説明

機能性材料を含む調合物

本発明は、特に、連続層と不連続層の双方に機能性材料を含む調合物、その製造方法と光電子素子での使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、調合物、その調製方法と電子または光電子素子調製のための前記調合物の使用に関する。
【0002】
有機もしくは有機発光ダイオード(OLED)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機光電池(OPV)、有機発光電子化学的電池(OLEC)等の有機電子素子は、材料設計に融通がきき、軽量で、大面積の用途に適していることから、過去20年間大いに注意をひいてきた。これらの有機電子素子は、通常、多層構造を含む。ここで、活性有機材料をナノからメソスコピックな規模で基板上に堆積することが重要である。さらに、有機多層構造の形成は、下に在る層に制御されない状態で影響することなく、なされる必要がある。有機電子素子の大量生産のための費用節約技術の開発が、現在使用される技術と比べて、競争力に決定的な役割を果たすであろう。したがって、大量生産のための費用削減は、有機電子素子の商業的成功のための必須の前提条件である。この目標を達成するためには、堆積方法の基礎となる溶液が、解決を提供し得る。しかしながら、特に、低分子を含むならば、現在の技術は、有機電子素子のための多層構造を適切に調製する競争力のある方法を提供していない。これは、既に堆積された層は、別の層がその上に堆積されると、少なくとも部分的に溶解または洗い流されるかもしれないという事実に基づいている。
【0003】
OLEDの場合には、パターン化された発光層の形成は、エレクトロルミネセンス素子の製造において、重要であるが困難な工程である。たとえば、別々の赤、緑および青色パターンのエミッター層の形成が、エレクトロルミネセンス素子のフルカラー表示素子の製造に、典型的に必要とされる。真空蒸発(たとえば、シャドーマスクを使用)が、夫々のパターン化された層を形成する最も普通の技術である。しかしながら、真空蒸発技術は、OLED等の有機材料を含む多層構造の商業的開発を顕著に阻害し得るいくつかの欠点を有する。これらの技術は、必要とする設備の点でむしろ複雑である。特に、大型の表示装置に対しては、パターン化された層を製造するための他の方法が、必要とされる。溶液からの堆積材料に基づく方法が、大規模素子製造との期待される適合性のために、特に、望まれる。
【0004】
可能な技術は、たとえば、インクジェット印刷、浸漬被覆、スピンコーティング、活版印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードコーティングおよびスロット−ダイコーティング等である。インクジェット印刷が、高解像度表示を調製することができることから、特に、好ましい。しかしながら、すべてのこれらの技術は、有機半導体の広範なスペクトルへの適用に悩み、したがって、多層構造を構築する他の方法を見出すことが、きわめて望まれている。これをするためには、二つのアプローチがある。第一のものは、EP0637899A1に開示されたとおりの架橋可能な化合物を使用することであり、ここで、第一のものは、次の層がその上に被覆されるか印刷される前に、熱的か、光(UV)照射により誘起される架橋結合により第一の層を固定する。このアプローチの欠点は、層中に架橋可能な化合物を導入し、有機官能性化合物中に架橋官能基を設計することさえ必要となり、さらに、残留架橋可能基が素子性能を損ない得ることである。第二のアプローチは、いわゆる直交溶媒を使用することであり、すなわち、第1の層は溶液の溶媒中で不溶であり、そこから、第2の層が被覆されるだろう。そうするためには、直交溶媒に可溶性である一対の化合物を有するか、または、直交溶媒の条件を満足する適切な調合物を見つける必要がある。
【0005】
一つのアプローチは、WO 2003/050147 A1に開示されており、ミニエマルジョンから共役ポリマー分散液を調製することであり、ここで、共役ポリマーは、半導性ポリマーナノ球体(SPN)と呼ばれる小球単位の形である。ミニエマルジョンは、溶媒A、溶媒Aに不溶性の化合物の溶液(溶媒B中)と少量の界面活性剤を含む(ここで、溶媒Aは溶媒Bに不混和性である)系をせん断することにより製造される、1〜7000nmの間の特徴的なサイズをもつ液滴の安定なエマルジョンであると理解される。ポリマー粒子は、溶媒Aの蒸発後、このような液滴から得ることができる。WO 2003/050147 A1に開示された分散液中の共役ポリマーの調合物は、多層構造、たとえば、OLEDおよびOPVでの多層構造を構築するために使用することができる。ポリマーの堆積は、先行技術で知られている。
【0006】
しかしながら、低分子を基礎とするOLED(SMOLED)の性能は、多くの場合に、共役ポリマーを基礎とするOLED(PLED)と比べてはるかに良好である。PLEDは、たとえば、不十分な寿命に苦しめられる。他方、SMOLEDは、最近では、色、寿命および駆動電圧に関して優秀な性能を示してきた。実際に、SMOLEDは、携帯電話等の小表示装置市場への市場参入を既に達成した。低い材料活用と限定された素子の大きさをもたらす熱真空堆積の欠点に打ち勝つことを目的として、本発明は、多層構造の形成を容易にするためのミニエマルジョンと分散液中に特に小さい分子の化合物を調合する方法に関する。
【0007】
したがって、これら化合物の化学的構造を変性すること無く、良好な電子および光電子特性の利点を得ることを目的として、低分子系材料を大面積に処方し被覆する方法を見出すことが極めて望まれる。
【0008】
本発明の目的は、先行技術で知られた問題を克服することである。特に、本発明の目的は、エマルジョンと分散液、それらの調製方法および多層構造を有する電子および光電子素子調製のためのそれらの使用を提供することである。
【0009】
驚くべきことに、機能性材料を含むエマルジョンと分散液を生成し得ることが見出された。これらのエマルジョンと分散液は、今後は共通して調合物と呼ぶが、溶液からの単純な堆積技術を使用することにより、層および多層構造を有する素子を調製することを目的として使用することができる。本発明の調合物は、OLED、太陽電池、光電池等の光電子素子製造のために特に重要であり有益である。
【0010】
エマルジョンと分散液との間の一般的区別は、一以上の不連続相の組成物までである。エマルジョンは、以下に定義される機能性材料に加えて、少なくとも一つの溶媒を含む。溶媒が除去されると、分散液が得られる。調合物の不連続相は、エマルジョンと分散液夫々の場合に、ナノ液滴とナノ粒子の形態で存在することができる。
【0011】
本発明は、少なくとも一つの連続相と少なくとも一つの不連続相とを含む調合物に関し、少なくとも一つの連続相は、少なくとも一つの第1の機能性材料を含み、ここで、少なくとも一つの不連続相は、少なくとも一つの第2の機能性材料を含むことを特徴とする調合物に関する。
【0012】
本発明の調合物は、少なくとも一つの溶媒をも含むことができる。
【0013】
用語機能性材料は、好ましくは、有機機能性材料をさす。用語有機機能性材料は、有機伝導体、有機半導体、有機染料、有機蛍光化合物、有機燐光化合物、有機光吸収化合物、有機感光性材料、有機感光剤および他の有機光活性化合物をさす。用語有機機能性材料は、また、遷移金属、希土類、ランタノイドおよびアクチニドの有機金属錯体を包含する。
【0014】
機能性材料および、特に、有機機能性材は、低分子、ポリマー、オリゴマーもしくはデンドリマー、ブレンドもしくはそれらの混合物より成る群から選ばれてもよい。
【0015】
原則として、複数の機能性材料が、本発明の調合物の不連続相と連続相の両方に存在することができる。好ましくは、本発明の連続相は、4、特に、好ましくは、3、および、非常に、特に、好ましくは、2個の機能性材料を含む。本発明の別の、特に、好ましい具体例では、連続相は、1個の機能性材料を含む。
【0016】
好ましくは、本発明の不連続相は、4、特に、好ましくは、3および、非常に、特に、好ましくは、2個の機能性材料を含む。本発明の別の、特に、好ましい具体例では、不連続相は、1個の機能性材料を含む。
【0017】
好ましくは、調合物は、1個の連続相を含む。別の好ましい具体例では、調合物は、1個の連続相と2個の不連続相を含む。
【0018】
好ましい具体例では、本発明は、少なくとも一つの連続相と少なくとも一つの不連続相とを含む調合物であって、少なくとも一つの連続相は、少なくとも一つの第1の機能性材料を含み、ここで、少なくとも一つの不連続相は、少なくとも一つの第2の機能性材料を含み、ここで、第1および第2の機能性材料は、互いに独立して、正孔注入材料(HIM)、正孔輸送材料(HTM)、正孔障壁材料(HBM)、電子注入材料(EIM)、電子輸送材料(ETM)、電子障壁材料(EBM)、励起子障壁材料(ExBM)、ホスト材料、エミッター材料、金属錯体および染料から選ばれる、調合物に関する。
【0019】
特に、好ましい第1および/または第2の機能性材料は、正孔注入材料(HIM)、正孔輸送材料(HTM)、正孔障壁材料(HBM)、電子注入材料(EIM)、電子輸送材料(ETM)、電子障壁材料(EBM)、励起子障壁材料(ExBM)、ホスト材料、エミッター材料および金属錯体から選ばれる。
【0020】
エミッター材料は、好ましくは、本発明の範囲内でどこかで概説される有機エレクトロルミネセンスエミッター材料のクラスから選ばれる。染料は、好ましくは、以下に説明される有機太陽電池、有機光電池および染料感光性太陽電池と組み合わせて使用される化合物から選ばれる。
【0021】
好ましくは、本発明の調合物は、少なくとも一つの界面活性剤を含み、好ましくは、3つの界面活性剤を含み、特に、好ましくは、2つの界面活性剤を含み、非常に、特に、好ましくは、1つの界面活性剤を含む。界面活性剤は、エマルジョンを安定化するために使用することができる。本発明のために適する界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤またはそれらの組み合わせを含む。
【0022】
ここでの使用のために適するアニオン性界面活性剤の非限定的な例は、アルキルおよびアルキルエーテル硫酸塩、硫酸化モノグリセリド、硫酸化オレフィン、アルキルアリール硫酸塩、一級もしくは二級アルカン硫酸塩、アルキルスルホサクシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルグリセリルエーテル硫酸塩、硫酸化メチルエステル、硫酸化脂肪酸、アルキルホスフェート、アシルグルタメート、アシルサルコシネート、アルキルスルホアセテート、アシル化ペプチド、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルラクチレート、アニオン性フッ素界面活性剤、ラウリルグルタミン酸ナトリウムおよびそれらの組み合わせを含む。
【0023】
本発明の使用のために適するアニオン性界面活性剤は、アルキルおよびアルキルエーテル硫酸塩を含む。これらの材料は、夫々、式ROSOMおよびRO(CO)SOMであって、ここで、Rは、約8〜約24個の炭素原子のアルキルもしくはアルケニルであり、xは、1〜10であり、Mは、アンモニウム、ナトリウム、カリウムおよびトリエタノールアミン等の水溶性カチオンである。アルキルエーテル硫酸塩は、典型的には、エチレンオキシドと約8〜約24個の炭素原子を有する一価アルコールとの縮合物として製造される。好ましくは、Rは、アルキルおよびアルキルエーテル硫酸塩中で約10〜約18個の炭素原子を有する。アルコールは、脂肪酸、たとえば、ココナツ油もしくは獣脂由来であることができるか、合成であることができる。ココナツ油由来のラウリルアルコールおよび直鎖アルコールが、ここで、好ましい。このようなアルコールは、約1〜約10、好ましくは、約3〜約5、特に、好ましくは、約3のモル比のエチレンオキシドと反応し、たとえば、アルコールのモルあたり平均3モルのエチレンオキシドを有する得られたモル種の混合物は、硫酸化され、中和される。
【0024】
本発明により使用されてもよいアルキルエーテル硫酸塩の特別な例は、ココナツアルキルトリエチレングリコールエーテル硫酸塩;獣脂アルキルトリエチレングリコールエーテル硫酸塩および獣脂アルキルヘキサオキシエチレン硫酸塩のナトリウムおよびアンモニウム塩である。極めて好ましいアルキルエーテル硫酸塩は、個々の化合物の混合物を含み、ここで、前記混合物は、約10〜約16個の炭素原子の平均アルキル鎖長と約1〜約4モルのエチレンオキシドの平均エトキシ化度を有する。
【0025】
本発明による好ましいアニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル(laureth)硫酸アンモニウム、トリエチルアミンラウリル硫酸塩、トリエチルアミンラウリルエーテル(laureth)硫酸塩、トリエタノールアミンラウリル硫酸塩、トリエタノールアミンラウリルエーテル(laureth)硫酸塩、モノエタノールアミンラウリル硫酸塩、モノエタノールアミンラウリルエーテル(laureth)硫酸塩、ジエタノールアミンラウリル硫酸塩、ジエタノールアミンラウリルエーテル(laureth)硫酸塩、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル(laureth)硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリルエーテル(laureth)硫酸カリウム、ラウリルサルコシネートナトリウム、ラウロイルサルコシネートナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウロイル硫酸カリウム、トリエタノールアミンラウリル硫酸塩、トリエタノールアミンラウリル硫酸塩、モノエタノールアミンココイル硫酸、モノエタノールアミンラウリル硫酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびそれらの組み合わせを含む。
【0026】
特に、好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩、アルキルベンジル硫酸塩、
アルキルスルホン酸塩、アルキルベンジルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩およびアルキル炭酸塩から選ばれ、特に、好ましくは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である。
【0027】
本発明による使用に適する両性界面活性剤は、脂肪族基が、直鎖あるいは分岐鎖であり得る脂肪族二級および三級アミン(ここで、脂肪族置換基の一つが、約8〜約18個の炭素原子を含み、一つはアニオン性水溶性基、たとえば、カルボキシ、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩もしくはホスホン酸塩である)の誘導体として広範に記載されるものを含む。この定義に入る化合物の例は、3-ドデシル-アミノプロピオン酸ナトリウム、3-ドデシル-アミノプロパン硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシネートナトリウム、US2658072の教示によるドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとを反応することにより調製されるもの等のN-アルキルタウリン、US2438091の教示によリ製造されるもの等のN-高級アルキルアスパラギン酸およびUS2528378に記載される製品である。
【0028】
カチオン性界面活性剤も、本発明により使用することができる。好ましいカチオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)および他のアルキルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウムクロライド(CPC)、ポリエトキシ化タローアミン(POEA)、ベンザルコニウムクロライド(BAC)およびベンゼトニウムクロライド(BZT)から選ばれる。
【0029】
本発明による使用のための適切な非イオン性面活性剤は、McCutcheion's Detergents and Emulsifiers, North American edition (1986), Allured Publishing Corp.,および McCutcheion's Functional Materials, North American edition (1992)に記載されるものを含み、参照としてここに組み込まれる。ここで、使用のための適切な非イオン性面活性剤は、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキ化脂肪酸エステル、蔗糖エステル、アミンオキシドおよびそれらの組み合わせを含む。
【0030】
本発明による使用のための適切な非イオン性面活性剤は、アルキレンオキシド基(性質上、水溶性)と性質上、脂肪族もしくはアルキル芳香族であってよい有機疎水性化合物との縮合生成物を含む。非イオン性面活性剤の好ましいクラスは、以下を含む:
1)アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、たとえば、直鎖か分岐鎖形状何れかの約6〜約20個の炭素原子を含むアルキル基を有するアルキルフェノール基とアルキルフェノールのモルあたり約10〜約60モルのエチレンオキシドの量で存在するエチレンオキシドとの縮合生成物;
2)プロピレンオキシドとエチレンジアミン生成物との反応から得られる生成物とエチレンオキシドの縮合に由来する非イオン性面活性剤;
3)直鎖か分岐鎖形状何れかの約8〜約18個の炭素原子を含む脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物、たとえば、ココナツアルコールのモルあたり約10〜約30モルのエチレンオキシドを有するココナツアルコールとエチレンオキシドとの縮合物であり、ココナツアルコール部分は約10〜約14個の炭素原子を有する;
4)長鎖三級アミンオキシド;
5)長鎖三級ホスフィンオキシド;
6)約1〜約3個の炭素原子(通常メチル)の一つの短鎖アルキルもしくはヒドロキシアルキル基とアルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキルを含む一つの疎水性長鎖または、約8〜約20個の炭素原子、0〜約10個のエチレンオキシド部分、0〜約1個のグリセリル部分を含むケトアルキル基を含む長鎖ジアルキルスルホキシド;
7)US4565647に記載されたとおりの、アルキルポリグリコシド等のアルキル多糖(APS)界面活性剤であって、約6〜約30個の炭素原子を有する疎水性基と親水性基としての多糖(たとえば、ポリグリコシド)を有し、随意に、疎水性および親水性部分を結合するポリアルキレンオキシドを有し、ここで、アルキル基(すなわち、疎水性部分)は、飽和あるいは不飽和で、分岐あるいは非分岐および置換あるいは非置換(たとえば、水酸基あるいは環)であり得る、および
8)式R(O)OCHCH(OH)CH(OCHCHOH(ここで、nは、約5〜約200、好ましくは、約20〜約100であり、Rは、約8〜約20個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビルである)のもの等のポリエチレングリコール(PEG)グリセリル脂肪酸エステル。
【0031】
本発明による使用のための適切な双性イオン性界面活性剤は、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウムおよびスルホニウムの化合物の誘導体(脂肪族基は、直鎖あるいは分岐鎖であり得、脂肪族置換基の一つは約8〜約18個の炭素原子を有し、一つは、アニオン性基、たとえば、カルボキシル、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩を含む。)として、広範に記載されるものである。
【0032】
ここで、使用のための適切な双性イオン性界面活性剤は、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミノプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ-カルボキシプロピルベタインおよびラウリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)アルファ-カルボキシエチルベタイン等の高級アルキルベタインを包含するベタインを含む。スルホベタインは、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)スルホプロピルベタイン等により代表されてよく;RCONH(CH基がベタインの窒素原子に付属するアミドベタインとアミドスルホベタインも、本発明に有益である。
【0033】
調合物の不連続相は、通常、ナノ液滴の形で存在する。調合物中のナノ液滴のサイズは、使用される界面活性剤の型と量によって調節可能である。好ましくは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が、本発明の調合物に使用される。
【0034】
界面活性剤の量は、調合物の全重量を基礎として、好ましくは、0.1〜20重量%、
特に、好ましくは、0.2〜10重量%、非常に、特に、好ましくは、0.5〜5重量%である。
【0035】
本発明の調合物は、さらに、少なくとも一つの補助安定剤を含んでもよい。補助安定剤として使用される疎水性化合物は、オストワルド熱成に対して調合物を浸透圧的に安定化する。
【0036】
DE198 52 784に開示されたとおりの適切な補助安定剤(シラン、有機シラン、シロキサンおよび長鎖エステル)が、本発明の調合物に使用されてよい。
【0037】
好ましくは、本発明の調合物は、エマルジョンであり、連続相と不連続相の両者は、少なくとも一つの溶媒を含む。
【0038】
本発明の別の好ましい具体例では、調合物は分散液であり、ここで、少なくとも一つのナノ液滴は、連続相中に分散された固体ナノ粒子である。分散液は、たとえば、本発明の他の場所で概説される不連続相から溶媒を除去することによって得ることができる。
【0039】
好ましくは、連続相は、高い極性をもつ第1の溶媒を含む。特に、好ましくは、第1の溶媒は、水、アルコール、グリコール、エーテルおよびグリコールエーテルから選ばれる。好ましくは、不連続相は、第2の溶媒を含み、第2の溶媒は、第1の溶媒と比べてより低い極性の有機溶媒または少なくとも2個の有機溶媒の混合物を含む。
【0040】
本発明の調合物は、水中油型エマルジョン(通常のエマルジョン)であってよい。
【0041】
さらに好ましい具体例では、連続相は、低い極性の第1の溶媒を含み、不連続相は、第1の溶媒と比べてより高い極性の第2の溶媒を含む。好ましくは、第2の溶媒は、水とアルコールから選ばれ、ここで、第1の溶媒は、有機溶媒または少なくとも2個の有機溶媒の混合物を含む。
【0042】
さらに、本発明の調合物は、油中水型エマルジョン(逆相エマルジョン)であってよい。
【0043】
適切なアルコールは、1)作業温度で液状であり、2)調合物が被覆された後、加熱により除去することができるように、200℃未満の沸点を有し、3)溶媒として水と一緒であるならば、水と混和性で、好ましくは、2g/l超の水での溶解度を有するアルコールである。前記作業温度は、調合物が調製される温度であり、好ましくは、室温である。アルコールに関するより詳細な説明は、有機化学の教科書やハンドブックで見出すことができる。好ましいアルコールは、たとえば、限定されるものではないが、メタノール、エタノール、イソ-プロパノール、n-プロパノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、n-ブタノール、イソ-ブタノール、1-ペンタノール、イソアミルアルコール、2-メチル-1-ブタノール、ネオペンチルアルコール、3-ペンタノール、2-ペンタノール、3メチル-2-ブタノールおよび2-メチル-2-ブタノール等の直鎖あるいは分岐アルキル鎖を有する1〜12個のC原子を有するアルコールである。
【0044】
本発明の好ましい具体例では、調合物中の連続相の濃度は、10〜99重量%、好ましくは、20〜95重量%、特に、好ましくは、40〜95重量%、非常に、特に、好ましくは、50〜95重量%である。
【0045】
別の好ましい具体例では、前記少なくとも二つの有機溶媒の混合物は、2、3、4、5以上の溶媒を含んでよい。
【0046】
適切な有機溶媒は、ケトン、エステル、アミド、硫黄化合物、ニトロ化合物、ハロゲン化炭化水素および炭化水素を含む。芳香族もしくは複素環式芳香族炭化水素と塩素化炭化水素は、好ましい有機溶媒である。
【0047】
特に、好ましい有機溶媒は、たとえば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、モノクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、アニソール、モルホリン、トルエン、クロロホルム、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、1,4-ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラリン、デカリン、インダンおよび/またはそれらの混合物である。
【0048】
好ましい具体例では、前記連続相および/または前記不連続相の何れかが、表面張力を減少させるか、フィルム形成を改善するさらなる添加剤を含む。適切な添加剤は、好ましくは、たとえば、WO2003/019693 A2を参照することができる。
【0049】
本発明による調合物は、たとえば、表面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、接着剤、流動性改善剤、消泡剤、脱気剤、反応性もしくは非反応性であってよい。希釈剤、補助剤、着色剤、染料あるいは顔料、感光剤、安定化剤または抑制剤等の一以上のさらなる成分を追加的に含むことができる。
【0050】
ここで使用される用語低分子は、ポリマー、オリゴマー、デンドリマーまたはブレンドではない分子として定義される。特に、反復構造は、低分子には存在しない。低分子の分子量は、典型的には、小さい数の反復単位を有するポリマー、オリゴマーの範囲以下である。
【0051】
低分子の分子量は、好ましくは、4000g/mol未満、特に、好ましくは、3000g/mol未満、非常に、特に、好ましくは、2000g/mol未満である。
【0052】
本発明のポリマーは、好ましくは、10〜10000、特に、好ましくは、20〜5000、非常に、特に、好ましくは、50〜2000の反復単位を有する。本発明のオリゴマーは、好ましくは、2〜9の反復単位を有する。ポリマーとオリゴマーの分岐指数は、0(分岐の無い直鎖ポリマー)と1(完全に分岐したデンドリマー)の間である。ここで使用される用語デンドリマーは、M. Fischer et al. in Angew. Chem., Int. Ed. 1999, 38, 885により定義される。
【0053】
本発明のポリマーの分子量(MW)は、好ましくは、10000〜2000000g/molの範囲、特に、好ましくは、100000〜1500000g/molの範囲、非常に、特に、好ましくは、200000〜1000000g/molの範囲である。MWの測定は、たとえば、内部標準としてポリスチレンを使用するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を使用することによって当業者に知られた標準的方法により遂行することができる。
【0054】
ブレンドは、少なくとも一つのポリマー状、デンドリマー状、オリゴマー状成分を含む混合物である。
【0055】
本発明のさらに好ましい具体例によれば、第1の機能性材料は、不連続相の溶媒中で不溶性であり、第2の機能性材料は、連続相の溶媒中で不溶性である。本発明の意味内で、材料または成分は、それらの25℃での溶解度が、0.4g/100ml未満、好ましくは、0.1g/100ml未満、特に、好ましくは、0.001g/100ml未満である。
【0056】
本発明の調合物の別の主題は、調合物がエマルジョンであるならば、不連続相は、1〜7000nmの範囲の、好ましくは、1〜3000nmの範囲の、特に、好ましくは、5〜2000nmの範囲の、非常に、特に、好ましくは、5〜1000nmの範囲の平均直径を有するナノ液滴を形成することを特徴とする。
【0057】
ミニエマルジョンは、ナノ液滴の平均直径が、1〜7000nmの範囲、好ましくは、10〜2000nmの範囲、特に、好ましくは、10〜500nmの範囲、非常に、特に、好ましくは、10〜300nmの範囲、さらにより、非常に、特に、好ましくは、20〜100nmの範囲である。ここで使用される用語エマルジョンは、ナノ液滴の平均サイズに応じて、エマルジョンおよびミニエマルジョンの両者を指す。
【0058】
本発明の別の主題では、調合物が分散液であるならば、調合物は、不連続相が、1〜5000nmの範囲の、好ましくは、1〜2000nmの範囲の、特に、好ましくは、5〜500nmの範囲の、非常に、特に、好ましくは、10〜300nmの範囲の、さらにより、非常に、特に、好ましくは、20〜100nmの平均直径を有するナノ液滴を形成することを特徴とする。
【0059】
本発明のさらに別の具体例によれば、調合物が、エマルジョンか分散液のいずれかであるならば、調合物は、不連続相がナノ液滴またはナノ粒子を形成することを特徴とし、75%超の、好ましくは、80%超の、特に、好ましくは、90%超の、非常に、特に、好ましくは、98%超のナノ液滴が、55%以下の、好ましくは、50%以下の、特に、好ましくは、20%以下の、非常に、特に、好ましくは、10%以下の全平均直径のナノ液滴の平均から逸脱する平均直径を有する。
【0060】
ナノ液滴およびナノ粒子エマルジョンならびに分散液のサイズとサイズ分布は、夫々、当業者に知られる標準技術を使用して測定することができる。動的光散乱法を両パラメーターを測定するために使用することができる(Chu, B. Laser Light scattering: Basic Principles and Practice, 2nd Edition. Academic Press (1992))。
【0061】
本発明の有機機能性材料、すなわち、第1および第2の両有機機能性材料は、その分子境界軌道、すなわち、最高占有分子軌道(HOMO)(時々、価電子帯とも呼ばれる)および最低空分子軌道(LUMO)(時々、伝導帯とも呼ばれる)により特徴付けられることが多い。HOMOおよびLUMO準位は、常に、当業者に知られる(たとえば、XPS=X線光電子分光法、UPS=紫外線光電子分光法もしくはCV=シクロボルタンメトリー)により測定され(DFT=(時間依存的)濃度関数理論等の量子化学法)により計算される。当業者は、これらのエネルギー準位の絶対値が、使用される方法に顕著に依存するという事実に気付いている。出願人は、有機半導体のエネルギー準位を測定するための一定の組み合わせ方法を確立した。1セットの半導体(20を超える異なる半導体)のHOMO/LUMO準位は、信頼評価法をもつCVにより測定され、同じ補正関数、たとえば、B3PW91と同じ基本セット、たとえば、6−31 G(d)をもつGaussian 03WのDFTにより計算もされる。計算値は、次いで、測定値により較正される。このような較正因子はさらなる計算のために使用される。計算値と測定値の一致は、非常に良好である。したがって、本発明のエネルギー準位の比較は、妥当な基礎で設定される。エネルギーギャップまたはバンドギャップは、HOMOおよびLUMOエネルギー準位の間の相違により得られる。
【0062】
本発明の調合物は、正孔注入材料(HIM)から選ばれる一以上の有機機能性材料を含んでもよい。HIMは、アノードから有機層またはアノードに注入される正孔(すなわち、正電荷)を促進することができる材料または単位をさす。典型的には、HIMは、アノードの作業関数、すなわち、−5.3eVと同等か、より高いHOMO準位を有する。
【0063】
本発明の調合物は、正孔輸送材料(HTM)から選ばれる一以上の有機機能性材料を含んでもよい。HTMは、正孔注入材料またはアノードから注入される正孔(すなわち、正電荷)を輸送することができる材料または単位であることを特徴とする。HTMは、通常高いHOMOを有し、典型的には、−5.4eVより高く、HIMは、隣接する層に応じて、HTMとしても機能することができる。
【0064】
本発明の調合物は、正孔障壁材料(HBM)から選ばれる一以上の有機機能性材料を含んでもよい。HBMは、多層構造中で発光層または正孔輸送層に隣接して堆積されると、正孔が流出することを妨げる材料をさす。通常、隣接する層中のHTMのHOMO準位と比べてより低いHOMOを有する。正孔障壁層は、OLED中で発光層と電子輸送層との間に挿入されることが多い。
【0065】
本発明の調合物は、電子注入材料(EIM)から選ばれる一以上の有機機能性材料を含んでもよい。EIMは、有機層中でカソードから注入される電子(すなわち、負電荷)を促進することができる材料をさす。次いで、通常は、HIMは、カソードの作業関数、すなわち、−2.6eVと同等か、より低いLUMO準位を有する。
【0066】
本発明の調合物は、電子輸送材料(ETM)から選ばれる一以上の有機機能性材料を含んでもよい。ETMは、EIMまたはカソードから注入される電子(すなわち、負電荷)を輸送することができる材料をさす。通常は、ETMは、低いLUMO、典型的には、−2.7eVより低いLUMOを有する。多くの場合、EIMは、隣接する層に応じて、ETMとしても機能することができる。
【0067】
本発明の調合物は、電子障壁材料(EBM)から選ばれる一以上の有機機能性材料を含んでもよい。EBMは、多層構造中で発光層または電子輸送層に隣接して堆積されると、電子が流出することを妨げる材料をさす。通常、隣接する層中のETMのLUMO準位と比べてより高いLUMOを有する。
【0068】
本発明の調合物は、励起子障壁材料(ExBM)から選ばれる一以上の有機機能性材料を含んでもよい。ExBMは、多層構造中で発光層に隣接して堆積されると、励起子が拡散することを妨げる。ExBMは、発光層または他の隣接層と比べて、より高い三重項準位か一重項準位を有する必要がある。
【0069】
本発明の調合物は、エミッターから選ばれる一以上の有機機能性材料を含んでもよい。用語エミッターは、他の材料からの任意の種類のエネルギー移送による励起エネルギーを受けて、電気的または光学的何れかの励起を生じることにより、放射減衰を起こして発光する材料をさす。二種のエミッター、蛍光および燐光エミッターが存在する。用語蛍光エミッターは、励起一重項状態から基底状態への放射遷移を受ける材料または化合物に関する。ここで使用される、用語燐光エミッターは、遷移金属を含むルミネセンス材料または化合物に関する。これは、典型的には、スピン禁止遷移、たとえば励起三重項状態からの遷移により引き起こされる発光材料を含む。
【0070】
ここで使用される、用語ドーパントは、用語エミッターまたはエミッター材料のためにも使用される。
【0071】
本発明の調合物は、ホスト材料から選ばれる一以上の有機機能性材料を含んでもよい。ホスト材料は、通常、エミッターと組み合わせて使用され、一般的に、エミッター材料と比べてより大きなHOMOおよびLUMO間のエネルギーギャップを有する。さらに、ホスト材料は、電子または正孔輸送材料の何れかとして機能する。ホスト材料は、電子または正孔輸送特性の両方を有する。一重項遷移が、OLEDでのフォトルミネセンスの主な原因である場合には、エミッターの吸収スペクトルとホスト材料のフォトルミネセンススペクトルとの間の最大重複が、極めて望ましい。これは、ホスト材料からエミッターへのエネルギー移送を確保する。
【0072】
ホスト材料は、特に、ホストがOLED中で燐光エミッターと組み合わせて使用されることを意味するのであれば、マトリックスまたはマトリックス材料とも呼ばれる。そして、エミッター単位を含むポリマーに対しては、ポリマー骨格は、ホストと同じ意味を有する。
【0073】
本発明の調合物は、金属錯体から選ばれる一以上の有機機能性材料を含んでもよい。量子力学により、高スピン多重度を有する励起状態から、たとえば、励起三重項状態から基底状態への遷移は、禁止されている。
【0074】
しかしながら、重い原子、たとえば、イリジウム、オスミウム、白金およびユウロピウムの存在は、強いスピン-軌道カップリングを生じ、すなわち、励起一重項および三重項が混合され、三重項が、いくつかの一重項的性質を得、もしも一重項-三重項混合が非放射現象より迅速な放射減衰速度をもたらすならば、ルミネセンスは、効率的であり得る。この種の発光は、Baldo et al.; Nature 395, 151-154 (1998)により最初に報告されたとおり、金属錯体を使用して達成することができる。さらに、金属錯体は、たとえば、B. O'Regan & M. Graetzel, Nature 353, 737 (1991)により報告されたRu錯体のような効率的で広帯域光吸収材料または染料としても機能する。
【0075】
本発明の調合物は、染料から選ばれる一以上の有機機能性材料を含んでもよい。染料は、一般的には、光を吸収し、それゆえに着色した外観を有する無機または有機物質として説明することができる。光吸収材料としての染料の定義は、光としてか、任意の他の種類の変換エネルギーに、光エネルギーを更なる材料へと移転するために光を集める光吸収材料である。
【0076】
さらに、ここのどこかで言及されたHIMに対して、適切なHIMは、フェニレンジアミン誘導体(US3615404)、アリールアミン誘導体(US3567450)、アミノ置換カルコン誘導体(US3526501)、スチレンアントラセン誘導体(JP昭和54 (1979) 110837)、ヒドラゾン誘導体(US3717462)、アシルヒドラゾン、スチルベン誘導体(JP昭和61 (1986) 210363)、シラザン誘導体(US4950950)、ポリシラン化合物(JP平成2 (1990) 204996)、PVKおよび他の電気伝導性巨大分子アニリン系コポリマー(JP平成2 (1990) 282263)、電気伝導性巨大分子チオフェンオリゴマー(JP平成1 (1989) 211399)、PEDOT:PSS(スピンコートポリマー)、プラズマ堆積フルオロカーボンポリマー(US6127004、US6208075、US6208077)、ポルフィリン化合物(JP昭和63 (1988) 2956965、US4720432)、芳香族三級アミンおよびスチリルアミン(US4127412)、ベンジジン型トリフェニルアミン、スチリルアミン型トリフェニルアミンおよびジアミン型トリフェニルアミンである。アリールアミンデンドリマーが、使用されることもでき(JP 平成8 (1996) 193191)、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体またはブタジエン誘導体も適している。
【0077】
好ましくは、HIMは、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニン、ポルフィリンおよびそれらの誘導体を含むモノマー有機化合物から選ばれる。
【0078】
特に好ましいのは、三級芳香族アミン(US2008/0102311 A1)、たとえば、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(3-トリル)ベンジジン(= 4,4’-ビス[N-3-メチルフェニル]-N-フェニルアミノ)ビフェニル(NPD)(US 5061569)、N,N’-ビス(N,N’-ジフェニル-4-アミノフェニル)-N,N-ジフェニル-4,4’-ジアミノ-1,1’-ビフェニル(TPD232)および4,4’,4’’-トリス[3-メチルフェニル)フェニルアミノ]-トリフェニルアミン(MTDATA)(JP平成4 (1992) 308688)またはフタロシアニン誘導体(たとえば、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc)である。
【0079】
特に、好ましいのは、式1(TPD232)、2、3および4の置換されてもよい以下のトリアリールアミン化合物とUS7399537 B2、US2006/0061265 A1、EP1661888 A1とJP08292586に開示されたとおりのさらなる化合物である。正孔注入材料として適するさらなる化合物は、EP0891121 A1およびEP1029909 A1に開示されている。正孔注入層は、一般的に、US2004/0174116に開示されている。
【化1】

