歩行矯正用靴底
【課題】歩行を矯正し、ショックを吸収し、靴底の側部の部分的摩耗を緩和する靴底の提供。
【解決手段】靴底は、柔らかいフロントミッドソール110とフロントアウトソール115を備えたフロントフットパート、硬いリアミッドソール120を備えたリアフットパートを含む。靴底は更に補助ソール200を含む。補助ソール200は、弾性部材220、連結部材210を含む。連結部材210は、連結部材210をリアミッドソール120に結合する内方ねじ切り部と内方ねじ切り部の周りにストップ用突起を備える。靴底は、更にリアミッドソール120の下に具備する結合サポートを含む。各ストップ用突起に対応するストップホールが結合サポート内に形成される。貫通孔が結合サポート内のストップホールの中心に形成され、ボルトを貫通孔を通して内方ねじ切り部へ固定できる。よって、補助ソール200は、ユーザーの歩行の特徴に応じて交換可能である。
【解決手段】靴底は、柔らかいフロントミッドソール110とフロントアウトソール115を備えたフロントフットパート、硬いリアミッドソール120を備えたリアフットパートを含む。靴底は更に補助ソール200を含む。補助ソール200は、弾性部材220、連結部材210を含む。連結部材210は、連結部材210をリアミッドソール120に結合する内方ねじ切り部と内方ねじ切り部の周りにストップ用突起を備える。靴底は、更にリアミッドソール120の下に具備する結合サポートを含む。各ストップ用突起に対応するストップホールが結合サポート内に形成される。貫通孔が結合サポート内のストップホールの中心に形成され、ボルトを貫通孔を通して内方ねじ切り部へ固定できる。よって、補助ソール200は、ユーザーの歩行の特徴に応じて交換可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に靴底に関し、特に歩行を矯正し、ショックを吸収し、そして靴底の側部の部分的摩耗を緩和する機能を持った靴底に関する。
【背景技術】
【0002】
靴は生活必需品であるが、デザインとともに機能が迅速に進化している。靴のデザインは、消費者の興味を刺激する点で極めて重要であり、したがって新製品が絶え間なく提案されてきた。さらに、最近では、さまざまな機能を持った靴が普及している。エクササイズに使用される特殊な目的の靴は、また、ユーザーの障害を治癒し、緩和する機能を持った靴は、そのような機能性靴の代表例である。
【0003】
一方、直立歩行する人類は、先天的にまたは発育上の異常歩行をすることがある。特に、発育上の異常歩行をするユーザーの場合、その初期段階に異常歩行が矯正されなければ、さらに悪化するかもしれない。
【0004】
足が地面に接触する時の足の地面に対する位置により、ヒトの歩行が分類され、それは足が地面に直角に接触する中立歩行(neutral gait)、足が内側に傾く回内歩行(pronation gait)、および足が外側へ傾く回外歩行(supination gait)である。
【0005】
回内歩行または回外歩行をするユーザーが、中立歩行をするユーザー用に製造された靴を履くと、異常歩行を矯正することができず、その代わりに悪化するかもしれない。異常歩行を矯正するために、ユーザーは、彼/彼女の足に合う靴インソールや靴インサートを別個に購入しなければならず、あるいは、特別な靴クリニックで比較的高価に製造される異なる靴インソールや靴インサートを使用する必要がある。こうして、コストと時間の制約から異常歩行をするユーザーが歩行を矯正することは難しいという問題がある。
【0006】
一方、中立歩行をするユーザーでさえ、靴を長期間使用すれば、各靴の踵の左および右部分が不揃いに摩滅する。そのような靴の踵の側部の部分的摩耗現象は、靴の寿命を縮め、そしてユーザーの歩行に影響を及ぼす。異常歩行をするユーザーの場合、問題はより顕著である。
【0007】
靴底の踵の側部の部分的摩耗現象を完全に解決することは不可能である。したがって、慣用技術では、側部の部分的摩耗現象を単に補償するか緩和するさまざまな方法が提案されてきた。これに関係する典型的な慣用技術を以下に説明する。
【0008】
典型的には、韓国実用新案登録第184556、特開平9-224704、公開実用新案昭61-179905、米国特許公開第2006-213082がある。
【0009】
米国特許公開第2006-213082では、プラットフォームで覆われたコイルばねが靴底の踵に取り付けられ、プラットフォームは踵にねじ結合法で固定されている。したがって、踵の高さとコイルばねの弾性力が調整自在である。しかし、この技術は歩行矯正機能を有していない。
【0010】
残りの慣用技術では、踵部分が回転可能に取り付けられ、その結果、側部の部分的摩耗が生じた際に、踵が回転され、したがって、踵の小部位が過剰に摩滅することが回避される。これらの技術は、踵の側部の部分的摩耗現象を単に緩和するのみであり、異常歩行を矯正する能力には技術的限界がある。
【0011】
一方、"スプリングアスレチック靴"という名称の米国特許第5435079では、もう一つの関連技術が提案された。図1は、米国特許第5435079のスプリングアスレチック靴を示す側面図である。
【0012】
この技術では、靴底部分が除去されてその中に空間が形成され、そして、スプリングが、空間内の靴の踵に当たる位置に取り付けられる。この技術の目的は、ショックを充分に吸収する能力を提供することにある。しかし、スプリングが固定されるため、歩行を矯正する目的に使用することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明は、従来技術で発生する上記問題に鑑みて、重要な部材であるスプリングのような弾性部材を含み、そして、靴底のショックを吸収し、側部の部分的摩耗を緩和する基本的機能を有すると共に、異常歩行を矯正する機能を持った靴底を提供することを目的とする。
【0014】
本発明の別の目的は、補助ソールをメインソールに取り外し可能に結合して、該補助ソールを新しい物と容易に交換でき、そして補助ソールのメインソールに対する向きを容易に調整可能な靴底を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は、軟質材でできたフロントミッドソールおよび該フロントミッドソールの下面の下に設けられたフロントアウトソールを有するフロントフットパート、ならびに硬質材でできており、かつ該フロントミッドソールの上面に結合したリアミッドソールを有するリアフットパートを含むメインソールと;弾性部材、該弾性部材の下端に結合しかつ地面と接触するリアアウトソール、ならびに該弾性部材の上端に設けられる連結部材であって、連結部材を該リアミッドソールの下面に結合させるための内方ねじ切り部、および該内方ねじ切り部の周りに設けられる複数のストップ用突起を有する前記連結部材を含む補助ソールと;該リアミッドソール下面の下に設けられる結合サポートとを含み、複数のストップホールが該結合サポート内に形成され、かつ各ストップ用突起に対応し該結合サポート内の該ストップホールの中心に形成される貫通孔が該リアミッドソールの上面まで延在して、ボルトが該貫通孔を通って該内方ねじ切り部内に固定できる歩行矯正するための靴底であって、該補助ソールの該メインソールに対する向きが変更可能であり、あるいは、ユーザーの歩行の特徴に応じて該補助ソールを他の補助ソールと交換可能であることを特徴とする前記靴底を提供する。
