説明

櫛歯状の力スイッチ及びセンサー

【課題】力スイッチ及び力覚膜の伝導経路は、多数の導電性粒子接点から構成されているため、抵抗及びヒステリシスの変動を招くおそれがある。
【解決手段】本願の櫛歯状電子デバイスは、伝導体(210)、櫛歯状電極(220)、及びそれらの間が十分に加圧された伝導体と櫛歯状電極を電気的に接続するため伝導体と櫛歯状電極間に配置される複合材料(230)を備える。複合材料は、電気絶縁層内に少なくとも部分的に埋め込まれる導電性粒子を備える。導電性粒子は、相対的な配向を有さず、伝導体と櫛歯状電極間でなされる実質的な全ての電気的接続がz方向であるように配置される。伝導体及び櫛歯状電極の少なくとも一方が他方に向かって移動可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、櫛歯状電極を有する力起動及び力覚電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
力スイッチ及び力覚膜は、種々のアプリケーションに使用され、接触/タッチを検知し、力若しくは適用される負荷の相対的な変化を検知及び測定し、力の変化速度を検知及び測定し、並びに/又は力若しくは負荷の解除を検知する。
【0003】
力スイッチ及び力覚膜は、別の方法で分離された導電性フィルム、電極、又は回路が、ユーザーによる力の適用を受けて統合されるときの信号を検知することにより典型的に機能する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、力覚膜は、一般的に2つの導電接点間に位置決めされる導電性粒子(「エラストマー層」)を含むエラストマーで構成される。圧力が導電接点の1つに加えられると、導電接点がエラストマー層の表面に押し付けられ、伝導経路が形成される。伝導経路は、エラストマーを介して曲がりくねった経路を作製する導電性粒子の鎖で構成される。従って、エラストマー内の導電性粒子の濃度は、連続的な経路を作製するため特定の閾値以上(すなわち、パーコレーション閾値以上)でなければならない。圧力が増加すると、導電接点とエラストマー層の表面間に多数の広範な接点が形成される。このようにして、エラストマー及び導電性粒子を介する多数の伝導経路を形成し、エラストマー層に対する抵抗を減少させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した点を考慮して、本発明者らは、従来技術の力スイッチ及び力覚膜の伝導経路が多数の導電性粒子接点から構成されているため、抵抗及びヒステリシスの変動を招くおそれがあることを認識している。
【0006】
手短に言えば、1つの態様において、本発明は、導電性粒子の濃度がパーコレーション閾値未満である櫛歯状電子デバイス(例えば、櫛歯状の力スイッチ及び力センサー)を提供する。櫛歯状電子デバイスは、(a)伝導体と、(b)櫛歯状電極と、伝導体と櫛歯状電極との間に配置される複合材料を備える。
【0007】
本明細書で使用する時、用語「櫛歯状電極」とは、面内電極のディジット様又は指様の周期的なパターンを指す。図1は、代表的な櫛歯状電極を示す。櫛歯状電極100は、指様のパターン及び2本のトレース125を備えるパッド領域115を含む。パターンは、15本の「指」135で構成される。又、用語「櫛歯状」は、当該技術分野において場合によっては例えば「周期的」、「マイクロストリップ」、「櫛」(若しくは「櫛をいれる」)、「格子」、又は「指間部の」等の同義用語に置き換えられる。この発明は、当該技術分野におけるこれら又は任意のその他の同義用語ではなく用語「櫛歯状」を使用することにより不必要に限定されることを意図しないことはいうまでもない。
【0008】
伝導体及び櫛歯状電極の少なくとも一方が他方に向かって移動可能である(すなわち、伝導体が櫛歯状電極に向かって移動可能であるか、櫛歯状電極が伝導体に向かいあって移動可能であるか、伝導体及び櫛歯状電極の両方が互いに向かいあって移動可能である)。
【0009】
複合材料は、少なくとも部分的に電気絶縁層に埋め込まれる導電性粒子を含む。導電性粒子は、それらの間を十分に加圧した状態で伝導体及び櫛歯状電極を電気的に接続する。導電性粒子は、相対的な配向を有さず、伝導体と櫛歯状電極間でなされる実質的な全ての電気的接続がz方向になるように配置される(すなわち、伝導体と櫛歯状電極間でなされる実質的な全ての電気的接続は、相対的に平面構造体の厚さ方向であって、面内(x−y)方向ではない)。
【0010】
従って、発明の櫛歯状電子デバイスは、多くの導電性粒子接点で構成されたものより抵抗及びヒステリシスの変動が少ない力スイッチ及び力センサーの当該技術分野におけるニーズに適合する。
【0011】
更に、伝導体がフィルム上に導電性コーティングを備える場合、発明の櫛歯状電子デバイスは、おどろくほど感度が良いことを発見した。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】櫛歯状電極の概略平面図。
【図2】櫛歯状電子デバイスの概略的側面図。
【図3a】発明の櫛歯状電子デバイスに有用な複合材料の概略的側面図。
【図3b】発明の櫛歯状電子デバイスに有用な複合材料の概略的側面図。
