説明

櫛とその櫛を製造する方法

【課題】歯の間に溜まった異物を取り除くことができる櫛を提供する。
【解決手段】 本発明の櫛は、本体と前記本体から伸びる歯を有する。この櫛は前記歯を包囲する孔が形成されたバーを有する歯クリーナを更に有する。前記バーと前記歯は互いに相対的に移動可能であり、これにより、櫛の歯の間に溜まった異物を取り除く。更に、前記バーを前記櫛の本体近傍に通常状態で配置するスプリング要素を更に有し、これにより通常は櫛を使用できる状態にあり、前記バーを前記スプリング要素に抗して引くことにより前記歯の間に溜まった異物を取り除く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、櫛に関し、特にノミ取り用の櫛とその櫛を洗浄する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
櫛は本体とこの本体から伸びる歯とを有する。ノミ取り用の櫛の歯は、ノミ、ノミの卵或いは他の好ましくないものを除去する為に、密度が高い。
【0003】
櫛をノミを除去するために用いる場合には、特に使用後は綺麗にしておかなければならない。これは、従来、手、髪、水で濯ぐこと或いは他の手段で行われていた。
【0004】
これ等の手段は櫛にとって後から付けるものであり、美的ではなく、ノミを櫛でとることは、余り好ましい動作とは言えなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
櫛を洗浄する問題、特にノミ取り用の櫛を洗浄する問題に対する満足すべき解決方法は未だ見出されていない。
【0006】
本発明の目的は、櫛とノミ取り用の櫛を洗浄する方法を提供することである。本発明は、上記の解決方法を提供し、更に従来の問題点に対する解決法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例によれば、櫛2は、本体8と前記本体から伸びる歯4を有する。前記櫛2は、前記歯4を包囲する孔が形成されたバー6を有する歯クリーナ14を更に有する。前記バー6と前記歯4は互いに相対的に移動可能であり、これにより、櫛の歯4の間に溜まった異物を取り除くことができる。
本発明の一実施例によれば、前記櫛2は、前記バー6を前記櫛の本体近傍に通常状態で配置するスプリング要素18を更に有する。前記スプリング要素18が解放状態の時は、櫛を使用できる状態にあり、前記バー6を前記スプリング要素18に抗して押し上げることにより、前記歯の間に溜まった異物を取り除くことができる。
本発明の一実施例によれば、前記櫛2は、前記バー6を前記櫛の本体8にロックするロック手段12を有する。前記ロック手段12を解除すると、前記歯の間に溜まった異物が除去される。
本発明の一実施例によれば、前記櫛2は、前記バー6を前記歯4に沿って移動するのを制限する制限要素24を更に有し、これにより、前記バー6は前記歯4により保持される(外れない)。
本発明の一実施例によれば、前記バー6の孔は長さLの深さがあり、前記歯の先端に保持されながら達する。これにより、前記バー6が、前記歯の間に溜まった異物を除去する。
本発明の一実施例によれば、前記歯クリーナ14は、取り外し可能である。
本発明の一実施例によれば、櫛の歯を洗浄する方法は、
(A)櫛の歯を包囲する孔を有するバーを用意するステップと、
(B)前記バーを前記歯に沿って、前記櫛の本体から離す方向に引くステップと、
を有する。
本発明の一実施例によれば、櫛の歯を洗浄する方法は、(C)前記バーを前記櫛の本体方向に引くステップを更に有する。
本発明の一実施例によれば、櫛の歯を洗浄する方法は、(D)前記バーを前記櫛の本体近傍でロックするステップを更に有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例によるノミ取り用の櫛の斜視図。
【図2】ロック状態にある図1のノミ取り用の櫛の斜視図。
【図3】分解した状態にある図1のノミ取り用櫛の斜視図。
【図4】図1のノミ取り用櫛の断面図。
【図5】本発明の他の実施例によるノミ取り用櫛の断面図。
【図6】洗浄状態にある図5のノミ取り用櫛の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に於いて用語「上方向」、「下方向」、「上部」、「底部」は、歯が上を向いて櫛の本体が下にある状態(図1に示す状態)に於いて定義した用語である。
図1に於いて、本発明の一実施例によれば、ダニ除去用或いはノミ取り用の櫛2は、櫛の本体8と、そこから伸びる歯4と、歯クリーナ14とを有する。歯クリーナ14は、歯クリーナ14を上下することにより、櫛2の歯4の汚れを落とす(洗浄する)。具体的には、歯クリーナ14を櫛の歯4に沿って本体8から離れる方向に移動させることにより、汚れを落とす。
歯クリーナ14の孔20は歯4を包囲する。斯して孔20と櫛の歯4との相対運動により櫛の歯4をきれいにする。歯クリーナ14の全ての孔20或いはその一部は、櫛の歯4に沿って動く。バー6が孔20を結合している。歯クリーナ14を下方向に移動させると、ロック手段12が、歯クリーナ14をロック状態にする。
【0010】
図2(ロック状態)に於いて、櫛2は、一般的なノミ取り用の櫛として機能する。使用者は、櫛の歯の間がノミ、ごみ、髪の毛で埋まるで、髪を櫛でとかす。
従来の洗浄方法とは異なり、本発明によれば、ロック設定/解除ハンドル10は、歯クリーナ14のロックを外して、歯クリーナ14を開放し、歯クリーナ14を図1に示す状態まで持ち上げて、ノミ、ごみ、髪の毛を櫛の歯4の間から取り除く。
【0011】