【0016】
好ましくは、該弾性部材は、円錐コイルばねを含んでもよい。
【0017】
前記弾性部材は、異なる特徴を有する4個のセクションに区分けされるように、異なる材料を用いて射出成形することにより形成されていてもよい。
【0018】
該連結部材は、射出成形法によって該円錐コイルばねの上端に一体に結合されてもよい。
【0019】
該連結部材は、角度の間隔が互いに90°離れた位置にて連結部材の下端の外端上に設けられる4個のアームを含み、弾性部材が異なる材料を用いた射出成形により形成される際に該連結部材と該弾性部材との結合力が該4個のアームによって増加される。
【0020】
該補助ソールがリアアウトソール上に弾性部材を囲むように設けられた防護壁を含んでもよい。
【0021】
該連結部材は、該内方ねじ切り部を形成する主ナット、および、該主ナット内に設けられ、かつ該ボルトが緩むのを防止するために該ボルトに結合されるワイヤーナットを含んでもよい。
【0022】
該円錐コイルばねは、矩形、八辺形、円形およびチューブ形から選択される一形状の断面を有するワイヤーでできてよい。
【0023】
該円錐コイルばねを構成するワイヤーが、金属、またはカーボンファイバーおよびガラスファイバーを含有する化合物素材でできてよい。
【0024】
該リアミッドソールは、10〜15重量部のガラスファイバーに100重量部のナイロン66樹脂を混合した材料でできており、かつ、高温度で射出成形されている。
【0025】
該靴底は、さらに、該リアアウトソール内に設けられ、かつメッシュ状に編むことによって製造された補強部材を含み得る。
【0026】
本発明による歩行を矯正するための靴底は、スポーツ靴をはじめとする様々な種類の靴に使用できる。当業者は、本発明の範囲および精神から逸脱せずに様々な改変、付加および置換が可能であることを理解する。さらに、そのような改変、付加および置換は、本発明の範囲内にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の上記とその他の目的、特徴および利点は、添付の図面と合わさった以下の詳細な説明によって明瞭に理解される。
【0028】
本明細書では、本発明に従う歩行を矯正するための靴底(以降、単に"靴底"という)を詳細に説明する。添付の図面は、本発明の技術的精神の領域に入る好ましい実施態様を単に示すものである。
【0029】
<第一の実施態様>
図2は、本発明の第一の実施態様に従う靴底を有する靴の概略図である。図3は、該靴底の重要な部分を示す拡大透視図である。図4は、該靴底補助ソール200の拡大透視図である。
【0030】
図に示すように、本発明の靴底は、メインソール100、補助ソール200および結合サポート300を備える。シューアッパー400は、メインソール100上に結合し、靴を形成する。すなわち、靴を形成するために、シューアッパー400は、メインソール100に結合され、そしてインソール500がシューアッパー400内に設けられる。もちろん、メインソール100に結合した補助ソール200を交換する能力を確保するために、該靴は、シューアッパー400内のメインソール100中に固定されるボルトbに容易にアクセスでき、締めたり緩めたりできるように構成されなければならない。
【0031】
メインソール100は、フロントミッドソール110およびリアミッドソール120を含む。リアミッドソール120は、フロントミッドソール110の上面に結合される。さらに、フロントミッドソール110は、リアミッドソール120のものより柔らかい材料でできている。ラバーでできたフロントアウトソール115は、フロントミッドソール110の下面に結合される。フロントミッドソール110は、フロントフットパートを形成し、そして、リアミッドソール120は、リアフットパートを形成する。フロントミッドソール110は、ショックを吸収する役目をする。フロントアウトソール115は、地面と直接接触して、すべりを回避し、また、フロントミッドソール110が損傷するのを防ぐ。
【0032】
リアミッドソール120は、フロントミッドソール110より硬い材料でできている。この実施態様では、リアミッドソール120は、10〜15重量部のガラスファイバーに100重量部のナイロン66樹脂を混合した材料でできている。詳細には、ナイロン66樹脂がガラスファイバーと混合され、該混合物が約250℃で射出成形により加工され、冷却され、こうしてリアミッドソール120を形成する。好ましくは、比較的高温度で射出成形されている製品を100℃の水中に約15分間置き、製品を完成させる。
【0033】
フロントミッドソール110は、代表的な発泡体、すなわち、E.V.Aでできていてもよい。リアミッドソール120は、周知の合成樹脂や、別法としてナイロン66樹脂とガラスファイバーとの混合物でできていてもよい。
【0034】
一方、補助ソール200は、リアミッドソール120の下面に結合されている。補助ソール200をリアミッドソール120へ結合するために、結合サポート300がリアミッドソール120の下面に取り付けられる。結合サポート300は、リアミッドソール120の下面から突出し得、そして、結合サポート300の該下面は、一般に、平坦である。貫通孔310が、結合サポート300の中心に形成され、そして、リアミッドソール120の上面に達している。さらに、数個のストップホール320が、結合サポート300内の貫通孔310の周りに形成される。ボルトbが貫通孔310内に挿入され、後述する補助ソール200の連結部材210に固定される。該実施態様では、図に示すように、8個のストップホール320が円形に配置されている。リアミッドソール120に結合された補助ソールの向きは、ストップホール320を使って変更可能である。
【0035】
以下に、ボルトbを使って結合サポート300を介してメインソール100に結合される補助ソール200を詳細に説明する。補助ソール200は、弾性部材220、弾性部材220の下端に結合したリアアウトソール230、および弾性部材220の上端に設けられる連結部材210を含んでいる。第一の実施態様では、円錐コイルばねが、弾性部材220として使用される。弾性部材220は、その底面から上面に向かった直径が減少する形状を有する。
【0036】
