説明

欠陥検査装置

【課題】被検査体に発生する多様な種類の欠陥を検出可能な欠陥検査装置を提供する。
【解決手段】被検査体の上面を略水平方向に向けた状態で前記被検査体を支持するとともに、被検査体をその底面から加熱する加熱台と、加熱台を略水平方向に搬送する搬送路と、搬送路の上方に設けられ、加熱台の搬送中に被検査体の上面に接触して被検査体を冷却する冷却体と、冷却体の直近位置であって、搬送する方向の下流側直近位置の斜め上方に配置され、下流側直近位置に搬送される上面に向けて赤外線を照射する赤外線照射部と、下流側直近位置の上方であって、赤外線照射部からの赤外線が上面で反射されてなる反射成分のうち、正反射成分が入射しない高さに配置され、上面から放出される赤外線を検出する赤外線検出部とを備え、赤外線検出部が加熱及び冷却された上面から放出される赤外線の放射成分及び乱反射成分を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板状の被検査体、ブロック状の被検査体、及びこれらが積層されてなる積層被検査体に発生した、クラック、表面の欠陥並びに部材間の剥離等を検査する被検査体の欠陥検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばセラミックスを所定の形に焼結成型させてなるセラミックス焼結成型品、合成樹脂を所定の形に成型した合成樹脂成型品並びに平板状或いはブロック状の金属加工製品が製造されてきた。しかしながら、これらの製品においては、例えば内部クラックや表面凹凸等の欠陥が発生するおそれがある。そこで、これらの欠陥を含む製品の流出防止等の目的のため、製造過程の種々の工程においてこれらの欠陥の有無を検査することが必要とされている。
【0003】
このような欠陥を検出する技術として、例えば超音波を利用したものが知られている。しかしながら、超音波を利用する場合は、上述した製品や半製品等の被検査体の内部に超音波を充分に通過させるために、被検査体を水等の液体の中に浸漬する必要がある。そのため、例えば被検査体の欠陥検査のための浸漬浴や浸漬後に被検査体の表面に付着した液体の除去装置等が必要となり、欠陥検査が複雑でコストアップにつながりやすいという問題があった。
【0004】
そこで、被検査体を加熱し、被検査体の表面から放射される赤外線を介して欠陥検査を行う欠陥検査装置についての様々な提案がされている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献2】特許第4218037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によれば、搬送装置に搬送され移動する加熱受台であり、温度調節可能なヒータを搭載して上面となる平面が加熱され、その平面上に被検体平板を受着する加熱受台と、移動中の加熱受台上の被検体平板に上方から冷却ガスを吹き付けて非接触で冷却する冷却装置と、被検体平板の同時加熱及び冷却中に被検体から放射される赤外線を検出する赤外線検出手段と、を含む被検体欠陥部の検出装置が提案されている。
【0007】
すなわち、特許文献1によれば、被検体を所定の温度に加熱した状態のままで冷却ガスを吹き付けて冷却し、冷却後再び被検体の温度が上昇してゆく間に発生する、欠陥部と正常部とにおける赤外線放射量の差を利用して、クラックや異物付着等の欠陥を検出するものである。
【0008】
そのため、特許文献1によれば、表面の一部がえぐれたような凹状の欠陥に関しては、凹状の欠陥部と正常部とで、冷却後に元の温度に復帰するまでに放射される赤外線量の差が発生し難いため、その検出が困難という問題があった。すなわち、特許文献1によれば、検出される欠陥の種類が限定されるおそれがあるという問題があった。
【0009】
また、特許文献1によれば、被検体平板の同時加熱及び冷却中に被検体から放射される赤外線を検出するものであるが、被検体の冷却に冷却ガスを用いているため、冷却可能域が表面及び表面から浅い領域となるおそれがある。
しかし、被検査体には、例えば冷却ガスによる冷却可能域を超える厚さの平板をブロック状の焼結体の上に圧着させた積層体もある。そして、このような被検査体(積層体)の欠陥検査には、圧着させた境界部分における剥離欠陥の検出が求められる。ところが、特許文献1によれば、冷却可能域が浅いため例えば積層体の剥離欠陥の検出が困難になるおそれがあるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検査体に発生する多様な種類の欠陥を検出可能な欠陥検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、略平坦な上面とこれに対向する底面とを有する被検査体の前記上面から放出される赤外線、を介して前記被検査体の欠陥を検査する検査装置において、前記上面を略水平方向に向けた状態で前記被検査体を支持するとともに、前記被検査体を前記底面から加熱する加熱台と、前記加熱台で支持された前記被検査体の前記上面に接触して前記被検査体を冷却する冷却体と、前記冷却体を移動させて前記上面に接触させるとともに、前記上面外に前記冷却体を移動させる冷却体移動機構と、前記加熱台の斜め上方に配置され、前記上面に向けて赤外線を照射する赤外線照射部と、前記加熱台の上方であって、前記赤外線照射部からの赤外線が前記上面で反射されてなる反射成分のうち、正反射成分が入射しない高さに配置され、前記上面から放出される赤外線を検出する赤外線検出部とを備え、前記赤外線検出部が加熱及び冷却された前記上面から放出される赤外線の放射成分及び乱反射成分を検出する、欠陥検査装置である。
