説明

止まり穴洗浄装置および止まり穴洗浄方法

【課題】止まり穴に照射して止まり穴内を洗浄した洗浄液を回収し、再利用することができる止まり穴洗浄装置を提供する。
【解決手段】止まり穴洗浄装置は、被洗浄物に形成された止まり穴に洗浄液を供給する供給口と止まり穴から洗浄液を回収する回収口とを備え止まり穴の開口を覆う蓋部材と、洗浄液を循環用タンクから供給口へ供給する供給路と洗浄液を回収口から循環用タンクへ回収する回収路とを備えた循環路と、洗浄液を循環路で循環させる循環用ポンプと、供給口へ供給する洗浄液に微細気泡を生成する気泡生成手段とを備えている。循環用ポンプにより循環用タンクから取り出された洗浄液は、気泡生成手段により微細気泡が生成され、蓋部材の供給口から止まり穴内に照射される。止まり穴内を洗浄した洗浄液は蓋部材の回収口から循環用タンクに回収され、止まり穴の洗浄に再利用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置に関するものであり、特に、止まり穴の洗浄が可能な洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工業製品の中で最も多い止まり穴である雌ネジは、通常、タップを用いて加工される。タップによる雌ネジ加工の場合、ドリルなどによって被加工部材に予め下穴を開けておく必要がある。下穴加工の際には、切削抵抗を緩和するため切削加工油を使用する。このため、披加工部材側の止まり穴の中には切削加工油が残留する。また、下穴加工の後、タップによってネジ加工するが、この時も、切削抵抗緩和のためタップにはグリスが塗られ、結果として、被加工部材である雌ネジ側にグリスが残留する。
【0003】
ここでは、雌ネジを例に挙げて説明したが、一般的な止まり穴を加工する場合も、切削抵抗を緩和する目的で切削加工油を使用する。そのため、被加工部材側の止まり穴には、必ず切削加工油等が残留するので、加工後に止まり穴を洗浄する必要がある。
【0004】
従来の止まり穴洗浄装置では、止まり穴の中にノズルを挿入し、止まり穴内部に、直接、洗浄液を注入して洗浄する方法や、止まり穴の外部から、洗浄液を照射して洗浄する手法が採られている。
【0005】
例えば、特許文献1には、細長い円筒体から成るノズルを袋穴内に挿入し、ノズル先端噴射口から気液混合洗浄液を噴射して袋穴内底面および内周面を洗浄する洗浄装置が記載されている。細長い円筒体から成るノズルの先端部分には、その筒壁に対して周方向に延在する弧形スリットが間隔をおいて複数貫設されている。この弧形スリットは、ノズルの軸線に対し垂直または、斜めに洗浄液を噴射できるように配向されている。そのため、上記ノズル先端面の噴射口を袋穴底面で閉鎖または半閉鎖状態としたときに弧形スリットから気液混合洗浄液を噴射し、袋穴内底面および内周面を洗浄することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−70878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これらの手法では、止まり穴に照射した洗浄液を回収して再利用することができないので、洗浄液の使用量が増大するという問題がある。
【0008】
また、止まり穴に照射した洗浄液が洗浄対象である止まり穴の外に流出するので、止まり穴から取り除いた切削加工油や切削紛等の汚染物(以下、「切削加工油や切削紛等の汚染物」のことを「汚染物」と記す。)が洗浄液とともに、洗浄対象である止まり穴の外に流出する。このため、洗浄対象以外の領域に汚染物が再付着するという問題がある。
【0009】
本発明は、これらの課題を鑑みてなされたものであり、洗浄液を回収して再利用するとともに、止まり穴以外の領域への汚染物の再付着を防止する止まり穴洗浄装置および止まり穴洗浄方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の止まり穴洗浄装置は、被洗浄物に形成された止まり穴に洗浄液を供給する供給口と止まり穴から洗浄液を回収する回収口とを備え止まり穴の開口を覆う蓋部材と、洗浄液を循環用タンクから供給口へ供給する供給路と洗浄液を回収口から循環用タンクへ回収する回収路とを備えた循環路と、洗浄液を循環路で循環させる循環用ポンプと、供給口へ供給する洗浄液に微細気泡を生成する気泡生成手段とを備えた止まり穴洗浄装置である。
【0011】
