説明

機能性遮光フィルム

【課題】紫外線の少ない夜間や暗室環境において、広い視野角で情報表示体の視認性を向上し、昼間等の紫外線の多い明室環境で、十分な遮光効果を発揮して情報表示体の視認性を向上し得る機能性遮光フィルムを提供する。
【解決手段】ルーバー層10と、ルーバー層10の片面に接着された透明保護層13と、ルーバー層10の他方の面に形成された粘着層14とを備え、ルーバー層10、透明保護層13及び粘着層14は、それぞれ、可撓性を有するフィルム状とし、ルーバー層10は、光透過帯11と遮光帯12が交互に繰り返し配置されて構成され、遮光帯12は黒色又は暗色樹脂からなり、光透過帯11はフォトクロミック色素を含む透明樹脂からなる機能性遮光フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮光フィルムに関する。より具体的には、内照光掲示板、照明器具、家電、車載、建材等の用途に使用する遮光フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、携帯情報端末、カード等の暗号番号入力端末等からなる情報表示体を操作する際、情報を視認するため、太陽光や蛍光灯等の不要な外光を遮断したり、コントラストを向上させたり、あるいは視野角を制限したりする必要性に迫られることがある。
【0003】
これに対し、透明シリコーンゴムシートと着色シリコーンゴムシートとを交互に重ねて一体化することにより形成した防眩層を含む覗き見防止体を情報表示体に貼り付ける方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
又、ディスプレイ装置用フィルターにおいて、外部環境光の遮蔽等のために、透明基材中に光変色性色素等の変色性色素の含まれた樹脂が層を成して、その変色性色素が所定のパターンに不可逆的に変色して外光遮蔽パターンを形成するような外光遮蔽フィルムを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−131202号公報
【特許文献2】特開2009−98695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている覗き見防止体においては、入射する外光が強くなると、外光はそのまま防眩層内に使用される透明シリコーンゴムを通過し、また、特許文献2に提案されている外光遮蔽フィルムにおいては、光変色性色素が変色して元の色に戻らないようにしているので樹脂の色は固定されるので、ともに、外光環境が大きく変動した場合に、その変動に遮光効果が追随しないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、紫外線の少ない夜間や暗室環境において、制限された視野角で情報表示体の視認性を向上し、昼間等の紫外線の多い明室環境で、十分な遮光効果を発揮して、制限された視野角で情報表示体の視認性を向上し得る機能性遮光フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
【0009】
(1)光透過帯と遮光帯が交互に繰り返し配置されたルーバー層と、そのルーバー層の少なくとも片側表面に接着された透明保護層と、を有し、遮光帯が、黒色又は有色樹脂からなり、光透過帯が、フォトクロミック色素を含む、透明樹脂からなることを特徴とする機能性遮光フィルム。
【0010】
外光が強くなって紫外線の強度が上がっても、光透過帯中のフォトクロミック色素が変色するため、光透過帯は遮光性が高めるという機能を有する。
【0011】
(2)遮光帯の黒色又は有色樹脂は、黒色又は暗色の、熱硬化性シリコーンエラストマー又は熱硬化性ポリウレタンエラストマーであることを特徴とする(1)に記載の機能性遮光フィルム。
【0012】
(3)フォトクロミック色素は、スピロラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、ジアリールエテン系化合物、フルキド系化合物及びヘキサアリールビスイミダゾール系化合物からなる群から選択される1つ又は複数であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の機能性遮光フィルム。
【0013】
(4)光透過帯は、1〜50質量%のフォトクロミック色素を含む、透明の、熱硬化性シリコーンエラストマー又は熱硬化性ポリウレタンエラストマーからなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の機能性遮光フィルム。
