説明

止着部材及び止着片

【課題】風合いや見た目の違和感を大幅に軽減し、使い捨て着用物品本体との一体感を醸成し得る止着部材及び止着片を提供する。
【解決手段】止着片100は、フックファスナー110と基材シート120とを有する。フック111のフック高さH1は、45〜150μmであり、フックシート厚みT2は、45〜75μmである。フックファスナー110と基材シート120との色差は、L*a*b*表色系において、L*の色差をΔL*、a*の色差をΔa*、及びb*の色差をΔb*とした場合、ΔL*、Δa*及びΔb*を用いて計算された色差ΔEは、5.5未満である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人などに着用される着用物品に備えられる止着部材及び止着片に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人などに着用される着用物品の一種である使い捨ておむつとしては、オープンタイプ及びパンツタイプが広く提供されている。オープンタイプの使い捨ておむつは、前胴回り部と、股下部と、後胴回り部とから構成され、前胴回り部と後胴回り部とを着脱可能に止着する止着部材、具体的には、フックファスナーが備えられることが一般的である。
【0003】
また、パンツタイプの使い捨ておむつでも、前胴回り部と後胴回り部との接合部分の一方にフックファスナーを備えた構造が知られている。
【0004】
このような使い捨ておむつを対象として、優れた柔らかさと、強い係合力とを兼ね備えたフックファスナーが提案されている(例えば、特許文献1)。具体的には、フックファスナーのフック側基材の厚さを約0.04〜0.13mm、フックの高さを約0.1〜1.3mm、及びフックの剛性を約0.01〜0.1N/9mm(ループスティフネス値)とすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−40231号公報(第5−6頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、使い捨ておむつのユーザ(購買者)の要求は高まっており、特に、乳幼児に着用する場合には、乳幼児の肌への負担を皆無にしたい、或いはできるだけ負担を減らしたいとの意識が高まっている。
【0007】
しかしながら、上述したような従来の止着部材を適用しても、多数のフックが設けられるフックファスナーは、不織布などで形成される使い捨ておむつの他の部分と比較して、特に、風合いや見た目において大きな違和感があり、使い捨ておむつに対する要求が高まった近年のユーザの不安感を完全には払拭できないことが懸念されている。
【0008】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、風合いや見た目の違和感を大幅に軽減し、使い捨ておむつなどの着用物品本体との一体感を醸成し得る止着部材及び止着片の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題の解決に向けて本願の発明者が鋭意研究を進めた結果、従来の止着部材(フックファスナー)が違和感を与える3つの原因が存在することが分かってきた。具体的には、(1)多数のフック及び当該多数のフックが設けられたフックシートの風合いに関わるフックファスナーの厚み感、(2)フックを直接視認することによる印象、(3)フックシートと、フックシートが固定される基材シートとの一体感である。
【0010】
これらの3つの原因により、従来の止着部材を備えた着用物品(例えば、使い捨ておむつ)を使用したユーザは、止着部材が、使い捨ておむつの他の部分(不織布など)と比較して違和感があるとの印象を抱くのである。
【0011】
より具体的には、止着部材の厚みが厚いため、止着部材が「硬いもの」或いは「体に馴染まないもの」といった印象を抱く。また、フックの高さによってフックが硬く尖ったものといった印象を抱く。さらに、止着部材と他の部分(不織布など)の視覚的な印象の差異は、止着部材が、使い捨ておむつを構成する素材と異なる素材(例えばプラスチック)で構成されているといった印象を抱く。
【0012】
また、出産後の一部の母親において顕著に確認される事象として、ホルモンバランスの変化によって通常とは異なる状態の母親は、より母性の高くなった状態となることが知られている。このような状態の母親は、硬い印象を抱く物体や、尖った印象を抱く物体から、自身の子供(乳幼児)を守りたいという潜在意識が働くため、上述したような止着部材に対して特に強い違和感や嫌悪感を持つことも確認された。例えば、乳幼児の肌着では、タグや縫い目は、乳幼児の肌に触れないように、肌着の外側に設けられている。すなわち、上述したような止着部材を構成するフックシートとフックは、正にラベルや縫い目と同等なものとして母親に認識され得るとの知見を得たのである。
【0013】
