説明

機能性組成物およびこの組成物を含有する医薬又は健康食品

【課題】嗜好の高級化あるいは美観に劣るということで廃棄される規格外品、完熟品、さらには加工副産物などや、食されず多くは廃棄される柿の果皮から有効成分を取出し、それらを有効利用することを目的とする。
【解決手段】 細断又は粉砕した柿の果実および/または果皮を、酢酸が存在する水性液中に均一分散した後、固液分離して固体物および液状物を得、得られた固体物および液状物にさらにアルコールを添加して固液分離し、アルコール可溶分からなる機能性組成物を取得する。さらに、前記アルコール可溶分に酢酸エチルを添加し、酢酸エチルに不溶な成分を除去すること、さらには、遠赤外線を照射した柿を用いることによって、医薬や健康食品の原料として利用される、機能性に優れた組成物を取得し、柿、特に廃棄処分されていた柿に新しい用途を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、柿の果実および/またはその果皮から抽出される、抗酸化活性、ラジカル捕捉活性および酵素阻害作用を有する機能性組成物に関するものであって、植物からの有効成分抽出技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本人に昔から親しまれている柿は、生の果実として、あるいは干し柿として、その甘みの故に、大量に消費されてきているものである。
この柿は、ビタミンCおよびカロチンを含み、多くの生理機能、例えば、皮膚内側の細胞組織の健全化、毛細血管の再生、細菌に対する抵抗力の強化、赤血球の再生、血圧の調節等に有効で、血管関連疾病(動脈硬化、高血圧、心臓病)の予防と治療に有効とされている。
さらには、抗酸化能力を有し、発癌物質から細胞を守る効果を有しているとされているものである。
【0003】
したがって、前記した柿の特性を有効利用する観点から、柿の成分を取出して、積極的にかつ有効に利用しようとする提案が多くなされている。
【0004】
例えば、特開2005−89386号公報(特許文献1)においては、極性の低い溶媒から極性の高い溶媒を段階的に使用して、柿の果実の表皮から、抗酸化活性を有する活性酸素消去剤が得られることが報告されている。
【0005】
また、特表2002−528560公報(特許文献2)においては、柿などの天然素材から得られた抽出物には、天然フラボノイドおよび/または天然フェノールおよび/またはポリフェノール系化合物などが存在し、酸化防止効果、すなわち抗酸化活性や耐熱性に優れ、プラスチック材料の安定剤として用いられることが提案されている。
【0006】
さらに、特開2004−331528号公報(特許文献3)では、カロテノイドの1種であって、抗発癌プロモータ機能、過剰な活性酸素の消去機能等を有し、細胞内での情報伝達にも関与する抗癌性物質と知られているβ−クリプトキサンチンを、柿などの果実や果皮から有機溶媒により抽出取得できることが報告されている。
【0007】
また、このβ−クリプトキサンチンを含有する組成物を、皮膚外用剤、化粧料、浴用剤や洗剤などに用いられる美肌用組成物とすることが、特開2008−297215号公報(特許文献4)に提案されている。
【0008】
一方、特開2008−301801号公報(特許文献5)においては、収穫後の脱渋されていない渋柿に、70〜90℃の温・熱風を24〜48時間当てて加熱乾燥・除菌殺菌することによって、他の乾燥果実と比べ著しく高いポリフェノール含量およびラジカル捕捉活性(抗酸化力)を有する皮付き、又は剥皮乾燥脱渋柿が得られることが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005− 89386号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特表2002−528560号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開2004−331528号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】特開2008−297215号公報(特許請求の範囲,段落0001)
【特許文献5】特開2008−301801号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、柿は多くの機能を有し、それらの機能を発揮する成分を含んでいるにもかかわらず、嗜好の高級化あるいは美観に劣るということで廃棄されている。