【0014】
(5)光透過帯及び/又は遮光帯は、安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤のうちのいずれか1つ又は複数を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の機能性遮光フィルム。
【0015】
(6)透明保護層は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂又はポリエチレンテレフタレート樹脂からなる紫外線透過性の透明樹脂フィルムであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の機能性遮光フィルム。
【0016】
(7)ルーバー層を、厚さ0.15〜2.5mm、全光線透過率65%以上、可視角30°〜120°に形成し、光透過帯の巾を40〜300μmに形成するとともに、遮光帯の幅を10〜50μmに形成し、透明保護層の厚さを0.1〜0.5mmとした(1)〜(6)のいずれかに記載の機能性遮光フィルム。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、紫外線の少ない夜間や暗室環境において、制限された視野角で情報表示体の視認性を向上し、昼間等の紫外線の多い明室環境で、十分な遮光効果を発揮して、制限された視野角で情報表示体の視認性を向上し得る機能性遮光フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る機能性遮光フィルムの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る機能性遮光フィルムの視野角を示す、図1のA−A矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)について詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態の実施例に係る機能性遮光フィルムの構成を示す斜視図であり、図2は、本発明の実施形態の実施例に係る、機能性遮光フィルムの視野角θを示す、図1のA−A矢視断面図である。
【0021】
図1、2に示すように、本発明の実施形態における機能性遮光フィルム1は、ルーバー層10と、このルーバー層10の片側表面に積層して接着される透明保護層13と、ルーバー層10のもう1方の表面に形成された粘着層14とを備える。これらルーバー層10、透明保護層13、粘着層14は、それぞれ、可撓性を有するフィルム状又はシート状とし、ルーバー層10は、光透過帯11と遮光帯12とを交互に繰り返し積層して形成するとともに、これら光透過帯11と遮光帯12の接合面をルーバー層10の表面に垂直で、互いに平行となるように等間隔に配置する。機能性遮光フィルム1は、粘着層14によって、ATM、照明器具、デジタル家電、車載用途等のディスプレイ(図示せず)上に着脱自在に粘着される。
【0022】
遮光帯12は、少なくとも、黒色又は有色樹脂を含み、全光線透過率が20%以下となるように調製されている。
【0023】
遮光帯12に含まれる黒色又は有色樹脂としては、黒色又は暗色の、熱硬化性シリコーン樹脂又は熱硬化性ポリウレタン樹脂を使用することができる。
【0024】
黒色又は暗色の熱硬化性シリコーン樹脂又は熱硬化性ポリウレタン樹脂は、透明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物又は熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物にカーボンブラック等の黒色又は暗色の顔料や染料添加して、黒色又は暗色の遮光性樹脂とすることができる。
【0025】
一般的にフォトクロミック色素は、特定波長の光を受けると色が変わり、特定波長の光を一定時間受けない場合は、また本来の色に戻る特性を有している。光透過帯11に含まれるフォトクロミック色素としては、紫外線によって色の変わるスピロラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、ジアリールエテン系化合物、フルキド系化合物、ヘキサアリールビスイミダゾール系化合物等から選択される1つ又は複数を使用することができる。
【0026】
光透過帯11は、透明の熱硬化性シリコーン樹脂組成物又は熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物にフォトクロミック色素を加えることによって調製される。