そこで、本発明の第1の特徴は、複数のフック(フック111)と、前記複数のフックが設けられた平面状のフックシート(フックシート112)とを有する着用物品用の止着部材(例えば、フックファスナー110)であって、前記フックの高さは、45〜150μmであり、前記フックシートの厚みは、45〜75μmであり、L*a*b*表色系において、L*の色差をΔL*、a*の色差をΔa*、及びb*の色差をΔb*とした場合、前記ΔL*、前記Δa*及び前記Δb*を用いて計算された前記止着部材と、前記着用物品に設けられ、前記止着部材が固定される基材シートとの色差ΔEは、5.5未満であることを要旨とする。
【0014】
本発明の第2の特徴は、複数のフックと、前記複数のフックが設けられた平面状のフックシートとを有する止着部材と、着用物品に設けられ、前記止着部材が固定される基材シートとを含む止着片であって、前記フックの高さは、45〜150μmであり、前記フックシートの厚みは、45〜75μmであり、L*a*b*表色系において、L*の色差をΔL*、a*の色差をΔa*、及びb*の色差をΔb*とした場合、前記ΔL*、前記Δa*及び前記Δb*を用いて計算された前記止着部材と、前記基材シートとの色差ΔEは、5.5未満であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の特徴によれば、風合いや見た目の違和感を大幅に軽減し、使い捨ておむつなどの着用物品本体との一体感を醸成し得る止着部材及び止着片を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る使い捨ておむつ10の平面図である。
【図2】図1に示したF2-F2線に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る使い捨ておむつ10に備えられる後胴回り部の拡大図である。
【図4】本発明の実施形態に係る止着片100の単体平面図及び単体側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るフックファスナー110の拡大側面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るフックファスナー110を構成するフック111の側面図である。
【図7】本発明の変更例に係る止着片100Aの平面図である。
【図8】本発明の変更例に係る使い捨ておむつ10Aの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係る止着部材の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0018】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0019】
(1)着用物品の概略構成
まず、図1〜図3を参照して、本実施形態に係る着用物品、具体的には、使い捨ておむつの概略構成について説明する。図1は、使い捨ておむつ10の平面図である。図2は、図1に示したF2-F2線に沿った断面図である。図3は、使い捨ておむつ10に備えられる後胴回り部の拡大図である。
【0020】
図1〜図3に示すように、使い捨ておむつ10は、前胴回り部20、股下部30及び後胴回り部40を有するオープンタイプである。股下部30には、使い捨ておむつ10の長手方向D2に沿って延在し、尿などの排泄物を吸収する吸収体35が設けられる。
【0021】
前胴回り部20及び後胴回り部40は、スパンボンド−メルトブロー−スパンボンド(SMS)不織布、スパンボンド(SB)不織布及びポイントボンド不織布から構成された疎水性の不織布などを用いて構成される。また、吸収体35は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートとの間に設けられる。なお、使い捨ておむつ10の基本的な構成は、従来のオープンタイプと概ね同様であり、例えば、特開2002-65730号公報に記載されている使い捨ておむつと概ね同様である。
【0022】
使い捨ておむつ10には、前胴回り部20と後胴回り部40とを着脱可能に止着する止着片100が備えられる。止着片100は、使い捨ておむつ10の前胴回り部20に係合するフックファスナー110と、フックファスナー110が取り付けられる基材シート120とによって構成される。
【0023】
フックファスナー110は、複数のフック111と、複数のフック111を支持するフックシート112とを有する。フックファスナー110は、使い捨ておむつ10に設けられた基材シート120に取り付けられる。本実施形態において、フックファスナー110は、止着部材を構成する。
【0024】
フックファスナー110は、基材シート120の表面の一部に設けられる。基材シート120は、使い捨ておむつ10の幅方向D1に沿って伸縮可能に構成されてもよい。
【0025】
なお、基材シート120は、本実施形態のように使い捨ておむつ10本体を構成する要素と別の要素として設け、接合部分120aによって後胴回り部40に固着してもよいし、後胴回り部40において吸収体35本体からサイドフラップを用いることなく直接延出させるようにしてもよい。また、基材シート120の表面の全面にフックファスナー110が設けられるようにしてもよい。
【0026】
(2)止着部材の形状