かかる現状に鑑み、発明者等は、規格外品、完熟品、さらには加工副産物など、さらには食されず、その殆どが捨てられる果皮を、産業廃棄物とすることなく、有効利用するため、鋭意研究の結果、精白ハトムギ粉末やタデから機能性組成物を作出する際に用いた、酢酸による抽出処理が、柿の有効成分の抽出にも有効であることを見出し、柿から新規な機能を有する成分を抽出し、さらに、それらを健康食品や医薬の原料としてより効率的に用いるべく検討を行った。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、この発明の請求項1に記載の機能性組成物は、
細断又は粉砕した柿の果実又は柿の果皮を、酢酸が存在する水性液中に均一分散させたのち、固液分離して固体物および液状物を取得し、
得た固体物および液状物にそれぞれアルコールを加え、さらに固液分離して取得したアルコール可溶分からなること
特徴とするものである。
【0012】
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の機能性組成物において、
前記均一分散が、
ホモジネート状態であること
を特徴とするものである。
【0013】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の機能性組成物において、
前記アルコール可溶分が、
さらに、酢酸エチルの添加によって、酢酸エチルに不溶な成分が除去されていること
を特徴とするものである。
【0014】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の機能性組成物において、
前記アルコールが、
メチルアルコール又はエチルアルコールであること
を特徴とするものである。
【0015】
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の機能性組成物において、
前記アルコールが、
50%濃度のエチルアルコールであること
を特徴とするものである。
【0016】
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載の機能性組成物において、
前記柿の果実又は果皮が、
遠赤外線処理の施されたものであること
を特徴とするものである。
【0017】
また、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項1〜6のいずれかに記載の機能性組成物において、
前記アルコール可溶分が、
抗酸化活性、ラジカル捕捉活性および酵素阻害作用を有すること
を特徴とする機能性組成物である。
【0018】
また、この発明の請求項8に記載の発明は、
請求項7に記載の機能性組成物において、
前記酵素阻害作用が、
α−グルコシターゼおよびリパーゼに対する阻害作用であること
を特徴とするものである。
【0019】
また、この発明の請求項9に記載の発明は、
請求項1〜8のいずれかに記載の機能性組成物を含有すること
を特徴とする医薬である。
【0020】
また、この発明の請求項10に記載の発明は、
請求項1〜8のいずれかに記載の機能性組成物を含有すること
を特徴とする健康食品である。
【発明の効果】
【0021】
この発明の機能性組成物は、以下のような優れた医学的効果を奏するもので、健康食品の素材として、また医薬の原料として、有効に利用されるものである。
1.抗酸化活性
2.ラジカル捕捉活性
3.α−グルコシターゼ阻害活性
4.リパーゼ阻害活性
【0022】
また、この発明の機能性組成物は、粉末状態でも、アルコール(エタノール)溶液としても使用することができるため、上記のような効果を発現させるために、健康食品や医薬として利用する際に、効率的にまた効果的に活用することを可能とするものである。
【0023】
また、この発明の機能性組成物によれば、廃棄されていた果実や果皮を含め、柿をさらに有効に活用することができる、産業廃棄物を減少させるという優れた効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】細断富有柿から抽出された酢酸不溶・アルコール可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図2】細断富有柿から抽出された酢酸可溶・アルコール可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図3】細断富有柿から抽出された酢酸可溶・アルコール可溶の、機能性組成物のゲルクロマトグラフィー溶出パターンを示す図である。
【図4】細断富有柿から抽出された酢酸可溶・アルコール可溶の、機能性組成物のゲルクロマトグラフィーによる分画物の特性測定結果を示す図である。