【0080】
原則として、当業者に知られる任意のHTMが、本発明による調合物に使用することができる。ここで、さらに、他に言及されるHTMに対して、HTMは、好ましくは、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニン、ポルフィリン、それらのアイソマーおよび誘導体から選ばれる。HTMは、特に、好ましくは、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニンおよびポルフィリンから選ばれる。
【0081】
正孔輸送層のために適する材料は、フェニレンジアミン誘導体(US 3615404)、アリールアミン誘導体(US 3567450)、アミノ置換カルコン誘導体(US 3526501)、スチリルアントラセン誘導体(JP-A-56-46234)、ポリ環状芳香族化合物(EP 1009041)、ポリアリールアルカン誘導体(US 3615402)、フルオレン誘導体(JP-A-54-110837)、ヒドラゾン誘導体(US 3717462)、スチルベン誘導体(JP-A-61-210363)、シラザン誘導体(US 4950950)、ポリシラン(JP-A-2-204996)、アニリンコポリマー(JP-A-2-282263)、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン、PVK、ポリピロール、ポリアニリンおよびさらなるコポリマー、ポルフィリン化合物(JP-A-63-2956965)、芳香族ジメチリデン型化合物、たとえば、CDBP、CBP、mCP等のカルバゾール化合物、芳香族三級アミンおよびスチリルアミン化合物(US 4127412)およびモノマートリアリールアミン(US 3180730)である。なおさらなるトリアリールアミノ基が、分子中に存在してもよい。好ましいものは、たとえば、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル)(NPD)(US 5061569)もしくはMTDATA(JP-A-4-308688)、N,N,N’,N’-テトラ(4-ビフェニル)ジアミノフェニレン(TBDB)、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロヘキサン(TAPC)、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-3-フェニルプロパン(TAPPP)、1,4-ビス[2-[4-[N,N-ジ(p-トリル)アミノ]フェニル]ビニル]ベンゼン(BDTAPVB)、N,N,N’,N’-テトラ-p-トリル-4,4’-ジアミノフェニル(TTB)、TPD、N,N,N’,N’-テトラフェニル-4,4’’’ジアミノ-1,1’,4’,1’’,4’’,1’’’-クオーターフェニルのような少なくとも二個の三級アミン単位を含む芳香族三級アミン(US 4720432およびUS 5061569)、同様に、たとえば、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-N,N-ビス[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ベンゼンアミン)(TCTA)等のカルバゾール単位を含む三級アミンである。同様に好ましいのは、US 2007/0092755A1にしたがうヘキサアザトリフェニレン化合物である。
【0082】
特に、好ましいのは、EP1162193 A1、EP650955 A1、Synth. Metals 1997, 91(1-3), 209、DE19646119 A1、WO2006/122630 A1、EP1860097 A1、EP1834945 A1、JP08053397 A、US6251531 B1およびWO2009/041635に記載されるとおりの、置換されてもよい式5〜10の以下のトリアリールアミン化合物である。
【化2−1】

