説明

止水材

【課題】優れた追従性を有するとともに、圧縮率が低い状態でも高い止水性を得ることができる止水材を提供する。
【解決手段】一対の部材12に挟み込まれて圧縮される圧縮部4を備えた長尺の止水材2において、圧縮部4を、軟質のソリッドゴムからなる内側軟質層8と、軟質のソリッドゴムよりも高硬度である硬質のソリッドゴムからなるとともに内側軟質層8を被覆するようにして設けられた外側硬質層10とから構成する。内側軟質層8は、JIS K 6253に準拠したタイプE硬度が45以下であることが好ましく、外側硬質層10は、JIS K 6253に準拠したタイプA硬度が30以上60以下であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の部材間の隙間に取り付けられて該隙間を止水する止水材に関し、特に、ボックスカルバート、マンホール、ヒューム管、又はフリューム等のコンクリート製品の継目部分を止水する止水材に好適に用いられる。
【背景技術】
【0002】
図12に示すように、施工現場において複数のボックスカルバート12を列設する場合、隣接する一対のボックスカルバート12の継目部分を止水材100によって止水することが従来から行われている。止水材100により隣接する一対のボックスカルバート12を止水する技術として、予め一方のボックスカルバート12aの周壁14の端面16に取り付けた止水材100を、一対のボックスカルバート12の周壁14の端面16間に挟み込んで止水する技術が提案されている。
【0003】
一般的に、ボックスカルバートの周壁は、1辺の長さが大きいため(例えば1〜4m)、製作誤差または据付作業誤差等により目地幅が規定値よりも部分的に5mm程度拡がることがある。このような目地幅の部分的な拡がりに対応するため、止水材は圧縮率が20〜50%となるように圧縮された状態で使用することが好ましい。
【0004】
しかし、一般的な硬質ゴムは30%以上の圧縮率で圧縮することが困難である。このような問題に鑑みて、図13に示すように、圧縮しやすいように構成された止水材102が提案されている。図13に示す止水材102は、ゴム発泡体からなる内側軟質層104がソリッドゴムからなる外側硬質層106により被覆された構造を有する。なお、特許文献1に、同様の構成からなる止水材が開示されている。
【特許文献1】特許第3012179号公報
【0005】
図13に示す止水材102を用いて隣接する一対のボックスカルバート12の継目を止水する際、一方のボックスカルバート12aの周壁14aの端面16aに取り付けられた止水材102は、圧縮されやすい内側軟質層104を備えているため、優れた追従性を発揮でき、他方のボックスカルバート12bの周壁14bの端面16bに確実に密着させることができる。また、内側軟質層104が外側硬質層106で被覆されていることにより、内側軟質層104の強度的な欠点を補えるようになっている。
【0006】
図14(a)に示すヒューム管42は、その長さ方向一端部において本体部43よりも小径の外径を有する雄部44を備えるとともに、その長手方向他端部において本体部43よりも大径の内径を有する雌部46を備えている。複数のヒューム管42を接合する場合、隣接する一対のヒューム管42は、図14(b)に示すように、一方のヒューム管42aの雄部44に他方のヒューム管42bの雌部46を外嵌することで接合されるが、ボックスカルバートと同様、ヒューム管42の継目部分を止水材によって止水することが従来から行われている。具体的には、予め一方のヒューム管42aの雄部44の外周面45に取り付けた止水材112を、該雄部44の外周面45と他方のヒューム管42bの雌部46の内周面47とで挟み込んで止水する技術が提案されている。
【0007】
図15は、図14に示すヒューム管の接合部における止水部分の拡大図である。図15に示す従来例では、止水材112が、ソリッドゴムから構成されるとともに、雌部46内周面47との接触面に複数の突起114を有し、図15(b)に示すように大きく変形した状態で止水するように構成されている。この止水状態において、止水材112には変形に伴う復元力が作用するため、止水材112の突起は大きな面圧でヒューム管42bの雌部46の内周面47に接触し、高い止水性が得られるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、図13に示す止水材102は、内側軟質層104の素材であるゴム発泡体が、復元性に乏しく、圧縮率を大きくした状態で設置しなければ必要以上の圧縮応力が得られないため、止水材102を挟むボックスカルバート12等の部材間の隙間が拡がると、漏水する恐れがある。
【0009】