【0027】
光透過帯11は、フォトクロミック色素を3〜50質量%含有することが好ましい。フォトクロミック色素の含有量が3質量%未満であると、紫外線による変色効果が微弱となり、フォトクロミック色素の含有量が50質量%を超えると、熱硬化性のシリコーン樹脂又は熱硬化性ポリウレタン樹脂がフォトクロミック色素を固定することができなくなる。
【0028】
光透過帯11の樹脂としては、透明の、熱硬化性シリコーン樹脂又は熱硬化性ポリウレタン樹脂を使用することができるが、遮光帯12との界面の接着性の点で、遮光帯12に用いた樹脂と同質の樹脂を用いることが好ましい。
【0029】
光透過帯11の巾(図2のW1)と遮光帯12の巾(図2のW2)は、透明性や全光線透過率がW1/W2の比で決定されること、視野角が光透過帯11の屈折率と幅、ルーバー層10の厚さ(図2のt)により決定されることを勘案して選択される。具体的には、ルーバー層10の厚さtは0.15〜2.5mm、光透過帯11の巾W1は40〜300μmに形成される。また、遮光帯12の巾(図2のW2)は、人間の視力に悪影響を及ぼさないよう10〜50μm、好ましくは10〜30μmに形成される。t、W1、W2を上記の数値とすれば、視野角θを30°〜120°とし、光透過帯11の透明樹脂とフォトクロミック色素、遮光帯12の黒色又は暗色樹脂を適宜選択することにより、ルーバー層10に紫外線が入射している状態でも、入射していない状態でも、全光線透過率が65%以上で最大85%程度の透明性のルーバー層10を形成することができる。
【0030】
視野角θが30°未満であると、角度が小さすぎて情報表示体の視認に問題が生じ、120°を超えると、覗き見防止性が弱くなる。
【0031】
ルーバー層10に外光環境から紫外線が入射すると、紫外線の強度に応じて光透過帯11の中に含まれるフォトクロミック色素が効率的に変色して光吸収程度が変化するので、ディスプレイの画像のコントラストは大きく変化せず、良好な状態に保たれる。
【0032】
機能性遮光フィルム1が昼間に、強い紫外線にさらされている場合、光透過帯11に含まれるフォトクロミック色素が変色して、外光を遮光する。このため、昼間に、図2の視野角θより大きな角度で入射する外光は遮光帯12によって遮光され、θより小さな角度で入射する外光は紫外線の強度に応じて光透過帯11によって機能的に遮光されるので、入射する外光が強くなった場合の情報表示体の視認性は向上する。
【0033】
機能性遮光フィルム1が夜間や、暗室環境で紫外線にさらされていない場合、光透過帯11に含まれるフォトクロミック色素が変色しない状態にある。このため、図2に示した視野角θの範囲内で、夜間や、暗室環境においては、情報表示体を視認することができる。
【0034】
透明保護層13としては、厚さ0.1〜0.5mm程度、好ましくは厚さ0.1〜0.3mm程度、より好ましくは0.1〜0.2mm程度のポリカーボネート(PC)樹脂、アクリル樹脂又はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる紫外線透過性の光透過度65%以上の高透明樹脂フィルムが使用される。このような材質・厚さとすれば、引張り強さ、引き裂き強度等の物理的強度に優れたシート又はフィルムを得ることができる。また、ルーバー層10と一体化することにより、打ち抜き加工等の二次加工性も良好となる。
【0035】
ルーバー層10と透明保護層13は、接着剤により接着される。
【0036】
接着剤は、プライマーを含有したシリコーン型等の透明接着剤からなり、ルーバー層10の接着面又は透明保護層13の接着面に10〜30μmの厚さで印刷塗布される。
【0037】
粘着層14は、例えば透明なシリコーンゴムシート等からなり、ルーバー層10の透明保護層13を接着した表面と対向する表面(図2の下側表面)に加硫して接着される。この透光性の粘着層14は、ディスプレイに粘着される貼り付け面が透光性粘着面であることが望ましい関係上、例えば鏡面状態のPETフィルムにカレンダーロール等を使用して厚さ10〜30μmにコーティングされ、ルーバー層10の下側表面に転写されて加硫接着され、その後、PETフィルムが剥離されることによりルーバー層10の下側表面と一体化される。粘着層14の情報表示体の液晶ディスプレイに対する粘着強度(JIS K 6256)は、0.30〜0.80N/25mm、好ましくは0.30〜0.50N/25mmに選択される。また、粘着層14の透光性粘着面における鏡面光沢度(JIS Z 8741における入射角度60°の光沢度)は120%以上に選択される。