【図4a】発明の櫛歯状電子デバイスの概略的側面図を用いて発明の櫛歯状電子デバイスの使い方を示す。
【図4b】発明の櫛歯状電子デバイスの概略的側面図を用いて発明の櫛歯状電子デバイスの使い方を示す。
【図4c】発明の櫛歯状電子デバイスの概略的側面図を用いて発明の櫛歯状電子デバイスの使い方を示す。
【図4d】発明の櫛歯状電子デバイスの概略的側面図を用いて発明の櫛歯状電子デバイスの使い方を示す。
【図5】伝導経路を示す櫛歯状電子デバイスの概略的側面図。
【図6】実施例1及び比較例1で記載された発明の櫛歯状電子デバイスに関する対数−対数目盛りでの抵抗対力のプロット。
【図7】実施例2及び比較例2で記載された発明の櫛歯状電子デバイスに関する対数−対数目盛りでの抵抗対力のプロット。
【図8】実施例3及び比較例3で記載された発明の櫛歯状電子デバイスに関する対数−対数目盛りでの抵抗対力のプロット。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の櫛歯状電子デバイスは、種々のアプリケーションに使用され、接触/タッチを検知し、力若しくは適用される負荷の相対的な変化を検知及び測定し、力の変化速度を検知及び測定し、並びに/又は力若しくは負荷の解除を検知する。
【0014】
本発明の櫛歯状電子デバイスに十分な圧力を適用すると、電気的接続が伝導体と櫛歯状電極間でなされる。本発明は、伝導体と櫛歯状電極間で電気的接続を行うため、実質的に全ての電気接点が、好ましくは1つ以上の単一粒子を介するような方法で配置される(すなわち、伝導体と櫛歯状電極の両方が、同一粒子又は粒子と同時に電気的に接続する)導電性粒子を使用する。導電性粒子は、少なくとも部分的に電気絶縁層に埋め込まれる。絶縁するとは、その材料が、伝導体及び導電性粒子より実質的に導電性が少ないことを意味する。本明細書で使用する時、「絶縁」材料又は層とは、約109Ωを超える固有抵抗を有する。
【0015】
電気絶縁層は、加圧下でなされる電気的接続を加圧されないときに実質的に減少させることができる。
【0016】
例えば、電気絶縁層は、加圧下で電気的接続を可能にするために変形でき、加圧されてないときに伝導体及び櫛歯状電極をそれらの初期の分離位置に戻すことができる弾性材料であってよい。
【0017】
電気的接続が、1つ以上の単一粒子を介して行われるように導電性粒子を配置することでいくつかの利益を得ることができる。伝導体及び櫛歯状電極は、単一粒子を介して電気的に接続しているため、粒子接触毎で多くて2個だけの接触点を接触抵抗に寄与し(伝導体に接触する導電性粒子が、一方の接触点であり、櫛歯状電極に接触する同じ導電性粒子が、他方の接触点である)、この接触点の数は、特定の櫛歯状電子デバイスの起動毎で変化しない。これにより装置が作動される度に比較的低い接触抵抗およびより一貫した信頼性の高い再現可能な信号を生じる。より低い接触抵抗が、より少ない信号損失の原因となり、最終的により高い信号対雑音比となり、タッチ若しくは力センサーデバイスのより精度のよい位置又は圧力測定をもたらすことができる。
【0018】
単一粒子電気接点の他の利点は、粒子配列要件及び好ましい粒子と粒子の配向がないことである。例えば粒子を配向および配列させするために製造中に磁界を印加する必要がないため、製造が容易になるとともに低コストになる。更に、磁気配列を使用すると、導電性粒子が、生成したフィルムの厚さ全体に広がり、圧力がない場合は全体的な構成が導電性でなくなるような他の絶縁層を適用する必要がある。粒子配列要件がないことにより、繰返し作動および/または比較的強い力の印加時に歪曲および破損する恐れのある装置の厚さ方向に垂直配向した配列ワイヤまたは細長いロッドを採用する装置に比べて耐久性も改善することができる。粒子配列及び配向の要件がないことで、本発明の櫛歯状電子デバイスは、デバイスが湾曲し、不規則であり、又は別の方法で、平坦でない構成で実装されることになるアプリケーションにとりわけ好適である。
【0019】
本発明の櫛歯状電子デバイスはまた、複合材料を最も大きい導電性粒子より僅かに大きくするだけでよいため、非常に薄く作製することが可能である。比較的低い粒子充填を使用でき、同時に信頼性及び十分な解像度を引き続き維持する。また、起動力(すなわち、櫛歯状電子デバイスを起動するのに必要な力)が膜表面に対して均一になるよう粒子を配置できる。低粒子密度を利用可能であることも、使用する粒子が少ないためコスト有利性がある。
【0020】
図2には、導電性層210形態の伝導体、櫛歯状電極220、伝導体と櫛歯状電極間の複合材料230、及び櫛歯状電子デバイス260に対する電気的応答(ここでは抵抗として示される)を測定する手段を含む櫛歯状電子デバイスを示す。導電性層210及び櫛歯状電極220の少なくとも一方が、例えば外圧力によって他方に移動可能である。複合材料230は、完全に又は部分的に電気絶縁層に埋め込まれる導電性粒子を有する。
【0021】