本発明の止まり穴洗浄方法は、止まり穴に洗浄液を供給する供給口と止まり穴から洗浄液を回収する回収口とを備えた蓋部材で止まり穴の開口を覆う覆い工程と、洗浄液を循環用タンクから供給口へ供給する供給路と洗浄液を回収口から循環用タンクへ回収する回収路とを備えた循環路で洗浄液を循環させる循環工程と、循環用タンクから供給口へ供給する洗浄液に微細気泡を生成する気泡生成工程とを備えた止まり穴洗浄方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の止まり穴洗浄装置によれば、被洗浄物に形成された止まり穴に洗浄液を供給する供給口と止まり穴から洗浄液を回収する回収口とを備え止まり穴の開口を覆う蓋部材と、洗浄液を循環用タンクから供給口へ供給する供給路と洗浄液を回収口から循環用タンクへ回収する回収路とを備えた循環路と、洗浄液を循環路で循環させる循環用ポンプと、供給口へ供給する洗浄液に微細気泡を生成する気泡生成手段とを備えているので、止まり穴内に照射した洗浄液を回収して再利用することができる。これにより、洗浄液の使用量の増大を抑制し、環境負荷を低減することができる。
また、止まり穴内に照射した洗浄液が、洗浄対象である止まり穴以外の領域を流れることがないので、止まり穴から取り除いた汚染物の止まり穴以外の領域への再付着を防止することができる。
【0013】
本発明の止まり穴洗浄方法によれば、止まり穴に洗浄液を供給する供給口と止まり穴から洗浄液を回収する回収口とを備えた蓋部材で止まり穴の開口を覆う覆い工程と、洗浄液を循環用タンクから供給口へ供給する供給路と洗浄液を回収口から循環用タンクへ回収する回収路とを備えた循環路で洗浄液を循環させる循環工程と、循環用タンクから供給口へ供給する洗浄液に微細気泡を生成する気泡生成工程とを備えているので、止まり穴内に照射した洗浄液を回収して再利用することができる。これにより、洗浄液の使用量の増大を抑制し、環境負荷を低減することができる。
また、止まり穴内に照射した洗浄液が、洗浄対象である止まり穴以外の領域を流れることがないので、止まり穴から取り除いた汚染物の止まり穴以外の領域への再付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における止まり穴洗浄装置の概略側面図である。
【図2】本発明の実施の形態1における蓋部材と被洗浄物の概略側面図である。
【図3】本発明の実施の形態2における止まり穴洗浄装置の概略側面図である。
【図4】本発明の実施の形態3における止まり穴洗浄装置の概略側面図である。
【図5】本発明の実施の形態3における蓋部材の内部構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
実施の形態1.
【0016】
初めに、図1と図2に従って本発明の実施の形態1の止まり穴洗浄装置の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における止まり穴洗浄装置の全体構成を模式的に示す概略側面図である。本実施の形態1の止まり穴洗浄装置は、被洗浄物に形成された止まり穴に取り付ける蓋部材3、洗浄液9を収容する循環用タンク8、洗浄液9に微細気泡を発生する気泡発生装置6、洗浄液9を循環させる循環用ポンプ10、循環用タンク8と止まり穴との間で洗浄液9が循環する循環路からなる。蓋部材3は、供給口5と回収口4a,4bを備える。循環路は、洗浄液9を循環用タンク8から止まり穴へ供給する供給路11と、洗浄液9を止まり穴から循環用タンク8へ回収する回収路12,22とからなる。
以下の説明では、各流路の上流側の端部をアルファベットのaをそれぞれの符号に付した11a,12a,22aなどで表し、下流側の端部をアルファベットのbをそれぞれの符号に付した11b,12b,22bなどで表す。
本実施の形態1の止まり穴洗浄装置は、蓋部材3が取り付けられた止まり穴と循環用タンク8との間で洗浄液9が循環し、被洗浄物の止まり穴2以外の部分に洗浄液9が飛散、流出することなく止まり穴内の洗浄が可能な構造となっている。
【0017】
蓋部材3は、配管の継手として用いられる取り付けフランジのような形状で、所定の長さの円柱状の本体部3bと、本体部3bの外側に本体部3bの径方向に突き出して設けられた鍔状のフランジ部3aとを有している。蓋部材3は、洗浄対象である止まり穴2の開口を覆って設置される。
【0018】
蓋部材3の本体部3bは、蓋部材3を止まり穴2の開口に設置したときに、止まり穴2外から止まり穴2内に洗浄液9を供給する供給口5と、止まり穴2内に照射されて止まり穴2内を洗浄した洗浄液9を止まり穴2外に出す回収口4a,4bとを有している。供給口5は、蓋部材3の本体部3bの軸方向に垂直な面の中央部に配置される。回収口4a,4bは、供給口5の位置に対して対称となる位置に配置されている。なお、供給口と回収口の数や配置はこれに限定されるものではなく、供給口と回収口との流路断面積の比に応じて適宜決定すればよい。
【0019】
