説明

機能拡張方法及び機能拡張装置

【課題】 情報処理装置に拡張ハードウェアを追加するためにはユーザーによる動作用ソフトウェアのインストールが必要であり、手順を間違えると動作不能になるという問題が有った。
【解決手段】 拡張ハードウェア上に拡張ハードウェアの動作用ソフトウェアと情報処理装置が上記動作用ソフトウェアを読み込むための読込みソフトウェアを備え、起動中のOSに対して上記読込みソフトウェアを実行するように要求する制御ステップを備えることにより、OSに特別な処理を要求せず拡張ハードウェアを組み込むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機能拡張方法及び機能拡張装置に関し、特にハードウェアを装置に追加する場合の組み込み動作を行うための機能拡張方法及び機能拡張装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置(パーソナルコンピュータやサーバ等)に機能を追加するための拡張ハードウェアをコンピュータに組み込むためには、オペレーティングシステム(以下、OS)がその動作用ソフトウェアを取り込み、拡張ハードウェアを認識する必要がある。従来、新たな拡張ハードウェアが追加された時は、OSが一旦起動した後にフレキシブルディスクやCD−ROMあるいはハードディスクドライブに保存されている動作用ソフトウェアをOSが読み込むことによって動作用ソフトウェアを取り込み、次回のOS起動時にその動作用ソフトウェアによって拡張ハードウェアをOSが組み込み、拡張ハードウェアが動作可能となっていた。
【0003】
特許文献1には拡張ハードウェアの接続を検出し、拡張ハードウェアにソフトウェアを記憶しているメモリを内蔵し、そのソフトウェアを情報処理装置にコピーする発明が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−161252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の方法では未知の拡張ハードウェアの追加を検出したOSが情報処理装置の記憶装置から対応する動作用ソフトウェアを検索し、見つからなかった場合にはユーザーに対して記憶媒体等からの動作用ソフトウェアのインストールを要求していた。
【0006】
しかしながら、動作の為に不可欠な動作用ソフトウェアのインストールはユーザーの操作に委ねられており、インストールの手順を間違えた場合には拡張ハードウェアは動作しないという問題があった。
【0007】
特許文献1の発明では、機能拡張カードの追加を検出し、計算機本体が専用ソフトウェアの有無を機能拡張カードに問い合わせ、機能拡張カードに内蔵の動作用ソフトウェアをコピーすることによって、ソフトウェア追加の手順を低減する発明が開示されている(特許文献1 段落0051、図13)。
【0008】
特許文献1の発明では拡張ハードウェアである音声合成装置を計算機本体に装着した時に音声合成装置からカード挿入通知を受け、その通知に対して専用ソフトの有無を照会し、専用ソフトが有る場合はそれを取り出してインストールを行うという動作を行っている。しかしながら、これら手順における計算機本体と音声合成装置のやり取りは標準ではない独自のプロトコルであり、特許文献1の発明が成立するには、計算機と音声合成装置が対になったシステムである必要がある。
【0009】
計算機を製造しているメーカーが拡張ハードウェアを製造し提供する場合は問題無いが、現在においては計算機を製造するメーカーと拡張ハードウェアを製造するメーカーは異なる事が一般的である。
【0010】
本発明は、従来技術の上述した課題に鑑みなされたものであり、斯かる課題を解消して、拡張ハードウェア組込みの為の手順を簡素化し、拡張ハードウェアを接続する情報処理装置に特別な処理を要求しない機能拡張方法及び機能拡張装置を提供する事を主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し且つ上述した目的を達成するために、本発明の記録装置及び記録方法は、次の如き特徴的な構成を採用している。
(1) 機能拡張装置によって、オペレーティングシステムを備えた情報処理装置の機能を拡張する機能拡張方法において、上記機能拡張装置は、上記オペレーティングシステムの標準I/Oとして認識される記憶部と、上記機能拡張装置の動作を制御する制御部を備え、上記オペレーティングシステムが送出する上記記憶部を組み込むための組込み要求ステップに対して上記制御部が応答を行う組込み応答ステップに続いて、上記制御部が上記オペレーティングシステムに対して上記機能拡張装置を動作させる動作用ソフトウェアへのリンクの作成を要求するリンク作成要求を送出するリンク作成要求ステップを備えることを特徴とする機能拡張方法。