【図5】甘柿の果皮から抽出された酢酸不溶・アルコール可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図6】甘柿の果皮から抽出された酢酸可溶・アルコール可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図7】甘柿の果実から抽出された酢酸不溶・アルコール可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図8】甘柿の果実から抽出された酢酸・アルコール・酢酸エチル可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図9】渋柿の果皮から抽出された酢酸不溶・アルコール可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図10】渋柿の果皮から抽出された酢酸可溶・アルコール・酢酸エチル可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図11】渋柿の果実から抽出された酢酸不溶・アルコール可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図12】渋柿の果実から抽出された酢酸可溶・アルコール・酢酸エチル可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図13】遠赤外線照射処理の施された渋柿の果実から抽出された酢酸不溶・アルコール可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図14】遠赤外線照射処理の施された渋柿の果実から抽出された酢酸可溶・アルコール・酢酸エチル可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図15】遠赤外線照射処理の施された渋柿の果皮から抽出された酢酸不溶・アルコール可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【図16】遠赤外線照射処理の施された渋柿の果皮から抽出された酢酸可溶・アルコール・酢酸エチル可溶の、機能性組成物のHPLCのチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の機能性組成物は、柿の果実又は柿の果皮から分離・抽出されたものである。
使用する柿は、富有柿や次郎柿などの甘柿、八珍柿や西條柿などの渋柿のいずれでもよく、またそれらの果皮でもよい。
特に、この発明にとり好ましいのは、渋柿を干し柿にするために乾燥機として使用される遠赤外線乾燥器によって、遠赤外線照射処理の施された柿が好ましい。
前記遠赤外線乾燥器によって遠赤外線照射処理の施された柿からは、機能の著しく高められた組成物が得られる。
【0026】
柿の遠赤外線照射処理は、干し柿を作成する条件と同じである。
具体的には、遠赤外線を4〜7日間、照射された柿の温度が上昇しないように、乾燥空気を送りながら、照射により器内温度が50℃以上に上昇しないように行われる。
【0027】
使用する柿は、生の果実であっても、干し柿状態になったものでもよい。
また、冷凍保存しておいてものの解凍品などでもよく、細断ないし粉砕された状態で、この発明に使用される。
【0028】
この発明における機能性組成物の分離・抽出は、下記の工程で行なわれる。
まず、酢酸存在下の水性媒体中に、細断又は粉砕した柿の果実、もしくは柿の果皮を、均一に分散させ、特にはホモジネート状態とすることにより行われる。
用いられる酢酸としては、合成酢酸や醸造酢を濃縮した濃厚酢酸など90%濃度の酢酸を初めに用いる。
ついで、水により酢酸を希釈しながら均一分散ないしホモジネートするのが好ましく、最終的に、均一分散状態における酢酸濃度を4.5%程度とするのが好ましい。
【0029】
柿の果実および/または柿の果皮を、酢酸存在下の水性媒体中に均一分散ないしホモジネートするのは、酢酸水溶液による、有効組成物の分離・抽出のためである。
その際の条件としては、温度10〜50℃で0.5〜2時間で、攪拌しながら行うことが好ましく、それにより、目的とする抽出物が得られる。
【0030】
このようにして均一分散ないしホモジネートされたものは、この発明の組成物を含め種々の成分からなる混合物であって、液状物と固形物からなるものである。
【0031】
この発明においては、これら液状物と固形物とを遠心分離により分別したのち、得た液状物,固形物それぞれから、メチルアルコール又はエチルアルコールなどのアルコール、好ましくはエチルアルコール可溶分、より好ましくは50%エチルアルコール可溶分を抽出分離し、この発明の機能性組成物とするものである。
【0032】
