説明

歩行推進力発生装置

【課題】登山のように傾斜を登る際の体力の消費を少なくする。
【解決手段】足の裏で地面を蹴って推進力を得ることに代えて、電動リール13によるワイヤー16の巻取りによって圧縮した圧縮コイルばね8の復元力を足の裏に与えることによって推進力を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の歩行に必要な推進力を発生する技術、特に登山のように傾斜を登るのに必要な推進力を発生する技術に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
人間が歩行する場合、足の裏で地面を蹴って左右の足を交互に前方へ送ることによって前進する。すなわち、足の裏で地面を蹴った反作用が推進力になって前進する。
【0003】
足の裏で地面を蹴ると体力を消費することになるが、特に傾斜を登る場合は重力に逆らう分だけ余計に地面を強く蹴らなければならないので体力の消費は多くなり、体には大きな負担がかかる。したがって、登山のように傾斜を登ることは多くの人間にとって苦痛である。
【0004】
そこで、本発明は、このような課題の解決、すなわち、登山のように傾斜を登る際の体力の消費を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明は、第1の構成として、靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第1の板の上面に一端を連結されるとともに前記第2の板の下面に他端を連結された圧縮コイルばねと、前記第1の板の後端に設けられたスプール逆回転防止機構及び電動クラッチ機構を有する電動リールと、前記第2の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる構成を採っている。
【0006】
この構成により、次のように上述した課題が解決される。まず、前記圧縮コイルばねの長さが自然長の状態で、人間が履いた靴を前記第2の板の上面に前記固定手段によって固定する。前記制御手段による制御によって前記電動リールの電動クラッチ機構がON状態(前記電動リールのスプールが駆動系と連結された状態)になるとともに前記電動リールが前記ワイヤーの巻取りを開始すると、前記第2の板は人間の体重及び前記電動リールによる前記ワイヤーの巻取りによって前記圧縮コイルばねを圧縮しながら前記第1の板との連結部分にある回転軸を中心として回転移動する。
【0007】
前記圧縮コイルばねが最も圧縮された状態に達すると、前記制御手段による制御によって前記電動リールは前記ワイヤーの巻取りを停止し、前記第2の板は前記圧縮コイルばねの復元力によって元の位置に戻ろうとするのを前記電動リールのスプール逆回転防止機構(一方向クラッチ又はロック型の逆入力遮断クラッチ等)によって止められた状態になる。
【0008】
その後に前記制御手段による制御によって前記電動リールの電動クラッチ機構がOFF状態(前記電動リールのスプールが駆動系と分離された状態)になると、前記第2の板は前記電動リールのスプール逆回転防止機構によって止められた状態から解放されて前記圧縮コイルばねの復元力によって前記第1の板との連結部分にある回転軸を中心として元の位置に戻るように回転移動して前記第2の板の上面に靴を固定した人間の足の裏を前方斜め上方に押すことになり、この力が足の裏で地面を蹴った反作用に代わって歩行に必要な推進力となる。
【0009】
以上のことを繰り返すことにより、足の裏で地面を蹴らなくても歩行に必要な推進力を継続的に得ることができるので、登山のように傾斜を登る際の体力の消費を少なくすることができる。
【0010】
本発明は、また、第2の構成として、靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第1の板の上面に一端を連結されるとともに前記第2の板の下面に他端を連結された圧縮コイルばねと、前記第1の板の後端の上方であって前記圧縮コイルばねが最も圧縮された場合の前記第2の板の後端の位置より高い位置に設けられて前記第2の板が前記圧縮コイルばねの復元力によって移動する方向についてのみ前記第2の板の移動を止める係止手段と、前記係止手段を前記第2の板と接触しない位置に移動させる電動スライダと、前記電動スライダによって前記第2の板と接触しない位置に移動した前記係止手段を元の位置に戻す復元力を発生させる弾性手段と、前記第1の板の後端に設けられた電動クラッチ機構を有する電動リールと、前記第2の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動スライダ及び前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる構成を採ることもできる。
【0011】
この構成により、次のように上述した課題が解決される。まず、前記圧縮コイルばねの長さが自然長の状態で、人間が履いた靴を前記第2の板の上面に前記固定手段によって固定する。前記制御手段による制御によって前記電動リールの電動クラッチ機構がON状態(前記電動リールのスプールが駆動系と連結された状態)になるとともに前記電動リールが前記ワイヤーの巻取りを開始すると、前記第2の板は人間の体重及び前記電動リールによる前記ワイヤーの巻取りによって前記圧縮コイルばねを圧縮しながら前記第1の板との連結部分にある回転軸を中心として回転移動する。前記第2の板の後端が前記係止手段を通過する際は、前記係止手段は前記第2の板の移動を妨げない。