他方、図15に示す止水材112は、上記のように突起部分114においてヒューム管42b等の部材に接触することから、接触面積が小さくなってしまうため、部材の接触面に凹凸がある場合、その接触面に追従し難くなる欠点を有する。加えて、図15に示す止水材112は、経年とともに変形(クリープ変形)が進行することにより復元力が低下することから、漏水の恐れが次第に高くなる欠点がある。
【0010】
そこで、本発明は、優れた追従性を有するとともに、圧縮率が低い状態でも高い止水性を得ることができる止水材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係る止水材は、一対の部材に挟み込まれて圧縮される圧縮部を備えたものであって、
上記圧縮部は、軟質のソリッドゴムからなる内側軟質層と、
上記軟質のソリッドゴムよりも高硬度である硬質のソリッドゴムからなるとともに上記内側軟質層を被覆するようにして設けられた外側硬質層とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る止水材は、内側軟質層が外側硬質層に被覆された構造を有するため、柔軟性と耐摩耗性を兼ね備えるとともに、内側軟質層がソリッドゴムからなるため、優れた追従性を発揮できるとともに、圧縮率が低い状態でも高い止水性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
図1に示す第1の実施形態に係る止水材は、全長に亘って略同一の断面形状を有する長尺の止水材2であって、一対のボックスカルバート等のコンクリート製品又はその他の部材間の隙間を止水するために用いられる。
【0015】
止水材2は、一対の部材に挟み込まれて圧縮される圧縮部4と、一対の部材のうち一方の部材に埋め込まれて取り付けられるか又は該一方の部材表面の凹部に収められて取り付けられる取付部6とを備えている。圧縮部4と取付部6は一体に設けられ、本実施形態において、止水材2全体の断面形状は例えば矩形とされている。
【0016】
圧縮部4は、軟質のソリッドゴムからなる内側軟質層8と、軟質のソリッドゴムよりも高硬度である硬質のソリッドゴムからなるとともに内側軟質層8を被覆するようにして設けられた外側硬質層10とを有する。内側軟質層8は断面矩形とされ、内側軟質層8の外周が、全周に亘って略一定の厚みを有する外側硬質層10によって被覆されている。
【0017】
圧縮部4は、低硬度の内側軟質層8を備えていることにより、圧縮しやすくなっており、高硬度の外側硬質層10を備えていることにより、復元性、物理的強度および耐摩耗性が高められている。
【0018】
内側軟質層8は、ソリッドゴムからなるため、従来のようにゴム発泡体からなるもの(図13参照)と比較して、復元性に優れるとともに、圧縮率が低い状態でも大きな圧縮応力が作用するようになっている。したがって、圧縮部4を挟む部材間の隙間の幅が拡大した部分であっても、圧縮部4は部材の接触面に対して良好に追従し、止水性が損なわれないようになっている。
【0019】
内側軟質層8は、JIS K 6253に準拠したタイプE硬度が45以下に調製されている。内側軟質層8のJIS K 6253に準拠したタイプE硬度が45を超えると、圧縮応力が大きくなり圧縮部4を圧縮し難くなるためである。
【0020】
外側硬質層10は、JIS K 6253に準拠したタイプA硬度が30以上60以下に調製されている。外側硬質層10のJIS K 6253に準拠したタイプA硬度が30未満の場合、必要以上の復元性および物理的強度を得ることができず、外側硬質層10のJIS K 6253に準拠したタイプA硬度が60を超えると、止水材2の柔軟性が不足し、ボックスカルバート周壁のコーナー部等における屈曲した状態での施工が困難となるためである。
【0021】
外側硬質層10の厚みは0.5mm以上となるように設定されている。外側硬質層10の厚みが0.5mm未満であると、必要以上の復元性および物理的強度を得ることができないためである。
【0022】
圧縮部4の長さ方向に直角な断面において、圧縮部4の全体の面積(S)に占める外側硬質層10の面積(S1)の比率(S1/S×100)は50%以下に設定されている。外側硬質層10の面積比率(S1/S×100)が50%を超えると、施工時における圧縮部4の圧縮応力が著しく大きくなり、圧縮し難くなるためである。
【0023】
取付部6は、圧縮部4の外側硬質層10と同じ素材、すなわち硬質のソリッドゴムからなる。取付部6の厚みは、取付部6を部材表面の凹部に収めて取り付ける場合は該凹部の深さと同じ大きさとすることが好ましく、取付部6を部材に埋め込んで取り付ける場合はその埋め込み深さと同じ大きさとすることが好ましい。
【0024】