導電性層210は、導電性シート、フォイル又はコーティングであってよい。導電性層の材料としては、例えば金属類、半導体類、ドープ半導体類、半金属類、金属酸化物類、有機伝導体類、導電性ポリマー類等及びこれらの混合物のような任意の好適な導電性材料を挙げることができる。好適な無機材料としては、例えば銅、金、及びその他の金属類又は一般に電子デバイスで使用される金属合金類、並びに透明な導電性酸化物類(例えば、インジウム酸化スズ(ITO)、アンチモン酸化スズ(ATO)等)のような透明な導電性材料が挙げられる。グラファイトも使用できる。好適な有機材料としては、例えば導電性有機金属化合物類、並びにポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン及び欧州特許公報EP1172831に開示されたもののような材料等の導電性ポリマーが挙げられる。
【0022】
アプリケーション(例えば、ヘルスケア/メディカルアプリケーション)によっては、導電性層は、水蒸気に対して透過性であることが好ましい。導電性層の湿気透過速度(MVTR)は、ASTM E−96−00による水方法を使用して測定したとき少なくとも約400g水/m2/24時間(より好ましくは、少なくとも約800、更により好ましくは少なくとも約1600、最も好ましくは少なくとも約2000)であることが好ましい。
【0023】
伝導体は、自己支持型であってもよく、又は基材を提供されてもよい(図2に不図示)。好適な基材は、剛性(例えば、硬質プラスチック、ガラス、金属、若しくは半導体)又は可撓性(例えば、可撓性プラスチックフィルム、可撓性フォイル若しくは薄いガラス)であってよい。基材は、アプリケーションにより透明又は不透明であってよい。
【0024】
伝導体は、第2櫛歯状電極であってもよい。
【0025】
好ましくは、伝導体は、プラスチックフィルム上に設けられる金属又は導電性ポリマーコーティングを備える。より好ましくは、伝導体は、ポリエステルフィルム上に金属又は導電性ポリマーコーティングを備える。最も好ましくは、伝導体は、ポリエステルフィルム上にポリエチレン−ジオキシチオフェン(PEDOT)、インジウム酸化スズ(ITO)、又は透明な銀コーティングを備える。
【0026】
櫛歯状電極は、典型的に絶縁基材上に導電性の指様パターンを含む。パターン化導電性材料としては、例えば、金属類、半導体類、ドープ半導体類、半金属類、金属酸化物類、有機伝導体類、導電性ポリマー類等及びこれらの混合物のような任意の好適な材料を挙げることができる。好適な基材は、剛性(例えば、硬質プラスチック若しくはガラス)又は可撓性(例えば、可撓性プラスチックフィルム、薄いガラス若しくは布地)であってよい。基材は、アプリケーションにより透明であってもよいし、不透明であってもよい。
【0027】
好ましくは、櫛歯状電極は、プラスチック基材上に銀インク又はITOを備える。より好ましくは、櫛歯状電極は、ポリエステル基材上に銀インク又はITOを備える。
【0028】
アプリケーション(例えば、ヘルスケア/メディカルアプリケーション)によっては、櫛歯状電極の基材は、水蒸気に対して透過性であることが好ましい。基材の湿気透過速度(MVTR)は、ASTM E−96−00による水方法を使用して測定したとき少なくとも約400g水/m2/24時間(より好ましくは、少なくとも約800、更により好ましくは少なくとも約1600、最も好ましくは少なくとも約2000)であることが好ましい。
【0029】
導電性材料をパターン化するのに有用な方法は、使用する導電性材料によって決まることになる。例えば、銀、インク、銀−パラジウムインク及び炭素インク等の幾つかの材料は、スクリーン印刷を使用してパターン化できる。酸化スズ、酸化亜鉛、インジウム酸化スズ、酸化アンチモン及びアンチモン酸化スズ等の合金の導電性コーティングは、ポリマー基材にスパッタリング又はプラズマ溶着し、そのあとに標準のエッチング技術を使用しパターン化できる。他の導電性材料は、電子ビーム熱蒸着により溶着し、そのあとに従来のマスクエッチングを使用しパターン化できる。
【0030】
当該技術分野において既知のように、櫛歯状パターンは、その面積、指の数及び/又はそれらの間の空間を変化させ、出力信号の強度を制御することにより調節できる。典型的に、櫛歯状電極の指間の空隙部は、ショートを防止するため導電性粒子より大きくなる。
【0031】
伝導体と櫛歯状電極の間に配置される複合材料は、少なくとも部分的に電気絶縁層に埋め込まれる導電性粒子を含む。デバイスが加圧され伝導体又は櫛歯状電極が他方を基準にして移動する際(すなわち、伝導体が櫛歯状電極に向かって移動する又は逆もまた同様)、電気的接続が伝導体及び櫛歯状電極の両方が接触した単一粒子を介して行われるように導電性粒子が配置される。
【0032】
電気絶縁層の代表的な材料としては、伝導体と櫛歯状電極の間に十分な電気的分離を維持でき、並びに変形性と弾力性の性能を示し、絶縁材料を圧縮でき、1つ以上の単一粒子接点を介して伝導体の電気的接続がもはや十分に加圧されないと伝導体及び櫛歯状電極を電気的に分離状態に戻すことができるこれらの材料が挙げられる。好適な絶縁材料としては、シリコーン類、ポリシロキサン類、ポリウレタン、ポリシリコーン−ポリウレタン、ゴム、エチレンビニルアセテートコポリマー類、フェノールニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリエーテル−ブロック−アミド類、及びポリオレフィン類等が挙げられる。
【0033】
