約4000回)巻き付けられた。図1に示された応力-歪み曲線52は、約400mgの予備荷重がかけられた比較実施例1において計測された中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンのためのものである。この中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンは、テスト標本長さより大きい約100%を越える特別な伸長ふるまいを示し、それが破断する前に約200%の範囲に伸び、Thermolite(登録商標)ヤーンよりそれぞれ高い極限強さを示す。このプロセスは、約200%の範囲の破断伸びと約590cNの破断力を示す中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンの生成を許す。この実施例の特徴的な応力-歪み曲線52から理解できるように、中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンの破断は、複合ヤーンの弾性部材が破断する前に破断する機能性ヤーンによって引き起こされる。
【0060】
比較実施例2
鞘内に相変化粒子の添加を含む2成分芯-鞘ファイバーは、ダイナモメーターを用い約100mgの予備荷重がかけられてその応力と歪み特性が審査された。このファイバーはINVISTA,Inc.により開発されたタイプD22であり、86den 34コンティニュアス フィラメント ヤーンである。このファイバーの応力-歪み曲線60は図2に示される。このファイバーは、そのテスト標本長さの比較的高い約150%への破断時の伸びがその後に起こる、ほんの約5%で降伏点を有する比較的高い初期係数を示す。特にこのファイバーがテキスタイル ファブリックおよび衣料品に用いられる場合、衣服の有用な快適範囲である、非常に小さい伸び範囲での高い丈夫さによって特徴付けられるテキスタイルの機械的特性への厳しい制限がある。着用者の動きからの伸長を受ける、衣服におけるそのようなファイバーは、動きの自由に関して衣服の最高の快適さを制限するのが予期されるだろう。
【0061】
実施例2
LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンで作られた44decitex(dtex)弾性芯は、通例のスパンデックス被覆プロセスを用いて、比較実施例2で述べられたD22ヤーンで巻き付けられた。被覆はI.C.B.T.マシーン モデルG307上でなされた。このプロセスの間、LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンは3.2倍の値(すなわちN=3.2)に引っ張られ、相変化フィラメント機能性弾性複合ヤーンを生成するために、1つは「S」他方は「Z」方向に撚られた、同じタイプの2つのD22ヤーンで巻き付けられた。D22ヤーンは、第1の被覆では約1500回/メーター(引っ張られたLYCRA(登録商標)スパンデックス
ヤーンのメーター当りのD22ヤーンの回数)(各弛緩された単位長さLにつき約4800回)、また第2の被覆では約1200回/メーター(各弛緩された単位長さLにつき約3840回)で巻き付けられた。図2に示される応力-歪み曲線62は、約100mgの予備荷重がかけられて比較実施例1のように計測された、相変化ファイバー機能性弾性複合ヤーンのためのものである。この相変化ファイバー機能性弾性複合ヤーンはテスト標本長さより大きい約30%への弾性係数を示し、それが破断する前約300%の範囲に伸び、それぞれD22ヤーンより大きい極限強さを示す。このプロセスは、約150%の破断伸びと約70cNの破断力を示す個々のD22ヤーンに比較して、約300%の範囲の破断伸びと約180cNの範囲の破断力を示す相変化ファイバー機能性弾性複合ヤーンの製造を許す(図2参照)。このプロセスはまた、約50%の降伏点、すなわちわずか約5%の伸びで降伏する個々のD22ヤーンより高い範囲を有する機能性複合ヤーンを生ずる。これはその有用な伸び範囲におけるテキスタイルの使用に取って重要な利点である。この実施例(図2の62)の特徴的な応力-歪み曲線から理解できるように、中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンの破断は、複合ヤーンの弾性部材が破断する前に破断する機能性ヤーンによって引き起こされる。
【0062】
比較実施例3
鞘内の相変化粒子の添加を含む2成分芯-鞘ファイバーは、ダイナモメーターを用い約50mgの予備荷重がかけられてその応力および歪み特性が審査された。このファイバーはINVISTAによって開発されたタイプD22であり、48den 34コンティニュアス フィラメント ヤーンである。このファイバーの応力-歪み曲線70は図3に示される。このファイバーは、そのテスト標本長さの約10%への破断でのかなり低い伸びを伴うかなり高い初期係数を示す。特にこのファイバーがテキスタイル ファブリックおよび衣料品に用いられる場合、利用可能な伸びへの厳しい制限がある。着用者の動きからの伸長を受ける、衣服におけるそのようなファイバーは動きの自由に関して衣服の最高の快適さを制限するのが予期されるだろう。
【0063】
実施例3
LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンから作られた44decitex(dtex)弾性芯は、通例のスパンデックス被覆プロセスを用いて比較実施例3で述べたD22ヤーンで巻き付けられた。被覆はI.C.B.T.マシーン モデルG307上でなされた。このプロセスの間、LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンは3.2倍の値(すなわちN=3.2)に引っ張られ、相変化フィラメント機能性弾性複合ヤーンを生成するために、1つは「S」他方は「Z」方向に撚られた、同じタイプの2つのD22ヤーンで巻き付けられた。D22ヤーンは、第1の被覆では約1500回/メーター(引っ張られたLYCRA(登録商標)スパンデックス
ヤーンのメーター当りのD22ヤーンの回数)(各弛緩された単位長さLにつき約4800回)、また第2の被覆では約1200回/メーター(各弛緩された単位長さLにつき約3840回)で巻き付けられた。図3に示される応力-歪み曲線72は、約50mgの予備荷重がかけられて比較実施例3のように計測された、相変化ファイバー機能性弾性複合ヤーンのためのものである。この相変化ファイバー機能性弾性複合ヤーンはテスト標本長さより大きい約50%への弾性係数を示し、それが破断する前約90%の範囲に伸び、それぞれD22ヤーンより大きい極限強さを示す。このプロセスは、わずか約10%の範囲の破断伸びと約80cNの破断力を示す個々のD22ヤーンに比較して、約90%の範囲の破断伸びと約280cNの範囲の破断力を示す相変化ファイバー機能性弾性複合ヤーンの製造を許す。この実施例の特徴的な応力-歪み曲線72から理解できるように、中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンの破断は、複合ヤーンの弾性部材が破断する前に破断する機能性ヤーンによって引き起こされる。
【0064】
比較実施例4
カーボン ブラック粒子の添加を含むポリアミド ファイバーは、ダイナモメーターを用い約50mgの予備荷重がかけられてその応力および歪み特性が審査された。このファイバーはINVISTAにより登録された商標であるTactel(登録商標)ROYヤーンであり、28den10フィラメント コンティニュアス
フィラメント ヤーンである。このファイバーの応力-歪み曲線80は図4に示される。このファイバーは、約20伸びでのあいまいな降伏点を有し、破断時の伸びがそのテスト標本長さの約70%である比較的高い初期係数を示す。特にこのファイバーがテキスタイル ファブリックおよび衣料品に用いられる場合、利用可能な伸びへの厳しい制限がある。着用者の動きからの伸長を受ける、衣服におけるそのようなファイバーは動きの自由に関して衣服の最高の快適さを制限するのが予期されるだろう。図4における比較のようにカーボン ブラック粒子の添加無しで参照ファイバーの応力-歪み曲線82もまた含む。破断点まで歪みの上昇を伴いその応力の連続的な増加を示す参照ファイバーに比較して、機能性粒子の添加が降伏を課し、ファイバーの極限強さを著しく低減させることがそのような比較から理解され得る。
【0065】
実施例4
LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンから作られた44decitex(dtex)弾性芯は通例のスパンデックス被覆プロセスを用い比較実施例4で述べられたTactel(登録商標)ヤーンで巻き付けられた。被覆はI.C.B.T.マシーン モデルG307上でなされた。このプロセスの間、LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンは3.2倍の値(すなわちN=3.2)に引っ張られ、相変化フィラメント機能性弾性複合ヤーンを生成するために、1つは「S」他方は「Z」方向に撚られた、同じタイプの2つのTactel(登録商標)ヤーンで巻き付けられた。Tactel(登録商標)ヤーンは、第1の被覆では約1500回/メーター(引っ張られたLYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンのメーター当りのD22ヤーンの回数)(各弛緩された単位長さLにつき約4800回)、また第2の被覆では約1200回/メーター(各弛緩された単位長さLにつき約3840回)で巻き付けられた。図4に示される応力-歪み曲線84は、約50mgの予備荷重がかけられて比較実施例4のように計測された、カーボン ブラック ファイバー機能性弾性複合ヤーンのためのものである。この機能性弾性複合ヤーンはテスト標本長さより大きい約160%への特別な伸長ふるまいを示し、それが破断する前約280%の範囲に伸び、それぞれTactel(登録商標)ヤーンより大きい極限強さと参照Tactel(登録商標)ヤーンのみの類似の極限強さを示す。このプロセスは、約70%の破断伸びと約90cNの破断力を示す個々のTactel(登録商標)ヤーンに比較して、約280%の範囲の破断伸びと約140cNの範囲の破断力を示すブラック染め(dyed)ファイバー機能性弾性複合ヤーンの製造を許す。この実施例の特徴的な応力-歪み曲線84から理解できるように、ブラック機能性弾性複合ヤーンの破断は、複合ヤーンの弾性部材が破断する前に破断する機能性ヤーンによって引き起こされる。
【0066】
上記実施例は例証だけの目的のためである。添付の特許請求の範囲内にある多数の他の実施例が技術者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】比較のための実施例1の中空ファイバーおよび実施例1の中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【図2】比較のための実施例2の相変化連続フィラメント ヤーンおよび実施例2の相変化機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【図3】比較のための実施例3の相変化連続フィラメント ヤーンおよび実施例3の相変化機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【図4】比較のための実施例4のカーボン ブラック添加ヤーンおよび実施例4の機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【図5】本発明の弾性複合ヤーンの概略的な描写である。
【図6】機能性被覆フィラメントによる弾性部材の波状の被覆の概略的な描写である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、テキスタイル(textile)利用には不十分である引き伸ばせる特性を持つ機能性フィラメントを含む弾性化されたヤーン(yarn)、それを製造するプロセス、および伸長(stretch)織物(fabric)、衣服、並びにそのようなヤーンを含む他の物品に関する。
【背景技術】
