説明

機能水

【課題】野菜等の食品、厨房用品及び厨房の床、壁等、食品製造、食品加工等の工場の床、壁等、の洗浄、除菌、消臭及び防黴等の作用を有する機能水を提供する。
【解決手段】本発明の機能水は、炭酸水素ナトリウム等を含む水が電気分解されてなる電解水に、銀イオンが含有されていることを特徴とする。電解水は、珪素化合物を主成分とする半導体セラミックを濾材としてろ過された活性水により3〜40倍に希釈されて用いられることが好ましい。また、更に0.1〜0.7質量%(好ましくは0.1〜0.6質量%)の塩化ナトリウムを含有することが好ましい。更に、銀イオンは、電解水と接触している樹脂成形体(ポリエチレン樹脂等からなる。)に含有された銀化合物(AgO等)から供給され、銀化合物の含有量は0.03〜0.20質量%(好ましくは0.08〜0.15質量%)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能水に関する。更に詳しくは、本発明は、炭酸水素ナトリウム等を含む水が電気分解されてなる電解水に、微量の銀イオンが含有されている機能水に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、厨房の床、壁等、及びまな板、包丁等の厨房用品、食品製造、食品加工等の工場の床、壁、コンベアライン等、並びに野菜等の食品、などの洗浄、除菌及び消臭等の作用を有する水の必要性がより高まっている。このような作用を有する水として、例えば、水道水を電気分解してなる電解還元水等が知られており(例えば、特許文献1参照)、この電解水等は、飲料水の他、例えば、眼鏡のレンズ、医療器具等の洗浄などの用途に用いられている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−361250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の水道水を電気分解した電解還元水等は、十分な洗浄、除菌及び消臭等の作用を有しているが、昨今の環境浄化、健康保持等に対する意識の高まり等により、更に優れた作用を有する水の提供が必要とされている。
本発明は、上記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、炭酸水素ナトリウム等を含む水が電気分解されてなる電解水に、微量の銀イオンが含有されている機能水を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下のとおりである。
1.炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1種を含む水が電気分解されてなる電解水に、銀イオンが含有されていることを特徴とする機能水。
2.上記水は上記炭酸水素ナトリウムを含む上記1.に記載の機能水。
3.上記電解水の水素イオン指数が9.0〜10.5である上記2.に記載の機能水。
4.上記電解水が希釈用水により3〜40倍に希釈されて用いられる上記2.又は3.に記載の機能水。
5.上記希釈用水が、珪素化合物を含有する半導体セラミックをろ材としてろ過された活性水である上記4.に記載の機能水。
6.更に塩化ナトリウムを含有し、上記電解水と該塩化ナトリウムとの合計を100質量%とした場合に、該塩化ナトリウムは0.1〜1.0質量%である上記2.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の機能水。
7.上記銀イオンの供給源が酸化銀である上記2.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の機能水。
8.上記銀イオンの含有量が上記電解水1ミリリットル当たり30〜80ngである上記2.乃至7.のうちのいずれか1項に記載の機能水。
9.上記銀イオンは、上記電解水と接触している樹脂成形体に含有された銀化合物から供給される上記2.乃至8.のうちのいずれか1項に記載の機能水。
10.上記樹脂成形体は、上記銀化合物を含むガラスの粉末を含有し、該粉末と該銀化合物との合計を100質量%とした場合に、該銀化合物はAg換算で0.2〜1.0質量%であり、該樹脂成形体に用いられる合成樹脂と該粉末との合計を100質量%とした場合に、該粉末は5〜30質量%である上記9.に記載の機能水。
11.レジオネラ属菌の除菌に用いられる上記2.乃至10.のうちのいずれか1項に記載の機能水。
12.洗浄、除菌、消臭、防黴及び防錆のうちの少なくとも1種の作用を有する上記1.乃至10.のうちのいずれか1項に記載の機能水。
【発明の効果】
【0006】
本発明の機能水は、炭酸水素ナトリウム等を含む水が電気分解されてなる電解水に、微量の銀イオンが含有されているため、炭酸水素ナトリウム等を溶解させたのみの水に比べて水素イオン指数が高く、優れた洗浄作用等を有し、且つ銀イオンが含有されているため、十分な除菌作用等を併せて有する。