該円錐コイルばねの形状の特徴のために、リアアウトソール230のエッジの異なる部分へ異なる力がかかる。すなわち、弾性部材220は、異なる弾性率を有する弾性体が一緒に結合され構造と同様の効果を示す。図5は、円錐コイルばねが弾性部材220として使用される時のリアアウトソール230の硬さの分布を示す平面図である。図5に示すように、円錐コイルばねで規定されるクッション能力は、4個の近似したセクションに区分けされる。もちろん、図に示すような角度90°間隔で正確に区分けすることはできない。該セクションは、経験的に決められた相対的なクッション能力を示している。詳細には、S部は、最も柔軟なクッション能力を有するセクションを示し、最低の硬さを有するリアアウトソール230の部分がS部に位置する。MS(ミドルソフト)部は、二番目に柔らかいクッション能力を示すセクションを示し、二番目に低い硬さを有するリアアウトソール230の部分がMS部に位置する。MH(ミドルハード)部は、三番目に柔らかいクッション能力を示すセクションを示し、三番目に低い硬さを有するリアアウトソール230の部分がMH部に位置する。H部は、最も硬いクッション能力を有するセクションを示し、最高の硬さを有するリアアウトソール230の部分がH部に位置する。
【0037】
本発明では、メインソール100に結合した補助ソール 200の向きが変更可能である。したがって、異常歩行をするユーザーやリアアウトソール230の側部の部分的摩耗をきたす者の場合に、本発明は、補助ソール200の向きを適切に変更する方法によって歩行を矯正し、そして、リアアウトソール230の側部の部分的摩耗現象を緩和することができる。
【0038】
円錐コイルばねの下端に結合したリアアウトソール230は、好ましくは、フロントアウトソール115の材料と同様のラバーでできている。結合溝235が、円錐コイルばねの下端を結合するためにリアアウトソール230の上面に形成される。好ましくは、円錐コイルばねは、結合剤を用いて結合溝235に固定される。該円錐コイルばねは、炭素鋼のような金属でできていてもよい。この実施態様では、金属の代替として、該円錐コイルばねが、カーボンファイバーおよびガラスファイバーを含有する化合物素材でてきていてもよい。さらに、該円錐コイルばねを構成する断面はさまざまな形状、例えば矩形、八辺形、円形、チューブ形などを有し得る。そのようなチューブ形は中空形である。
【0039】
より好ましくは、図3に示すように、メッシュ網状の薄い補強部材237をリアアウトソール230内に設けてもよい。補強部材237は、リアアウトソール230の強度を高める役目をはたし、合成樹脂をメッシュ網状に編むことにより製造される。補強部材237が合成樹脂でできている場合、補強部材237は、耐火処理されることが好ましい。ナイロンは、補強部材237用の合成樹脂の代表例である。補強部材237は、この実施態様では合成樹脂でできているように図示されているけれども、補強部材237は金属でできていてもよい。
【0040】
一方、連結部材210は、弾性部材220として使用される円錐コイルばねの上端に結合される。ボルトbが中に固定される内方ねじ切り部210aは、連結部材210の中心に形成される。数個のストップ用突起210bが、内方ねじ切り部210aの周りに円形に設けられる。
【0041】
連結部材210の構造を以下に詳細に説明する。内方ねじ切り孔210aを形成するための主ナット211は、連結部材210の中心部に設けられ、ワイヤーナット212が主ナット211内に取り付けられる。連結部材210を形成するために、ワイヤーナット212に結合される主ナット211は、連結部材210を形成するための型の中に置かれる。合成樹脂を該型内へ射出する。その後、ストップ用突起210bを有する連結部材210が完成する。好ましくは、主ナット211および円錐コイルばねが、該型内の所定の位置に置かれ、合成樹脂を用いた射出成形工程を行い、こうして、連結部材210を形成する。ここで、連結部材210は、円錐コイルばねと一体化するような構造をとることができる。主ナット211内に設けられたワイヤーナット212は、補助ソール200をメインソール100に結合するためのボルトbに直接結合されるので、ボルトbが振動により不所望に緩むのを回避するのに役立つ。ワイヤーナット212は、コイルばねと同様の形状を有し、その断面は、ボルトbの外部ねじと係合するような形状を有する。
【0042】
当業者は、該連結部材に設けられるストップ用突起の数や各突起の形状をさまざまに変更し得ることを理解する。
【0043】
<第二の実施態様>
本発明の第二の実施態様に従う靴底を図6に示す。図6は、第二の実施態様の靴底の重要な部分を図示するための補助ソール200の図である。
【0044】
本発明の第二の実施態様に従う靴底は、基本的に、第一の実施態様と同様に、メインソール100、補助ソール200および結合サポート300を備える。しかし、第一の実施態様と違って、第二の実施態様に従う靴底は、さらに補助ソール200内に設けられる、弾性部材220を囲む防護壁240を含んでいる。防護壁240は、ポリウレタンスポンジ発泡体などを使用して形成され、約20〜50HS(ショアー硬度)を有することが好ましい。防護壁240は、リアアウトソール230の上面の外端から上方へ弾性部材220を囲むように弾性部材220の動きを邪魔しないように延在する。したがって、弾性部材220は、外に露出せず、よって外部からは見えない。さらに、防護壁240が所定の弾性を有するため、ショックを吸収するのにも役立つ。
【0045】
<第三の実施態様>
図7は、本発明の第三の実施態様に従う靴底の重要な特徴を図示するための補助ソール200の平面図である。図8は、補助ソール200の側面図である。
【0046】
本発明の第三の実施態様に従う靴底は、また、メインソール100、補助ソール200および結合サポート300を含み、そして補助ソール200を特徴とする。
【0047】
第三の実施態様の補助ソール200は、上端から下端へ順に配置される連結部材210、弾性部材220およびリアアウトソール230を備える。特に、他の実施態様と違って、4個のアーム215が、角度の間隔が互いに90°離れた位置にて連結部材210の下端の外端から外方へ突出する。さらに、弾性部材220は、ポリウレタンスポンジ発泡体などでできている。この実施態様では、弾性部材220は、ポリウレタンスポンジ発泡体でできており、そして、連結部材210と一体化するように射出成形を介して形成される。弾性部材220として使用されるポリウレタンスポンジ発泡体は、4個のセクションに区分けされ、該4個のセクションは異なる硬さを有する。このため、弾性部材220が射出成形により形成される場合、弾性部材220の4個のセクションが異なる硬さを有するように、ポリウレタンスポンジ発泡体の比率がセクションに応じて適切に調整される。リアアウトソール230は、他の実施態様と同様にして、弾性部材 220の下端に取り付けられる。
【0048】
図9に示すように、ポリウレタンスポンジ発泡体でできており、補助ソール200を構成する弾性部材 220は、S部、MS部、MH部およびH部に区分けされる。各セクションは異なる硬さを有する。S部は、最低の硬さを有し、そして、弾性部材220の硬さがS部からH部へ逆時計方向に徐々に増加する。
【0049】
以下に、異常な歩行を矯正するための靴に使用される本発明の靴底の操作を説明する。
【0050】