【0002】
機能性特性を持つファイバーはテキスタイル ヤーンにおける使用のために開示されてきた。そのようなファイバーは特定の視覚的に美的な生物学的機能、例えば抗菌作用、熱緩衝効果、例えば該ファイバー構造内への相変化材料の混入によって電気的機能、例えばピエゾ電気、電歪、通電クロミック作用、光学機能、例えば光学ガラス ファイバー、フォトルミネセンス、ルミネセンス、磁気機能、例えば磁歪作用、熱応答機能、例えば形状記憶ポリマーもしくは合金によって、または知覚機能、例えば化学、バイオ、容量性、聴覚作用を獲得する目的のために加えることができる。そのような機能性複合ヤーンは、織物、衣服および着用可能/アパレル物品の中へ作り上げられてきた。
【特許文献1】特許願2004/0209059 A1号
【特許文献2】WO 03/027365
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
機能性フィラメントはテキスタイル製造または使用のために不十分な伸び特性を持ち得る。多くの場合、機能性テキスタイル ヤーンは、機能性フィラメントがヤーンの圧力が加えられた部材であるように要求される場合、機能性フィラメント上またはコンビネーション ヤーン上に単に配置されない。このことは例えば機能性を与えるためにフィラメントへ加えられてきた微粒子の存在による。そのような場合、粒子の追加はファイバー剛性を増加し得、および/または破断強度を減少し得、または降伏強度を減少し得る。あるいは従来のテキスタイル製造プロセスの間、ファイバーがもはやファイバーにかけられる伸び応力に耐えられないように、機能性フィラメントの弾性限界が減少するような方法で機能性を獲得することができる。
【0004】
米国の公開された特許願2004/0209059 A1号は通例のテキスタイル ファイバーおよび抗菌ファイバーを含む機能性複合ヤーンを開示する。この複合機能性ヤーンに使用される通例のテキスタイル ファイバーは、例えばナイロン、ポリエステル、コットン、ウール、およびアクリルのようなテキスタイル ファイバーを含み得る。そのようなテキスタイル ファイバーはほとんどあるいは実質的に何も、本来備わっている弾性を有しない。換言すればこれらの通例のテキスタイル ファイバーは「伸長復元(stretch and recovery)」力を機能性複合ヤーンに与えない。この引例の複合ヤーンは機能性ヤーンであるけれども、それから作られたテキスタイル材料はそこから伸長能力を有するテキスタイル織物および構造を提供することを期待されないだろう。
【0005】
同様にHaggard他へのWO 03/027365はファイバーを含む相変化材料からなる機能性織物を開示する。この引例はポリアミド、ポリエステルおよびそこに開示された混合物から作られ、他の合成(synthetic)ポリマーおよび炭化水素ワックス、オイル、脂肪酸エステル、およびそこに開示された他の相変化材料の組み合わせから作られた芯を含む鞘(sheath)からなる機能性ファイバーを開示する。そのようなヤーンから作られた織物は満足な相変化特性を有し得るが、それらは本来備わっている弾性伸長および復元特性を有することが期待されないだろう。
【0006】
ある他の前進した機能はもちろん伸長および復元の両方も有するヤーン、織物または衣服は強く望まれている。伸長および復元特性、もしくは「弾性」は、印加する力の方向(かけられた伸び応力の方向)に長くなり、そのかけられた伸び応力が弛緩されたときに、実質的に永久的な変形無しでその元の長さおよび形状に実質的に戻るヤーンまたは織物の能力である。テキスタイル技術において、(a)標本の単位面積当りの力または(b)伸長されない標本の単位線密度当りの力に関してテキスタイルの標本(例えばヤーンもしくはフィラメント)にかけられた応力を表すのが普通である。標本の結果として生じる歪み(strain)(伸び(elongation))は、その元の標本の長さの比またはパーセンテージに関して表される。歪み対応力のグラフを用いた描写は、テキスタイル技術においてよく知られた応力-歪み曲線である
ファイバー、ヤーンまたは織物が、かけられた応力によって変形する前のその元の標本の長さに戻る程度は、「弾性復元(elastic recovery)」と呼ばれる。テキスタイル材料の伸長および復元テストにおいて、テスト標本の弾性限界に注目することも重要である。「弾性限界」は標本が永久的変形を示す上記応力負荷である。弾性フィラメントの利用可能な伸び範囲は、まったく永久的変形がない伸張のその範囲である。ヤーンの弾性限界は、変形を引き起こす応力が除かれた後、その元のテスト標本の長さを上回るときに達する。一般に個々のフィラメントおよびマルチフィラメント ヤーンは、かけられた応力の方向に伸びる(歪む)。この伸びは指定された負荷または応力で計測される。加えて、フィラメントまたはヤーン標本の破断時の伸びに注目することが有用である。この破断伸びは、標本がかけられた応力によって歪み、標本のフィラメントまたはマルチフィラメント ヤーンの最後の構成要素が破断するのに対する元の標本の長さの比である。一般に引っ張られた長さは、ヤーンがその弛緩された単位長さから伸長する回数に等しい引っ張り率に関して与えられる。
【0007】
前記のことを考慮して、編まれたもしくは織られた織物(「機能性テキスタイル ヤーン」)を製造するための伝統的なテキスタイル手段を用いて処理し得る、弾性復元特性を有する機能性テキスタイル ヤーンは、捜され続ける。弾性機能性ヤーンから実質的に構成される織物および衣服は、全体の構造に伸長および復元特性を提供し得、例えばどの形状、どの形状のボディあるいは弾性の要求にもよりよく順応させる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、弛緩された単位長さがLであって(N×L)の引っ張られた長さを有する弾性部材を含む機能性弾性複合ヤーンに向けられる。弾性部材自体は弾性 伸長および復元特性を持つ1つもしくはそれ以上のフィラメントを含む。弾性部材は少なくとも1つだが、好ましくは2以上の複数の機能性被覆フィラメントで取り囲まれる。複合ヤーンにかけられる伸び応力の実質的なすべてが弾性部材によって支えられるように、各機能性被覆フィラメントは弾性部材の引っ張られた長さより大きい長さを有する。数Nの値は約1.0から約8.0の範囲、より好ましくは約1.0から約5.0の範囲、最も好ましくは約1.0から約4.0の範囲にある。
【0009】
「機能性被覆フィラメント」という用語は、少なくとも1つの機能を有する1つまたはそれ以上のファイバーを表し、あるいはテキスタイル ファイバーと一般に関連付けられる機械的特性を越えて広がる少なくとも1つの特性を示す。そのような部材と関連付けられる機能または特性は例えば、生物活性、熱応答活性、光伝達、反射、照明、またはルミネセンスのような光学活性、電界または磁界の元での活性、刺激への応答によって1つの形態から他の形態へ転換する能力、感覚、監視もしくは操作利用、および/または上述の他のどの利用または機能をも含み得る。機能性被覆フィラメントはさらに圧電、電歪、強誘電、磁歪、光子または電気クロミック ファイバーを含み得る。
【0010】
機能性被覆フィラメントのそれぞれは種々の形態のどれでも取り得る。機能性被覆フィラメントは、複合ポリメリック ファイバーを含む微粒子の形態を取り得る。あるいは機能性フィラメントは、機能性マルチ成分もしくはマルチコンスティテュエント(multi-constituent)の非弾性合成ポリメリック ファイバーの形態を取り得る。複数の機能性被覆フィラメントを有する複合ヤーンにおいて、種々の形態のどのような組み合わせも共に用い得る。
【0011】
弾性部材のそれぞれ弛緩された(応力無しの)単位長さ(L)につき、少なくとも1から約10,000回の機能性被覆フィラメントが存在するように、弾性部材の回りに各機能性フィラメントが次々と巻かれる。あるいは弾性部材のそれぞれ弛緩された単位長さ(L)につき、機能性被覆フィラメントによる少なくとも1周期の波状の被覆が存在するように、弾性部材の回りに機能性被覆フィラメントが波状に配置され得る。
【0012】
複合ヤーンはさらに弾性部材を取り囲む1つまたはそれ以上の非弾性合成ポリマー ヤーンを含み得る。各非弾性合成ポリマー フィラメント ヤーンは、複合ヤーンにかけられた伸び応力の一部が非弾性合成ポリマー ヤーンによって支えられるように、機能性被覆フィラメントの長さよりも短い総計の長さを有する。好ましくは各非弾性合成ポリマー フィラメント ヤーンの総計の長さは、弾性部材の引っ張られた長さ(N×L)と同じかそれより長い。
【0013】
弾性部材のそれぞれ弛緩された(応力無しの)単位長さ(L)につき、非弾性合成ポリマー ヤーンの少なくとも1から約10,000回が存在するように、1つまたはそれ以上の非弾性合成ポリマー ヤーンを、弾性部材(および機能性被覆フィラメント)の回りに巻くことができる。あるいは弾性部材のそれぞれ弛緩された単位長さ(L)につき、非弾性合成ポリマー ヤーンによる波状被覆の少なくとも1周期が存在するように、非弾性合成ポリマー ヤーンを弾性部材の回りに波状に配置することができる。
【0014】
本発明の複合ヤーンは、機能性被覆フィラメントの破断伸びよりも大きく、弾性部材の弾性限界よりも小さい約10%から約800%の利用可能な伸長範囲と、機能性被覆フィラメントの破断強度よりも大きい破断強度を有する。
【0015】
本発明はまた機能性弾性複合ヤーンを形成する種々の方法に向けられる。
【0016】
第1の方法は、複合ヤーン内に用いられる弾性部材をその引っ張られた長さに引っ張り、引っ張られた長さの弾性部材に実質的に平行にかつ接触して1つまたはそれ以上のそれぞれの機能性被覆フィラメントを置き、そしてその後、弾性部材を弛緩させ、それによって弾性部材と機能性被覆フィラメントをからませるステップを含む。もし機能性弾性複合ヤーンが1つまたはそれ以上の非弾性合成ポリマー ヤーンを含むなら、そのような非弾性合成ポリマー ヤーンは引っ張られた長さの弾性部材に実質的に平行にかつ接触して置かれる。そしてその後、弾性部材は弛緩され、それによって非弾性合成ポリマー ヤーンは弾性部材および機能性被覆フィラメントといっしょにからませられる。
【0017】
他の代替の方法に従って、機能性被覆フィラメントのそれぞれおよび非弾性合成ポリマー ヤーンのそれぞれは(もし同じものが提供されるなら)、引っ張られた弾性部材の回りに撚られ、または他の方法の実施例に従って、引っ張られた弾性部材の回りに巻かれる。その後、各例では弾性部材は弛緩される。
【0018】
しかし、本発明に応じて機能性弾性複合ヤーンを作る他の代替の方法は、エア ジェットを介して弾性部材を送り、エア ジェット内の間、機能性被覆フィラメントのそれぞれおよび非弾性合成ポリマー ヤーンのそれぞれで弾性部材を被覆する(もし同じものが提供されるなら)ステップを含む。その後、弾性部材は弛緩される。
【0019】
本発明の機能性弾性複合ヤーンで実質的に全面的に構成された編まれたまたは織られたファブリックを提供することもまた本発明の範囲にある。そのようなファブリックは着用可能な衣服または他のファブリック物品を作るのに用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図面の簡単な説明
本発明はこの出願の一部をなす添付の図面に関連してなされる次の詳細な説明からより十分に理解されるだろう。
【0021】
図1は比較のための実施例1の中空ファイバーおよび実施例1の中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【0022】
図2は比較のための実施例2の相変化連続フィラメント ヤーンおよび実施例2の相変化機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【0023】
図3は比較のための実施例3の相変化連続フィラメント ヤーンおよび実施例3の相変化機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【0024】
図4は比較のための実施例4のカーボン ブラック添加ヤーンおよび実施例4の機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【0025】