図2は、図1の止まり穴洗浄装置のうち破線の円で囲んだ蓋部材部分を浄物対象である止まり穴に設置した状態を模式的に示す概略側面図である。
図2に示すように蓋部材3を被洗浄物1に設置すると、蓋部材3の本体部3bの軸方向の一方の端部が止まり穴2の内部に挿入され、蓋部材3のフランジ部3aが被洗浄物1の表面に突き当たる。止まり穴2の内部に挿入された蓋部材3の本体部3bの側面は、止まり穴2の内壁と接する。止まり穴2の内部に挿入された蓋部材3の本体部3bの端面は、止まり穴2の底部と所定の間隔H1を維持して対向する。蓋部材3は、図示しないネジでフランジ部3aが被洗浄物1に固定される。
本実施の形態1の止まり穴洗浄装置は、径がφ5cm〜20cm程度の止まり穴2の洗浄を想定しているが、特にφ5cm〜10cmの止まり穴2の洗浄に適している。本体部3bの端面と止まり穴の底部との間隔H1は、例えば、止まり穴2の径がφ5cm、蓋部材3の軸方向の厚みが2cmである場合、1cm〜20cm程度が適しており、特に1cm〜10cmの範囲が好ましい。
蓋部材3の材質は、耐食性の高い材質が好ましく、特にはステンレスが好ましい。
【0020】
止まり穴2が雌ネジ形状である場合は、蓋部材3の本体部3bの側面のうち止まり穴2の内壁と接する部分の形状を雄ネジ形状とすることで、止まり穴2内部の密閉性を高めることができる。また、蓋部材3のフランジ部3aが被洗浄物1と接する部分に水密性の高い材質、例えば、ネオプレンなどで形成されたリング状の密着部材7を挿入することで、水密性を向上することができる。なお、蓋部材3の形状はこれに限定されるものではなく、止まり穴2の開口を覆った状態で蓋部材3を被洗浄物1に密着させて固定することができる形状であればよい。
【0021】
循環用タンク8は、止まり穴2内を洗浄する洗浄液9を保持する。循環用タンク8には、止まり穴2と循環用タンク8との間で洗浄液9が循環する循環路が接続される。循環路は、供給路11と回収路12,22とで構成される。
【0022】
供給路11は、循環用タンク8に保持された洗浄液9を止まり穴2内へ供給する配管で、図1に示すように、供給路11の一方の端部11aが循環用タンク8に接続され、他方の端部11bが蓋部材3に設けられた供給口5に接続される。供給路11の一方の端部11aは、循環用タンク8に収容された洗浄水9の液面と循環用タンク8の底面とを避けた位置に接続される。
【0023】
回収路12,22は、止まり穴2内を洗浄した洗浄液9を循環用タンク8に回収する配管で、回収路12,22の一方の端部12a,22aが蓋部材3に設けられた回収口4a,4bに接続され、他方の端部12b,22bが循環用タンク8に接続される。
【0024】
供給路11には、循環用タンク8から洗浄液2を取り出して循環路で循環させる循環用ポンプ10が設けられる。循環用ポンプ10と供給口5との間には洗浄液9に微細気泡を発生させる気泡発生装置6が設けられる。気泡発生装置6は、例えば、図1に示すように、供給口5に設けても良いし、供給口11と接続した側の供給路11の端部11bと循環用ポンプ10を設けた位置との間の供給路11上に設けても良い。止まり穴2内に供給する洗浄液9に微細気泡を発生させることができれば、気泡発生装置6の取り付け位置は特に問わない。
【0025】
気泡発生装置6は、微細気泡を生成・噴射する機能を有し、微細気泡を大量に含有した洗浄液9を止まり穴2内に噴射するものである。本実施の形態1の止まり穴洗浄装置は、微細気泡を含んだ洗浄液9を止まり穴2の中に噴射することにより、止まり穴2の中の汚染物を気泡表面に吸着させて取り除く。
気泡発生装置6は、市販されているいずれのものを使用しても洗浄力を得ることができるが、ベンチュリータイプのインジェクタが洗浄力・簡易性の点で有効である。止まり穴2の深さにもよるが、5cm程度の深さの止まり穴2の場合、洗浄液9の供給量は4〜10L/minの範囲が好ましい。
【0026】
洗浄液9は、添加剤を含む水である。添加剤の濃度は10ppm〜10000ppmの範囲が好ましく、本実施の形態1の止まり穴洗浄装置を量産運用する際には、ランニングコストの観点から、100ppm〜1000ppmの範囲が、特に好ましい。 添加剤は微細気泡同士が水中で合一(2つ以上の気泡が合体して1つの大きな気泡となること)することを防止し、長時間安定化させる機能を有する物質で、特開2006−20689に開示されている微細気泡発生用界面活性剤が好ましい。
【0027】
次に実施の形態1の止まり穴洗浄装置を用いて止まり穴2を洗浄する方法について説明する。まず、洗浄対象である止まり穴2の開口を覆うように蓋部材3を設置し、被洗浄物1、循環用タンク8、供給路11、循環用ポンプ10、気泡発生装置6、蓋部材3、供給口5、回収口4a,4b、回収路12,22が洗浄液9の循環が可能な状態にそれぞれ接続されていることを確認する。