【0012】
請求項2の発明は、略平坦な上面とこれに対向する底面とを有する被検査体の前記上面から放出される赤外線、を介して前記被検査体の欠陥を検査する検査装置において、前記上面を略水平方向に向けた状態で前記被検査体を支持するとともに、前記被検査体を前記底面から加熱する加熱台と、前記加熱台を略水平方向に搬送する搬送路と、前記搬送路の上方に設けられ、前記加熱台の搬送中に前記被検査体の前記上面に接触して前記被検査体を冷却する冷却体と、前記冷却体の直近位置であって、前記搬送する方向の下流側直近位置の斜め上方に配置され、前記下流側直近位置に搬送される前記上面に向けて赤外線を照射する赤外線照射部と、前記下流側直近位置の上方であって、前記赤外線照射部からの赤外線が前記上面で反射されてなる反射成分のうち、正反射成分が入射しない高さに配置され、前記上面から放出される赤外線を検出する赤外線検出部とを備え、前記赤外線検出部が加熱及び冷却された前記上面から放出される赤外線の放射成分及び乱反射成分を検出する、欠陥検査装置である。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の欠陥検査装置において、前記冷却体は、熱電素子により温度調節されることを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載の欠陥検査装置において、前記冷却体は、その下端部に複数のローラを備え前記ローラを介して前記上面に接触することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、略平坦な上面とこれに対向する底面とを有する被検査体の前記上面から放出される赤外線、を介して前記被検査体の欠陥を検査する検査装置において、前記上面を略水平方向に向けた状態で前記被検査体を支持するとともに、前記被検査体を前記底面から加熱する加熱台と、前記加熱台で支持された前記被検査体の前記上面に接触して前記被検査体を冷却する冷却体と、前記冷却体を移動させて前記上面に接触させるとともに、前記上面外に前記冷却体を移動させる冷却体移動機構と、前記加熱台の斜め上方に配置され、前記上面に向けて赤外線を照射する赤外線照射部と、前記加熱台の上方であって、前記赤外線照射部からの赤外線が前記上面で反射されてなる反射成分のうち、正反射成分が入射しない高さに配置され、前記上面から放出される赤外線を検出する赤外線検出部とを備え、前記赤外線検出部が加熱及び冷却された前記上面から放出される赤外線の放射成分及び乱反射成分を検出する構成であるから、被検査体の上面に凹状の欠陥等があると、凹状の欠陥から放出される赤外線量は、加熱された被検査体の上面から放射される放射成分及び凹状の欠陥に赤外線照射部から照射された赤外線が当たって発生する乱反射成分になるので、凹状の欠陥部から放出される赤外線量が正常な上面から放出される赤外線量よりも多くなる。したがって、この赤外線量の差を赤外線検出部で検出することにより、凹状の欠陥を確実に検出できる。また、例えば金属のように気体よりも熱伝導性に優れる素材で冷却体を形成することにより、気体による冷却方法よりも被検査体の熱を奪う、すなわち冷却効果が高まる。したがって、被検査体の表面近傍だけではなくより深いところまで冷却できるので、積層体の内部に発生する剥離欠陥も検出可能となる。
【0016】
また、略平坦な上面とこれに対向する底面とを有する被検査体の前記上面から放出される赤外線、を介して前記被検査体の欠陥を検査する検査装置において、前記上面を略水平方向に向けた状態で前記被検査体を支持するとともに、前記被検査体を前記底面から加熱する加熱台と、前記加熱台を略水平方向に搬送する搬送路と、前記搬送路の上方に設けられ、前記加熱台の搬送中に前記被検査体の前記上面に接触して前記被検査体を冷却する冷却体と、前記冷却体の直近位置であって、前記搬送する方向の下流側直近位置の斜め上方に配置され、前記下流側直近位置に搬送される前記上面に向けて赤外線を照射する赤外線照射部と、前記下流側直近位置の上方であって、前記赤外線照射部からの赤外線が前記上面で反射されてなる反射成分のうち、正反射成分が入射しない高さに配置され、前記上面から放出される赤外線を検出する赤外線検出部とを備え、前記赤外線検出部が加熱及び冷却された前記上面から放出される赤外線の放射成分及び乱反射成分を検出する構成であるから、被検査体の上面に凹状の欠陥等があると、凹状の欠陥から放出される赤外線量は、加熱された被検査体の上面から放射される放射成分及び凹状の欠陥に赤外線照射部から照射された赤外線が当たって発生する乱反射成分になるので、凹状の欠陥部から放出される赤外線量が正常な上面から放出される赤外線量よりも多くなる。したがって、この赤外線量の差を赤外線検出部で検出することにより、凹状の欠陥を確実に検出できる。また、例えば金属のように気体よりも熱伝導性に優れる素材で冷却体を形成することにより、気体による冷却方法よりも被検査体の熱を奪う、すなわち冷却効果が高まる。したがって、被検査体の表面近傍だけではなくより深いところまで冷却できるので、積層体の内部に発生する剥離欠陥も検出可能となる。さらに、被検査体を支持した複数の加熱台を搬送路上で順送りに搬送することで、被検査体を連続的に欠陥検査が可能となるので、被検査体の連続処理や処理能力の向上に資する。
