説明

機能性複合材料

本発明は支持体(1)と機能性表面材料(2)とからなる機能性複合材料に関する。複合材料は、支持体が、下方境界(4)、上方境界(5)、下方境界と上方境界との間の架橋深さ(d)、および機能性表面材料に面する表面上の上方と下方境界との間を交互する物質境界(6)を備える構造化境界層(3)を有することを特徴とする。物質境界(6)は、特に間に空間(8)を介して支持体の表面の成形された断面(7)の連続的な配列として設計され、各成形された断面は架橋深さに等しい高さ(h)を有し、少なくとも1つの成形された断面および少なくとも1つの空間(8)が複数の架橋深さに相当する水平幅(b)内に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に係るキャリアと機能性表面材料とからなる機能性複合材料に関する。
【背景技術】
【0002】
機能性複合材料は広い技術応用範囲で用いられる。特に高い反応熱を伴う収着および触媒プロセスにおいてそれらの材料は重要である。さらに、機能性複合材料は、化学的および技術的装置の表面を活性な化学物質の影響を受けないようにし、残渣を防止するために、腐食および防汚保護の分野で用いられる。
【0003】
機能性複合材料は、キャリア材料、例えば金属材料、セラミック材料、またはガラス材料と、その表面に配置されて触媒、吸着剤、腐食および防汚保護物、絶縁体または電気的機能性層として働く機能性材料とからなる。
【0004】
従来の生成方法において、機能性材料は、成型体、特にペレットまたはコーティングの形態で、対応するキャリア材料上に適用される。多くの場合、キャリア材料の表面は機能性材料で完全には被覆またはコーティングされず、これによってキャリア表面上の機能性材料の機械的結合が不十分になり、キャリア材料とコーティングとの間の熱的接触が不十分になる。
【0005】
キャリア材料と機能性材料との間に比較的安定で直接的な表面−表面接触が得られ、キャリア表面が完全に被覆されるコーティング方法は、例えばin−situ結晶化、表面結晶化、および消耗性表面結晶化である。そこから得られる複合材料の機械的特性および2つの要素間での熱的結合は、実際に良好であるが、多くの使用条件に決して最適とはいえない。
【0006】
急速な温度変化の結果としてのキャリア材料とコーティングの異なる熱膨張は、通常、機能性コーティングの堅固性の問題と脱離を招く。それらの問題は特に温度制御プロセス、焼成、および吸着剤活性化において発生する。また、機能性材料のコーティングの厚さが増加すると、複合材の熱輸送が大きく制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の問題に基づいて、本発明は、前述の欠点および長期的な機能性の障害を回避することのできる機能性複合材料を提供することを目的とする。必要とされる複合材料は高い熱容量を有し、層が厚くなってもキャリア材料と機能性コーティングとの間の機械的接合は強い応力に耐えることができ、複合材における熱輸送は技術的に最適の値を有する。必要とされる複合材料は汎用性がなければならない。それらの複合材料を生成する方法ステップが提供されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は請求項1の特徴に係るキャリアと機能性表面材料とからなる機能性複合材料によって達成される。方法に関しては請求項16の特徴に係る複合材料の生成方法によって達成される。それぞれの従属請求項は複合材料およびそれに用いられる生成方法の有用かつ有利な実施形態を定義する。
【0009】
本発明によれば、キャリアと機能性表面材料との間の材料境界は平坦ではない。材料境界はむしろ境界層内で構造化されている。この境界層は架橋深さとして表わされる厚さを有する。それは機能性表面材料の方向では上方境界で定義され、キャリアの方向では下方境界で定義される。その結果、キャリアはそのそれぞれの表面上で機能性材料と連結する。このことは、キャリア表面に対する機能性表面材料の結合を強くし、2つの要素間に高い熱的接触をもたらす。したがって、キャリアと表面材料との間の熱的な接触抵抗が最少化される。
【0010】
詳細には、材料境界は、間に空間を有する連続的なプロファイルの配列としてキャリアの表面上に形成され、各プロファイルは架橋深さに等しい高さを有する。さらに、少なくとも1つのプロファイルおよび少なくとも1つの空間は、複数の架橋深さに相当する境界層の水平幅内に配置される。
【0011】
これはプロファイルの高さ、したがって、境界層の厚さまたはその架橋深さとプロファイルの幅との間に最適な整合性をそれぞれもたらし、これは複合材における最適な機械的安定性と良好な熱的接触を得るのに必要である。
