説明

機能的分子の可逆的共有結合

本発明は、式Fの第一の機能的部分を含む式R−Hの化合物を式Fの第二の機能的部分に連結するための試薬としての、式(I)の部分を含む化合物の使用に関する:


式中、X、X’、Y、R、F及びFは、本明細書中で規定したとおりである。本発明は、関連のプロセス及び生成物も提供する。本発明は、機能的なコンジュゲート化合物、特に、構成分子の少なくとも1つがチオール基を保有するコンジュゲート、を創出するために有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Fの第一の機能的部分を含む式R−Hの化合物を式Fの第二の機能的部分に連結するための試薬としての、式(I)の部分を含む化合物の使用:
【化1】

式中、
X及びX’は、同じ又は異なって、それぞれ酸素、硫黄又は式=NQの基を示し、Qは、水素、ヒドロキシル、C1−6アルキル又はフェニルであり;
Yは求電子性脱離基であり;
は、式−F又は−S−L−Fの基であり、Lはリンカー基であり、かつR−Hは少なくとも第一のSH基を含み;
該第一の機能的部分及び第二の機能的部分は、同じ又は異なって、それぞれ、検出可能部分、酵素活性部分、アフィニティタグ、ハプテン、免疫原性担体、抗体又は抗体断片、抗原、リガンド、生物活性部分、リポソーム、ポリマー部分、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、細胞、炭水化物、DNA及びRNAから選択され;
基Rは、式(I)の部分の2位において、式R−Hの化合物中の第一のSH基の求核攻撃によって式(I)の部分に結合され、その結果2位の基Yが基Rによって置換される。
【請求項2】
式(I)の部分を含む化合物が式(Ia)の化合物である、請求項1に記載の使用:
【化2】