図3に於いて、本発明の一実施例によれば、弾性要素18が、歯クリーナ14の孔20を櫛の歯4の底部即ち櫛2の本体8の近傍に、配置させる(押し込む)。これは、櫛で髪をとかすことが出来る位置である。
斯して、櫛の歯4の洗浄は、歯クリーナ14を弾性要素18に抗して持ち上げることにより行われる。歯クリーナ14を離すと、歯クリーナ14は、弾性要素18により或いは手動により、下方に動き、髪をすける状態に戻る。
本発明の一実施例によれば、歯クリーナ14は、本体8と歯4から取り外し可能である。図3によれば、トラック16が本体8内に形成されている。
本発明の一実施例によれば、この(歯クリーナ14を本体8と櫛の歯4から取り外す)分解は、歯クリーナ14の動きを制限する制限要素24を、弾性要素18に抗して、洗浄状態を越えて更に持ち上げることにより、行われる。斯して、歯クリーナ14の孔20は、櫛の歯4の先端より上方に上がり、外れる。
歯クリーナ14の本体8への再組み立ては、歯クリーナ14の制限要素24を、トラック16内に挿入して、制限要素24を弾性要素18に抗して立ち上げ、孔20が歯4を包囲して、下げることにより行われる。
【0012】
図4において、孔20を有する歯クリーナ14は、歯4を具備した本体8に対し相対的に移動可能である。制限要素24は、本体8のトラック16内を移動する。その結果、孔20は櫛の歯4の全長の大部分を洗浄する。
本発明の一実施例によれば、各孔20は長さLである。制限要素24は、孔20が上方に動くのを制限し、その結果、孔20の頂部44は、歯4の先端42の所定の高さに達する或いはそれを超える。その結果、櫛の歯4は孔20に嵌ったままでいられる。斯して櫛の歯4の全長が洗浄される。
歯クリーナ14の孔20を歯4の底にロックするロック手段12(図1)は、リセス38に嵌る突起部26を有する。歯クリーナ14の孔20が歯4の底に押し込められると、制限要素24の突起部26はリセス38内に入り、歯クリーナ14をその位置にロックする。
【0013】
図5に於いて、孔20を有する歯クリーナ14は、櫛の歯4を有する本体8に対し相対的に移動可能である。制限要素24は歯クリーナ14のトラック16内を移動可能である。
歯クリーナ14を櫛の歯の底部の方向に押し込む(櫛を使用できる状態)と、制限要素24の突起部26は、歯クリーナ14のリセス38内に嵌り、歯クリーナ14と本体8をその位置に保持する。
【0014】
図6に於いて、櫛の歯4は、歯クリーナ14の孔20により洗浄された状態を示す。櫛の歯4は、この状態から歯クリーナ14の外側に移動しない(外れない)。
【0015】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
【符号の説明】
【0016】
2 櫛
4 櫛の歯
6 バー
8 本体
10 ロック設定/解除ハンドル
12 ロック手段
14 歯クリーナ
16 トラック
18 弾性要素
20 歯の周囲の孔
24 制限要素
26 突起部
38 リセス
42 歯の先端
44 孔の頂部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と前記本体から伸びる歯を有する櫛に於いて、
前記歯を包囲する孔が形成されたバーを有する歯クリーナを更に有し、
前記バーと前記歯は互いに相対的に移動可能である
ことを特徴とする歯の間に溜まった異物を取り除くことができる櫛。
【請求項2】
前記バーを前記櫛の本体近傍に配置するスプリング要素を更に有し、
前記スプリング要素が、解放状態の時は、櫛を使用できる状態にあり、
前記バーを前記スプリング要素に抗して押し上げることにより、前記歯の間に溜まった異物を取り除く
ことを特徴とする請求項1記載の櫛。
【請求項3】
前記バーを前記櫛の本体にロックするロック手段を有し、
前記ロック手段を解除すると、前記歯の間に溜まった異物が除去される
ことを特徴とする請求項1記載の櫛。
【請求項4】
前記バーを前記歯に沿って移動するのを制限する制限要素を更に有し、
これにより、前記バーは前記歯により保持される
ことを特徴とする請求項1記載の櫛。
【請求項5】
前記バーの孔は長さLを有し、前記バーは、前記歯の先端に達し、
これにより、前記バーが、前記歯の間に溜まった異物を除去する
ことを特徴とする請求項1記載の櫛。
【請求項6】
前記歯クリーナは、取り外し可能である
ことを特徴とする請求項1記載の櫛。
【請求項7】
前記櫛の歯を洗浄する方法に於いて、
(A)櫛の歯を包囲する孔を有するバーを用意するステップと、
(B)前記バーを前記歯に沿って、前記櫛の本体から離す方向に押し上げるステップと、
を有する
ことを特徴とする櫛の歯の間に溜まった異物を除去する方法。
【請求項8】
(C)前記バーを前記櫛の本体方向に引き下げるステップ
を更に有する
ことを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
(D)前記バーを前記櫛の本体近傍でロックするステップ
を更に有する
ことを特徴とする請求項8記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−504399(P2013−504399A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529398(P2012−529398)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000748
【国際公開番号】WO2011/033503
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(512063025)