歩道橋
【課題】 津波や洪水などの緊急時において避難を可能とし、特に歩行路面以外にも多くの人を避難させ得る歩道橋を提供すること。
【解決手段】 車道の両側に配置された各歩道における車道を隔てて対応する個所に基礎を介して主支柱を立設するとともに、これら両主支柱の上端間には、長四辺形の歩行路面を有する渡架躯体が前記車道を跨ぐようにして架設され、前記渡架躯体の両端と各歩道との間には、歩道と歩行路面とを連絡する登降手段が補助支柱で支えられた状態でもって連結されることで歩道橋本体が構成され、この歩道橋本体における渡架躯体の直上には、ステージ面を備えたステージ躯体が設けられて前記主支柱により支持されるとともに、歩行路面とステージ面との間には、渡架躯体の両端部とステージ躯体の両端部とを連絡する避難階段が設けられていることを特徴とする。
【解決手段】 車道の両側に配置された各歩道における車道を隔てて対応する個所に基礎を介して主支柱を立設するとともに、これら両主支柱の上端間には、長四辺形の歩行路面を有する渡架躯体が前記車道を跨ぐようにして架設され、前記渡架躯体の両端と各歩道との間には、歩道と歩行路面とを連絡する登降手段が補助支柱で支えられた状態でもって連結されることで歩道橋本体が構成され、この歩道橋本体における渡架躯体の直上には、ステージ面を備えたステージ躯体が設けられて前記主支柱により支持されるとともに、歩行路面とステージ面との間には、渡架躯体の両端部とステージ躯体の両端部とを連絡する避難階段が設けられていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、道路や河川、あるいは鉄道等路線などを跨ぐように設けられる歩道橋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な歩道橋は、道路を隔てたところに一対の支柱を立設し、これらの支柱に支持されて渡架躯体を掛け渡して歩行路面を形成するとともに、歩行路面の両端には、登降できるように階段やエスカレータ、エレベータなどでなる登降手段を接続してなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうした歩道橋は、車道を横切ることなく一方から他方の歩道へと人を運ぶ立体通路としての役目しかなく、他の機能を付帯するものではなかった。
この発明は、上記に鑑みなされたもので、津波や洪水などの緊急時において避難を可能とし、特に歩行路面以外にも多くの人を避難させ得る歩道橋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、車道の両側に配置された各歩道における車道を隔てて対応する個所に基礎を介して主支柱を立設するとともに、これら両主支柱の上端間には、長四辺形の歩行路面を有する渡架躯体が前記車道を跨ぐようにして架設され、前記渡架躯体の両端と各歩道との間には、歩道と歩行路面とを連絡する登降手段が補助支柱で支えられた状態でもって連結されることで歩道橋本体が構成され、この歩道橋本体における渡架躯体の直上には、ステージ面を備えたステージ躯体が設けられて前記主支柱により支持されるとともに、歩行路面とステージ面との間には、渡架躯体の両端部とステージ躯体の両端部とを連絡する避難階段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、車道の両側に配置された各歩道における車道を隔てて対応する個所に基礎を介して主支柱を立設するとともに、これら両主支柱の上端間には、長四辺形の歩行路面を有する渡架躯体が前記車道を跨ぐようにして架設され、前記渡架躯体の両端と各歩道との間には、歩道と歩行路面とを連絡する登降手段が補助支柱で支えられた状態でもって連結されることで歩道橋本体が構成され、この歩道橋本体における渡架躯体の直上には、ステージ面を備えたステージ躯体が設けられて前記主支柱により支持されるとともに、歩行路面とステージ面との間には、渡架躯体の両端部とステージ躯体の両端部とを連絡する避難階段が設けられていることを特徴とするので、津波や洪水などの緊急時において避難を可能とし、特に歩行路面以外にも多くの人を避難させ得る歩道橋を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、この発明の一実施形態を図面にしたがって説明するが、ここで説明する各実施形態に含まれる個々の提案例は他の実施形態にも適用されるものとする。
また、各構成部材の材質は鉄材を基本として説明するが、アルミ合金・チタン合金などの他の金属材や木材さらに樹脂など現存するすべてのものを利用し得るものとする。
【0007】
図1ないし図5は避難ステージ付き歩道橋装置についての一実施形態を示す。