【0028】
その後、循環用ポンプ10を稼動させると、循環用タンク8に保持されている洗浄液9が取り出されて気泡発生装置6に供給される。気泡発生装置6は、供給された洗浄液9の中に大量の微細気泡を生成して噴射する。大量の微細気泡を含んだ洗浄液9の流体は、蓋部材3の供給口5から洗浄対象である止まり穴2内部に照射される。止まり穴2内部に残留していた汚染物は、止まり穴2内部に照射された洗浄液9の気泡表面に吸着される。
【0029】
暫くの間、止まり穴2内部に洗浄液9を照射し続けると、止まり穴2の内部は洗浄液9で満たされ、唯一の出口である回収口4a,4bより止まり穴2の外に洗浄液9が排出される。このとき、止まり穴2内部に残留していた汚染物は、洗浄液9の気泡表面に吸着された状態で止まり穴2内部から除去される。
【0030】
回収口4a,4bより排出された汚染物を含む洗浄液9は、回収路12,22を通って循環用タンク8に戻る。循環用タンク8に戻った洗浄液9は、再び、止まり穴2内の洗浄に利用される。ただし、止まり穴2内を洗浄して循環用タンク8に回収された洗浄液9には、止まり穴2内に残留していた汚染物が含まれる。そのまま再利用すると止まり穴2に汚染物を供給することになるので、汚染物を取り除いた洗浄液9を再利用したほうがよい。
【0031】
回収した洗浄液9から汚染物を取り除く方法について説明する。止まり穴2内に残留する汚染物の中で占める割合が大きい油分は、水との比重の関係上、循環用タンク8内では洗浄液9の液面に浮上し、液面付近に油分の層を形成する。また、洗浄液9に含まれる汚染物のうち、水よりも比重が大きい汚染物、例えば、切削粉などは、循環用タンク8の底部に沈殿する。そこで、循環用タンク8に収容された洗浄水9の液面と循環用タンク8の底面とを避けた位置に接続した供給路11の一方の端部11aから洗浄液9を取り出して止まり穴2内へ供給することにより、汚染物の含まれていない洗浄液9で止まり穴2を洗浄することができる。
【0032】
以上のように本実施の形態1による止まり穴洗浄装置では、循環用タンク8、循環路、および止まり穴2内で洗浄液9を循環させながら止まり穴2内を洗浄することで、止まり穴2内に照射した洗浄液9を被洗浄物1の被洗浄領域以外の領域に流出させることなく、回収して再利用することができる。これにより、ランニングコストと環境負荷を低減することができる。
【0033】
また、止まり穴2内を洗浄して循環用タンク8に回収された洗浄液9には、止まり穴2内に残留していた汚染物が含まれる。そのため、回収した洗浄液9をそのまま再利用すると止まり穴2に汚染物を供給することになるという問題があった。
これに対して本実施の形態1による止まり穴洗浄装置では、循環用タンク8に保持された洗浄液9の液面付近と循環用タンク8の底部付近とを避けた位置から洗浄液9を取り出して止まり穴2に供給することで、油分や切削粉などの汚染物が含まれていない洗浄液9で止まり穴2内を洗浄することが可能になる。
【0034】
また、従来の止まり穴洗浄装置では、止まり穴2内に照射した洗浄液9の回収機構がないために、止まり穴2内の汚染物を含んだ洗浄液9が、止まり穴2から流出し、洗浄対象である止まり穴2以外の領域を流れてしまう。このため、洗浄対象以外の領域に汚染物が再付着するという問題があった。特に、被洗浄物1が大きい場合には、止まり穴2から流出した洗浄液9が被洗浄物1の表面全体に及ばず、流出領域が被洗浄物1の表面の一部分に限定されることで、洗浄液9が流れた部分と流れなかった部分とで被洗浄物1の表面に色差が生じる外観上の問題も生じていた。
これに対して本実施の形態1による止まり穴洗浄装置では、循環用タンク8と止まり穴2内とをつなぐ循環路で洗浄液9を循環させるので、止まり穴2内を洗浄した洗浄液9が止まり穴2から流出し、洗浄対象である止まり穴2以外の領域を流れることがない。その結果、止まり穴2から取り除いた汚染物の止まり穴2以外の領域への再付着や、被洗浄物1の表面に色差が生じる外観上の不具合を防止することができる。
【0035】
また、被洗浄物1への汚染物の再付着や外観上の不具合が問題にならない場合には、被洗浄物1の下にオイルパン等を敷いて洗浄液9を回収・再利用する方法が考えられる。しかし、被洗浄物1の表面や外気に触れているパンの表面を流れた洗浄液9が回収されるので、洗浄液9が外部と容易に熱量を交換し、温度変化し易い。一般的に、洗浄液9は昇温して使用される場合が多いため、このような洗浄装置では加熱昇温用のヒーター容量が大きくなるという問題があった。
