説明

歩行者用信号灯器の腕金用取付け金具

【課題】歩行者用信号灯器にトラック等が衝接しても耐衝撃性の有る信号灯器の設置状態を提供できる。
【解決手段】支柱に設けた腕金に着脱自在に取り付ける基枠4を、中央部片4aとその両側の側部片4bで構成し、基枠4の側部片4bに設けた一対の円弧状の長孔13と、側部片4b間に係合した方形枠状の仲介枠15の一対の側部片15aに設けた一対の透孔16に第一接続ピン14を挿通させて基枠4に仲介枠15を組付け、受圧片と該受圧片の両側に相対して立設した側片を備えた接続枠18の側片18bに相対称させて一対の第二長孔20を設け、第二長孔20と、仲介枠15の他の相対する一対の側部片15bに設けた一対の透孔21に、第二接続ピン19を挿通させて仲介枠15に接続枠18を組付け、信号灯器Bとの止着手段を備えた接続枠18の受圧片18aと基枠4の前記中央部片4aには、これらの間に縮設したコイルばね23を圧接させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者信号灯器を支柱に設けた腕金に取り付けるために用いる取付け金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
支柱に設けた腕金に基板において着脱自在に取り付ける基枠を、前記基板と該基板の両側に相対設した側板で構成し、該基枠の前記側板には該側板間に係合した方形筒状の仲介枠を、その相対する一対の側部片において接続ピンで枢着して揺動自在に組付けると共に、受圧片と該受圧片の両側に相対して立設した側片を備えた接続枠を、前記仲介枠の相対する他の一対の側部片に前記側片において他の接続ピンで枢着して揺動自在に組付け、さらに、信号灯器との止着手段を備えた前記接続枠の受圧板と前記基枠の基板には、これらの間に縮設したコイルばねを圧接した構造のものがある。(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−331392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記構造のものは、トラック等が接触したとき、コイルばねの押圧付勢に抗して仲介枠乃至接続枠が揺動して信号灯器に付加される衝撃を緩和し、前記接触すなわち外力の負荷が中断すると、コイルばねの付勢により原状態に復帰して信号灯器を正位置に戻すようにしたものであるが、基枠と仲介枠を単一な接続ピンで、また、仲介枠と接続枠を単一な他の接続ピンでそれぞれ接続(枢着)した構成を採るので、常態時に、前記接続枠を止着した信号灯器に風圧などの外力が負荷すると、接続ピンを軸にして仲介枠と接続枠の一方又は双方が容易に揺動し、信号灯器の設置状態の安定性に欠ける場合がある。
【0005】
本発明は、斯様な従来例の欠点を除去し、しかも、耐衝撃性の有る、歩行者用信号灯器の設置状態を得られる取付け金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
支柱に設けた腕金に着脱自在に取り付ける基枠を、中央部片と該中央部片の両側に相対設した側部片で構成し、該基枠の前記側部片にそれぞれ相対称させて設けた一対の円弧状の長孔と、前記側部片間に係合した方形枠状の仲介枠の相対する一対の側部片に設けた一対の透孔に第一接続ピンを挿通させて基枠に仲介枠を組付けると共に、受圧片と該受圧片の両側に相対して立設した側片を備えた接続枠の側片にそれぞれ相対称させて一対の円弧状の第二長孔を設け、該第二長孔と、前記仲介枠の他の相対する一対の側部片に設けた一対の透孔に、第二接続ピンを挿通させて仲介枠に接続枠を組付け、さらに、信号灯器との止着手段を備えた接続枠の前記受圧片と基枠の前記中央部片には、これらの間に縮設したコイルばねを圧接させた構成とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、基枠と仲介枠を一対の接続ピンで、また、仲介枠と接続枠を他の一対の接続ピンでそれぞれ接続した構成を採るので、信号灯器に風圧など外力が作用しても容易に揺れにくい、従って、安定した信号灯器の設置状態を得られる。また、信号灯器にトラックが衝接してもその衝撃力を吸収して腕金(支柱)側に伝わりにくい、従って、耐久的な歩行者用信号灯器の設置状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】使用状態を示す正面図。
【図2】図1の拡大図。
【図3】信号灯器を省略して示した図2の底面図。
【図4】図2の断面図。
【図5】信号灯器に外力が負荷した状態を示す正面図。
【図6】信号灯器に外力が負荷した他の状態を示す正面図。
【図7】挟持枠と補助枠の斜視図。
【図8】基枠の斜視図。
【図9】仲介枠の斜視図。
【図10】接続枠の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は本発明に係る歩行者用信号灯器の腕金用取付け金具の一実施形態を示し、図中、1は挟持枠で、挟持枠1は中央に窓孔2を設けた中央部片1aの、長手方向に沿って相対する立面部片1b,1bの中央部に切欠3を設けた溝形枠体で構成する。
【0010】
挟持枠1は、該挟持枠1と同形にして基枠4に締付けボルト5と組付けナット6とで組付けた補助枠7とで支柱に設けた腕金aをその上下から挟持し、前記締付けボルト5と該ボルト5に螺合した締付けナット8とで前記基枠4を腕金aに取り付けるものである。すなわち、補助枠7は、挟持枠1と同様に中央に窓口9を設けた中央部片7aの、長手方向に沿って相対する立面部片7b,7bの中央部に切欠10を設けた溝形枠体で成り、中央部片7aを前記基枠4の中央部片4aの上に重ね合わせ、中央部片4aの下側から前記締付けボルト5を貫通させて、中央部片7a(補助枠7)より突出する該ボルト5の先端に組付けナット6を螺合して組付けて基枠4と補助枠7を一体的にし、この一体的にした組合わせ体の補助枠7の切欠10と前記挟持枠1の切欠3に腕金aを係合させ、前記ボルト5の挟持枠1を通じて突出する先端に前記締付けナット8を螺合、締付けて腕金aに取り付けるものである。