次に図4〜図6を参照して、本実施形態において止着部材を構成するフックファスナー110の形状について説明する。図4は、フックファスナー110を含む止着片100の単体平面図及び単体側面図である。図5は、フックファスナー110の拡大側面図である。図6は、フックファスナー110を構成するフックの側面図である。
【0027】
図4〜図6に示すように、基材シート120の表面の一部には、フックファスナー110が設けられる。具体的には、フックファスナー110は、基材シート120の幅方向D1において外側となる領域に設けられる。
【0028】
フックファスナー110は、使い捨ておむつ10の前胴回り部20に係合する複数のフック111を含む。具体的には、フックファスナー110は、幅方向D1及び長手方向D2に沿って配置された複数のフック111によって構成される。フックファスナー110は、不織布で構成された前胴回り部20と係合することができるフックファスナーのオス部材である。複数のフック111は、平板状のフックシート112から立設している。また、本実施形態では、隣接するフック111間の距離L1は、120〜300μmに設定される。
【0029】
それぞれのフック111は、柱部111aと傘部111bとによって構成される。柱部111aは、フックシート112から立設する柱状の部分であり、傘部111bは、柱部111aの先端に設けられ、柱部111aの直径よりも大きなフック径φ1を有する。傘部111bは、前胴回り部20を構成する不織布間の空間に入り込み、当該不織布と係合する。なお、傘部111bは楕円形の場合もあるが、この場合、フック径φ1は、傘部111bの長手方向に沿った長さをいうものとする。なお、フック111は、フックファスナーのメス部材と係合するようにしてもよい。
【0030】
フックシート112の裏面(フック111が設けられていない側の面)には、フックシート112を基材シート120に固着する接着層130が設けられる。
【0031】
フックファスナー110を構成する材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン類、ポリエチレンテレフタラートのようなポリエステル類などを用いることができる。或いは、これらの材料を混合して用いたり、さらに発泡剤を付与した材料を用いたりしてもよい。
【0032】
基材シート120を構成する材料としては、スパンボンド(SB)またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)、ポイントボンド、エアスルーなど各製法によって製造された不織布が主に用いられる。なお、SMS不織布は、3層である必要はなく2層または4層のように、その強度と柔軟性をコントロールするように変更されてもよい。
【0033】
基材シート120を構成する不織布全体としての目付けは、10〜100g/m2である。また、当該不織布全体としての厚みは、50μm〜600μmである。基材シート120は、1枚の不織布シートまたは複数枚(2・3枚)の不織布シートを重ねて構成することができる。不織布シート1枚当たりの目付けは、10〜80g/m2、好ましくは20〜65g/m2、さらに好ましくは25〜45g/m2である。基材シート120全体としての厚みは、上述したように50μm〜600μm、好ましくは厚み150μm〜500μmである。
【0034】
基材シート120に不織布を用いる場合には、上述した範囲において用いることでフックファスナー110と比べて適度な柔軟性を確保しつつ、フックファスナー110を使い捨ておむつ10に止める要素として必要な強度や取り扱いし易さを確保でき、厚みの印象としてフックファスナー110と比べた場合での異物感を感じさせ難くすることができる。
【0035】
100g/m2より目付けを大きくすると、不織布の繊維の嵩が大きくなることから構成する繊維同士を交絡・固定させるために熱融着点をより増やす必要があり、フックファスナー110の曲げ剛性に比べて基材シート120の曲げ剛性が目立ってくる。またその厚みが600μmを超えると、基材シート120そのものの厚み感から異物感を使用者に与えてしまう(生地感の印象からプラスチック感の印象へ変化してしまう)ため、フックファスナー110と基材シート120との一体感に影響を与えてしまう。
【0036】
また、10g/m2より目付けを小さくすると、フックファスナー110を取り付けしている基材シート120としては十分な強度を確保することが困難であり、厚みが50μmより小さいと、フックファスナー110ーを使い捨ておむつ10に止める際もしくは使い捨ておむつ10から取り外す際にその取り付け/取り外しの操作が困難となってしまう。
【0037】
さらに、これらのように基材シート120を不織布で構成する場合には、複数枚の不織布を重ねることも可能である。その場合には、1枚の高めの目付けの不織布を重ねるよりも1枚当たりの目付けを低く抑え(複数枚重ねる場合にはより好ましくは上述の範囲の目付けの不織布を用いることがよい)、2枚もしくは3枚と複数枚に分けて重ね、全体としての厚みと600μm以下とすることで、上述の狙いをよりバランスよく実現できる。なお、不織布の厚みは、測定端子形状が円形状(φ5mm)、荷重1.23Nの厚み計(テスター産業株式会社製の厚み計)を用いて測定した。
【0038】