同実施形態は、平時は歩道橋として機能する一方津波や洪水などの非常事態が発生した際には平時の歩道橋部分の他に更なる階上の避難ステージにも避難できるようにして、避難人員を増やすことができるとともに高い位置への安全な避難ができるようにしたものである。同装置は、全体が新設される場合と旧歩道橋を改造し階上部分を増設する場合とがある。同装置は、特に歩道橋の直上に避難ステージを配置したものである。
【0008】
531は車道、532は主支柱で、同主支柱532は下端にフランジ532aを備えて車道531を隔てて対応する個所に設けた基礎533にアンカー固定されてそれぞれ一対ずつ立設されている。これら主支柱532,532の上端間には、渡架躯体534が架設され、その内部に長四辺形をした歩行路面535が敷設されるとともに上部には安全柵536が取り付けられている。安全柵536は樹脂板でなる覆いであることもある。渡架躯体534は、溝型の外装材を備えるが殆どはその底部には図4(底面図)に示すようにH鋼などの鋼材を渡しその端部と前記主支柱532とを連結した構造になっている。その他の構造を採る場合もある。
【0009】
538は登降手段で、双方向から昇り降りできるタイプのものとされている。
片方向においてのみ昇り降りできるタイプでもよい。同登降手段538は、階段躯体539と階段本体540および安全柵541とを備えて歩道542と歩行路面535とを連絡している。543は基盤で登降手段538の下端に設けられており、階段基礎544にアンカー固定され、545は補助支柱でフランジを介して基礎546に固着して立設されている。
【0010】
こうした既設あるいは新設歩道橋において、津波や洪水などの緊急避難のための避難ステージSを構築する。同避難ステージSは、前記渡架躯体534より少し短い長四辺形をしたステージ躯体548とステージ面(避難面)549とを備えるとともに安全柵550を備えて前記歩道橋の直上に平行で高い位置に設けられている。同ステージ躯体548は、前記主支柱532に支持されており、同躯体548の両端には歩道橋から昇り降り可能な避難階段552が設けられている。
尚、図5に示すように、主支柱532同士は補強梁553により連結補強されている。
【0011】
こうした避難ステージS付き歩道橋は、図1・図2のように、平時は図中の白矢印のように歩道橋として利用される一方において、津波や洪水が発生した際には黒矢印のように歩道橋から更に上の階である避難ステージSに登ることによって避難が可能になっている。避難ステージSは歩道橋よりも充分高くなっているので想定よりも高い津波が襲来してきても安全性が保障される。
主支柱532は左右それぞれに一対ずつ設けられているので津波への抵抗力が大きいが、左右それぞれ1本であってもよい。
【0012】
尚、図2に示すように、中央分離帯555が設けられている場合には、同分離帯555から立設した中央支柱556により歩道橋および避難ステージSを支持するようにしてもよい。この場合、中央支柱556を前後に2本としてもよく、その場合、主支柱532は1本ずつあるいは前後2本としてもよい。
【0013】
図6および図7の実施形態ならびに以下の実施形態でも同様であるが、例えば、図7における梯子部99には、仮想線のような滑走部104を設けておいて平時はすべり台としての機能をもたせてもよい。この場合、避難部100上には、滑りにくい生地で作った巻物105を一端固定式で常備しておき、津波のときには、この巻物105を滑走部104の面に向けて繰り出すようにすることで滑りにくい面を提供できるようにしてもよい。この場合の滑りにくい面は、例えば、寝たきり老人を乗せた車椅子を登らせたりする非常時に有効である。
また、図7の右欄に示すように、梯子部99の部分を、一側がすべり面107で他側登り用スロープ108として併設式とすることもできる。この場合、すべり面107を遊戯向けとして急傾斜とする一方スロープ108は緩い傾斜としてもよい。さらに右欄に示すように、幅間中央がすべり面107でその両側が登り用スロープ108として形成されていてもよい。Kは車椅子である。
さらに、梯子部は装置の前後両側に配してあるが、その一方のみを梯子部とし他方をスロープとしてもよい。この場合のスロープはすべり面である場合と避難登り用の双方を含むものである。
【0014】
図8の実施形態は、全体がアーチ型をなすもので、本体110はアーチ型の主枠111の一対とその間の梯子部112および避難部113で構成されるとともに両側の安全柵114を備える。
本体110はその前後両端下部を直接土中に埋め込んで固定してある。安定化のため広がり枠115を設けてもよいし、右欄に示すように主枠111を裾広がり状にしてもよい。
【0015】
図9の実施形態は、全体がアーチ型の本体118でなるが、その安全柵119が両側でなく幅間中央を通るようになっている。この場合も本体118を裾広がり状にしてもよく、また、安定化のためワイヤ120で引っ張ってもよい。121は梯子部、122は避難部である。
【0016】