【0011】
前記基枠4は、中央に窓口12を設けた前記中央部片4aの長手方向に沿う両側に側部片4b,4bを相対設して構成し、中央部片4aにおいて締付けボルト5と組付けナット6を用いて補助枠7と一体的にしたもので、側部片4b,4bには、該側部片4bの幅方向の中央を通る直線を対称軸とする、一対の、縦長な円弧状の長孔13,13を対称的に設け、この長孔13を通じた第一接続ピン14の先端を、前記側部片4b,4b間に介装した仲介枠15の相対する一対の側部片15a,15aに設けた透孔16に貫通させ、側部片15aより突出する該先端に抜け止め手段17を施してある。仲介枠15は、前記の通り、相対する一対の側部片15a,15aにおいて前記基枠4に接続されており、他の一対の側部片15b,15bにおいては、歩行者用灯器Bに接続して立設した接続枠18に第二接続ピン19によって接続するようにしてある。
【0012】
そして、仲介枠15は、相対する一対二組の側部片15a,15a.15b,15bとで成る方形枠体で成り、一対の側部片15a,15aの上方側の、基枠4に設けた前記長孔13位置に対応させて前記透孔16を設け、他の一対の側部片15b,15bの下方側の、接続枠18に設けた一対の長孔20と対応する位置には透孔21を設けたものである。
【0013】
接続枠18は、水平方向に配した受圧片18aの両側に側片18b,18bを相対して立設する一方、中央に円筒状の組付け筒18cを下設し、該組付け筒18cに止着リング18dを組付けて構成したもので、前記各側片18bには、前記長孔20を設け、該長孔20と仲介枠15側の前記透孔21に第二接続ピン19を貫通させ、接続枠18側の長孔20より突出する、該第二接続ピン19の先端に抜け止め手段22を装置して仲介枠15と一体的に揺動するようにしてある。その揺動は、外力の負荷により、前記第一、第二の接続ピン14,14.19,19のいずれかを軸として行われ、また、コイルばね23によって規制される。すなわち、コイルばね23は、基枠4と一体的にした前記補助枠7の中央部片7aと、接続枠18の受圧片18aとの間に縮小状態で介装され中央部片7aと受圧片18aをすなわち、補助枠7(基枠4)と接続枠18を互いに離開する方向に押圧し、このため、第一接続ピン14の長孔13と透孔16の挿通関係および第二接続ピン19の長孔20と透孔21の挿通関係による基枠4に対する仲介枠15と接続枠18の揺動は規制され、このコイルばね23の押圧付勢つまり伸展する力より大きな縮小させる力が働いたとき、仲介枠15と接続枠18は揺動する。
【0014】
接続枠18の組付け筒18cに係合した止着リング18dは、信号灯器Bに対する止着手段を構成するもので、信号灯器B側に突設したボルト杆30を、該止着リング18dに設けた止着孔31に貫通させ、止着孔31より突出するボルト杆30先端に止着ナット32を螺合締め付けることにより、前記組付け筒18cの下縁に設けた鍔部片を止着リング18dで信号灯器Bと押え付けるようにして信号灯器に止着するのである。
【0015】
そして、挟持枠1の切欠3と補助枠7の切欠10に腕金aを係合させるようにして、補助枠7と基枠4を互いに組付けた締付けボルト5の先端を挟持枠1の中央部片1aを貫通させて該中央部片1aより突出させて締付けナット8を螺合し、締め付けると本取付金具は腕金aに組付けられる。次いで、信号灯器B側のボルト杆30を止着リング18dに通し、リング18dより突出するボルト杆30の先端に止着ナット32を螺合し、締め付けることにより信号灯器Bは、腕金aに取り付けられ、使用状態を得られる。この使用状態時にあって、信号灯器Bにトラック等に接触したとき、コイルばねの押圧付勢に抗して仲介枠15乃至接続枠18は揺動して信号灯器Bの受けた衝撃を緩和させ、接触(外力の負荷)が中断すると、コイルばねの付勢により原状態に復帰して信号灯器Bを正位置に戻すのである。
【符号の説明】
【0016】
4 基枠
4a 中央部片
4b 側部片
13 長孔
14 第一接続ピン
15 仲介枠
15a 側部片
15b 側部片
16 透孔
18 接続枠
18a 受圧片
18b 側片
19 第二接続ピン
20 第二長孔
21 透孔
23 コイルばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱に設けた腕金に着脱自在に取り付ける基枠を、中央部片と該中央部片の両側に相対設した側部片で構成し、該基枠の前記側部片にそれぞれ相対称させて設けた一対の円弧状の長孔と、前記側部片間に係合した方形枠状の仲介枠の相対する一対の側部片に設けた一対の透孔に第一接続ピンを挿通させて基枠に仲介枠を組付けると共に、受圧片と該受圧片の両側に相対して立設した側片を備えた接続枠の側片にそれぞれ相対称させて一対の円弧状の第二長孔を設け、該第二長孔と、前記仲介枠の他の相対する一対の側部片に設けた一対の透孔に、第二接続ピンを挿通させて仲介枠に接続枠を組付け、さらに、信号灯器との止着手段を備えた接続枠の前記受圧片と基枠の前記中央部片には、これらの間に縮設したコイルばねを圧接させた、歩行者用信号灯器の腕金用取付け金具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−221284(P2012−221284A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87152(P2011−87152)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(592157076)イワブチ株式会社 (80)
【Fターム(参考)】