アプリケーション(例えば、ヘルスケア/メディカルアプリケーション)によっては、電気絶縁層が水蒸気に対して透過性であることが好ましい。エラストマー材の湿気透過速度(MVTR)は、ASTM E−96−00による水方法を使用して測定したとき少なくとも約400g水/m2/24時間(より好ましくは、少なくとも約800、更により好ましくは少なくとも約1600、最も好ましくは少なくとも約2000)であることが好ましい。
【0034】
アプリケーションによっては、電気絶縁層材料が、実質的に湿度に影響されないことも好ましい。
【0035】
図3(a)は、電気絶縁層350内に部分的に埋め込まれた導電性粒子340を含む複合材料330の1つの実施例を示す。図3bは、電気絶縁層351内に完全に埋め込まれた導電性粒子341を含む他の複合材料331の実施例を示す。図3(a)及び図3bは、本発明に有用な複合材料の実施形態を示すが、エラストマー層又は材料の任意の特定の表面に対して導電性粒子が完全に若しくは部分的に任意の好適な比率で任意の好適な位置に埋め込まれる任意の好適な配列が使用されてもよい。本発明は導電性粒子が装置の厚さ方向に重なっている別例を有する複合材料を排除するものではない。
【0036】
好ましくは、少なくとも粒径を複合物の厚さ方向(z)で測定するとき、最も大きい導電性粒子は、電気絶縁材料の層の厚さより少なくともいくぶん小さい。これが、電気的ショートの防止に役立つ。
【0037】
好適な導電性粒子としては、接触している導電性外表面を有する任意の好適な粒子が挙げられる。例えば、導電性粒子は、固体粒子(例えば、金属球体)、導電性材料がコーティングされた固体粒子、導電性外殻を有する中空粒子、又は導電性材料がコーティングされた中空粒子であってもよい。導電性材料としては、例えば金属類、導電性金属酸化物類、有機伝導体類及び導電性ポリマー類、並びに半導体類等を挙げることができる。被覆粒子の核は中実または中空のガラスもしくはプラスチックビーズ、セラミック粒子、カーボン粒子、金属粒子等であってもよい。導電性粒子は、透明、半透明、有色又は不透明であってもよい。それらは、粗い又は平滑な表面を有することができ、剛性又は変形可能であってもよい。
【0038】
用語「粒子」としては、球形状ビーズ、細長いビーズ、切断されたファイバ、及び不規則形状粒子等が挙げられる。一般に、粒子としては、アプリケーションにより1:1〜約1:20のアスペクト比(すなわち、最も狭い寸法と最も長い寸法の比率、例えば、ファイバの場合、アスペクト比は長さ:直径)及び約1μm〜約500μmの範囲の特長的な寸法を有する粒子状物体が挙げられる。導電性粒子は、好ましい配向又は配列を全く有さない複合材料中に分散される。
【0039】
複合材料は任意の適当な手法で提供することができる。一般に、複合材料を作製又は提供するということは、導電性粒子を配置し、導電性粒子を少なくとも部分的に電気絶縁材料内に埋め込むことを意味する。例えばまず、粒子を表面に配置して電気絶縁材料をその上にコーティングし、押しつけ又は粒子の層に積層してもよい。配置された粒子表面は、櫛歯状電子デバイスの層、例えば伝導体又は粒子が電気絶縁材料に埋め込まれた後取り除かれるキャリア基材であってもよい。他の実施例としては、粒子を電気絶縁材料内に配置し、生成した複合物をコーティングして複合材料を形成してもよい。更に他の実施例としては、電気絶縁材料を例えばコーティングにより層として提供し、そのあと電気絶縁材料の層に導電性粒子を配置してもよい。材料を柔軟にするため電気絶縁材料を任意に加熱した状態で電気絶縁材料の層内に粒子を押さえつけることにより、又は電気絶縁材料が未硬化ないしは別の方法で柔軟な状態の場合は、その上に粒子を配置し及び所望により粒子を電気絶縁材料内に押し込み、続いて硬化、冷却等によって電気絶縁材料を硬化することにより粒子を埋め込んでもよい。熱、水分及び光硬化反応を使用してもよいし、2つ反応の系を使用してもよい。
【0040】
導電性粒子を分散する方法としては、例えば、米国特許出願第03/0129302号(チャンバーズ(Chambers)ら)に開示されたものが挙げられる。手短に言えば、粒子が層の上に不規則に着地するよう粒子の配置を助けるため電界が存在する状態で粒子を電気絶縁材料の層に分配してもよい。粒子は、それらが互いに反発するように電気的に帯電される。従って、水平方向の電気的接続及び粒子の凝集が、実質的に回避される。また電界を用いて粒子を膜に引きつけることもできる。このような方法は導電性粒子の不規則な、非集合分布を生じることができる。比較的均一な粒子分布(単位面積当たりの粒子の数)を有する予め選定された密度で粒子を適用できる。またウェブをバフ研磨することにより粒子の分布をさらに良好にすることができる。
【0041】
他の導電性粒子の分散方法を用いることもできる。例えば、PCT国際公開特許WO00/00563に開示のようにミクロ複製された剥離ライナーのポケット内に粒子を配置できる。電気絶縁材料は、次にコーティングされるか、又はこの粒子充填ライナーに押しつけられる。
【0042】
接着剤膜の伝導体と第2伝導体との間でなされる実質的な全ての電気接点が1個以上の単一粒子を介するように粒子が複合材料内に配置されるという前提で、粒子を配置又は分散する全ての他の方法が使用できる。それゆえに、複合物内に積み重ね粒子(すなわち、複合物の厚さ方向に積み重ね位置を有する2個又はそれ以上の粒子)が発生するのを減少又は除去することに留意すべきである。