これに対して本実施の形態1による止まり穴洗浄装置では、循環用タンク8と止まり穴2内とをつなぐ循環路で洗浄液9を循環させるので、止まり穴2内を洗浄した洗浄液9が止まり穴2から流出し、被洗浄物1の表面や外気に触れているパンの表面を流れて洗浄液9の温度が変化することがない。その結果、洗浄液9を加熱昇温するヒーターの容量の増大を防止することができる。
【0036】
また、従来の止まり穴洗浄装置では、洗浄液9に油を溶解させることで、止まり穴2内の油を除去していた。このため、洗浄回数が増加するに従って、洗浄液9に含有する油量が大きくなり、含有油量が洗浄液9の飽和溶解度に近づくにつれて、洗浄力が低下するという問題があった。
これに対して本実施の形態1による止まり穴洗浄装置では、洗浄液9として、添加剤を少量含有する水を使用するため、止まり穴2内部に残留している油を洗浄液9に溶解させることなく、分離除去できる。このため、洗浄液9の劣化が少なく、長期間、洗浄液9を交換することなく、洗浄能力を維持することができる。その結果、洗浄液9のランニングコスト低減、洗浄装置のメンテナンス回数削減という効果が得られる。
【0037】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2における止まり穴洗浄装置の構成について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態2における止まり穴洗浄装置の全体構成を模式的に示す概略側面図である。洗浄する際には、図3の止まり穴洗浄装置のうち破線の円で囲んだ蓋部材部分が洗浄対象である止まり穴に設置される。この実施の形態においては、実施の形態1と比較して、循環用タンク8の洗浄液9に含まれる汚染物を除去し、循環用タンク8内の洗浄液9を浄化する機構を備える点が主に異なる。なお、本実施の形態のこれ以外の構成は上述した実施の形態1と同様であるので、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0038】
本実施の形態2の止まり穴洗浄装置は、実施の形態1の構成に加え、洗浄液17を収容する浄化用タンク13と、浄化用タンク13と循環用タンク8とを接続する浄化路15と、浄化路15に設けられた浄化用ポンプ14と、洗浄液17に微細気泡を発生させる浄化用気泡発生装置16とを備えている。
【0039】
浄化用タンク13は、循環用タンク8に隣接して設けられる。浄化路15は、浄化用タンク13と循環用タンク8とを接続する配管で、浄化用タンク13に保持されている洗浄液17を循環用タンク8へ供給する供給路である。浄化路15の一方の端部15aは、浄化用タンク13に収容された洗浄水17の液面と浄化用タンク13の底部とを避けた位置に接続される。浄化路15の他方の端部15bは、循環用タンク8の底部に接続される。浄化路15に設けられた浄化用ポンプ14は、浄化用タンク13から洗浄液17を取り出して循環用タンク8へ供給する。浄化用タンク13から循環用タンク8に洗浄液17が供給されると、循環用タンク8内の洗浄液9が増加し、循環用タンク8の上部から洗浄液9が溢れる。そのため、浄化用タンク13は、循環用タンク8から溢れた洗浄液9が循環用タンク8に隣接して設けられた浄化用タンク13に回収されるように構成されている。
【0040】
浄化用ポンプ14と浄化路15の他方の端部15bとの間には洗浄液17に微細気泡を発生させる浄化用気泡発生装置16が設けられる。実施の形態2の止まり穴洗浄装置では、浄化路15の端部15bと浄化用ポンプ14との間の浄化路15に浄化用気泡発生装置16を設けても良いし、図3に示すように、浄化路15の端部15bに設けた浄化用気泡発生装置16を循環用タンク8の底部に設置するように構成しても良い。浄化用気泡発生装置16は、市販されているいずれのものを使用しても洗浄力を得ることができるが、ベンチュリータイプのインジェクタが洗浄力・簡易性の点で有効である。
【0041】
次に本実施の形態2の止まり穴洗浄装置において、循環用タンク8に収容される洗浄液9を浄化する方法について説明する。
【0042】
止まり穴2を洗浄すると、止まり穴2を洗浄したときに止まり穴2から取り除いた汚染物が、洗浄液9とともに循環用タンク8に回収される。回収された汚染物のうち、切削粉などは循環用タンク8の底部に沈殿し、油分などは循環用タンク8の液面付近に滞留する。沈殿物や滞留物が多くなると、供給路11の端部11aを循環用タンク8に接続した位置まで汚染物が達し、止まり穴2を洗浄する際に、洗浄対象である止まり穴2に汚染物を供給してしまう可能性が高くなる。このため、汚染物を除去して循環用タンク8内に収容される洗浄液9を浄化することが望ましい。本実施の形態2の止まり穴洗浄装置では、汚染物を含む洗浄液9を循環用タンク8からオーバーフローさせて浄化用タンク13で回収し、汚染物を除去した洗浄液17を循環用タンク8に戻すことで、止まり穴2内を洗浄する洗浄液9を浄化する。以下、具体的に説明する。