【化2−2】

【0083】
原則として、当業者に知られる任意のHBMを、本発明による調合物に使用することができる。ここで、さらに、他に言及されるHBMに対して、適切な正孔障壁材料は、たとえば、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(4-フェニルフェノラート)-アルミニウム(III)(BAlQ)等の金属錯体である(US2003/0068528)。ファク-トリス(1-フェニルピラゾラート-N,C2)イリジウム(III)(Ir(ppz))も、この目的のために同様に使用される(US2003/0175553 A1)。たとえば、BCP等のフェナントロリン誘導体または、たとえば、TMPP等のフタルイミドも同様に使用される。
【0084】
さらに適切な正孔障壁材料は、WO00/70655 A2、WO01/41512およびWO01/93642 A1に記載されている。
【0085】
原則として、当業者に知られる任意のEIMを、本発明による調合物に使用することができる。ここで、さらに、他に言及されるEIMに対して、8-ヒドロキシキノリン、ヘテロ環有機化合物、フルオレノン、フルオレニリデンメタン、ペリレンテトラカルボン酸、アントラキノンジメタン、ジフェノキノン、アントロン、アントラキノンジエチレン-ジアミン、そのアイソマーおよび誘導体から選ばれる少なくとも一つの有機化合物を含むEIMが、本発明により使用することができる。
【0086】
たとえば、AlqおよびGaq等の8-ヒドロキシキノリンの金属錯体を、電子注入層のためのEIMとして使用することができる。たとえば、Li、Cs、CaまたはMg等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属により、カソード界面で還元ドーピングすることが、有利である。好ましいものは、Csを含む、たとえば、CsおよびNa、CsおよびK、CsおよびRbまたはCs、NaおよびKを含む組み合わせである。
【0087】
1,10フェナントロリン誘導体、ベンズイミダゾール、チオピランジオキシド、オキサゾール、トリアゾール、イミダゾールまたはオキサジアゾール等のヘテロ環有機化合物が、同様に適している。窒素を含む適切な五員環の例は、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールとUS2008/0102311 A1に記載される化合物である。
【0088】
好ましいEIMは、置換あるいは非置換であってよい式11〜13をもつ化合物から選ばれる。
【化3】

【0089】
フルオレノン、フルオレニリデンメタン、ペリレンテトラカルボン酸、アントラキノンジメタン、ジフェノキノン、アントロン、アントラキノンジエチレンジアミン等の有機化合物も、使用することができ、たとえば、
【化4】

【0090】
である。
【0091】
原則として、当業者に知られる任意のETMを、本発明による調合物に使用することができる。ここで、さらに、他に言及されるETMに対して、適切なETMは、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフィンオキシド、フェナジン、フェナントロリン、トリアリールボラン、それらのアイソマーおよび誘導体から選ばれる。
【0092】
電子輸送層のために適するETMは、8-ヒドロキシキノリン(たとえば、Liq、Alq、Gaq、Mgq、Znq、InqおよびZrq)の金属キレート、Balq、4-アザフェナントレン-5-オル/Be錯体(US5529853 A;たとえば、式16)、ブタジエン誘導体(US4356429)、ヘテロ環光沢剤(US4539507)たとえば、1,3,5-トリス(2-N-フェニルベンズイミダゾリル)ベンゼン(TPBI)(US 5766779、式17)等のベンズアゾール、1,3,5-トリアジン、ピレン、アントラセン、テトラセン、フルオレン、スピロフルオレン、デンドリマー、テトラセン、たとえば、ルブレン誘導体、1,10-フェナントロリン誘導体(JP 2003-115387、JP 2004-311184、JP-2001-267080、WO 2002/043449)、シルアシル-シクロペンタジエン誘導体(EP 1480280、EP 1478032、EP 1469533)、ピリジン誘導体(JP 2004-200162Kodak)、フェナントロリン、たとえば、BCPおよびBphenまた、ビフェニルもしくは他の芳香族基を介して結合した多くのフェナントロリン(US-2007-0252517 A1)またはアントラセンに結合したフェナントロリン(US 2007-0122656 A1、たとえば、式18および19)、1,3,4-オキサジアゾール、たとえば、式20、トリアゾール、たとえば、式21、トリアリールボラン、たとえば、Siをもつもの(たとえば、式48)、ベンズイミダゾール誘導体と他のNヘテロ環化合物(たとえば、US2007/0273272 A1)、シルアシルシクロペンタジエン誘導体、ボラン誘導体、Gaオキシノイド錯体である。
【0093】
好ましいものは、2,9,10-置換アントラセン(1-あるいは2-ナフチルおよび4-あるいは3-ビフェニルを有する)もしくは二個のアントラセン単位を含む分子である(US2008/0193796 A1)。
【化5】

【0094】
好ましいものは、同様に、たとえば、式22〜24の化合物およびUS6878469 B2、US2006/147747 AおよびEP1551206 A1.に記載されたとおりのアントラセン-ベンズイミダゾール誘導体である。
【化6】

【0095】
原則として、当業者に知られる任意のEBMを、本発明による調合物に使用することができる。ここで、さらに、他に言及されるEBMに対して、たとえば、Ir(ppz)(US2003/0175553)等の遷移金属錯体を、電子障壁層のための材料として使用することができる。
【0096】
好ましくは、EBMは、アミン、トリアリールアミンおよびそれらの誘導体からさらに選ばれる。
【0097】
当業者は、本発明の調合物のために適するExBMの選択は、隣接する層のエネルギーギャップに依存することを承知している。適切なExBMは、好ましくは、発光層である隣接層中の機能性材料よりも大きいエネルギーギャップを有する一重項もしくは三重項の何れかであると思われる。ここで、さらに、他に言及されるExBMに対して、たとえば、MTDATAまたは4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(TDATA)等の置換トリアリールアミンを、電子障壁層のための材料として使用することができる。置換トリアリールアミンは、たとえば、US2007/0134514 A1に記載されている。
【0098】
たとえば、TCTA等のN-置換カルバゾール化合物もしくは、たとえば、BCP等のヘテロ環も適している。
【0099】
たとえば、Ir(ppz)もしくはAlq等の金属錯体も、同様にこの目的のために使用することができる。
【0100】
原則として、当業者に知られる任意のホスト材料が、本発明による調合物に使用することができる。使用されるエミッターの種類に応じて、ホスト材料は、二つのカテゴリーに、蛍光エミッターのためのホストと燐光エミッターのためのホストに分けることができ、ここで、後者はマトリックスまたはマトリックス材料と呼ばれることが多い。
【0101】
本発明の調合物は、二以上のホスト材料を含んでもよく、好ましくは、3個のホスト材料を、特に、好ましくは、2個のホスト材料を、非常に、特に、好ましくは、1個のホスト材料を含む。本発明の調合物が、少なくとも二個のホスト材料を含むならば、ホスト材料は、コ-ホストまたはコ-ホスト材料とも呼ばれる。
【0102】
蛍光エミッターのために適する好ましいホスト材料は、アントラセン、ベンズアントラセン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾールおよびそれらの誘導体から選ばれる。
【0103】
蛍光エミッターのための、特に、好ましいホスト材料は、オリゴアリーレン(たとえば、EP 676461に記載されるとおりの2,2’,7,7’-テトラフェニルスピロビフルオレンもしくはジナフチルアントラセン)、特に、たとえば、フェナントレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレン、スピロフルオレン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタルペリレン、デカシクレン、ルブレン等の縮合芳香族基を含むオリゴアリーレン、オリゴアリーレンビニレン(たとえば、4,4’-ビス(2,2-ジフェニルエテニル)-1,1’-ビフェニル(DPVBi)もしくはEP 676461にしたがう4,4’’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)-1,1’-スピロビフェニル(スピロ-DPVBi)、ポリポダル金属錯体(たとえば、WO 2004/081017にしたがう)、特に、8-ヒドロキシキノリンの金属錯体、たとえば、アルミニウム(III)トリス(8-ヒドロキシキノリン)(アルミニウムキノリナート、AlQ)もしくはビス(2-メチル-8-キノリノラート)-4-(フェニルフェノリノラート)アルミニウ、イミダゾールキレート(US 2007/0092753 A1)およびキノリン-金属錯体、アミノキノリン-金属錯体、ベンゾキノリン-金属錯体、正孔伝導化合物(たとえば、WO 2004/058911にしたがう)、電子伝導化合物、特に、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド等(たとえば、WO 2005/084081およびWO 2005/084082にしたがう)、アトロプ異性体(たとえば、WO 2006/048268にしたがう)、ボロン酸誘導体(たとえば、WO 2006/177052にしたがう)またはベンズアントラセン(たとえば、DE102007024850)のクラスから選択される。特に、好ましいホスト材料は、ナフタレンン、アントラセン、ベンゾアントラセンおよび/またはピレンを含むオリゴアリーレンもしくはこれら化合物のアトロプ異性体のクラスから選ばれる。非常に、特に、好ましいホスト材料は、アントラセン、ベンゾアントラセンおよび/またはピレンを含むオリゴアリーレンもしくはこれら化合物のアトロプ異性体のクラスから選ばれる。本発明の目的のためにオリゴアリーレンは、少なくとも三個のアリールもしくはアリーレン基が互いに結合する化合物を意味するものと解される。
【0104】
蛍光エミッターのためのさらに好ましいホスト材料は、特に、式25の化合物から選ばれる。
【化7】

【0105】
ここで、
Ar、Ar、Arは、出現毎に同一であるか異なり、一以上の基により置換されてよい5〜30個の芳香族環原子を含むアリールもしくはヘテロアリール基であり、
pは、1、2または3であり、
Ar、ArおよびAr中のΠ電子の合計は、p=1ならば少なくとも30であり、p=2ならば少なくとも36であり、p=3ならば少なくとも42である。
【0106】
式25のホスト材料において、特に、好ましくは、基Arは、一以上の基Rにより置換されてよいアントラセンであり、基ArおよびArは、9-および10-位で結合する。非常に、特に、好ましいものは、少なくとも一つの基Arおよび/またはArは、夫々が一以上の基Rにより置換されてよい1-あるいは2-ナフチル、2-,3-あるいは9-フェナントレニルもしくは2-,3-,4-,5-,6-あるいは7-ベンズアントラセニリルから選ばれる縮合アリール基である。アントラセン系化合物は、US 2007/0092753 A1およびUS 2007/0252517 A1に記載されており、たとえば、2-(4-メチルフェニル)-9,10-ジ-(2-ナフチル)アントラセン、9-(2-ナフチル)-10-(1,1’-ビフェニル)アントラセンおよび9,10-ビス[4-(2,2-ジフェニルエテニル)フェニル]アントラセン、9,10-ジフェニルアントラセン、9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセンおよび1,4-ビス(9’-エチニルアントラセニル)ベンゼンである。好ましいものは、二個のアントラセン単位を含むホスト材料(US 2008/0193796 A1)、たとえば、10,10’-ビス[1,1’,4’,1’’]ターフェニル-2-イル-9,9’-ビスアントラセニルである。
【0107】
さらに好ましいホスト材料は、アリールアミン、スチリルアミン、フルオレセイン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、シクロペンタジエン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾオキサゾリン、オキサゾン、ピリジン、ピラジン、イミン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンズイミダゾール(US 2007/0092753 A1)、たとえば、2,2’,2’’-(1,3,5-フェニレン)トリス[1-フェニル-1H-ベンズイミダゾール]、アルダジン、スチルベン、スチリルアリーレン誘導体、たとえば、9,10-ビス[4-(2,2-ジフェニルエテニル)フェニル]アントラセンおよびジスチリルアリーレン誘導体(US 5121029)、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ジケトピロロピロール、ポリメチン、メロシアニン、アクリドン、キナアクリドン、桂皮酸エステルおよび蛍光染料である。
【0108】
特に、好ましいものは、アリールアミンおよびスチリルアミン誘導体、たとえば、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-(2-ナフチル)アミノ]ビフェニル)(TNB)である。
【0109】
蛍光エミッターのためのホスト材料としてオリゴアリーレンを有する好ましい化合物は、たとえば、US2003/0027016 A1、US7326371 B2、US2006/043858 A、US7326371 B2、US2003/0027016 A1、WO2007/114358、WO2008/145239、JP3148176 B2、EP1009044、US2004/018383、WO2005/061656 A1、EP0681019B1、WO2004/013073A1、US5077142、WO2007/065678およびUS2007/0205412 A1に記載されるとおりの化合物である。特に、好ましいオリゴアリーレン系化合物は、式26〜32を有する化合物である。
【化8−1】

【化8−2】

【0110】
蛍光エミッターのためのさらなるホスト材料を、スピロビフルオレンおよびその誘導体から選ぶことができ、たとえば、EP0676461に開示されたスピロ-DPVBiおよびUS6562485に開示されたインデノフルオレンである。
【0111】
燐光エミッターのための好ましいホスト材料、すなわち、マトリックス材料は、ケトン、カルバゾール、トリアリールアミン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾールおよびそれらの誘導体から選ばれる。いくつかの好ましい誘導体が、以下でより詳細に説明される。
【0112】
燐光エミッターが、有機発光ダイオード(OLED)でエレクトロルミネセンス化合物として使用されるならば、ホスト材料は、蛍光エミッターのために使用されるホスト材料と比べてむしろ異なる特性を満足しなければならない。燐光エミッターのために使用されるホスト材料は、エミッターの三重項準位と比べてエネルギー的により高い三重項準位を有することが要請される。ホスト材料は、電子または正孔の何れかまたはそれら両者を輸送し得る。さらに、エミッターは、一重項-三重項混合を十分に可能とすることを目的として、大きなスピン-軌道カップリング定数を有することが推定される。
【0113】
好ましいマトリックス材料は、N.N-ビスカルバゾリルビフェニル(CBP)、カルバゾール誘導体(たとえば、WO 2005/039246、US2005/0069729、JP 2004/288381、EP1205527もしくはDE102007002714にしたがう)、アザカルバゾール(たとえば、EP1617710、EP1617711、EP1731584、JP 2005/347160にしたがう)、ケトン(たとえば、WO2004/093207にしたがう)、ホスフィンオキシド、スルホキシドおよびスルホン(たとえば、WO 2005/003253にしたがう)、オリゴフェニレン、芳香族アミン(たとえば、US2005/069729にしたがう)、バイポーラーマトリックス材料(たとえば、WO 2007/137725にしたがう)、シラン(たとえば、WO2005/111172にしたがう)、9,9-ジアリールフルオレン誘導体(たとえば、DE 102008017591にしたがう)、アザボロールもしくはボロン酸エステル(たとえば、WO 2006/117052にしたがう)、トリアゾール誘導体、オキサゾールおよびオキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、フェニレンジアミン誘導体、芳香族三級アミン、スチリルアミン、インドール、アントロン誘導体、フルオレノン誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族ジメチリデン化合物、ポルフィリン化合物、カルボジイミド誘導体、ジフェニルキノン誘導体、フタロシアニン誘導体、たとえば、Alq(US 2007/0134514 A1)等の8-ヒドロキシキノリン誘導体の金属錯体(8-ヒドロキシキノリン誘導体は、トリアリールアミノフェノールリガンドを含んでもよい)、リガンドとして金属フタロシアニン、ベンズオキサゾールもしくはベンズチアゾールをもつ種々の金属錯体-ポリシラン化合物、たとえば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVK)等の正孔伝導ポリマー、アニリンコポリマー、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体およびオリフルオン誘導体である。
【0114】
さらに特に、好ましいマトリックス材料は、DE102009023155.2、EP 0906947B1、EP 0908787B1、EP 906948B1、WO2008/056746A1、WO2007/063754A1、WO2008/146839A1、およびWO2008/149691A1に開示されたとおりのインドロカルバゾールおよびその誘導体(たとえば、式33〜39)を含む化合物から選ばれる。
【化9−1】

【化9−2】

【0115】
好ましいカルバゾール誘導体の例は、1,3-N,N-ジカルバゾールベンゼン(=9,9’-(1,3-フェニレン)ビス-9H-カルバゾール)(mCP)、9,9’-(2,2’-ジメチル[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイル)ビス-9H-カルバゾール(CDBP)、1,3-ビス(N,N’-ジカルバゾール)ベンゼン(=1,3-ビス(カルバゾール-9-イル)ベンゼン)、PVK(ポリビニルカルバゾール)、3,5-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニルおよび式40〜44の化合物である。
【化10−1】

【化10−2】

【0116】
好ましいSiテトラアリール化合物は、たとえば、(US 2004/0209115、US 2004/0209116、US2007/0087219 A1およびUS2007/0087219 A1)式45〜50の化合物である。
【化11】