【0017】
また、前記冷却体は、熱電素子により温度調節される構成であるから、容易に冷却体の温度を調節できるので、例えば表面から深い位置にある欠陥検出等の場合に冷却体の温度を下げる等、被検査体の欠陥の発生状況や被検査体の熱容量等に応じて冷却体の温度を調節することで、様々な欠陥を確実に検出できる。
【0018】
また、前記冷却体は、その下端部に複数のローラを備え前記ローラを介して前記上面に接する構成であるから、被検査体は冷却体の下を円滑に移動できるので、連続処理や処理効率の向上に資する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態の欠陥検査装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態の欠陥検査装置の動作を説明する図である。
【図3】本発明の第1実施形態の欠陥検査装置による実施例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態の欠陥検査装置による実施例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態の欠陥検査装置の概略構成図である。
【図6】本発明の第2実施形態の欠陥検査装置による実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態の例について説明する。
まず、本発明の第1実施形態の例について図1〜図4を用いて説明する。
図1は、本実施形態の欠陥検査装置10の概略構成図である。図2は、本実施形態の欠陥検査装置10の動作を説明する図である。図3及び図4は、本実施形態の欠陥検査装置10による実施例を説明する図である。
【0021】
まず、本実施形態における被検査体には、例えば鉄や炭素を含有したアルミニウム系セラミックス等を焼結成型させて単層よりなる単層焼結成型体70(図3参照)と、例えばアルミニウム系セラミックスの焼結成型体とフェライト系セラミックスの焼結成型体等のように異なった種類の単層焼結成型体を積層させた積層焼結成型体80とがある(図1参照)。
具体的には、単層焼結成型体70の形状は、例えば1〜10mmの厚さを有する直方体状よりなる。そして、長辺×短辺が略50×10mmの略平坦な上面72及びこれに略平行な底面74を有する。このように、被検査体としての単層焼結成型体70は、略平坦な上面72とこれに対向する底面74とを有する。
【0022】
次に、本実施形態の積層焼結成型体80は、上下2層よりなり(図1参照)に上層焼結成型体82の底面と下層焼結成型体84の上面とを重ね合わせて圧着することで一体に形成される。本実施形態の上層焼結成型体82の厚さは例えば0.1〜3mmで、下層焼結成型体84の厚さは例えば1〜50mmよりなる。そして、積層焼結成型体80は、全体が直方体状よりなり、長辺×短辺が略50×10mmの略平坦な上面83及びこれに略平行な底面85を有する(図1参照)。このように、被検査体としての積層焼結成型体80は、略平坦な上面83とこれに対向する底面85とを有する。
【0023】
被検査体の全体形状は、本実施形態の直方体状に限るものではなく、略平坦な上面とこれに対向する底面とを有する形状であれば、例えば円筒状、円板状、ドーナツ状等の形状であってもよい。また、上面と底面とは、平行な関係にあるものに限らず上面に対して底面が傾斜していてもよい。
また、被検査体はセラミックスの焼結成型体に限らず、例えばシリコン等の半導体材料であってもよいし、例えば合成樹脂を成型させた成型体であってもよい。
また、セラミックスの場合はその種類も、本実施形態のアルミニウム系セラミックスや、フェライト系セラミックスに限るものではなく、任意の種類とすることができる。
また、被検査体は金属板や金属ブロック或いは、これらを積層させた積層体であってもよい。さらに、積層体の各層どうしの接着は本実施形態の圧着によるものに限らず、例えば接着剤或いはバインダー等による方法であってもよい。
【0024】
次に、本実施形態の被検査体の欠陥検査装置10の概略構成について図1を用いて説明する。なお、図1では、被検査体が積層焼結成型体80の場合を示している。
本実施形態の被検査体の欠陥検査装置10は、図1に示すように、加熱台12と、冷却体20と、赤外線照射部30と、赤外線検出部40と、冷却体移動機構50とを備える。
【0025】
先ず、本実施形態の加熱台12は、図1に示すように、受台13と、加熱装置14とを備える。