【0012】
前記圧縮コイルばねが最も圧縮された状態に達すると、前記制御手段による制御によって前記電動リールは前記ワイヤーの巻取りを停止し、前記第2の板は前記圧縮コイルばねの復元力によって元の位置に戻ろうとするのを前記係止手段によって止められた状態になる。
【0013】
その後に前記制御手段による制御によって前記電動リールの電動クラッチ機構がOFF状態(前記電動リールのスプールが駆動系と分離された状態)になるとともに前記電動スライダが前記係止手段を前記第2の板と接触しない位置に移動させると、前記第2の板は前記係止手段によって止められた状態から解放されて前記圧縮コイルばねの復元力によって前記第1の板との連結部分にある回転軸を中心として元の位置に戻るように回転移動して前記第2の板の上面に靴を固定した人間の足の裏を前方斜め上方に押すことになり、この力が足の裏で地面を蹴った反作用に代わって歩行に必要な推進力となる。前記電動スライダによって前記第2の板と接触しない位置に移動した前記係止手段は、前記弾性手段の復元力によって元の位置に戻る。
【0014】
以上のことを繰り返すことにより、足の裏で地面を蹴らなくても歩行に必要な推進力を継続的に得ることができるので、登山のように傾斜を登る際の体力の消費を少なくすることができる。また、前記圧縮コイルばねの復元力によって前記第2の板が移動しようとするのを第1の構成のように前記電動リールにスプール逆回転防止機構を設けることによって止めるのではなく前記係止手段を設けることによって止めているので、前記電動リールの駆動系には負荷がかかっておらず、前記電動クラッチ機構を負荷による抵抗なしにスムースにOFF状態にすることができる。
【0015】
本発明は、また、第3の構成として、靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第1の板の上面に一端を連結されるとともに前記第2の板の下面に他端を連結された圧縮コイルばねと、前記第1の板の後端の上方であって前記圧縮コイルばねが最も圧縮された場合の前記第2の板の後端の位置より高い位置に設けられて前記第2の板が前記圧縮コイルばねの復元力によって移動する方向についてのみ前記第2の板の移動を止める係止手段と、前記係止手段を前記第2の板と接触しない位置に移動させる電動スライダと、前記電動スライダによって前記第2の板と接触しない位置に移動した前記係止手段を元の位置に戻す復元力を発生させる弾性手段と、前記第1の板の後端に設けられたフリー型の逆入力遮断クラッチを有する電動リールと、前記第2の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動スライダ及び前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる構成を採ることもできる。
【0016】
この構成により、次のように上述した課題が解決される。まず、前記圧縮コイルばねの長さが自然長の状態で、人間が履いた靴を前記第2の板の上面に前記固定手段によって固定する。前記制御手段による制御によって前記電動リールが前記ワイヤーの巻取りを開始すると、前記第2の板は人間の体重及び前記電動リールによる前記ワイヤーの巻取りによって前記圧縮コイルばねを圧縮しながら前記第1の板との連結部分にある回転軸を中心として回転移動する。前記第2の板の後端が前記係止手段を通過する際は、前記係止手段は前記第2の板の移動を妨げない。
【0017】
前記圧縮コイルばねが最も圧縮された状態に達すると、前記制御手段による制御によって前記電動リールは前記ワイヤーの巻取りを停止し、前記第2の板は前記圧縮コイルばねの復元力によって元の位置に戻ろうとするのを前記係止手段によって止められた状態になる。
【0018】
その後に前記制御手段による制御によって前記電動スライダが前記係止手段を前記第2の板と接触しない位置に移動させると、前記第2の板は前記係止手段によって止められた状態から解放されて前記圧縮コイルばねの復元力によって前記第1の板との連結部分にある回転軸を中心として元の位置へ戻るように回転移動して前記第2の板の上面に靴を固定した人間の足の裏を前方斜め上方へと押すことになり、この力が足の裏で地面を蹴った反作用に代わって歩行に必要な推進力となる。前記電動スライダによって前記第2の板と接触しない位置に移動した前記係止手段は、前記弾性手段によって元の位置に戻る。
【0019】
以上のことを繰り返すことにより、足の裏で地面を蹴らなくとも歩行に必要な推進力を継続的に得ることができるので、登山のように傾斜を登る際の体力の消費を少なくすることができる。また、前記第2の板が前記圧縮コイルばねの復元力によって前記第1の板との連結部分にある回転軸を中心として元の位置へ戻るように回転移動する際の前記電動リールのスプールの回転の駆動系への不伝達を電動クラッチ機構によるスプールと駆動系の分離ではなくフリー型の逆入力遮断クラッチによる空転によって実現しているので、容易に且つ電力を消費することなく実現することができる。
【0020】
本発明は、また、第4の構成として、靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第2の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第2の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第2の板の下面に先端を連結された第3の板と、前記第1の板の上面に一端を連結されるとともに前記第3の板の下面に他端を連結された圧縮コイルばねと、前記第1の板の後端に設けられたスプール逆回転防止機構及び電動クラッチ機構を有する電動リールと、前記第2の板又は前記第3の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる構成を採ることもできる。