【0043】
まず、浄化用ポンプ14を駆動すると、浄化用タンク13に保持されている洗浄液17が浄化路15の一方の端部15aから取り出される。浄化用ポンプ14で取り出された洗浄液17は、浄化用気泡発生装置16に供給される。浄化用気泡発生装置16は、供給された洗浄液17に大量の微細気泡を生成する。微細気泡を含有した洗浄液17は、浄化路15の端部15bから循環用タンク8の底部へ噴射される。
【0044】
循環用タンク8の底部に微細気泡を大量に含有した洗浄液17を照射すると、循環用タンク8の底部に沈殿している汚染物が気泡表面に吸着される。汚染物を表面に吸着した気泡は、自身の浮力により洗浄液17の液面に浮上する。気泡は液面にて破泡し、液面に汚染物のみが残される。
【0045】
一方、浄化用ポンプ14が駆動している間、微細気泡を大量に含有した洗浄液17の循環用タンク8の底部への供給は続く。そのため、循環用タンク8内の洗浄液9の量は時間とともに増加する。循環用タンク8内の洗浄液9の量が循環用タンク8の容量を超えると、洗浄液9は循環用タンク8の上部より溢れる。溢れた洗浄液9は、隣接して設けられた浄化用タンク13に回収される。
【0046】
このとき、微細気泡により循環用タンク8の液面に浮上した汚染物は、循環用タンク8内で再び沈殿する前に、洗浄液9とともに循環用タンク8の上部より溢れて浄化用タンク13に移動する。また、微細気泡で浮上させた汚染物だけでなく、止まり穴2から取り除かれて循環用タンク8の洗浄液9の液面に浮上滞留していた油分も、循環用タンク8の液面の洗浄液9を溢れさせることで浄化用タンク13に移動する。
【0047】
浄化用タンク13に移動した汚染物のうち、水よりも比重が大きい汚染物、例えば、切削粉などは、暫くすると、自身の比重により沈殿し始める。油分は、水との比重の関係上、浄化用タンク13内の洗浄液17の液面に留まる。
【0048】
浄化路15の一方の端部15aは、浄化用タンク13に収容された洗浄水17のダーティー層である液面と沈殿層である浄化用タンク13の底部とを避けた位置に接続されている。よって、油分が滞留している液面付近と切削粉などが沈殿している浄化用タンク13の底部付近を避けた位置から洗浄液17を取り出すことができる。油分や切削粉などの汚染物は浄化用タンク13内に残り、油分や切削粉などの汚染物が含まれていない洗浄液17が浄化路15の他方の端部15bから循環用タンク8へ供給される。
【0049】
以上のように本実施の形態2による止まり穴洗浄装置では、循環用タンク8内の洗浄液9に含まれる汚染物が浄化用タンク13内に送られるので、循環用タンク8の洗浄液9をクリーンに保つことができる。その結果、汚染物の含まれていない洗浄液9で止まり穴2を洗浄することができる。
【0050】
循環用タンク8内の洗浄液9を浄化する工程(浄化工程)は、洗浄液9中に含有される汚染物を再度止まり穴2内に照射しないようにすることが可能であれば、止まり穴2を洗浄する工程(洗浄工程)と同時に実施してもよいし、別々に実施しても良い。
洗浄液9の浄化の観点からは、止まり穴2の洗浄と循環用タンク8内の洗浄液9の浄化は同時に行うことが好ましい。ただし、洗浄の頻度が少ない場合や、被洗浄物に付着している汚染物が少ない場合などは、循環用タンク8内の洗浄液9の汚染速度が遅いため、洗浄工程と浄化工程とを別々に行っても差し支えない。また、洗浄工程を繰り返し実施し、洗浄液9の汚染が一定レベルを超えた時点で浄化工程を実施してもよい。これにより、不要な浄化処理を行う必要がなく、洗浄液9の浄化に要するコストを低減することができる。
【0051】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3における止まり穴洗浄装置の構成について、図4と図5を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態3における止まり穴洗浄装置の全体構成を模式的に示す概略側面図である。図5は、図4の蓋部材の内部構造を示す模式図である。この実施の形態においては、実施の形態1および2と比較して蓋部材、供給口、および回収口の構造が異なる。なお、実施の形態1および2と同一または相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0052】
本実施の形態3の止まり穴洗浄装置は、実施の形態1および2の蓋部材3、供給口11、および回収口12,22の代わりに、所定の長さの筒形状の洗浄液回収配管34と、洗浄液回収配管34の内部に設けられた筒形状の洗浄液供給配管35と、洗浄液回収配管34の外側に洗浄液回収配管34の径方向に突き出して設けられた鍔状のフランジ部34cとを有している。