本発明は、補助ソール200がメインソール100に取り外し可能に結合し、そして、メインソール100に結合した補助ソール200の向きが制限なく変更可能であることを特徴とする。補助ソール200をメインソール100へ結合するために、補助ソール200は、連結部材210に設けられたストップ用突起210bが結合サポート300内に形成された所望のストップホール320に挿入されるようにメインソール100と接触させる。その後、ボルトbが、結合サポート300の中心に形成され、メインソール100上面まで延在する貫通孔310内へ挿入され、そして、補助ソール200の上端に設けられた連結部材210の内方ねじ切り部(ワイヤーナット)210a内に固定される。これにより、補助ソール200は、メインソール100に確実に結合される。
【0051】
さらに、補助ソール200の向きが調整され、かつ、上記結合方法を用いて新しい物と交換可能である。
【0052】
図10は、中立歩行をするユーザーのための補助ソールの好ましい向きを示す。図中に、ユーザーの左および右足が示される。図10aは、第一の実施態様に従う補助ソールの平面図、図10bは、第二の実施態様に従う補助ソールの平面図、そして図10cは、第三の実施態様に従う補助ソールの平面図を示す。中立歩行をするユーザーの場合、力が一側(例えば内側または外側)に集中しないため、S部およびH部が縦方向に並ぶように補助ソールが位置するのが好ましい。
【0053】
図11は、回内歩行をするユーザーの歩行を矯正するための補助ソールの向きを示す。回内歩行をするユーザーの場合、彼/彼女の足が地面に接触する時、荷重が足の内側に集中するため、補助ソールの内側部を補強することが必要である。同様にして、図11aは、第一の実施態様に従う補助ソールの平面図、図11bは、第二の実施態様に従う補助ソールの平面図、そして図11cは、第三の実施態様に従う補助ソールの平面図を示す。回内歩行を矯正するために、補助ソール200をメインソール100に結合する時、補助ソール200のH部およびS部が横方向に並び、かつH部が内方位置に位置するように補助ソール200を配向させる必要がある。
【0054】
図12は、回外歩行をするユーザーの歩行を矯正するための補助ソールの向きを示す。回外歩行をするユーザーの場合、彼/彼女の足が地面に接触する時、荷重が足の外側に集中するため、補助ソール200のH部およびS部が横方向に並び、かつH部が外方位置に位置するように該補助ソールを配向させる必要がある。
【0055】
このように、本発明は、異常な歩行をするユーザーが、彼/彼女の歩行を矯正するのを助ける。さらに、本発明の靴底では、補助ソールがメインソールに制限なく取り外し可能に結合するため、中立歩行をするユーザーの場合、長期間の使用でリアアウトソールの側部に部分的摩耗が生じても、補助ソールの向きを変え、あるいはそれを新しい物と交換することによって靴を使用し続けることができる。
【0056】
上記したように、異常な歩行をするユーザーが本発明の靴底を有する靴を履く場合、ユーザーの異常な歩行を矯正し、異常な歩行によって引き起こされるさまざまな身体的欠陥を治すという効果が生じる。
【0057】
さらに、本発明では、補助ソールの向きが容易に変更され、そして、その交換が容易であるので、リアアウトソールの側部の部分的摩耗の問題が解決され、そして、ユーザーが適当な硬さを有する弾性部材を含む補助ソールのみを個別に購入すればよいという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】慣用技術に従うスプリングアスレチック靴の側面図を示す。
【図2】本発明の第一の実施態様に従う歩行を矯正するための靴底を有する靴の概略図である。
【図3】図2の靴底の重要な部分を示す拡大透視図である。
【図4】図2の靴底の補助ソールの拡大透視図である。
【図5】本発明に従って、円錐コイルばねを弾性部材として使用する際のリアアウトソールの硬さの分布を示す平面図である。
【図6】本発明の第二の実施態様に従う靴底の補助ソールを示す図である。
【図7】本発明の第三の実施態様に従う靴底の補助ソールを示す平面図である。
【図8】本発明の第三の実施態様に従う靴底の補助ソールを示す側面図である。
【図9】本発明の第三の実施態様に従う補助ソールの硬さの分布を示す平面図である。
【図10】本発明に従う、中立歩行をするユーザーのための補助ソールの向きを示す図である。
【図11】本発明に従う、回内歩行をするユーザーのための補助ソールの向きを示す図である。
【図12】本発明に従う、回外歩行をするユーザーのための補助ソールの向きを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に靴底に関し、特に歩行を矯正し、ショックを吸収し、そして靴底の側部の部分的摩耗を緩和する機能を持った靴底に関する。
【背景技術】
【0002】
靴は生活必需品であるが、デザインとともに機能が迅速に進化している。靴のデザインは、消費者の興味を刺激する点で極めて重要であり、したがって新製品が絶え間なく提案されてきた。さらに、最近では、さまざまな機能を持った靴が普及している。エクササイズに使用される特殊な目的の靴は、また、ユーザーの障害を治癒し、緩和する機能を持った靴は、そのような機能性靴の代表例である。
【0003】
一方、直立歩行する人類は、先天的にまたは発育上の異常歩行をすることがある。特に、発育上の異常歩行をするユーザーの場合、その初期段階に異常歩行が矯正されなければ、さらに悪化するかもしれない。
【0004】
足が地面に接触する時の足の地面に対する位置により、ヒトの歩行が分類され、それは足が地面に直角に接触する中立歩行(neutral gait)、足が内側に傾く回内歩行(pronation gait)、および足が外側へ傾く回外歩行(supination gait)である。
【0005】
回内歩行または回外歩行をするユーザーが、中立歩行をするユーザー用に製造された靴を履くと、異常歩行を矯正することができず、その代わりに悪化するかもしれない。異常歩行を矯正するために、ユーザーは、彼/彼女の足に合う靴インソールや靴インサートを別個に購入しなければならず、あるいは、特別な靴クリニックで比較的高価に製造される異なる靴インソールや靴インサートを使用する必要がある。こうして、コストと時間の制約から異常歩行をするユーザーが歩行を矯正することは難しいという問題がある。
【0006】
一方、中立歩行をするユーザーでさえ、靴を長期間使用すれば、各靴の踵の左および右部分が不揃いに摩滅する。そのような靴の踵の側部の部分的摩耗現象は、靴の寿命を縮め、そしてユーザーの歩行に影響を及ぼす。異常歩行をするユーザーの場合、問題はより顕著である。
【0007】
靴底の踵の側部の部分的摩耗現象を完全に解決することは不可能である。したがって、慣用技術では、側部の部分的摩耗現象を単に補償するか緩和するさまざまな方法が提案されてきた。これに関係する典型的な慣用技術を以下に説明する。
【0008】
典型的には、韓国実用新案登録第184556、特開平9-224704、公開実用新案昭61-179905、米国特許公開第2006-213082がある。
【0009】
米国特許公開第2006-213082では、プラットフォームで覆われたコイルばねが靴底の踵に取り付けられ、プラットフォームは踵にねじ結合法で固定されている。したがって、踵の高さとコイルばねの弾性力が調整自在である。しかし、この技術は歩行矯正機能を有していない。