また、水が炭酸水素ナトリウムを含む場合は、電解水の水素イオン指数が適度に高くなり、人の皮膚等が冒されることがなく、取り扱い易く、且つ優れた洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
更に、電解水の水素イオン指数が9.0〜10.5である場合は、人の皮膚等が冒されることがなく、取り扱い易く、且つ優れた洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
また、電解水が希釈用水により3〜40倍に希釈されて用いられる場合は、希釈に用いる水の種類にもよるが、例えば、水道水を用いたときなど、より安価であり、且つ十分な洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
更に、希釈用水が、珪素化合物を含有する半導体セラミックをろ材としてろ過された活性水である場合は、希釈用水として水道水を用いたときと比べて、より優れた洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
また、更に塩化ナトリウムを含有し、電解水と塩化ナトリウムとの合計を100質量%とした場合に、塩化ナトリウムが0.1〜1.0質量%である場合は、特に機能水を水により希釈して用いるとき、希釈用水として水道水を用いた場合であっても、十分な洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
更に、銀イオンの供給源が酸化銀である場合は、電解水に所要量の銀イオンが供給され、優れた洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
また、銀イオンの含有量が電解水1ミリリットル当たり30〜80ngである場合は、銀イオンの含有量が微量であるにもかかわらず、優れた洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
更に、銀イオンが、電解水と接触している樹脂成形体に含有された銀化合物から供給される場合は、電解水に所要量の銀イオンを容易に含有させることができ、優れた洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
また、樹脂成形体が、銀化合物を含むガラスの粉末を含有し、粉末と銀化合物との合計を100質量%とした場合に、銀化合物がAg換算で0.2〜1.0質量%であり、樹脂成形体に用いられる合成樹脂と粉末との合計を100質量%とした場合に、粉末が5〜30質量%である場合は、樹脂成形体の成形が容易であり、且つ銀イオンが電解水に溶出し易く、比較的短時間で電解水に所要量の銀イオンを供給し、含有させることができ、優れた洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
更に、機能水がレジオネラ属菌の除菌に用いられる場合は、医療分野においても有用な機能水とすることができる。
また、洗浄、除菌、消臭、防黴及び防錆のうちの少なくとも1種の作用を有する場合は、特に油汚れの多い厨房、厨房用品等の多くの被洗浄材及び被除菌材などの洗浄、除菌等に有用な機能水とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の機能水は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1種を含む水が電気分解されてなる電解水に、銀イオンが含有されていることを特徴とする。
【0008】
上記「炭酸水素ナトリウム」、「炭酸ナトリウム」及び「過炭酸ナトリウム」は、いずれか1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらのナトリウム塩の含有量も特に限定されないが、ナトリウム塩と水との合計を100モル%とした場合に、ナトリウム塩(併用する場合は合計量)は0.8〜2.0モル%とすることができ、1.0〜1.8モル%、特に1.2〜1.4モル%であることが好ましい。ナトリウム塩の含有量が0.8〜2.0モル%であれば、所定の水素イオン指数(以下、「pH」という。)を有し、優れた洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。更に、酸化還元電位が体液に近似の−50〜−200mVになるため、生体にとって有用な機能水とすることもできる。
【0009】
上記のナトリウム塩は、所要の洗浄作用、除菌作用等と、機能水を用いるときの作業のし易さ等とを勘案して選定することが好ましく、十分な洗浄作用、除菌作用等と、安全性、及び作業のし易さ等とを併せて有する機能水が得られる炭酸水素ナトリウムが好ましい。特に、ナトリウム塩の全量が炭酸水素ナトリウムであることがより好ましい。
【0010】