止水材2の素材となるソリッドゴムの具体的な材料としては、従来から一般的に使用されているゴムが用いられ、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、又はフッ素系ゴム等が、単独で又は2種以上混合されて用いられる。
【0025】
軟質のソリッドゴム及び硬質のソリッドゴムの硬度は、上記の材料ゴムに添加される添加剤(例えば各種充填剤およびプロセスオイル)の配合組成を調整することにより、上述した所定の硬度となるように設定される。
【0026】
止水材2を製造する際は、先ず、軟質のソリッドゴムを押し出す押出機Aと、硬質のソリッドゴムを押し出す押出機Bに、バンバリーミキサー等で混練した上記の材料と添加剤をそれぞれセットし、押出機Aと押出機Bを用いて未加硫状態の軟質ゴムと未加硫状態の硬質ゴムの二重押出を行うことにより、軟質ゴムを硬質ゴムで被覆した状態にした後、熱風加硫槽内を通過させることで連続的な加硫成型を行い、軟質ゴムと硬質ゴムを一体化させることにより製造する。
【0027】
図2及び図3は、第1の実施形態に係る止水材2を用いて、隣接する一対のボックスカルバート12間の隙間を止水する場合の具体的な使用例を示す。
【0028】
図2に示すように、止水材2は、ボックスカルバート12同士の接合作業を行う前に、予め一方のボックスカルバート12aに取り付けられる。一方のボックスカルバート12aへの止水材2の取り付けは、該ボックスカルバート12aの周壁14aの端面16aに形成された溝状の凹部18に取付部6を収めた状態で、凹部18の底面に取付部6を接着することで行われる。ただし、一方のボックスカルバート12aの周壁14aの端面16aには必ずしも凹部18を形成する必要はなく、止水材2は、圧縮部4が露出するように取付部6をボックスカルバート12aに埋め込むことで、該ボックスカルバート12aに取り付けるようにしてもよい。
【0029】
一対のボックスカルバート12を接合する際は、止水材2が取り付けられた一方のボックスカルバート12aの周壁14aの端面16aを、図3に示すように止水材2の圧縮部4が所定の圧縮率となるように圧縮する位置まで、他方のボックスカルバート12bの周壁14bの端面16bに近接させる。この際、止水材2の圧縮部4は、低硬度のソリッドゴムからなる内側軟質層8を備えているため、内側軟質層8がゴム発泡体からなる従来の止水材(図13参照)と同様、圧縮部4を容易に圧縮できるようになっている。
【0030】
止水材2は、図3に示す止水状態において、圧縮部4の圧縮率が20〜50%のときに確実に止水できる大きさの圧縮応力が作用するようになっており、ボックスカルバート12の目地幅の拡大により圧縮部4の圧縮率が20%まで低下しても、確実に止水できるようになっている。具体的に、内側軟質層8は、圧縮部4の圧縮率が20%のときでも約0.2MPaの圧縮応力を得ることができ、水深10mの地下水を確実に止水できる。また、圧縮部4は、すべてソリッドゴムから構成されているため、優れた復元性を発揮することができ、ボックスカルバート12の目地幅が拡大した部分においても、ボックスカルバート12bの端面16bに確実に密着して、高い止水性が得られる。
【0031】
図4は、第2の実施形態に係る止水材22を示している。この止水材22は、圧縮部4における他方のボックスカルバート12bとの接触面全体において内側軟質層8が露出している。これにより、他方のボックスカルバート12bの周壁14bの端面16bに凹凸がある場合でも、図5に示すように、追従性に優れた内側軟質層8の露出部分9が、凹凸を有する端面16bに確実に密着して、止水性が高められる。
【0032】
ただし、内側軟質層8の露出部分9は、他方のボックスカルバート12bとの接触面において必ずしも全体に設ける必要はなく、該接触面の一部に設けるようにしてもよい。また、内側軟質層8の露出部分9は、両方のボックスカルバート12a,12bとの接触面に設けるようにしてもよい。
【0033】
なお、第2の実施形態において、その他の構成及び効果は第1の実施形態と同様であり、図4および図5において、第1の実施形態と同様の機能を有する部材については同符号を付してある。
【0034】
図6は、第3の実施形態に係る止水材32を示している。
【0035】
本実施形態では、止水材32全体の断面形状が台形となっている。圧縮部4の形状は、断面台形の内側軟質層8の外周が、全周に亘って略一定の厚みを有する外側硬質層10によって被覆された形状となっている。取付部6は、第1および第2の実施形態と同様、圧縮部4と一体に設けられ、外側硬質層10と同じ素材から構成されている。
【0036】
図7及び図8は、第3の実施形態に係る止水材32を用いて、隣接する一対のヒューム管42の接合部の隙間を止水する場合の具体的な構成の一例を示す。