(2) 機能拡張装置によって、オペレーティングシステムを備えた情報処理装置の機能を拡張する機能拡張方法において、上記情報処理装置は、オペレーティングシステムを備え、上記機能拡張装置は、上記オペレーティングシステムの標準I/Oとして認識される記憶部と、上記機能拡張装置の動作を制御する制御部を備え、上記オペレーティングシステムが送出する上記記憶部を組み込むための組込み要求ステップに対して上記制御部が応答を行う組込み応答ステップに続いて、上記制御部が上記オペレーティングシステムに対して上記機能拡張装置の動作用ソフトウェアのコピーを要求するコピー要求を送出するコピー要求ステップを備えることを特徴とする機能拡張方法。
【発明の効果】
【0012】
上記の如き特徴的な構成を採用する本発明の機能拡張方法及び機能拡張装置によると、次の如き実用上の特有の効果を奏する。OSの標準ハードウェアとして認識される記憶部を備え、その記憶部に拡張ハードウェアを動作させるための動作用ソフトウェアへのリンクを作成するソフトウェアを備え、OSに対して動作用ソフトウェアのリンクを作成するソフトウェアの実行を要求する制御部を備えることによって、一般的なOSで使用される命令のみを利用し、またOSの動作を変更すること無く、拡張ハードウェアを容易に組み込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明による記録装置及び記録方法の好適な実施の形態の構成および動作を、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明するような処理を装置に実行させるためのプログラムやそれを格納した記憶媒体を包含することは言うまでもない。
【0014】
本発明による記録装置及び記録方法の第1の実施形態を図1を参照して、サーバ装置10、拡張ボード20からなるシステムの構成を説明する。
【0015】
サーバ装置10は、ユーザーが使用する装置であり、CPU101、RAM102、ハードディスク装置103、インタフェース制御部104a、インタフェース105aから構成される。
【0016】
また、サーバ装置10は、インタフェース105aを介して拡張ボード20と接続され、サーバ装置10が起動する際に拡張機能部201からソフトウェアを読み込み、拡張ボード20がサーバ装置10上で動作するように組み込む。
【0017】
拡張ボード20は、サーバ装置の機能を拡張するための拡張ハードウェアであり、拡張機能部201、インタフェース制御部104b、インタフェース105bから構成される。
【0018】
インタフェース制御部104a及びインタフェース制御部104bは、物理的な伝送ケーブルの違いを吸収し、論理的なデータ送受信を可能にする機能を有する。
【0019】
インタフェース105a及びインタフェース105bは、データ入出力を行うIDE、SCSI、PCI、USBなどのインタフェースである。
【0020】
ハードディスク装置103にはOS112及び標準ハードウェア動作用ソフトウェア110を記憶しており、更に拡張ボード動作用ソフトウェア210を記憶するための拡張ボード動作用ソフトウェア読込み領域111を備えている。
【0021】
拡張ボード動作用ソフトウェア読込み領域111はOS112が拡張ボード等を動作させるためのソフトウェアを格納するために予めハードディスク装置103に確保されている領域である。
【0022】
標準ハードウェアとはキーボード、ディスプレイ、記憶装置等のコンピュータを動作させるために必要な標準I/Oデバイスであり、OS112が特別なソフトウェア無しに認識し動作させることが可能なハードウェアである。
【0023】
対して、拡張ボードはコンピュータの機能を拡張するためのハードウェアであり、動作のためには、OS112に拡張ボードの動作を行うための拡張ボード動作用ソフトウェア210を組み込む必要がある。
【0024】
図2は拡張ボード20の詳細を示したものである。
【0025】
拡張ボード20の拡張機能部201は、記憶部202、制御部203及びインタフェース105bを有し、制御部203にはCPU214及びRAM213が含まれる。また、拡張機能部201はインタフェース105bを介してインタフェース制御部104bと接続される。
【0026】
更に、拡張機能部201には図示しない固有機能部を含む。固有機能部とは拡張ボード20によって実現されるOS112に標準では搭載されていない機能拡張ボード20固有の機能を実現するための構成である。
【0027】
記憶部202には、拡張ボード動作用ソフトウェア210、リンク作成ソフトウェア211、ファームウェア212が記憶されている。