【0117】
特に、好ましい燐光ドーパントのためのマトリックスは、式51の化合物である(EP652273 B1)。
【化12】

【0118】
さらに、特に、好ましい燐光ドーパントのためのマトリックス材料は、一般式52の化合物から選ばれる(EP1923448A1)。
【化13】

【0119】
ここで、M、Lおよびnは、参照として定義される。好ましくは、Mは、Znであり、Lはキノリンであり、nは2、3または4である。非常に、特に、好ましいのは、[Znq、[Znqおよび[Znqである。
【0120】
好ましいものは、金属オキシノイド錯体から選ばれるコ-ホストであり、リチウムキノリナート(Liq)およびAlqが、特に、好ましい
エミッター化合物は、ホスト化合物と比べてより小さいバンドギャップを有することが要請される。一般的に、より小さいバンドギャップは、共役分子系のΠ電子系を拡張することにより達成することができる。したがって、エミッター化合物は、ホスト分子よりもより拡張された共役Π電子系を有する傾向にある。多くの例が公開されてきており、たとえば、JP2913116BおよびWO2001/021729 A1に開示されたスチリルアミン誘導体およびWO2008/006449およびWO2007/140847に開示されたインデノフルオレン誘導体である。
【0121】
青色蛍光エミッターは、たとえば、9,10-ジ(2-ナフチルアントラセン)等のポリ芳香族化合物および他のアントラセン誘導体、テトラセン、キサンテン、たとえば、2,5,8,11-テトラ-t-ブチルペリレン等のペリレン、フェニレン、たとえば、4,4’-ビス(9-エチル-3-カルバゾビニレン)-1,1’-ビフェニル、フルオレン、アリールピレン(US 2006/0222886)、アリールビニレン(US 5121029、US 5130603)、たとえば、N,N’-ジメチルキナクリドン(DMQA)等のルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドンの誘導体、たとえば、4-(ジシアノエチレン)-6-(4-ジメチルアミノスチリル-2-メチル)-4H-ピラン(DCM)等のジシアノメチレンピラン、チオピラン、ポリメチン、ピリリウムおよびチオピリリウム塩、ペリフランセンおよびインデノペリレン、ビス(アジニル)イミン-ボロン化合物(US 2007/0092753 A1)、ビス(アジニル)メセン化合物およびカルボスチリル化合物等である。
【0122】
さらに好ましい青色蛍光エミッターは、C.H. Chen et al.: “有機エレクトロルミネッセンス材料の最近の開発” Macromol. Symp. 125, (1997) 1-48 および“分子状有機エレクトロルミネッセンス材料および素子の最近の進展” Mat. Sci. and Eng. R, 39 (2002), 143-222に記載されている。
【0123】
本発明の好ましい蛍光ドーパントは、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテルおよびアリールアミンのクラスから選択される。
【0124】
モノスチリルアミンは、1個の置換あるいは非置換スチリル基と、少なくとも1個の、好ましくは、芳香族アミンを含む化合物を意味するものと解される。ジスチリルアミンは、2個の置換あるいは非置換スチリル基と少なくとも1個の、好ましくは、芳香族アミンを含む化合物を意味するものと解される。トリスチリルアミンは、3個の置換あるいは非置換スチリル基と少なくとも1個の、好ましくは、芳香族アミンを含む化合物を意味するものと解される。テトラスチリルアミンは、4個の置換あるいは非置換スチリル基と少なくとも1つの、好ましくは、芳香族アミンを含む化合物を意味するものと解される。スチリル基は、特に好ましくは、スチルベンであり、さらに置換されていてもよい。対応するホスフィンとエーテルはアミンと同様に定義される。本発明の目的のために、アリールアミンもしくは芳香族アミンは、窒素に直接結合した3個の置換あるいは非置換芳香族もしくは複素環式芳香族環構造を含む。これら芳香族もしくは複素環式芳香族環構造の少なくとも1個は、好ましくは、縮合環構造、好ましくは、少なくとも14個の芳香族環原子を有する縮合環構造である。それらの好ましい例は、芳香族アントラセンアミン、芳香族アントラセンジアミン、芳香族ピレンアミン、芳香族ピレンジアミン、芳香族クリセンアミンもしくは芳香族クリセンジアミンである。芳香族アントラセンアミンは、一個のジアリールアミノ基が、アントラセンに直接、好ましくは、9-位で結合する化合物を意味するものと解される。芳香族アントラセンジアミンは、二個のジアリールアミノ基が、アントラセンに直接、好ましくは、9.10-位で結合する化合物を意味するものと解される。芳香族ピレンアミン、ピレンジアミン、クリセンアミンおよびクリセンジアミンは、同様に定義され、ここで、ジアリールアミノ基は、好ましくは、ピレンに、1位もしくは1.6-位で結合する。
【0125】
さらに好ましい蛍光ドーパントは、たとえば、WO 2006/122630にしたがうインデノフルオレンアミンあるいはインデノフルオレンジアミン、たとえば、WO 2008/006449にしたがうベンゾインデノフルオレンアミンあるいはベンゾインデノフルオレンジアミン、および、たとえば、WO 2007/140847にしたがうジベンゾインデノフルオレンアミンあるいはジベンゾインデノフルオレンジアミンから選択される。
【0126】
スチリルアミンのクラスからのドーパントの例は、置換あるいは非置換トリスチルベンアミンまたは、WO 2006/000388、WO 2006/058737、WO 2006/000389、WO 2007/065549およびWO 2007/115610に記載されるドーパントである。ジスチリルベンゼンおよびジスチリルビフェニル誘導体は、US 5121029に記載されている。さらなるスチリルアミンは、US 2007/0122656 A1に見出される。
【0127】
特に、好ましいスチリルアミンドーパントとトリアリールアミンドーパントは、式53〜58の化合物であり、US7250532 B2、DE102005058557 A1、CN1583691 A、JP08053397 A、US6251531 B1、およびUS2006/210830 Aに開示されるとおりである。
【化14−1】

【化14−2】

【0128】
さらに好ましい蛍光ドーパントは、EP1957606 A1およびUS2008/0113101 A1に開示されるトリアリールアミン基から選ばれる。
【0129】
さらに好ましい蛍光ドーパントは、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、フルオレン、ペリフランセン、インデノペリレン、フェナントレン、ペリレン(US 2007/0252517A1)、ピレン、クリセン、デカクリセン、コロネン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、フルオレン、スピロフルオレン、ルブレン、クマリン(US 4769292、US 6020078、US 2007/0252517 A1)、ピラン、オキサゾン、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンズイミダゾール、ピラジン、桂皮酸エステル、ジケトピロロピロール、アクリドンおよびキナクリドン(US 2007/0252517 A1)の誘導体から選択される。
【0130】
アントラセン化合物のうち、特に、好ましいものは、たとえば、9,10-ジフェニルアントラセンおよび9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン等の9,10-置換アントラセンである。1,4-ビス(9’-エチニルアントラセニル)ベンゼンも好ましいドーパントである。
【0131】
燐光エミッターの例は、WO00/70655、WO01/41512、WO02/02714、WO02/15645、EP 1191613、EP 1191612、EP 1191614およびWO 05/033244に示される。一般的に、燐光OLEDのために先行技術にしたがって使用され、また、有機エレクトロルミネッセンス素子分野で当業者に知られるすべての燐光錯体が適切であり、当業者は、進歩性を要することなくさらなる燐光錯体を使用することができる。
【0132】
燐光エミッターは、好ましくは、式M(L)を有する金属錯体であり、ここで、Mは金属原子であり、Lは、出現毎に互いに独立して、一または二以上の位置を介してMに結合または配位する有機リガンドであり、zは、≧1の整数、好ましくは、1、2、3、4、5または6であり、ここで、随意に、これらの基は、一以上の、好ましくは、1、2または3個の位置を介して、好ましくは、リガンドLを介して、ポリマーに結合する。
【0133】
Mは、遷移金属から選ばれ、特に、好ましくは、VIII族の遷移金属もしくはランタノイドもしくはアクチニドから選ばれる金属原子であり、特に、好ましくは、Rh、Os、Ir、Pt、Pd、Au、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Re、Cu、Zn、W、Mo、Pd、Ag、またはRuから選ばれ、非常に、特に、好ましくは、Os、Ir、Ru、Rh、Re、PdまたはPtから選ばれる。Mは、Znであってもよい。
【0134】
好ましいリガンドは、2-フェニルピリジン誘導体、7,8-ベンゾキノリン誘導体、2-(2-チエニル)ピリジン誘導体、2-(1-ナフチル)ピリジン誘導体もしくは2-フェニルキノリン誘導体である。これらすべての化合物は、たとえば、フッ素またはトリフルオロメチル青色置換基により置換されてよい。補助的リガンドは、好ましくは、アセチルアセトンもしくはピコリン酸である。
【0135】
特に、US 2007/0087219 A1に開示されるとおりの式59の四座リガンドを有するPtもしくはPd錯体(ここで、R〜R14とZ〜Zは、参照で定義されるとおりである)、拡張環構造を有するPt-ポルフィリン錯体(US 2009/0061681 A1)およびIr錯体、たとえば、2,3,7,8,12,13,17,18-オクタエチル-21H,23H-ポルフィリン-Pt(II)、テトラフェニル-Pt(II)-テトラベンゾポルフィリン(US 2009/0061681 A1)、シス-ビス(2-フェニルピリジナート-N,C2’)Pt(II)、シス-ビス(2-(2’-チエニル)ピリジナート-N,C3’)Pt(II)、シス-ビス(2-(2’-チエニル)キノリナート-N,C5’)Pt(II)、(2-(4,6-ジフルオロフェニル)ピリジナート-N,C2’)Pt(II)アセチルアセトネートもしくはトリス(2-フェニルピリジナート-N,C2’)Ir(III)(Ir(ppy)、緑色)、ビス(2-フェニルピリジナート-N,C2)Ir(III)アセチルアセトネート(Ir(ppy)2アセチルアセトネート、緑色)、US 2001/0053462 A1、Baldo, Thompson et al. Nature 403, (2000), 750-753)、ビス(1-フェニルイソキノリナート-N,C2’)(2-フェニルピリジナート-N,C2’)イリジウム(III)、ビス(2-フェニルピリジナート-N,C2’)(1-フェニルイソキノリナート-N,C2’)イリジウム(III)、ビス(2-(2’-ベンゾチエニル)ピリジナート-N,C3’)イリジウム(III)アセチルアセトネート、ビス(2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナート-N,C2’)イリジウム(III)ピコリナート(FIrpic、青色)、ビス(2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナート-N,C2’)Ir(III)テトラキス(1-ピラゾリル)ボレート、トリス(2-(ビフェニル-3-イル)-4-tert-ブチルピリジン)イリジウム(III)、(ppz)Ir(5phdpym)(US 2009/0061681 A1)、(45ooppz)Ir(5phdpym)(US 2009/0061681 A1)、2-フェニルピリジン-Ir錯体、たとえば、イリジウム(III)ビス(2-フェニルキノリル-N,C2’)アセチルアセトネート(PQIr)、トリス(2-フェニルイソキノリナート-N,C)Ir(III)(赤色)、ビス(2-(2’-ベンゾ[4,5-a]チエニル)ピリジナート-N,C3)Irアセチルアセトネート([BtpIr(acac)]、赤色、Adachi et al. Appl. Phys. Lett. 78 (2001),1622-1624)も適している。
【化15】

【0136】
また適切なのは、たとえば、Tb3+およびEu3+(Kido et al. Appl. Phys. Lett. 65 (1994), 2124, Kido et al. Chem. Lett. 657, 1990、US2007/0252517 A1)等の三価のランタニド錯体、マレオニトリルジチオレートをもつPt(II)、Ir(I)、Rh(I)燐光錯体(Johnson et al., JACS 105, 1983, 1795)、Re(I)トリカルボニルジイミン錯体(Wrighton, JACS 96, 1974, 998 inter alia)、シアノリガンドとビピリジルもしくはフェナントロリンリガンドをもつOs(II)錯体(Ma et al., Synth. Metals 94, 1998, 245)またはホストのないAlqである。
【0137】
三座リガンドを有するさらなる燐光エミッターは、US 6824895およびUS 707292766に記載されている。赤色発光燐光錯体は、US 6835469およびUS 6830828に言及される。
【0138】
特に、好ましい燐光ドーパントは、式60の化合物と、たとえば、US 2001/0053462 A1に記載されるさらなる化合物である。
【0139】
特に、好ましい燐光ドーパントは、式61の化合物と、たとえば、WO2007/095118 A1に記載されるさらなる化合物である。
【化16】

【0140】
さらなる誘導体は、US 7378162 B2、US 6835469 B2およびJP 2003/253145Aに記載されている。
【0141】
どこかで言及される金属錯体に加えて、本発明の適切な金属錯体は、遷移金属、希土類元素、ランタニドおよびアクチニドから選ばれることができ、本発明の主題でもある。好ましい金属は、Ir、Ru、Os、Eu、Au、Pt、Cu、Zn、Mo、W、Rh、PdまたはAgから選ばれる。
【0142】
どこかで言及される染料に加えて、本発明による染料は、ペリレン、ルテニウム染料、フタロシアニン、アゾ染料、ペリレンジミド、ポルフィリン、スクアレンそのアイソマーおよび誘導体から選ばれる。
【0143】
好ましくは、染料は、ペリレン、ルテニウム染料、フタロシアニン、アゾ染料、ペリレンジミド、ポルフィリンおよびスクアレンから選ばれる。また好ましいのは、Yu Bai et. al., in Nature Materials, Vol7, 626 (2008)およびB. O’Regan et. al., in Nature 353, 737 (1991)に開示されたルテニウム錯体とBessho et al, in Chem. Commun. 3717 (2008)に開示されたCu系錯体から選ばれる。
【0144】
さらなる染料は、アクリジン、アントラキノン、アリールメタン、ジアリールメタン、トリアリールメタン、アゾ系染料、サイアニン、ジアゾニウム系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、キノン-イミン、アジン系染料、ユウロジン、サフラニン、インジュリン、インダミン、インドフェノール、オキサジン、オキサゾン、チアジン、チアゾール、キサンテン、フルオレン、ピロニン、フルオロンおよびローダミンから選ばれる。
【0145】
本発明の染料に加えて、電荷生成材料も染料として同じ機能をも有することができる。。それらは、たとえば、電子写真素子に使用される。したがって、Paul M.Borsenberger; and David S.Weiss in Organic Photorecptors for Xerography; Marcel Dekker, Inc., 1998, Chapter 6,およびK. Y. Law, Chem. Rev. Vol93, 449-486 (1993)により要約されるとおりの電荷生成材料も、ここでも適切な染料とみなされもする。
【0146】
さらに適切な染料は、縮合環構造、たとえば、アントラセン、ナフタレン、ペンタセンおよびテトラセン誘導体を含む有機化合物から選ばれる。
【0147】
本発明の調合物は、低分子、ポリマー、オリゴマー、デンドリマーおよびブレンドから選ばれる機能性材料、すなわち、第1および/または第2の機能性材料を含んでもよい。機能性ポリマーは、異なる機能が、一つの大分子または大分子のブレンドに組み込まれてもよいことを特徴とする。機能は、特に、正孔注入材料、正孔輸送材料、電子障壁材料、発光材料、正孔障壁材料、電子注入材料、電子輸送材料および染料である。ポリマーに組み込まれる機能は、異なるグループにカテゴライズすることができる。所望の機能性基とそれらの間の比を選択することにより、ポリマーは、所望の機能を有するように調整することができる。
【0148】
ポリマー、オリゴマーおよびデンドリマー間の相違は、上記に定義されるとおりの分子全体のサイズ、サイズ分布および分岐度に基づいている。
【0149】
異なる構造は、とりわけ、WO 2002/077060 A1およびDE10337346 A1に開示され、広範に挙げられるものである。構造単位は、たとえば、以下の群から生じ得る:
群1:ポリマーの正孔注入および/または輸送特性を増加する単位;上記記載のとおりのHIMまたはHTMに対応する。
【0150】
群2:ポリマーの電子注入および/または輸送特性を増加する単位;上記記載のとおりのEIMまたはETMに対応する。
【0151】
群3:群1と群2からの単位の組み合わせを有する単位。
【0152】
群4:電子燐光が電子蛍光に代わって得られうる範囲で発光特性を変える単位;典型的には、燐光エミッター、より好ましくは、上記記載のとおりの発光金属錯体に対応する。
【0153】
群5:いわゆる一重項状態からより高いスピン状態、たとえば、三重項状態への遷移を改善する単位。
【0154】
群6:得られるポリマーのモルホロジーおよび/または発光色に影響する単位。
【0155】
群7:典型的には、骨格として使用され、電子輸送機能、正孔輸送機能または両者を有し得る単位。
【0156】
群8:UVから赤外への少なくとも一つの波長に強い吸収を有する単位。上記記載のとおりの染料に対応する。
【0157】
好ましくは、前記さらなる有機機能性材料は、群1の単位を含む正孔輸送もしくは注入ポリマーであり、好ましくは、上記記載のとおりの低分子量HTMまたはHIMを含む単位から選ばれる。
【0158】
群1からのさらに好ましい単位は、たとえば、トリアリールアミン、ベンジジン、テトラアリール-パラ-フェニレンジアミン、カルバゾール、アズレン、チオフェン、ピロールおよびフラン誘導体と高HOMOを有する更なるO、SもしくはN含有へテロ環である。これらのアリールアミンおよびへテロ環は、ポリマー中で、好ましくは、5.8eVを超える(真空準位に対して)、特に、好ましくは、5.5eVを超えるHOMOを生じる。
【0159】
好ましいポリマーHTMまたはHIMは、少なくとも一つの以下の式62の反復単位を含むポリマーである。
【化17】

【0160】
式中、
Arは、同一であるか異なってよく、異なる反復単位中で独立して、単結合または随意に置換された単核もしくは多核アリール基であり、
Arは、同一であるか異なってよく、異なる反復単位中で独立して、単結合または随意に置換された単核もしくは多核アリール基であり、
Arは、同一であるか異なってよく、異なる反復単位中で独立して、単結合または随意に置換された単核もしくは多核アリール基であり、
mは、1、2または3である。
【0161】
式62の特に、好ましい単位は、式63〜65から成る基から選ばれ、
【化18−1】

【化18−2】

【0162】
式中、
Rは、出現毎に同一であるか異なり、H、置換あるいは非置換芳香族もしくは複素環式芳香族基、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アラルキル、アリールチオ、アルコキシカルボニル、シリル、カルボキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基またはヒドロキシ基から選ばれ、
rは、1、2、3または4であり、
sは、0、1、2、3、4または5である。
【0163】
さらに好ましいポリマーHTMまたはHIMは、少なくとも一つの以下の式66の反復単位を含むポリマーである。
【化19】