また、複数枚から基材シート120を構成する場合には、互いのシート間は各種手段により接合できるが好ましくは、ホットメルト接着剤を線(スパイラル状を含む)または点で塗布することにより互いのシート間を固定することが柔軟性と生産性の観点から好ましい。
【0039】
フック高さH1(図6参照)は、45〜150μmに設定される。フックシート厚みT2は、45〜75μmに設定される。フック111及びフックシート112の合計厚みである合計厚みT1は、後述する試験結果から、115〜200μmであることが好ましい。
【0040】
なお、フック高さH1を150μmより大きくすると、視覚的にフックが存在することを視認し易くなってしまい、視覚的にフックファスナー110が尖ったものである印象を与えてしまうため、好ましくない。また、フック高さH1を45μmより小さくすると、フックファスナー110の本来の機能である他のシート(フックファスナーのメス部材など)に係合する機能を十分に発揮できず、必要な係合強度を確保できない。
【0041】
また、L*a*b*表色系において、L*の色差をΔL*、a*の色差をΔa*、及びb*の色差をΔb*とした場合、ΔL*、Δa*及びΔb*を用いて計算されたフックファスナー110と、基材シート120との色差ΔEは、5.5未満に設定される。
【0042】
なお、ΔEは、(式1)によって計算することができる。
【数1】

【0043】
また、フック111先端側から基材シート120側への光線透過率は、60〜85%であることが好ましい。
【0044】
さらに、フックファスナー110の平均摩擦係数(MIU)の標準偏差(MMD)と、当該平均摩擦係数の平均偏差(SMD)との積算値は、0.10〜0.45であることが好ましい。
【0045】
本実施形態では、フックファスナー110の表面に沿った幅方向D1(第1方向)におけるフックファスナー110の曲げ剛性と、フックファスナー110の表面に沿うとともに幅方向D1に直交する長手方向D2(第2方向)におけるフックファスナー110の曲げ剛性とは、0.142gf・cm2/cm以下であることが好ましく、0.072gf・cm2/cm以下であることがより好ましい。なお、本実施形態では、フック間距離が最小とされている方向を第1方向とし、第1方向に直交する方向を第2方向とする。
【0046】
(3)実施例
次に、本発明の実施例について説明する。表1は、実施例1〜実施例6に係る止着部材と、比較例1〜比較例3に係る止着部材(以下、単に実施例及び比較例と適宜省略する)の構成及び試験結果の概略を示す。

【表1】

【0047】
表1に示すように、フック高さH1及びフックシート厚みT2が異なる複数の止着部材(フックファスナー)を用いて、生地感、係合性、色差、光線透過率、曲げ剛性及び表面摩擦特性について試験を行った。
【0048】
以下、各試験における測定方法及び試験結果の詳細について説明する。
【0049】
(3.1)生地感及び係合性
止着部材のフック高さH1、フックシート厚みT2及び合計厚みT1は、各実施例及び比較例に係るサンプルを無加圧の状態において測定した。測定環境は、温度20±2℃、相対湿度65±5%、測定機器にはマイクロスコープ(株式会社キーエンス製VHX−900)を用いた。
【0050】
まず、サンプルの断面の拡大画像を取得し、当該画像に寸法が既知であるサンプルを重ねて表示させる。当該拡大画像にマイクロスコープのスケールを合わせ、サンプルの高さ及び厚みを測定した。この作業を10回行い、10回の平均値を取得値とした。
【0051】
「生地感」の試験では、サンプル(50mm×50mmの正方形の基材シート120と、基材シート120の中心に30mm×30mm正方形のフックファスナー110)をフックファスナー110のフック111側から観察者(対象人数は50名)に観察させ、生地のような印象を抱くかについて、以下に示す5段階による感応評価を実施した。(1)または(2)と評価した人数の比率にて60%を超えるサンプルを可(OK)とした。
【0052】
(1) 同じ質感・生地感の印象を受ける
(2) ほぼ同じ質感・生地感の印象を受ける
(3) どちらとも言えない
(4) やや異なる印象・違和感のある印象を受ける
(5) まったく異なる印象・違和感のある印象を受ける
また、「係合性」の試験では、オートグラフ試験機(島津製作所株式会社 AG-X10plus)を用いて測定した。具体的には、フックファスナー110と基材シート120とについて、サンプルをそれぞれ準備(切り出すことが可能なサイズであれば幅30mm、それ以下の場合には、幅30mm当たりに換算した値を測定結果とする)した。また、フックファスナー110を止着する対象位置の部材をフックファスナー110よりも大きなサイズで切り出したサンプルを準備した。
【0053】
円柱状のローラーを5mm/分の速度でフックファスナー110の主な着脱方向に沿って動かし、それぞれのサンプルを圧着した。ローラーは、重量2,000g、直径95mm、幅45mmであって、表面の厚さが約6mmのJIS K 6253に規定するデュロメータ硬さA 80±5のゴムで覆われており、表面に凹凸のないものを用いた。
【0054】