図5は本発明の弾性複合ヤーンの概略的な描写である。
【0026】
図6は機能性被覆フィラメントによる弾性部材の波状の被覆の概略的な描写である。
【0027】
発明の詳細な説明
本発明に従って、低い弾性限界、低い破断靭性、または両方を持つ機能性ファイバーを含む機能性弾性複合ヤーンが作られる。本発明による機能性弾性複合ヤーンは、少なくとも1つの機能性被覆フィラメントにより取り囲まれた弾性部材(または「弾性芯」)を含む。あるいは少なくとも1つの機能性被覆フィラメントは、複合物における上記弾性部材についてまたはそれに基づいて述べられる。弾性部材は、予め決められた弛緩された単位長さがLであって、(N×L)の予め決められた引っ張られた長さを有し、Nは弾性部材にかけられる牽引力を表す、好ましくは約1.0から約8.0の範囲の数である。
【0028】
機能性被覆フィラメントは、複合物が弾性部材および機能性被覆部材からなるとき、複合ヤーンにかけられた伸び応力のすべては、実質的に弾性部材によって支えられるように弾性部材の引っ張られた長さよりも長い長さを有する。換言すれば、機能性被覆部材によって応力の何も支えられず、従ってそのような機能性被覆部材の無欠の状態および機能を保つ。
【0029】
弾性複合ヤーンはさらに、弾性部材および機能性被覆フィラメントの回りにまたはそれらを取り囲む任意の応力支持部材を含む。応力支持部材は好ましくは、1つまたはそれ以上の非弾性合成ポリマー ヤーンから形成される。応力支持部材の長さは、複合ヤーンにかけられた伸び応力の一部が応力支持部材によって支えられるように機能性被覆フィラメントの長さより短い。
【0030】
弾性部材
商標LYCRA(登録商標)の元でINVISTA North America S.ar.l.(Wilmington,Delaware,USA,19880)によって販売されるスパンデックス材料のような、弾性部材は1つまたは複数(すなわち2つまたはそれ以上)の弾性ヤーンのフィラメントを用いて提供されることができる。
【0031】
弾性部材の引っ張られた長さ(N×L)は、弾性部材が伸長され、その弛緩された(応力無し)単位長さLの約5%以内に戻ることができる長さであると定義される。さらに一般的に弾性部材にかけられたドラフト(draft)Nは、弾性部材および被覆を構成するポリマーの化学的および物理的特性および用いられたテキスタイル プロセス次第である。スパンデックス ヤーンから作られた弾性部材のための被覆プロセスにおいて、典型的には約1.0から約8.0、より好ましくは約1.0から約5.0、最も好ましくは約1.0から約4.0のドラフトがある。
【0032】
あるいは合成2成分(bicomponent)マルチフィラメント テキスタイル ヤーンはまた、弾性部材を形成するために使用され得る。合成2成分フィラメント複合ポリマーは、一般的には熱可塑性プラスチックである。より好ましくは合成2成分フィラメントは溶融紡糸され、最も好ましくは複合ポリマーはポリアミドおよびポリエステルからなるグループから選ばれる。
【0033】
ポリアミド2成分マルチフィラメント テキスタイル ヤーンのより好ましいクラスは、自己しぼ(self-crimping)でありまた「自己テクスチャリング(self-texturing)」と呼ばれるナイロン2成分ヤーンを含む。これらの2成分ヤーンは、第1の相対粘度を有するナイロン66ポリマーまたはコポリアミドの成分および第2の相対粘度を有するナイロン66ポリマーまたはコポリアミドの成分を含み、ポリマーまたはコポリアミドの両方は、個々のフィラメントの断面に見られるように並んだ(side-by-side)関係にある。商標TACTEL T-800TM(登録商標)の元でINVISTA North America S.ar.l.によって販売されるヤーンのような自己しぼナイロン ヤーンは、特に有用な2成分弾性ヤーンである。
【0034】
好ましいポリエステル複合ポリマーは、ポリエチレン テレフタレート、ポリトリメチレン テレフタレートおよびポリテトラブチレン テレフタレートを含む。さらに好ましいポリエステル2成分フィラメントは、PETポリマーの成分およびPTTポリマーの成分を含み、フィラメントの両成分は、個々のフィラメントの断面に見られるように並んだ関係にあり得る。この記述に合う特に有利なフィラメント ヤーンは、商標 T-400TM Next Generation Fiber(登録商標)の元でINVISTA North America S.ar.l.によって販売されるヤーンである。これらの2成分ヤーンからの弾性部材のための被覆プロセスは、スパンデックスにおけるよりも少ないドラフトの利用を含む。
【0035】
一般的に、ポリアミドまたはポリエステル2成分マルチフィラメント テキスタイル ヤーンの両方のドラフトは、約1.0から約5.0、最も好ましくは約1.2から約4.0の間である。
【0036】
機能性被覆フィラメント
その最も基礎的な形態においては、機能性被覆フィラメントは1つまたは複数(すなわち、2またはそれ以上)の機能性ファイバーのストランド(strand)からなる。
【0037】
代わりの形態においては、機能性被覆フィラメントは、1つまたはそれ以上の機能性ファイバーをその上に有する合成ポリマー ヤーンからなる。適した合成ポリマー ヤーンは、連続フィラメント ナイロン ヤーン(例えば一般にN66、N6、N610、N612、N7、N9と称される合成ナイロン ポリマー)、連続フィラメント ポリエステル ヤーン(例えば一般にPET、3GT、4GT、2GN、3GN、4GNと称される合成ポリエステル ポリマー)、ステープル ナイロン ヤーン、またはステープル ポリエステル ヤーンの間から選ばれる。そのような複合機能性ヤーンは、撚り合わされ、紡糸され、あるいはテクスチャード ヤーンのような複合ヤーンを製造する従来のヤーン紡糸技術によって形成され得る。
【0038】
どのような形態を選んでも、弾性部材の回りのあるいは取り囲む機能性被覆フィラメントの長さは、弾性部材の弾性限界いにより決定される。従って弾性部材の弛緩された単位長さLの回りのあるいは取り囲む機能性被覆フィラメントは、A(N×L)で与えられる総計の単位長さを有し、Aは1より大きいある実数、Nは約1.0から約8.0の範囲の数である。従って機能性被覆フィラメントは弾性部材の伸ばされた長さより大きい長さを有する。
【0039】
機能性被覆フィラメントの代わりの形態は、合成ポリマー ヤーンを機能性ファイバーの複数回取り巻くことによって作られ得る。
【0040】
任意の応力支持部材
本発明の機能性弾性複合ヤーンの任意の応力支持部材は、非機能性非弾性合成ポリマー ファイバーまたはコットン、ウール、シルクおよびリンネルのような自然のテキスタイル ファイバーから作り得る。これらの合成ポリマー ファイバーは、マルチフィラメント フラット ヤーン、一部オリテンティド ヤーン、テクスチャード ヤーンから選ばれた連続フィラメントまたはステープル ヤーン、ナイロン、ポリエステルまたはフィラメント ヤーン ブレンドから選ばれた2成分ヤーンであり得る。
【0041】
利用する場合、弾性部材の回りのあるいは取り囲む応力支持部材はB(N×L)の総計単位長さを有するように選ばれ、Bは1より大きいある実数である。数A(機能性被覆部材に関して)およびB(任意の応力支持部材に関して)の選択は、機能性被覆フィラメントといかなる応力支持部材の相対的な長さを決定する。例えばA>Bの場合、伝導性被覆フィラメントが圧力を加えられずあるいはその破断伸び近くに著しく伸ばされるということが保証される。さらにそのようなAとBの選択は、応力支持部材が複合ヤーンの強度部材となり、弾性部材の弾性限界で拡張負荷の実質的にすべての伸び応力を支えるだろう。このように応力支持部材は、複合ヤーン上にかけられる伸び応力の一部が応力支持部材によって支えられるように、機能性被覆フィラメントの長さより小さい総計の長さを有する。応力支持部材の長さは、弾性部材の引っ張られた長さ(N×L)より大きいかあるいは等しくあるべきである。
【0042】
応力支持部材は好ましくはナイロンである。ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン7、ナイロン9、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12、ナイロン6および混紡糸並びにそれらのコポリアミドのような、合成ポリアミド成分ポリマーからなるナイロン ヤーンが好ましい。コポリアミドの場合、40モル パーセントに至るまでのポリアジパミドを持つナイロン66を含むものが特に好ましく、ここで脂肪族ジアミン成分が、それぞれの商標DYTEK A(登録商標)およびDYTEK EP(登録商標)の元でINVISTA North America S.a r.l.(Wilmington,Delaware,USA,19880)から利用可能なジアミンのグループから選ばれる。
【0043】
ナイロンから応力支持部材を作ることは、テキスタイル ナイロン ヤーンと伝統的なナイロン被覆スパンデックス ヤーンの従来の染料と着色プロセスを用い、複合ヤーンを染めることができるようにする。
【0044】
もし応力支持部材がポリエステルなら、好ましいポリエステルはポリエチレン テレフタレート(2GT,a.k.a.PET)、ポリトリメチレン テレフタレート(3GT,a.k.a.PTT)あるいはポリテトラブチレン テレフタレート(4GT)のいずれかである。応力支持部材をポリエステル マルチフィラメント ヤーンから作ることはまた、伝統的なテキスタイル プロセスにおける染色および取り扱いを容易にする。
【0045】
機能性被覆フィラメントおよび任意の応力支持部材は実質的に螺旋型にその軸に沿って弾性部材を取り囲み得る。
【0046】
機能性被覆フィラメントおよび応力支持部材の相対量は、実質的にその伸ばされない(すなわち、拡張によって変形されない)長さに伸び戻る弾性部材の能力および機能性被覆フィラメントの電気的特性により選ばれる。この文書で用いられるように「変形されない(undeformed)」は、弾性部材がその弛緩された(応力無しの)単位長さLの約プラスマイナス5%以内に復元することを意味する。
【0047】
機能性フィラメントおよび任意の応力支持部材ヤーンによる弾性フィラメントの一重被覆(single covering)、二重被覆(double covering)、エア ジェット被覆、からませ、撚り合わせ、巻き付けのためのいかなる伝統的なテキスタイル プロセスも、本発明による機能性弾性複合ヤーンを作るのに適する。
【0048】
ほとんどの場合、弾性部材が機能性被覆フィラメントおよび任意の応力支持部材によって取り囲まれまたは被覆される様式は弾性複合ヤーンを得るために重要ではない。この構造のこれらの機能性弾性複合ヤーンの望ましい特性は応力-歪みのふるまいである。例えば印加された伸び力の応力の元で、弾性部材の回りに多重巻き付け(一般的に1回(一重巻き付け)から約10,000回)で配置された複合ヤーンの機能性被覆フィラメントは、外部の応力による歪み無しで自由に伸びることができる。
【0049】
同様にまた弾性部材の回りに複数(再び一般的に1回(一重巻き付け)から約10,000回)巻き付けられて配置された任意の応力支持部材は、著しい歪み無しで自由に伸びることができる。もし複合ヤーンが弾性部材の破断伸び近くまで伸長されるなら、応力支持部材は負荷の一部に耐え、弾性部材および機能性被覆フィラメントを破断から効果的に保護するのに役立つ。「負荷の一部(portion of the load)」はここでは、負荷の約1%から約99%、より好ましくは負荷の約10%から約80%、最も好ましくは負荷の約25%から約50%のいかなる量を意味するために用いられている。
【0050】
図5は機能性被覆フィラメント20で被覆された弾性部材40および応力支持部材50を有する機能性弾性複合ヤーン100を示す。この実施例の機能性弾性複合ヤーン100は撚り合わせにより形成された。
【0051】
弾性部材は選択的に、機能性被覆フィラメントおよび任意の応力支持部材によって波状に巻き付けられ得る。波状の巻き付けは図6に概略的に表され、弾性部材40例えばLYCRA(登録商標)ヤーンは、機能性被覆フィラメント10例えば金属ワイヤーで、巻き付けが波状周期Pによって特徴付けられるやり方で巻き付けられる。