【0043】
粒子を媒体上に配置するのに用いられる方法は、面内(x−y)方向の粒子間の接触を最小限に抑えるべきである。好ましくは、2個以下の粒子が、接触すべきである(例えば、30cm2の面積内で)。より好ましくは、2個の粒子は、互いに接触しない(例えば、30cm2の面積内で)。これが、粒子接触による面内方向の全ての電気ショートを防止することになる。
【0044】
導電性粒子は、全ての粒子が同一寸法(又は形状)でないような寸法分布を有することができる。これらの環境の状態で、より大きい導電性粒子は、より小さい隣接する粒子を除外する前又は除外しても電気的に接続できる。これが生じるかどうか及びどの程度これが生じるかは、粒子の寸法及び形状分布、粒子凝集の有無、粒子の積載密度及び空間分布、局部変化に対して屈曲及び適合する伝導体(又は、伝導体/基材の組合せ)の性能、粒子の変形性、及び粒子が埋め込まれる材料の変形性等に左右される。伝導体と櫛歯状電極の間が十分に加圧される場合、単位当たりの望ましい単一粒子の電気的接続数が生じるようにこれら及びその他の性能を調節できる。また、伝導体と櫛歯状電極の間が1つの所定圧力と異なる圧力で加圧される場合、単位当たりの望ましい単一粒子の電気的接続数が生じるように性能を調節できる。
【0045】
実施形態によっては、粒子寸法分布は、比較的狭いことが好ましい場合があり、環境によっては、全ての粒子が実質的に同一寸法であることが好ましい場合もある。実施形態によっては、二峰性分布の粒子寸法を有することが好ましい場合がある。例えば、複合材料内に分散するより大きい粒子とより小さい粒子の2つの異なる種類の粒子を有することが望ましい場合もある。
【0046】
図4a〜dは、電気的接続が1個以上の単一粒子を介した物理的接触によって達成される櫛歯状力センサーである発明の櫛歯状電子デバイスの使い方を示す。櫛歯状電子デバイス400は、伝導体410、櫛歯状電極420、伝導体間に配置される電気絶縁層450内に導電性粒子440を備える複合材料430、及び櫛歯状電子デバイス460に対する電気応答を測定する手段を含む。
【0047】
櫛歯状電子デバイスが力覚アプリケーションに使用される場合、電気絶縁層は、圧力の解除と同時に実質的にその本来の寸法に戻ることができなければならない。本明細書で使用する時、「その本来の寸法に戻ることができる」とは、その層が、例えば10秒以内(好ましくは、1秒以下以内)にその本来の厚さの少なくとも90%(好ましくは、少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは100%)に戻ることができることを意味する。好ましくは、電気絶縁層(硬化可能な材料の場合はそれが完全に硬化された状態)は、広い温度範囲にわたって実質的に一定の貯蔵弾性率(G’)(より好ましくは、約0℃〜約100℃で実質的に一定の貯蔵弾性率、最も好ましくは約0℃〜約60℃で実質的に一定の貯蔵弾性率)を有する。本明細書で使用する時、「実質的に一定」とは、約50%未満(好ましくは、75%未満)の変化を意味する。好ましくは、電気絶縁層は、約1x103Pa〜約9x105PaのG’を有し、かつ23℃で1Hzに対し約0.01〜約0.60の損失正接(tanδ)を有する。又、電気絶縁層は、自己回復する(すなわち、亀裂、穴を開ける又は打ち抜かれた際に、自己回復できる)ことが好ましい。
【0048】
力覚アプリケーションに使用される電気絶縁層の好適な材料としては、例えば、天然及び合成ゴム類(例えば、スチレンブタジエンゴム又はブチルゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、アクリロニトリル/ブタジエン並びにカルボキシ又はヒドロキシ変性ゴム類等の官能化エラストマー類等)、アクリレート類、ポリジメチルシロキサン類を含むがこれらに限定されないシリコーン類、スチレンブロックコポリマー類(例えば、スチレン−イソプレン−スチレン又はスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックコポリマー)、脂肪族イソシアネート、芳香族イソシアネート及びそれらの組合せに基づくものを含むがこれらに限定されないポリウレタン類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、グリコールポリオール類、及びそれらの組合せが挙げられる。好適な熱可塑性ポリウレタンポリマー類は、エスタン(Estane)(商標)としてビー・エフ・グッドリッチ(BF Goodrich)から入手できる。熱硬化処方もポリオール類及び/又はポリイソシアネート類に二を超える平均官能基(例えば、三官能性又は四官能性の構成成分)を組み込むことにより使用できる。ポリイソシアネートとポリアミンとの反応により形成されるもの等のポリ尿素類も好適な場合がある。