【0010】
残りの慣用技術では、踵部分が回転可能に取り付けられ、その結果、側部の部分的摩耗が生じた際に、踵が回転され、したがって、踵の小部位が過剰に摩滅することが回避される。これらの技術は、踵の側部の部分的摩耗現象を単に緩和するのみであり、異常歩行を矯正する能力には技術的限界がある。
【0011】
一方、"スプリングアスレチック靴"という名称の米国特許第5435079では、もう一つの関連技術が提案された。図1は、米国特許第5435079のスプリングアスレチック靴を示す側面図である。
【0012】
この技術では、靴底部分が除去されてその中に空間が形成され、そして、スプリングが、空間内の靴の踵に当たる位置に取り付けられる。この技術の目的は、ショックを充分に吸収する能力を提供することにある。しかし、スプリングが固定されるため、歩行を矯正する目的に使用することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明は、従来技術で発生する上記問題に鑑みて、重要な部材であるスプリングのような弾性部材を含み、そして、靴底のショックを吸収し、側部の部分的摩耗を緩和する基本的機能を有すると共に、異常歩行を矯正する機能を持った靴底を提供することを目的とする。
【0014】
本発明の別の目的は、補助ソールをメインソールに取り外し可能に結合して、該補助ソールを新しい物と容易に交換でき、そして補助ソールのメインソールに対する向きを容易に調整可能な靴底を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は、軟質材でできたフロントミッドソールおよび該フロントミッドソールの下面の下に設けられたフロントアウトソールを有するフロントフットパート、ならびに硬質材でできており、かつ該フロントミッドソールの上面に結合したリアミッドソールを有するリアフットパートを含むメインソールと;弾性部材、該弾性部材の下端に結合しかつ地面と接触するリアアウトソール、ならびに該弾性部材の上端に設けられる連結部材であって、連結部材を該リアミッドソールの下面に結合させるための内方ねじ切り部、および該内方ねじ切り部の周りに設けられる複数のストップ用突起を有する前記連結部材を含む補助ソールと;該リアミッドソール下面の下に設けられる結合サポートとを含み、複数のストップホールが該結合サポート内に形成され、かつ各ストップ用突起に対応し該結合サポート内の該ストップホールの中心に形成される貫通孔が該リアミッドソールの上面まで延在して、ボルトが該貫通孔を通って該内方ねじ切り部内に固定できる歩行矯正するための靴底であって、該補助ソールの該メインソールに対する向きが変更可能であり、あるいは、ユーザーの歩行の特徴に応じて該補助ソールを他の補助ソールと交換可能であることを特徴とする前記靴底を提供する。
【0016】
好ましくは、該弾性部材は、円錐コイルばねを含んでもよい。
【0017】
前記弾性部材は、異なる特徴を有する4個のセクションに区分けされるように、異なる材料を用いて射出成形することにより形成されていてもよい。
【0018】
該連結部材は、射出成形法によって該円錐コイルばねの上端に一体に結合されてもよい。
【0019】
該連結部材は、角度の間隔が互いに90°離れた位置にて連結部材の下端の外端上に設けられる4個のアームを含み、弾性部材が異なる材料を用いた射出成形により形成される際に該連結部材と該弾性部材との結合力が該4個のアームによって増加される。
【0020】
該補助ソールがリアアウトソール上に弾性部材を囲むように設けられた防護壁を含んでもよい。
【0021】
該連結部材は、該内方ねじ切り部を形成する主ナット、および、該主ナット内に設けられ、かつ該ボルトが緩むのを防止するために該ボルトに結合されるワイヤーナットを含んでもよい。
【0022】
該円錐コイルばねは、矩形、八辺形、円形およびチューブ形から選択される一形状の断面を有するワイヤーでできてよい。
【0023】
該円錐コイルばねを構成するワイヤーが、金属、またはカーボンファイバーおよびガラスファイバーを含有する化合物素材でできてよい。
【0024】
該リアミッドソールは、10〜15重量部のガラスファイバーに100重量部のナイロン66樹脂を混合した材料でできており、かつ、高温度で射出成形されている。
【0025】
該靴底は、さらに、該リアアウトソール内に設けられ、かつメッシュ状に編むことによって製造された補強部材を含み得る。
【0026】
本発明による歩行を矯正するための靴底は、スポーツ靴をはじめとする様々な種類の靴に使用できる。当業者は、本発明の範囲および精神から逸脱せずに様々な改変、付加および置換が可能であることを理解する。さらに、そのような改変、付加および置換は、本発明の範囲内にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の上記とその他の目的、特徴および利点は、添付の図面と合わさった以下の詳細な説明によって明瞭に理解される。
【0028】
本明細書では、本発明に従う歩行を矯正するための靴底(以降、単に"靴底"という)を詳細に説明する。添付の図面は、本発明の技術的精神の領域に入る好ましい実施態様を単に示すものである。
【0029】
<第一の実施態様>
図2は、本発明の第一の実施態様に従う靴底を有する靴の概略図である。図3は、該靴底の重要な部分を示す拡大透視図である。図4は、該靴底補助ソール200の拡大透視図である。
【0030】
図に示すように、本発明の靴底は、メインソール100、補助ソール200および結合サポート300を備える。シューアッパー400は、メインソール100上に結合し、靴を形成する。すなわち、靴を形成するために、シューアッパー400は、メインソール100に結合され、そしてインソール500がシューアッパー400内に設けられる。もちろん、メインソール100に結合した補助ソール200を交換する能力を確保するために、該靴は、シューアッパー400内のメインソール100中に固定されるボルトbに容易にアクセスでき、締めたり緩めたりできるように構成されなければならない。
【0031】
メインソール100は、フロントミッドソール110およびリアミッドソール120を含む。リアミッドソール120は、フロントミッドソール110の上面に結合される。さらに、フロントミッドソール110は、リアミッドソール120のものより柔らかい材料でできている。ラバーでできたフロントアウトソール115は、フロントミッドソール110の下面に結合される。フロントミッドソール110は、フロントフットパートを形成し、そして、リアミッドソール120は、リアフットパートを形成する。フロントミッドソール110は、ショックを吸収する役目をする。フロントアウトソール115は、地面と直接接触して、すべりを回避し、また、フロントミッドソール110が損傷するのを防ぐ。
【0032】