上記「水」は特に限定されず、水道水、自然水、水道水等を蒸留してなる蒸留水、ろ過及び蒸留により水道水等から不純物を除去してなる精製水、半導体セラミック等のセラミックの粒子又は多孔質成形体によりろ過されて有機塩素化合物が除去され(有機塩素化合物が含有されていない。)、且つ酸化還元電位が生体に近似(−50〜−200mV)である活性水(以下、活性水とはこの意味である。)、イオン交換樹脂等を用いて精製水を脱イオン化した純水などを用いることができる。この水として水道水を用いた場合であっても、十分な洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができ、精製水等のより純度の高い水、また、特に活性水を用いたときは、より優れた洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
尚、上記の半導体セラミックとしては、例えば、珪素等の複数の元素を有する複合半導体セラミック(商品名「マリンストーン」)等が挙げられる。
【0011】
水として水道水を用いる場合、通常の水道水には少なくとも100ppm程度の金属イオンが含有されているため、それらの金属イオンによって電気分解に必要な通電性は確保されるが、必要に応じてNa、Ca、Mg等を有する塩を少量溶解させ、その後、電気分解することもできる。また、本発明において用いる水は炭酸水素ナトリウム等を含んでおり、精製水、活性水等を用いた場合であっても、電気分解に必要な通電性は確保されるが、同様に金属塩を少量溶解させ、その後、電気分解することもできる。このように少量の金属イオンを含有させることにより、電気分解の効率を高め、電解水の生産性を向上させることもできる。特に、蒸留、ろ過、イオン交換等の操作を施した水を用いるときは、必要に応じて所要量の上記の塩等を溶解させ、その後、電気分解してもよい。
【0012】
上記「電解水」は、炭酸水素ナトリウム等を含む水が電気分解されたものであるが、この電気分解の方法は特に限定されず、隔膜法等の通常の方法により電解分解させることができる。この電気分解により炭酸水素ナトリウム等を含む水のpHが上昇するが、電解水のpHは9.0〜10.5、特に9.5〜10.0であることが好ましい。この範囲のpHであれば、優れた洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができ、併せて洗浄等の作業時に作業者の皮膚等が冒されることもなく、作業のし易い機能水とすることができる。
【0013】
また、上記のように炭酸水素ナトリウム等を含む水を電気分解することにより電解水のpHが上昇するが、例えば、炭酸水素ナトリウムを溶解させたのみで、電気分解しないときは、水溶液のpHはそれほど上昇せず、高々8.0前後であり、このpHでは十分な洗浄作用、除菌作用等を得ることはできない。一方、本発明の機能水、特に炭酸水素ナトリウムを用いた機能水では、水溶液を電気分解することにより電解水のpHは9.0〜10.5、特に9.5〜10.0に上昇し、より優れた洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
【0014】
上記「銀イオン」を電解水に含有させるための銀イオンの供給源は特に限定されず、種々の銀化合物を用いることができる。この銀化合物としては、例えば、酸化銀、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、フッ化銀、硫酸銀、硝酸銀、酢酸銀、クエン酸銀等を用いることができる。これらの銀化合物は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。この銀化合物としては、酸化銀、塩化銀が好ましく、特に酸化銀がより好ましい。
【0015】
本発明の機能水では、含有される銀イオンは多くを必要とせず、極めて微量の銀イオンが含有されておればよい。電解水における銀イオンの含有量は特に限定されないが、電解水1ミリリットル当たり30〜80ng、特に40〜60ngであればよく、このように微量の銀イオンが含有されておれば、十分な洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
尚、この銀イオンの含有量は、後記の実施例の[1]、(1)のようにして作製した樹脂成形体1本を、100ミリリットルの電解水又は希釈電解水に浸漬し、20℃で5時間経過した後、ICP発光分析することにより定量することができる。
【0016】
この機能水は、電解水をそのまま用いて、この電解水に銀イオンを含有させたものでもよく、電解水を水により希釈して、この希釈電解水に銀イオンを含有させたものでもよい。電解水を希釈して用いる場合、希釈倍率は特に限定されないが、十分な洗浄作用、除菌作用等を得るためには、希釈倍率は3〜40倍とすることができ、5〜37倍、特に7〜35倍であることが好ましい。この希釈倍率は洗浄、除菌等をする対象により選定することが好ましく、例えば、厨房用品、及び厨房の床、壁等の洗浄、除菌等では5〜20倍、特に7〜15倍とすることが好ましく、犬、猫等の動物の体毛、皮膚などの洗浄、除菌、消臭等では25〜37倍、特に27〜35倍とすることが好ましい。
【0017】