好適なポリアミン類は、ジェフアミン(Jeffamine)(商標)の名でハンツマン(Huntsman)により販売されたもの等のポリエーテル及びポリエステルアミン類並びに米国特許第6,441,118号(シャーマン(Sherman)ら)において開示されたもの等のポリアミン官能性ポリジメチルシロキサン類;ハイトレル(Hytrel)(商標)の名でデュポン(DuPont)によるもの等のエラストマーポリエステル類、メタロセンポリエチレン(例えば、ミシガン州、ミドランド(Midland)のダウ・ケミカル(Dow Chemical)からのエンゲイジ(Engage)(商標)又はアフィニティ(Affinity)(商標)ポリマー類)等の特定のメタロセンポリオレフィン類を含む広範な部類から選択できる。ダイネオン(商標)フルオロエラストマ類(ミネソタ州、オークデイル(Oakdale)のダイネオンLLCから入手できる)又はバイトン(Viton)(商標)フルオロエラストマ類(デラウェア州、ウィルミントン(Wilmington)のデュポン・パーフォマンス・エラストマーズ(DuPont Performance Elastomers)から入手できる)も好適な場合がある。エラストマー材は、例えば炭化水素樹脂類(例えば、ポリテルペン類)若しくは伸展油類(例えば、ナフテン系オイル類又は可塑剤類)、又はポリスチレン粒子、粘土及びシリカ等の有機又は無機充填剤の添加により変性できる。充填剤は、微粒子又は繊維性モルホロジーを有してよい。ミクロスフェア(例えば、アクゾノーベル(Akzo Nobel)からのエクスパンセル(Expancel)(商標)のミクロスフェア)もエラストマー材中に分散できる。
【0049】
図4aに示すように、伝導体410と櫛歯状電極420間が加圧されない場合、それらは、電気絶縁エラストマー層450により電気的に分離されたままである。図4bに示すように、十分な圧力Pで伝導体410が加圧される場合、単一粒子接触を介して伝導体410と櫛歯状電極420間に電気的接続をすることができる。単一粒子接触とは、伝導体と櫛歯状電極間のこれらの電気的接続であり、そこでは1個以上の単一導電性粒子が、伝導体と櫛歯状電極の両方に個々に接触する。図4cに示すように、より大きい圧力P’で伝導体410が加圧される場合、エラストマー層450が更に圧縮し、より大きい単一粒子接触を行うことができる。図4dに示すように、全ての圧力が除かれる場合、エラストマー層450は、実質的にその本来の寸法に戻り、電気的接続は行われない。
【0050】
図5は、発明の起動された櫛歯状電子デバイスの伝導経路を示す。デバイス500において、十分な圧力Pで伝導体510が加圧され、伝導体510と櫛歯状電極520(基材570上に配置されて示される)の間に単一粒子接触を介して電気的接続がなされる。伝導経路580は、伝導体510に対する櫛歯状電極520aの第1指と第1導電性粒子540aを経由して走行し、第2導電性粒子540bと櫛歯状電極520bの第2指を経由して下方に走行する。櫛歯状電極の2本の指は、櫛歯状電子デバイス560に対する電気応答を測定する手段に接続される。
【0051】
本発明の櫛歯状電子デバイスは、力を検知し又はデバイスのいたる所で力の変化を測定するため電気応答(例えば、抵抗、導電率、電流、電圧等)を測定する手段に電気的に接続できる。電気応答を測定する手段は、例えば、櫛歯状電極の2本の指若しくはトレース、又は櫛歯状電極若しくは伝導体の一部に接続できる。電気応答は、任意の好適な手段(例えば、抵抗計、マルチメータ、発光ダイオードのアレイ(LED)、又は適切な回路を有する音声信号により)を使用して読み取ることができる。
【0052】
発明の櫛歯状電子デバイスは、上記したように使用されてもよいが、そこでは、櫛歯状電極は、伝導体に向かって移動する。
【0053】
発明の櫛歯状電子デバイスは、切替可能力起動電子デバイス及び力覚デバイスとして多くのアプリケーションで有用である。力スィッチは、例えば膜スィッチ及びタッチパネルとして有用である。力センサーは、ギブス包帯の過剰圧力の警告、床ずれ及び糖尿病患者の足又は脚部潰瘍防止のための圧力のモニタリング等のヘルスケアアプリケーションに有用である。又、それらは、例えば、自動車アプリケーション(例えば、シートセンサー又はエアバッグ配備)、消費者アプリケーション(例えば、荷重/重量センサー、棚の物品の存在又は不足を検知するための「スマートシステム」、製造アプリケーション(例えば、ニップロール圧力のモニタ)、スポーツアプリケーション(例えば、速度、力若しくは衝撃のモニタ、又はクラブ若しくはラケットのグリップセンサー)等においても有用である。
【実施例】
【0054】
本発明の目的及び利点は、下記の実施例によってさらに例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に本発明を過度に制限するものと解釈すべきではない。
【0055】
(試験設備)