受台13は、例えば積層焼結成型体80の底面よりやや広い長方形状(図示せず)で略平坦な上端面15を有する直方体形状よりなる。そして、図1に示すように、受台13は前記上端面15を略水平にした状態でテーブル16上に配置され、上端面15が、積層焼結成型体80を載置する載置面となる。詳しくは、図1に示すように、上端面15に積層焼結成型体80の底面を当接させつつ積層焼結成型体80を載置する。したがって、積層焼結成型体80は、その上面83を略水平にした状態で受台13によって支持される。
【0026】
本実施形態の受台13は、ステンレス製よりなるが、ステンレス製に限るものではなく、例えば鉄、銅、アルミニウム等のように熱伝導率が高い金属で形成されていてもよい。後述する、加熱装置14による熱が効率よく被検査体(積層焼結成型体80)に伝導されるためである。
また、受台13の上端面15は、本実施形態の略水平に限るものではなく、被検査体の上面を略水平に向けた状態で被検査体を支持できれば、被検査体の底面に応じて例えば水平方向に対して傾斜させていてもよい。
【0027】
加熱装置14は、例えばロッドヒータ等の公知の電気ヒータで構成され、図1に示すように、受台13に嵌設される。したがって、受台13は加熱装置14によって加熱され、その熱が積層焼結成型体80の底面85に伝導され、被検査体としての積層焼結成型体80をその底面85から加熱するのである。本実施形態において、受台13は例えば50〜200℃に加熱される。加熱装置14は、本実施形態のロッドヒータに限るものではなく、公知のシート状のヒータで構成してもよい。
【0028】
なお、加熱台12は、載置した積層焼結成型体80の水平方向の移動を規制する移動規制手段としての、ストッパー17を備える。本実施形態のストッパー17は、例えば上端面15からやや突出する立方体状のブロック片よりなる。
この移動規制手段は、ストッパー17に限るものではなく、例えば受台13の上端面15をその略垂直方向に貫通する複数の貫通孔(図示しない)と、これらの貫通孔に連通する真空ポンプとを備え、真空ポンプで貫通孔を真空状態とすることにより、上端面15上に載置された積層焼結成型体80を吸着する構成であってもよい。
或いは、被検査体が磁石によって吸着される素材よりなる場合、移動規制手段は、受台13に磁石を備える構成であってもよい。
また、本実施形態の欠陥検査装置10は、加熱台12上の被検査体の有無を検出する検知センサー(図示せず)や、被検査体の温度を計測する温度センサーを備えている。そして、被検査体が加熱台12に載置されると、検知センサーが後述する制御部42に検出信号を送信し、披検査体の温度が所定の温度に加熱されると温度センサーが加熱信号を制御部42に送信する構成となっている。
【0029】
次に、本実施形態の冷却体20は、金属ブロック21よりなる。金属ブロック21は、図1及び図2に示すように、例えば積層焼結成型体80の上面83と略同じ形状及びサイズの略平坦な下端面22を有する直方体状でステンレス製のブロックで形成される。そして、金属ブロック21は、下端面22を下方に向けた状態で後述する冷却体移動機構50によって支持されて水平方向及び垂直方向に移動し、積層焼結成型体80に接触する。その際、図2(a)に示すように、積層焼結成型体80の上面83に下端面22が接触する。また、本実施形態の欠陥検査装置10は、例えば室温中に置かれるため冷却体20の温度は略27℃程度となっている。したがって、冷却体20は、加熱台12で支持されて加熱された積層焼結成型体80の上面83に接触して、積層焼結成型体80を冷却可能な構成となっている。
【0030】
金属ブロック21は、ステンレス製に限るものではなく、例えば銅製やアルミニウム製のように熱伝導率が高い金属で形成されていると好ましい。加熱された積層焼結成型体80に接触した際に、熱を金属ブロック21に逃がしやすく、効率よく冷却できるからである。
【0031】
次に、冷却体移動機構50は、図1に示すように、水平レール51と、水平レール51に沿って移動可能な水平摺動体52と、垂直レール53と、垂直レール53に沿って移動可能な垂直摺動体54と、冷却体20を支持する支持アーム25とを備える。
水平レール51は、例えば公知のLMレールよりなり、加熱台12の斜め上方の所定位置に水平に配置される。また、水平摺動体52は、例えば公知のLMブロックよりなり、水平レール51に沿って水平方向に移動可能な構成となっている。
【0032】
次に、垂直レール53は、公知のLMレールよりなり、垂直に配置されて水平摺動体52の下端に垂設される。また、垂直摺動体54は、公知のLMブロックよりなり、垂直レール53に沿って垂直方向に移動可能な構成となっている。
【0033】
次に、支持アーム25は、図1に示すように、略L字状のアームよりなり、冷却体20の側面にネジ26等で連結して冷却体20を支持する。
【0034】
このように冷却体移動機構50は、水平摺動体52及び垂直摺動体54が移動することによって、冷却体20を移動させて上面83に接触させるとともに、上面83と重ならない位置、すなわち上面83外に冷却体20を移動させることが可能な構成となっている。
【0035】
次に、赤外線照射部30は、例えば赤外線ランプ、反射ミラー、レンズ等を備える。そして、赤外線照射部30は、赤外線ランプから放射される赤外線を反射ミラーで反射させるとともにレンズで集光させることにより、所定の照射範囲を有する赤外線Iを略一定方向に向けて出射する。具体的には、図1に示すように、少なくとも積層焼結成型体80の上面83を覆うことができる程度の照射範囲を有する赤外線Iを出射する。