【0053】
本実施の形態3の止まり穴洗浄装置では、図4に示すように、洗浄液回収配管34が蓋部材を兼ねており、洗浄対象である止まり穴2の開口を覆って設置される。洗浄液回収配管34は、洗浄液供給配管35より大口径の筒形状で、蓋部材を形成するとともに、止まり穴2の開口に設置したときに、止まり穴2内に照射されて止まり穴2内を洗浄した洗浄液9を止まり穴2外に出す回収口を形成する。
【0054】
洗浄液供給配管35は、図5に示すように、洗浄液供給配管支持体36により洗浄液回収配管34内部に支持固定されている。洗浄液供給配管35は、洗浄液回収配管34を止まり穴2の開口に設置したときに、止まり穴2外から止まり穴2内に洗浄液9を供給する供給口を形成し、蓋部材を兼ねた洗浄液回収配管34から止まり穴2の内部の底部へ向かう方向に突き出た構造となっている。
【0055】
供給口を形成する洗浄液供給配管35は、回収口を形成する洗浄液供給配管35の流路断面の中心と洗浄液回収配管34の流路断面の中心とが重なるように設置されるのが好ましい。言い換えると、洗浄液供給配管35と洗浄液回収配管34は、中心軸を一致させて設置されるのが好ましい。
このように構成することで、蓋部材を兼ねた洗浄液回収配管34の軸方向に垂直な断面積の内、洗浄液供給配管35が占める部分を除いた全領域を洗浄液9の回収を行う回収口として使用できるので、洗浄液9を回収する際の圧力損失を低減することが可能となる。また、蓋部材の小型・簡略化が図れる。
【0056】
洗浄液供給配管35の端部35bの先端は、止まり穴2底部に近すぎると、洗浄液供給配管35の端部35bの先端と止まり穴2底部との間における洗浄液9の流路断面積が小さくなり、圧力損失が大きくなり好ましくない。しかし、洗浄液供給配管35の端部35bの先端が止まり穴2底部から離れすぎると、微細気泡を含む洗浄液9を止まり穴2底部に効率的に作用させることができず、洗浄力が低下する。
【0057】
このため、洗浄液供給配管35の端部35bの先端と止まり穴2底部との距離H2は、圧力損失が大きすぎず、洗浄液9を止まり穴2底部に効率的に作用させることが可能な範囲に設定する必要がある。
例えば、止まり穴2の径がφ5〜10cm、洗浄液9の流量が7L/minの場合、洗浄液供給配管35の端部35bの先端と止まり穴2の底部との距離H2は、30〜200mmの範囲が好ましく、特には50〜100mmの範囲が好ましい。
【0058】
洗浄液回収配管34の一方の端部34aの外周部には、洗浄液回収配管の34の径方向に突き出した鍔状のフランジ部34cが形成されている。洗浄液回収配管の34は、洗浄対象である止まり穴2の上部に止まり穴2の開口を覆って設置され、図示しないネジでフランジ部34cが被洗浄物1に固定される。
【0059】
供給口を形成する洗浄液供給配管35の端部35aは、供給路11の端部11bと接続される。供給路11は、止まり穴2内を洗浄する洗浄液9を循環用タンク8から取り出して止まり穴2内へ供給する配管である。供給路11に設けられた循環用ポンプ10と洗浄液供給配管35との間には、循環用タンク8から供給される洗浄液9に微細気泡を発生・生成する気泡発生装置6が設置される。
蓋部材を兼ねた洗浄液回収配管34の外部に気泡発生装置6を設置することで、蓋部材を小型・簡略化することができ、装置の製造コストを低減することができる。
【0060】
回収口を形成する洗浄液回収配管34の端部34bは、回収路32の端部32aと接続される。回収路32は、止まり穴2内を洗浄した洗浄液9を循環用タンク8に回収する配管である。
【0061】
次に実施の形態3の止まり穴洗浄装置を用いて止まり穴2を洗浄する方法について説明する。まず、洗浄対象である止まり穴2の開口を覆うように蓋部材を兼ねた洗浄液回収配管34を設置し、被洗浄物1、循環用タンク8、供給路11、循環用ポンプ10、気泡発生装置6、洗浄液供給配管35、洗浄液回収配管34、回収路32が洗浄液9の循環が可能な状態にそれぞれ接続されていることを確認する。
【0062】
その後、循環用ポンプ10を稼動させると、循環用タンク8に保持されている洗浄液9が気泡発生装置6に供給される。気泡発生装置6は、洗浄液9の中に大量の微細気泡を生成して噴射する。大量の微細気泡を含んだ洗浄液9の流体は、洗浄液供給配管35を通って洗浄対象である止まり穴2内部に照射される。
【0063】