【0021】
この構成により、第1の構成と同様に上述した課題が解決されるとともに、前記圧縮コイルばねが自然長の状態でたわむのを防ぐことができる。
【0022】
本発明は、また、第5の構成として、靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第2の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第2の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第2の板の下面に先端を連結された第3の板と、前記第1の板の上面に一端を連結されるとともに前記第3の板の下面に他端を連結された圧縮コイルばねと、前記第1の板の後端の上方であって前記圧縮コイルばねが最も圧縮された場合の前記第2の板の後端の位置より高い位置に設けられて前記第2の板が前記圧縮コイルばねの復元力によって移動する方向についてのみ前記第2の板の移動を止める係止手段と、前記係止手段を前記第2の板と接触しない位置に移動させる電動スライダと、前記電動スライダによって前記第2の板と接触しない位置に移動した前記係止手段を元の位置に戻す復元力を発生させる弾性手段と、前記第1の板の後端に設けられた電動クラッチ機構を有する電動リールと、前記第2の板又は前記第3の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動スライダ及び前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる構成を採ることもできる。
【0023】
この構成により、第2の構成と同様に上述した課題が解決されるとともに、前記圧縮コイルばねが自然長の状態でたわむのを防ぐことができる。
【0024】
本発明は、また、第6の構成として、靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第2の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第2の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第2の板の下面に先端を連結された第3の板と、前記第1の板の上面に一端を連結されるとともに前記第3の板の下面に他端を連結された圧縮コイルばねと、前記第1の板の後端の上方であって前記圧縮コイルばねが最も圧縮された場合の前記第2の板の後端の位置より高い位置に設けられて前記第2の板が前記圧縮コイルばねの復元力によって移動する方向についてのみ前記第2の板の移動を止める係止手段と、前記係止手段を前記第2の板と接触しない位置に移動させる電動スライダと、前記電動スライダによって前記第2の板と接触しない位置に移動した前記係止手段を元の位置に戻す復元力を発生させる弾性手段と、前記第1の板の後端に設けられたフリー型の逆入力遮断クラッチを有する電動リールと、前記第2の板又は前記第3の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動スライダ及び前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる構成を採ることもできる。
【0025】
この構成により、第3の構成と同様に上述した課題が解決されるとともに、前記圧縮コイルばねが自然長の状態でたわむのを防ぐことができる。
【0026】
本発明は、また、第1乃至6のいずれかの構成において、前記圧縮コイルばねの各コイルの同一箇所に前記コイルよりも小さなリングを設け、前記ワイヤーを前記各リングの中に通す構成を採ることもできる。
【0027】
この構成により、第1乃至6のいずれかの構成と同様に上述した課題が解決されるとともに、前記圧縮コイルばねが人間の体重及び前記電動リールによる前記ワイヤーの巻取りによって圧縮される際にたわむのを防ぐことができる。
【0028】
本発明は、また、第1乃至3のいずれかの構成において、前記圧縮コイルばねに代えてねじりコイルばねを前記第2の板の回転方向にねじれるように前記第2の板の回転軸に設けて前記第1の板に一端を連結するとともに前記第2の板に他端を連結する構成を採ることもできる。
【0029】
この構成により、前記第2の板は圧縮コイルばねを用いた場合と同様に回転移動するので、第1乃至3のいずれかの構成と同様に上述した課題が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の側面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態における電動スライダ及び電動リールのブロック図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態における電動リールの電動クラッチ機構及び電動スライダのスライド機構の側面図である。
【図4】本発明に係る第1の実施形態における電動リールのスプール中央部の回転軸方向の断面図である。