【0012】
有利には、プロファイルは、構造化境界層の下方境界領域に第1プロファイル幅を有し、上方境界領域に第1プロファイル幅とは異なる第2プロファイル幅を有する。そのようにして得られるプロファイルの形状は、キャリアとコーティングとの間の熱的接触を改善し、複合材構造の安定性の強化に貢献することができる。
【0013】
有利な実施形態において、得られる材料境界は、構造化境界層の下方境界と上方境界に沿って架橋深さの少なくとも2倍に相当する水平幅で繰り返し伸びる。このようなプロファイルの幅と高さとの間の関係は熱的、化学的、および機械的な面で特に好ましいことが実証されている。
【0014】
有利には、交互する材料境界の長さは、キャリアの平面材料境界の長さの少なくとも1.1倍、好ましくは1.3〜2.5倍の寸法である。キャリアと機能性表面材料との間の結合、これによる接触表面の増加は熱的に有利であることが実証されている。架橋深さは5〜100pm、特に5〜60pmの範囲の値を有する。
【0015】
プロファイルは種々の形状を有することができる。第1の変形において、プロファイルは矩形、鳩尾状および/または波状形状を有する一連のウェブを形成する。矩形および波状形状は、表面材料とキャリアとの間の熱的接触の点で、またより容易な生成の点で有利であるが、鳩尾状形状は複合構造の機械的結合が非常に安定になる。
【0016】
また、プロファイルは、鐘形状、逆または正立角錐台状および/またはマッシュルーム頭状形状の一連の隆起として形成することもできる。主として長手方向に伸びるウェブとは対照的に、隆起は好ましい方向を有さない山/谷構造を規定する。
【0017】
キャリアは種々の材料から作ることができる。キャリアは、金属材料、セラミック材料またはガラス材料から作ることができる。キャリアは、シート、または板、管もしくはスポンジの形態で提供することができる。表面材料も種々の材料から作ることができる。表面材料は吸着剤、触媒活性材料または腐食および/または防汚保護物、絶縁体または電気的機能性材料であってもよい。
【0018】
上述の複合材料は種々の方法で生成することができる。第1の実施形態において、プロファイルは、表面構造上に塗布、堆積、または成長法を用いることによって生成される。これは、材料が最初に実質的に平面、すなわち以下に説明される分析の観点からは、キャリアの構造化されていない表面上に堆積されることを意味する。
【0019】
この目的のために、in−situ結晶はキャリア上で生成することができる。プロファイルもキャリア上に結晶化することができる。
【0020】
また、プロファイルの生成は気相からの材料の化学的または物理的堆積によっても可能である。前述のビルドアップ表面処理の代わりに、材料除去、特に材料溶解法を用いてキャリアの表面にプロファイルを刻むことができる。
【0021】
本発明に係る複合材料を実施形態によって以下にさらに詳細に説明する。同じ要素または全く同じように作用する要素は同じ参照番号で示される。添付の図面は説明の目的のためである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】矩形形状を有するプロファイルの配列の例示的第1実施形態を示す図である。
【図1a】キャリア表面の例示的上面図を示す図である。
【図2】図1のプロファイルの変更された台形または鳩尾状の実施形態を示す図である。
【図3】波状形状を有するプロファイルを示す図である。
【図4】マッシュルーム頭形状を有するプロファイルを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア(1)と機能性表面材料(2)とからなる機能性複合材料であって、
前記キャリアは構造化境界層(3)を含み、前記構造化境界層(3)が、下方境界(4)および上方境界(5)、前記下方と上方境界との間の架橋深さ(d)、ならびに前記機能性表面材料に面する表面上で下方と上方境界との間を交互する材料境界(6)を有することを特徴とする機能性複合材料。
【請求項2】
前記材料境界(6)が、間に空間を有する連続的なプロファイル(7)の配列として前記キャリアの表面上に形成され、各プロファイルは前記架橋深さに等しい高さ(h)を有し、少なくとも1つのプロファイルおよび少なくとも1つの空間(8)が複数の架橋深さに相当する前記境界層の水平幅(b)内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の機能性複合材料。
【請求項3】