力装置と呼ばれる装置を使用してデバイスを評価した。そしてこの装置は、デバイスに印加される法線力を測定するロードセル(コネチカット州、ハートフォード(Hartford)のオメガエンジニアリング社(Omega Engineering Inc.)からのモデルLCFD−1kg)から構成される。評価するデバイスをロードセルの上に水平に置きテープで固定した。2個のバルブ(オハイオ州、シンシナティ(Cincinnati)のクリッパード・インスツルメント・ラボラトリー(Clippard Instrument Laboratory)からのモデルEC−2−12)に接続され、コンピュータ制御下、圧縮空気により約275kPaで空気圧操作シリンダー(コネチカット州ノーウォーク(Norwalk)のエアポット社(Airpot Corporation)からのモデルE9X0.5N)を直接ロードセルの上に設置した。シーケンスでバルブを開閉することにより、シリンダーを所定の一定刻みで下方に移動し、ロードセル上に配置されたデバイスへの力を増加させた。印加された力を表示する表示装置(コネチカット州、ハートフォード(Hartford)のオメガエンジニアリング社(Omega Engineering Inc.)から入手できるモデルDP41−S−A)にロードセルを接続した。所定の力の許容限度に到達すると、通気バルブを使用して系から空気を抜き、デバイスへの力を減少させた。
【0056】
デバイスをマルチメータに接続し、デバイスの電気応答を記録した。デジタルマルチメータ(オハイオ州、クリーブランド(Cleveland)のキースレイ社(Keithley Inc.)からのキースレイモデル197AマイクロボルトDMM)を使用してデバイスの抵抗を測定した。ロードセルから読み取った印加された力及びマルチメータから読み取ったデバイスの電気応答をPCベースデータ取得装置で取り込んだ。10〜1000重量グラムの範囲で印加された力及び力の印加を約2.8g/s(167g/min)で行った。
【0057】
(n値の説明)
デバイスのいたる所で抵抗を測定する場合、抵抗対力の応答を対数−対数プロットにプロットできる。特定の範囲において、指数法則の関係を式、すなわち抵抗=A/Fnにより与えることができる、ここでAは、定数、Fは力、及びnは、対数−対数プロット上の最良適合線の勾配(線形回帰で決定)である。n値は、デバイスの感度を示す。n値が高くなればなるほど印加された力の一定の変化に対するデバイスの抵抗の変化も大きくなる。より低いn値は、印加された力の同じ変化に対して抵抗の変化がより小さいことを意味する。
【0058】
(一般的手順)
未硬化エラストマーの層(厚さ約25μm)を伝導体上にナイフコーティングした。phr(ゴム100部当たりの部)で示したエラストマーの組成は、次のようであった。
【0059】
【表1】

【0060】
3M社(ミネソタ州、セントポール(St.Paul))からSD120として市販のインジウム酸化スズ(ITO)でコーティングされたガラスビーズを当該技術分野において周知の市販のふるいを使用して選別し、約50μm未満の寸法のビーズを選定した。米国特許出願第03/0129302号(チャンバーズ(Chambers)他)に本質的に記載された粒子ディスペンサーを使用し、エラストマーの未硬化層全体にわたってビーズを分配した。室温でエラストマーを硬化させた。次に、硬化したエラストマー上に第2伝導体又は櫛歯状電極を固定し、デバイスを形成した。生成したデバイスを上記の力装置を使用して試験した。
【0061】
(実施例1-6)
金属フィルム又は金属フォイル伝導体を用いて櫛歯状デバイス(以下の表に示した)を一般手順により組み立てた。カナダ、ケベック州、セントーローレント(Saint-Laurent)のクリックタッチ・アメリカ社(ClickTouch America, Inc.)から購入した櫛歯状電極をスクリーン印刷銀インクにより厚さ250μmのポリエステル基材上に組み立てた。櫛歯状電極の概略を図1に示す。指様パターン(15本の「指」を有する)の大きさは10mm×10mmであった。トレースは、長さ9mmで、互いに0.25mm離れていた。
【0062】
上記した力装置を使用して櫛歯状デバイスを試験した。実施例1-3の試験データを対数−対数プロットにプロットし、図6〜8に(比較例1-3の試験データとともに)各々示す。各櫛歯状デバイスの最良適合線のn値を以下の表に示す。1kΩの抵抗を示すのに必要な力として定義される各櫛歯状デバイスの起動力(Fi)も示す。
【0063】
(比較例1-3)
2つの金属フィルム伝導体間に挟まれたエラストマーを用いたデバイスを(以下の表に示した)一般手順により組み立てた。上記した力装置を使用してデバイスを試験した。試験データを対数−対数プロットにプロットし、図6〜8に(実施例1-3の試験データと共に)示す。各櫛歯状デバイスの最良適合線のn値を以下の表に示す。1kΩの抵抗を示すのに必要な力として定義される各櫛歯状デバイスの起動力(Fi)も示す。
【0064】
【表2】

【0065】
本発明の範囲及び趣旨を逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当分野の技術者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する特許請求の範囲によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。
【0066】
本発明は様々な変更及び代替形態が可能であるが、その具体例を一例として図面に示し、及び詳細に記載する。しかし本発明を説明する特定の実施形態に限定しようとするものではないことは理解されよう。それどころか本発明は、本発明の精神および範囲内にあるすべての修正形態、等価形態、および代替形態を包含するはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)伝導体と、