電解水の希釈に用いる希釈用水は特に限定されず、前記の水道水、自然水、蒸留水、精製水、活性水、純水などを用いることができる。この希釈用水は、機能水のコストと所要の洗浄作用、除菌作用等とによって選定することが好ましい。水道水を用いれば安価な機能水とすることができるが、十分な洗浄作用、除菌作用等を得るためには、被洗浄材、被除菌材等とより長時間接触させなければならないことがある。一方、精製水、活性水等を用いたときは、コスト高にはなるが、より優れた洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。また、より優れた作用、効果が得られる活性水を希釈用水として用いることがより好ましい。
【0018】
また、この機能水は、特に、pHが9.0〜10.5であり、銀イオンの含有量が電解水1ミリリットル当たり30〜80ngであれば、十分な洗浄作用、除菌作用等が得られるが、更に塩化ナトリウムを含有していることが好ましい。この塩化ナトリウムの含有量は特に限定されないが、電解水と塩化ナトリウムとの合計を100質量%とした場合に、0.1〜1.0質量%とすることができ、特に0.1〜0.9質量%、更に0.1〜0.6質量%であることが好ましい。このように所定量の塩化ナトリウムを含有させることにより、洗浄作用、除菌作用等をより向上させることができる。塩化ナトリウムとしては食用の塩を用いることができ、この塩における塩化ナトリウムの含有量は特に限定されないが、塩化ナトリウムの含有量が99質量%以上の精製塩を用いることが好ましい。
【0019】
上記のように洗浄作用、除菌作用等を向上させるための添加物としては、塩化ナトリウムの他に、機能水において、亜鉛イオン、銅イオン等が生成する、特に安全性の高い亜鉛イオンが生成する化合物等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種の添加物(塩化ナトリウムも含む。)を、例えば、上記の質量割合で含有する機能水は、より優れた洗浄作用、除菌作用等を有する。この他の添加物の場合、モル量で上記の塩化ナトリウムのときと同様の含有量とすることができる。
尚、機能水には、電解水、銀イオン、塩化ナトリウム等の添加物を除く他の成分が含有されていてもよい。これらの他の成分が含有される場合、他の成分の含有量は、機能水を100質量%としたときに、合計で5質量%以下、特に3質量%以下、更に1質量%以下であることが好ましい。
【0020】
本発明の機能水において銀イオンを電解水に含有させる方法は特に限定されない。例えば、この銀イオンは、電解水と接触している樹脂成形体に含有された銀化合物から供給させ、含有させることができる。樹脂成形体の成形に用いられる合成樹脂は特に限定されず、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の各種の合成樹脂を用いることができる。この合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が好ましい。
【0021】
樹脂成形体に銀化合物をそのまま含有させた場合、電解水に銀イオンが供給され難く、十分な洗浄作用、除菌作用等が得られないことがある。そのため、電解水に溶出し易い材料に銀化合物を予め混合し、これを合成樹脂に配合し、この合成樹脂からなる樹脂成形体を用いることが好ましい。電解水に溶出し易い材料は特に限定されないが、例えば、SiOを5〜45モル%、Bを40〜85モル%、NaOを5〜20モル%含有するガラスを用いることができる。また、この銀化合物を含むガラスを合成樹脂に配合し易くするため、ガラスは粉末であることが好ましい。
【0022】
ガラスの粉末の粒径は特に限定されないが、5〜60μm、特に10〜40μmであることが好ましい。この粒径が5〜60μmであれば、銀イオンが樹脂成形体から放出され易く、所要量の銀イオンの放出に長時間を必要とせず、例えば、電解水と樹脂成形体とを18〜30時間、特に20〜28時間、更に22〜26時間接触させれば、所要量の銀イオンが電解水に供給される。また、粉末の合成樹脂への配合量も多くを必要とせず、樹脂成形体の成形性が低下することもない。
尚、接触時間を30時間を越えてより長時間にしてもよいが、その場合、最長でも168時間(7日間)以下とすることが好ましい。
【0023】
銀化合物が配合されたガラスからなる粉末における銀化合物の含有量は、機能水の洗浄作用、除菌作用等が十分に得られる限り、特に限定されないが、粉末と銀化合物との合計を100質量%とした場合に、銀化合物はAg換算で0.2〜1.0質量%とすることができ、0.3〜0.8質量%、特に0.4〜0.6質量%であることが好ましい。銀化合物の含有量がAg換算で0.2〜1.0質量%であれば、十分な洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができ、粉末の合成樹脂への配合量も多くを必要とせず、樹脂成形体の成形性が低下することもない。
【0024】