アルコールによる可溶分の抽出・分離、さらには、そこから酢酸エチルに不溶な成分を分離除去の条件は、上記と同様に、温度10〜50℃で0.5〜2時間である。
【0033】
上記の方法によって柿の果実および/または柿の果皮から得られた組成物について、高速液体クロマトグラフィーのチャート図を求めるとともに、下記の方法により、その特性を測定した。
【0034】
<抗酸化活性の測定方法>
上記で得られた各組成物の抗酸化活性を、リノ−ル酸の酸化物がβ−カロチンを退色させる作用を利用したMillerらの方法に準じ、以下の方法で測定した。
試料を分注した分光光度計用試験管セルに、リノ−ル酸−β−カロチン溶液を加えて攪拌し、温度50℃の恒温槽で、20分間反応させた場合のβ−カロチンの退色度を470nmの吸光度によって求め、合成抗酸化剤ブチルヒドロキシアニソール(BHA)による吸光度の減少量を測定し、試料と同じ減少量を与えるBHAの濃度によって、試料の抗酸化活性を表した。
【0035】
<ラジカル捕捉活性測定法>
試料溶液に、等量のDPPH(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル)溶液、MES緩衝液、20%エタノールを加え、室温で20分間反応させた後、520nmでの吸光度を測定した。
その活性は、同様にして行ったアスコルビン酸(AsA)で、DPPHラジカル捕捉活性の検量線を作成し、試料g当たりのラジカル捕捉活性を、AsA当量(μmol/g又はmmol/g)で表した。
【0036】
<酵素阻害活性測定方法>
試薬溶液50μl又は25μlに、小腸α−グルコシダーゼ溶液又は膵リパーゼ溶液25μlを加え、温度37℃で10分間インキュベートしたのち、4−メチルウンベリフェロンのα−D−グルコース又はオレイン酸エステル(基質)溶液25μl又は50μlを添加してインキュベートした。
0.2モル濃度のNaCO3 溶液又は0.1モル濃度のクエン酸緩衝液(pH4.2)を加えて反応を停止したのち、生成した4−メチルウンベリフェロンの蛍光度を450nmで測定して阻害率を算出した。
【実施例1】
【0037】
富有柿を水洗し、ヘタと種を除去して細断して得た細断柿実1kgに、90%酢酸250mlを加え、水を加えながらホモゲナイズし、4lのホモジネートを得た。
さらに、このホモジネートを30分間攪拌したのち、遠心分離(8,000rpm×10分)して、沈殿物(固形物)と上清液(液状物)に分離した。
350gの沈殿物に、沈殿物中の水分を考慮してエタノール300mlと50%エタノールを加え、均一に分散させ30分間攪拌し、再度遠心分離を行ない、得られた上清液を減圧濃縮して、11.45gの抽出物(機能性組成物1a)を得た。
【0038】
一方、前記ホモジネートされた上清液は、500mlまで減圧濃縮し、攪拌しながらエタノール500mlを加え、析出した沈殿を遠心分離で除去し、減圧濃縮により137.2g(150ml)の抽出物(機能性組成物2a)を得た。
【0039】
得られた機能性組成物1aのHPLCのチャートは、図1に示される通りである。
その抗酸化活性は、BHA相当量で3.24mg/g、DPPHラジカル捕捉活性は、AsA相当量で212μmol/gであった。
【0040】
同じく機能性組成物2aのHPLCのチャートは、図2に示される通りである。
この機能性組成物2mlを、Bio GelP−10カラム(2×27.5cm)に供し、1%酢酸水溶液で展開したときの溶出パターンは図3に示される通りであった。
図3に示される画分5(収量5.3mg)、画分6(収量1.3mg)、画分7(収量0.8mg)、画分8(収量3.7mg)、画分9(収量0.7mg)および画分10(収量1.2mg)の抗酸化活性およびDPPHラジカル捕捉活性は図4の通りであった。
【実施例2】
【0041】
凍結乾燥した甘柿2個を少し温めたのち、包丁で剥いた皮62.5gを用いた以外は、実施例1と同様に操作して、沈殿物からの50%エタノールに可溶成分としての機能性組成物1bと、上清液からの50%エタノールに可溶成分としての機能性組成物2bを、それぞれ収率0.556%、15.44%で得た。
前記機能性組成物1b,機能性組成物2bのHPLCのチャートは、図5、図6に示される通りである。
抗酸化活性およびDPPHラジカル捕捉活性は、それぞれBHA相当量で19.2と18・9mg/g、およびAsA相当量で3176と283μmol/gであった。
【実施例3】
【0042】
皮、種、ヘタを除去して細断した富有柿461gを用いた以外は、実施例1と同様に操作して、沈殿物からの50%エタノールに可溶成分としての機能性組成物3aと、上清液からの50%エタノールに可溶成分としての機能性組成物3bを、それぞれ40mlのアルコール溶液、75mlの水溶液として得た。
【0043】