式中、
X及びX’は、同じ又は異なって、それぞれ酸素、硫黄又は式=NQの基を示し、Qは、水素、ヒドロキシル、C1−6アルキル又はフェニルであり;
Yは求電子性脱離基であり;
以下のいずれかであり:
及びR’は、同じ又は異なって、それぞれ、水素原子又は式E、Nu、−L(Z)若しくはIGの基を示す;又は
及びR’は一緒になって、式−O−又は−N(R33’)の基を形成し、R33’は、水素原子又は式Y、Nu、−L(Z)若しくはIGの基を示す;又は
及びR’は一緒になって、式−N(R33’)−N(R33’)−の基を形成し、各R33’は、同じ又は異なって、水素原子又は式Y、Nu、−L(Z)若しくはIGの基を示す;
は、水素原子又は式Y、Nu、−L(Z)若しくはIGの基を示し;
式E及びYのそれぞれの基は、同じ又は異なって、求電子性脱離基を示し;
式Nuのそれぞれの基は、同じ又は異なって、−OH、−SH、−NH及び−NH(C1−6アルキル)から選択される求核剤を示し;
式Lのそれぞれの基は、同じ又は異なって、リンカー基を示し;
式Zのそれぞれの基は、同じ又は異なって、請求項1に記載の第二の機能的部分を含む化合物と反応し得る、式Lの基に結合した反応性基を示し、その結果該第二の機能的部分が該式Lの基に連結され;
nは、1、2又は3であり;
式IGのそれぞれの基は、同じ又は異なって、非置換であるか又はハロゲン原子及びスルホン酸基から選択される1個以上の置換基で置換されている、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基又はC2−20アルキニル基である部分を示し、式中、(a)0、1又は2個の炭素原子は、C6−10アリーレン、5〜10員のヘテロアリーレン、C3−7カルボシクリレン及び5〜10員のヘテロシクリレン基から選択される基によって置換されており、かつ(b)0、1又は2個の−CH−基は、−O−、−S−、−S−S−、−C(O)−及び−N(C1−6アルキル)−基から選択される基によって置換されており、式中、
(i)該アリーレン、ヘテロアリーレン、カルボシクリレン及びヘテロシクリレン基は、非置換であるか又はハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオール、−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)、ニトロ及びスルホン酸基から選択される1個以上の置換基によって置換されており;
(ii)該カルボシクリレン及びヘテロシクリレン基中の0、1又は2個の炭素原子は、−C(O)−基によって置換されている。
【請求項3】
Yが、ハロゲン原子又はトリフレート、トシレート、メシレート、N−ヒドロキシスクシンイミジル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル、C1−6アルキルチオール、5〜10員のヘテロシクリルチオール、C6−10アリールチオール、C3−7カルボシクリルチオール、−OC(O)CH、−OC(O)CF、フェニルオキシ、−NR若しくは−PR基であり、式中、R、R及びRは、同じ又は異なって、水素原子並びにC1−6アルキル及びフェニル基から選択される、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
Eが、ハロゲン原子又はC1−6アルコキシ、チオール、C1−6アルキルチオール、−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)、トリフレート、トシレート、メシレート、N−ヒドロキシスクシンイミジル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル、イミダゾリル、フェニルオキシ若しくはニトロフェニルオキシ基である、請求項2又は3に記載の使用。
【請求項5】
Lが、非置換であるか又はハロゲン原子及びスルホン酸基から選択される1個以上の置換基で置換されている、C1−20アルキレン基、C2−20アルケニレン基又はC2−20アルキニレン基である部分を示し、式中、(a)0、1又は2個の炭素原子は、C6−10アリーレン、5〜10員のヘテロアリーレン、C3−7カルボシクリレン及び5〜10員のヘテロシクリレン基から選択される基によって置換されており、かつ(b)0、1又は2個の−CH−基は、−O−、−S−、−S−S−、−C(O)−及び−N(C1−6アルキル)−基から選択される基によって置換されており、式中、
(i)該アリーレン、ヘテロアリーレン、カルボシクリレン及びヘテロシクリレン基は、非置換であるか又はハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオール、−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)、ニトロ及びスルホン酸基から選択される1個以上の置換基によって置換されており;
(ii)該カルボシクリレン及びヘテロシクリレン基中の0、1又は2個の炭素原子は、−C(O)−基によって置換されている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
Lが、非置換のC1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基である部分を示し、式中、(a)0又は1個の炭素原子は、フェニレン、5〜6員のヘテロアリーレン、C5−6カルボシクリレン及び5〜6員のヘテロシクリレン基から選択される基によって置換されており、該フェニレン、ヘテロアリーレン、カルボシクリレン及びヘテロシクリレン基は、非置換であるか又はハロゲン原子並びにC1−4アルキル及びC1−4アルコキシ基から選択される1又は2個の置換基によって置換されており、かつ(b)0、1又は2個の−CH−基は、−O−、−S−及び−C(O)−基から選択される基によって置換されている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
Zが、
(a)式−LG、−C(O)−LG、−C(S)−LG又は−C(NH)−LGの基(式中、LGは求電子性脱離基である);
(b)−OH、−SH、−NH、−NH(C1−6アルキル)及び−C(O)NHNH基から選択される求核剤Nu’;
(c)求核剤と開環求電子反応し得る環式部分Cyc;
(d)式−S(O)(Hal)の基(式中、Halはハロゲン原子である);
(e)式−N=C=O又は−N=C=Sの基;
(f)式−S−S(IG’)の基(式中、IG’は、請求項2に記載の式IGの基を示す);
(g)1個以上のハロゲン原子によって置換されたC6−10アリール基である、基AH;
(h)紫外線光への曝露によって活性化され得る光反応性基;
(i)式−C(O)H又は−C(O)(C1−6アルキル)の基;
(j)マレイミド基;
(k)式−C(O)CHCHの基;
(l)式−C(O)C(N)H又は−PhNの基(式中、Phはフェニル基を示す);又は
(m)エポキシド基、
を示す、請求項2〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
LGが、ハロゲン原子並びに−O(IG’)、−SH、−S(IG’)、−NH、−NH(IG’)、−N(IG’)(IG”)、−N、トリフレート、トシレート、メシレート、N−ヒドロキシスクシンイミジル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル、イミダゾリル及びアジド基から選択され、IG’及びIG”が、同じ又は異なって、それぞれ請求項2に記載の式IGの基を示し;かつ/又は
Nu’が、−OH、−SH及び−NH基から選択され;かつ/又は
Cycが、基
【化3】