【0028】
記憶部202は例えばハードディスク装置やフラッシュメモリ等の記憶装置である。
【0029】
また、記憶部202は、標準ハードウェア動作用ソフトウェア110で動作し、OSで読み書き可能なファイルシステムを有する。よって、拡張ボード20とは別の標準ハードウェアの記憶部202としてOS112から認識が可能である。
【0030】
拡張ボード動作用ソフトウェア210は、OS112が拡張ボード20を動作させるための拡張ボード動作用ソフトウェアである。拡張ボード動作用ソフトウェア210はOS112に組み込まれた後は図示しないOS112上のアプリケーションによって利用され、拡張ボード20の固有の機能を動作させる。
【0031】
リンク作成ソフトウェア211は、所定のファイルへのリンクを作成するソフトウェアである。
【0032】
リンク作成とは例えばMicrosoft Windows(登録商標)におけるショートカット作成やUNIX(登録商標)におけるシンボリックリンク作成といったリンク作成と同等の動作を行うものである。
【0033】
リンクの動作は次の通りである。或る処理がリンクにアクセスを行うと、そのアクセスは所定のファイルへのアクセスに置き換えられる。
【0034】
ファームウェア212は、拡張ボード20のデータの送受信や、インタフェース制御部104bの動作を制御するためのソフトウェアであり、更にOS112からのマウント要求を受けると、OS112へマウント応答とリンク作成ソフトウェア実行要求を返す機能を有する。
【0035】
リンク作成ソフトウェア実行要求は、OS112へリンク作成ソフトウェア211を実行する為にリンク作成ソフトウェア211が格納されているアドレスをOS112へ通知してリンク作成ソフトウェア211の実行を要求するする。リンク作成ソフトウェア実行要求を受けたOSはOS上のメモリを確保し、要求されたソフトウェアを実行する。ソフトウェアの格納場所(アドレス)を通知して実行する処理はOS上でのソフトウェアを実行する為の一般的な処理である。
【0036】
制御部203は、ファームウェア212を実行し、拡張ボード20の動作を制御する。
【0037】
図3のフローチャート及び図4のシーケンス図を参照して本発明による機能拡張方法及び機能拡張装置の第1実施形態の動作について説明する。
【0038】
まず、図3を用いて拡張ボード20を接続して電源を投入する際のサーバ装置10の処理の流れを示す。
【0039】
拡張ボード20をサーバ装置10に接続し電源を入れる(ステップST2−1)。電源が投入されるとCPU101は接続されているハードウェアの認識処理を行う(ステップST2−2)。ハードウェア認識処理が完了するとCPU101はOS起動処理を開始し(ステップST2−3)、OS112はハードディスク装置103上の標準ハードウェア動作用ソフトウェア110を読み込み(ステップST2−4)、OS112は接続されている標準ハードウェアを認識する(ステップST2−5)。この時点からサーバ装置10に接続されている標準ハードウェアが動作可能となり、記憶部202はサーバ装置10の外部記憶装置として認識される。OS112は制御部203からの要求により記憶部202のリンク作成ソフトウェア211を実行し、記憶部202に記憶されている拡張ボード動作用ソフトウェア210へのリンクをハードディスク装置103の中の拡張ボード動作用ソフトウェア読込み領域111に作成する(ステップST2−6)。OS112は拡張ボードを動作させるためにハードディスク装置103内の拡張ボード動作用ソフトウェア読込み領域111にアクセスし、ステップST2−6で作成されたリンクから記憶部202内の拡張ボード動作用ソフトウェア210を読み出しRAM102に展開する(ステップST2−7)。OS112はステップST2−7で読み出した拡張ボード動作用ソフトウェア210によって拡張ボードを認識し動作可能となる(ステップST2−8)。拡張ボードの組み込み完了後OS112は起動完了となる(ステップST2−9)。
【0040】
続いて、図4のシーケンス図で拡張ボード20を接続して電源を投入する際のOS112、サーバ装置10、拡張ボード20及び記憶部202での処理の流れを示す。
【0041】