前記プロファイル(7)が、前記構造化境界層(3)の前記下方境界(4)の領域に第1プロファイル幅(s1)を有し、前記上方境界(5)の領域に第1プロファイル幅とは異なる第2プロファイル幅(s2)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の機能性複合材料。
【請求項4】
得られる前記材料境界(6)が、前記構造境界層(3)の前記下方境界(4)と上方境界(5)に沿って前記架橋深さの少なくとも2倍(2d)に相当する水平幅(b)で繰り返し伸びることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の機能性複合材料。
【請求項5】
交互する前記材料境界(6)の長さが、前記キャリア(1)の平面材料境界(9)の長さの少なくとも1.1倍、好ましくは1.3〜2.5倍であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の機能性複合材料。
【請求項6】
前記架橋深さ(d)が5〜100pm、特に5〜60pmの値を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の機能性複合材料。
【請求項7】
前記プロファイルが、矩形、台形、鳩尾状および/または波状形状の断面を有する等方性パターン(10)として形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の機能性複合材料。
【請求項8】
前記プロファイルが、鐘形状、逆もしくは正立角錐台状および/またはマッシュルーム頭状形状を有する隆起(11)のアレイとして形成されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の機能性複合材料。
【請求項9】
前記キャリア(1)が金属材料であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の機能性複合材料。
【請求項10】
前記キャリア(1)がセラミック材料であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の機能性複合材料。
【請求項11】
前記キャリア(1)がガラス材料であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の機能性複合材料。
【請求項12】
前記キャリアが管、スポンジもしくはシートであり、またはプレート形状を有することを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の機能性複合材料。
【請求項13】
前記表面材料(2)が吸収剤であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の機能性複合材料。
【請求項14】
前記表面材料(2)が、触媒活性材料、絶縁体、または電気的活性材料であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の機能性複合材料。
【請求項15】
前記表面材料(2)が、腐食および/または防汚保護物であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の機能性複合材料。
【請求項16】
前記プロファイルが表面構造上に塗布、堆積および/または成長法を用いて生成されることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の機能性複合材料の生成方法。
【請求項17】
前記プロファイルが前記キャリア上にin‐situ結晶化によって生成されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記プロファイルが前記キャリア上に結晶化されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記プロファイルが気相からの化学的または物理的蒸着によって生成されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記プロファイルが、前記キャリアの表面にプロファイルを刻むための材料除去、特に材料溶解法を用いることによって生成されることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の機能性複合材料の生成方法。
【請求項21】
前記プロファイルがエッチングプロセスによって生成されることを特徴とする請求項20に記載の方法。