前記機能性組成物3b(75ml)のうち15mlを、約8mlの酢酸エチルを用いて4回抽出を行ない、それらを合わせて減圧濃縮して、酢酸エチルにより抽出して、酢酸エチル不溶分を除いた1.4mgの機能性組成物3cを得た。
【0044】
前記機能性組成物3aおよび3cのHPLCのチャートは、図7,図8に示される通りで、機能性組成物3aと機能性組成物3cの特性は、表1に示される通りである。
【実施例4】
【0045】
下記の試料を用いた以外は、実施例3と同様に操作して、沈殿物からの50%エタノールに可溶成分としての機能性組成物と、上清液からの50%エタノールに可溶成分から酢酸エチル不溶分を除いた機能性組成物を得た。
試料1:渋柿の粉砕生皮
試料2:渋柿果実細断物
試料3:遠赤外線照射渋柿果実細断物
試料4:遠赤外線照射渋柿果皮粉砕物
抗酸化活性およびDPPHラジカル捕捉活性は、
なお、遠赤外線照射は、遠赤外線乾燥器で器内の温度が50℃以下に保持されるように乾燥空気を流通させながら、120時間照射したものである。
【0046】
前記試料1から得られた機能性組成物を、機能性組成物4aと機能性組成物4cとし、
同様に試料2から得られたものを、機能性組成物5aと機能性組成物5c、
試料3から得られたものを、機能性組成物6aと機能性組成物6c、
試料4から得られたものを、機能性組成物7aと機能性組成物7c
とした。
それぞれのHPLCのチャートは、図9〜図16に示される通りで、機能性組成物の収量と特性は、表1に示される通りである。
【0047】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0048】
この発明の機能性組成物は、前記のような優れた特性を有し、かつ粉末ないし酢酸、又はエタノールの無毒の溶媒溶液として供給可能なため、健康食品産業や医薬業界で広く利用される可能性の高いものである。
【符号の説明】
【0049】
なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細断又は粉砕した柿の果実又は柿の果皮を、酢酸が存在する水性液中に均一分散させたのち、固液分離して固体物および液状物を取得し、
得た固体物および液状物にそれぞれアルコールを加え、さらに固液分離して取得したアルコール可溶分からなること
特徴とする機能性組成物。
【請求項2】
前記均一分散が、
ホモジネート状態であること
を特徴とする請求項1に記載の機能性組成物。
【請求項3】
前記アルコール可溶分が、
さらに、酢酸エチルの添加によって、酢酸エチルに不溶な成分が除去されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の機能性組成物。
【請求項4】
前記アルコールが、
メチルアルコール又はエチルアルコールであること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機能性組成物。
【請求項5】
前記アルコールが、
50%濃度のエチルアルコールであること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機能性組成物。
【請求項6】
前記柿の果実又は果皮が、
遠赤外線処理の施されたものであること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の機能性組成物。
【請求項7】
前記アルコール可溶分が、
抗酸化活性、ラジカル捕捉活性および酵素阻害作用を有すること
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の機能性組成物。
【請求項8】
前記酵素阻害作用が、
α−グルコシターゼおよびリパーゼに対する阻害作用であること
を特徴とする請求項7に記載の機能性組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の機能性組成物を含有すること
を特徴とする医薬。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載の機能性組成物を含有すること
を特徴とする健康食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−184909(P2010−184909A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31302(P2009−31302)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(599035339)株式会社 レオロジー機能食品研究所 (16)
【Fターム(参考)】