【0038】
上記構成によれば、機能性遮光フィルム1をディスプレイに粘着させると、明室環境では、太陽光や蛍光灯等の強度に追随して光透過帯11の中のフォトクロミック色素が着色されるため、外光が強くなっても外光を機能的に遮光して、ディスプレイの表示のコントラストを向上させることができる。また、夜間等の外光のない暗室環境においては光透過帯11の中のフォトクロミック色素が透明となるため、ディスプレイの表示のコントラストが損なわれることはない。従って、ディスプレイを手で覆ったり、機能性遮光フィルム1を傾けたり、あるいは機能性遮光フィルム1の向きを変えなくても、良好な視認性を有効に確保することができ、これを通じて操作性を大幅に向上させることが可能になる。機能性遮光フィルム1のルーバー層10が遮光効果を発揮するので、適切な視野角の設定により、ディスプレイに表示される各種の情報を第三者が視野角より大きい角度で横から覗き見て読み取るのが不可能、あるいはきわめて困難になる。従って、第三者に情報が漏洩することがなく、覗き見を気にすることなく、安心して情報を把握したり発信したりすることができる。
【0039】
本発明の実施形態では、光透過帯11及び遮光帯12をルーバー層10の表面に垂直に配置したが、ルーバー層10内に角度をもった光透過帯11及び遮光帯12を形成させることもできる。これによって得られる、ルーバー層10の表面に対して非対象の可視角度をもつ機能性遮光フィルム1は、高所表示体を見上げる場合などに特に有効で太陽光の入射をより大きく遮り、内部表示を鮮明なものとすることができる。この角度は任意に設定してもよいが、実用上からは3〜10°の角度範囲とすることが好ましい。
【0040】
ルーバー層10は、公知の方法で製造することができる。例えば、フォトクロミック色素を含む透明シリコーンゴム樹脂のシートに、平行な複数の厚さ方向の溝を形成し、この溝に有色シリコーンゴム樹脂を充填する方法でもよい。また、フォトクロミック色素を含む透明シリコーンゴム樹脂のシートと、有色シリコーンゴム樹脂のシートを交互に積層してブロック体を作ってから加熱加圧して硬化させた後、これをシートの積層方向と垂直な面でスライスして透明なシリコーンゴム層と有色シリコーンゴム層が互に平行に交互に積層されたシートを得る方法でもよい。
【実施例】
【0041】
図1、2を用いて本発明の実施形態に係る実施例について説明する。
【0042】
まず、高透明樹脂のシリコーンゴムコンパウンドKE−581U(信越化学工業(株)製 商品名)に、フォトクロミック色素としてのヘキサアリールビスイミダゾール系化合物の1種であるpseudogem−Bis(3,3’,4,4’−tetramethoxydiphenylimidazole)[2.2]
paracyclophane(2)(関東化学(株)製 商品名)とを加えて均一に混練してから、厚さ0.20mmの光透過帯11としての高透明フィルムを作製しこれに、巾30μmの複数の平行な直線の溝を、120μm離間させて、厚さ方向に貫通するように形成した。この溝に、シリコーンゴムコンパウンドKE−981U(信越化学工業(株)製 商品名)に黒色物質としてのカーボンブラックを加えて均一に混練した黒色樹脂を充填し、遮光帯12とした。
【0043】
次に、黒色樹脂を溝に充填した高透明シリコーン樹脂フィルムを加熱加硫硬化させて、図1、2の光透過層11と遮光帯12が互いに平行で、交互に繰り返し配置された厚さ0.2mmのルーバー層10を作製した。このルーバー層10は、紫外線に曝される明室環境でも、紫外線に曝されない暗室環境でも視野角が60°であり、いずれの場合も同じ65%以上、最大85%の全光線透過率を有する。
【0044】
次に、ルーバー層10の片側表面に、液状シリコーンゴムKE‐1934A/B(信越化学工業(株)製 商品名)とプライマーAP‐1(信越化学工業(株)製 商品名)とからなるシリコーンの接着剤を、スクリーン印刷機を使用して約30μmの厚さに塗布し、このシリコーンの接着層に、厚さ0.2mmのアクリル樹脂のアクリライト#000(三菱レーヨン(株)製 商品名)からなる紫外線透過性かつ高透明性の透明保護層13を一体接着した。
【0045】
そして、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの鏡面側に、液状シリコーンゴムKE‐1934A/B(信越化学工業(株)製