次いで、圧着したサンプルをオートグラフ試験機にセットし、引っ張り速度300mm/分とした場合のサンプルの係合力(N/30mm)を測定した。この際、引っ張る方向は、フックファスナー110を止着する対象位置の部材の表面に対して、フックファスナー110の表面が135°の角度になるように設定した。当該測定条件による測定値が0.2N/30mm以下の場合係合力不足とし、測定値が0.2N/30mmを超える値の場合、可(OK)とした。
【0055】
(3.2)色差(L*a*b*表色系)
フックファスナー110のL*、a*及びb*の値、及びフックファスナー110に隣接する基材シート120のL*、a*及びb*の値を測定した。具体的には、フック111側表面上において当該測定を実施した。つまり、フックファスナー110が観察者に対向している表面上において当該測定を実施した。
【0056】
座標L, a, bは、比色計(ミノルタ モードCR-300)を用いて測定した。具体的には、
白色標準プレート上に、基材シート120(フックファスナー110取付面を上にする)、フックファスナー110(フック111側を上にする)の順に配置した。フックファスナー110のサイズは、基材シート120のサイズよりも小さく、基材シート120のみが存在する位置におけるL*, a*, b*の値を測定(測定(1))した。さらに、フックファスナー110及び基材シート120が重なって存在する位置におけるL*, a*, b*の値を測定(測定(2))した。
【0057】
次いで、測定(1)において取得したL*, a*, b*の値と、測定(2)において取得したL*, a*, b*の値を用いて、ΔE(式1参照)を計算した。
【0058】
表2は、実施例1、実施例2及び比較例1の測定結果を示す。表2に示すように、同一実施例の中でも、基材シート120の色を変えた複数のサンプルについて試験を実施した。

【表2】

【0059】
表2に示す「色差印象」の試験では、サンプル(50mm×50mmの正方形の基材シート120と、基材シート120の中心に30mm×30mm正方形のフックファスナー110)をフックファスナー110のフック111側から観察者(対象人数は50名)に観察させ、フックファスナー110と基材シート120との色の差について、以下に示す5段階による感応評価を実施した。(1)または(2)と評価した人数の比率にて60%以上のサンプルを可(OK)とした。
【0060】
(1) まったく色の差が感じられない
(2) ほとんど色の差を感じない
(3) どちらとも言えない
(4) やや色の差を感じる
(5) はっきり色の差を感じる
また、表2に示す「一体感」の試験では、上述した「生地感」の試験と同様の試験を実施した。なお、比較例1の「一体感」がNGとなっている理由は、色差(視覚的な差)を小さくしてもフック高さとフックシート厚みの値が大きいため、生地感のある印象を与えることができないためと考えられる。
【0061】
さらに、観察者からのヒアリング結果によれば、色差ΔEが2.23より小さいと、80%以上の観察者が「生地感」の試験にて生地感が感じられるという判断をしていることが判明している。すなわち、色差ΔEは、2.23以下とすることが使い捨ておむつ10本体との一体感を醸成する観点からより好ましい。
【0062】
(3.3)光線透過率
全光線透過率の測定では、JIS-K7105の規格に準拠したものであって、色差計(日本電色工業(株) 交照測光式色差計Z-300A)を用いた。具体的には、幅5mm,長さ5mmのサンプルを濁度計に挟んでTT値を求め、求めたTT値を当該サンプルの全光線透過率(%)とした。
【0063】
当該測定では、各実施例及び比較例について10サンプル測定し、その平均値を光線透過率とした。

【表3】

【0064】
表3において、着色(1)は、基材シート120として淡いピンク色のシート(L=89.5, a=5.05, b=-0.98)、着色(2)は、基材シート120として淡い青色のシート(L=85.1, a=-6.77, b=-3.89)をそれぞれ示す。
【0065】
エンボス付与不織布(1)は、基材シート120として、目付け20g/m2、パターン直径1.0mm、パターン面積率20%のエンボス部の存在する不織布、エンボス付与不織布(2)は、基材シート120として、目付け80g/m2、パターン直径1.5mm、パターン面積率35%のエンボス部の存在する不織布をそれぞれ示す。
【0066】
表3に示すように、光線透過率を、60%以上とすることによって、基材シート120の風合い(色・繊維感)が透けて視認できるとともに、後述するように、基材シート120のパターン140(図7参照)を視認できるため、フックファスナー110の基材シート120への擬態効果を奏し得る。このような効果を奏する光線透過率の上限値は、85.2%まで確認できた。
【0067】
(3.4)曲げ剛性及び曲げ回復性
フックファスナー110の曲げ特性については、カトーテック株式会社製のKES曲げ測定機を用いて測定した。具体的には、B値(曲げ剛性)値及び2HB値(曲げ回復性)を測定した。
【0068】
具体的には、KES法に関しては、「風合い評価の標準化と解析」第2版(社団法人日本繊維機械学会 風合い計量と規格化研究委員会 昭和55年7月10日発行)に詳細が説明されている。よって、力学的性質ごとの測定方法に関し、本測定に関連した測定条件についてのみ説明する。