図10の実施形態は、より安定な二股型の主枠125をもつ本体としたもので、126は梯子部でその両側には手摺り127が設けられている。128は避難部で、この実施形態では充分広いスペースとして近隣の人も多く避難できるようになっている。129はワイヤである。
尚、同実施形態における梯子部126は4列に設けられているが、そのうちの例えば、Aをすべり台としたりBを登りスロープとしたり自在に選択できる。
【0017】
図11の実施形態は、本体132を単一本の主枠133により形成したもので、台形に曲げ成型された主枠133の両端下部は埋め込み固定などにより地盤に固定されるとともに、その支脚部134には梯子部135と階段手摺り136が沿設され、台部137には枠体138が付されて避難部139が固定され、その両側には安全柵140が設けられている。この場合、仮想線のように補助支脚141を備えてより安定にさせてもよい。
【0018】
図12および図13は他の実施形態を示し、図12は図13のX方向からみた矢視図である施設側面図、図13は図12のY方向からみた矢視図である施設背面図である。
同施設は、平時は展望ができ津波や洪水などの非常事態発生時には避難ステージとして200人程度を避難収容可能な展望兼避難用施設物の一例を示す。
【0019】
同施設は、図12の右側から津波が襲来してくることを想定してその右側が正面とされている。その正面側と背面側にそれぞれ3本ずつの鉄骨支柱450…を立設し、その前後間に同じく3本ずつで前後2列の支柱450…を立設してあるとともに、これら支柱450…は前後左右間を図示しない梁および桁で相互連結してある。各支柱450…は基礎に固定されている。
そして、1階部分は駐車場451として構成され、前後および左右のいずれにも車両が出入り可能とされている。
【0020】
452は第1避難階段、453は第2避難階段であり、2階フロアー454と3階フロアーである展望兼避難ステージ455が敷設されているとともに、全体外周には外壁456が設けられている。
そして、2階部分は、避難室(集会所)・キッチン・倉庫などの2階利用室457に仕切形成されており、3階部分は、展望する人が安全であるように少し高い外壁456で囲まれているとともに、降雨時などにも展望ができるように屋根構造体458で覆われている。
【0021】
尚、津波は図12の右側から襲来することが想定され、その襲来エネルギーが直接前記施設物に衝当して損害を大きくしないように、施設物の正面前方位置には、支柱450の前方に対応して緩衝杭459…が横並びに複数本立設固定されている。
【0022】
この緩衝杭459は深く埋め込まれた基礎460上にアンカー固定されている。同緩衝杭459は金属パイプであったり鉄筋入りコンクリート製であったりする。木材であってもよい。
【0023】
前記第1避難階段452の踊り場の津波が襲来してくる立面は手摺り柵とされているが、この面は、津波が襲来してくると避難中の人に被害を与えるおそれがあるだけでなく階段を伝って2階フロアー454まで襲うおそれがあることから、津波に対抗し遮る作用のある強度面とすることが有効である。そのことから同強度面は、上からみて湾曲した面としたり山形に前方突出する面とすることがよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】避難ステージ付き歩道橋の他の実施形態を示す平面図。
【図2】図1の歩道橋の正面図。
【図3】図2の歩道橋の背面図。
【図4】図1の歩道橋の底面図。
【図5】図1の歩道橋の右側面図。
【図6】他の実施形態を示す津波避難用簡易装置の斜視図。
【図7】他の実施形態を示す津波避難用簡易装置の斜視図。
【図8】他の実施形態を示す津波避難用簡易装置の斜視図。
【図9】他の実施形態を示す津波避難用簡易装置の斜視図。
【図10】他の実施形態を示す津波避難用簡易装置の平面図。
【図11】他の実施形態を示す津波避難用簡易装置の斜視図。
【図12】他の実施形態を図13のX矢視図として示す側面図。
【図13】図12のY矢視図。
【符号の説明】
【0025】
531…車道 532…主支柱 534…渡架躯体 535…歩行路面 538…登降手段 542…歩道 545…補助支柱 S…避難ステージ 548…ステージ躯体 549…ステージ面 552…避難階段 。
【技術分野】
【0001】
この発明は、道路や河川、あるいは鉄道等路線などを跨ぐように設けられる歩道橋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な歩道橋は、道路を隔てたところに一対の支柱を立設し、これらの支柱に支持されて渡架躯体を掛け渡して歩行路面を形成するとともに、歩行路面の両端には、登降できるように階段やエスカレータ、エレベータなどでなる登降手段を接続してなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうした歩道橋は、車道を横切ることなく一方から他方の歩道へと人を運ぶ立体通路としての役目しかなく、他の機能を付帯するものではなかった。