商品名)をスクリーン印刷機を使用して約30μmの厚さに塗布し、ルーバー層10のもう1方の表面に粘着層14を加熱加硫接着し、その後、PETフィルムを剥離して鏡面状の透光性粘着面を形成して、機能性遮光フィルム1を作製した。このシリコーンゴム、すなわち、粘着層14の透光性粘着面における鏡面光沢度(JIS Z 8741における入射角度60°の光沢度)は140%であった。
【0046】
こうして機能性遮光フィルム1を得たら、これを車載用ナビゲータの液晶ディスプレイの大きさに応じてカットして、光透過帯11、遮光帯12及びの方向が上下方向になるように液晶ディスプレイに粘着し、液晶ディスプレイに情報を表示した。昼間の明室環境で太陽光線があたって液晶ディスプレイに紫外線が照射されている場合に、液晶ディスプレイに情報を表示したところ、液晶ディスプレイの横約35°からは黒く見えるだけで液晶ディスプレイに表示された情報を把握することはできなかった。これに対し、液晶ディスプレイの正面からは液晶ディスプレイに表示された情報をきわめて容易、かつ鮮明に把握することができた。
【0047】
一方、夜間の暗室環境で、太陽光線や外光による紫外線照射がない場合、
液晶ディスプレイに情報を表示したところ、視野角60°の範囲内で良好な視認性が確認された。
【0048】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0049】
1 機能性遮光フィルム
10 ルーバー層
11 光透過帯
12 遮光帯
13 透明保護層
14 粘着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過帯と遮光帯が交互に繰り返し配置されたルーバー層と、
当該ルーバー層の少なくとも片側表面に接着された透明保護層と、
を有し、
前記遮光帯が、黒色又は有色樹脂からなり、前記光透過帯が、フォトクロミック色素を含む、透明樹脂からなることを特徴とする機能性遮光フィルム。
【請求項2】
前記遮光帯の黒色又は有色樹脂は、黒色又は暗色の、熱硬化性シリコーンエラストマー又は熱硬化性ポリウレタンエラストマーであることを特徴とする請求項1に記載の機能性遮光フィルム。
【請求項3】
前記フォトクロミック色素は、スピロラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、ジアリールエテン系化合物、フルキド系化合物及びヘキサアリールビスイミダゾール系化合物からなる群から選択される1つ又は複数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性遮光フィルム。
【請求項4】
前記光透過帯は、1〜50質量%の前記フォトクロミック色素を含む、透明の、熱硬化性シリコーンエラストマー又は熱硬化性ポリウレタンエラストマーからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性遮光フィルム。
【請求項5】
前記光透過帯及び/又は前記遮光帯は、安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤のうちのいずれか1つ又は複数を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性遮光フィルム。
【請求項6】
前記透明保護層は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂又はポリエチレンテレフタレート樹脂からなる紫外線透過性の透明樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の機能性遮光フィルム。
【請求項7】
前記ルーバー層を、厚さ0.15〜2.5mm、全光線透過率65%以上、可視角30°〜120°に形成し、前記光透過帯の巾を40〜300μmに形成するとともに、前記遮光帯の幅を10〜50μmに形成し、前記透明保護層の厚さを0.1〜0.5mmとした請求項1〜6のいずれか1項に記載の機能性遮光フィルム。





【図2】
image rotate

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2013−20118(P2013−20118A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153742(P2011−153742)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】