【0052】
本発明の具体的な実施例および手順がいま実施例によって以下のようにさらに記述されるだろう。
【0053】
テスト方法
ファイバーとヤーンの応力-歪み特性の計測
ファイバーとヤーンの応力-歪み特性は破断点への時間的一定割合の伸びでダイナモメーターを使用して決定された。Instron Corp,100 Royall Street,Canton,Massachusetts,02021 USAによって製造されたダイナモメーターが使用された。
【0054】
テスト標本の状態は約22℃プラスマイナス約1℃、相対湿度約60%プラスマイナス約5%であった。テストは5cmのゲージ長さでクロスヘッド速度は約50cm/minでなされた。約20cmの長さの糸がボビンから除かれ、空調された実験室内で少なくとも16時間ビロード板の上で弛緩される。このヤーンの標本は、張力または弛みのいずれかを与えないようにヤーンdtexに対応する予備引っ張り荷重がかけられてジョーズ(jaws)内に置かれる。この方法から得られた結果は、機能性弾性複合ヤーンとその構成要素との間の直接的な比較を可能にする。予備引っ張り荷重がヤーンの利用可能な伸びに影響を及ぼすことが期待される(すなわち、高い予備引っ張り荷重で低い利用可能な伸びが計測される)。予備引っ張り荷重がヤーンの極限強さに影響を及ぼすことが期待されない。
【0055】
ファブリックの伸長の計測
伸長の織られたファブリックの伸長および復元は、一定の速度の引っ張りテストを実行するために万能電気-機械テストおよびデータ獲得システムを用いて決定された。該システムはinstron Corp,100 Royall Street,Canton,Massachusetts,02021 USAからのものが用いられた。
【0056】
2つのファブリック特性(1)ファブリックの伸長および(2)ファブリックの拡張(変形)がこの器械を用いて計測された。実現できるファブリックの伸長は、0から約30ニュートンの間の特定の負荷によって引き起こされる伸びの総計として計測され、また分当り約300mmの割合で伸長されたとき、その元のファブリック標本の長さにおけるパーセンテージ変化として表された。ファブリックの拡張は、約30分間実現できるファブリック伸長の約80%で保持され、その後約60分間弛緩された、ファブリック標本の復元されない長さとして計測された。実現できるファブリック伸長の80%が、ファブリックの伸びの約35%よりも大きかった場合には、このテストは約35%の伸びに制限された。それからファブリックの拡張は元の長さのパーセンテージとして表された。
【0057】
伸長方向における伸長の織られたファブリックの伸びまたは最大伸長は3サイクル テスト手順を用いて決定された。計測された最大伸びは、テスト標本の最大拡張の割合だった。計測された最大伸びは、約30ニュートンの負荷で第3のテスト サイクルにおいて見られた初期の見本長さに対するテスト標本の最大拡張の割合だった。この第3のサイクル値はファブリック標本の手による伸びに相当する。このテストは、この3サイクルテストのために特に準備した上述の万能電気-機械テストおよびデータ獲得システムを用いてなされた。
【実施例】
【0058】
比較実施例1
NE18/1(360dtex)を有するポリエステルを素材とする中空ファイバーが、ダイナモメーターを用い約400mgの予備荷重が印加され、その応力および歪み特性が審査された。このファイバーはThermolite(登録商標)の名がつけられており、最大の保温と保護を実現するINVISTA,inc.の商標として登録されている。このファイバーの応力-歪み曲線は図1の50で示される。このファイバーは比較的高い初期の係数と、比較的高い極限強さによって特徴付けられる、そのテスト標本の約30%より小さい破断時の比較的低い伸びを示す。特にこのファイバーがテキスタイル ファブリックおよび衣料品に用いられる場合、実現できる伸びに厳しい制限がある。着用者の動きからの伸長を受けやすい衣服におけるそのようなファイバーは、動きの自由に関して衣服の最高の快適さを制限するのが予期されるだろう。
【0059】
実施例1
LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンから作られた360decitex(dtex)弾性芯は、通例のスパンデックス被覆プロセスを用いて比較実施例1で述べられたThermolite(登録商標)ヤーンで巻き付けられた。被覆はI.C.B.T.マシーン モデルG307でなされた。このプロセスの間、LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンは5倍の値(すなわちN=5)に引っ張られ、中空フィラメント機能性弾性複合ヤーンを生成するため、1つは「S」他方は「Z」方向に撚られた同じタイプの2つのThermolite(登録商標)ヤーンで巻き付けられた。Thermolite(登録商標)ヤーンは、第1の被覆で約1000回/メーター(引っ張られたLYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンのメーター当りのThermolite(登録商標)ヤーンの回数)(各弛緩された単位長さLにつき約5000回)で、第2の被覆で約800回/メーター(各弛緩された単位長さLにつき約4000回)巻き付けられた。図1に示された応力-歪み曲線52は、約400mgの予備荷重がかけられた比較実施例1において計測された中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンのためのものである。この中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンは、テスト標本長さより大きい約100%を越える特別な伸長ふるまいを示し、それが破断する前に約200%の範囲に伸び、Thermolite(登録商標)ヤーンよりそれぞれ高い極限強さを示す。このプロセスは、約200%の範囲の破断伸びと約590cNの破断力を示す中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンの生成を許す。この実施例の特徴的な応力-歪み曲線52から理解できるように、中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンの破断は、複合ヤーンの弾性部材が破断する前に破断する機能性ヤーンによって引き起こされる。
【0060】
比較実施例2
鞘内に相変化粒子の添加を含む2成分芯-鞘ファイバーは、ダイナモメーターを用い約100mgの予備荷重がかけられてその応力と歪み特性が審査された。このファイバーはINVISTA,Inc.により開発されたタイプD22であり、86den 34コンティニュアス フィラメント ヤーンである。このファイバーの応力-歪み曲線60は図2に示される。このファイバーは、そのテスト標本長さの比較的高い約150%への破断時の伸びがその後に起こる、ほんの約5%で降伏点を有する比較的高い初期係数を示す。特にこのファイバーがテキスタイル ファブリックおよび衣料品に用いられる場合、衣服の有用な快適範囲である、非常に小さい伸び範囲での高い丈夫さによって特徴付けられるテキスタイルの機械的特性への厳しい制限がある。着用者の動きからの伸長を受ける、衣服におけるそのようなファイバーは、動きの自由に関して衣服の最高の快適さを制限するのが予期されるだろう。
【0061】
実施例2
LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンで作られた44decitex(dtex)弾性芯は、通例のスパンデックス被覆プロセスを用いて、比較実施例2で述べられたD22ヤーンで巻き付けられた。被覆はI.C.B.T.マシーン モデルG307上でなされた。このプロセスの間、LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンは3.2倍の値(すなわちN=3.2)に引っ張られ、相変化フィラメント機能性弾性複合ヤーンを生成するために、1つは「S」他方は「Z」方向に撚られた、同じタイプの2つのD22ヤーンで巻き付けられた。D22ヤーンは、第1の被覆では約1500回/メーター(引っ張られたLYCRA(登録商標)スパンデックス
ヤーンのメーター当りのD22ヤーンの回数)(各弛緩された単位長さLにつき約4800回)、また第2の被覆では約1200回/メーター(各弛緩された単位長さLにつき約3840回)で巻き付けられた。図2に示される応力-歪み曲線62は、約100mgの予備荷重がかけられて比較実施例1のように計測された、相変化ファイバー機能性弾性複合ヤーンのためのものである。この相変化ファイバー機能性弾性複合ヤーンはテスト標本長さより大きい約30%への弾性係数を示し、それが破断する前約300%の範囲に伸び、それぞれD22ヤーンより大きい極限強さを示す。このプロセスは、約150%の破断伸びと約70cNの破断力を示す個々のD22ヤーンに比較して、約300%の範囲の破断伸びと約180cNの範囲の破断力を示す相変化ファイバー機能性弾性複合ヤーンの製造を許す(図2参照)。このプロセスはまた、約50%の降伏点、すなわちわずか約5%の伸びで降伏する個々のD22ヤーンより高い範囲を有する機能性複合ヤーンを生ずる。これはその有用な伸び範囲におけるテキスタイルの使用に取って重要な利点である。この実施例(図2の62)の特徴的な応力-歪み曲線から理解できるように、中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンの破断は、複合ヤーンの弾性部材が破断する前に破断する機能性ヤーンによって引き起こされる。
【0062】
比較実施例3
鞘内の相変化粒子の添加を含む2成分芯-鞘ファイバーは、ダイナモメーターを用い約50mgの予備荷重がかけられてその応力および歪み特性が審査された。このファイバーはINVISTAによって開発されたタイプD22であり、48den 34コンティニュアス フィラメント ヤーンである。このファイバーの応力-歪み曲線70は図3に示される。このファイバーは、そのテスト標本長さの約10%への破断でのかなり低い伸びを伴うかなり高い初期係数を示す。特にこのファイバーがテキスタイル ファブリックおよび衣料品に用いられる場合、利用可能な伸びへの厳しい制限がある。着用者の動きからの伸長を受ける、衣服におけるそのようなファイバーは動きの自由に関して衣服の最高の快適さを制限するのが予期されるだろう。
【0063】
実施例3
LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンから作られた44decitex(dtex)弾性芯は、通例のスパンデックス被覆プロセスを用いて比較実施例3で述べたD22ヤーンで巻き付けられた。被覆はI.C.B.T.マシーン モデルG307上でなされた。このプロセスの間、LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンは3.2倍の値(すなわちN=3.2)に引っ張られ、相変化フィラメント機能性弾性複合ヤーンを生成するために、1つは「S」他方は「Z」方向に撚られた、同じタイプの2つのD22ヤーンで巻き付けられた。D22ヤーンは、第1の被覆では約1500回/メーター(引っ張られたLYCRA(登録商標)スパンデックス
ヤーンのメーター当りのD22ヤーンの回数)(各弛緩された単位長さLにつき約4800回)、また第2の被覆では約1200回/メーター(各弛緩された単位長さLにつき約3840回)で巻き付けられた。図3に示される応力-歪み曲線72は、約50mgの予備荷重がかけられて比較実施例3のように計測された、相変化ファイバー機能性弾性複合ヤーンのためのものである。この相変化ファイバー機能性弾性複合ヤーンはテスト標本長さより大きい約50%への弾性係数を示し、それが破断する前約90%の範囲に伸び、それぞれD22ヤーンより大きい極限強さを示す。このプロセスは、わずか約10%の範囲の破断伸びと約80cNの破断力を示す個々のD22ヤーンに比較して、約90%の範囲の破断伸びと約280cNの範囲の破断力を示す相変化ファイバー機能性弾性複合ヤーンの製造を許す。この実施例の特徴的な応力-歪み曲線72から理解できるように、中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンの破断は、複合ヤーンの弾性部材が破断する前に破断する機能性ヤーンによって引き起こされる。