【0164】
式中、
およびTは、互いに独立して、チオフェン、セレノフェン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、ピロール、アニリンであり、すべて、随意にRで置換され、
は、出現毎に互いに独立して、ハロゲン、-CN、-NC、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、C(=O)NR00、-C(=O)X、-C(=O)R、-NH、-NR00、SH、SR、-SOH、-SO、-OH、-NO、-CF、-SF、随意に置換されたシリルもしくは随意に一以上のヘテロ原子を含む随意に置換された1〜40個のC原子を含むカルビルもしくはヒドロカルビルであり、
ArおよびArは、互いに独立して、単核もしくは多核アリールまたはヘテロアリールであり、随意に置換され、随意に、隣接するチオフェンもしくはセレノフェン基の一方あるいは両方に2,3-位で縮合しており、
cとeは、互いに独立して、0、1、2、3または4であり、1<c+e≦6であり、
dとfは、互いに独立して、0、1、2、3または4である。
【0165】
ポリマーHTMの例は、WO2007131582 A1およびWO2008/009343A1に開示されるとおりである。
【0166】
好ましくは、前記有機機能性材料は、群2を含む電子輸送もしくは注入ポリマーであって、好ましくは、上記記載のとおりの低分子量ETMまたはEIMを含む群から選ばれる。
【0167】
電子注入および/または電子輸送特性を有する群2からのさらに好ましい単位は、たとえば、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリンおよびフェナジン誘導体のみならずトリアリールボランならびに低LUMOを有する更なるO、SもしくはN含有へテロ環である。ポリマー中でこれらの単位は、2.7eV(真空準位に対して)未満、好ましくは、2.8eV未満のLUMOを生じる。
【0168】
好ましくは、前記有機機能性材料は、正孔移動性と電子移動性を増加する構造(群1と群2からの単位)が、互いに直接結合した群3からの単位を含むポリマーである。これらの単位のいくつかは、エミッターとして機能し、発光色を、緑色、黄色、オレンジ色あるいは赤色にシフトする。したがって、それらの使用は、たとえば、他の発光色または元々は青色の発光ポリマーからの広帯域発光の製造のために適している。
【0169】
好ましくは、前記有機機能性材料は、群4からの単位を含むポリマーであり、好ましくは、燐光エミッター、特に、上記記載のとおりの発光金属錯体を含む群から選ばれる。ここで、特に、好ましいのは、8乃至10属(Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt)からの元素を含む対応する構造単位である。
【0170】
好ましくは、前記有機機能性材料は、群5の単位を含むポリマー三重項マトリックスであり、一重項状態から三重項状態への遷移を改善するものであり、群4からの構造要素のサポートに使用され、これら構造要素の燐光特性を改善する。この目的のために適するものは、特に、カルバゾールおよび架橋カルバゾール2量体単位であり、たとえば、DE10304819 A1およびDE10328627 A1に記載されている。また、この目的のために適するものは、DE10349033 A1に記載されているとおりのケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、スルホン、シラン誘導体および類似化合物である。さらに好ましい構造単位は、上記記載のとおりの低分子量燐光マトリックスを含む群から選ばれることができる。
【0171】
好ましくは、前記有機機能性材料は、群6の単位を含むポリマーであり、ポリマーのモルホロジーおよび/または発光色に影響し、それに加えて、上記言及した群に入らない少なくとも一つのさらなる芳香族もしくは別の共役構造を有し、すなわち、電荷担持移動性にほんの少ししか影響せず、有機金属錯体ではないか、一重項-三重項遷移に影響しない。この型の構造要素は、得られるポリマーのモルホロジーおよび/または発光色に影響してもよい。したがって、それらは、単位に応じて、エミッターとして使用することもできる。ここで、好ましいのは、蛍光OLEDの場合には、6〜40個のC原子を有する芳香族構造、トラン、スチルベンもしくはビススチリルアリーレン誘導体であり、夫々は、一以上のR1により置換されてもよい。ここで、特に、好ましいのは、1,4-フェニレン、1,4-ナフチレン、1,4-あるいは9,10-アントリレン、1,6-,2,7-あるいは4,9-ピレニレン、3,9-あるいは3,10ペリレニレン、4,4'-ビフェニリレン、4,4''-ターフェニリレン、4,4'ビ1,1'-ナフチリレン、4,4‘-トラニレン、4,4'-スチルベニレンまたは4,4''-ビスチリルアリーレン誘導体である。
【0172】
好ましくは、前記有機機能性材料は、群7の単位を含むポリマーであり、6〜40個のC原子を有する芳香族構造を含み、典型的には、ポリマーの骨格として使用される。これらは、たとえば、4,5-ジヒドロピレン誘導体、4,5,9,10-テトラヒドロピレン誘導体、たとえば、US5962631、WO2006/052457A2およびWO2006/118345A1に記載されたフルオレン誘導体、たとえば、WO2003/020790 A1に記載された9,9’-スピロビフルオレン誘導体、たとえば、WO2005/104264 A1に記載された9,10-フェナントレン誘導体、たとえば、WO2005/014689 A2に記載された9,10-ジヒドロフェナントレン誘導体、たとえば、WO2004041901 A1、WO2004113412 A2に記載された5,7-ジヒドロジベンゾオキセピン誘導体およびシス-およびトランス-インデノフルオレン誘導体、たとえば、WO2006/063852 A1に記載されたビナフチレン誘導体、たとえば、WO2005/056633A1、EP1344788A1およびWO2007/043495A1、WO2005/033174 A1、WO2003/099901A1およびDE102006003710.3に記載されたさらなる単位である。
【0173】
群7からのさらに好ましい構造要素は、たとえば、US5,962,631、WO2006/052457 A2およびWO2006/118345 A1に記載されたフルオレン誘導体、たとえば、WO2003/020790 A1に記載されたスピロビフルオレン誘導体、たとえば、WO2005/056633A1、EP1344788A1およびWO2007/043495A1に記載されたベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフルオレンおよびそれらの誘導体である。
【0174】
非常に、好ましい群7の構造要素は、式67のものであり、
【化20】

【0175】
式中、
A、BおよびB’は、互いに独立して、複数出現する場合には、互いに独立して、二価基であり、好ましくは、-CR-、-NR-、-PR-、-O-、-S-、-SO-、-SO-、-CO-、-CS-、-CSe-、-P(=O)R-、-P(=S)R-および-SiR-から選ばれ、
およびRは、互いに独立して、同一であるか異なり、H、ハロゲン、-CN、-NC、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(=O)NR00、-C(=O)X、-C(=O)R、-NH、-NR00、-SH、-SR、-SOH、-SO、-OH、-NO、-CF、-SF、随意に置換されたシリルまたは随意に置換され、随意に一以上のヘテロ原子を含む1〜40個のC原子を有するカルビルもしくはヒドロカルビルから選ばれ、随意に基RとRは、それらが付属するフルオレンとスピロ基を形成し、
Xは、ハロゲンであり、
とR00は、互いに独立して、Hまたは、随意に一以上のヘテロ原子を含む随意に置換されたカルビルもしくはヒドロカルビル基であり、
各gは、独立して、0または1であり、同じ副単位中の夫々対応するhは、0または1の他方であり、
mは、≧1の整数であり、
ArとArは、互いに独立して、随意に置換され、随意にインデノフルオレン基の7,8-位あるいは8,9-位で縮合した単核あるいは多核アリールもしくはヘテロアリール基であり、
aとbは、互いに独立して、0または1である。
【0176】
基RとRが、それらが付属するフルオレンとスピロ基を形成するならば、それは、好ましくは、スピロビフルオレンである。
【0177】
式67の基は、好ましくは、以下の式68〜72から選ばれる。
【化21−1】

【化21−2】

【0178】
式中、
は、式67で定義されるとおりであり、rは、0、1、2、3または4であり、Rは、Rの意味の一つを有する。
【0179】
Rは、好ましくは、F、Cl、Br、I、-CN、-NO、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(=O)NR00、-C(=O)X、-C(=O)R、-NR00、随意に置換されたシリル、4〜40個、好ましくは、6〜20個のC原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基または1〜20個、好ましくは、1〜12個のC原子を有する直鎖、分岐あるいは環状アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシであって、ここで、一以上のH原子は、随意に、FまたはClで置き代えられ、また、R、R00およびXは、上記定義のとおりである。
【0180】
特に、好ましい式67の基は、以下の式73〜76から選ばれる。
【化22−1】