また、粉末が配合された合成樹脂を用いてなる樹脂成形体における粉末の含有量は、機能水の洗浄作用、除菌作用等が十分に得られる限り、特に限定されないが、樹脂成形体に用いられる合成樹脂と粉末との合計を100質量%とした場合に、粉末は5〜30質量%とすることができ、5〜20質量%、特に5〜15質量%であることが好ましい。粉末の含有量が5〜30質量%であれば、樹脂成形体の成形性が低下することがなく、十分な洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。
【0025】
樹脂成形体と電解水とを接触させる方法も特に限定されないが、樹脂成形体から電解水に所要量の銀イオンを放出させるためには、樹脂成形体を電解水に浸漬する方法が好ましい。この浸漬の条件も特に限定されず、浸漬時の電解水の温度は常温(15〜35℃、特に15〜25℃)でもよく、必要に応じて電解水を加熱してもよい。加熱する場合、電解水の温度は35℃を越え、50℃以下とすることができ、特に35〜45℃とすることができる。また、この温度は15℃未満でもよいが、5℃以上、特に10℃以上とすることが好ましい。更に、電解水と樹脂成形体とを接触させる時間は特に限定されないが、好ましい接触時間は前記のとおりである。
【0026】
樹脂成形体の形状は特に限定されないが、電解水に効率よく銀イオンを放出させるためには、質量当たりの面積が大きいことが好ましい。このような樹脂成形体としては、フィルム、シート等が挙げられる。これらの樹脂成形体の厚さは特に限定されないが、フィルムでは50〜500μm、特に100〜300μm程度とすることができ、シートでは500μmを越え、3mm、特に800μmから2mm程度とすることができる。また、電解水への出し入れ等の取り扱い易さを考慮すると、細片ではなく所定形状の成形体であることが好ましい。
【0027】
樹脂成形体としては、例えば、図1のような樹脂成形体が挙げられる。この図1の樹脂成形体であれば、質量当たりの面積が大きく、より短時間で電解水に所定量の銀イオンを放出させることができ、且つ取り扱い易く、樹脂成形体の電解水への出し入れ等が容易である。更に、電解水が投入された容器の形状、及び特に開口部の寸法等により、成形体の寸法を調整することで、どのような形状、寸法の容器であっても容易に用いることができる。
【0028】
銀イオンは電解水に銀化合物を配合することにより含有させることもできる。この場合の銀化合物としては、前記の銀化合物を用いることができ、酸化銀、塩化銀が好ましく、酸化銀が特に好ましい。また、銀化合物の電解水への配合量は特に限定されないが、電解水と銀化合物との合計を100質量%とした場合に、銀化合物はAg換算で0.0.5〜1.0質量%とすることができ、0.1〜0.8質量%、特に0.1〜0.6質量%であることが好ましい。銀化合物の配合量がAg換算で0.0.5〜1.0質量%であれば、より短時間で電解水に所定量の銀イオンを放出させることができる。
【0029】
上記のように電解水に銀化合物を配合したとき、電解水に所要量の銀イオンが放出されるのに必要な時間は、電解水と樹脂成形体とを接触させた場合と同様であり、銀化合物の配合時から18〜30時間経過、特に20〜28時間、更に22〜26時間経過した時点で、所要量の銀イオンが電解水に供給され、十分な洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。更に、銀化合物を配合するとき、及び配合した後の電解水の温度も電解水と樹脂成形体とを接触させる場合と同様とすることができる。
【0030】
銀イオンは、電解水と、銀化合物が配合された多孔質樹脂成形体とを接触させることにより含有させることもできる。この場合、電解水に多孔質樹脂成形体を浸漬して接触させてもよいし、多孔質樹脂成形体の一面から他面へと電解水を流通させて含有させることもできる。この多孔質樹脂成形体には前記の樹脂成形体のときと同様の合成樹脂を用いることができる。また、樹脂成形体のときと同様に銀化合物をガラスに配合し、このガラスの粉末を含有する合成樹脂を成形してなる多孔質樹脂成形体を用いることもできる。
【0031】
電解水と多孔質樹脂成形体との接触時間は、浸漬の場合は、浸漬開始から5〜15時間経過、特に7〜10時間経過と比較的短時間でよく、これにより所要量の銀イオンが電解水に供給され、十分な洗浄作用、除菌作用等を有する機能水とすることができる。また、電解水を流通させるときは、必要に応じて複数回流通させることで、所要量の銀イオンを電解水に供給させることができる。更に、多孔質樹脂成形体を浸漬する場合の温度、及び電解水を流通させるときの温度は、いずれの場合も電解水と樹脂成形体とを接触させる場合と同様とすることができる。
【0032】
樹脂成形体との接触、銀化合物の配合、多孔質樹脂成形体との接触により、電解水に銀イオンを含有させて得られた機能水は、樹脂成形体又は多孔質樹脂成形体を浸漬した場合は、これらを取り出し、そのまま用いてもよいし、ろ過して用いてもよい。銀化合物を配合したとき、及び電解水を多孔質樹脂成形体に流通させたときも、夾雑物等は微量であるため特にろ過は必要としないが、必要に応じてろ過して用いてもよい。