【図5】本発明に係る第1の実施形態における制御手段のブロック図である。
【図6】本発明に係る第2の実施形態における電動スライダ及び電動リールのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る第1及び第2の実施形態について図面を用いて説明する。
【0032】
図1は、本発明に係る第1の実施形態の側面図である。靴底1の上面には第1の板2が重なるように設けられている。嵌合又はねじ止め等のように任意に着脱可能に設けるのが望ましく、それによって靴底1を別の靴底又はアイゼンに容易に交換することができる。第1の板2は平板の他に網状板又は格子状板等でもよい。
【0033】
第1の板2の先端には第1の板2の先端及び後端を通る直線に垂直であって第1の板2に平行な直線である回転軸3を中心として回転可能に第2の板4が先端を連結されている。第2の板4は平板の他に網状板又は格子状板等でもよい。第2の板4には靴を固定する固定手段であるバンド5が設けられている。
【0034】
第2の板4の下面には第2の板4の先端及び後端を通る直線に垂直であって第2の板4に平行な直線である回転軸6を中心として回転可能に第3の板7が先端を連結されている。第3の板7は平板の他に網状板又は格子状板等でもよい。
【0035】
第1の板2と第3の板7の間には圧縮コイルばね8が第1の板2の上面に一端を連結されるとともに第3の板7の下面に他端を連結されて設けられている。圧縮コイルばね8の各コイルの同一箇所にはコイルよりも小さなリング9が設けられている。
【0036】
第1の板2の後端の上方であって圧縮コイルばね8が最も圧縮された場合の第2の板4の後端の位置より高い位置には係止手段である係止棒10が設けられている。係止棒10は上方へは移動できないが下方へは係止棒10の後端に設けられた回転軸を中心として回転移動できるようになっており、回転移動した後は回転軸に設けられたねじりコイルばねの復元力によって元の位置に戻るようになっている。
【0037】
係止棒10の後端には係止棒10を第2の板4と接触しない位置に移動させる後述の電動スライダ11が連結されており、電動スライダ11によって第2の板4と接触しない位置に移動した係止棒10を元の位置に戻す復元力を発生させる弾性手段である後述の圧縮コイルばね12も設けられている。
【0038】
第1の板2の後端には後述の電動リール13が設けられている。電動スライダ11、圧縮コイルばね12及び電動リール13はカバー14で覆われている。カバー14の内部には後述の制御手段15(操作部を除く)も設けられており、制御手段15にはカバー14の外部に存在する電源であるバッテリー(図示せず)が接続されている。
【0039】
第2の板4の下面にはワイヤー16の一端が連結されている。ワイヤー16は第2の板4の下面から第3の板7を貫通して各リング9の中を通り、そして滑車17及び18に導かれて電動リール13に巻取り可能に連結されている。ワイヤー16の所定の箇所には制御手段15が検知可能な第1及び第2の磁石がそれぞれ設けられている。第1の磁石は圧縮コイルばね8が最も圧縮された状態に達したことを制御手段15に認識させるためのものであり、第2の磁石は圧縮コイルばね8が自然長の状態に戻ったことを制御手段15に認識させるためのものである。
【0040】
図2は、電動スライダ11及び電動リール13のブロック図である。電動スライダ11及び電動リール13は駆動源として両軸型のモータ19を共有しており、別々に駆動源を有するよりもスペース、重量及び製造コストを削減することができる。実線の矢印はモータ19の正回転(ワイヤー16を巻き取る方向の回転)の伝達を表しており、破線の矢印はモータ19の逆回転の伝達を表している。これらの回転の伝達には、横方向の矢印にあっては軸、縦方向の矢印にあっては歯車又はベルト等を用いる。
【0041】
モータ19の回転軸の一端から減速機構20及び一方向クラッチ21を経て電動クラッチ機構22へのモータ19の正回転の伝達はスプール23を回転させてワイヤー16を巻き取るためのものであり、モータ19の回転軸の他端から一方向クラッチ24及び減速機構25を経て電動クラッチ機構22へのモータ19の正回転の伝達は後述するように電動クラッチ機構22をON状態にするためのものである。
【0042】
モータ19の回転軸の一端から減速機構20及び一方向クラッチ26を経て電動クラッチ機構22へのモータ19の逆回転の伝達は後述するように電動クラッチ機構22をOFF状態にするためのものであり、同じくモータ19の回転軸の一端から減速機構20及び一方向クラッチ26を経た後に電動クラッチ機構22の方向から分岐して減速機構27を経てスライド機構28へのモータ19の逆回転の伝達は後述するように係止棒10を第2の板4と接触しない位置に移動させるためのものである。減速機構27はモータ19の逆回転の伝達が電動クラッチ機構22をOFF状態にするよりも遅くに係止棒10を第2の板4と接触しない位置に移動させるために設けられている。
【0043】
図3は、電動リール13の電動クラッチ機構22及び電動スライダ11のスライド機構28の側面図である。この図においては、電動クラッチ機構22はON状態になっている。
【0044】
まず、電動リール13の電動クラッチ機構22について説明する。電動クラッチ機構22のON状態においてモータ19が逆回転すると、モータ19の逆回転は減速機構20及び一方向クラッチ26を経てキャリア29に伝達されて、キャリア29は矢印Aの方向に回転する。キャリア29が矢印Aの方向に回転すると、キャリア29に設けられた突起30が一緒に矢印Aの方向に回転してスライドプレート31に当接して押す。