【化22−2】

【0181】
式中、
Lは、H、ハロゲンまたは随意にフッ素化された1〜12個のC原子を有する直鎖あるいは分岐アルキルもしくはアルコキシ基であり、好ましくは、H、F、メチル、i-プロピル、t-ブチル、n-ペントキシまたはトリフルオロメチルであり、
L’は、随意にフッ素化された1〜12個のC原子を有する直鎖あるいは分岐アルキルもしくはアルコキシ基であり、好ましくは、n-オクチルまたはn-オクチルオキシである。
【0182】
好ましくは、前記有機機能性材料は、群8の単位を含むポリマーであり、上記記載のとおりの染料材料を含む群から選ぶことができる。有機太陽電池のために適する共役ポリマーは、F.C. Krebs, in Solar Energy Materials and Solar Cells, Vol91, 953 (2007)により要約されるとおりに、前記本発明の有機機能性材料として使用することもできる。
【0183】
本発明における使用のために好ましいポリマーは、群1〜8から選ばれる一以上の単位を同時に含む。同様に、ある群からの二以上の構造単位が同時に存在することも好ましいかもしれない。
【0184】
本発明における使用のために適するポリマーは、エミッターの構造単位に加えて、上記言及した群からの少なくとも一つの構造単位をも含む。少なくとも二つの構造単位は、特に、好ましくは、上記言及したものの異なるクラスからのものである。
【0185】
異なるクラスの群の割合は、ポリマー中に存在するのならば、好ましくは、各場合に、少なくとも5モル%、特に、好ましくは、各場合に、少なくとも10モル%である。特に、これらの構造単位の一つは、正孔伝導単位から選ばれ、その他の単位は、発光単位であり、これら二つの機能(正孔伝導と発光)は、同じ単位により担われてもよい。
【0186】
しかしながら、より少ない割合の発光単位、特に、緑色および赤色発光単位も、たとえば、白色発光コポリマーの合成にためには、好ましいかもしれない。白色発光コポリマーを合成することができる方法は、DE10343606 A1に詳細に記載されている。
【0187】
適切な溶解度を確保することを目的として、平均して少なくとも二つの非芳香族C原子が、反復単位毎の置換基中に存在することが好ましい。ここで、好ましいのは、少なくとも四つのC原子であり、特に、好ましくは、少なくとも八つのC原子である。さらに、これらの個々のC原子は、OまたはSにより置き代えられてよい。しかしながら、ある割合の反復単位は、さらなる非芳香族置換基をまったく有さないことも、完全に可能である。
【0188】
フィルムのモルホロジーを損なわないことを目的として、直鎖中に、12個を超えるC原子、特に、好ましくは、8個を超えるC原子、特に、6個を超えるC原子を有する長鎖置換基を有さないことが好ましい。
【0189】
本発明における有機機能性材料として使用されるポリマーは、統計的またはランダムコポリマー、交互もしくはレジオレギュラーコポリマー、ブロックコポリマーまたはこれらの組み合わせであってよい。
【0190】
別の好ましい具体例では、前記ポリマーは、側鎖非共役ポリマーであって、ポリマーを基礎とする燐光OLEDのために特に重要である。一般的に、このような燐光発光ポリマーは、US7250226 B2に開示されるとおり、ビニル化合物のラジカル共重合により得ることができ、少なくとも一つの燐光エミッターと少なくとも一つの電荷輸送単位を側鎖に含む。このような燐光発光ポリマーのさらなる例は、たとえば、JP2007/211243 A2、JP2007/197574 A2、US7250226B2、JP2007/059939Aに開示されている。
【0191】
さらに好ましい具体例では、前記ポリマーは、主鎖非共役ポリマーであって、骨格単位は、主鎖上のスペーサーにより連結されている。側鎖非共役ポリマーと同様に、主鎖非共役ポリマーはまた、高い三重項準位をももたらす。主鎖非共役ポリマー系の三重項OLEDの例は、DE102009023154.4に開示されている。
【0192】
さらに好ましい具体例では、前記ポリマーは、蛍光OLEDのための非共役ポリマーでもあり得る。好ましい一重項非共役ポリマーは、たとえば、JP2005/108556、JP2005/285661、JP2003/338375等に開示されるとおりの、側鎖中にアントラセン、ベンズアントラセンおよびその誘導体をもつ側鎖ポリマーである。
【0193】
前記ポリマーは、ETMまたはHTMとしても機能することができ、好ましくは、ポリマーは、非共役ポリマーである。
【0194】
本発明による素子は、本発明による調合物、すなわち、エマルジョンまたは分散液を使用することにより堆積されない追加的な層を含んでもよい。追加的層は、溶液からの技術または気相堆積により堆積されてよい。ここで、使用される特定の方法は、使用される材料の特性に依存し、当業者は、問題なく、適切な技術を選択する。堆積される材料は、電子および光電子多層構造分野で使用される任意の材料であり得る。特に、材料は、ここに記載される任意の材料であり得る。さらに、材料は、以下に概説される有機および無機機能性材料から選択され得る。
【0195】
p型Siとp型SiC等の無機化合物および酸化バナジウム(VO)、酸化モリブデン(MoO)または酸化ニッケル(NiO)等の無機酸化物も、HIMとして使用することができる。
【0196】
電子注入層(EIL)は、絶縁体および半導体から構築されることが多い。
【0197】
EILのための好ましいアルカリ金属カルコゲナイドは、LiO、LiO、NaS、NaSe、NaO、KO、CsOである。
【0198】
EILのための好ましいアルカリ土類金属カルコゲナイドは、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、CaSeである。
【0199】
EILのための好ましいアルカリ金属ハロゲン化物は、LiF、NaF、KF、CsF、LiCl、KCl、NaClである。
【0200】
EILのための好ましいアルカリ土類金属ハロゲン化物は、CaF、BaF、SrF、MgF、BeFである。
【0201】
同様に、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属(Sc、Y、Ce、Th、Yb)、希土類金属錯体、希土類金属化合物(好ましくは、YbF、ScF、TbF)等を使用することも可能である。
【0202】
EILの構造は、たとえば、US5608287、US5776622、US5776623、US6137223、US6140763、US6914269に記載されている。
【0203】
電子輸送層は、固有材料から成ってもまたはドーパントを含んでもよい。Alq(EP278757 B1)とLiq(EP0569827 A2)が、固有材料の例である。4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen):Li1:1(US2003/02309890)とルブレン/LiFが、ドープされた層の例である。
【0204】
上記言及した材料に加えて、本発明の有機エレクトロルミネセンス素子は、少なくとも一つのアノード、少なくとも一つのカソードおよび一以上の基板を含んでもよい。
【0205】
アノードのための好ましい材料は、限定するものではないが、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、錫酸化物(SnO)、ZnO、InO、アルミニウム亜鉛酸化物(AlZnO)ならびに亜鉛酸化物でドープされたAlおよびIn亜鉛酸化物、マグネシウムインジウム酸化物およびニッケルタングステン酸化物等の他の酸化物から選ばれる。窒化ガリウム等の金属窒化物およびセレン化亜鉛等の金属セレン化物および硫化亜鉛等の金属硫化物を使用することもできる。アノードのために使用することのできるさらなる材料は、電気伝導性ポリマー、たとえば、ポリチオフェンおよびポリピロールである。
【0206】
アノードは、透明、オパール色、反射性であり得る。アノードは、中間的状態、たとえば、部分的に反射性で部分的に透明状態をとることもできる。
【0207】
アノードが、部分的に透明でないか、部分的に透明であるだけならば、さらなる伝導性材料を使用することができる。非透明あるいは部分透明アノードのために好ましい材料は、限定するものではないが、Au、Ir、Mo、Pd、Pt、Cu、Ag、Sn、C、Al、V、Fe、Co、Ni、Wおよびそれらの混合物から選ばれる。伝導性材料は、上記記載のとおりのさらなる伝導性材料、たとえば、In-Cuと混合することもできる。
【0208】
アノードは、好ましくは、透明であり、アノードのために、特に、好ましい材料は、ITOである。底部発光素子の場合には、ガラスまたはプラスチックは、好ましくは、ITOで被覆される。頂部発光素子の場合には、アノードは、好ましくは、反射性材料を含む。当業者に知られるさらなる材料が、アノードのために使用することができる。
【0209】
基板とアノードの柔軟で透明な組み合わせは、たとえば、US5844363 B2およびUS6602540 B2に記載されている。
【0210】
カソードは、透明、オパール色、反射性であり得る。カソードは、低い仕事関数を有する金属または合金から選ばれる。4.0eV未満の仕事関数を有する好ましい金属、合金または伝導性化合物もしくは材料が使用される。特に、好ましいカソードは、限定するものではないが、Ba、Ca、Sr、Yb、Ga、Cd、Si、Ta、Sb、Zn、Mg、Al、In、Li、Na、Cs、AgまたはMg/AlもしくはAl/LiもしくはAl/Sc/LiもしくはMg/Agを含む合金等の二以上の元素の混合物、ITOもしくはIZO等の金属酸化物から選ばれる。
【0211】
薄い誘電体層を形成するために使用されるカソードのためのさらに好ましい材料は、LiF、LiO、BaF、MgOもしくはNaFと混合される金属から選ばれる。典型的な組み合わせは、LiF/Alである。
【0212】
頂上にITO層をもつMg/Alカソードは、US5703436、US5707745、US6548956 B2、US6576134 B2に記載されている。Mg/Ag合金は、US4885221に記載されている。
【0213】
基板は剛直か柔軟であってよい。基板は透明、半透明、オパール色もしくは反射性であり得る。使用される材料は、ガラス、プラスチック、セラミックもしくは金属箔であり得、プラスチックと金属箔は、好ましくは、柔軟性基板のために使用される。しかしながら、たとえば、シリコンウェハーもしくは印刷回路基板(PCB)等の半導体材料も、導電路の生成を簡単にするために、使用し得る。他の基板も使用することもできる。
【0214】
使用されるガラスは、たとえば、ソーダライムガラス、BaあるいはSr含有ガラス、鉛ガラス、アルミノ珪酸ガラス、硼珪酸ガラス、Ba硼珪酸ガラスまたは水晶であり得る。
【0215】
プラスチック板は、たとえば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステルスルフィド樹脂またはポリスルホン樹脂から成ることができる。
【0216】
透明フィルムに対しては、たとえば、ポリエチレン、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、PVC、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエステルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー、ポリビニルフルオリド、テトラフルオロエチレン-エチレンコポリマー、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオリド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミドまたはポリエテルイミドの使用がなされる。
【0217】
基板は疎水性層を備える。基板は、好ましくは、透明である。
【0218】
ここで言及したもの以外の材料も使用し得る。適切な材料は、当業者に知られている。
【0219】
本発明の特に、好ましい側面は、一個の連続層と一個の不連続層とを含む調合物である。
【0220】
好ましい調合物は、少なくとも一つの連続相が、アントラセン、ベンズアントラセン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾール、ケトン、カルバゾール、トリアリールアミンおよびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一つのホスト材料を含むことを特徴とする。
【0221】
特に、好ましい調合物は、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の連続相を含み、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個のホスト材料を含む。
【0222】
ホスト材料は、当業者に知られた任意のホスト材料であり得る。好ましいホスト材料は、本発明内のどこかに記載されているホスト材料である。特に、好ましいホスト材料は、アントラセン、ベンズアントラセン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾール、ケトン、カルバゾールおよびトリアリールアミンから選ばれる
好ましい調合物は、少なくとも一つの連続相が、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフィンオキシド、フェナジン、フェナントロリン、トリアリールボランおよびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一つの電子輸送材料を含むことを特徴とする。
【0223】
特に、好ましい調合物は、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の連続相を含み、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個のETMを含む。
【0224】
ETMは、当業者に知られた任意のETMであり得る。好ましいETMは、本発明内のどこかに記載されている。特に、好ましいETMは、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフィンオキシド、フェナジン、フェナントロリンおよびトリアリールボランから選ばれる。
【0225】
本発明の別の好ましい主題は、少なくとも一つの連続相が、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニン、ポルフィリンおよびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一つの正孔輸送材料を含むことを特徴とする。
【0226】
特に、好ましい調合物は、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の連続相を含み、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個のHTMを含む。
【0227】
HTMは、当業者に知られた任意のHTMであり得る。好ましいHTMは、本発明内のどこかに記載されている。特に、好ましいHTMは、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニンおよびポルフィリンから選ばれる。
【0228】
好ましい調合物は、少なくとも一つの連続相が、蛍光エミッター材料および燐光エミッター材料から選ばれる少なくとも一つのエミッター材料を含むことを特徴とする。
【0229】
特に、好ましい調合物は、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の連続相を含み、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個のエミッター材料を含む。
【0230】
エミッター材料は、当業者に知られた任意のエミッター材料であり得る。好ましいエミッター材料は、本発明内のどこかに記載されている。
【0231】
少なくとも一つの不連続相が、少なくとも一つのエミッター材料を含む調合物も本発明の主題である。
【0232】
好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の不連続相を含み、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個のエミッター材料を含む。
【0233】
本発明の別の好ましい主題では、調合物は、少なくとも一つの不連続相が、蛍光エミッター材料および燐光エミッター材料から選ばれる少なくとも一つのエミッター材料を含むことを特徴とする。蛍光エミッター材料および燐光エミッター材料の両者は、当業者に知られた任意のエミッター材料であり得る。好ましいエミッター材料は、本発明内のどこかに記載されている。
【0234】
好ましい調合物は、少なくとも一つの連続相が、アントラセン、ベンズアントラセン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾール、トリアリールアミンおよびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一つのホスト材料を含み、少なくとも一つの不連続相は、少なくとも一つの蛍光エミッター材料を含むことを特徴とする。
【0235】
特に、好ましい調合物は、ひとつの連続相が、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個のホスト材料を含む。
【0236】
本発明の別の好ましい具体例では、調合物は、少なくとも一つの不連続相が、二個の蛍光エミッター材料を含むことを特徴とする。
【0237】
本発明の別の好ましい具体例では、調合物は、少なくとも一つの不連続相が、一個の蛍光エミッター材料を含むことを特徴とする。
【0238】
本発明の別の、特に、好ましい具体例では、調合物は、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の不連続相を含み、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の蛍光エミッター材料を含む。
【0239】
好ましい調合物は、少なくとも一つの連続相が、ケトン、カルバゾール、トリアリールアミン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾールおよびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一つのホスト材料を含み、少なくとも一つの不連続相は、少なくとも一つの燐光エミッター材料を含むことを特徴とする。
【0240】
本発明のさらに好ましい具体例では、調合物は、少なくとも一つの不連続相が、二個の燐光エミッター材料を含むことを特徴とする。
【0241】
本発明の別の好ましい具体例では、調合物は、少なくとも一つの不連続相が、一個の燐光エミッター材料を含むことを特徴とする物。
【0242】
本発明の別の、特に、好ましい具体例では、調合物は、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の不連続相を含み、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の燐光エミッター材料を含む。
【0243】
本発明の調合物は、少なくとも一つの不連続相中に、少なくとも一つの金属錯体を含むことを特徴とする。
【0244】
金属錯体は、有機金属錯体である。光電子素子での使用に適し、当業者に知られる任意の金属錯体を使用することができる。好ましい金属錯体は、本発明の範囲内に記載されるとおりのものである。特に、好ましいものは、遷移金属、希土類、ランタノイドおよびアクチニドから選ばれる金属錯体である。非常に、好ましいものは、Ir、Ru、Os、Eu、Au、Pt、Cu、Zn、Mo、W、Rh、PdおよびAgから選ばれる金属錯体である。
【0245】
好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の不連続相は、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の金属錯体を含む。
【0246】
HTMは、本発明の調合物の不連続相に、使用することもできる。したがって、本発明の別の具体例では、調合物は、少なくとも一つの不連続相が、少なくとも一つの正孔輸送材料を含むことを特徴とする。
【0247】
好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の不連続相は、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個のHTMを含む。任意のHTMが、本発明の範囲内に記載されるとおりに、本発明の目的のために選択使用することができる。
【0248】
本発明の別の具体例では、調合物は、少なくとも一つの不連続相が、少なくとも一つの染料を含むことを特徴とする。
【0249】
好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の不連続相は、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の染料を含む。任意の染料が、本発明の範囲内に記載されるとおりに、本発明の目的のために選択使用することができる。本発明の範囲内に記載されるとおりに、光電子素子での使用に適し、当業者に知られる任意の染料を使用することができる。
【0250】
好ましい染料は、ペリレン、ルテニウム染料、フタロシアニン、アゾ化合物、ペリレンジミド、ポルフィリン、スクアレン化合物およびそれらの誘導体から選ばれる。
【0251】
さらに、好ましい染料は、ペリレン、ルテニウム染料、フタロシアニン、アゾ化合物、ペリレンジミド、ポルフィリン、スクアレン化合物から選ばれる。
【0252】
さらに好ましい機能性材料は、フラーレン、たとえば、C60、カーボンナノチューブ、グラーフェンそれらのアイソマーおよび誘導体から選ばれる電子受容体である。光電池用途のために好ましくは、前記染料と前記さらなる有機機能性材料は、0.4eVより大きい、好ましくは、0.5eVより大きい、特に、好ましくは、0.6eVより大きいエネルギーオフセットをもつエネルギーオフセットII型構造を形成する。
【0253】
したがって、少なくとも一つのフラーレンまたはその誘導体を含む調合物(ここで、好ましくは、少なくとも一つの不連続相は前記フラーレンおよびその誘導体を含む)は、本発明の主題である。好ましくは、フラーレンは、C60、C70、C76、C80、C86、C90およびC94、それらのアイソマーおよび誘導体から選択される。C60フラーレン、そのアイソマーおよびそれらの誘導体が、特に、好ましい。
【0254】
本発明のために適するさらに好ましいフラーレンは、炭素同位体、中空球状の形態で全体が炭素から成る分子、エリプソイド、チューブもしくはプレーンより成る群から選ばれる。球状フラーレンは、バッキーボールとも呼ばれ、円筒状のものは、カーボンナノチューブもしくはバッキーチューブと呼ばれる。グラーフェンは、平面状フラーレンシートの例である。
【0255】
好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の不連続相は、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個のフラーレンを含む。
【0256】
本発明の別の具体例では、第1および/または第2の機能性材料は、上記定義のとおりの材料に加えて、量子ドットから選ぶことができる。好ましくは、本発明の調合物は、1〜100、特に、好ましくは、1〜50、非常に、特に、好ましくは、1〜10の量子ドットを含む。
【0257】
本発明の好ましい調合物は、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の量子ドットを含む。
【0258】
量子ドットは、不連続相および/または連続相の両方に位置することができる。
【0259】
好ましい具体例では、調合物は、一つの連続相と一つの不連続相とを含み、調合物が、少なくとも一つの、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の第1の機能性材料と、少なくとも一つの、好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の第2の機能性材料と、少なくとも一つの好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の量子ドットを含むことを特徴とする。
【0260】
さらに好ましくは、量子ドットは、一以上のエミッター材料と同じ相に位置する。特に、量子ドットは、好ましくは、第1または第2の機能性材料であってよい一以上の蛍光エミッター材料と同じ相に位置する。
【0261】
量子ドットが、好ましくは、第1または第2の機能性材料であってよい一以上の燐光エミッター材料と同じ相に位置することも好ましい
しかしながら、ある場合には、異なる相に分かれたエミッターと量子ドットを有することが望ましい。
【0262】
量子ドットは、発光材料の別のクラスである。量子ドットは、以下に記載されるとおりに、単分散ナノ結晶とも呼ばれる。量子ドットの利点は、1)一重項有機エミッターの25%と比べて、100%の高い理論内部量子効率;2)通常の有機溶媒に可溶;3)発光波長は、コアサイズにより容易に調整することができる;4)狭い発光スペクトル;5)無機材料中での固有の安定性である。
【0263】
ここで、量子ドットもしくはQDとも呼ばれる、半導体材料を含む最初の単分散ナノ結晶は、CdE(E=S、Se、Te)系であり、Bawendiにより、いわゆるTOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)を使用して製造され、その後、Katari et al. A review on synthesis of QDs is given by Murray, Norris and Bawendi, “Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE (E=sulfur, selen, tellurium) semiconductor nanorystallites”, J. Am. Chem. Soc. 115[19], 8706-8715, 1993.により変形された。量子ドットの最近報告された最高のものは、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)もしくはトリオクチルホスフィン(TOP)系であり、電子輸送特性を有すると推測される。
【0264】
量子ドットは、簡単に製造することができ、有機蛍光もしくは燐光化合物と比べて、狭い発光スペクトルを有する。量子ドットは、量子ドット発光最大波長を決定するサイズに適合させることができる。高い光ルミネセンス効率が、量子ドットにより得ることもできる。さらに、その発光強度は、使用される濃度により適合させることができる。さらに、量子ドットは多くの溶媒に可溶であるか、通常の溶媒中に容易に可溶にすることができ、汎用性のある加工方法、特に、スクリーン印刷、オフセット印刷およびインクジェット印刷等の印刷方法を可能とする。
【0265】
一般的に、量子ドットは、その励起子が全三次元空間で制限される半導体である。その結果、量子ドットは、バルク半導体のものと別々の分子のものとの間である特性を有する。量子ドット構造を調製するいくつかの方法があり、たとえば、化学的方法によるもの、イオンインプランテーションによるものもしくは技術水準のリソグラフィー技術により製造されるナノ素子である。
【0266】
本発明の量子ドットは、コロイド状量子ドットあるいはナノドット、ナノ結晶として知られるコロイド状半導体をさし、化学的方法により製造される。
【0267】
用語量子ドット(QD)は、実質的に単分散サイズであるナノ結晶をさす。QDは、約500nm未満の大きさで約1nm未満のオーダー以上の大きさをもつ少なくとも一つの領域または特徴的大きさを有する。用語単分散は、サイズ分布が、規定値の±10%以内を意味し、たとえば、直径100nmの単分散ナノ結晶は、90nmから110nmより大きいか小さいサイズの範囲を包含する。
【0268】
調合物中の量子ドット濃度範囲は、調合物の全重量に対して、0.01〜20重量%、0.05〜10重量%および0.1〜5重量%の間から選択することができる。
【0269】
半導体材料を含む最初の単分散ナノコロイド状量子ドットは、CdE(E=S、Se、Te)系であり、Bawendiにより、いわゆるTOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)法を使用して製造され、その後、Katariにより変形された。QDの合成に関するレビューは、Murray, Norris and Bawendi, “Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE (E=sulfur, selen, tellurium) semiconductor nanocrystallites”, J. Am. Chem. Soc. 115[19], 8706-8715, 1993により得られる。
【0270】
当業者に知られる任意の方法が、QDを製造するために使用することができるが、好ましくは、無機QDの制御された成長のための溶液相コロイド法が使用される。前記コロイド法は、たとえば、Alivisatos, A. P., "Semiconductor clusters, nanocrystals, and quantum dots," Science 271:933 (1996); X. Peng, M. Schlamp, A. Kadavanich, A. P. Alivisatos, "Epitaxial growth of highly luminescent CdSe/CdS Core/Shell nanocrystals with photostability and electronic accessibility," J. Am. Chem. Soc. 30:7019-7029 (1997);およびC. B. Murray, D. J. Norris, M. G. Bawendi, "Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE (E=sulfur, selenium, tellurium) semiconductor nanocrystallites," J. Am. Chem. Soc. 115:8706 (1993).に開示されている。これらの方法は、クリーンルームや高価な製造設備を必要とすることなく、低費用の加工可能性を可能とする。これらの方法において、高温での熱分解を受ける金属前駆体は、有機界面活性剤分子の熱溶液中に迅速に注入される。これらの前駆体は、高温で分裂し、ナノ結晶の核となるために反応する。この初期核化相後に、成長相が成長する結晶へのモノマーの添加により始まる。したがって、結晶性ナノ粒子は、その表面を被覆する有機界面活性剤分子を有する溶液中で得られる。
【0271】
この方法では、合成は、数分間の高温での結晶成長に続かれる、数秒にわたって生じる初期核化現象として起こる。温度、存在する界面活性剤の型、前駆体材料およびモノマーに対する界面活性剤の比等のパラメーターは、反応の性質と進行を変化するために変更することができる。温度は、核化現象の構造相、前駆体の分解速度および成長速度を制御する。有機界面活性剤分子は、ナノ結晶形状の安定性と制御との両者を媒介する。モノマーに対する界面活性剤、界面活性剤同士、モノマー同士の比とモノマーの個々の濃度は、成長の動力学に強く影響する。
【0272】
この方法では、合成は、数分間の高温での結晶成長に続かれる、数秒にわたって生じる初期核化現象として起こる。温度、存在する界面活性剤の型、前駆体材料およびモノマーに対する界面活性剤の比等のパラメーターは、反応の性質と進行を変化するために変更することができる。温度は、核化現象の構造相、前駆体の分解速度および成長速度を制御する。有機界面活性剤分子は、ナノ結晶形状の安定性と制御との両者を媒介する。モノマーに対する界面活性剤、界面活性剤同士、モノマー同士の比とモノマーの個々の濃度は、成長の動力学に強く影響する。
【0273】