及び
【化4】

から選択され;かつ/又は
Halが塩素原子であり;かつ/又は
AHが、少なくとも1個のフッ素原子で置換されたフェニル基であり;かつ/又は
光反応性基が、
(a)少なくとも1個の式−Nの基によって置換されており、1個以上のハロゲン原子によって更に置換されていてもよい、C6−10アリール基;
(b)ベンゾフェノン基;
(c)式−C(O)C(N)CFの基;及び
(d)式−PhC(N)CFの基(式中、Phはフェニル基を示す)
から選択される、
請求項7に記載の使用。
【請求項9】
Zが、
(a)式−LG、−C(O)−LG及び−C(S)−LGの基(式中、LGは、ハロゲン原子並びに−O(C1−6アルキル)、−SH、−S(C1−6アルキル)、トリフレート、トシレート、メシレート、N−ヒドロキシスクシンイミジル及びN−ヒドロキシスルホスクシンイミジル基から選択される);
(b)式−OH、−SH及び−NHの基;
(c)式
【化5】

又は
【化6】

の基;及び
(d)マレイミド基
から選択される、
請求項2〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
IGが、非置換のC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6アルキニル基である部分を示し、式中、(a)0又は1個の炭素原子は、フェニレン、5〜6員のヘテロアリーレン、C5−6カルボシクリレン及び5〜6員のヘテロシクリレン基から選択される基によって置換されており、該フェニレン、ヘテロアリーレン、カルボシクリレン及びヘテロシクリレン基は、非置換であるか又はハロゲン原子並びにC1−4アルキル及びC1−4アルコキシ基から選択される1又は2個の置換基によって置換されており、かつ(b)0、1又は2個の−CH−基は、−O−、−S−及び−C(O)−基から選択される基によって置換されている、
請求項2〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
nが1である、請求項2〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
式(Ia)の化合物が式(Ib)の化合物
【化7】

(式中、X、X’、Y、R及びR33’は全て、請求項2〜11のいずれか1項に記載したとおりである)
である、請求項2〜11のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
X及びX’がそれぞれ酸素原子を示し;
33’が水素原子又はC1−6アルキル基を示し;
Yがハロゲン原子を示し;
が水素若しくはハロゲン原子又はC1−6アルキル基を示す、
請求項12に記載の使用。
【請求項14】
が式−Fの基であり;
が、少なくとも第一のシステイン残基を含むペプチド又はタンパク質であり;
基Rが、式(I)の部分の2位において、該第一第二のシステイン残基のチオール基の求核攻撃によって式(I)の部分に結合され、その結果基Yが基R中の第一のシステイン残基中のチオール基によって置換される、
請求項1〜13のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
式(I)の部分を含む化合物が、請求項2〜13のいずれか1項に記載の式(Ia)の化合物であり;
が式Yの基であり;
がさらに、少なくとも第二のシステイン残基を含み;
基Rが、式(Ia)の部分の3位において、該第二のシステイン残基のチオール基の求核攻撃によって式(Ia)の化合物にさらに結合され、その結果基Rが基R中の第二のシステイン残基中のチオール基によって置換される、
請求項14に記載の使用。
【請求項16】
コンジュゲートを産生するためのプロセスであって、
(i)式(I)の部分を含む化合物を式R−Hの化合物と反応させて、式(II)の部分を含む化合物を産生する工程
【化8】