本実施形態の赤外線照射部30は、図1に示すように、加熱台12の斜め上方位置、より詳しくは、例えば水平線から30度〜45度程度上がった斜め上方位置に配置され積層焼結成型体80の上面83に向けて赤外線を照射する。
【0036】
次に、赤外線検出部40は、例えば公知の赤外線カメラ45及び公知の赤外線サーモグラフィーを備える。赤外線カメラ45は、所定の視野Vを有し、積層焼結成型体80の上面83から放出される赤外線を検出する。そして、赤外線サーモグラフィーがその検出量に基づいて上面83の温度プロファイルを画像データとして生成する。
この赤外線検出部40は、図1に示すように、加熱台12の上方であって、赤外線照射部30からの赤外線が上面83で反射されてなる反射成分のうち、正反射成分Rが入射しない高さに配置される。なお、本実施形態において赤外線カメラ45の視野Vは、例えば積層焼結成型体80の上面83全体が入る構成となっている。
【0037】
ここで、本実施形態の欠陥検査装置10は、赤外線検出部40に接続される制御部42と、公知のディスプレイを含む表示部43と、を備える。
制御部42は、CPU等の演算手段や、メモリ等の記憶手段等備えており、赤外線検出部40からの画像データを受けて表示部43に表示させる。また、本実施形態の制御部42は、さらにタイマー等を備えるとともに、冷却体移動機構50と接続されており、冷却体移動機構50の動作を制御する機能も備える。
【0038】
以上のように構成される本実施形態の欠陥検査装置10の動作例について、図2を用いて説明する。図2(a)は、冷却体20が積層焼結成型体80の上面83と接触した様子を示し、図2(b)は、上面83に赤外線照射部30で赤外線Iを照射しつつ赤外線検出部40で検出している様子を示す。
先ず、図1に示すように、加熱台12に積層焼結成型体80が載置されると、上述した検知センサーが検出信号を制御部42に送信する。
次に、積層焼結成型体80が設定温度に加熱されると、温度センサーが加熱信号を制御部42に送信する。
次に、制御部42は、冷却体移動機構50に可動指示を出す。可動指令を受けた冷却体移動機構50が、図2(a)に示すように、積層焼結成型体80の上面83に冷却体20を接触させる。
次に、制御部42は、例えば1〜2秒程度放置し、その間に冷却体20が積層焼結成型体80を冷却する。
次に、制御部42は、図2(b)に示すように、冷却体移動機構50を介して冷却体20を上面83の外方に移動させる。
次に、制御部42は、赤外線照射部30から赤外線を照射させるとともに赤外線検出部40に検出指令を出す。検出指令を受けた赤外線検出部40が、積層焼結成型体80の上面83から放出される赤外線を検出する。その際、制御部42は、例えば冷却体20が上面83から外方に移動後直ちに、より詳しくは積層焼結成型体80が一旦冷却された後、元の温度に回復しない程度の時間内に検出指令を出すことにより、積層焼結成型体80は同時に加熱及び冷却された状態となる。そして、検出指令を受けた赤外線検出部40が、同時に加熱及び冷却された積層焼結成型体80の上面83から放出される赤外線を検出する。
なお、赤外線照射部30は常時赤外線を照射する構成としてもよい。
【0039】
次に、本実施形態の欠陥検査装置10を用いた検出例について図3及び図4を用いて説明する。
まず図3を用いて、凹状欠陥の検出例を説明する。図3(a)は、凹状欠陥75の検査の原理を説明する一部断面図である。図3(b)は、凹状欠陥75が発生した上面72を示す。図3(c)は、凹状欠陥検出画像の例を示す図である。図3(a)において、符号73は、図3(b)のA−A線断面図を示す。
本検出例における凹状欠陥は被検査体としての単層焼結成型体70の上面72に発生した穴状の欠陥で、例えば直径が0.1〜1mmで深さが0.1〜2mm程度の大きさの凹部よりなる。
【0040】
単層焼結成型体70は所定の温度に加熱されているので上面72から赤外線の放射成分(輻射成分ともいう)Hが放出される。次に、上述した凹状欠陥75含む上面72に向かって赤外線が赤外線照射部30から照射されると、図3(a)に示すように、凹状欠陥75が発生していない平坦な上面からは正反射成分Rが反射され、凹状欠陥75が発生した箇所から乱反射成分Kが反射される。しかし、上述した様に、赤外線検出部40には正反射成分Rは入射しないので、赤外線検出部40は、図3(a)に示すように、凹状欠陥75が無い正常な上面72からは放射成分Hのみを検出し、凹状欠陥75が発生した箇所からは放射成分H及び乱反射成分Kを検出する。すなわち、凹状欠陥75が発生した箇所から放出される赤外線量の方が正常な上面72から放出される赤外線量より多い関係になる。
【0041】
このようにして上面72から放出される赤外線に基づいて検出した、上面72の温度プロファイルの画像例を図3(c)に示す。図3(c)に示すように、白い略円形の領域76が凹状欠陥箇所に対応する画像領域である。以上のように、本実施形態の欠陥検査装置10によれば、凹状欠陥等のような表面の微小な窪み(凹部)やクラック等を容易に検出できる。
【0042】