リアミッドソール120は、フロントミッドソール110より硬い材料でできている。この実施態様では、リアミッドソール120は、10〜15重量部のガラスファイバーに100重量部のナイロン66樹脂を混合した材料でできている。詳細には、ナイロン66樹脂がガラスファイバーと混合され、該混合物が約250℃で射出成形により加工され、冷却され、こうしてリアミッドソール120を形成する。好ましくは、比較的高温度で射出成形されている製品を100℃の水中に約15分間置き、製品を完成させる。
【0033】
フロントミッドソール110は、代表的な発泡体、すなわち、E.V.Aでできていてもよい。リアミッドソール120は、周知の合成樹脂や、別法としてナイロン66樹脂とガラスファイバーとの混合物でできていてもよい。
【0034】
一方、補助ソール200は、リアミッドソール120の下面に結合されている。補助ソール200をリアミッドソール120へ結合するために、結合サポート300がリアミッドソール120の下面に取り付けられる。結合サポート300は、リアミッドソール120の下面から突出し得、そして、結合サポート300の該下面は、一般に、平坦である。貫通孔310が、結合サポート300の中心に形成され、そして、リアミッドソール120の上面に達している。さらに、数個のストップホール320が、結合サポート300内の貫通孔310の周りに形成される。ボルトbが貫通孔310内に挿入され、後述する補助ソール200の連結部材210に固定される。該実施態様では、図に示すように、8個のストップホール320が円形に配置されている。リアミッドソール120に結合された補助ソールの向きは、ストップホール320を使って変更可能である。
【0035】
以下に、ボルトbを使って結合サポート300を介してメインソール100に結合される補助ソール200を詳細に説明する。補助ソール200は、弾性部材220、弾性部材220の下端に結合したリアアウトソール230、および弾性部材220の上端に設けられる連結部材210を含んでいる。第一の実施態様では、円錐コイルばねが、弾性部材220として使用される。弾性部材220は、その底面から上面に向かった直径が減少する形状を有する。
【0036】
該円錐コイルばねの形状の特徴のために、リアアウトソール230のエッジの異なる部分へ異なる力がかかる。すなわち、弾性部材220は、異なる弾性率を有する弾性体が一緒に結合され構造と同様の効果を示す。図5は、円錐コイルばねが弾性部材220として使用される時のリアアウトソール230の硬さの分布を示す平面図である。図5に示すように、円錐コイルばねで規定されるクッション能力は、4個の近似したセクションに区分けされる。もちろん、図に示すような角度90°間隔で正確に区分けすることはできない。該セクションは、経験的に決められた相対的なクッション能力を示している。詳細には、S部は、最も柔軟なクッション能力を有するセクションを示し、最低の硬さを有するリアアウトソール230の部分がS部に位置する。MS(ミドルソフト)部は、二番目に柔らかいクッション能力を示すセクションを示し、二番目に低い硬さを有するリアアウトソール230の部分がMS部に位置する。MH(ミドルハード)部は、三番目に柔らかいクッション能力を示すセクションを示し、三番目に低い硬さを有するリアアウトソール230の部分がMH部に位置する。H部は、最も硬いクッション能力を有するセクションを示し、最高の硬さを有するリアアウトソール230の部分がH部に位置する。
【0037】
本発明では、メインソール100に結合した補助ソール 200の向きが変更可能である。したがって、異常歩行をするユーザーやリアアウトソール230の側部の部分的摩耗をきたす者の場合に、本発明は、補助ソール200の向きを適切に変更する方法によって歩行を矯正し、そして、リアアウトソール230の側部の部分的摩耗現象を緩和することができる。
【0038】
円錐コイルばねの下端に結合したリアアウトソール230は、好ましくは、フロントアウトソール115の材料と同様のラバーでできている。結合溝235が、円錐コイルばねの下端を結合するためにリアアウトソール230の上面に形成される。好ましくは、円錐コイルばねは、結合剤を用いて結合溝235に固定される。該円錐コイルばねは、炭素鋼のような金属でできていてもよい。この実施態様では、金属の代替として、該円錐コイルばねが、カーボンファイバーおよびガラスファイバーを含有する化合物素材でてきていてもよい。さらに、該円錐コイルばねを構成する断面はさまざまな形状、例えば矩形、八辺形、円形、チューブ形などを有し得る。そのようなチューブ形は中空形である。
【0039】
より好ましくは、図3に示すように、メッシュ網状の薄い補強部材237をリアアウトソール230内に設けてもよい。補強部材237は、リアアウトソール230の強度を高める役目をはたし、合成樹脂をメッシュ網状に編むことにより製造される。補強部材237が合成樹脂でできている場合、補強部材237は、耐火処理されることが好ましい。ナイロンは、補強部材237用の合成樹脂の代表例である。補強部材237は、この実施態様では合成樹脂でできているように図示されているけれども、補強部材237は金属でできていてもよい。
【0040】
一方、連結部材210は、弾性部材220として使用される円錐コイルばねの上端に結合される。ボルトbが中に固定される内方ねじ切り部210aは、連結部材210の中心に形成される。数個のストップ用突起210bが、内方ねじ切り部210aの周りに円形に設けられる。
【0041】
連結部材210の構造を以下に詳細に説明する。内方ねじ切り孔210aを形成するための主ナット211は、連結部材210の中心部に設けられ、ワイヤーナット212が主ナット211内に取り付けられる。連結部材210を形成するために、ワイヤーナット212に結合される主ナット211は、連結部材210を形成するための型の中に置かれる。合成樹脂を該型内へ射出する。その後、ストップ用突起210bを有する連結部材210が完成する。好ましくは、主ナット211および円錐コイルばねが、該型内の所定の位置に置かれ、合成樹脂を用いた射出成形工程を行い、こうして、連結部材210を形成する。ここで、連結部材210は、円錐コイルばねと一体化するような構造をとることができる。主ナット211内に設けられたワイヤーナット212は、補助ソール200をメインソール100に結合するためのボルトbに直接結合されるので、ボルトbが振動により不所望に緩むのを回避するのに役立つ。ワイヤーナット212は、コイルばねと同様の形状を有し、その断面は、ボルトbの外部ねじと係合するような形状を有する。
【0042】
当業者は、該連結部材に設けられるストップ用突起の数や各突起の形状をさまざまに変更し得ることを理解する。
【0043】
<第二の実施態様>
本発明の第二の実施態様に従う靴底を図6に示す。図6は、第二の実施態様の靴底の重要な部分を図示するための補助ソール200の図である。
【0044】
本発明の第二の実施態様に従う靴底は、基本的に、第一の実施態様と同様に、メインソール100、補助ソール200および結合サポート300を備える。しかし、第一の実施態様と違って、第二の実施態様に従う靴底は、さらに補助ソール200内に設けられる、弾性部材220を囲む防護壁240を含んでいる。防護壁240は、ポリウレタンスポンジ発泡体などを使用して形成され、約20〜50HS(ショアー硬度)を有することが好ましい。防護壁240は、リアアウトソール230の上面の外端から上方へ弾性部材220を囲むように弾性部材220の動きを邪魔しないように延在する。したがって、弾性部材220は、外に露出せず、よって外部からは見えない。さらに、防護壁240が所定の弾性を有するため、ショックを吸収するのにも役立つ。