この発明は、上記に鑑みなされたもので、津波や洪水などの緊急時において避難を可能とし、特に歩行路面以外にも多くの人を避難させ得る歩道橋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、車道の両側に配置された各歩道における車道を隔てて対応する個所に基礎を介して主支柱を立設するとともに、これら両主支柱の上端間には、長四辺形の歩行路面を有する渡架躯体が前記車道を跨ぐようにして架設され、前記渡架躯体の両端と各歩道との間には、歩道と歩行路面とを連絡する登降手段が補助支柱で支えられた状態でもって連結されることで歩道橋本体が構成され、この歩道橋本体における渡架躯体の直上には、ステージ面を備えたステージ躯体が設けられて前記主支柱により支持されるとともに、歩行路面とステージ面との間には、渡架躯体の両端部とステージ躯体の両端部とを連絡する避難階段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、車道の両側に配置された各歩道における車道を隔てて対応する個所に基礎を介して主支柱を立設するとともに、これら両主支柱の上端間には、長四辺形の歩行路面を有する渡架躯体が前記車道を跨ぐようにして架設され、前記渡架躯体の両端と各歩道との間には、歩道と歩行路面とを連絡する登降手段が補助支柱で支えられた状態でもって連結されることで歩道橋本体が構成され、この歩道橋本体における渡架躯体の直上には、ステージ面を備えたステージ躯体が設けられて前記主支柱により支持されるとともに、歩行路面とステージ面との間には、渡架躯体の両端部とステージ躯体の両端部とを連絡する避難階段が設けられていることを特徴とするので、津波や洪水などの緊急時において避難を可能とし、特に歩行路面以外にも多くの人を避難させ得る歩道橋を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、この発明の一実施形態を図面にしたがって説明するが、ここで説明する各実施形態に含まれる個々の提案例は他の実施形態にも適用されるものとする。
また、各構成部材の材質は鉄材を基本として説明するが、アルミ合金・チタン合金などの他の金属材や木材さらに樹脂など現存するすべてのものを利用し得るものとする。
【0007】
図1ないし図5は避難ステージ付き歩道橋装置についての一実施形態を示す。
同実施形態は、平時は歩道橋として機能する一方津波や洪水などの非常事態が発生した際には平時の歩道橋部分の他に更なる階上の避難ステージにも避難できるようにして、避難人員を増やすことができるとともに高い位置への安全な避難ができるようにしたものである。同装置は、全体が新設される場合と旧歩道橋を改造し階上部分を増設する場合とがある。同装置は、特に歩道橋の直上に避難ステージを配置したものである。
【0008】
531は車道、532は主支柱で、同主支柱532は下端にフランジ532aを備えて車道531を隔てて対応する個所に設けた基礎533にアンカー固定されてそれぞれ一対ずつ立設されている。これら主支柱532,532の上端間には、渡架躯体534が架設され、その内部に長四辺形をした歩行路面535が敷設されるとともに上部には安全柵536が取り付けられている。安全柵536は樹脂板でなる覆いであることもある。渡架躯体534は、溝型の外装材を備えるが殆どはその底部には図4(底面図)に示すようにH鋼などの鋼材を渡しその端部と前記主支柱532とを連結した構造になっている。その他の構造を採る場合もある。
【0009】
538は登降手段で、双方向から昇り降りできるタイプのものとされている。
片方向においてのみ昇り降りできるタイプでもよい。同登降手段538は、階段躯体539と階段本体540および安全柵541とを備えて歩道542と歩行路面535とを連絡している。543は基盤で登降手段538の下端に設けられており、階段基礎544にアンカー固定され、545は補助支柱でフランジを介して基礎546に固着して立設されている。
【0010】
こうした既設あるいは新設歩道橋において、津波や洪水などの緊急避難のための避難ステージSを構築する。同避難ステージSは、前記渡架躯体534より少し短い長四辺形をしたステージ躯体548とステージ面(避難面)549とを備えるとともに安全柵550を備えて前記歩道橋の直上に平行で高い位置に設けられている。同ステージ躯体548は、前記主支柱532に支持されており、同躯体548の両端には歩道橋から昇り降り可能な避難階段552が設けられている。
尚、図5に示すように、主支柱532同士は補強梁553により連結補強されている。
【0011】