【0037】
図7に示すように、止水材32は、ヒューム管42同士の接合作業を行う前に、予め一方のヒューム管42aの雄部44外周面45に取り付けられる。一方のヒューム管42aへの止水材32の取り付けは、該ヒューム管42aの雄部44の外周面45から圧縮部4が突出するような状態で、ヒューム管42aの雄部44に取付部6を埋め込むことで行われる。ただし、ヒューム管42aへの止水材32の取り付けは、必ずしも埋め込みにより行う必要はなく、雄部44の外周面45に溝状の凹部を形成して、止水材32の取付部6を該凹部底面に接着することで行うようにしてもよい。
【0038】
一対のヒューム管42の接合は、止水材32が取り付けられた一方のヒューム管42aの雄部44に、止水材32の圧縮部4を圧縮させながら、他方のヒューム管42bの雌部46を外嵌させることで行われる。この際、止水材32の圧縮部4は、低硬度のソリッドゴムからなる内側軟質層8を備えているため、内側軟質層8がゴム発泡体からなる従来の止水材(図13参照)と同様、圧縮部4を容易に圧縮できるようになっている。
【0039】
止水材32は、図8に示す止水状態において、圧縮部4の圧縮率が20〜50%のときに確実に止水できる大きさの圧縮応力が作用するようになっている。具体的に、内側軟質層8は、止水材32の圧縮率が20%のときでも、約0.2MPaの圧縮応力を得ることができ、水深10mの地下水を確実に止水できる。
【0040】
なお、第3の実施形態において、その他の構成及び効果は第1の実施形態と同様であり、図6〜図8において、第1の実施形態と同様の機能を有する部材については同符号を付してある。
【0041】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0042】
例えば、止水材の断面形状は、上記実施形態に係るものに限られない。止水材のその他の形状として考えられる具体例としては、例えば、図9(a)に示すように止水される部材との接触面における幅方向中央部に溝状の凹部53を備えたもの、図9(b)に示すように全体の断面形状がアーチ状のもの、図9(c)〜(f)に示すように取付部6を有さず圧縮部4のみから構成されたもの、図9(g)に示すように圧縮部4のみから構成されるとともに止水される部材との接触面において内側軟質層8が露出したもの等が挙げられる。
【0043】
また、上記実施形態では、ボックスカルバート及びヒューム管の止水に用いる止水材について説明したが、本発明は、その他のコンクリート製品、例えば、マンホール又はフリューム等の止水に用いる止水材、或いはコンクリート製品以外の部材の止水に用いる止水材にも適用できる。
【実施例1】
【0044】
図10に示す素材と硬度を有する実施例1、実施例2、および比較例1〜比較例7のサンプルについて、圧縮率が10%、20%、30%、40%、50%、60%のときの圧縮応力(MPa)、および圧縮永久歪み率(%)を測定する試験を行った。
【0045】
サンプルとしては、断面形状が20mm角の矩形で、長さが50mmのものを用いた。実施例1および実施例2のサンプルは、上記実施形態と同様、硬度が異なる2種類のソリッドゴムの二重押出によって製造し、比較例1〜比較例6のサンプルは、1種類のソリッドゴムの押出成型により製造し、比較例7のサンプルは、ゴム発泡体をソリッドゴムが被覆するようにして二重押出により製造した。
【0046】

【0047】
圧縮永久歪み率の測定は、JIS K 6262に準拠した試験により行った。具体的には、JIS K 6262に規定された圧縮装置を用いて、雰囲気温度70℃でスペーサにより試験片を25%圧縮し、24時間後に圧縮を解放することにより試験を行い、スペーサの厚さt1(mm)、試験片の元の厚さt0(mm)、および試験片の試験後の厚さt2(mm)の値を、下記の式(1)に代入することで圧縮永久歪み率Csを算出した。
【数1】

【0048】
図11に示すように、軟質のソリッドゴムからなる内側軟質層と硬質のソリッドゴムからなる外側硬質層を備えた実施例1および実施例2は、内側軟質層がゴム発泡体で構成された比較例7と同様、高圧縮率でも圧縮応力が著しく大きくならないため、施工時において圧縮し易いものであることを確認できた。また、実施例1と実施例2は、圧縮率20%のときの圧縮応力が約0.2MPaであるため、止水材の圧縮部を圧縮率が20%以上となるように圧縮させて使用することで、0.2MPa以上の圧縮応力を得ることができ、水深10mの地下水を確実に止水できることを確認できた。
【0049】