【0045】
スライドプレート31は一対のガイドレール32及び長孔33によって矢印B又はCの方向にのみ移動可能になっているため、突起30に押されたスライドプレート31は矢印Bの方向に移動し、スライドプレート31に設けられた一対の突起34が傾斜部(×印の部分)からクラッチプレート35の下に潜り込んでクラッチプレート35を押し上げたところで突起30との当接が終わって移動は終わる。
【0046】
クラッチプレート35はスプール回転軸(スプール23の回転軸)36に平行な一対のガイド棒37によってスプール回転軸36に平行な方向にのみ移動可能になっているとともに一対の圧縮コイルばね38によってスライドプレート31の方向に押圧されているため、突起34に押し上げられたクラッチプレート35は圧縮コイルばね38の復元力に逆らって突起34の高さの分だけスプール回転軸36に平行な方向に移動する。
【0047】
クラッチプレート35は、また、スプール回転軸36を回転軸とするピニオン39(断面は円形であるが、後述するようにモータ19の正回転をスプール23に伝達するための部分の断面は正方形である)の外周に形成された円周溝40に嵌合されているため、クラッチプレート35が突起34の高さの分だけスプール回転軸36に平行な方向に移動するとピニオン39もそれに従って突起34の高さの分だけスプール回転軸36に平行な方向に移動し、後述するように電動クラッチ機構22はOFF状態になる。
【0048】
電動クラッチ機構22のOFF状態においてモータ19が正回転すると、モータ19の正回転は一方向クラッチ24及び減速機構25を経てキャリア41に伝達されて、キャリア41は矢印Dの方向に回転する。キャリア41が矢印Dの方向に回転すると、キャリア41に設けられた突起42が一緒に矢印Dの方向に回転してスライドプレート31に当接して押す。
【0049】
突起42に押されたスライドプレート31は一対のガイドレール32及び長孔33によって矢印Cの方向に移動し、クラッチプレート35の下に潜り込んでクラッチプレート35を押し上げていた突起34がクラッチプレート35の下から移動したところで突起42との当接が終わって移動は終わる。
【0050】
クラッチプレート35の下から突起34が移動すると、クラッチプレート35は圧縮コイルばね38の復元力によって押し下げられて突起34の高さの分だけスプール回転軸36に平行な方向に移動することになる。クラッチプレート35が突起34の高さの分だけスプール回転軸36に平行な方向に移動すると、ピニオン39もそれに従って突起34の高さの分だけスプール回転軸36に平行な方向に移動し、後述するように電動クラッチ機構22はON状態になる。
【0051】
次に、電動スライダ11のスライド機構28について説明する。モータ19が逆回転すると、モータ19の逆回転は減速機構20及び一方向クラッチ26を経た後に電動クラッチ機構22の方向から分岐して減速機構27を経てキャリア43に伝達されて、キャリア43は矢印Eの方向に回転する。キャリア43が矢印Eの方向に回転すると、キャリア43に設けられた突起44が一緒に矢印Eの方向に回転して係止棒10の後端に連結されたスライド棒45の下面に設けられた突起46に当接して押す。
【0052】
スライド棒45は矢印F又はGの方向にのみ移動可能になっているため、矢印Eの方向に回転した突起44に突起46を押されたスライド棒45は係止棒10とともに圧縮コイルばね12の復元力に逆らって矢印Fの方向に移動し、係止棒10が第2の板4と接触しない位置に移動したところで突起44と突起46の当接が終わって移動は終わる。矢印Fの方向への移動を終えたスライド棒45及び係止棒10は圧縮コイルばね12の復元力によって矢印Gの方向に移動して元の位置に戻る。
【0053】
図4は、電動リール13のスプール23中央部の回転軸方向の断面図である。この図においては、電動クラッチ機構22はON状態になっている。
【0054】
電動クラッチ機構22のON状態においてモータ19が正回転すると、モータ19の正回転は減速機構20及び一方向クラッチ21を経てスプール駆動軸47に伝達されて、スプール駆動軸47はスプール回転軸36を回転軸として回転する。
【0055】
スプール駆動軸47の先端にはピニオン39の先端がスプール回転軸36に垂直な方向の断面が正方形の形で嵌合されている(スプール駆動軸47とピニオン39の径を同一にする場合は両者の先端に爪を設けて噛合させてもよい)ため、スプール駆動軸47がスプール回転軸36を回転軸として回転すると、それに従ってピニオン39もスプール回転軸36を回転軸として同一の方向に回転する。
【0056】
ピニオン39はスプール23の中央部のスプール回転軸36付近において同様に断面が正方形の形でスプール23に貫通して嵌合されているため、ピニオン39がスプール回転軸36を回転軸として回転すると、それに従ってスプール23もスプール回転軸36を回転軸として同一の方向に回転し、ワイヤー16が巻き取られることになる。
【0057】
電動クラッチ機構22のON状態においてモータ19が逆回転すると、図3を用いて説明したようにピニオン39は突起34の高さの分だけスプール回転軸36に平行な方向である矢印Hの方向に移動するので、ピニオン39の先端はスプール駆動軸47の先端との嵌合から離脱して、電動クラッチ機構22はOFF状態になる。
【0058】