【0045】
<第三の実施態様>
図7は、本発明の第三の実施態様に従う靴底の重要な特徴を図示するための補助ソール200の平面図である。図8は、補助ソール200の側面図である。
【0046】
本発明の第三の実施態様に従う靴底は、また、メインソール100、補助ソール200および結合サポート300を含み、そして補助ソール200を特徴とする。
【0047】
第三の実施態様の補助ソール200は、上端から下端へ順に配置される連結部材210、弾性部材220およびリアアウトソール230を備える。特に、他の実施態様と違って、4個のアーム215が、角度の間隔が互いに90°離れた位置にて連結部材210の下端の外端から外方へ突出する。さらに、弾性部材220は、ポリウレタンスポンジ発泡体などでできている。この実施態様では、弾性部材220は、ポリウレタンスポンジ発泡体でできており、そして、連結部材210と一体化するように射出成形を介して形成される。弾性部材220として使用されるポリウレタンスポンジ発泡体は、4個のセクションに区分けされ、該4個のセクションは異なる硬さを有する。このため、弾性部材220が射出成形により形成される場合、弾性部材220の4個のセクションが異なる硬さを有するように、ポリウレタンスポンジ発泡体の比率がセクションに応じて適切に調整される。リアアウトソール230は、他の実施態様と同様にして、弾性部材 220の下端に取り付けられる。
【0048】
図9に示すように、ポリウレタンスポンジ発泡体でできており、補助ソール200を構成する弾性部材 220は、S部、MS部、MH部およびH部に区分けされる。各セクションは異なる硬さを有する。S部は、最低の硬さを有し、そして、弾性部材220の硬さがS部からH部へ逆時計方向に徐々に増加する。
【0049】
以下に、異常な歩行を矯正するための靴に使用される本発明の靴底の操作を説明する。
【0050】
本発明は、補助ソール200がメインソール100に取り外し可能に結合し、そして、メインソール100に結合した補助ソール200の向きが制限なく変更可能であることを特徴とする。補助ソール200をメインソール100へ結合するために、補助ソール200は、連結部材210に設けられたストップ用突起210bが結合サポート300内に形成された所望のストップホール320に挿入されるようにメインソール100と接触させる。その後、ボルトbが、結合サポート300の中心に形成され、メインソール100上面まで延在する貫通孔310内へ挿入され、そして、補助ソール200の上端に設けられた連結部材210の内方ねじ切り部(ワイヤーナット)210a内に固定される。これにより、補助ソール200は、メインソール100に確実に結合される。
【0051】
さらに、補助ソール200の向きが調整され、かつ、上記結合方法を用いて新しい物と交換可能である。
【0052】
図10は、中立歩行をするユーザーのための補助ソールの好ましい向きを示す。図中に、ユーザーの左および右足が示される。図10aは、第一の実施態様に従う補助ソールの平面図、図10bは、第二の実施態様に従う補助ソールの平面図、そして図10cは、第三の実施態様に従う補助ソールの平面図を示す。中立歩行をするユーザーの場合、力が一側(例えば内側または外側)に集中しないため、S部およびH部が縦方向に並ぶように補助ソールが位置するのが好ましい。
【0053】
図11は、回内歩行をするユーザーの歩行を矯正するための補助ソールの向きを示す。回内歩行をするユーザーの場合、彼/彼女の足が地面に接触する時、荷重が足の内側に集中するため、補助ソールの内側部を補強することが必要である。同様にして、図11aは、第一の実施態様に従う補助ソールの平面図、図11bは、第二の実施態様に従う補助ソールの平面図、そして図11cは、第三の実施態様に従う補助ソールの平面図を示す。回内歩行を矯正するために、補助ソール200をメインソール100に結合する時、補助ソール200のH部およびS部が横方向に並び、かつH部が内方位置に位置するように補助ソール200を配向させる必要がある。
【0054】
図12は、回外歩行をするユーザーの歩行を矯正するための補助ソールの向きを示す。回外歩行をするユーザーの場合、彼/彼女の足が地面に接触する時、荷重が足の外側に集中するため、補助ソール200のH部およびS部が横方向に並び、かつH部が外方位置に位置するように該補助ソールを配向させる必要がある。
【0055】
このように、本発明は、異常な歩行をするユーザーが、彼/彼女の歩行を矯正するのを助ける。さらに、本発明の靴底では、補助ソールがメインソールに制限なく取り外し可能に結合するため、中立歩行をするユーザーの場合、長期間の使用でリアアウトソールの側部に部分的摩耗が生じても、補助ソールの向きを変え、あるいはそれを新しい物と交換することによって靴を使用し続けることができる。
【0056】
上記したように、異常な歩行をするユーザーが本発明の靴底を有する靴を履く場合、ユーザーの異常な歩行を矯正し、異常な歩行によって引き起こされるさまざまな身体的欠陥を治すという効果が生じる。
【0057】
さらに、本発明では、補助ソールの向きが容易に変更され、そして、その交換が容易であるので、リアアウトソールの側部の部分的摩耗の問題が解決され、そして、ユーザーが適当な硬さを有する弾性部材を含む補助ソールのみを個別に購入すればよいという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】慣用技術に従うスプリングアスレチック靴の側面図を示す。
【図2】本発明の第一の実施態様に従う歩行を矯正するための靴底を有する靴の概略図である。
【図3】図2の靴底の重要な部分を示す拡大透視図である。
【図4】図2の靴底の補助ソールの拡大透視図である。
【図5】本発明に従って、円錐コイルばねを弾性部材として使用する際のリアアウトソールの硬さの分布を示す平面図である。
【図6】本発明の第二の実施態様に従う靴底の補助ソールを示す図である。
【図7】本発明の第三の実施態様に従う靴底の補助ソールを示す平面図である。
【図8】本発明の第三の実施態様に従う靴底の補助ソールを示す側面図である。
【図9】本発明の第三の実施態様に従う補助ソールの硬さの分布を示す平面図である。
【図10】本発明に従う、中立歩行をするユーザーのための補助ソールの向きを示す図である。
【図11】本発明に従う、回内歩行をするユーザーのための補助ソールの向きを示す図である。
【図12】本発明に従う、回外歩行をするユーザーのための補助ソールの向きを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質材でできたフロントミッドソールおよび該フロントミッドソールの下面の下に設けられたフロントアウトソールを有するフロントフットパート、ならびに硬質材でできており、かつ該フロントミッドソールの上面に結合したリアミッドソールを有するリアフットパートを含むメインソールと;