【0033】
更に、本発明の機能水の被洗浄材、被除菌材等との接触時間は特に限定されないが、5分間から5時間、特に10分間から4時間とすることができる。これにより、十分な洗浄作用、除菌作用等が得られる。また、この機能水によれば、汚れが十分に除去されるため、菌がより発生し難く、黴も生成し難く、洗浄、除菌の作用、効果が長期間持続する。更に、本発明の機能水は速効性に優れ、被洗浄材、被除菌材等と短時間接触させることにより、十分な洗浄作用、除菌作用等が得られる。この機能水は、被洗浄材、被除菌材等と5〜50分、特に5〜40分接触させることによっても、被洗浄材を十分に洗浄することができ、被除菌材を十分に除菌することができる等の優れた作用を有する。このように短時間の接触で十分な作用、効果が得られ、且つこの作用、効果が持続するため、本発明の機能水は速効性及び作用、効果の持続性を必要とする洗浄等の場合に特に有用である。例えば、レストラン等の外食産業、特に油汚れの激しい中華レストランなどにおける厨房用品、及び厨房の床、壁等の洗浄、除菌、消臭などに好適である。
【0034】
本発明の機能水の用途は特に限定されず、洗浄、除菌等を必要とする多くの被洗浄材、被除菌材などの洗浄、除菌等に用いることができる。この被洗浄材、被除菌材等としては、例えば、(1)前記の中華レストラン等の外食産業、病院、老健施設などにおける厨房用品、及び厨房の床、壁、(2)一般家庭の台所用品、及び台所の床、壁、(3)食品産業等におけるコンベアライン、(4)ホテル、旅館、レストラン、公共施設、病院、老健施設、一般家庭等におけるトイレ、(5)ホテル、旅館、病院、老健施設、一般家庭等における浴槽、及び浴場の床、壁、(6)公共施設、オフィスビル等の不特定多数の人が利用する施設の廊下等、(7)眼鏡のレンズ、及び(8)内視鏡チューブ等の医療器具などが挙げられる。
【0035】
また、この機能水によれば、犬、猫等の動物の体毛、皮膚などの洗浄、除菌、消臭等をすることもできる。更に、この機能水により、野菜、果物等を洗浄することによって、鮮度を保つことができ、味の低下を抑えることもできる。また、黴等の一般細菌、大腸菌、レジオネラ菌等を殺菌し、除菌することができるため、医療分野においても有効に作用する機能水とすることができる。更に、被洗浄材、被除菌材などによっては、洗浄、除菌、消臭の他に、防黴、防錆等の作用を併せて得ることもできる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]銀イオンの有無、検体調製後経過日時及び添加物(NaCl)の評価
実験例1−1〜1−15
2000ミリリットルの水道水に125gの重曹を溶解させ、電気分解し、pH9.7の電解水を得た。その後、活性水により10倍に希釈し、この希釈水から各々500ミリリットルの希釈電解水を分取し、以下のそれぞれの検体を調製した。
【0037】
(1)実験例1−3、1−5
SiO10モル%、B80モル%及びNaO10モル%の組成のガラスに、AgOを0.5質量%(ガラスとAgOとの合計を100質量%とする。)配合し、これを粉砕して粒径40μm以下の粉末とした。その後、この粉末を低密度ポリエチレンに10質量%(低密度ポリエチレンと粉末との合計を100質量%とする。)配合し、図1のような形状の樹脂成形体を作製した。次いで、この樹脂成形体1本を上記の500ミリリットルの希釈電解水に浸漬し、24時間静置し、その後、ろ過して検体を調製した。
尚、図1の樹脂成形体の寸法は、長さが60mm、6枚の放射状の突出片の幅(中心から両側に突出している全幅)が各々9mm、突出片の厚さが1mmである。これにより、希釈電解水には1ミリリットル当たり50ng程度の銀イオンが放出されることになる。
【0038】
(2)実験例1−7、1−9、1−11、1−12、1−14、1−15
上記[1]のようにして調製した希釈電解水に0.1質量%のNaCl(実験例1−7、1−9)、0.2質量%のNaCl(実験例1−11、1−12)、0.5質量%のNaCl(実験例1−14、1−15)(いずれも希釈電解水とNaClとの合計を100質量%とする。)を溶解させ、その後、これらの溶液に上記(1)のようにして作製した樹脂成形体1本を浸漬し、24時間静置し、その後、ろ過して検体を調製した。
【0039】
蒸留水及び上記(1)及び(2)のようにして調製した検体を用いて、各々の検体を調製した翌日及び7日間経過後のそれぞれの検体に、大腸菌群を常温(20〜30℃)で攪拌しながら1時間接触させ、接触前後の各々の大腸菌数を測定し、下記のようにして滅菌率を算出した。
滅菌率(%)=(接触後の大腸菌数/接触前の大腸菌数)×100
結果を表1に併記する。
【0040】
【表1】

【0041】
表1の結果によれば、蒸留水を用いた場合(実験例1−1、1−4、1−6、1−8、1−10、1−13)は、いずれの実験例でも大腸菌数の減少はみられなかった。また、電解水に銀イオンが含有されていない実験例1−2では、十分に滅菌されていないことが分かる。