電動クラッチ機構22のOFF状態においてモータ19が正回転すると、図3を用いて説明したようにピニオン39は突起34の高さの分だけスプール回転軸36に平行な方向である矢印Iの方向に移動するので、ピニオン39の先端はスプール駆動軸47の先端に再び嵌合されて、電動クラッチ機構22はON状態に戻る。
【0059】
図5は、制御手段15のブロック図である。マイクロコントローラ48には、操作部として電源スイッチ49、モード選択スイッチ50、タイミング設定ダイヤル51、スタートボタン52、ストップボタン53及び電動スライダ作動ボタン54が接続されており、ワイヤー16に設けられた第1及び第2の磁石を検知するセンサ55が接続されており、そして、マイクロコントローラ48からの指令に応じてモータ19を駆動するモータドライバ(モータ駆動回路)56が接続されている。操作部は登山の際に使用されるストックのグリップ部分に装着可能にするのが望ましい。
【0060】
制御手段15によって電動スライダ11及び電動リール13の動作を制御するためには、まず電源スイッチ49によってバッテリー(図示せず)から電力の供給を受ける。次にモード選択スイッチ50によってオートモード又はマニュアルモードのいずれかを任意に選択する。オートモードとは電動スライダ11及び電動リール13の動作のすべてを自動で制御することであり、マニュアルモードとは電動スライダ11の作動のタイミングのみを手動で制御することである。オートモードを選択した場合は、次にタイミング設定ダイヤル51によって電動リール13によるワイヤー16の巻取り終了後の電動スライダ11の作動のタイミングを設定する。設定したタイミングによって歩行の速さが決まる。
【0061】
オートモードを選択してタイミングを設定した後又はマニュアルモードを選択した後は、スタートボタン52を押して電動スライダ11及び電動リール13の動作の制御を開始する。スタートボタン52を押すと、マイクロコントローラ48はモータドライバ55にモータ19を正回転させるよう指令し、モータドライバ55はモータ19を正回転させる。モータ19が正回転すると、図2乃至4を用いて説明したように電動クラッチ機構22がON状態になるとともにスプール23がワイヤー16を巻き取る方向に回転し、ワイヤー16の巻取りによって第2の板4は圧縮コイルばね8を圧縮しながら回転軸3を中心として回転移動する。
【0062】
圧縮コイルばね8が最も圧縮された状態に達すると、センサ56がワイヤー16の所定の箇所に設けられた第1の磁石を検知し、これに応じてマイクロコントローラ48はモータドライバ55にモータ19の正回転を停止させるよう指令し、モータドライバ55はモータ19の正回転を停止させる。モータ19の正回転が停止するとワイヤー16の巻取りは終了し、第2の板4は圧縮コイルばね8の復元力によって元の位置に戻ろうとするのを係止棒10によって止められた状態になる。
【0063】
ワイヤー16の巻取りが終了した後は、オートモードを選択している場合にあっては設定したタイミングでマイクロコントローラ48はモータドライバ55にモータ19を逆回転させるよう指令し、マニュアルモードを選択している場合にあっては任意のタイミングで電動スライダ作動ボタン54を押すとマイクロコントローラ48はモータドライバ55にモータ19を逆回転させるよう指令し、モータドライバ55はモータ19を逆回転させる。モータ19が逆回転すると、図2乃至4を用いて説明したように電動クラッチ機構22がOFF状態になるとともにスライド機構28が係止棒10を第2の板4と接触しない位置に移動させる。係止棒10が第2の板4と接触しない位置に移動すると、第2の板4は係止棒10によって止められた状態から解放されて圧縮コイルばね8の復元力によって回転軸3を中心として元の位置に戻るように回転移動する。
【0064】
圧縮コイルばね8が自然長の状態に戻ると、センサ56がワイヤー16の所定の箇所に設けられた第2の磁石を検知し、これに応じてマイクロコントローラ48はモータドライバ55にモータ19を正回転させるよう指令し、モータドライバ55はモータ19を正回転させる。
【0065】
以後はストップボタン53が押されるまで同様にモータ19の正回転、正回転の停止及び逆回転が繰り返されることになる。ストップボタン53を押すと、圧縮コイルばね8が自然長の状態に戻ってセンサ56が第2の磁石を検知したところで電動スライダ11及び電動リール13の動作の制御は終了する。
【0066】
図6は、本発明に係る第2の実施形態における電動スライダ及び電動リールのブロック図である。第2の実施形態は第1の実施形態とは電動スライダ及び電動リールの構成が異なる以外は同様の構成であり、制御手段による電動スライダ及び電動リールの動作の制御も同様であるので、図6を用いて電動スライダ及び電動リールの構成についてのみ説明する。
【0067】
電動スライダ及び電動リールは駆動源として両軸型のモータ57を共有している。実線の矢印はモータ57の正回転(ワイヤーを巻き取る方向の回転)の伝達を表しており、破線の矢印はモータ57の逆回転の伝達を表している。これらの回転の伝達には、横方向の矢印にあっては軸、縦方向の矢印にあっては歯車又はベルト等を用いる。
【0068】
モータ57の回転軸の一端から一方向クラッチ58、減速機構59及びフリー型の逆入力遮断クラッチ60を経てスプール61へのモータ57の正回転の伝達はスプール61を回転させてワイヤーを巻き取るためのものであり、モータ57の回転軸の他端から一方向クラッチ62及び減速機構63を経てスライド機構64(第1の実施形態における電動スライダ11のスライド機構28と同様の構成である)へのモータ57の逆回転の伝達は係止棒を第2の板と接触しない位置に移動させるためのものである。