(ii)その後、式Fの部分を該式(II)の部分に連結する工程;
を含み、
工程(i)は、式(I)の部分の2位において、式R−Hの化合物中の第一のSH基の求核攻撃によって基Rを結合させることを含み、その結果2位の基Yは基Rによって置換され、
X、X’、Y、R、F、及び式(I)の部分を含む化合物は全て、請求項1〜15のいずれか1項に記載したとおりである、プロセス。
【請求項17】
式(II)の2位と3位との間の炭素−炭素二重結合へのFの求電子付加反応によって、Fを式(II)の部分に連結する工程を含む、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
式(I)の部分を含む化合物が、請求項2〜13のいずれか1項に記載の式(Ia)の化合物であり;
(a)R及びR’が一緒になって式−N(R33’)の基を形成する場合、R33’は、水素原子又は式Y、Nu若しくは−L(Z)の基を示し、該プロセスは、Fと(i)式−N(R33’)の部分の窒素原子又は(ii)式Y、Nu若しくは−L(Z)の基との間の反応によって、Fを式(II)の部分に連結する工程を含む;或いは
(b)R及びR’が一緒になって式−N(R33’)の基にならない場合、R及びR’の少なくとも一方は、式E、Nu又は−L(Z)の基を示し、該プロセスは、Fと式E、Nu又は−L(Z)の基との間の反応によって、Fを式(II)の部分に連結する工程を含む、
請求項16に記載のプロセス。
【請求項19】
式(I)の部分を含む化合物が、請求項2〜13のいずれか1項に記載の式(Ia)の化合物であり;
が、式Y、Nu又は−L(Z)の基を示し;
該プロセスは、Fと式Y、Nu又は−L(Z)の基との間の反応によって、Fを式(II)の部分に連結する工程を含む、
請求項16に記載のプロセス。
【請求項20】
コンジュゲートを産生するためのプロセスであって、
式R−Hの化合物を、(a)式(I)の部分及び(b)それに連結された少なくとも1個の式Fの部分を含む化合物と反応させる工程を含み、
式(I)及びFの部分は、それぞれ請求項1に記載したとおりであり;
は、請求項1、14及び15のいずれか1項に記載したとおりであり;
該プロセスは、式(I)の部分の2位において、式R−Hの化合物中の第一のSH基の求核攻撃によって基Rを結合させることを含み、その結果2位の基Yが基Rによって置換される、プロセス。
【請求項21】
(a)式(I)の部分及び(b)それに連結された少なくとも1個の式Fの部分を含む化合物が、式(IIa)の化合物
【化9】

であり、式中、
以下のいずれかであり:
3aは、式Rの基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示し、R3a’は独立して、式R’の基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示す;又は
3a及びR3a’は一緒になって、式−O−又は−N(R33a’)の基を形成し、R33a’は、式R33’の基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示す;又は
3a及びR3a’は一緒になって、式−N(R33a’)−N(R33a’)−の基を形成し、各R33a’は、同じ又は異なって、式R33’の基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示す;
2aは、式Rの基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示し;
mは、0からnまでの値を有する整数であり;
式(IIa)の化合物は、少なくとも1個の式Fの基を含み;
は、請求項1に記載したとおりであり;
X、X’、R、R’、R33’、R、L、Z及びnは全て、請求項2〜13のいずれか1項に記載したとおりである、
請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
式(IIa)の化合物において、
以下のいずれかであり:
3aが、式Rの基又は式Fの基を示し、R3a’が独立して、式R’の基又は式Fの基を示す;又は
3a及びR3a’は一緒になって、式−N(R33a’)の基を形成し、R33a’は、式R33’の基又は式Fの基を示す;
2aが、式Rの基又は式Fの基を示す、
請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
式(IIa)の化合物が、式Fの基を1個含む、請求項21又は22に記載のプロセス。
【請求項24】
1個以上のさらなる機能的部分をコンジュゲートに連結する工程を更に含み、各さらなる機能的部分が、同じ又は異なって、検出可能部分、酵素活性部分、アフィニティタグ、ハプテン、免疫原性担体、抗体又は抗体断片、抗原、リガンド、生物活性部分、リポソーム、ポリマー部分、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、細胞、炭水化物、DNA及びRNAから選択される、請求項16〜23のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項25】
(i)式(II)の部分を含む化合物を提供する工程;及び
(ii)式(II)の部分の2位において、基Rと炭素原子との間の結合を切断する工程、
を含み、
は、請求項1、14及び15のいずれか1項に記載したとおりであり;
式(II)の部分は、請求項16に記載したとおりである、
プロセス。
【請求項26】
式(II)の部分を含む化合物が式(III)の化合物
【化10】