次に図4を用いて、剥離欠陥87の検出例を説明する。図4(a)は、剥離欠陥87の検査原理を説明する一部断面図である。図4(b)は、積層焼結成型体80の上面を示す図である。図4(c)は、剥離欠陥検出画像の例を示す図である。
本検出例における積層焼結成型体80は、上層焼結成型体82と下層焼結成型体84とが接する境界に剥離欠陥87が発生しており、図4(b)において点線86で囲まれた領域外の領域が剥離欠陥87の領域となっている。言い換えると、点線86は、剥離欠陥87の領域と正常な領域との境界を示す。
図4(a)において、符号88は、図4(b)のB−B線断面図を示すが、剥離欠陥87は、B−B線断面図88において、両側端部近傍にそれぞれ現れる。
【0043】
積層焼結成型体80を加熱台12で加熱しつつ上面83に冷却体20を接触させると(図2(b)参照)、上面83から熱が奪われるため、底面85近傍の温度が高く上面83の近傍温度が低いという温度勾配が生じ、底面85から上面83に向かう熱流Fが生じる(図4(a)参照)。その後、冷却体20を離隔させると、積層焼結成型体80は加熱台12で加熱されているのでしばらくすると温度勾配が解消されて所定の温度へと復帰する。その復帰する間、剥離欠陥87の発生箇所は熱流Fが妨げられるので、剥離欠陥87の上方の上面83の温度は剥離欠陥87が発生していない箇所の上面83の温度より低い状態となる。すなわち、剥離欠陥87の上方の上面83から放射される赤外線量H1は、剥離欠陥87が発生していない箇所の上面83から放射される赤外線量H2より少ない。この赤外線量の差を検出することで剥離欠陥87を検出するのである。なお、本検査例において上面83には欠陥がないことにより、赤外線照射部30から照射された赤外線は、図4(a)に示すように、上面83で正反射(R)されている。
【0044】
このようにして上面83から放出される赤外線量H1,H2に基づいて検出した、上面83の温度プロファイルの画像例を図4(c)に示す。図4(c)に示すように、白い略円形状の領域を略囲む領域が、剥離欠陥87対応する画像領域89である。以上のように、本実施形態の欠陥検査装置10によれば、剥離欠陥87を容易に検出できる。また、本実施形態の欠陥検査装置10によれば、上述したと同様にして被検査体の内部に発生したボイド等の空孔も検出することができる。
【0045】
次に、クラックが発生した被検査体を冷却体20で一時的に冷却すると、クラックがない正常部分の上面の温度復帰は、クラック発生部分の上面の温度復帰より早い。そこで、赤外線照射部30から赤外線を照射しない状態で、クラックがない正常部分の上面からの赤外線放出量と、クラック発生部分の上面からの赤外線放出量との差を、赤外線検出部40で検出することによってもクラックを検出できる。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態に係る欠陥検査装置90の例について図5及び図6を用いて説明するが、第1実施形態と同じ部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態と第2実施形態との主な相違点は、冷却体移動機構を備えていない点と、冷却体が所定位置に配置される点と、加熱台を移動させる移動機構を備える点である。
図5は、本実施形態の欠陥検査装置90の概略構成図である。図6は、本実施形態の欠陥検査装置90による欠陥検査の原理を説明する図である。以下、被検査体としての積層焼結成型体80を例にとって説明するが、被検査体が単層焼結成型体70であっても同様である。
【0047】
本実施形態の欠陥検査装置90は、図5に示すように、搬送路35、加熱台12、冷却体27、赤外線照射部30、赤外線検出部40、制御部42及び表示部43を備える。
本実施形態の搬送路35は、例えばベルトコンベアのベルトで構成される。そして、搬送路35は、図5に示すように、加熱台12をベルトコンベアで略水平な一定方向(31)に、一定の速度で搬送する。その際、加熱台12は、搬送路35上に等間隔で複数設けられる。また、本実施形態において、搬送路35における加熱台12の移動速度は、例えば1〜100mm/秒等の一定な速度に設定される。
また、本実施形態の欠陥検査装置90は、積層焼結成型体80をピックアップして加熱台12に移載する移載機構(図示せず)を備える。また、搬送路は、ベルトコンベアに限るものではなく、例えばLMレール等で構成されていてもよい。
【0048】
次に、本実施形態の冷却体27は、図5に示すように、金属ブロック21と、熱電素子28と、複数のローラ33とを備える。
本実施形態の熱電素子28は例えばペルチェ素子で構成される。そして、熱電素子28は、金属ブロック21の上面に設けられて金属ブロック21と一体に形成され、冷却体27は、熱電素子28によって温度を調節される。例えば冷却体27の温度を下げることにより、これに接触した被検査体(積層焼結成型体80)に発生する温度勾配(上述)の範囲が広がる。この温度勾配が発生した範囲に剥離欠陥や空孔欠陥等があると、その欠陥箇所の上面の温度の復帰が遅くなることを利用して様々な欠陥を確実に検出できるからである。
【0049】