【符号の説明】
【0069】
1 靴底
2 第1の板
3 回転軸
4 第2の板
5 バンド
6 回転軸
7 第3の板
8 圧縮コイルばね
9 リング
10 係止棒
11 電動スライダ
12 圧縮コイルばね
13 電動リール
14 カバー
15 制御手段(操作部を除く)
16 ワイヤー
17 滑車
18 滑車
29 キャリア
30 突起
31 スライドプレート
32 ガイドレール
33 長孔
34 突起
35 クラッチプレート
36 スプール回転軸
37 ガイド棒
38 圧縮コイルばね
39 ピニオン
40 円周溝
41 キャリア
42 突起
43 キャリア
44 突起
45 スライド棒
46 突起
47 スプール駆動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第1の板の上面に一端を連結されるとともに前記第2の板の下面に他端を連結された圧縮コイルばねと、前記第1の板の後端に設けられたスプール逆回転防止機構及び電動クラッチ機構を有する電動リールと、前記第2の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる歩行推進力発生装置。
【請求項2】
靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第1の板の上面に一端を連結されるとともに前記第2の板の下面に他端を連結された圧縮コイルばねと、前記第1の板の後端の上方であって前記圧縮コイルばねが最も圧縮された場合の前記第2の板の後端の位置より高い位置に設けられて前記第2の板が前記圧縮コイルばねの復元力によって移動する方向についてのみ前記第2の板の移動を止める係止手段と、前記係止手段を前記第2の板と接触しない位置に移動させる電動スライダと、前記電動スライダによって前記第2の板と接触しない位置に移動した前記係止手段を元の位置に戻す復元力を発生させる弾性手段と、前記第1の板の後端に設けられた電動クラッチ機構を有する電動リールと、前記第2の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動スライダ及び前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる歩行推進力発生装置。
【請求項3】
靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第1の板の上面に一端を連結されるとともに前記第2の板の下面に他端を連結された圧縮コイルばねと、前記第1の板の後端の上方であって前記圧縮コイルばねが最も圧縮された場合の前記第2の板の後端の位置より高い位置に設けられて前記第2の板が前記圧縮コイルばねの復元力によって移動する方向についてのみ前記第2の板の移動を止める係止手段と、前記係止手段を前記第2の板と接触しない位置に移動させる電動スライダと、前記電動スライダによって前記第2の板と接触しない位置に移動した前記係止手段を元の位置に戻す復元力を発生させる弾性手段と、前記第1の板の後端に設けられたフリー型の逆入力遮断クラッチを有する電動リールと、前記第2の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動スライダ及び前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる歩行推進力発生装置。
【請求項4】
靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第2の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第2の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第2の板の下面に先端を連結された第3の板と、前記第1の板の上面に一端を連結されるとともに前記第3の板の下面に他端を連結された圧縮コイルばねと、前記第1の板の後端に設けられたスプール逆回転防止機構及び電動クラッチ機構を有する電動リールと、前記第2の板又は前記第3の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる歩行推進力発生装置。
【請求項5】
靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第2の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第2の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第2の板の下面に先端を連結された第3の板と、前記第1の板の上面に一端を連結されるとともに前記第3の板の下面に他端を連結された圧縮コイルばねと、前記第1の板の後端の上方であって前記圧縮コイルばねが最も圧縮された場合の前記第2の板の後端の位置より高い位置に設けられて前記第2の板が前記圧縮コイルばねの復元力によって移動する方向についてのみ前記第2の板の移動を止める係止手段と、前記係止手段を前記第2の板と接触しない位置に移動させる電動スライダと、前記電動スライダによって前記第2の板と接触しない位置に移動した前記係止手段を元の位置に戻す復元力を発生させる弾性手段と、前記第1の板の後端に設けられた電動クラッチ機構を有する電動リールと、前記第2の板又は前記第3の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動スライダ及び前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる歩行推進力発生装置。