【0069】
曲げ特性は、カトーテック株式会社製KES-FB2を用いて、各サンプルの所定領域の1cm幅を試料として1cm間隔のチャック間に固定し、最大曲率+2.5cm-1まで表側に曲げ、次に、最大曲率-2.5cm-1まで裏側に曲げた後に元に戻すことによって測定した。
【0070】
曲げ剛性B[gf・cm2/cm]は、表側に曲げはじめて曲率に対する曲げモーメントの傾きがほぼ一定になったときの傾きから算出した。また、曲げ回復性2HB[gf・cm/cm]は、そのヒステリシス幅から求めた。また、曲げ剛性Bは、おむつの縦方向(長手方向)及び横方向(幅方向)の数値を平均したものである。
【0071】

【表4】

【0072】
表4は、実施例1〜実施例3、比較例1及び比較例3の試験結果を示す。なお、SB不織布(60g/m2)の場合、曲げ剛性Bの値(以下、B値)は、0.4555gf・cm2/cm、曲げ回復性2HBの値(以下、2HB値)は、0.4575gf・cm/cmであった。つまり、実施例1〜実施例3は、当該SB不織布よりも大幅に曲げ剛性B及び曲げ回復性2HBの値が低いことが確認できた。
【0073】
また、着衣(肌着)に用いられる生地では、B値は、0.005〜0.09gf・cm2/cmであり、2HB値は、0.005〜0.06gf・cm/cmであるものが主流であった。例えば、SB不織布35g/m2の場合、B値は0.151gf・cm2/cm、2HB値が0.124gf・cm/cmであった。このため、実施例3でも、B値及び2HB値が低いことで生地に近い印象を使用者に与え得る。
【0074】
また、実施例1、実施例2のサンプル及び生地サンプルについては、幅15mm×長さ50mmに切り出し、端部10mm分を水平のチャックに保持した状態において、チャック水平面よりも下側にサンプル片が湾曲することが確認できた。つまり、サンプル片自らの重みにて湾曲できるサンプルを止着部材(フックファスナー)とすることで、使用時に止着部材に隣接する部材を手に取ると生地のように湾曲できる印象を使用者に与え、より高い一体感ある止着部材とすることができる。
【0075】
なお、比較例3のサンプルは、フックシート112の厚みが実施例に比べて厚く、フック間距離L1も120μmと小さいため、実施例と比べてB値及び2HB値ともに高い。
【0076】
(3.5)表面摩擦特性
フックファスナー110の表面特性については、カトーテック株式会社製KES-FB4を用いて、各サンプルの所定領域における少なくとも15×30mmの範囲を試料とし、平滑な金属平面の試験台に配置して測定した。表面粗さについては、当該表面上に、10gfの荷重を掛け、かつ、0.5mm径のピアノ線で巻かれた幅0.5cmの接触端子を試料に圧着させて測定した。
【0077】
また、表面摩擦については、表面粗さの測定に用いた接触端子と同じピアノ線を20本並べ重錘によって25gfの力で接触面を試料に圧着させて測定した。表面摩擦及び表面粗さの測定では、試料を0.1cm/分の固定速度で水平に2cm移動させた。
【0078】
このような測定結果から、平均摩擦係数MIU、MIUの標準偏差MMD(ただし、横方向のみ)、及び表面粗さの平均偏差SMD[μm]を算出した。なお、着用物品(使い捨ておむつ)の肌触りと対比するため、当該着用物品の内面、すなわち、着用者の肌に当接する面を表面として測定した。表5は、表面摩擦特性の測定結果を示す。

【表5】

【0079】
表5に示すように、フックファスナー110表面の滑らかさは、MMD(ざらつき)とSMD(粗さ)の積算値によって表現される。通常、MMDやSMDの数値が小さいと、粗さや凹凸感がないとされている。
【0080】
表5に示す「感応評価」の試験では、上述した「生地感」の試験と同様の試験を実施した。なお、5段階の各段階の基準は次のとおりである。(1)または(2)と評価した人数の比率にて60%を超えるサンプルを可(OK)とした。
【0081】
(1) 非常に滑らか
(2) やや滑らか
(3) どちらとも言えない
(4) ややざらつく
(5) 非常にざらつく
また、今回、観察者による感応評価から、MMD及びSMDの一方が小さければ滑らかさを感じるわけではなく、両パラメータの積算値と表面の滑らかさとには、相関があることが分かった。
【0082】
なお、好ましい積算値は、資材の第1方向(例えば、縦方向)及び第2方向(横方向)の両方で満たす必要がある。
【0083】
また、積算値が0.1以下になっても問題ないが、余りに滑らか過ぎるとフック111が係合しないと錯覚したり、フック111に接触してもその存在が分からなくなったりする場合がある。一方、積算値が0.6を超えると観察者の感応評価においてざらつきがあると感じられた。
【0084】
(4)作用・効果
使い捨ておむつ10によれば、フック高さH1は、45〜150μmに設定され、フックシート厚みT2は、45〜75μmに設定される。また、L*a*b*表色系において、L*の色差をΔL*、a*の色差をΔa*、及びb*の色差をΔb*とした場合、ΔL*、Δa*及びΔb*を用いて計算されたフックファスナー110と、基材シート120との色差ΔEは、5.5未満である。