【0042】
一方、銀イオンを含有する各々の実験例では92.3〜99.9%の滅菌率となっており、銀イオンを含有させることによる優れた作用、効果が裏付けられている。また、NaClを含有しない場合、及び含有量が0.1質量%である場合は、検体を調製した翌日に比べて7日間経過後に大腸菌群と接触させたときは滅菌率がやや低下しており、NaClを含有しないとき、及び含有量が少量であるときは検体調製後長時間経過しないうちに用いることが好ましいと推定される(実験例1−3と1−5との比較及び実験例1−7と1−9との比較)。更に、NaClを配合した場合は、その配合量によらず、いずれの実験例でも滅菌率がより向上しており、NaClを配合することによる相乗効果が裏付けられている(実験例1−3と1−7、1−11、1−12との比較及び実験例1−5と1−9、1−14、1−15との比較)。
【0043】
[2]NaClを配合した場合の検体調製後経過時間、大腸菌群との接触時間の評価
実験例2−1〜2−9
NaClの配合量を0.2質量%とし、上記[1]、(2)と同様にして検体を調製し、各々の検体を調製した翌日、7日間経過後及び30日間経過後のそれぞれの検体に、大腸菌群を上記[1]と同様にして接触させ、接触時間を1時間又は3時間としたときの、接触前後の各々の大腸菌数を測定し、前記のようにして滅菌率を算出した。
結果を表2に併記する。
【表2】

【0044】
表2の結果によれば、蒸留水を用いた場合(実験例2−2、2−4、2−6、6−8)は、いずれの実験例でも大腸菌数の減少はみられなかった。一方、銀イオンとNaClとを含有する各々の実験例では99.9〜100%の滅菌率となっており、検体調製後経過時間及び大腸菌との接触時間によらず、銀イオンを含有させることによる作用、効果が裏付けられている。また、NaClの含有量が0.2質量%以上と多いためか、検体調製後、時間が経過しても、滅菌率はほとんど低下していないことが分かる。
【0045】
[3]電解水の希釈倍率の高い機能水の評価
実験例3−1〜3−4
電解水の希釈倍率を30倍とした他は、上記[2]の実験例2−2他と同様にして検体を調製し、各々の検体を調製した翌日、検体に大腸菌群を上記[1]と同様にして接触させ、接触時間を1時間又は3時間としたときの、接触前後のそれぞれの大腸菌数を測定し、前記のようにして滅菌率を算出した。
結果を表3に併記する。
【0046】
【表3】

【0047】
表3の結果によれば、蒸留水を用いた場合(実験例3−1、3−3)は、いずれの実験例でも細菌数の減少はみられなかった。一方、銀イオンとNaClとを含有する各々の実験例では、電解水の希釈倍率が10倍である上記[2]の場合の実験例2−2、2−3と同様に100%の滅菌率であり、希釈倍率が30倍と高いにもかかわらず十分な除菌作用を有していることが分かる。
尚、この電解水の希釈倍率が高い機能水は前記の各種の用途において用いることができるが、特に犬、猫等の動物の体毛、皮膚等の洗浄、除菌、消臭などに有用である。
【0048】
[4]NaClの配合、一般細菌との接触時間、並びに電解水の製造及び希釈に用いる水の種類等の評価
実験例4−1〜4−14
電気分解に用いる水を活性水(但し、下記のように実験例4−6、4−13を除く。)とした他は、上記[1]〜[3]の実験例のうちのそれぞれ対応する実験例と同様にして表4に記載の検体を調製し(銀イオンの放出には前記の樹脂成形体を用いた。)、各々の検体を調製した翌日、検体に一般細菌を上記[1]と同様にして接触させ、接触時間を1時間又は3時間としたときの、接触前後のそれぞれの細菌数を測定し、下記のようにして滅菌率を算出した。
滅菌率(%)=(接触後の一般細菌数/接触前の一般細菌数)×100
尚、ここで用いた一般細菌は生活排水から採集した菌である。また、実験例4−2、4−9では、重曹を溶解させていない活性水を電気分解せずに使用し、同様にしてAgを含有させ、重曹の除菌作用に及ぼす影響を検討した。更に、実験例4−6、4−13では電解水の製造及び希釈に活性水ではなく水道水を使用し、電解水の製造及び希釈に用いる水の相違の除菌作用に及ぼす影響を検討した。
結果を表4併記する。
【0049】
【表4】

【0050】
表4の結果によれば、蒸留水を用いた場合(実験例4−1、4−8)は、いずれの実験例でも細菌数の減少はみられなかった。また、重曹が配合されておらず、電気分解もされていない活性水に銀イオンを含有させた実験例4−2、4−9では、特に一般細菌との接触時間が1時間と短いときは、十分に滅菌されていないことが分かる。
【0051】
一方、重曹が配合された活性水を電気分解してなる電解水に銀イオンを含有させた各々の実験例、及び銀イオンとNaClとを含有させたそれぞれの実験例では94.0〜99.9%の滅菌率となっており、銀イオン、及び銀イオンとNaClとを含有させることによる作用、効果が裏付けられている。また、電解水の製造及び希釈に水道水を用いた場合は、接触時間が1時間では滅菌率がやや低下しているが(実験例4−6)、接触時間を3時間にすれば活性水により電解水の製造及び希釈をした場合と同様の滅菌率となっており(実験例4−13)、電解水の製造及び希釈に水道水を用いたときでも、接触時間を長くすれば十分な除菌作用が得られることが分かる。更に、活性水を用いて製造した電解水を活性水により30倍に希釈したときは、特に接触時間が1時間では滅菌率が低下しているが(実験例4−7)、接触時間を3時間にすれば希釈倍率が10倍のときとほぼ同様の滅菌率となっていることが分かる(実験例4−14)。