QDに組み込むことができる適切な半導体材料は、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnO、ZnS、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe等のII-VI族元素およびCdZnSe等のそれらの合金;InAs、InP、GaAs、GaP、InN、GaN、InSb、GaSb、AlP、AlAs、AlSb等のIII-V族元素およびInAsP、CdSeTe、ZnCdSe、InGaAs等のそれらの合金;PbSe、PbTeおよびPbS等のIV-VI族元素およびInGaSe、InSeS等のそれらの合金、InSe、InTe、InS、GaSe等のIII-VI族元素およびInGaSe、InSeS等のそれらの合金;SiおよびそのGe合金等のIV族半導体および複合材料構造中のそれらの組み合わせから選ばれる。
【0274】
さらに適切な半導体材料は、US出願番号10/796,832に開示されたものを含み、II-VI族、III-V族、IV-IV族およびIV族半導体を含む任意の型の半導体を含む。適切な半導体材料は、限定するものではないが、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイアモンドを含む)、P、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlS、AlSb、BaS、BaSe、BaTe、CaS、CaSe、CaTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si、Ge、Al(Al,Ga,In)(S,Se,Te)およびAlCOを含む。さらに、さらに適切な半導体材料は、前記半導体の組み合わせおよび/またはコア/シェル、コアマルチシェル層構造を有する組み合わせを含む。
【0275】
本発明は、以下の工程を含む本発明の調合物の製造方法にも関する。
【0276】
(a)少なくとも一つの第1の溶媒中に前記少なくとも一つの第1の機能性材料を含み、随意に、少なくとも一つの界面活性剤を含む第1の溶液を調製すること、
(b)少なくとも一つの第2の溶媒中に前記少なくとも一つの第2の機能性材料を含む第2の溶液を調製すること、
(c)工程(a)で得られた第1の溶液と工程(b)で得られた第2の溶液を特定の比で混合すること、
(d)工程(c)で得られた混合物から物理的方法により調合物を生成すること。
【0277】
好ましくは、調合物は、高せん断力を適用することにより得られ、ここで、この目的のために工程(d)で使用される好ましい物理的技術は、超音波である。
【0278】
好ましい比は、3:1〜15:1の範囲の重量比である。一つの好ましい第1の溶媒は、水および/またはアルコールである。
【0279】
適切な界面活性剤は、上記記載されたとおりの界面活性剤から選ぶことができる。好ましくは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が使用される。界面活性剤の量は、調合物の全重量を基礎として、好ましくは、0.1〜20重量%、特に、好ましくは、0.2〜10重量%、非常に、特に、好ましくは、0.5〜5重量%である。
【0280】
適切な第2の有機溶媒は、上記記載されたとおりの有機溶媒から選ぶことができる。好ましくは、第2の溶液中の機能性材料の重量濃度は、0.5〜10%、好ましくは、1〜5%、特に、好ましくは、2〜4%である。
【0281】
好ましくは、第1の溶液中の機能性材料の重量濃度は、0.5〜10%、好ましくは、1〜5%、特に、好ましくは、2〜4量%である。
【0282】
本発明のさらなる具体例では、工程d)は、超音波処理か高圧均質機かジェット分散機により、好ましくは、超音波処理によりなされる。
【0283】
本発明のさらに別の具体例は、上記記載のとおりの同様の工程を含む油中水型エマルジョンである調合物の製造方法に関し、第1の溶液は、少なくとも一つの第1の機能性材料と随意に界面活性剤を含む有機溶媒であり、第2の溶液は、少なくとも一つの第2の機能性材料を含む水および/またはアルコール溶液である。
【0284】
本発明の調合物は、機能性材料の積層を構築することを目的として、層および多層構造の調製のために、たとえば、OLED等の電子または光電子素子の調製のために、使用することができる。さらなる加工のために、被覆前に一以上の不連続相から溶媒を除去することが有利であり、溶液中に第1の機能性材料を含む連続相と、連続相中に分散された少なくとも一つの不連続相中で固体ナノ粒子として有機機能性材料を含む不連続相とを含む調合物を生じる。
【0285】
したがって、本発明は、分散液が、本発明のエマルジョンの不連続相の溶媒を除去することにより生成された連続相中に分散されたナノ粒子を含むことを特徴とする分散液に関する。したがって、本発明のエマルジョンのナノ液滴は、調合物の連続相中に分散された固体ナノ粒子に変換される。ここで、用語分散液は、少なくとも一つの液体媒体(たとえば、水性あるいはアルコール系相)と固体粒子として、好ましくは、ナノ粒子として懸濁された有機相を含む系に使用される。
【0286】
本発明は、本発明の調合物の連続相中に分散されたナノ粒子を含む分散液にも関し、ナノ粒子は、少なくとも一つの機能性材料を含み、連続相は、少なくとも一つの機能性材料を含むことを特徴とする。
【0287】
好ましくは、ナノ粒子は、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の有機機能性材料を含む
本発明の任意の調合物は、エマルジョンか分散液の何れかであり得る。本発明の任意のエマルジョンは、分散液に変換することができる。
【0288】
本発明の分散液は、本発明のエマルジョンから調製することができる。したがって、本発明の別の主題は、エマルジョンの少なくとも一つの非連続相の溶媒を除去することによる分散液の調製方法である。好ましくは、溶媒は蒸発により除去される。溶媒の、特に、好ましい蒸発は、加熱により容易にされるか、少なくともサポートされる。本発明のエマルジョンは、一以上の界面活性剤を含んでもよく、非連続相の溶媒が除去された後で、好ましくは、ダイアフィルトレーションにより部分的に除去されてよい。
【0289】
界面活性剤が存在するならば、元の含有量の50%まで、好ましくは、60%まで、特に、好ましくは、70%まで、非常に、特に、好ましくは、80%まで除去することができる。
【0290】
層構造は、種々の電子もしくは光電子素子に対して重要である。本発明は、さらに、調合物、すなわち、エマルジョンおよび/または分散液を使用することによる直交溶媒を使用する層構造の調製方法にも関する。本発明の調合物は、層構造を調製するために種々の方法で使用することができる。好ましくは、層構造は、多層構造である。
【0291】
好ましい方法は、以下に、記載される。
【0292】
第1の方法は、以下の工程を含む:
(a)第1の有機層を基板に適用すること、
(b)本発明の調合物(すなわち、エマルジョンまたは分散)を被覆することにより、第1の有機層上に第2の有機層を調製すること、
であって、第1の有機層は不溶性であるか、前記エマルジョンまたは分散の連続層中の溶媒中で限定された溶解度を有することを特徴とする。
【0293】
前記第1の方法において、第1の層は、熱蒸発により堆積するか、好ましくは、溶液から、たとえば、スピンコーティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷、スロット印刷、ノズル印刷等により溶液から被覆することができる。工程(b)においては、第1の有機層は不溶性であるか、前記エマルジョンまたは分散液の連続層中の溶媒中で限定された溶解度を有することが重要であり、その結果、第1の層は、エマルジョンまたは分散液の被覆後に、依然として閉じられている。好ましくは、第1の層の最大溶解度は、前記エマルジョンまたは分散液の連続層の溶媒中の作業温度で0.4重量%未満である。そして、最も好ましくは、第1の層は、前記エマルジョンまたは分散の連続層の溶媒中で不溶性である。
【0294】
第2の方法は、以下の工程を含む:
(a)本発明の調合物(すなわち、エマルジョンまたは分散)を被覆することにより、第1の有機層を基板に適用すること、
(b)第2の溶液から第1の有機層上に第2の有機層を調製すること、
であって、第1の有機層中の第1の機能性材料は不溶性であるか、第2の溶液の溶媒中で
限定された溶解度を有することを特徴とする。
【0295】
前記第2の方法において、両方の層は、スピンコーティングまたはインクジェット印刷、スクリーン印刷、スロット印刷、ノズル印刷等の印刷技術から選択することができる被覆技術により、溶液から被覆される。工程(b)においては、第1の有機層は第2の溶液の溶媒中で限定された溶解度を有することが重要であり、その結果、第1の層は、エマルジョンまたは分散液の被覆後に、依然として閉じられている。好ましくは、第1の層の最大溶解度は、前記エマルジョンまたは分散液の連続層の溶媒中の作業温度で0.4重量%未満である。そして、最も好ましくは、第1の層は、第2の溶液の溶媒中で不溶性である。
【0296】
第3の方法は、以下の工程を含む:
(a)本発明の調合物(すなわち、エマルジョンまたは分散)を被覆することにより、第1の有機層を基上に適用すること、
(b)本発明の第2もしくは第2の分散液から、第1の有機層上に第2の有機層を調製すること
であって、第1の有機層の第1の有機機能性材料は不溶性であるか、第2のエマルジョンまたは分散液の連続相の溶媒中で限定された溶解度を有することを特徴とする。
【0297】
前記第3の方法において、両方の層は、スピンコーティングまたはインクジェット印刷、スクリーン印刷、スロット印刷、ノズル印刷等の印刷技術から選択される技術により、溶液から被覆される。工程(b)においては、第1の有機層は第2のエマルジョンまたは分散液の連続相の溶媒中で限定された溶解度だけを有することが重要であり、その結果、第1の層は、エマルジョンまたは分散液の被覆後に、依然として閉じられている。好ましくは、第1の層の最大溶解度は、前記エマルジョンまたは分散液の連続層の溶媒中の作業温度で0.4重量%未満である。そして、最も好ましくは、第1の層は、前記エマルジョンまたは分散液の連続相の溶媒中で不溶性である。
【0298】
非常に、好ましい具体例では、多層構造を調製するための上記に記載のとおりの方法は、被覆媒体として、分散液を使用する。
【0299】
本発明のさらに好ましい具体例では、上記に記載のとおりの調製方法は、少なくとも一つの添加剤が、分散液に添加されることを特徴とする。
【0300】
好ましくは、3個の、特に、好ましくは、2個の、非常に、特に、好ましくは、1個の添加剤が、分散液に添加される。添加剤の好ましい機能は、多層構造の調製を容易にするための物理特性の変性である。
【0301】
特に、好ましい添加剤は、フィルム形成を可能とするために分散液の表面張力を変える。直交溶媒を使用する多層構造の調製の文脈での典型的な問題は、下層上への溶液もしくは分散液の湿潤である。したがって、使用する前に、溶液もしくは分散液を変性する、たとえば、その表面張力を変性する必要がある。それは、追加的な添加剤、たとえば、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、接着剤等を添加することによって、達成することができる。さらに適切な添加剤は、たとえば、WO2003/019693 A2を参照することができる。
【0302】
溶液もしくは分散液からの堆積技術のために重要なパラメーターは、たとえば、溶液の粘度、表面張力、濃度、分子量と分散液の粒子サイズ、溶媒の沸点等である。確かに、異なる堆積技術は、異なるパラメーターを要求する。最も広く使用される技術は、スピンコーティングとインクジェット印刷であり、それらは、共通のいくつかのパラメーターを有する。たとえば、最適条件は使用する方法と基板に依存して互いに異なってもよいが、それらは、4〜12mPasの粘度と<40mN/mの表面張力、≦1μmのサイズの粒子、70〜190℃の溶媒沸点を要求する。
【0303】
所望のコリドール中の溶液もしくは分散液の上記言及したパラメーターを調節することが重要である。これは、異なる添加剤を添加することによって達成することができる。しかしながら、添加剤はフィルム中に残り、望ましくないだろう。驚くべきことに、上記に記載のとおりの物理的パラメーターは、溶液もしくは分散液の溶媒と不混和性である適切な共溶媒を使用して適性に変性することができるが、溶液の溶質もしくは分散液の不連続相中の有機機能性材料の溶質のための溶媒は必要ない。本発明の水系分散液を有機層上に被覆するためには、適切な共溶媒は、1)10〜40mPasの範囲の表面張力、2)70〜200℃の沸点の何れかを満たさねばならず、特に、適切な共溶媒は、両方の条件を満たさねばならない。本発明の水系分散液のための適切な共溶媒の良い例は、イソプロパノール(例参照)である。
【0304】
したがって、好ましい添加剤は、共溶媒であり、特に、好ましくは、アルコールであり、非常に、特に、好ましくは、イソプロパノールである。
【0305】
さらに別の具体例では、本発明は、上記に記載のとおりのエマルジョンおよび/または分散液を使用する被覆方法に関する。費用(より多い素子/単位面積)とパワー消費を低減するために、最新のマイクロエレクトロニクスでの小さな構造とパターンを生成することが望ましい。本発明の層のパターン化は、たとえば、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィー(たとえば、Science (96), 272, 85-87)に報告されるとおり)、「ディッペン」ナノリソグラフィー(たとえば、Science (99), 283, 661-663に報告されるとおり)により実行されてよい。電子もしくは光電子素子での薄層としての使用のために、本発明の有機機能性材料もしくはエマルジョンあるいは分散液は、任意の適切な方法により堆積されてよい。OLED等の素子の液体被覆は、真空堆積技術よりも望ましい。溶液堆積方法が、特に、好ましい。好ましい堆積技術は、限定するものではないが、浸漬被覆、スピンコーティング、インクジェット印刷、活版印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードコーティング、ローラー印刷、逆ローラー印刷、オフセットリソグラフィー印刷、フレキソグラフィック印刷、ウェブ印刷、スプレー被覆、ブラシコーティングあるいはパッド印刷、スロット−ダイコーティング等である。インクジェット印刷が、高解像度ディスプレーを調製することができることから、特に、好ましい。
【0306】
本発明の選択されたエマルジョンおよび/または分散液は、インクジェット印刷または微小計量分配によりあらかじめ製造された基板に適用されてよい。限定するものではないが、Aprion、Hitachi-Koki、InkJet Technology、On Target Technology、Picojet、Spectra、Trident、Xaarにより供給されるもの等の好ましい工業的圧電印刷ヘッドが、有機機能性材料を基板へ適用するために使用されてよい。追加的に、Brother、Epson、Konica、Seiko Instruments、Toshiba TECにより製造されるもの等の半工業的ヘッドまたは、MicrodropおよびMicrofabにより供給されるもの等のシングルノズル微小計量分配が使用されてよい。
【0307】
インクジェット印刷または微小計量分配を適用するために、本発明のエマルジョンおよび/または分散液は、まず、連続相中で適切な溶媒中で調製されるべきである。溶媒は、上記で述べられた要請を満足せねばならず、選ばれた印刷ヘッドにいかなる決定的な影響も与えてはならない。水系または他の極性溶媒系エマルジョンの場合には、このようなエマルジョンまたは分散液の使用は、デスクトップインクジェットプリンターと組み合わせて知られている。それの逆相エマルジョンまたは分散液に対しては、連続相は非極性であり、溶媒は、印刷ヘッド内側の溶液乾燥のより引き起こされる操作上の問題を防止するために、>100℃、好ましくは、>140℃、より好ましくは、>150℃の沸点を有するべきである。ここで、既に開示された溶媒とは別に、適切な溶媒は、置換あるいは非置換キシレン誘導体、ジ-C1-2アルキルホルムアミド、置換あるいは非置換アニソールおよび他のフェノールエーテル誘導体、置換ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピロリジノン等の置換ヘテロ環、置換あるいは非置換N,N-ジ-C1-2アルキルアニリンもしくは他のフッ素化あるいは塩素化芳香族を含む。
【0308】
インクジェット印刷による本発明の逆相エマルジョンまたは分散液を堆積するための好ましい溶媒は、一以上の置換基により置換され、一以上の置換基中の合計数の炭素原子は少なくとも三つであるベンゼン環を有するベンゼン誘導体を含む。たとえば、ベンゼン誘導体は、プロピル基または三つのメチル基で置換されてよく、両方の場合、合計で三つの炭素原子が存在する。このような溶媒は、インクジェット流体がポリマーをもつ溶媒を含むように形成され、噴霧中のジェットの閉塞と組成物の分離とを妨げることを可能とする。溶媒は、以下の例のリストから選ばれ得る:ドデシルベンゼン、1-メチル-4-tert-ブチルベンゼン、ターピネオルリモネン、イソジュレン、ターピノレン、シメン、ジエチルベンゼン。溶媒は、溶媒混合物であってよく、すなわち、二以上の溶媒の組み合わせであり、夫々の溶媒は、好ましくは、>100℃、より好ましくは、>140℃の沸点を有する。このような溶媒は、堆積された層中のフィルム形成性を向上し、層中の欠陥を減ずることを可能とする。インクジェット流体(すなわち、本発明のエマルジョン)は、好ましくは、20℃で1〜100mPa.s、より好ましくは、1〜50mPa.s、最も好ましくは、1〜30mPa.sの粘度を有する。
【0309】
本発明の教示により調製される素子の層は、分散液中のナノ粒子またはエマルジョン中のナノ液滴の粒子関連構造に基づいて、特別な構造を有する。この特別なナノ構造は、翻って、対応する層の構造と層自身と全体としての素子の有利な光電子特性をすさまじく決定する。本発明は、本発明の調合物の使用により得ることのできる層および多層構造にも関する。本発明は、前記層を含む素子にも関する。好ましい素子は、本発明のどこかで概説される光電子素子である。
【0310】
本発明は、本発明の調合物の使用により得ることのできる素子にも関する。
【0311】
本発明のエマルジョンおよび分散液は、その物理的および化学的性質に関して適合することができ、したがって、任意の種類の素子に使用されてよい。電子および光電子素子の調製のための本発明の方法により得られる本発明のエマルジョンおよび分散液の使用は、本発明の主題でもある。
【0312】
好ましくは、本発明のエマルジョンおよび分散液は、光電子素子に使用されてよく、好ましくは、紫外、可視域または赤外部のスペクトルでの電磁気放射の吸収または放出は、発光素子、光センサーまたは発光取り入れ素子(光電池)等に、重要な役割を果たす。
【0313】
本発明の別の目的は、電子および光電子素子の調製のための本発明の層構造の調製のための方法の使用に関する。
【0314】
好ましいのは、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、ファイバーOLED、有機発光電子化学電池(OLEC)、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、有機太陽電池(OSC)、感光性染料太陽電池(DSSC)、有機レーザーダイオード(O-laser)、有機集積回路(O-IC)、無線周波数同定(RFID)タグ、光検査素子、センサー、論理回路、記憶要素、コンデンサー、電荷注入層、ショットキーダイオード、表面平坦化層、帯電防止フィルム、伝導性基板もしくはパターン、光伝導体、電子写真素子、有機発光トランジスタ(OLET)、有機スピントロニック素子および有機プラズモン発光素子(O-PED)から選ばれる電子および光電子素子での本発明のエマルジョンおよび/または分散液の使用である。
【0315】
本発明は、さらに、本発明の方法により得ることのできる電子および光電子素子に関する。好ましい素子は、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、ファイバーOLED、有機発光電子化学電池(OLEC)、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、有機太陽電池(OSC)、感光性染料太陽電池(DSSC)、有機レーザーダイオード(O-laser)、有機集積回路(O-IC)、無線周波数同定(RFID)タグ、光検査素子、センサー、論理回路、記憶要素、コンデンサー、電荷注入層、ショットキーダイオード、表面平坦化層、帯電防止フィルム、伝導性基板もしくはパターン、光伝導体、電子写真素子、有機発光トランジスタ(OLET)、有機スピントロニック素子および有機プラズモン発光素子(O-PED)から選ばれる。特に、好ましい素子は、OLEDおよびO-SCである。
【0316】
通常は、素子内に、同じ層か二個の隣接する層の何れかに、層間でのヘテロ接合か層中でのバルクヘテロ接合を生じる複数の有機機能性材料を有することが有利である(図1参照)。このようなヘテロ接合は、二個のクラスに分類することができる:型Iは、第1図の左側に図解されるように、一つの材料(材料A)のLUMOおよびHOMO準位が、第2の材料(材料B)のLUMO-HOMOエネルギーギャップ内にあり、型IIは、第1図の右側に図解されるように、最高HOMO状態と最低LUMO状態の間の最小エネルギー差は、ヘテロ接合の異なる側の準位間である。電子は、エネルギー的に最低のLUMO準位を占める傾向にあり、正孔は、エネルギー的に最高のHOMO準位を占める傾向にある。したがって、型Iのヘテロ接合においては、電子と正孔は、接合の同じ側に位置し、型IIのヘテロ接合においては、電子と正孔の両者は、接合の異なる側に位置する。しかしながら、有機機能性材料において、励起子束縛エネルギーは、通常0.5eV以上と仮定され、型IIのバンドオフセットは、ヘテロ接合での効率的な励起子解離を確保するために約0.5eVよりも必然的に大であり、特に、有機太陽電池に重要な論点である。
【0317】
好ましいのは、本発明のエマルジョンまたは分散液を使用することにより調製されるOLEDであり、前記エマルジョンまたは分散液は、上記概説したとおりの少なくとも一つのエマルジョンまたは分散液を含む。
【0318】
OLEDおよびO-SCで見出される典型的な層配列は、たとえば、以下のとおりである:
-随意に、第1の基板、
-アノード層、
-随意に、正孔注入層(HIL)、
-随意に、正孔輸送層(HTL)および/または電子障壁層(EBL)、
-電気的または光励起により励起子を発生する活性層、
-随意に、電子輸送層(ETL)および/または正孔障壁層(HBL)、
-随意に、電子注入層(EIL)、
-カソード層、
-随意に、第2の基板。
【0319】
所与の層構造の配列は、例示的なものである。他の配列が可能である。上記言及された素子での活性層に応じて、異なる光電子素子が得られるだろう。第1の好ましい具体例では、活性層は、アノードとカソード間に電圧を適用することにより電気的励起により励起子を発生し、励起子の放射減衰により、さらに、発光する。一般的に、これは発光素子と呼ばれる。別の好ましい具体例では、活性層は、光の吸収により励起子を発生し、光を吸収することにより励起子を生成し、さらに、励起子の解離により自由電荷担体を生じる。一般的に、これは電池または太陽電池と呼ばれる。
【0320】
ここで使用される用語中間層は、ポリマー発光ダイオード(PLED)中で正孔注入層(または、バッファー層)と発光層との間の層として定義され、電子障壁層であり、WO2004/084260 A2に定義されるとおりのものである。中間層を有するPLEDの典型的な素子構造は、図2に示される。しかしながら、この種の素子の有する一つの問題は、中間層は、通常、少なくとも部分的には、EML層を被覆するときに洗い流され、非常に、薄い層をもたらすことである。このプロセスは先行技術では十分に制御されない。図3に示されように、高い効率と寿命を達成するために、EML中で正孔と励起子のより良好な制限を得ることを目的として、PLED中でETLまたはHMBを使用することが、きわめて望ましい。
【0321】
別の好ましい具体例では、本発明の電子素子は、たとえば、WO2004/084260 A2に記載されるとおりの、溶液系OLED、特に、PLEDであり、以下の多層構造を有する:アノード/HIL/EML/カソードであり、ここで、二重層HIL/EMLは、少なくとも一つの分散液と上記に記載のとおりの多層構造のための方法を使用して製造される。
【0322】
HILは、通常、HIMを含む透明伝導性ポリマー薄膜である。好ましいHIMは、上記に言及されるものである。発光材料は、さらに、二以上の異なるエミッター、たとえば、異なる型の二個のエミッターおよび/または異なる色で発光するエミッターのブレンドまたは混合物を含んでもよい。したがって、本発明の素子は、白色を提供し得る。
【0323】
上記に言及したさらなる電子素子の素子構造は、当業者には明らかである。しかしながら、明確さのために、参照が、いくつかの詳細な素子構造になされる。
【0324】
有機プラズモン発光素子は、好ましくは、Koller et al., Nature Photonics (2008), 2, 684-687で報告された素子を参照する。OPEDは、少なくとも一つのアノードとカソードが、発光層からの表面プラズモンとカップルするべきであることを除いて、上記に記載のとおりのOLEDに非常に、類似している。ここで、OLEDは、エマルジョンまたは分散液とここで記載のとおりの方法を使用することにより調製される。
【0325】
一つの好ましい有機スピントロニック素子は、たとえば、Z.H. Xiong et al., in Nature 2004, Vol. 427, 821に報告されるとおりのスピン-バルブ素子であり、二個のフェロ磁性電極と二個のフェロ磁性電極の間の有機層を含む。フェロ磁性電極は、Co、Ni、Feまたはそれらの合金、またはReMnOもしくはCrOから成り、ここで、Reは希土類元素である。少なくとも一つの有機層は、本発明のエマルジョンまたは分散液から被覆されることが好ましい。
【0326】
有機発光電子化学電池(OLEC)は、最初、Pei & Heeger in Science (1995), 269, 1086-1088により報告されたとおりに、間に二個の電極と電極と蛍光種の混合物もしくはブレンドを含む。ここで、OLECは、上記に記載のとおりの本発明のエマルジョンまたは分散液を使用して調製されることが好ましい。
【0327】
染料感光性太陽電池(DSSC)は、配列中に、最初に、O’Regan & Groetzel in Nature (1991), 353, 737-740により報告されたとおりに、電極/染料感光性多孔TiO薄膜/電解質/カウンター電極を含む。液体電解質は、Nature (1998), 395, 583-585に報告されたとおりに、固体正孔輸送層により置き代えることができる。
【0328】
ここに記載のとおりの素子の調製のための方法により得られる層構造は、明らかに、他の層とは区別される。これらの層の構造は、層と素子の有利な光電子特性をもたらす。したがって、本発明は、本発明のナノ粒子を含む素子にも関する。
【0329】
本発明の調合物(分散液、エマルジョン)、それらを含む素子、前記調合物を使用して得ることのできる素子は、任意の種類の光源のために使用することができ、限定するものではないが、照明および表示用途を含む。光源は、多くの治療用途、化粧品用途、予防および診断用途で重要な役割をも果たす。これらの用途のいくつかでは、光源の機能は、取り扱われる表示装置もしくは対象を照らすことだけに向けられる。他の場合に、光の有利な効果は、ヒトや動物が取り扱われるときに活用される。したがって、本発明の調合物、すなわち、エマルジョンおよび/分散液の両者は、治療すべき疾病および/または化粧コンディションの処置、予防および、または診断のために使用することができる。これは、任意の種類の光治療、光力学治療および光治療と薬等の光を使用しない治療との組み合わせ(今後は共通して、光治療もしくは光処置という)を包含する。多くの光処置は、皮膚、創傷、粘膜、眼、毛髪、爪、爪床、歯肉および舌等の処置すべき客体の外側に向けられるが、光処置は、処置するべき客体の内側、たとえば、肺、血管、胸および他の対象器官を処置するために、対象の内側に適用することもできる。
【0330】
これらの疾患および/または病状は、たとえば、皮膚老化等の皮膚疾患および/または皮膚関連病状、皮下脂肪、毛穴拡大症、油状皮膚症、毛包炎、がん状態の日焼け角化症、皮膚障害、老化、しわおよび日焼け損傷皮膚、目じりのしわ、皮膚潰瘍(糖尿病、圧迫、静脈うっ血)、酒さによる病変、セルライト;皮脂腺及び周囲組織のフォトモジュレーション;皺とニキビ跡およびニキビ菌の減少、炎症、痛み、外傷、心理及び神経関連の病気および状態、浮腫、パジェット病、原腫瘍および転移性腫瘍、結合組織病、哺乳類組織におけるコラーゲン、線維芽細胞及び繊維芽細胞由来の細胞レベルの操作、網膜と新生物と新生血管および異常肥大病の照射、炎症及びアレルギー反応、発汗、エクリン(汗)またはアポクリン汗腺からの発汗及び多汗、黄疸、白斑、眼の新生血管病、多食症、ヘルペス、季節性情動障害、心的状態、睡眠障害、皮膚癌、クリーグラー・ナジャー、アトピー性皮膚炎、糖尿病性皮膚潰瘍、床擦れ、膀胱感染症、筋肉痛の緩和、痛み、関節の硬直、バクテリアの減少、消毒、液体の消毒、水等の飲料の消毒、栄養物の消毒、歯肉炎、歯のホワイトニング、歯および口内組織の治療、創傷治癒を含む。
【0331】
前記調合物、それらを含む素子、本発明の調合物の使用により得ることができる素子は、200〜1000nm、好ましくは、300〜1000nm、特に、好ましくは、300〜950nm、非常に、特に、好ましくは、400〜900nmの範囲で発光する少なくとも一つの有機エレクトロルミネセンス化合物を含む。
【0332】
本発明の前記具体例の変形が本発明の範囲になお入るようになされることができることが認められるだろう。本明細書に開示された各特長は、特に断らなければ、同じ、等価か類似する目的に役立つ代替特徴により置き代えられてよい。したがって、特に断らなければ、開示された各特長は、等価か類似する一連の特長の一つの例にすぎない。
【0333】
本明細書に開示されたすべての特長は、少なくともいくつかのこのような特徴および/または工程は相互に排除する組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての面に適用することができ、任意の組み合わせが使用されてよい。同様に、非本質的な組み合わせで開示された特徴が、(組み合わせではなく)別に使用されてよい。
【0334】
上記に記載のとおりの多くの特徴、特に、好ましい具体例は、それ固有の権利で発明性があり、本発明の具体例の部分としてだけではないと認識されるだろう。現在クレームされた任意の発明に加えてまたその代替として、独立した保護が、これらの特徴のために追及されてよい。ここで、記載のとおりの教示が、開示された他の例と抽象化され組み合わせることができる。
【0335】
本発明の他の特徴は、以下の具体例の記載と図面から明らかとなるであろうが、それらは、本発明の例示であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0336】
【図1】図1は、I型およびII型ヘテロ接合の軌道エネルギースキーマを示す。
【図2】図2は、カソード、EML(発光層)、中間層、HIL(正孔注入層)およびITO(アノード)を含むOLDEの典型的な層構造を示す。
【図3】図3は、カソード、ETL(電子輸送層)、EML(発光層)、中間層、HIL(正孔注入層)およびITO(アノード)を含むOLDEの典型的な層構造を示す。
【図4】図4は、SM1のPL(フォトルミネッセンス)スペクトルと重ねたSM3の吸収スペクトルであり、両者とも一重項エミッターである。さらに、SM3のPLスペクトルが示される。
【図5】図5は、三重項エミッターTEG1とTER1の吸収スペクトルとTEG1のPLを示す。
【0337】
例:
例1
材料
以下のポリマーIL1は、スズキカップリングを使用して合成することができる。反応は、当業者によく知られた方法で実行することができる。方法は、たとえば、WO2003/048225に記載されている。
【0338】
ポリマーIL1は、中間層として使用され、以下のモノマーを示されたモル%で含むコポリマーである。
【化23】