【0064】
比較実施例4
カーボン ブラック粒子の添加を含むポリアミド ファイバーは、ダイナモメーターを用い約50mgの予備荷重がかけられてその応力および歪み特性が審査された。このファイバーはINVISTAにより登録された商標であるTactel(登録商標)ROYヤーンであり、28den10フィラメント コンティニュアス
フィラメント ヤーンである。このファイバーの応力-歪み曲線80は図4に示される。このファイバーは、約20伸びでのあいまいな降伏点を有し、破断時の伸びがそのテスト標本長さの約70%である比較的高い初期係数を示す。特にこのファイバーがテキスタイル ファブリックおよび衣料品に用いられる場合、利用可能な伸びへの厳しい制限がある。着用者の動きからの伸長を受ける、衣服におけるそのようなファイバーは動きの自由に関して衣服の最高の快適さを制限するのが予期されるだろう。図4における比較のようにカーボン ブラック粒子の添加無しで参照ファイバーの応力-歪み曲線82もまた含む。破断点まで歪みの上昇を伴いその応力の連続的な増加を示す参照ファイバーに比較して、機能性粒子の添加が降伏を課し、ファイバーの極限強さを著しく低減させることがそのような比較から理解され得る。
【0065】
実施例4
LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンから作られた44decitex(dtex)弾性芯は通例のスパンデックス被覆プロセスを用い比較実施例4で述べられたTactel(登録商標)ヤーンで巻き付けられた。被覆はI.C.B.T.マシーン モデルG307上でなされた。このプロセスの間、LYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンは3.2倍の値(すなわちN=3.2)に引っ張られ、相変化フィラメント機能性弾性複合ヤーンを生成するために、1つは「S」他方は「Z」方向に撚られた、同じタイプの2つのTactel(登録商標)ヤーンで巻き付けられた。Tactel(登録商標)ヤーンは、第1の被覆では約1500回/メーター(引っ張られたLYCRA(登録商標)スパンデックス ヤーンのメーター当りのD22ヤーンの回数)(各弛緩された単位長さLにつき約4800回)、また第2の被覆では約1200回/メーター(各弛緩された単位長さLにつき約3840回)で巻き付けられた。図4に示される応力-歪み曲線84は、約50mgの予備荷重がかけられて比較実施例4のように計測された、カーボン ブラック ファイバー機能性弾性複合ヤーンのためのものである。この機能性弾性複合ヤーンはテスト標本長さより大きい約160%への特別な伸長ふるまいを示し、それが破断する前約280%の範囲に伸び、それぞれTactel(登録商標)ヤーンより大きい極限強さと参照Tactel(登録商標)ヤーンのみの類似の極限強さを示す。このプロセスは、約70%の破断伸びと約90cNの破断力を示す個々のTactel(登録商標)ヤーンに比較して、約280%の範囲の破断伸びと約140cNの範囲の破断力を示すブラック染め(dyed)ファイバー機能性弾性複合ヤーンの製造を許す。この実施例の特徴的な応力-歪み曲線84から理解できるように、ブラック機能性弾性複合ヤーンの破断は、複合ヤーンの弾性部材が破断する前に破断する機能性ヤーンによって引き起こされる。
【0066】
上記実施例は例証だけの目的のためである。添付の特許請求の範囲内にある多数の他の実施例が技術者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】比較のための実施例1の中空ファイバーおよび実施例1の中空ファイバー機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【図2】比較のための実施例2の相変化連続フィラメント ヤーンおよび実施例2の相変化機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【図3】比較のための実施例3の相変化連続フィラメント ヤーンおよび実施例3の相変化機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【図4】比較のための実施例4のカーボン ブラック添加ヤーンおよび実施例4の機能性弾性複合ヤーンの比較のための応力-歪み曲線を示す。
【図5】本発明の弾性複合ヤーンの概略的な描写である。
【図6】機能性被覆フィラメントによる弾性部材の波状の被覆の概略的な描写である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弛緩された単位長さがLであって、Nが約1.0から約8.0の範囲にある(N×L)の引っ張られた長さを有する少なくとも1つの弾性部材と、
前記弾性部材の回りの少なくとも1つの機能性被覆フィラメントとを含む機能性弾性複合ヤーンであって、
前記機能性被覆フィラメントは前記弾性部材の引っ張られた長さより長い長さを有し、
当該機能性弾性複合ヤーンにかけられた伸び応力の一部が前記弾性部材によって支持される機能性弾性複合ヤーン。
【請求項2】
Nが約1.0から約5.0の範囲にある請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項3】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが、約30%より小さい破断伸びで約4Nより小さい破断強度を有する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項4】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが中空ファイバーからなる請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項5】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが粒子ポリマー複合物からなる請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項6】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが当該機能性弾性複合ヤーンに、生物学的、電気的、光学的、磁気的、熱応答性、センサおよびアクチュエータ特性からなるグループから選ばれた少なくとも1つの特性を加える請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項7】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが約30%より小さい降伏伸びで約4Nより小さい降伏点または降伏強度を有するフィラメントである請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項8】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが鞘-芯構造を有し、鞘はポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、およびアクリル並びにそれらの混合物からなるグループから選ばれた材料からなり、芯が望まれる機能を与える請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項9】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが鞘-芯構造を有し、芯はポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、およびアクリル並びにそれらの混合物からなるグループから選ばれた材料からなり、鞘が望まれる機能を与える請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項10】
少なくとも1つの前記弾性部材が予め決められた弾性限界を有し、
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが予め決められた破断伸びを有し、
前記機能性弾性複合ヤーンが、少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントの破断伸びより大きく、少なくとも1つの前記弾性部材の弾性限界よりも小さいの実現可能な伸び範囲を有する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項11】
少なくとも1つの前記弾性部材が予め決められた弾性限界を有し、
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが予め決められた破断伸びを有し、
前記機能性弾性複合ヤーンが約10%から約800%の伸び範囲を有する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項12】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが予め決められた破断強度を有し、
前記機能性弾性複合ヤーンが少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントの破断強度より大きい破断強度を有する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項13】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが、その上に機能性ファイバーを有する非機能性非弾性合成ポリマー ヤーンからなる請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項14】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが、前記弾性部材の回りに複数回巻き付けられ、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき少なくとも1から約10,000回の前記機能性被覆フィラメントが存在する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項15】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが、前記弾性部材の回りに波状に配置され、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき前記機能性被覆フィラメントによる少なくとも1周期の波状の被覆が存在する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項16】
前記弾性部材の回りにさらに第2の機能性被覆フィラメントを含み、該第2の機能性被覆フィラメントは前記弾性部材の引っ張られた長さと等しいか長い長さを有する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項17】
前記第2の機能性被覆フィラメントは、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、およびアクリル、並びに十分高い微粒子添加からなるグループから選ばれるポリマー マトリクスを含む複合物、または中空ファイバーであり、前記第2の機能性被覆フィラメントの破断強度は、当該機能性弾性複合ヤーンの破断強度より低い請求項16記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項18】