【請求項6】
靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第2の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第2の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第2の板の下面に先端を連結された第3の板と、前記第1の板の上面に一端を連結されるとともに前記第3の板の下面に他端を連結された圧縮コイルばねと、前記第1の板の後端の上方であって前記圧縮コイルばねが最も圧縮された場合の前記第2の板の後端の位置より高い位置に設けられて前記第2の板が前記圧縮コイルばねの復元力によって移動する方向についてのみ前記第2の板の移動を止める係止手段と、前記係止手段を前記第2の板と接触しない位置に移動させる電動スライダと、前記電動スライダによって前記第2の板と接触しない位置に移動した前記係止手段を元の位置に戻す復元力を発生させる弾性手段と、前記第1の板の後端に設けられたフリー型の逆入力遮断クラッチを有する電動リールと、前記第2の板又は前記第3の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動スライダ及び前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる歩行推進力発生装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の歩行推進力発生装置において、前記圧縮コイルばねの各コイルの同一箇所に前記コイルよりも小さなリングを設け、前記ワイヤーを前記各リングの中に通したことを特徴とする歩行推進力発生装置。
【請求項8】
靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第2の板の回転方向にねじれるように前記第2の板の回転軸に設けられて前記第1の板に一端を連結されるとともに前記第2の板に他端を連結されたねじりコイルばねと、前記第1の板の後端に設けられたスプール逆回転防止機構及び電動クラッチ機構を有する電動リールと、前記第2の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる歩行推進力発生装置。
【請求項9】
靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第2の板の回転方向にねじれるように前記第2の板の回転軸に設けられて前記第1の板に一端を連結されるとともに前記第2の板に他端を連結されたねじりコイルばねと、前記第1の板の後端の上方に設けられて前記第2の板が前記ねじりコイルばねの復元力によって移動する方向についてのみ前記第2の板の移動を止める係止手段と、前記係止手段を前記第2の板と接触しない位置に移動させる電動スライダと、前記電動スライダによって前記第2の板と接触しない位置に移動した前記係止手段を元の位置に戻す復元力を発生させる弾性手段と、前記第1の板の後端に設けられた電動クラッチ機構を有する電動リールと、前記第2の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動スライダ及び前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる歩行推進力発生装置。
【請求項10】
靴底又はアイゼンと、前記靴底又は前記アイゼンの上面に重なるように設けられた第1の板と、前記第1の板の先端及び後端を通る直線に垂直であって前記第1の板に平行な直線を回転軸として回転可能に前記第1の板の先端に先端を連結された第2の板と、前記第2の板の上面に靴を固定する固定手段と、前記第2の板の回転方向にねじれるように前記第2の板の回転軸に設けられて前記第1の板に一端を連結されるとともに前記第2の板に他端を連結されたねじりコイルばねと、前記第1の板の後端の上方に設けられて前記第2の板が前記ねじりコイルばねの復元力によって移動する方向についてのみ前記第2の板の移動を止める係止手段と、前記係止手段を前記第2の板と接触しない位置に移動させる電動スライダと、前記電動スライダによって前記第2の板と接触しない位置に移動した前記係止手段を元の位置に戻す復元力を発生させる弾性手段と、前記第1の板の後端に設けられたフリー型の逆入力遮断クラッチを有する電動リールと、前記第2の板の下面に一端を連結されるとともに前記電動リールに巻取り可能に他端を連結されたワイヤーと、前記電動スライダ及び前記電動リールの動作を制御する制御手段と、前記制御手段に電力を供給する電源とからなる歩行推進力発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−87946(P2011−87946A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2010−268807(P2010−268807)
【出願日】平成22年11月13日(2010.11.13)
【出願人】(510317933)
【Fターム(参考)】