【0339】
得られたポリマーの分子量(MW)は、200.000〜300.000g/molである。
【0340】
発光ポリマーLEP1(ポリ(2,5-ビス(3-スルホナートプロポキシ)-1,4-フェニレン、二ナトリウム塩-alt-1,4-フェニレン))およびLEP2(ポリ{[2,5-ビス(2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ)-1,4-フェニレン]-alt1,4-フェニレン})は、Sigma Aldrichから購入することができる。ポリマーは水溶性であり、一重項青色および一重項緑色エミッターのためのホストポリマーとして使用することができ、以下の構造を有する。
【0341】
以下の低分子は、機能性材料として使用される。SM1は、青色エミッターであり、SM1は、ホスト材料であり、SM3は、一重項緑色エミッターであり、TER1は、三重項赤色エミッターであり、TEG1は、三重項緑色エミッターであり、HTM1は、正孔輸送材料である。SM1は、WO2008/006449A1により合成することができ、SM1は、JP3148176 B2により、SM3は、WO2008/006449 A1に記載される方法により合成することができる。これらすべての材料は、トルエン中に十分に溶解することができる。
【化24】

【0342】
TMM1は、燐光エミッターのための水溶性マトリックスである。マトリックスは、三重項緑色エミッターに適している。TMM1は、2.92eV(時間依存性DFTにより計算)の三重項準位と以下の構造を有する。
【化25】

【0343】
以下のペリレンジミド(PDI)は、Sigma Aldrichから購入することができ、染料として使用される。
【化26】

【0344】
PCBM([6,6]-フェニル C61 酪酸メチルエステル)は、電子受容体であり、Sigma Aldrichから購入することができる。
【化27】

【0345】
例2
ミニエマルジョン/分散液の調製
表1にカバーされるエマルジョンは、本発明の例示的な具体例として調製される。表1は、エマルジョンの調製のために使用することができる溶液1および2の組成を示す。組成物1は、水に所与の濃度で溶解された第1の機能性材料である。組成物2は、第2の機能性材料である。重量比は、機能性材料の合計量に関連する。組成物2は、トルエン中に溶解する。表1のいくつかの場合で、界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が使用される。
【0346】
エマルジョンは、以下の工程により調製される:
a)表1の1〜18の水中のエマルジョンの調製のために、水中に組成物1を含む溶液Iを調製する。エマルジョン1〜3と13〜21と13〜21のために溶液Iに界面活性剤としてSDSが添加され、水に対するSDSの比は、0.04g:10gである。
【0347】
b)1〜18のエマルジョンの調製のためトルエン中に組成物2含む溶液IIを調製するが、機能性材料の比と濃度は表1に示される。
【0348】
c)溶液Iと対応する溶液IIを混合し(重量比4:1)、高速度で1時間、磁気撹拌機により撹拌する。
【0349】
d)工程c)の混合物は、次いで、超音波素子(Banson sonifier 450 W, 1/2-inch tip, 90% amplitud)を使用して乳化される。
【0350】
e)工程d)のエマルジョンは、閉じられた瓶栓をもつエマルジョンの安定性を証明するために少なくとも3時間観察される。
【0351】
表1−異なる組成を有するエマルジョン
【表1】

【0352】
一般的に、きわめて純粋な材料が、電子および光電子素子に必要とされる、したがって、界面活性剤等の添加剤の濃度は、可能な限り低く考慮される。しかしながら、したがって、二群のエマルジョンが調製された;一群(エマルジョン13〜21)はSDSを有し、他方は(エマルジョン4〜12)はSDSを有さない。
【0353】
上記に言及したエマルジョンの安定性が、視察により調査される。安定なエマルジョンまたは分散液は、特定時間内で相分離と沈殿物を示さないと想定される。ここで、安定性は、4時間に対して分析された。表1にカバーされたエマルジョンは、すべて、少なくとも4時間安定であった。さらに、界面活性剤を含むエマルジョン(すなわち、エマルジョン1〜3とエマルジョン13〜21)の安定性は、24時間調査される。相分離も沈殿物も観察されない。
【0354】
エマルジョンが入手できれば、対応する分散液は、当業者によく知られる方法を使用して調製することができる。たとえば、表1のエマルジョン4〜12を基礎とする分散液は、以下のとおりに調製することができる。調製されたばかりのエマルジョン4〜12中のナノ液滴のトルエンは、開栓を保ちエマルジョンを撹拌することにより、3時間以内に蒸発により除去される。水中の組成物1を含む溶液Iに分散された組成物2を含むナノ液滴の分散液が、得られる。
【0355】
ナノ粒子の直径とその分布は、動的光散乱法(Zeta Nanosizer (Malvern Instruments, UK)により、当業者に知られた標準的方法を使用して測定される。分散液4〜12は、55〜80nmの範囲の平均直径を有する。
【0356】
例3
フォトルミネセンススペクトル
本発明の、特に、好ましい具体例では、二個のエミッターが、不連続相またはエマルジョンもしくは分散液のナノ液滴夫々中に存在する。一方のエミッターのフェルスターエネルギー移送吸収スペクトルの利益を取るために、他方のエミッターのフォトルミネッセンススペクトルと重ねる必要がある。エミッターのフォトルミネッセンス(PL)スペクトルは、当業者によく知られる標準的技術により測定することができる。
【0357】
図4は、SM1のPLスペクトルと重なるSM3の吸収スペクトルを示す。さらに、SM3のPLスペクトルが示される。
【0358】
図5は、三重項エミッターTEG1とTER1に対する対応するスペクトルを示す。TER1の吸収スペクトルとTEG1のPLスペクトルは重複する。
【0359】
例4
OLED4、OLED5およびOLED6
OLED4、OLED5およびOLED6は、夫々、分散液4、5および6を使用して調製される。三個のOLEDは、蛍光エミッターを含む図3に概説される一般的構造を有する素子であり、以下の手順で調製される。
【0360】
a)ITO被覆ガラス基板上にスピンコーティングにより80nmのPEDOT(Baytron P AI 4083)を堆積し、次いで、180℃で10分間加熱して、残留水を除く;
b)グローブボックス中で、0.5%wt/lの濃度を有するIL1のトルエン溶液からスピンコーティングにより80nmの中間層を堆積する;
c)グローブボックス中で、180℃で1時間IL1層を加熱する;
d)対応する分散液中に20重量%のイソプロパノールを添加し、完全に撹拌する;
e)分散液からスピンコーティングにより60〜80nmの厚さの薄いフィルムへのEMLの堆積;
f)グローブボックス中で、120℃で30分間素子を加熱して、残留水を除く;
g)発光層上への真空熱蒸発によるBa/Alを含むカソード(3nm/150nm厚さ)の堆積;
h)当業者に知られる標準的技術と標準的材料を使用することによる素子の封入。
【0361】
例5
OLED8、OLED9およびOLED10
OLED8、OLED9およびOLED10が夫々、分散液6、9および10を使用して調製される。三個のOLEDは、燐光エミッターを含む図3に概説される一般的構造を有する素子であり、例4に概説される手順で調製される。
【0362】
例6
OLEDの特性決定
例4と5に概説されるOLED4〜6とOLED8〜10が、当業者によく知られる標準的方法を使用して、種々の物理的性質に関して調査される。記録された特性は、電圧-電流-ルミネッセンス(VIL)特性、エレクトロルミネッセンス(EL)スペクトル、色座標(CIE)、効率と駆動電圧である。
【0363】
OLED4〜6の性能が表2に要約され、ここで、U(1000)は、1000nit(1nit=1cd/m)での電圧であり、LT DCは、駆動モードでの寿命である。外部量子効率は、EQEと略称される。
【0364】
表2−OLED4〜6の@1knitでの性能の要約
【表2】

【0365】
表2中のデータは、本発明による分散液を使用することによる蛍光OLED中の二重ドーピングが、OLEDの性能を顕著に改善することを示す。SM3だけがエミッターとして使用されるOLED5と比べると、SM1とSM2の両者を使用するOLED6は、約2倍のより良好な効率を得る(cd/A、lm/WおよびEQEの両者において)。より低下した駆動電圧も観察される。
【0366】
表3−OLED8〜10の性能の要約
【表3】

【0367】
表3中のデータは、本発明による分散液を使用することによる燐光OLED中の二重ドーピングが、蛍光エミッターを含むOLEDに比べて、OLEDの性能を顕著に改善することを示す。Uonは、ターン-オン電圧である。TER1だけが燐光エミッターとして使用されるOLED9と比べると、TEG1とTEG2の両者を使用するOLED10は、非常に良好な効率(cd/A、lm/WおよびEQEの両者において)と非常により低下した駆動電圧をも得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの連続相と少なくとも一つの不連続相とを含む調合物であって、少なくとも一つの連続相は、少なくとも一つの第1の機能性材料を含み、ここで、少なくとも一つの不連続相は、少なくとも一つの第2の機能性材料を含み、ここで、第1および第2の機能性材料は、互いに独立して、正孔注入材料(HIM)、正孔輸送材料(HTM)、正孔障壁材料(HBM)、電子注入材料(EIM)、電子輸送材料(ETM)、電子障壁材料(EBM)、励起子障壁材料(ExBM)、ホスト材料、エミッター材料、金属錯体および染料から選ばれる、調合物。
【請求項2】
一つの連続相と一つの不連続相とを含むことを特徴とする、請求項1記載の調合物。
【請求項3】
少なくとも一つの連続相は、アントラセン、ベンズアントラセン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾール、ケトン、カルバゾール、トリアリールアミンおよびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一つのホスト材料を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の調合物。
【請求項4】
少なくとも一つの連続相は、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフィンオキシド、フェナジン、フェナントロリン、トリアリールボランおよびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一つの電子輸送材料を含むことを特徴とする、請求項1〜3何れか一項記載の調合物。
【請求項5】
少なくとも一つの連続相は、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニン、ポルフィリンおよびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一つの正孔輸送材料を含むことを特徴とする、請求項1〜4何れか一項記載の調合物。
【請求項6】
少なくとも一つの連続相は、蛍光エミッター材料および燐光エミッター材料から選ばれる少なくとも一つのエミッター材料を含むことを特徴とする、請求項1〜5何れか一項記載の調合物。
【請求項7】
少なくとも一つの不連続相は、少なくとも一つのエミッター材料を含むことを特徴とする、請求項1〜6何れか一項記載の調合物。
【請求項8】
少なくとも一つの不連続相は、蛍光エミッター材料および燐光エミッター材料から選ばれる少なくとも一つのエミッター材料を含むことを特徴とする、請求項1〜7何れか一項記載の調合物。
【請求項9】
少なくとも一つの連続相は、アントラセン、ベンズアントラセン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾール、トリアリールアミンおよびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一つのホスト材料を含み、および少なくとも一つの不連続相は、少なくとも一つの蛍光エミッター材料を含むことを特徴とする、請求項1〜8何れか一項記載の調合物。
【請求項10】
少なくとも一つの不連続相は、二個の蛍光エミッター材料を含むことを特徴とする、請求項1〜9何れか一項記載の調合物。
【請求項11】
少なくとも一つの不連続相は、一個の蛍光エミッター材料を含むことを特徴とする、請求項1〜10何れか一項記載の調合物。
【請求項12】
少なくとも一つの連続相は、ケトン、カルバゾール、トリアリールアミン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾールおよびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一つのホスト材料を含み、および少なくとも一つの不連続相は、少なくとも一つの燐光エミッター材料を含むことを特徴とする、請求項1〜11何れか一項記載の調合物。
【請求項13】
少なくとも一つの不連続相は、二個の燐光エミッター材料を含むことを特徴とする、請求項1〜12何れか一項記載の調合物。
【請求項14】
少なくとも一つの不連続相は、一個の燐光エミッター材料を含むことを特徴とする、請求項1〜13何れか一項記載の調合物。
【請求項15】
少なくとも一つの不連続相は、遷移金属、希土類、ランタノイドおよびアクチニドから選ばれる少なくとも一つの金属錯体を含むことを特徴とする、請求項1〜14何れか一項記載の調合物。
【請求項16】
少なくとも一つの不連続相は、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニン、ポルフィリンおよびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一つの正孔輸送材料を含むことを特徴とする、請求項1〜15何れか一項記載の調合物。
【請求項17】
少なくとも一つの不連続相は、ペリレン、ペリレン誘導体、ルテニウム染料、フタロシアニン、フタロシアニン誘導体、アゾ化合物、ペリレンジイミド、ペリレンジイミド誘導体、ポルフィリン、ポルフィリン誘導体およびスクアレン化合物から選ばれる少なくとも一つの染料を含むことを特徴とする、請求項1〜16何れか一項記載の調合物。
【請求項18】
少なくとも一つのフラーレンもしくはその誘導体を含み、好ましくは、少なくとも一つの不連続相が、前記フラーレンを含むことを特徴とする、請求項1〜17何れか一項記載の調合物。
【請求項19】
以下の工程を含む請求項1〜18何れか一項記載の調合物の製造方法:
(a)少なくとも一つの第1の溶媒中に前記少なくとも一つの第1の機能性材料を含み、随意に、少なくとも一つの界面活性剤を含む第1の溶液を調製すること、
(b)少なくとも一つの第2の溶媒中に前記少なくとも一つの第2の機能性材料を含む第2の溶液を調製すること、
(c)工程(a)で得られた第1の溶液と工程(b)で得られた第2の溶液を特定の比で混合すること、
(d)工程(c)で得られた混合物から物理的方法により調合物を生成すること。
【請求項20】
請求項19の方法により得られた調合物の少なくとも一つの不連続相の溶媒が、除去され、調合物自体中に界面活性剤が存在するならば、少なくとも一部が除去されることを特徴とする、請求項1〜18何れか一項記載の調合物の製造方法。
【請求項21】
(a)第1の層を基板上に適用すること、
(b)請求項1〜18何れか一項記載の調合物を被覆することにより、第2の層を第1の層上に適用すること、
を含む層構造の製造方法であって、
第1の層は不溶性であるか、限定された溶解度、好ましくは、前記調合物の連続層の溶媒中の作業温度で、0.4重量%未満の溶解度を有することを特徴とする製造方法。
【請求項22】
(a)請求項1〜18何れか一項記載の調合物を被覆することにより、第1の層を基板上に適用すること、
(b)請求項1〜18何れか一項記載の追加的溶液または別のエマルジョンあるいは分散液から第1の層に第2の層を適用すること
を含む層構造の製造方法であって、
第1の層中の機能性材料は、不溶性であるか、追加的溶液の溶媒中または調合物の連続層の溶媒中の作業温度で、≦0.4重量%の限定された溶解度を有することを特徴とする製造方法。
【請求項23】
少なくとも一つの添加剤が、調合物に加えられることを特徴とする、請求項21または22記載の方法。
【請求項24】
請求項1〜18何れか一項記載の調合物の使用により得ることができる層。
【請求項25】
請求項1〜18何れか一項記載の調合物の電子および光電子素子の製造のための使用。
【請求項26】
請求項21〜23何れか一項記載の方法の電子および光電子素子の製造のための使用。
【請求項27】
電子素子は、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、ファイバーOLED、有機発光電子化学電池(OLEC)、有機電界効果トランジスタ(OFET)、薄膜トランジスタ(TFT)、有機太陽電池(OSC)、感光性染料太陽電池(DSSC)、有機レーザーダイオード(O-laser)、有機集積回路(O-IC)、無線周波数同定(RFID)タグ、光学検査素子、センサー、論理回路、記憶要素、コンデンサー、電荷注入層、ショットキーダイオード、表面平坦化層、帯電防止フィルム、伝導性基板もしくはパターン、光伝導体、電子写真素子、有機発光トランジスタ(OLET)、有機スピントロニック素子および有機プラズモン発光素子(O-PED)から選ばれることを特徴とする、請求項25または26記載の使用。
【請求項28】
請求項21〜23何れか一項記載の方法により得られる電子または光電子素子。
【請求項29】
請求項24記載の層を含む電子または光電子素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−515361(P2013−515361A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545115(P2012−545115)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007116
【国際公開番号】WO2011/076323
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】