前記第2の機能性被覆フィラメントは、当該機能性弾性複合ヤーンの破断伸びより小さい破断伸びを有する請求項16記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項19】
前記第2の機能性被覆フィラメントは、機能性ファイバーを含む非機能性非弾性合成ポリマー ヤーンからなる請求項17記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項20】
前記第2の機能性被覆フィラメントは、前記弾性部材の回りに複数回巻き付けられ、
前記芯の各弛緩された単位長さにつき少なくとも1から約10,000回の前記第2の機能性被覆フィラメントが存在する請求項16記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項21】
前記第2の機能性被覆フィラメントが、前記弾性部材の回りに波状に配置され、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき前記第2の機能性被覆フィラメントによる少なくとも1周期の波状の被覆が存在する請求項16記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項22】
当該機能性弾性複合ヤーン上に印加された伸び応力の実質的にすべてが前記弾性部材によって支えられる請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項23】
前記弾性部材の回りの応力-支持部材をさらに含み、
前記応力-支持部材は、前記機能性被覆フィラメントの長さより短く、前記弾性部材の引っ張られた長さ(N×L)より長いか同じの総計の長さを有し、
当該機能性弾性複合ヤーン上に印加された伸び応力の一部が前記応力-支持部材によって支えられる請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項24】
当該機能性弾性複合ヤーン上に印加された伸び応力の実質的にすべてが前記応力-支持部材によって支えられる請求項23記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項25】
前記応力-支持部材が非弾性合成ポリマー ヤーンからなる請求項23記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項26】
前記応力-支持部材は、前記弾性部材の回りに複数回巻き付けられ、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき少なくとも1から約10,000回の前記応力-支持部材が存在する請求項23記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項27】
前記応力-支持部材が、前記弾性部材の回りに波状に配置され、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき前記応力-支持部材による少なくとも1周期の波状の被覆が存在する請求項23記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項28】
前記応力-支持部材はさらに、前記弾性部材を取り囲む第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを含み、
前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンは、前記機能性被覆フィラメントの長さより短く、前記弾性部材の引っ張られた(N×L)の長さより長いか同じの総計の長さを有し、
当該機能性弾性複合ヤーン上に印加された伸び応力の一部が前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンによって支えられる請求項25記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項29】
前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンは、前記弾性部材の回りに複数回巻き付けられ、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき少なくとも1から約10,000回の各前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンが存在する請求項28記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項30】
前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンは、前記弾性部材の回りに波状に配置され、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき各前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンによる少なくとも1周期の波状の被覆が存在する請求項28記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項31】
(1)(a)弛緩された長さを有する弾性部材と、
(b)少なくとも1つの機能性被覆フィラメントとを用意し、
(2)前記弾性部材を引っ張り、
(3)引っ張られた長さの前記弾性部材に実質的に平行にかつ接触して前記機能性被覆フィラメントを置き、
(4)前記弾性部材と前記機能性被覆フィラメントがからまるように前記弾性部材を弛緩させることを含む機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項32】
第2の機能性被覆フィラメントを用意し、
引っ張られた長さの前記弾性部材に実質的に平行にかつ接触して前記第2の機能性被覆フィラメントを置き、
前記弾性部材を弛緩させ、前記弾性部材と前記機能性被覆フィラメントで前記第2の機能性被覆フィラメントをからませることをさらに含む請求項31記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項33】
非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
引っ張られた長さの前記弾性部材に実質的に平行にかつ接触して前記非弾性合成ポリマー ヤーンを置き、
前記弾性部材を弛緩させ、前記弾性部材と第1の前記機能性被覆フィラメントで前記非弾性合成ポリマー ヤーンをからませることをさらに含む請求項31記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項34】
第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
引っ張られた長さの前記弾性部材に実質的に平行にかつ接触して前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを置き、
前記弾性部材を弛緩させ、前記弾性部材、前記機能性被覆フィラメントと第1の前記非弾性合成ポリマー ヤーンで前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンをからませることをさらに含む請求項33記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項35】
(1)(a)弛緩された長さを有する弾性部材と、
(b)少なくとも1つの機能性被覆フィラメントとを用意し、
(2)前記弾性部材を引っ張り、
(3)前記機能性被覆フィラメントを引っ張られた前記弾性部材で撚り合わせ、
(4)前記弾性部材を弛緩させることを含む機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項36】
第2の機能性被覆フィラメントを用意し、
前記第2の機能性被覆フィラメントを引っ張られた弾性部材と第1の前記機能性被覆フィラメントで撚り合わせ、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項35記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項37】
非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
前記非弾性合成ポリマー ヤーンを前記弾性部材と前記機能性被覆フィラメントで撚り合わせ、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項36記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項38】
第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを前記弾性部材、前記機能性被覆フィラメント、および第1の前記非弾性合成ポリマー ヤーンで撚り合わせ、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項37記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項39】
(1)(a)弛緩された長さを有する弾性部材と、
(b)少なくとも1つの機能性被覆フィラメントとを用意し、
(2)前記弾性部材を引っ張り、
(3)引っ張られた長さの前記弾性部材の回りに前記機能性被覆フィラメントを巻き付け、
(4)前記弾性部材を弛緩させることを含む機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項40】
第2の機能性被覆フィラメントを用意し、
引っ張られた長さの前記弾性部材と第1の前記機能性被覆フィラメントの回りに前記第2の機能性被覆フィラメントを巻き付け、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項39記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項41】
非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
引っ張られた長さの前記弾性部材と前記機能性被覆フィラメントの回りに前記非弾性合成ポリマー ヤーンを巻き付け、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項39記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項42】
第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
引っ張られた長さの前記弾性部材、前記機能性被覆フィラメント、および第1の前記非弾性合成ポリマー ヤーンの回りに前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを巻き付け、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項41記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項43】
(1)(a)弛緩された長さを有する弾性部材と、
(b)少なくとも1つの機能性被覆フィラメントとを用意し、
(2)前記弾性部材をエア ジェットを介して送り、
(3)エア ジェット内で前記弾性部材を前記機能性被覆フィラメントで被覆し、
(4)前記弾性部材を弛緩させることを含む機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項44】
第2の機能性被覆フィラメントを用意し、
エア ジェット内で前記弾性部材と第1の前記機能性被覆フィラメントを前記第2の機能性被覆フィラメントで被覆し、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項43記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項45】