【0085】
このため、フックファスナー110は、従来のフックファスナーのようにプラスチックの風合いや見た目ではなく、不織布などと同様の風合いや見た目とすることが可能となる。つまり、フックファスナー110の風合いや見た目の違和感を大幅に軽減し、使い捨ておむつ本体、つまり、人などに着用される着用物品との一体感を醸成し得る。
【0086】
本願の発明者は、フックファスナーを生地化するためには、次の3つポイントがあることを突き止めた。
【0087】
(i)フックファスナーの風合い
(ii)フックファスナーの見た目
(iii)基材シートとの関係性
以下、各ポイントについて、具体的に説明する。
【0088】
(4.1)風合いの生地化について
フックシート厚みT2が上述した値以上となると、フックファスナー110を触れたときの感触が成型されたプラスチックの印象となる。つまり、フックシート厚みT2を上述した範囲とすることによって、フックファスナー110の曲げ剛性が低くなり、折り曲げた際に挫屈せず、しなやかな生地のようになる。
【0089】
また、フック高さH1が高い場合、凹凸のあるフックファスナー110が肌と接触し、着用者の肌を刺激する。そこで、フック高さH1を上述のような範囲とすることによって、着用者の肌への刺激(ちくちく感など)が大幅に減少する。つまり、フック高さH1は、生地の編みでできるリブのような高さとなり、普段触りなれた生地と同様の凹凸感となる。
【0090】
さらに、本実施形態では、隣接するフック111間の距離L1が、120〜300μmに設定されるため、このような違和感をさらに軽減できる。
【0091】
(4.2)見た目の生地化について
フック高さH1を上述のような範囲とすることによって、フック111が尖っていることを裸眼では認識することが困難となるため、使い捨ておむつ10のユーザに違和感(鋭利な印象)を与えないようにすることができる。
【0092】
(4.3)生地(不織布)との一体感による生地化について
上述したように、使い捨ておむつ10では、L*a*b*表色系において、L*の色差をΔL*、a*の色差をΔa*、及びb*の色差をΔb*とした場合、ΔL*、Δa*及びΔb*を用いて計算されたフックファスナー110と、基材シート120との色差ΔEは、5.5未満である。このため、フックファスナー110と、基材シート120との一体感を醸成できる。
【0093】
また、フックファスナー110のフック111先端(傘部111b)側から基材シート120側への光線透過率は、60%〜85%に設定される。光線透過率をこのような範囲とすることによって、基材シート120の状態が、フックファスナー110を通して視認できる状態となり、フックファスナー110が不織布によって構成される基材シート120と一体化して視認される。このため、基材シート120の質感や色がフックファスナー110を通して視認でき、フックファスナー110と基材シート120との見た目の印象差を低減できる。
【0094】
また、フックファスナー110の光線透過率を高くし、基材シート120が透けて見えるようにするとともに、フックファスナー110による微細な凹凸感があると、フィルムの様に肌に面接触するような感覚がなくなり肌に悪い印象を低減できる。さらに、フックファスナー110と基材シート120との色差を上述のような範囲とすることによって、フックファスナー110と基材シート120との見た目の一体感を醸成できる。
【0095】
フック高さH1の高さや、フックシート厚みT2の厚みによるフックファスナー110と基材シート120との境界部分が使い捨ておむつ10の他の部分との違和感を与える原因となるため、フック高さH1や、フックファスナー110及び基材シート120の厚み(合計厚みT1、フックシート厚みT2)を上述した範囲とすることによって、フックファスナー110と基材シート120との段差感を感じ難くなり、フックファスナー110と基材シート120との風合いの一体感を醸成できる。なお、フックファスナー110と基材シート120との厚みの差が小さいため、剛性差も小さくなり、フックファスナー110と基材シート120との境界を基点として折れ曲がることも抑制されるため、見た目の一体感も醸成できる。
【0096】
(5)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0097】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。図7は、本発明の変更例にかかる止着片100Aの平面図である。図7に示すように、止着片100Aには、基材シート120のフックファスナー110側の面に、図柄による所定のパターン140、図7に示す例では、テクスチャ状のパターンが設けられる。パターン140は、基材シート120のフックファスナー110の形成領域からフックファスナー110の非形成領域に渡って連続して設けられる。
【0098】
上述したように、フックファスナー110の光線透過率は、60%〜85%に設定されるため、フックファスナー110を通して基材シート120に設けられたパターン140を視認できる。このため、フックファスナー110と基材シート120との見た目の一体感がさらに高め得る。なお、パターン140は、図柄に代えて、各種の模様でもよく、エンボスによるものでもよい。