こうした避難ステージS付き歩道橋は、図1・図2のように、平時は図中の白矢印のように歩道橋として利用される一方において、津波や洪水が発生した際には黒矢印のように歩道橋から更に上の階である避難ステージSに登ることによって避難が可能になっている。避難ステージSは歩道橋よりも充分高くなっているので想定よりも高い津波が襲来してきても安全性が保障される。
主支柱532は左右それぞれに一対ずつ設けられているので津波への抵抗力が大きいが、左右それぞれ1本であってもよい。
【0012】
尚、図2に示すように、中央分離帯555が設けられている場合には、同分離帯555から立設した中央支柱556により歩道橋および避難ステージSを支持するようにしてもよい。この場合、中央支柱556を前後に2本としてもよく、その場合、主支柱532は1本ずつあるいは前後2本としてもよい。
【0013】
図6および図7の実施形態ならびに以下の実施形態でも同様であるが、例えば、図7における梯子部99には、仮想線のような滑走部104を設けておいて平時はすべり台としての機能をもたせてもよい。この場合、避難部100上には、滑りにくい生地で作った巻物105を一端固定式で常備しておき、津波のときには、この巻物105を滑走部104の面に向けて繰り出すようにすることで滑りにくい面を提供できるようにしてもよい。この場合の滑りにくい面は、例えば、寝たきり老人を乗せた車椅子を登らせたりする非常時に有効である。
また、図7の右欄に示すように、梯子部99の部分を、一側がすべり面107で他側登り用スロープ108として併設式とすることもできる。この場合、すべり面107を遊戯向けとして急傾斜とする一方スロープ108は緩い傾斜としてもよい。さらに右欄に示すように、幅間中央がすべり面107でその両側が登り用スロープ108として形成されていてもよい。Kは車椅子である。
さらに、梯子部は装置の前後両側に配してあるが、その一方のみを梯子部とし他方をスロープとしてもよい。この場合のスロープはすべり面である場合と避難登り用の双方を含むものである。
【0014】
図8の実施形態は、全体がアーチ型をなすもので、本体110はアーチ型の主枠111の一対とその間の梯子部112および避難部113で構成されるとともに両側の安全柵114を備える。
本体110はその前後両端下部を直接土中に埋め込んで固定してある。安定化のため広がり枠115を設けてもよいし、右欄に示すように主枠111を裾広がり状にしてもよい。
【0015】
図9の実施形態は、全体がアーチ型の本体118でなるが、その安全柵119が両側でなく幅間中央を通るようになっている。この場合も本体118を裾広がり状にしてもよく、また、安定化のためワイヤ120で引っ張ってもよい。121は梯子部、122は避難部である。
【0016】
図10の実施形態は、より安定な二股型の主枠125をもつ本体としたもので、126は梯子部でその両側には手摺り127が設けられている。128は避難部で、この実施形態では充分広いスペースとして近隣の人も多く避難できるようになっている。129はワイヤである。
尚、同実施形態における梯子部126は4列に設けられているが、そのうちの例えば、Aをすべり台としたりBを登りスロープとしたり自在に選択できる。
【0017】
図11の実施形態は、本体132を単一本の主枠133により形成したもので、台形に曲げ成型された主枠133の両端下部は埋め込み固定などにより地盤に固定されるとともに、その支脚部134には梯子部135と階段手摺り136が沿設され、台部137には枠体138が付されて避難部139が固定され、その両側には安全柵140が設けられている。この場合、仮想線のように補助支脚141を備えてより安定にさせてもよい。
【0018】
図12および図13は他の実施形態を示し、図12は図13のX方向からみた矢視図である施設側面図、図13は図12のY方向からみた矢視図である施設背面図である。
同施設は、平時は展望ができ津波や洪水などの非常事態発生時には避難ステージとして200人程度を避難収容可能な展望兼避難用施設物の一例を示す。
【0019】
同施設は、図12の右側から津波が襲来してくることを想定してその右側が正面とされている。その正面側と背面側にそれぞれ3本ずつの鉄骨支柱450…を立設し、その前後間に同じく3本ずつで前後2列の支柱450…を立設してあるとともに、これら支柱450…は前後左右間を図示しない梁および桁で相互連結してある。各支柱450…は基礎に固定されている。
そして、1階部分は駐車場451として構成され、前後および左右のいずれにも車両が出入り可能とされている。
【0020】
452は第1避難階段、453は第2避難階段であり、2階フロアー454と3階フロアーである展望兼避難ステージ455が敷設されているとともに、全体外周には外壁456が設けられている。
そして、2階部分は、避難室(集会所)・キッチン・倉庫などの2階利用室457に仕切形成されており、3階部分は、展望する人が安全であるように少し高い外壁456で囲まれているとともに、降雨時などにも展望ができるように屋根構造体458で覆われている。