サーバ装置10から接続確認要求が拡張ボード20(ステップST3−1)及び記憶部202(ステップST3−2)に送信される。拡張ボード20(ステップST3−3)及び記憶部202(ステップST3−4)は電気的に接続されていることをファームウェア212によって認識し、接続確認応答を返信する。サーバ装置10はOS起動命令をOS112に送信する(ステップST3−5)。OS起動命令を受けたOS112は起動処理を開始し、接続されているハードウェアを調査するためにサーバ装置10(ステップST3−6)と拡張ボード20(ステップST3−7)と記憶部202(ステップST3−8)に確認要求を送信する。OS112からの確認を受けた、サーバ装置10の標準ハードウェア(ステップST3−9)、拡張ボード20(ステップST3−10)、記憶部202(ステップST3−11)はそれぞれOS112に対して接続されている確認をして確認応答をする。確認応答を受けたOS112はその中から標準ハードウェアとして認識された、サーバ装置10(ステップST3−12)と記憶部202(ステップST3−13)に対してマウント要求を送信する。OS112からのマウント要求を受けたサーバ装置10(ステップST3−14)と記憶部202(ステップST3−15)はマウント応答を返信する。マウント応答を受けたOS112はマウント応答をしたサーバ装置10の標準ハードウェアと記憶部202を動作可能と認識する。ステップST3−15のマウント応答に続いて記憶部202は制御部203によってリンク作成ソフトウェア実行要求をOS112に送信する(ステップST3−16)。OS112は、ステップST3−16によるリンク作成SW実行要求に従いリンク作成ソフトウェア211を実行し、ハードディスク装置103内の拡張ボード動作用ソフトウェアの読込み領域111に拡張ボード動作用ソフトウェア210へのリンクを作成する。OS112は拡張ボードを動作させるためにハードディスク装置103の拡張ボード動作用ソフトウェア読込み領域111にアクセスし、その領域にあるリンクに従って記憶部202の拡張ボード動作用ソフトウェア210を読み込みRAM102に展開する(ステップST3−17)。OS112はステップST3−17で読み込んだ拡張ボード動作用ソフトウェア210によって拡張ボード20を組み込み、拡張ボード20がOS112上で動作可能となる(ステップST3−18)。
【0042】
以上の第1の実施形態では、OS112が起動する通常プロセスの中で特殊なプロトコルを使わずとも拡張ボード動作用ソフトウェア210を組み込み、拡張ボード20を動作させることができる効果を奏する。
【0043】
また、サーバ装置10のハードディスク装置103上には拡張ボード動作用ソフトウェアの本体を保存しないため、拡張ボード動作用ソフトウェア210を更新する場合においても拡張ボード201の拡張ボード動作用ソフトウェア210を更新するだけで対応可能であり、拡張ボード用動作用ソフトウェア210の更新による再インストールも不要になるという効果も奏する。
【0044】
本発明による記録装置及び記録方法の第2の実施形態を図5及び図6を参照してシステムの構成を説明する。
【0045】
サーバ装置10の構成は図2の第1の実施形態に加えてCD−ROMドライブ120を備える。更にCD−ROMドライブ120に格納されているCD−ROMに拡張ボード動作用ソフトウェア210が格納されている。
【0046】
拡張ボード20の構成は図3の第1の実施形態から拡張ボード動作用ソフトウェア210を削除した構成である。
【0047】
記憶部202には、リンク作成ソフトウェア211、ファームウェア212が記憶されている。
【0048】
続いて、図7のシーケンス図を参照して第2の実施形態で拡張ボード20を接続して電源を投入する際のOS112、サーバ装置10、拡張ボード20、及び記憶部202及びでの処理の流れを説明する。尚、CD−ROMドライブ120はサーバ装置10に含まれる標準ハードウェアの1つである。
【0049】
サーバ装置10から接続確認要求が拡張ボード20(ステップST4−1)、及び記憶部202(ステップST4−2)に送信される。拡張ボード20(ステップST4−3)と記憶部202(ステップST4−4)は電気的に接続されていることを認識し、接続確認応答を返信する。サーバ装置10はOS起動命令をOS112に送信する(ステップST4−5)。OS起動命令を受けたOS112は起動処理を開始し、接続されているハードウェアを調査するためにサーバ装置10(ステップST4−6)と拡張ボード20(ステップST4−7)及び記憶部202(ステップST4−8)に確認要求を送信する。OS112からの確認を受けた、サーバ装置10の標準ハードウェア(ステップST4−9)、拡張ボード20(ステップST4−10)、及び記憶部202(ステップST4−11)はそれぞれOS112に対して接続されている確認をして確認応答をする。確認応答を受けたOS112はその中から標準ハードウェアとして認識された、サーバ装置10(ステップST4−12)と記憶部202(ステップST4−13)に対してマウント要求を送信する。