【図3】鐘形状隆起の形のプロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、キャリア上に堆積された機能性表面材料2を有するキャリア1を示し、機能性表面材料2はキャリアを完全に覆っている。表面層に面するキャリアの表面は、プロファイルの間に配置された空間8を有する一連のプロファイル7を含む。プロファイルと空間は全体で架橋深さdを備える構造化境界層3を形成する。架橋深さは構造化境界層の下方境界4と上方境界5との間の距離を規定する。それはプロファイルの最も高い位置と最も低い位置との間の距離に相当する。
【0024】
個々のプロファイルの高さhは実質的に構造化境界層3の架橋深さdに相当する。プロファイルの表面とその間に位置する空間は、キャリアと表面材料2の表面との間に得られる材料境界6を規定し、その上で表面材料とキャリアの材料とが直接接触する。図1に示すように、材料境界6は境界層3の上方境界5と下方境界4との間を交互する。その走行はプロファイル7の形状とその間の空間8によって決定される。平坦なキャリア表面の材料境界9と比較すると、それはより長い。結合を助ける材料は提供されず、必要でもない。
【0025】
プロファイル7とその間の空間8の配列は水平幅bのサイズに比例して横方向に規定される。有利には、水平幅は構造化境界層の架橋深さdに関係する。それはキャリアの表面構造のための横方向スケールを形成する。図1に示す実施形態において、水平幅bは架橋深さdの約2倍の量になり、少なくとも1つのプロファイル7と1つの空間8がこのスケール内にある。水平幅bは狭義において格子定数を規定しない。プロファイルの幅とその間の空間は個々の場合で変化してもよい。重要なことはむしろ水平幅bによって予め定められるスケール内のプロファイルの数と架橋深さdに対するbの比のそれぞれである。
【0026】
図1aの上面図に示すように、プロファイルは横方向に完全に不規則に形成することができるので、図1と図2に規定される寸法は、プロファイルを特徴付けるそれらの幅の平均値によって変動する。架橋深さはキャリア表面の大部分で実質的に同じである。
【0027】
図2およびそれに続く図に示すように、プロファイルは矩形形状とは異なる形状を有することができる。その場合、構造境界層の下方境界4でのプロファイルの基部領域における第1プロファイル幅s1と上方境界5の領域における第2プロファイル幅s2との間に差が生じる。図2の左側に示すように、より広い基部を有する台形プロファイルでは第1プロファイル幅s1は、第2プロファイル幅s2よりも大きい。図2の右側に示される鳩尾状プロファイルでは、第2プロファイル幅s2は、第1プロファイル幅s1よりも大きい。プロファイル幅の値、およびその寸法の比は、キャリア表面上のプロファイル配列内における特定の制限内で変動することができる。プロファイルは必ずしも規則的な格子を形成しない。
【0028】
図3は波状形状のプロファイル7と空間8を示す。材料境界6は構造化境界層3の下方境界4と上方境界5との間を連続的に交互する。第1プロファイル幅s1は空間8における最下点の間の水平距離に相当し、上方境界5に近い第2プロファイル幅は、この実施形態では理想的には無限に小さい。しかし、実際には材料境界の波状走行の頂点は表面層の領域においてある程度の平坦性を含む。したがって、第2プロファイル幅s2は小さいが有限の値を有する。
【0029】
図4はマッシュルーム頭形状を有するプロファイル7を示す。下方境界領域4におけるより広い形状は境界4と5との間の領域で次第に狭くなる中央部分に変化し、上方境界領域5で再び広がる。マッシュルーム頭構造は図2の鳩尾状構造の丸められた実施形態と考えることができる。
【0030】
図3および図4に示した実施形態において、プロファイル7はキャリアの表面の部分的な領域の上でウェブ状に伸びるので、その断面はキャリアの表面上に押し出されている。
【0031】
図5はキャリア表面上に配置された隆起構造を示し、この構造は必ずしも鐘形状の隆起11とその間の谷の規則的なアレイとして形成されておらず、表面コーティング2で被覆されている。また、隆起は台形または鳩尾状とすることもできる。
【0032】
構造化された境界表面、材料境界の走行、およびそれらの上述のパラメータは顕微鏡法により非常に簡単に検出し試験することができる。有利には、これらの方法はデジタル画像処理と組み合わされる。構造が十分等方性であるならば、キャリアと表面コーティングとの間の二次元的な接触表面は、断面において1次元的な線として認識可能な材料境界から判断することができる。
【0033】