弾性部材、該弾性部材の下端に結合しかつ地面と接触するリアアウトソール、ならびに該弾性部材の上端に設けられる連結部材であって、連結部材を該リアミッドソールの下面に結合させるための内方ねじ切り部、および該内方ねじ切り部の周りに設けられる複数のストップ用突起を有する前記連結部材を含む補助ソールと;
該リアミッドソール下面の下に設けられる結合サポートとを含み、
複数のストップホールが該結合サポート内に形成され、かつ各ストップ用突起に対応し該結合サポート内の該ストップホールの中心に形成される貫通孔が該リアミッドソールの上面まで延在して、ボルトが該貫通孔を通って該内方ねじ切り部内に固定できる歩行矯正するための靴底であって、
該補助ソールの該メインソールに対する向きが変更可能であり、あるいは、ユーザーの歩行の特徴に応じて該補助ソールを他の補助ソールと交換可能であることを特徴とする前記靴底。
【請求項2】
前記弾性部材が円錐コイルばねを含む、請求項1に記載の靴底。
【請求項3】
前記弾性部材は、異なる特徴を有する4個のセクションに区分けされるように、異なる材料を用いて射出成形することにより形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の靴底。
【請求項4】
該連結部材が、射出成形法によって該円錐コイルばねの上端に一体に結合されている、請求項2に記載の靴底。
【請求項5】
該連結部材は、角度の間隔が互いに90°離れた位置にて連結部材の下端の外端上に設けられる4個のアームを含み、弾性部材が異なる材料を用いた射出成形により形成される際に該連結部材と該弾性部材との結合力が該4個のアームによって増加されることを特徴とする、請求項3に記載の靴底。
【請求項6】
該補助ソールがリアアウトソール上に弾性部材を囲むように設けられた防護壁を含む、請求項1、2および4のいずれか一項に記載の靴底。
【請求項7】
該連結部材が、
該内方ねじ切り部を形成する主ナット、および
該主ナット内に設けられ、かつ該ボルトが緩むのを防止するために該ボルトに結合されるワイヤーナットを含む、請求項1に記載の靴底。
【請求項8】
該円錐コイルばねが、矩形、八辺形、円形およびチューブ形から選択される一形状の断面を有するワイヤーでできている、請求項2に記載の靴底。
【請求項9】
該円錐コイルばねを構成するワイヤーが、金属またはカーボンファイバーおよびガラスファイバーを含有する化合物素材でできている、請求項2または8に記載の靴底。
【請求項10】
該リアミッドソールは、10〜15重量部のガラスファイバーに100重量部のナイロン66樹脂を混合した材料でできており、かつ、高温度で射出成形されている、請求項1に記載の靴底。
【請求項11】
さらに、該リアアウトソール内に設けられ、かつメッシュ状に編むことによって製造された補強部材を含む、請求項1、2、4、7および8のいずれか一項に記載の靴底。
【請求項1】
軟質材でできたフロントミッドソールおよび該フロントミッドソールの下面の下に設けられたフロントアウトソールを有するフロントフットパート、ならびに硬質材でできており、かつ該フロントミッドソールの上面に結合したリアミッドソールを有するリアフットパートを含むメインソールと;
弾性部材、該弾性部材の下端に結合しかつ地面と接触するリアアウトソール、ならびに該弾性部材の上端に設けられる連結部材であって、連結部材を該リアミッドソールの下面に結合させるための内方ねじ切り部、および該内方ねじ切り部の周りに設けられる複数のストップ用突起を有する前記連結部材を含む補助ソールと;
該リアミッドソール下面の下に設けられる結合サポートとを含み、
複数のストップホールが該結合サポート内に形成され、かつ各ストップ用突起に対応し該結合サポート内の該ストップホールの中心に形成される貫通孔が該リアミッドソールの上面まで延在して、ボルトが該貫通孔を通って該内方ねじ切り部内に固定できる歩行矯正するための靴底であって、
該補助ソールの該メインソールに対する向きが変更可能であり、あるいは、ユーザーの歩行の特徴に応じて該補助ソールを他の補助ソールと交換可能であることを特徴とする前記靴底。
【請求項2】
前記弾性部材が円錐コイルばねを含む、請求項1に記載の靴底。
【請求項3】
前記弾性部材は、異なる特徴を有する4個のセクションに区分けされるように、異なる材料を用いて射出成形することにより形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の靴底。
【請求項4】
該連結部材が、射出成形法によって該円錐コイルばねの上端に一体に結合されている、請求項2に記載の靴底。
【請求項5】
該連結部材は、角度の間隔が互いに90°離れた位置にて連結部材の下端の外端上に設けられる4個のアームを含み、弾性部材が異なる材料を用いた射出成形により形成される際に該連結部材と該弾性部材との結合力が該4個のアームによって増加されることを特徴とする、請求項3に記載の靴底。
【請求項6】
該補助ソールがリアアウトソール上に弾性部材を囲むように設けられた防護壁を含む、請求項1、2および4のいずれか一項に記載の靴底。
【請求項7】
該連結部材が、
該内方ねじ切り部を形成する主ナット、および
該主ナット内に設けられ、かつ該ボルトが緩むのを防止するために該ボルトに結合されるワイヤーナットを含む、請求項1に記載の靴底。
【請求項8】
該円錐コイルばねが、矩形、八辺形、円形およびチューブ形から選択される一形状の断面を有するワイヤーでできている、請求項2に記載の靴底。
【請求項9】
該円錐コイルばねを構成するワイヤーが、金属またはカーボンファイバーおよびガラスファイバーを含有する化合物素材でできている、請求項2または8に記載の靴底。
【請求項10】
該リアミッドソールは、10〜15重量部のガラスファイバーに100重量部のナイロン66樹脂を混合した材料でできており、かつ、高温度で射出成形されている、請求項1に記載の靴底。
【請求項11】
さらに、該リアアウトソール内に設けられ、かつメッシュ状に編むことによって製造された補強部材を含む、請求項1、2、4、7および8のいずれか一項に記載の靴底。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−203069(P2007−203069A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20476(P2007−20476)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(505413923)ゼット−コイル エルティーディ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(505413923)ゼット−コイル エルティーディ (2)
【Fターム(参考)】
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