【0021】
尚、津波は図12の右側から襲来することが想定され、その襲来エネルギーが直接前記施設物に衝当して損害を大きくしないように、施設物の正面前方位置には、支柱450の前方に対応して緩衝杭459…が横並びに複数本立設固定されている。
【0022】
この緩衝杭459は深く埋め込まれた基礎460上にアンカー固定されている。同緩衝杭459は金属パイプであったり鉄筋入りコンクリート製であったりする。木材であってもよい。
【0023】
前記第1避難階段452の踊り場の津波が襲来してくる立面は手摺り柵とされているが、この面は、津波が襲来してくると避難中の人に被害を与えるおそれがあるだけでなく階段を伝って2階フロアー454まで襲うおそれがあることから、津波に対抗し遮る作用のある強度面とすることが有効である。そのことから同強度面は、上からみて湾曲した面としたり山形に前方突出する面とすることがよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】避難ステージ付き歩道橋の他の実施形態を示す平面図。
【図2】図1の歩道橋の正面図。
【図3】図2の歩道橋の背面図。
【図4】図1の歩道橋の底面図。
【図5】図1の歩道橋の右側面図。
【図6】他の実施形態を示す津波避難用簡易装置の斜視図。
【図7】他の実施形態を示す津波避難用簡易装置の斜視図。
【図8】他の実施形態を示す津波避難用簡易装置の斜視図。
【図9】他の実施形態を示す津波避難用簡易装置の斜視図。
【図10】他の実施形態を示す津波避難用簡易装置の平面図。
【図11】他の実施形態を示す津波避難用簡易装置の斜視図。
【図12】他の実施形態を図13のX矢視図として示す側面図。
【図13】図12のY矢視図。
【符号の説明】
【0025】
531…車道 532…主支柱 534…渡架躯体 535…歩行路面 538…登降手段 542…歩道 545…補助支柱 S…避難ステージ 548…ステージ躯体 549…ステージ面 552…避難階段 。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車道の両側に配置された各歩道における車道を隔てて対応する個所に基礎を介して主支柱を立設するとともに、これら両主支柱の上端間には、長四辺形の歩行路面を有する渡架躯体が前記車道を跨ぐようにして架設され、前記渡架躯体の両端と各歩道との間には、歩道と歩行路面とを連絡する登降手段が補助支柱で支えられた状態でもって連結されることで歩道橋本体が構成され、この歩道橋本体における渡架躯体の直上には、ステージ面を備えたステージ躯体が設けられて前記主支柱により支持されるとともに、歩行路面とステージ面との間には、渡架躯体の両端部とステージ躯体の両端部とを連絡する避難階段が設けられていることを特徴とする歩道橋。
【請求項1】
車道の両側に配置された各歩道における車道を隔てて対応する個所に基礎を介して主支柱を立設するとともに、これら両主支柱の上端間には、長四辺形の歩行路面を有する渡架躯体が前記車道を跨ぐようにして架設され、前記渡架躯体の両端と各歩道との間には、歩道と歩行路面とを連絡する登降手段が補助支柱で支えられた状態でもって連結されることで歩道橋本体が構成され、この歩道橋本体における渡架躯体の直上には、ステージ面を備えたステージ躯体が設けられて前記主支柱により支持されるとともに、歩行路面とステージ面との間には、渡架躯体の両端部とステージ躯体の両端部とを連絡する避難階段が設けられていることを特徴とする歩道橋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−47453(P2013−47453A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−175376(P2012−175376)
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【分割の表示】特願2008−175062(P2008−175062)の分割
【原出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(594100838)フジワラ産業株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【分割の表示】特願2008−175062(P2008−175062)の分割
【原出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(594100838)フジワラ産業株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
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