非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
エア ジェット内で前記弾性部材と前記機能性被覆フィラメントを前記非弾性合成ポリマー ヤーンで被覆し、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項43記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項46】
第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
エア ジェット内で前記弾性部材、前記機能性被覆フィラメント、および第1の前記非弾性合成ポリマー ヤーンを前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンで被覆し、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項45記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項47】
複数の機能性弾性複合ヤーンからなるファブリックであって、前記各機能性弾性複合ヤーンは、
弛緩された単位長さがLであって、Nが約1.0から約8.0の範囲にある(N×L)の引っ張られた長さを有する弾性部材、
前記弾性部材の回りの少なくとも1つの機能性被覆ファイラメントを含み、
前記機能性被覆ファイラメントは前記弾性部材の引っ張られた長さと同じかまたはそれより長い長さを有し、
前記機能性弾性複合ヤーンに印加される伸び応力の実質的にすべてが前記弾性部材によって支えられるファブリック。
【請求項48】
1つまたはそれ以上の前記機能性弾性複合ヤーンがさらに、
前記弾性部材を取り囲む非弾性合成ポリマー ヤーンを含み、
前記非弾性合成ポリマー ヤーンが前記機能性被覆フィラメントの長さより長い総計の長さを有し、
前記機能性弾性複合ヤーンに印加される伸び応力の一部が前記非弾性合成ポリマー ヤーンによって支えられる請求項47記載のファブリック。
【請求項1】
弛緩された単位長さがLであって、Nが約1.0から約8.0の範囲にある(N×L)の引っ張られた長さを有する少なくとも1つの弾性部材と、
前記弾性部材の回りの少なくとも1つの機能性被覆フィラメントとを含む機能性弾性複合ヤーンであって、
前記機能性被覆フィラメントは前記弾性部材の引っ張られた長さより長い長さを有し、
当該機能性弾性複合ヤーンにかけられた伸び応力の一部が前記弾性部材によって支持される機能性弾性複合ヤーン。
【請求項2】
Nが約1.0から約5.0の範囲にある請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項3】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが、約30%より小さい破断伸びで約4Nより小さい破断強度を有する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項4】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが中空ファイバーからなる請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項5】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが粒子ポリマー複合物からなる請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項6】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが当該機能性弾性複合ヤーンに、生物学的、電気的、光学的、磁気的、熱応答性、センサおよびアクチュエータ特性からなるグループから選ばれた少なくとも1つの特性を加える請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項7】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが約30%より小さい降伏伸びで約4Nより小さい降伏点または降伏強度を有するフィラメントである請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項8】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが鞘-芯構造を有し、鞘はポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、およびアクリル並びにそれらの混合物からなるグループから選ばれた材料からなり、芯が望まれる機能を与える請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項9】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが鞘-芯構造を有し、芯はポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、およびアクリル並びにそれらの混合物からなるグループから選ばれた材料からなり、鞘が望まれる機能を与える請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項10】
少なくとも1つの前記弾性部材が予め決められた弾性限界を有し、
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが予め決められた破断伸びを有し、
前記機能性弾性複合ヤーンが、少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントの破断伸びより大きく、少なくとも1つの前記弾性部材の弾性限界よりも小さいの実現可能な伸び範囲を有する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項11】
少なくとも1つの前記弾性部材が予め決められた弾性限界を有し、
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが予め決められた破断伸びを有し、
前記機能性弾性複合ヤーンが約10%から約800%の伸び範囲を有する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項12】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが予め決められた破断強度を有し、
前記機能性弾性複合ヤーンが少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントの破断強度より大きい破断強度を有する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項13】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが、その上に機能性ファイバーを有する非機能性非弾性合成ポリマー ヤーンからなる請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項14】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが、前記弾性部材の回りに複数回巻き付けられ、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき少なくとも1から約10,000回の前記機能性被覆フィラメントが存在する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項15】
少なくとも1つの前記機能性被覆フィラメントが、前記弾性部材の回りに波状に配置され、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき前記機能性被覆フィラメントによる少なくとも1周期の波状の被覆が存在する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項16】
前記弾性部材の回りにさらに第2の機能性被覆フィラメントを含み、該第2の機能性被覆フィラメントは前記弾性部材の引っ張られた長さと等しいか長い長さを有する請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項17】
前記第2の機能性被覆フィラメントは、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、およびアクリル、並びに十分高い微粒子添加からなるグループから選ばれるポリマー マトリクスを含む複合物、または中空ファイバーであり、前記第2の機能性被覆フィラメントの破断強度は、当該機能性弾性複合ヤーンの破断強度より低い請求項16記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項18】
前記第2の機能性被覆フィラメントは、当該機能性弾性複合ヤーンの破断伸びより小さい破断伸びを有する請求項16記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項19】
前記第2の機能性被覆フィラメントは、機能性ファイバーを含む非機能性非弾性合成ポリマー ヤーンからなる請求項17記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項20】
前記第2の機能性被覆フィラメントは、前記弾性部材の回りに複数回巻き付けられ、
前記芯の各弛緩された単位長さにつき少なくとも1から約10,000回の前記第2の機能性被覆フィラメントが存在する請求項16記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項21】
前記第2の機能性被覆フィラメントが、前記弾性部材の回りに波状に配置され、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき前記第2の機能性被覆フィラメントによる少なくとも1周期の波状の被覆が存在する請求項16記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項22】
当該機能性弾性複合ヤーン上に印加された伸び応力の実質的にすべてが前記弾性部材によって支えられる請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項23】
前記弾性部材の回りの応力-支持部材をさらに含み、
前記応力-支持部材は、前記機能性被覆フィラメントの長さより短く、前記弾性部材の引っ張られた長さ(N×L)より長いか同じの総計の長さを有し、
当該機能性弾性複合ヤーン上に印加された伸び応力の一部が前記応力-支持部材によって支えられる請求項1記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項24】
当該機能性弾性複合ヤーン上に印加された伸び応力の実質的にすべてが前記応力-支持部材によって支えられる請求項23記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項25】
前記応力-支持部材が非弾性合成ポリマー ヤーンからなる請求項23記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項26】
前記応力-支持部材は、前記弾性部材の回りに複数回巻き付けられ、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき少なくとも1から約10,000回の前記応力-支持部材が存在する請求項23記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項27】