図10に戻って、実施例1および実施例2の圧縮永久歪み率はいずれも約30%であり、タイプA硬度が30以上の硬質のソリッドゴムのみからなる比較例1〜比較例5と比べると大きな値となるものの、タイプA硬度が10の軟質のソリッドゴムのみからなる比較例6、及びゴム発泡体からなる内側軟質層を備えた比較例7と比べると、顕著に小さな値となった。このことから、内側軟質層を軟質のソリッドゴムで構成した止水材は、圧縮し易い性質を有することに加えて、比較的高い復元性を有することを確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1の実施形態に係る止水材を示す斜視図である。
【図2】図1に示す止水材をボックスカルバート周壁の端面に取り付けた状態を示す断面図である。
【図3】図1に示す止水材を用いてボックスカルバートの継目を止水した状態を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態に係る止水材をボックスカルバート周壁の端面に取り付けた状態を示す断面図である。
【図5】第2の実施形態に係る止水材を用いてボックスカルバートの継目を止水した状態を示す断面図である。
【図6】第3の実施形態に係る止水材を示す斜視図である。
【図7】図6に示す止水材をヒューム管の雄部外周面に取り付けた状態を示す断面図である。
【図8】図6に示す止水材を用いてヒューム管の継目を止水した状態を示す断面図である。
【図9】その他の実施形態に係る止水材の断面形状を示す図である。
【図10】実施例と比較例の圧縮応力および圧縮永久歪み率を測定した試験の結果を示す表である。
【図11】実施例および比較例のそれぞれについて圧縮率と圧縮応力の関係を示すグラフである。
【図12】ボックスカルバートの接合構造の一例を示す図である。
【図13】ボックスカルバートの継目の止水に用いられる従来の止水材の一例を示す断面図である。
【図14】ヒューム管の接合構造の一例を示す図である。
【図15】ヒューム管の継目の止水に用いられる従来の止水材の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
2,22,32,52,54,56,58,60,62,64 止水材、
4 圧縮部、
6 取付部、
8 内側軟質層、
9 内側軟質層の露出部分、
10 外側硬質層、
12 部材(ボックスカルバート)、
18 部材(ボックスカルバート)表面の凹部、
42 部材(ヒューム管)。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の部材に挟み込まれて圧縮される圧縮部を備えた長尺の止水材であって、
上記圧縮部は、軟質のソリッドゴムからなる内側軟質層と、
上記軟質のソリッドゴムよりも高硬度である硬質のソリッドゴムからなるとともに上記内側軟質層を被覆するようにして設けられた外側硬質層とを有することを特徴とする止水材。
【請求項2】
上記内側軟質層は、JIS K 6253に準拠したタイプE硬度が45以下であり、
上記外側硬質層は、JIS K 6253に準拠したタイプA硬度が30以上60以下であることを特徴とする請求項1に記載の止水材。
【請求項3】
上記外側硬質層の厚みが0.5mm以上であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の止水材。
【請求項4】
上記圧縮部の長さ方向に直角な断面において上記圧縮部全体の面積(S)に占める上記外側硬質層の面積(S1)の比率(S1/S×100)が50%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の止水材。
【請求項5】
上記一対の部材のうち一方の部材に埋め込まれて取り付けられるか又は該一方の部材表面の凹部に収められて取り付けられる取付部が、上記圧縮部と一体に設けられ、且つ、上記外側硬質層と同じ素材からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の止水材。
【請求項6】
上記圧縮部における上記一対の部材のうち少なくとも一方の部材との接触面の一部または全体において、上記内側軟質層が露出していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の止水材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−13995(P2008−13995A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185526(P2006−185526)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(591000506)早川ゴム株式会社 (110)
【Fターム(参考)】