この目的のために、試験すべき複合材サンプルの埋め込まれた断面を用意し、そのデジタル顕微鏡写真を作成するのが好ましい。拡大は分析すべき画像領域に少なくとも6個、好ましくは10個のプロファイルが含まれるように選択するのが好ましい。観察スケールは画像ピクセルと架橋深さとの間の有用な比を得るように適切に調節される。標準的な画像処理ソフトウェア、特にベクトルに基づく描画プログラムを用いることによって、上述のパラメータ、すなわち架橋深さ、プロファイルの幅、および得られる材料境界の長さを容易に検出することができる。
【0034】
形成された表面構造および架橋深さの分析は、機能性複合材料の断面に基づいており、約1mmの長さを有するそのセグメントは百倍の拡大で、例えば、1024×768ピクセルの画像フォーマットに変換される。得られる表面構造が異方性である場合、断面は異なる角度で用意してから、そのように形成された画像の対応する分析を続けるのが推奨される。
【0035】
15〜60pmの範囲の架橋深さが好適であることが実証されている。しかし、5pmおよび100pmまでの架橋深さは容易に実現することができ、複合材の使用において同様に良好な特性を示す。断面において、得られる材料境界6の長さを検出してキャリアの構造化されていない表面の材料境界の長さと比較することができる。
【0036】
試験によると、プロファイル、特にその幅と高さ、およびそこから得られる架橋深さの選択は、得られる材料境界が平坦で構造化されていないキャリア表面の材料境界と比較して、少なくとも1.4の係数で増加する場合に、特に都合がよいことが示されている。
【0037】
複合材料の例示的実施形態は熱影響下でも明らかに改善された機械的安定性を示す。特に機能性表面層が脆い材料特性を有する場合、熱的および機械的応力下でのコーティング欠けの危険性が明らかに低減される。プロファイルに起因して拡大された材料境界は、キャリアと機能性表面層間の熱輸送を高め、これにより、高い反応熱を受ける用途における効率は同じにしながら、より厚いコーティングを可能にする。これは触媒および吸着プロセスにおいて特に真実である。
【0038】
前述の実施形態の1つに係るキャリアの表面を生成するために、ゼオライトが用いられる場合、特に消耗性表面結晶化が用いられる。これは制御されたゼオライト成長とともに制御されたキャリア溶解を含み、図5に示した実施形態に係る鳩尾状隆起を備える山/谷構造が得られる。
【0039】
物理的および化学的堆積プロセス、例えば、熱蒸着、電子ビーム蒸着、レーザービーム蒸着、またはアーク蒸着によって同様の表面構造を実現することができる。また、マスク使用またはマスク非使用の分子ビームエピタキシャル法、スパッタリング、またはイオンめっきを適用することができる。
【0040】
前述の特性を有するゼオライト層は、湿式化学プロセス、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金のキャリア材料を、リン酸(H3PO4)1部、シリカゾルの形態の二酸化ケイ素(SiO2)0.38部、モルホリン3部および水70部からなる反応溶液に、ミリリットルで表わした溶液の量に対して平方センチメートルで測定したキャリア材料の表面の比が約2〜5になる量を加えることによって生成することができる。このようにして調製した混合物を圧力容器中175℃の温度として96時間加熱し、続いて水洗する。この処理によりキャリアの表面上のSAPO−34−ゼオライト層が得られる。
【0041】
本発明に係る複合材料を実施形態によって説明した。当業者であれば、本発明の基本的概念に従って、示した実施例を変更することができる。他の実施形態は従属請求項に規定される。
【符号の説明】
【0042】
1 キャリア
2 機能性表面材料
3 境界層
4 下方境界
5 上方境界
6 材料境界
7 プロファイル
8 空間
9 平坦なキャリア表面の材料境界
10 ウェブ
11 隆起

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−509192(P2011−509192A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534462(P2010−534462)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/065825
【国際公開番号】WO2009/065852
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(507141011)ゾルテッヒ アーゲー (7)
【Fターム(参考)】