であり、式中、
以下のいずれかであり:
3aは、式Rの基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示し、R3a’は独立して、式R’の基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示す;又は
3a及びR3a’は一緒になって、式−O−又は−N(R33a’)の基を形成し、R33a’は、式R33’の基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示す;又は
3a及びR3a’は一緒になって、式−N(R33a’)−N(R33a’)−の基を形成し、各R33a’は、同じ又は異なって、式R33’の基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示す;
2aは、式Rの基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示し;
mは、0からnまでの値を有する整数であり;
は、請求項1、14及び15のいずれか1項に記載したとおりであり;
は、請求項1に記載したとおりであり;
X、X’、R、R’、R33’、R、L、Z及びnは全て、請求項2〜13のいずれか1項に記載したとおりである、
請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
式(II)の部分を含む化合物が式(IIIa)の化合物
【化11】

であり、式中、
以下のいずれかであり:
3aは、式Rの基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示し、R3a’は独立して、式R’の基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示す;又は
3a及びR3a’は一緒になって、式−O−又は−N(R33a’)の基を形成し、R33a’は、式R33’の基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示す;又は
3a及びR3a’は一緒になって、式−N(R33a’)−N(R33a’)−の基を形成し、各R33a’は、同じ又は異なって、式R33’の基又は式F若しくは−L(F(Z)n−mの基を示す;
mは、0からnまでの値を有する整数であり;
は、請求項1、14及び15のいずれか1項に記載したとおりであり、かつRは、少なくとも第一のチオール基及び第二のチオール基を含み、該第一のチオール基は、式(IIIa)の化合物中の2位に結合し、第二のチオール基は、式(IIIa)の化合物中の3位に結合している;
は、請求項1に記載したとおりであり;
X、X’、R、R’、R33’、L、Z及びnは全て、請求項2〜13のいずれか1項に記載したとおりであり;
工程(ii)が、式(IIIa)の部分の3位において、基Rと炭素原子との間の結合を切断することを更に含む、
請求項25に記載のプロセス。
【請求項28】
式(II)の部分を含む化合物が、式Fの少なくとも1個の機能的部分も含む、請求項25又は27のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項29】
工程(ii)が、化合物をホスフィン又はチオールと共にインキュベートすることによってもたらされる、請求項25〜28のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項30】
ホスフィンが、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩であり、チオールが、グルタチオン、1,2−エタンジチオール、ジチオスレイトール又は2−メルカプトエタノールである、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
請求項21〜23のいずれか1項に記載の、式(IIa)の化合物。
【請求項32】
式(IIb)の化合物
【化12】

式中、Rは、請求項1、14及び15のいずれか1項に記載したとおりであり、X、X’、R、R及びR’は、請求項2〜13のいずれか1項に記載したとおりであり、但し、R及びR’は、一緒になって式−N(R33’)の基を形成しない、化合物。
【請求項33】
式Fの基を少なくとも1個含み、R2aが水素原子ではない、請求項26に記載の式(III)の化合物。
【請求項34】
請求項27に記載の、式(IIIa)の化合物。
【請求項35】
式Fの基を少なくとも1個含む、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
式(IVa)又は(IVb)の化合物
【化13】