前記応力-支持部材が、前記弾性部材の回りに波状に配置され、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき前記応力-支持部材による少なくとも1周期の波状の被覆が存在する請求項23記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項28】
前記応力-支持部材はさらに、前記弾性部材を取り囲む第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを含み、
前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンは、前記機能性被覆フィラメントの長さより短く、前記弾性部材の引っ張られた(N×L)の長さより長いか同じの総計の長さを有し、
当該機能性弾性複合ヤーン上に印加された伸び応力の一部が前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンによって支えられる請求項25記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項29】
前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンは、前記弾性部材の回りに複数回巻き付けられ、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき少なくとも1から約10,000回の各前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンが存在する請求項28記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項30】
前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンは、前記弾性部材の回りに波状に配置され、
前記弾性部材の各弛緩された単位長さ(L)につき各前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンによる少なくとも1周期の波状の被覆が存在する請求項28記載の機能性弾性複合ヤーン。
【請求項31】
(1)(a)弛緩された長さを有する弾性部材と、
(b)少なくとも1つの機能性被覆フィラメントとを用意し、
(2)前記弾性部材を引っ張り、
(3)引っ張られた長さの前記弾性部材に実質的に平行にかつ接触して前記機能性被覆フィラメントを置き、
(4)前記弾性部材と前記機能性被覆フィラメントがからまるように前記弾性部材を弛緩させることを含む機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項32】
第2の機能性被覆フィラメントを用意し、
引っ張られた長さの前記弾性部材に実質的に平行にかつ接触して前記第2の機能性被覆フィラメントを置き、
前記弾性部材を弛緩させ、前記弾性部材と前記機能性被覆フィラメントで前記第2の機能性被覆フィラメントをからませることをさらに含む請求項31記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項33】
非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
引っ張られた長さの前記弾性部材に実質的に平行にかつ接触して前記非弾性合成ポリマー ヤーンを置き、
前記弾性部材を弛緩させ、前記弾性部材と第1の前記機能性被覆フィラメントで前記非弾性合成ポリマー ヤーンをからませることをさらに含む請求項31記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項34】
第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
引っ張られた長さの前記弾性部材に実質的に平行にかつ接触して前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを置き、
前記弾性部材を弛緩させ、前記弾性部材、前記機能性被覆フィラメントと第1の前記非弾性合成ポリマー ヤーンで前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンをからませることをさらに含む請求項33記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項35】
(1)(a)弛緩された長さを有する弾性部材と、
(b)少なくとも1つの機能性被覆フィラメントとを用意し、
(2)前記弾性部材を引っ張り、
(3)前記機能性被覆フィラメントを引っ張られた前記弾性部材で撚り合わせ、
(4)前記弾性部材を弛緩させることを含む機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項36】
第2の機能性被覆フィラメントを用意し、
前記第2の機能性被覆フィラメントを引っ張られた弾性部材と第1の前記機能性被覆フィラメントで撚り合わせ、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項35記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項37】
非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
前記非弾性合成ポリマー ヤーンを前記弾性部材と前記機能性被覆フィラメントで撚り合わせ、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項36記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項38】
第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを前記弾性部材、前記機能性被覆フィラメント、および第1の前記非弾性合成ポリマー ヤーンで撚り合わせ、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項37記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項39】
(1)(a)弛緩された長さを有する弾性部材と、
(b)少なくとも1つの機能性被覆フィラメントとを用意し、
(2)前記弾性部材を引っ張り、
(3)引っ張られた長さの前記弾性部材の回りに前記機能性被覆フィラメントを巻き付け、
(4)前記弾性部材を弛緩させることを含む機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項40】
第2の機能性被覆フィラメントを用意し、
引っ張られた長さの前記弾性部材と第1の前記機能性被覆フィラメントの回りに前記第2の機能性被覆フィラメントを巻き付け、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項39記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項41】
非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
引っ張られた長さの前記弾性部材と前記機能性被覆フィラメントの回りに前記非弾性合成ポリマー ヤーンを巻き付け、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項39記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項42】
第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
引っ張られた長さの前記弾性部材、前記機能性被覆フィラメント、および第1の前記非弾性合成ポリマー ヤーンの回りに前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを巻き付け、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項41記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項43】
(1)(a)弛緩された長さを有する弾性部材と、
(b)少なくとも1つの機能性被覆フィラメントとを用意し、
(2)前記弾性部材をエア ジェットを介して送り、
(3)エア ジェット内で前記弾性部材を前記機能性被覆フィラメントで被覆し、
(4)前記弾性部材を弛緩させることを含む機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項44】
第2の機能性被覆フィラメントを用意し、
エア ジェット内で前記弾性部材と第1の前記機能性被覆フィラメントを前記第2の機能性被覆フィラメントで被覆し、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項43記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項45】
非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
エア ジェット内で前記弾性部材と前記機能性被覆フィラメントを前記非弾性合成ポリマー ヤーンで被覆し、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項43記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項46】
第2の非弾性合成ポリマー ヤーンを用意し、
エア ジェット内で前記弾性部材、前記機能性被覆フィラメント、および第1の前記非弾性合成ポリマー ヤーンを前記第2の非弾性合成ポリマー ヤーンで被覆し、
前記弾性部材を弛緩させることをさらに含む請求項45記載の機能性弾性複合ヤーンの形成方法。
【請求項47】
複数の機能性弾性複合ヤーンからなるファブリックであって、前記各機能性弾性複合ヤーンは、
弛緩された単位長さがLであって、Nが約1.0から約8.0の範囲にある(N×L)の引っ張られた長さを有する弾性部材、
前記弾性部材の回りの少なくとも1つの機能性被覆ファイラメントを含み、
前記機能性被覆ファイラメントは前記弾性部材の引っ張られた長さと同じかまたはそれより長い長さを有し、
前記機能性弾性複合ヤーンに印加される伸び応力の実質的にすべてが前記弾性部材によって支えられるファブリック。
【請求項48】
1つまたはそれ以上の前記機能性弾性複合ヤーンがさらに、
前記弾性部材を取り囲む非弾性合成ポリマー ヤーンを含み、
前記非弾性合成ポリマー ヤーンが前記機能性被覆フィラメントの長さより長い総計の長さを有し、
前記機能性弾性複合ヤーンに印加される伸び応力の一部が前記非弾性合成ポリマー ヤーンによって支えられる請求項47記載のファブリック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2008−523255(P2008−523255A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540736(P2007−540736)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【国際出願番号】PCT/IB2005/003338
【国際公開番号】WO2006/051380
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(505470889)テクストロニクス, インク. (17)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【国際出願番号】PCT/IB2005/003338
【国際公開番号】WO2006/051380
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(505470889)テクストロニクス, インク. (17)
【Fターム(参考)】
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