(b)櫛歯状電極と、
(c)前記伝導体と前記櫛歯状電極とを電気的に接続するために、これらの間に十分な圧力を適用したもとで、前記伝導体と前記櫛歯状電極との間に配置される複合材料であって、
前記複合材料が、少なくとも部分的に電気絶縁層に埋め込まれる導電性粒子を含み、
前記導電性粒子が、相対的な配向を有さず、前記伝導体と前記櫛歯状電極との間でなされる実質的な全ての電気的接続がz方向になるように配置される複合材料とを備え、
前記伝導体及び前記櫛歯状電極の少なくとも一方が他方に向って移動可能である、櫛歯状電子デバイス。
【請求項2】
前記伝導体と前記櫛歯状電極との間でなされる実質的な全ての電気的接続が、単一粒子を経由するように、前記導電性粒子を配置する、請求項1に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項3】
2個以下の粒子が、互いに接触するように、前記導電性粒子を配置する、請求項2に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項4】
2個の粒子が、互いに接触しない、請求項3に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項5】
前記伝導体が、プラスチックフィルム上に設けられた金属コーティングを備える、請求項1に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項6】
前記金属コーティング及びプラスチックフィルムが、透明である、請求項5に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項7】
前記伝導体が、櫛歯状電極を備える、請求項1に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項8】
前記櫛歯状電極が、基材上に配置される、請求項1に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項9】
前記基材が、可撓性である、請求項8に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項10】
前記基材が、透明である、請求項8に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項11】
前記伝導体及び前記櫛歯状電極が、透明である、請求項1に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項12】
前記伝導体及び前記櫛歯状電極の少なくとも一方が、透明な導電性酸化物を含む、請求項11に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項13】
デバイスのいたる所で電気応答を測定する手段を更に備える、請求項1に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項14】
前記電気絶縁層が、圧力の解除により実質的にその本来の寸法に戻ることができる、請求項1に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項15】
前記電気絶縁層が、約0℃〜約100℃でほぼ一定のG’を有するエラストマー材を含む、請求項14に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項16】
前記電気絶縁層が、約0℃〜約60℃でほぼ一定のG’を有するエラストマー材を含む、請求項15に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項17】
前記電気絶縁層が、約1x103Pa〜約9x105PaのG’を有し、かつ23℃で1Hzに対し約0.01〜約0.60の損失正接を有するエラストマー材を含む、請求項14に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項18】
前記電気絶縁層が、自己回復するエラストマー材を含む、請求項14に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項19】
デバイスのいたる所で動的電気応答を測定する手段を更に備える、請求項14に記載の櫛歯状電子デバイス。
【請求項20】
デバイスが、力起動スイッチ又は力センサーである、請求項1に記載の櫛歯状電子デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−49140(P2012−49140A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222194(P2011−222194)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【分割の表示】特願2008−524080(P2008−524080)の分割
【原出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】