このとき、洗浄液供給配管の端部35bが止まり穴2の内部を止まり穴2の底部に向かって延びていることから、微細気泡を含む洗浄液9は止まり穴2底部に噴射される。止まり穴2底部に残留していた汚染物は、止まり穴2内部に照射された洗浄液9の気泡表面に吸着される。暫くの間、止まり穴2内部に洗浄液9を照射し続けると、止まり穴2底部に供給された微細気泡を含む洗浄液9は、洗浄液供給配管35の外壁と止まり穴2の側面との隙間を通り、洗浄液回収配管34より止まり穴2の外に排出される。止まり穴2側面に残留していた汚染物は、浄液供給配管35の外壁と止まり穴2の側面との隙間を通る洗浄液9の気泡表面に吸着される。つまり、止まり穴2底部と側面に残留していた汚染物は、洗浄液9の気泡表面に吸着された状態で止まり穴2内部から除去される。
【0064】
洗浄液回収配管34より排出された汚染物を含む洗浄液9は、回収路32を通って循環用タンク8に戻る。循環用タンク8に戻った洗浄液9は、再び、止まり穴2内の洗浄に利用される。
【0065】
本実施の形態3による止まり穴洗浄装置では、このように構成することで、被洗浄物に設けられた止まり穴2底部に微細気泡を含む洗浄液9を効率的に作用させることができ、短時間で高い洗浄力を得ることができる。
【0066】
また、このように構成することで、止まり穴2の側面が洗浄液9に効率的に曝されるので、止まり穴の底部だけでなく側面に対しても高い洗浄能力を得ることができる。
【0067】
また、蓋部材を兼ねた洗浄液回収配管34の軸方向の断面積の内、洗浄液供給配管35が占める部分を除く全領域が、洗浄液9を回収する回収口として使用できるため、循環用タンク8へ洗浄液9を回収する際の圧力損失を低減することが可能となる。これにより、洗浄能力を確保するために必要な洗浄液循環流量をより小さな容量のポンプで得ることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 被洗浄物、2 止まり穴、3 蓋部材、4 回収口、4a 回収口、4b 回収口、5 供給口、6 気泡発生手段、7 密着部材、8 循環用タンク、9 洗浄液、10 循環用ポンプ、11 供給路、12 回収路、13 浄化用タンク、14 浄化用ポンプ、15 浄化路、16 浄化用気泡発生手段、17 洗浄液、22 回収路、32 回収路、34 洗浄液回収配管、35 洗浄液供給配管、36 洗浄液供給配管支持体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物に形成された止まり穴に洗浄液を供給する供給口と前記止まり穴から前記洗浄液を回収する回収口とを備え前記止まり穴の開口を覆う蓋部材と、
前記洗浄液を循環用タンクから前記供給口へ供給する供給路と前記洗浄液を前記回収口から前記循環用タンクへ回収する回収路とを備えた循環路と、
前記洗浄液を前記循環路で循環させる循環用ポンプと、
前記供給口へ供給する前記洗浄液に微細気泡を生成する気泡生成手段とを備えた止まり穴洗浄装置。
【請求項2】
洗浄液は、添加剤を含む水であることを特徴とする請求項1に記載の止まり穴洗浄装置。
【請求項3】
循環用タンクの上部から溢れた洗浄液を回収する浄化用タンクと、
前記洗浄液を前記浄化用タンクから前記循環用タンクへ浄化用ポンプで供給する浄化路と、
前記浄化用タンクから前記循環用タンクに供給する前記洗浄液に微細気泡を生成する浄化用気泡生成手段とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の止まり穴洗浄装置。
【請求項4】
浄化用気泡生成手段は、循環用タンクの底部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の止まり穴清浄装置。
【請求項5】
供給口は、蓋部材から止まり穴の内部の底部へ向かう方向に突き出た筒形状であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の止まり穴洗浄装置。
【請求項6】
回収口は、供給口と中心軸を一致させた筒形状で前記供給口より大口径であることを特徴とする請求項5に記載の止まり穴洗浄装置。
【請求項7】
被洗浄物に形成された止まり穴洗浄方法であって、
前記止まり穴に洗浄液を供給する供給口と前記止まり穴から前記洗浄液を回収する回収口とを備えた蓋部材で前記止まり穴の開口を覆う覆い工程と、
前記洗浄液を前記循環用タンクから前記供給口へ供給する供給路と前記洗浄液を前記回収口から前記循環用タンクへ回収する回収路とを備えた循環路で前記洗浄液を循環させる循環工程と、
前記循環用タンクから前記供給口へ供給する前記洗浄液に微細気泡を生成する気泡生成工程とを備えた止まり穴洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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