次に、ローラ33は、例えばステンレス製の円柱棒よりなり、長手方向を略水平で搬送方向31に略直角に向けた状態で、長手方向の中心軸周りに回動自在に枢支され、金属ブロック21の下端部に設けられる。より詳しくは、ローラ33はバネ(図示せず)等の弾性体によって下方に向かって常時付勢されており、後述するように上面83に接触するとローラ33がやや上方に押し上げられる構成になっている。
【0050】
そして冷却体27は、図5に示すように、搬送路35の中間位置上方に配置される。より詳しくは、冷却体27の下端が被検査体としての積層焼結成型体80の上面に接触する高さに、吊支アーム29で支持される。したがって、冷却体27は、図5に示すように、搬送路35に沿って加熱台12が搬送されている途中に被検査体としての積層焼結成型体80の上面83に接触して被検査体を冷却可能な構成となっているのである。また、前記弾性体により、積層焼結成型体80の上面83に冷却体27のローラ33が確実に接触することで積層焼結成型体80の冷却効果を高めつつ、積層焼結成型体80を円滑に搬送できる。
【0051】
次に、本実施形態の赤外線照射部30は、図5に示すように、冷却体27の直近位置であって、搬送方向31の下流側直近位置の斜め上方に配置される。より詳しくは、前記下流側直近位置は、例えば冷却体27から搬送方向31に積層焼結成型体80の長さ〜その長さの2分の1程度下流側を指している。そして赤外線照射部30は、前記下流側直近位置の斜め上方、より詳しくは例えば水平線から30度〜45度上がった斜め上方に配置される。そして、図5に示すように、搬送路35により前記下流側直近位置まで搬送される被検査体としての積層焼結成型体80の上面83に向けて赤外線を照射する。
前記下流側直近位置は上述した位置に限るものではなく、加熱台12で加熱された積層焼結成型体80が搬送中に冷却体27で一旦冷却された後、冷却体27から離隔して元の温度に回復しない程度下流側の位置であればよい。
【0052】
次に、本実施形態において赤外線検出部40は、図5に示すように、上述した下流側直近位置の上方であって、赤外線照射部30からの赤外線が上面83で反射されてなる反射成分のうち、正反射成分Rが入射しない高さに配置される。赤外線検出部40をこの位置に配置することにより、積層焼結成型体80が冷却体27に接触直後で元の温度に回復する前の状態、すなわち同時に加熱及び冷却された状態の積層焼結成型体80の上面から放出される赤外線を、赤外線検出部40が検出可能となる。
なお、本実施形態の欠陥検査装置90は、積層焼結成型体80を検知する公知の位置センサー(図示せず)を備えている。
【0053】
以上のように構成される本実施形態の欠陥検査装置90の動作例について、図5を用いて説明する。
先ず、上述した移載機構によって加熱台12に載置された積層焼結成型体80は、搬送方向31に1〜100mm/秒等の一定の速度で移動する、そして移動中に加熱台により例えば50〜200℃に加熱される。
次に、積層焼結成型体80が冷却体27の下方を搬送されている間に、冷却体27が上面83に接触して積層焼結成型体80が冷却される。
次に、積層焼結成型体80が前記下流側直近位置まで搬送されると、上述した位置センサーが、積層焼結成型体80を検出し、制御部42に位置信号を送信する。
次に、上述した位置信号を受けた制御部42は、赤外線照射部30から赤外線Iを積層焼結成型体80の上面83に照射させるとともに、赤外線検出部40が、積層焼結成型体80の上面83から放出される赤外線を検出する。
【0054】
次に、図6を用いて本実施形態の欠陥検査装置90の欠陥検出の原理について説明する。図6に示すグラフにおいて、縦軸が赤外線検出部40で検出した赤外線の検出量を示し、上方に向かう程検出量が多い、すなわち温度が高いことを示す。一方、横軸は搬送方向31に対応する軸である。また、グラフ内の曲線91,92,93は、上述のようにして赤外線検出部40で検出した温度プロファイルのうち、搬送方向31に沿った所定の線上の温度プロファイルを示す。
図6(a)において、符号94は、欠陥が発生していない積層焼結成型体80の搬送方向31の断面例を示す。また、曲線91は、断面94の上端の温度プロファイル例を示す。
図6(b)において、符号95は、上面に2個の凹状欠陥75が発生した積層焼結成型体80の搬送方向31の断面例を示す。また、曲線92は、断面95の上端の温度プロファイル例を示す。
図6(c)において、符号96は、剥離欠陥87が発生した積層焼結成型体80の搬送方向31の断面例を示す。また、曲線93は、断面96の上端の温度プロファイル例を示す。
【0055】
上述のように、積層焼結成型体80は、加熱台12で加熱されつつ搬送されるとともに、その搬送途中に冷却体27と一時的に接触する。そのため、冷却体27を通過直後の上面83の温度は、冷却体27から下流側に行く程温度が復帰して高くなり、冷却体27に近いほどその温度が低くなっている。したがって、前記下流側直近位置に搬送された積層焼結成型体80の上面83から放出される赤外線を赤外線検出部40で検出すると、欠陥が無い場合の温度プロファイルは、図6(a)に示すように、なだらかな右上がりの勾配を有する温度プロファイル91を示す。
【0056】