式中、
は、請求項1、14及び15のいずれか1項に記載したとおりであり;
X、X’、R2a、R3a及びR3a’は、請求項26に記載したとおりであり;
は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、C1−6アルコキシ、チオール、C1−6アルキルチオ若しくはC1−6アルキルカルボニルオキシ基、又は式Fの基であり;
基R2a及びRの少なくとも一方は、式Fの基を含み;
は、請求項1に記載したとおりである。
【請求項37】
請求項36に記載の式(IVa)又は(IVb)の化合物を産生するためのプロセスであって、
(i)請求項26に記載の式(III)の化合物を提供する工程;及び
(ii)式(III)の化合物を式R−Hの化合物と反応させる工程(式中、Rは請求項36に記載したとおりである)
を含む、プロセス。
【請求項38】
物質がサンプル中に存在するか否かを検出するためのプロセスであって、
請求項33、35及び36のいずれか1項に記載の化合物を提供する工程であって、第一の機能的部分及び第二の機能的部分の一方は、検出可能なシグナルを生成し得る機能的部分であり、第一の機能的部分及び第二の機能的部分のもう一方は、該物質と相互作用し得る機能的部分である、工程;
該サンプルを該化合物とインキュベートする工程;及び
検出可能なシグナルを生成し得る機能的部分からの検出可能なシグナルの生成を可能にする条件下で、シグナルをモニタリングする工程、
を含む、プロセス。
【請求項39】
サンプルから式R−Hの化合物を精製するためのプロセスであって、
サンプルを、(a)式(I)の部分及び(b)それに連結された少なくとも1個のアフィニティタグを含む化合物と共にインキュベートして、請求項20〜23のいずれか1項に記載のプロセスをもたらし、それによって、基R及びアフィニティタグを含むコンジュゲートを得る工程;及び
サンプルからのコンジュゲートの精製を可能にする条件下で、少なくとも1個のアフィニティタグパートナーを含む化合物と共に、該コンジュゲートをインキュベートする工程、
を含む、プロセス。
【請求項40】
物質が、式Rの機能的部分と相互作用するか否かを同定するためのプロセスであって、
(a)式Rの機能的部分及び(b)該物質により修飾され得るシグナルを生成し得る検出可能部分を含むコンジュゲートを、請求項16〜24のいずれか1項に記載のプロセスを実行することにより産生する工程;
該コンジュゲートを該物質とインキュベートする工程;
該検出可能部分からのシグナルを得る工程;及び
該シグナルを、該コンジュゲートが該物質と接触していない場合に得られ得るコントロールシグナルと比較し、それによって、該物質が該コンジュゲートと相互作用するか否かを決定する工程、
を含む、プロセス。
【請求項41】
ヒト又は動物の身体に対して実施される手術若しくは治療又は診断方法によって該ヒト又は動物の身体を治療する方法において使用するための、請求項33、35及び36のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項42】
コンジュゲートがマレイミド環を含み、該プロセスが該マレイミド環の開環をもたらす工程を更に含む、請求項16〜24のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項43】
式(VI)の部分及びそれに連結された機能的部分を含む化合物:
【化14】

式中、
X及びX’は、同じ又は異なって、それぞれ酸素、硫黄又は式=NQの基を示し、Qは、水素、ヒドロキシル、C1−6アルキル又はフェニルであり;
該機能的部分は、検出可能部分、酵素活性部分、アフィニティタグ、ハプテン、免疫原性担体、抗体又は抗体断片、抗原、リガンド、生物活性部分、リポソーム、ポリマー部分、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、細胞、炭水化物、DNA及びRNAから選択される、
化合物。
【請求項44】
式(VIa)を有する、請求項43に記載の化合物:
【化15】

式中、
YRは、式Y又はRの基であり;
X、X’、R及びYは、請求項1〜15のいずれか1項に記載したとおりであり;
2a、R3a及びR3a’は、それぞれ請求項21に記載したとおりであり;
alk1、Ralk2、Ralk3及びRalk4のそれぞれは、同じ又は異なって、請求項21に記載したとおりの式R2aの基であり、但し、Ralk1、Ralk2、Ralk3及びRalk4の少なくとも1つは式Fの基を含み;
、及び式Fの任意の基は、同じ又は異なって、それぞれ、検出可能部分、酵素活性部分、アフィニティタグ、ハプテン、免疫原性担体、抗体又は抗体断片、抗原、リガンド、生物活性部分、リポソーム、ポリマー部分、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、細胞、炭水化物、DNA及びRNAから選択される、
化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−501764(P2013−501764A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524272(P2012−524272)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001499
【国際公開番号】WO2011/018611
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パイレックス
【出願人】(506417186)ユーシーエル ビジネス パブリック リミテッド カンパニー (14)
【Fターム(参考)】