OS112からのマウント要求を受けたサーバ装置10(ステップST4−14)と記憶部202(ステップST4−15)はマウント応答を返信する。マウント応答を受けたOS112はマウント応答をしたサーバ装置10の標準ハードウェアと記憶部202を動作可能と認識する。ステップST4−15のマウント応答に続いて記憶部202は制御部203によってリンク作成ソフトウェア実行要求をOS112に送信する(ステップST4−16)。OS112は、ステップST4−16によるリンク作成SW実行要求に従いリンク作成ソフトウェア211を実行し、ハードディスク装置103内の拡張ボード動作用ソフトウェアの読込み領域111にCD−ROMドライブ120に格納されている拡張ボード動作用ソフトウェア210へのリンクを作成する。OS112は拡張ボードを動作させるためにハードディスク装置103の拡張ボード動作用ソフトウェア読込み領域111にアクセスし、その領域にあるリンクに従ってサーバ装置10内の標準ハードウェアであるCD−ROMドライブ120から拡張ボード動作用ソフトウェア210を読み込みRAM102に展開する(ステップST4−17)。ステップST4−17で読み込んだ拡張ボード動作用ソフトウェア210によってOS112は拡張ボードを認識し動作可能となる(ステップST4−18)。
【0050】
以上の第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に装置の再起動やOSの起動プロセスの変更をすることなしに拡張ボード20を動作させることができる効果を奏する。
【0051】
さらに、拡張ボード動作用ソフトウェア210をCD−ROM等の拡張ボード20以外の外部記憶に格納することによってソフトウェアの更新が容易になる。
【0052】
当然ながら、CD−ROMドライブ120は標準ハードウェアとしての記憶装置の例示に過ぎず、フレキシブルディスク、USBメモリ、スマートメディア等の標準ハードウェアとして認識可能な記憶装置であれば種類を問わないことは当業者であれば容易に理解できよう。
【0053】
本発明による記録装置及び記録方法の第3の実施形態を図8を参照して、サーバ装置10、拡張ボード20からなるシステムの構成を説明する。
【0054】
サーバ装置10の構成は第1の実施形態と同様である。
【0055】
拡張ボード20においても構成は記憶部202に格納されているソフトウェア以外の構成は第1の実施形態と同様である。
【0056】
記憶部202には、拡張ボード動作用ソフトウェア210、転送ソフトウェア220、ファームウェア212が記憶されている。
【0057】
拡張ボード動作用ソフトウェア210は、OS112が拡張ボード20を動作させるための拡張ボード動作用ソフトウェアである。
【0058】
転送ソフトウェア220は、指定されたアドレスへ拡張ボード動作用ソフトウェアをコピーする動作を行うソフトウェアである。
【0059】
ファームウェア212は、拡張ボード20のデータの送受信や、インタフェース制御部104bの動作を制御するためのソフトウェアであり、更にOS112からのマウント要求を受けると、OS112へマウント応答と転送ソフトウェア実行要求を返す機能を有する。
【0060】
転送ソフトウェア実行要求は、OS112へ転送ソフトウェア220を実行する為に転送ソフトウェア220が格納されているアドレスをOS112へ通知して転送ソフトウェア220の実行を要求するする。転送ソフトウェア実行要求を受けたOSはOS上のメモリを確保し、要求されたソフトウェアを実行する。ソフトウェアの格納場所(アドレス)を通知して実行する処理はOS上でのソフトウェアを実行する為の一般的な処理である。
【0061】
第3の実施形態における動作は、基本的に第1の実施形態における動作と同様である。異なる点は第1の実施形態におけるリンク作成ソフトウェア211が転送ソフトウェア220であることである。OS112が拡張ボード動作用ソフトウェアを読み込む動作を行う場合において、リンクを辿ってリンク先から拡張ボード動作用ソフトウェア210を読み込んでRAM102に展開して実行するか、一旦拡張ボード動作用ソフトウェア読込み領域にコピーしてからRAM102に展開して実行するかの差異である。
【0062】
以上の第3の実施形態においては第1の実施形態と同様にOS112が起動する通常プロセスの中で特殊なプロトコルを使わずとも拡張ボード動作用ソフトウェア210を組み込み、拡張ボード20を動作させることができる効果を奏する。
【0063】
更に、動作用プログラム本体をサーバ装置にコピーするので記憶部202に格納されている拡張ハードウェア動作用ソフトウェア210に問題が発生した場合も拡張ボード20としては正常に動作する効果も奏する。
【0064】