ところが、凹状欠陥75がある場合は第1実施形態で説明したと同様に、赤外線検出部40は赤外線照射部30から照射された赤外線の乱反射成分を検出する。したがって、温度プロファイルは、図6(b)に示すように、凹状欠陥75に対応する箇所がその周囲より高いピークPを有する温度プロファイル92となる。そこで、このピークPと欠陥の無い場合の温度プロファイル91とのギャップGを検出することで凹状欠陥75を検出できるのである。
【0057】
また、剥離欠陥87がある場合は、第1実施形態で説明したように、剥離欠陥87の発生箇所での底面からの熱流Fが妨げられるので、剥離欠陥87の発生箇所の上面の温度の復帰が、剥離欠陥87の発生していない箇所の上面の温度の復帰より遅くなる。したがって、温度プロファイル93は、図6(c)に示すように、剥離欠陥87に対応する箇所が、欠陥が無い場合の温度プロファイル91より低い段部97を有するプロファイルとなる。そこで、この段部97と欠陥の無い場合の温度プロファイル91とのギャップG´を検出することで剥離欠陥87を検出できるのである。
また、本実施形態の欠陥検査装置90によれば、上述したと同様にして被検査体の内部に発生したボイド等の空孔や、内部の結晶の乱れ等の結晶欠陥も検出することができる。
【0058】
これまで説明した実施形態によれば、被検査体に発生する多様な種類の欠陥を検出可能な欠陥検査装置を提供できる。
【0059】
以上、本発明の実施形態のうちいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらはあくまでも例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。例えば被検査体の上面を略垂直状態等の所定の方向に向けた状態で検査する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
10、90 欠陥検査装置
12 加熱台
20、27 冷却体
28 熱電素子
30 赤外線照射部
33 ローラ
35 搬送路
40 赤外線検出部
50 冷却体移動機構
70、80 被検査体
72、83 上面
74、85 底面
I 赤外線
H、H1、H2 放射成分
K 乱反射成分
R 正反射成分



【特許請求の範囲】
【請求項1】
略平坦な上面とこれに対向する底面とを有する被検査体の前記上面から放出される赤外線、を介して前記被検査体の欠陥を検査する検査装置において、
前記上面を略水平方向に向けた状態で前記被検査体を支持するとともに、前記被検査体を前記底面から加熱する加熱台と、
前記加熱台で支持された前記被検査体の前記上面に接触して前記被検査体を冷却する冷却体と、
前記冷却体を移動させて前記上面に接触させるとともに、前記上面外に前記冷却体を移動させる冷却体移動機構と、
前記加熱台の斜め上方に配置され、前記上面に向けて赤外線を照射する赤外線照射部と、
前記加熱台の上方であって、前記赤外線照射部からの赤外線が前記上面で反射されてなる反射成分のうち、正反射成分が入射しない高さに配置され、前記上面から放出される赤外線を検出する赤外線検出部とを備え、
前記赤外線検出部が加熱及び冷却された前記上面から放出される赤外線の放射成分及び乱反射成分を検出することを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項2】
略平坦な上面とこれに対向する底面とを有する被検査体の前記上面から放出される赤外線、を介して前記被検査体の欠陥を検査する検査装置において、
前記上面を略水平方向に向けた状態で前記被検査体を支持するとともに、前記被検査体を前記底面から加熱する加熱台と、
前記加熱台を略水平方向に搬送する搬送路と、
前記搬送路の上方に設けられ、前記加熱台の搬送中に前記被検査体の前記上面に接触して前記被検査体を冷却する冷却体と、
前記冷却体の直近位置であって、前記搬送する方向の下流側直近位置の斜め上方に配置され、前記下流側直近位置に搬送される前記上面に向けて赤外線を照射する赤外線照射部と、
前記下流側直近位置の上方であって、前記赤外線照射部からの赤外線が前記上面で反射されてなる反射成分のうち、正反射成分が入射しない高さに配置され、前記上面から放出される赤外線を検出する赤外線検出部とを備え、
前記赤外線検出部が加熱及び冷却された前記上面から放出される赤外線の放射成分及び乱反射成分を検出することを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項3】
前記冷却体は、熱電素子により温度調節されることを特徴とする請求項1又は2に記載の欠陥検査装置。
【請求項4】
前記冷却体は、その下端部に複数のローラを備え前記ローラを介して前記上面に接触することを特徴とする請求項2又は3に記載の欠陥検査装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−203163(P2011−203163A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71845(P2010−71845)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(391003015)株式会社野毛電気工業 (20)
【Fターム(参考)】