【0052】
[5]レジオネラ属菌と接触させた場合の除菌作用の評価
実験例5−1〜5−4
上記[2]の実験例2−2他と同様にして検体を調製し、各々の検体を調製した翌日、検体にレジオネラ属菌を上記[1]と同様にして接触させ、接触時間を30分間又は1時間としたときの、接触前後のそれぞれのレジオネラ属菌数を測定し、下記のようにして滅菌率を算出した。
滅菌率(%)=(接触後のレジオネラ属菌数/接触前のレジオネラ属菌数)×100
結果を表5に併記する。
【0053】
【表5】

【0054】
表5の結果によれば、蒸留水を用いた場合(実験例5−1、5−3)は、いずれの実験例でもレジオネラ属菌数の減少はみられなかった。一方、銀イオンとNaClとを含有する各々の実験例では、上記[2]の場合の実験例2−2、2−3と同様に100%の滅菌率であり、特に接触時間が30分間と短時間であっても、レジオネラ属菌を十分に除菌することができ、医療分野において有用な機能水であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、厨房用品、及び厨房の床、壁、食品産業等におけるコンベアライン、トイレ、浴槽、及び浴場の床、壁、眼鏡のレンズ等、並びに犬、猫等の動物の体毛、皮膚などの、洗浄、除菌、消臭、防黴及び防錆等において利用することができる。また、黴等の一般細菌、大腸菌、レジオネラ菌等を殺菌し、除菌することができるため、医療分野においても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】銀化合物を含むガラスの粉末を含有する樹脂成形体の一例の斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
1;樹脂成形体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1種を含む水が電気分解されてなる電解水に、銀イオンが含有されていることを特徴とする機能水。
【請求項2】
上記水は上記炭酸水素ナトリウムを含む請求項1に記載の機能水。
【請求項3】
上記電解水の水素イオン指数が9.0〜10.5である請求項2に記載の機能水。
【請求項4】
上記電解水が希釈用水により3〜40倍に希釈されて用いられる請求項2又は3に記載の機能水。
【請求項5】
上記希釈用水が、珪素化合物を含有する半導体セラミックをろ材としてろ過された活性水である請求項4に記載の機能水。
【請求項6】
更に塩化ナトリウムを含有し、上記電解水と該塩化ナトリウムとの合計を100質量%とした場合に、該塩化ナトリウムは0.1〜1.0質量%である請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の機能水。
【請求項7】
上記銀イオンの供給源が酸化銀である請求項2乃至6のうちのいずれか1項に記載の機能水。
【請求項8】
上記銀イオンの含有量が上記電解水1ミリリットル当たり30〜80ngである請求項2乃至7のうちのいずれか1項に記載の機能水。
【請求項9】
上記銀イオンは、上記電解水と接触している樹脂成形体に含有された銀化合物から供給される請求項2乃至8のうちのいずれか1項に記載の機能水。
【請求項10】
上記樹脂成形体は、上記銀化合物を含むガラスの粉末を含有し、該粉末と該銀化合物との合計を100質量%とした場合に、該銀化合物はAg換算で0.2〜1.0質量%であり、該樹脂成形体に用いられる合成樹脂と該粉末との合計を100質量%とした場合に、該粉末は5〜30質量%である請求項9に記載の機能水。
【請求項11】
レジオネラ属菌の除菌に用いられる請求項2乃至10のうちのいずれか1項に記載の機能水。
【請求項12】
洗浄、除菌、消臭、防黴及び防錆のうちの少なくとも1種の作用を有する請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載の機能水。

【図1】
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【公開番号】特開2008−114138(P2008−114138A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298677(P2006−298677)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(505053235)株式会社アリカコーポレーション (5)
【出願人】(597122666)株式会社サンテック (2)
【Fターム(参考)】