【0099】
図8は、本発明の変更例に係る使い捨ておむつ10Aの概略斜視図である。
【0100】
図8に示すように、使い捨ておむつ10Aは、フックファスナー110A及びターゲットテープ150を備える。使い捨ておむつ10Aは、前胴回り部と後胴回り部とが接合されたパンツタイプである。使い捨ておむつ10Aでは、前胴回り部と後胴回り部との一方の接合部(側部)にフックファスナー110A及びターゲットテープ150が備えられ、当該側部が着脱可能となっている。
【0101】
フックファスナー110Aは、上述した止着片100と概ね同様の構成とすることができる。また、ターゲットテープ150は、フックファスナー110Aのフック部分が係合するフックファスナーのメス部材によって構成されている。ターゲットテープ150としては、公知の材料を用いることができる。
【0102】
なお、上述した実施形態では、使い捨ておむつ10を例として説明したが、本発明の適用範囲は使い捨ておむつに限定されるものではなく、他の使い捨て着用物品、例えば、生理用ナプキンのウイング部などにも好適に用いることができる。さらに、本発明の適用範囲は、使い捨て着用物品に限らず、人及び動物(ペット)などに着用され、不織布などで形成された衣類などの着用物品にも好適に用いることができる。
【0103】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0104】
10…使い捨ておむつ
20…前胴回り部
30…股下部
35…吸収体
40…後胴回り部
100, 100A…止着片
110, 110A…フックファスナー
111…フック
111a…柱部
111b…傘部
112…フックシート
120…基材シート
120a…接合部分
130…接着層
140…パターン
150…ターゲットテープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフックと、前記複数のフックが設けられた平面状のフックシートとを有する着用物品用の止着部材であって、
前記フックの高さは、45〜150μmであり、
前記フックシートの厚みは、45〜75μmであり、
L*a*b*表色系において、L*の色差をΔL*、a*の色差をΔa*、及びb*の色差をΔb*とした場合、前記ΔL*、前記Δa*及び前記Δb*を用いて計算された前記止着部材と、前記着用物品に設けられ、前記止着部材が固定される基材シートとの色差ΔEは、5.5未満である止着部材。
【請求項2】
前記フックの先端側から前記フックシート側への光線透過率は、60%〜85%である請求項1に記載の止着部材。
【請求項3】
隣接する前記フック間の距離は、120〜300μmである請求項1または2に記載の止着部材。
【請求項4】
前記止着部材の平均摩擦係数の標準偏差と、前記平均摩擦係数の平均偏差との積算値は、0.10〜0.45である請求項1乃至3の何れか一項に記載の止着部材。
【請求項5】
前記止着部材の表面に沿った第1方向における前記止着部材の曲げ剛性と、前記止着部材の表面に沿うとともに前記第1方向に直交する第2方向における前記止着部材の曲げ剛性とは、0.142gf・cm2/cm以下、より好ましくは0.072gf・cm2/cm以下である請求項1乃至4の何れか一項に記載の止着部材。
【請求項6】
前記止着部材の曲げ回復性は、0.1145gf・cm/cm以下である請求項5に記載の止着部材。
【請求項7】
前記基材シートは、不織布によって形成され、
前記不織布全体としての目付けは、10〜100g/m2である請求項1乃至6の何れか一項に記載の止着部材。
【請求項8】
前記不織布全体としての厚みは、50μm〜600μmである請求項7に記載の止着部材。
【請求項9】
前記基材シートの前記止着部材側の面には、図柄、模様またはエンボスによる所定パターンの少なくとも何れかが設けられ、
前記所定パターンは、前記基材シートの前記止着部材の形成領域から前記止着部材の非形成領域に渡って連続して設けられる請求項1乃至8の何れか一項に記載の止着部材。
【請求項10】
複数のフックと、前記複数のフックが設けられた平面状のフックシートとを有する止着部材と、
着用物品に設けられ、前記止着部材が固定される基材シートとを
含む止着片であって、
前記フックの高さは、45〜150μmであり、
前記フックシートの厚みは、45〜75μmであり、
L*a*b*表色系において、L*の色差をΔL*、a*の色差をΔa*、及びb*の色差をΔb*とした場合、前記ΔL*、前記Δa*及び前記Δb*を用いて計算された前記止着部材と、前記基材シートとの色差ΔEは、5.5未満である止着片。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−63165(P2013−63165A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203456(P2011−203456)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】