以上、本発明による機能拡張方法及び機能拡張装置を、好適な実施形態に基づいて説明した。しかし、斯かる実施の形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱すること無く、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることは当業者には容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明第1の実施形態の拡張ボードの構成図
【図2】本発明第1の実施形態の拡張機能部の構成図
【図3】本発明第1の実施形態のフローチャート
【図4】図3のシーケンス図
【図5】本発明第2の実施形態の拡張ボードの構成図
【図6】本発明第2の実施形態の拡張機能部の構成図
【図7】本発明第2の実施形態のシーケンス図
【図8】本発明第3の実施形態の拡張機能部の構成図
【符号の説明】
【0066】
10 サーバ装置
20 拡張ボード
101 中央演算処理装置(CPU)
102 RAM(メモリ)
103 ハードディスク装置
104a インタフェース制御部(サーバ装置側)
104b インタフェース制御部(拡張ボード側)
105a インタフェース(サーバ装置側)
105b インタフェース(拡張ボード側)
110 標準ハードウェア動作用ソフトウェア
111 拡張ボード動作用ソフトウェア読込み領域
112 オペレーティングシステム(OS)
120 CD−ROMドライブ
201 拡張機能部
202 記憶部
203 制御部
210 拡張ボード動作用ソフトウェア
211 リンク作成ソフトウェア
212 ファームウェア
214 RAM(メモリ)
213 中央演算処理装置(CPU)
220 転送ソフトウェア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能拡張装置によって、オペレーティングシステムを備えた情報処理装置の機能を拡張する機能拡張方法において、
前記機能拡張装置は、前記オペレーティングシステムの標準I/Oとして認識される記憶部と、前記機能拡張装置の動作を制御する制御部を備え、
前記オペレーティングシステムが送出する前記記憶部を組み込むための組込み要求ステップに対して前記制御部が応答を行う組込み応答ステップに続いて、
前記制御部が前記オペレーティングシステムに対して前記機能拡張装置を動作させる動作用ソフトウェアへのリンクの作成を要求するリンク作成要求を送出するリンク作成要求ステップを備えることを特徴とする機能拡張方法。
【請求項2】
前記リンク作成要求は前記リンクを作成するリンク作成ソフトウェアが格納されているアドレスを含み、前記リンク作成要求を受信した前記オペレーティングシステムは前記アドレスを参照して前記リンク作成ソフトウェアを実行するリンク作成ソフトウェア実行ステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の機能拡張方法。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記動作用ソフトウェアを格納するための動作用ソフトウェア格納領域を備え、
前記リンク作成ソフトウェア実行ステップは、前記動作用ソフトウェア格納領域に前記リンクを作る領域指定ステップを含むことを特徴とする請求項1及び2に記載の機能拡張方法。
【請求項4】
機能拡張装置によって、オペレーティングシステムを備えた情報処理装置の機能を拡張する機能拡張方法において、
前記情報処理装置は、オペレーティングシステムを備え、
前記機能拡張装置は、前記オペレーティングシステムの標準I/Oとして認識される記憶部と、前記機能拡張装置の動作を制御する制御部を備え、
前記オペレーティングシステムが送出する前記記憶部を組み込むための組込み要求ステップに対して前記制御部が応答を行う組込み応答ステップに続いて、
前記制御部が前記オペレーティングシステムに対して前記機能拡張装置の動作用ソフトウェアのコピーを要求するコピー要求を送出するコピー要求ステップを備えることを特徴とする機能拡張方法。
【請求項5】
前記コピー要求は、動作用ソフトウェアをコピーするためのコピーソフトウェアが格納されているアドレスを含み、前記コピー要求を受信した前記オペレーティングシステムは前記アドレスを参照して前記コピーソフトウェアを実行するコピーソフトウェア実行ステップを備えることを特徴とする請求項4に記載の機能拡張方法。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記動作用ソフトウェアを格納するための動作用ソフトウェア格納領域を備え、
前記コピーソフトウェア実行ステップは、前記動作用ソフトウェア格納領域に前記動作用ソフトウェアをコピーする領域指定ステップを含むことを特徴とする請求項4及び5に記載の機能拡張方法。
【請求項7】
前記オペレーティングシステムは接続されている装置が標準I/Oとして認識可能であるかを確認するための確認要求を送出する確認ステップを備えることを特徴とする請求項1乃至6に記載の機能拡張方法。
【請求項8】
オペレーティングシステムを備えた情報処理装置に接続され前記情報処理装置の機能を拡張する機能拡張装置において、
前記機能拡張装置は、前記オペレーティングシステムに標準I/Oとして認識される記憶手段と、前記機能拡張装置の動作を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は前記オペレーティングシステムに対して前記機能拡張装置を動作させる動作用ソフトウェアへのリンクの作成を要求することを特徴とする機能拡張装置。
【請求項9】
オペレーティングシステムを備えた情報処理装置に接続され前記情報処理装置の機能を拡張する機能拡張装置において、
前記機能拡張装置は、前記オペレーティングシステムに標準I/Oとして認識される記憶手段と、前記機能拡張装置の動作を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は前記オペレーティングシステムに対して前記機能拡張装置を動作させる動作用ソフトウェアのコピーを要求することを特徴とする機能拡張装置。
【請求項10】
前記動作用ソフトウェアは前記記憶手段に格納されていることを特徴とする請求項8及び9に記載の機能拡張装置。
【請求項11】
情報処理装置と前記情報処理装置に接続する機能拡張装置とを備える情報処理システムにおいて、
前記情報処理装置は、オペレーティングシステムを備え、
前記情報処理装置と機能拡張装置はデータ入出力のためのインタフェースで接続され、
前記機能拡張装置は、前記オペレーティングシステムの標準I/Oとして認識される記憶手段と、前記機能拡張装置の動作を制御する制御手段を備え、
前記制御手段が前記オペレーティングシステムに対して前記機能拡張装置を動作させる動作用ソフトウェアへのリンクの作成を要求することを特徴とする機能拡張システム。
【請求項12】
情報処理装置と前記情報処理装置に接続する機能拡張装置とを備える情報処理システムにおいて、
前記情報処理装置は、オペレーティングシステムを備え、
前記情報処理装置と機能拡張装置はデータ入出力のためのインタフェースで接続され、
前記機能拡張装置は、前記オペレーティングシステムの標準I/Oとして認識される記憶手段と、前記機能拡張装置の動作を制御する制御手段を備え、
前記制御手段が前記オペレーティングシステムに対して前記機能拡張装置を動作させる動作用ソフトウェアのコピーを要求することを特徴とする機能拡張システム。
【請求項13】
前記情報処理装置に接続され前記オペレーティングシステムに標準I/Oとして認識される外部記憶手段を備え、
前記動作用ソフトウェアは前記外部記憶手段に格納されていることを特徴とする請求項11及び12に記載の機能拡張システム。
【請求項14】
オペレーティングシステムを備えた情報処理装置と、制御手段を備えた機能拡張装置及び前記オペレーティングシステムの標準I/Oとして認識される記憶手段とを備えた情報処理システムの機能拡張プログラムにおいて、
前記制御手段に、前記オペレーティングシステムが送出する前記記憶部を組み込むための組込み要求に対して前記制御部が応答を行う組込み応答に続いて、前記オペレーティングシステムに対して前記機能拡張装置を動作させる動作用ソフトウェアへのリンクの作成を要求する処理を実行させることを特徴とする機能拡張プログラム。
【請求項15】
オペレーティングシステムを備えた情報処理装置と、制御手段を備えた機能拡張装置及び前記オペレーティングシステムの標準I/Oとして認識される記憶手段とを備えた情報処理システムの機能拡張プログラムにおいて、
前記制御手段に、前記オペレーティングシステムが送出する前記記憶部を組み込むための組込み要求に対して前記制御部が応答を行う組込み応答に続いて、前記オペレーティングシステムに対して前記機能拡張装置を動作させる動作用ソフトウェアのコピーを要求する処理を実行させることを特徴とする機能拡張プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−3733(P2009−3733A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164568(P2007−164568)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】